JPH11234074A - Sawデバイス及びその製造方法 - Google Patents

Sawデバイス及びその製造方法

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JPH11234074A
JPH11234074A JP2747398A JP2747398A JPH11234074A JP H11234074 A JPH11234074 A JP H11234074A JP 2747398 A JP2747398 A JP 2747398A JP 2747398 A JP2747398 A JP 2747398A JP H11234074 A JPH11234074 A JP H11234074A
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saw
chip
window
package
lid
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JP2747398A
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Hiromi Yatsuda
博美 谷津田
Hiroaki Iijima
寛明 飯島
Nobuhiro Mineshima
信浩 峰島
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Japan Radio Co Ltd
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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造偏差に起因したばらつきを抑える。 【解決手段】 SAWチップ10がフリップチップ実装
されるパッケージに、SAWチップ10の電極形成面1
0aと向き合うよう窓12eを設けておく。パッケージ
内にSAWチップ10をフリップチップ実装した後、少
なくとも窓12eがふさがれていない状態で、仕掛品1
6をリアクティブイオンエッチング装置18内に搬入
し、装置18内にエッチングガスを導入してSAWチッ
プ10の基板又は電極をエッチングする。エッチングに
代え、電極形成面10a上に膜を形成するようにしても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリップチップ実
装型のSAW(表面弾性波)デバイス及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】従来のSAWデバイス
は、パッケージの内底面にSAWチップを接着固定し、
パッケージ内に設けたボンディングパッドとSAWチッ
プ表面のボンディングパッドとをワイヤボンディングに
より接続する、という一連の工程にて製造されていた。
このようなワイヤボンディング型のSAWデバイスにお
いては、SAWチップの接着固定に使用する接着剤によ
り製造後に特性が変動するといった問題があった。これ
に対し、フリップチップ実装型のSAWデバイスは、金
等の金属から形成されたバンプをSAWチップの導体パ
ッド上に載置しておき、バンプを載せた側の面(電極形
成面)をパッケージの内底面(ダイアタッチ面)に向け
た姿勢でSAWチップをダイアタッチ面上に載せ、更に
熱・圧力・超音波等を印加することによりバンプによる
電気的接続及び機械的固定を実現する、という一連の工
程で製造される。従って、フリップチップ実装型のSA
Wデバイスでは、接着剤を使用する必要がないため、従
来のワイヤボンディング型のSAWデバイスに比べ製造
後の特性変動が少なくなる。
【0003】図7に、フリップチップ実装型のSAWデ
バイスの一例構成を示す。この図に示すSAWチップ1
0の電極形成面10aには、図示しないが、電気信号の
印加に応じ基板例えば水晶等の圧電性基板を励振するこ
とにより表面弾性波を発生させるための電極や、この表
面弾性波を受波し電気信号に変換するための電極や、表
面弾性波を特定の方向に反射するための電極等、様々な
導体層が設けられている。電極形成面10aには、更
に、これらの電極と電気的に接続された導体パッドが、
パッケージ12側との接続・固定のため、設けられてい
