JPH11232717A - 光学記録装置、その製造方法及び磁界発生装置 - Google Patents

光学記録装置、その製造方法及び磁界発生装置

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JPH11232717A
JPH11232717A JP2697598A JP2697598A JPH11232717A JP H11232717 A JPH11232717 A JP H11232717A JP 2697598 A JP2697598 A JP 2697598A JP 2697598 A JP2697598 A JP 2697598A JP H11232717 A JPH11232717 A JP H11232717A
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magnetic field
light
hole
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optical recording
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JP2697598A
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Kouichirou Kijima
公一朗 木島
Akira Kochiyama
彰 河内山
Kayoko Tanaka
佳世子 田中
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体の厚さを薄くして記録密度を高める
ことができる光学記録装置、その製造方法及び磁界発生
装置を提供すること。 【解決手段】 磁気光学効果を応用した記録媒体1に対
して照射する光を発生する光発生手段と、前記光発生手
段により発生された光を前記記録媒体に集光する集光手
段41、43と、前記記録媒体に対して印加する磁界を
発生する磁界発生手段42とを有しており、前記記録媒
体に集光される光の光路が、前記磁界発生手段に形成さ
れている径が150μm以下の貫通穴55を含むように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気光学効果を応
用した記録媒体を用いる光学記録装置、その製造方法及
び磁界発生装置に関し、特に光を発生・集光する光ピッ
クアップ装置と磁界を発生する磁界発生装置により記録
媒体の所定の位置に磁界を印加し、光を照射してデータ
の記録あるいは再生を行う光学記録装置、その製造方法
及び磁界発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、動画、静止画等のビデオデータを
デジタル的に記録する技術の発達に伴い、大容量のデー
タが取り扱われるようになってきている。このため、従
来、一般的に用いられてきた磁気を利用した記録媒体、
例えばフロッピーディスク等の磁気ディスクに代わっ
て、さらにデータ密度が高い、光を利用した記録媒体、
例えば光磁気ディスクや相変化光ディスク等の光ディス
クが普及しつつある。このような光ディスクの光学記録
装置においては、光ディスク上のデータを再生する位置
にレーザ光を照射して集光し、照射した光の反射光をモ
ニターすることによりデータを読みとる方法を用いてい
るため、データ密度は、集光されるレーザ光のスポット
サイズに依存することとなる。即ち、レーザ光のスポッ
トサイズが小さいほどデータ密度を高めることができ
る。
【0003】このレーザ光のスポットサイズは、レーザ
光の波長:λに比例し、レンズの開口数:NAに反比例
する特性を有していることから、光ディスクのデータ密
度を高めるために、レーザ光の波長:λの短波長化及び
レンズの開口数:NAの高NA化という2つの開発が継
続して行われている。ここで、レンズの開口数:NA
は、集光する光の角度:θと光が集光される媒質中の屈
折率:nを用いて、式(1)で表される。
【数1】NA=n×sinθ・・・(1) 従って、屈折率:nが1である空気中に集束経路を設け
た場合においては、レンズの開口数:NAを1よりも高
くすることは、実質的に不可能である。
【0004】そこで、レンズの開口数:NAをより高め
る方法として、レンズ媒質とディスクとの間の空気層の
厚さを極力薄くして、光学的に空気層がない状態、即ち