る(図示せず)。他方、パッケージ12はSAWチップ
10を収納するための凹部を有しており、その内底面即
ちダイアタッチ面12aには、図示しないが、バンプ1
4と相対向するよう導体パッドが形成されている。パッ
ケージ12には、更に、外部接続用の導体であるフット
プリント12bが設けられており、このフットプリント
12bは、パッケージ12を貫通する導体(図示せず)
を介してダイアタッチ面12a上の導体パッドと電気的
に接続されている。
【0004】この図に示すSAWデバイスを製造するに
際しては、まず、金等の金属から形成されているバンプ
14を電極形成面10a上の導体パッドに載せ、更に、
電極形成面10aを図中下方向に向けた姿勢で、SAW
チップ10をパッケージ12の凹部に収納する。この状
態で、熱、圧力、超音波等を図中上方向から印加するこ
とにより、SAWチップ10の導体パッドとダイアタッ
チ面12a上の導体パッドとが、バンプ14を介し電気
的に接続されかつ機械的に固定された状態となる。この
後、リッド乃至カバー12cによって、SAWチップ1
0を収納するための凹部開口をふさぐ。図中の封じ部1
2dは、熱・圧力等の印加により形成されリッド12c
とパッケージ12本体との間に介在する封止部材であ
り、その素材としては例えば金/スズ、樹脂、半田、ガ
ラス等を用いる。
【0005】また、バンプ14による接続固定が済んで
いれば、開口封止前の段階であっても、フットプリント
12bを介しSAWチップ10の特性を外部の測定器に
より測定することが可能である。本願出願人が特願平8
−292600号において提案した方法(以下、先提案
と呼ぶ)では、バンプ接続・固定を形成した後リッド1
2cにてパッケージ12の開口をふさぐ前の段階で、仕
掛品の特性を計測しながら、SAWチップ10の背面
(図7では上側の面)からレーザ等のビームを照射し電
極形成面10a上の導体層や絶縁体層を蒸発させること
により、特性を調整し、製造偏差に起因した特性ばらつ
きを抑制・防止している。
【0006】
【発明の概要】本発明の目的の一つは、フリップチップ
実装型のSAWデバイスに関し、製造途上で特性調整を
行うことにより、製造偏差に起因した特性ばらつきを抑
えることにある。本発明の目的の一つは、特性調整の方
法に工夫を施すことにより、上記先提案に比べても更に
小さな特性ばらつきに抑えられるようにすることにあ
る。この目的を達成すべく、本発明に係るSAWデバイ
ス製造方法においては、(1)そのダイアタッチ面に特
性調整用の窓が設けられているパッケージ内にSAWチ
ップをフリップチップ実装する実装ステップと、(2)
この窓を介して上記パッケージ内に気体を導入すること
により仕掛品の特性を調整する第1調整ステップとを、
実行することとした。
【0007】ここでいう気体の導入とは、例えば、SA
Wチップの基板や電極をエッチングするためのガスを導
入することや、表面弾性波伝搬にかかわる膜を形成する
ためのガスをSAWチップの電極形成面上に導入するこ
と等であり、表面弾性波伝搬ひいてはSAWデバイスの
特性に影響する気体の導入全般を包含している。即ち、
本発明においては、SAWチップの基板の状態を変化さ
せ或いはSAWチップの電極を改質させることができる
ため、中心周波数をはじめとする特性のばらつきを更に
抑えることができる。また、導入する気体の種類を適宜
選択することによって、基板をエッチングするのか、電
極をエッチングするのか、或いは新たな膜を形成するの
かを選択的に決定できる。
【0008】また、本発明では、ダイアタッチ面に特性
調整用の窓を設けている。ダイアタッチ面上には、SA
Wチップをパッケージ側に接続するための導体パッド等
を設けねばならないから、特性調整用の窓の開口面積
は、パッケージ内にSAWチップを入れるためのチップ
収納用開口の開口面積に比べ、小さくなる。本発明を実
施するに際しては、この開口面積の関係を有効利用する
ことができる。
【0009】例えば、フッ素系のガスをエッチングガス
として用いたリアクティブイオンエッチングのように、
エッチングレートが比較的高い手法によりSAWチップ
の基板又は電極をエッチングし、それによって本発明の
特徴に係る特性調整を行う場合を考える。また、特性調
整の対象たる仕掛品が、使用される周波数帯域が比較的
高いSAWデバイス言い換えれば電極が小さなSAWデ
バイスの仕掛品であるとする。このとき、チップ収納用
開口と同程度の開口面積の開口を介してSAWチップの
電極形成面へとプラズマ(本願では、説明の簡略化のた
め、イオン、電子、原子、ラジカル等の励起活性種を含
むもの全般をさすものとする)を導入することとするな
らば、エッチングが急速に進行するため、仕掛品の特性
例えば通過域の中心周波数を目標通りにするのが難しく
なる可能性がある(制御の困難性)。
【0010】これに対し、本発明においては、チップ収
納用開口等に比べその開口面積が小さい窓を、特性調整
のための気体の導入に使用している。従って、エッチン
グレートが比較的高い手法によりSAWチップの基板又
は電極をエッチングする際に、SAWチップの電極形成
面へのプラズマの導入を抑えること即ちエッチングレー
トを抑えることができる。つまり、本発明の好ましい実
施形態においては、リアクティブイオンエッチングにお
ける高いエッチングレートが原因で制御が困難になるこ
とを防ぎ、比較的高周波のSAWデバイスであってもそ
の特性調整を的確且つ容易に行うことができる。特に、
特性調整用の窓を複数の開口の集合として形成しておく
こと、言い換えれば窓を構成する一つ一つの開口の面積
を小さくすべく窓を分割することによって、この効果は
更に高まる。
【0011】なお、“Frequency Trimming of SAW Devi
ces”,Takehiko Uno,Kanagawa Institute of Technolog
y,1994 IEEE Ultrasonic Symposium Proc.Vol.1,pp.181
-187,Nov.1-4,1994.においては、SAWデバイスの特性
調整のためドライエッチング技術を使用することが開示
されているので、参照されたい。但し、この文献に開示
されているSAWデバイスがワイヤボンディングによっ
て製造されていること、従ってSAWチップの電極形成
面がチップ収納用開口側を向いていること、エッチング
ガスの導入がこのチップ収納用開口から行われているこ
と等に、留意されたい。即ち、この文献に係る技術に
は、特性調整の困難性があることに、留意されたい。
【0012】また、本発明の好ましい実施形態では、特
性調整用の窓を特性調整窓用リッドにてふさぐ第1封じ
ステップを第1調整ステップ実行後に実行し、SAWチ
ップをパッケージ内部に入れるための開口(実装ステッ
プにて利用される)を収納開口用リッドにてふさぐ第2
封じステップを少なくとも実装ステップ実行後に実行す
る。第2封じステップを第1封じステップと同時に実行
するようにすれば、製造工程が簡素になる。そのように
するには、例えば、収納開口用リッドにて開口をふさぐ
ときに封じ部として用いる素材と、特性調整窓用リッド
にて窓をふさぐときに封じ部として用いる素材とを、同
じ素材にする等、工夫する。また、特性調整用リッドを
設けることで、パッケージに部分的な突出が現れるが、
この突出の影響は避けることができる。例えば、窓と同
じ側に外部との電気的接続乃至機械的固定用の脚部を設
け、特性調整用リッドの厚さを脚部の高さより小さくす
ればよい。この様にすれば、パッケージの寸法を小さく
保ちながら、外部との接続・固定に支障なく特性調整窓
用リッドを設けることができる。
【0013】また、窓からの気体の導入に加え、レーザ
等、光乃至電磁波を、上述の窓を介しSAWチップの電
極形成面に部位選択的に照射し、電極やその周辺の絶縁
体層の膜質を改質することにより、仕掛品の特性を調整
するようにしてもよい。このステップ即ち第2調整ステ
ップは、窓がまだリッドによりふさがれていない段階で
実行することができる。即ち、第1調整ステップと共に
実行することができる。また、特性調整窓用リッドが、
光乃至電磁波を透過可能な材質を有するのであれば、第
2調整ステップを第1封じステップ実行後に実行するこ
ともできる。第1封じステップ実行後に第2調整ステッ
プを実行するようにすれば、第1封じステップの実行に
伴い特性変化が生じたとしても、当該特性変化を補償す
ることができる。更に、仕掛品の特性を測定する測定ス
テップを、少なくとも実装ステップ実行より後に実行す
ることによって、第1及び第2調整ステップ(その双方
又は一方)における仕掛品の特性調整量を決定すること
ができる。
【0014】また、本発明は、SAWデバイスに係る発
明としても把握できる。即ち、本発明に係るSAWデバ
イスは、SAWチップがフリップチップ実装されるダイ
アタッチ面をその内部に有するパッケージと、このダイ
アタッチ面にフリップチップ実装される上記SAWチッ
プとを備えるSAWデバイスにおいて、ダイアタッチ面
に係る壁に特性調整用の窓が設けられており、この窓は
特性調整窓用リッドによりふさがれており、SAWチッ
プは窓を特性調整窓用リッドにてふさぐに先立ち当該窓
を介した気体の導入により特性調整を受けていることを
特徴とする。本発明に係るSAWデバイスは、特性ばら
つきが小さいため、従来より品質が高い共振器、フィル
タ、遅延線その他として使用できる。
【0015】以下、本発明の好適な実施形態に関し図面
に基づき説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の第1実施形態に
係るSAWデバイスの構成を示す。この実施形態の特徴
の一つは、パッケージ12に窓12eを設けたことにあ
る。この窓12eは、ダイアタッチ面12aを介しSA
Wチップ10の電極形成面10aに外部から気体を導入
できるよう、形成されている。また、この窓12eの開
口面積は、SAWチップ10を収納するため図中上側に
設けられている開口に比べ、狭い。更に、窓12eは、
セラミクス、ガラス等の素材から形成されたリッド(カ
バー)12fによりふさがれており、リッド12fとパ
ッケージ12本体との間は金/スズ、半田、樹脂、ガラ
ス等により封ぜられている。周波数安定性を考慮する
と、金/スズ、ガラス等がよい。図中、符号12gで表
されているのはその封じ部である。
【0017】また、この実施形態では、パッケージ12
として三層構造のパッケージを用いている。ここでいう
三層構造とは、SAWチップ10を収納する凹部の側壁
を構成する中空角柱状の(底なし箱状の)部分、ダイア
タッチ面12aを有する平板の部分、及びその先端にフ
ットプリント12bを備えた脚部12hを構成する部分
を、図中上から下へと順に積み重ねて相互に固定した構
造である。図中の脚部12hの高さ乃至長さは、少なく
とも、リッド12fの厚さ+封じ部12gの厚さより
も、大きくしておく。
【0018】この実施形態に係るSAWデバイスを製造
するに際しては、まず、窓12eを有するパッケージ1
2本体や所定の導体配置を有するSAWチップ10等を
準備する。この実施形態に適した導体配置を有するSA
Wチップ10の例としては、その電極形成面10a上に
おいて概略図2のように導体が配置されているものを、
示すことができる。
【0019】図2中、電極形成面10aのほぼ中央部分
に設けられている指交差状の電極は表面弾性波の送受波
に係る電極であり、この電極から送波された表面弾性波
を反射すべくその左右両脇に設けられている電極と共
に、いわゆるIDTを構成している。このIDT部10
bは、電極形成面10aの四隅に設けられているパッド
10cと、電極形成面10a上に設けた導体によって電
気的に接続されている。パッド10cは、ダイアタッチ
面12a上のパッド12i(図3参照)と電気的に接続
され且つ機械的に固定されるべき導体である。図3の例
では、パッド12iはダイアタッチ面12aの四隅に形
成されており、かつその面積はパッド10c(乃至はバ
ンプ14)との接続に必要な面積よりも大きめに設定さ
れている。
【0020】次に、SAWチップ10のダイアタッチ面
12a上へのフリップチップ実装(フェースダウンボン
ディング)を実行する。即ち、図2に示すようにパッド
10cの上に金等の金属から形成されるバンプ14を配
置し、電極形成面10aを図1中下方向に向けた姿勢で
SAWチップ10をパッケージ12上部の開口から当該
パッケージ12の凹部に入れ、更に、熱・圧力・超音波
等を印加する。これによって、パッド10c・12i間
がバンプ14を介し接続・固定される。この工程を終え
た段階では、SAWチップ10のIDT部10bがパッ
ド10c、バンプ14、パッド12i及び図示しない導
体を介してフットプリント12bに電気的に接続された
状態になっている。
【0021】本実施形態の特徴の一つは、バンプ接続固
定後に行う特性調整工程にある。図4に、一例として、
リアクティブイオンエッチングにより中心周波数等を調
整する工程の実施環境を示す。この工程を実施する際に
は、まず、仕掛品16を平行平板型のリアクティブイオ
ンエッチング装置18の内部に搬入し、ホルダ20に装
着する。ホルダ20にRF電源22から高周波電力を印
加し、装置18の内部にエッチングガス例えばフッ素系
のガスを導入すると、放電によってプラズマが発生し、
窓12eを介してSAWチップ10の電極形成面10a
にエッチングが施される。例えばSAWチップ10が水
晶基板でありこの基板のエッチングを行おうとするので
あれば、エッチングガスとしてCF4等を用いる。この
エッチングの結果、仕掛品16の特性例えば中心周波数
が変化する。
【0022】従って、特性に施すべき調整の量(特性調
整量)や調整後に得るべき特性(目標特性)がわかって
いれば、エッチングに係るソフトウエア(エッチングガ
スの種類・流量、電力、温度、圧力等)を適宜決定又は
制御することによって、仕掛品16の特性を調整するこ
とができる。具体的には、フリップチップ実装後遅くと
もエッチング開始前に仕掛品16の特性を図示しない計
測器により計測しておいて、これを目標特性と比べ、そ
の結果に応じてエッチングに係るソフトウエアを適宜決
定又は制御すればよい。なお、エッチングしながら特性
を計測することや、エッチングを一時中断して特性を計
測しその後エッチングを再開することが可能な場合に
は、特性調整量をリアルタイムで又はこれに準ずる形で
決定し、エッチングを行うようにしてもよい。
【0023】特性調整工程を実施した後は、リッド12
fにより窓12eをふさぐ工程を実施する。その際、同
時に、チップ収納用開口をリッド12cによってふさぐ
ようにしてもよく、そのようにすれば工程の簡素化ひい
ては製造コストの低減が実現される。なお、同時実施の
ためには、リッド12cと12f、封じ部12dと12
gが互いに同じ又は類似した素材であるのが望ましい。
また、同時実施は必須の措置ではない。例えば、図4に
示される仕掛品16は、チップ収納用開口をリッド12
cによってふさぐ工程を特性調整工程以前に行った例で
ある。
【0024】このように、本実施形態においては、窓1
2eを介してフッ素系のエッチングガスを導入し、SA
Wチップ10の電極形成面10aにリアクティブイオン
エッチングを施し、これによって特性調整を行ってい
る。従って、製造偏差による特性ばらつきを製造途上で
抑えることができ、品質や歩留まりの向上といった効果
を得ることができる。また、本実施形態で設けている窓
12eは、図3に示したようにチップ収納用開口に比べ
その開口面積が小さい開口であり、従って、比較的エッ
チングレートが高くなるリアクティブイオンエッチング
を行っているにも関わらず、エッチングレートを抑えや
すい。そのため、本実施形態では、仕掛品16の特性例
えば通過域の中心周波数の調整に関する制御の困難性が
生まれにくく、比較的高周波のSAWデバイスであって
もその特性調整を的確且つ容易に行うことができる。
【0025】また、本実施形態の特徴に係る窓12e
は、最終的にはリッド12fによりふさがれる。リッド
12fにより窓12eをふさぐ工程とリッド12cによ
りチップ収納用開口をふさぐ工程とを、前掲の如く同時
に実行するようにすれば、製造工程が簡素になる。ま
た、リッド12fにより窓12eをふさいだ構造を採用
しているため、本実施形態ではパッケージの下面にリッ
ド12f(+封じ部12g)により突出が現れるが、他
方でこの突出より背が高い脚部12hを設けているた
め、外部との接続・固定に支障は生じない。また、リッ
ド12f自体はさほど厚くないから、脚部12hを設け
たことによる高背化はさほど問題にならない(図では、
図示の便宜のため、リッド12fや封じ部12g等を厚
めに描いている)。
【0026】更に、リッド12fの素材として、ガラス
等、光乃至電磁波を透過可能な素材を用いた場合には、
リッド12fにて窓12eをふさいだ後でも、特性を調
整することができる。即ち、リッド12fを介してSA
Wチップ10の電極形成面10a上に光乃至電磁波のビ
ームを部位選択的に照射し、電極形成面10a上の導体
又は絶縁体の膜を部分的に温度上昇させ改質することに
より、特性を調整できる。即ち、リッド12fによる封
じに伴い特性変化が生じたとしても、当該特性変化を補
償することができる。また、リッド12fにて窓12e
をふさぐ前の段階でも、SAWチップ10の電極形成面
10a上に光乃至電磁波のビームを部位選択的に照射
し、電極形成面10a上の導体又は絶縁体の膜を部分的
に温度上昇させ改質することにより、特性を調整でき
る。なお、ビームによる膜質改質の手法の詳細に関して
は、前掲の先提案を参照されたい。
【0027】図5に、本発明の第2実施形態における窓
12eを示す。図3に示したものに比べ、この実施形態
における窓12eは小さく、複数個(図中5個)に分割
されている。このような形状・寸法とすることで、エッ
チングレートを抑える効果をより高めることができる。
【0028】図6に、本発明の第3実施形態に係るSA
Wデバイスの構成を示す。この実施形態では、チップ収
納用開口やリッド12cと同じ側に脚部12hを設けて
いる。この構成でも、第1実施形態と同様の効果を得る
ことができる。
【0029】
【補遺】実施形態に関する説明では、平行平板型リアク
ティブエッチング装置18を用いている。しかしなが
ら、本発明は、平行平板型以外のタイプの装置や、リア
クティブイオンエッチング以外のエッチング手法によっ
ても実施できる。また、基板をエッチングするのかそれ
とも電極をエッチングするのかは、エッチングガスその
他のソフトウエアの選択・決定により、適宜決められ
る。また、本発明は、エッチング以外の手法によっても
実施可能である。例えば、表面弾性波伝搬にかかわる膜
を形成するためのガスをSAWチップの電極形成面上に
導入することによっても、本発明の特徴に係る特性調整
を実施できる。その際に、先提案にて使用していたビー
ム照射を行うようにしてもよい。更に、パッケージ12
の一部表面即ちリッド12fを以て封じる窓12e周辺
の部位に、他の部位よりややくぼんだ部分を設け、この
くぼみにてリッド12f(及び封じ部12g)を受容
し、リッド12fがパッケージ12の表面から(あま
り)突出しないようにする等、パッケージ12の形状や
リッド12fの配置には様々な変形を施すことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかるSAWデバイ
スの構成を示す断面図である。
【図2】 この実施形態における電極形成面上の概略導
体配置を示す平面図である。
【図3】 この実施形態におけるダイアタッチ面上の概
略導体配置を示す平面図である。
【図4】 この実施形態における特性調整工程の実施環
境を示す概略断面図である。
【図5】 本発明の第2実施形態におけるダイアタッチ
面上の概略導体配置を示す平面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態にかかるSAWデバイ
スの構成を示す断面図である。
【図7】 フリップチップ実装型SAWデバイスの概略
構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 SAWチップ、10a 電極形成面、10b I
DT部、10c,12i パッド、12 パッケージ、
12a ダイアタッチ面、12b フットプリント、1
2c,12f リッド、12d,12g 封じ部、12
e 窓、12h脚部、14 バンプ、16 仕掛品、1
8 リアクティブイオンエッチング装置、20 ホル
ダ、22 RF電源。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そのダイアタッチ面に特性調整用の窓が
    設けられているパッケージ内にSAWチップをフリップ
    チップ実装する実装ステップと、上記窓を介して上記パ
    ッケージ内に気体を導入することにより仕掛品の特性を
    調整する第1調整ステップとを実行することを特徴とす
    るSAWデバイス製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のSAWデバイス製造方法
    において、上記第1調整ステップにて上記パッケージ内
    に導入される気体が、上記SAWチップの基板をエッチ
    ングするためのガス、上記SAWチップの電極をエッチ
    ングするためのガス、及び上記SAWチップの表面に当
    該SAWチップにおけるSAW伝搬に関連する膜を形成
    するためのガスのうち、少なくともいずれかを含むこと
    を特徴とするSAWデバイス製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のSAWデバイス製造方法
    において、上記窓が、上記実装ステップにて上記パッケ
    ージに上記SAWチップを収納するために上記パッケー
    ジに設けられている開口に比べ小さな開口であることを
    特徴とするSAWデバイス製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のSAWデバイス製造方法
    において、上記窓が複数個の開口の集合であることを特
    徴とするSAWデバイス製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のSA
    Wデバイス製造方法において、上記窓を介し上記SAW
    チップの電極形成面に部位選択的に光乃至電磁波を照射
    し温度上昇を惹起させることにより仕掛品の特性を調整
    する第2調整ステップを実行することを特徴とするSA
    Wデバイス製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載のSA
    Wデバイス製造方法において、上記第1調整ステップ実
    行後上記窓を特性調整窓用リッドによりふさぐ第1封じ
    ステップを実行することを特徴とするSAWデバイス製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のSAWデバイス製造方法
    において、光乃至電磁波を透過可能な素材にて形成して
    おいた上記特性調整窓用リッドを介して上記SAWチッ
    プの電極形成面に部位選択的に光乃至電磁波を照射し、
    温度上昇を惹起させることにより仕掛品の特性を調整す
    る第2調整ステップを、少なくとも上記第1封じステッ
    プを実行した後に実行することを特徴とするSAWデバ
    イス製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載のSAWデバイス製
    造方法において、上記パッケージには上記SAWチップ
    を上記パッケージの内部に入れるための開口が設けられ
    ており、上記実装ステップではこの開口を用いて上記S
    AWチップを上記パッケージの内部に入れており、更
    に、上記開口を収納開口用リッドによりふさぐ第2封じ
    ステップを、上記第1封じステップと同時に実行するこ
    とを特徴とするSAWデバイス製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のSA
    Wデバイス製造方法において、仕掛品の特性調整量を決
    定すべく仕掛品の特性を測定する測定ステップを、上記
    実装ステップ実行後少なくとも第1調整ステップ実行前
    に実行することを特徴とするSAWデバイス製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のS
    AWデバイス製造方法において、上記パッケージとし
    て、上記窓と同じ側に外部との電気的接続乃至機械的固
    定用の脚部を有するパッケージを用いると共に、上記特
    性調整用リッドの厚さを上記脚部の高さより小さくした
    ことを特徴とするSAWデバイス製造方法。
  11. 【請求項11】 SAWチップがフリップチップ実装さ
    れるダイアタッチ面をその内部に有するパッケージと、
    上記ダイアタッチ面にフリップチップ実装される上記S
    AWチップとを備えるSAWデバイスにおいて、上記ダ
    イアタッチ面に係る壁に特性調整用の窓が設けられてお
    り、上記窓は特性調整窓用リッドによりふさがれてお
    り、上記SAWチップは上記窓を上記特性調整窓用リッ
    ドにてふさぐに先立ち当該窓を介した気体の導入により
    特性調整を受けていることを特徴とするSAWデバイ
    ス。
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