光学的に接触状態とすることにより、レンズの開口数:
NAを1以上にする試みがある(例えば、Terris
et al.,Appl.Phys.Lett.65
(4),p388−p390,25 July,199
4,あるいは、Terris et al.,App
l.Phys.Lett,68(2),p141−p1
43,8 January,1996)。
【0005】レンズの開口数:NAの高NA化の方法あ
るいは、レーザ光の波長:λの短波長化の方法のいずれ
の方法に関しても、光ディスクの傾斜に関する光学的な
許容範囲は、より厳しくなる方向にあり、上記いずれの
方法を選択する場合においても、光学的な許容範囲を広
げるための手段として、光ディスクの厚さを薄くする手
段が採用されつつある。この場合、単純に光ディスクの
厚さを薄くすると、強度が低下してしまうために、薄い
光ディスクを2枚張り合わせる方法や、光ディスク上に
UV硬化樹脂等によりレーザ光が透過可能なカバー層を
形成する方法が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した光ディスクの
うち光磁気ディスクを用いる従来の光学記録装置におい
ては、レーザ光を照射する光ピックアップ装置の光学部
品と磁界を発生する磁界発生装置のコイルは、光磁気デ
ィスクを介して対向する位置に配置されている。しか
し、光磁気ディスクの厚さを薄くする場合には、従来の
配置場所ではなく、磁界発生装置のコイルを光ピックア
ップ装置の光学部品側に配置することが、磁界発生装置
のコイルからデータが記録される光磁気ディスクの位置
までの距離が近い点で有効と考えられている。
【0007】ところが、磁界発生装置のコイルを光ピッ
クアップ装置の光学部品側に配置させる場合において
は、レーザ光が通過する光路をコイルに確保しなければ
ならないため、コイルの中心部分に不透明な磁性材料を
配置することが不可能になり、磁界発生装置として機能
させることができなくなる。また、光ピックアップ装置
の光学部品と光磁気ディスクとの間隔に余裕がないの
で、磁界発生装置のコイルの厚さを薄く形成しなければ
ならないという制約がある。
【0008】さらに、磁界発生装置のコイルから強い磁
界を有効に発生させるには、コイルの中心の穴径を有効
に小さくすると共に、コイルの中心付近の配線において
極力無駄なスペースを削除する必要があるが、一般のプ
リント基板配線技術における穴明け工程においては打ち
抜き工程が用いられており、その位置合わせ精度が50
μm程度であるために、中心の穴径に加えて径において
少なくとも100μm以上の余裕が必要となり、実質的
に100μm以下の径の穴を形成することは困難であ
る。さらには、磁界発生装置のコイルの中心付近に形成
するコンタクトホールの径を50μm以下にすること
は、一般のプリント基板配線技術としては困難な精度で
あるために、このコンタクトホールの存在もコイルの中
心の穴径を大きくしなければならない理由の1つとなっ
ている。
【0009】本発明は、上述した事情から成されたもの
であり、記録媒体の厚さを薄くして記録密度を高めるこ
とができる光学記録装置、その製造方法及び磁界発生装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
あっては、磁気光学効果を応用した記録媒体に対して、
磁界を印加し、光を照射してデータの記録あるいは再生
を行う光学記録装置において、前記光を発生する光発生
手段と、前記光発生手段により発生された光を前記記録
媒体に集光する集光手段と、前記磁界を発生する磁界発
生手段とを有しており、前記記録媒体に集光される光の
光路が、前記磁界発生手段に形成されている径が150
μm以下の貫通穴を含むことにより達成される。
【0011】上記構成によれば、記録媒体に集光される
光の光路となる貫通穴を磁界発生手段に小径で形成する
ようにしていので、磁界発生手段の発生磁界を強めるこ
とができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施形態は、この発明の好適な具体例であるから、
技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発
明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるもの
ではない。
【0013】図1は、本発明の光学記録装置の実施形態
である光磁気ディスク装置の一例を示す概略ブロック図
である。この光磁気ディスク装置1Aは、光磁気ディス
ク1の回転軸に配置されているモータ2と、光磁気ディ
スク1の記録面側に配置されているヘッド3と、このヘ
ッド3に接続されているヘッド増幅器4、フォーカスマ
トリックス回路5、トラッキングマトリックス回路8、
位相補償回路6、9、増幅器7、10で大略構成されて
いる。
【0014】モータ2は、光磁気ディスク1を所定の速
度で回転させるように機能する。ヘッド3は、所定の装
置(図示せず)から供給される記録信号を光磁気ディス
ク1に書き込むと共に、光磁気ディスク1に書き込まれ
た記録信号を読み取ってMO再生信号として出力するよ
うに機能する。また、ヘッド3は、光磁気ディスク1に
照射するレーザ光のトラッキング及びフォーカスの調整
に利用するサーボ用信号を、ヘッド増幅器4を介してフ
ォーカスマトリックス回路5及びトラッキングマトリッ
クス回路8に出力するように機能する。
【0015】フォーカスマトリックス回路5は、ヘッド
3より供給されたサーボ用信号からフォーカスエラー信
号を算出し、位相補償回路6に出力するように機能す
る。位相補償回路6は、フォーカスマトリックス回路5
より供給されたフォーカスエラー信号の位相補償を行
い、位相補償した信号を増幅器7を介して例えば図3に
示すヘッド3の駆動用アクチュエーター45に出力する
ように機能する。トラッキングマトリックス回路8は、
ヘッド3より供給されたサーボ用信号からトラッキング
エラー信号を算出し、位相補償回路9に出力するように
機能する。位相補償回路9は、トラッキングマトリック
ス回路8より供給されたトラッキングエラー信号の位相
補償を行い、位相補償した信号を増幅器10を介して例
えば図3に示すヘッド3の駆動用アクチュエータ45に
出力するように機能する。
【0016】図2は、上記ヘッドの詳細例を示す構成図
である。このヘッド3は、記録信号を光磁気ディスク1
に書き込み、また光磁気ディスク1に書き込まれた記録
信号を読み取る磁界発生装置3A及び光ピックアップ装
置3Bを備えている。磁界発生装置3Aは、増幅器36
及び磁界変調コイル(磁界発生手段)42を備えてい
る。光ピックアップ装置3Bは、半導体レーザ(光発生
手段)21、コリメータレンズ22、整形プリズム2
3、ビームスプリッタ24、26、32、レンズ27、
31、シリンドリカルレンズ28、光検出器29、3
3、34、1/2波長板30、差動増幅器35及び対物
レンズ(集光手段)41を備えている。
【0017】半導体レーザ21は、所定の波長のレーザ
光を発生し、コリメータレンズ22に入射させるように
機能する。コリメータレンズ22は、半導体レーザ21
からのレーザ光を平行光線に整え、整形プリズム23を
介してビームスプリッタ24に入射させるように機能す
る。ビームスプリッタ24は、整形プリズム23からの
レーザ光を対物レンズ41に入射させると共に、対物レ
ンズ41を透過したレーザ光(戻り光)をビームスプリ
ッタ26に向けて反射させるように機能する。
【0018】光磁気ヘッド部25は、光ピックアップ装
置3Bの対物レンズ41と磁界発生装置3Aの磁界変調
コイル42等を有し、データ再生時には、対物レンズ4
1により、ビームスプリッタ24からのレーザ光を光磁
気ディスク1の基板1Aを介して記録層1Bに照射さ
せ、記録層1Bで反射された戻り光をビームスプリッタ
24に入射させ、データ記録時には、磁界変調コイル4
2により、増幅器36を介して供給される記録信号に対
応する強度の磁界をレーザ光の照射位置に印加するよう
に機能する。
【0019】ビームスプリッタ26は、ビームスプリッ
タ24によって反射された戻り光を所定の割合で、反射
させてレンズ27に入射させると共に、透過させて1/
2波長板30を介してレンズ31に入射させるように機
能する。レンズ27は、ビームスプリッタ26からの戻
り光(平行光線)を収束光にし、非点収差を与えるシリ
ンドリカルレンズ28を介して光検出器29に入射させ
るように機能する。光検出器29は、受光部が4分割さ
れており、それぞれの受光部に入射したレーザ光を電気
信号に変換し、サーボ用信号としてヘッドアンプ4に出
力するように機能する。
【0020】レンズ31は、1/2波長板30からの戻
り光を収束光にし、ビームスプリッタ32に入射させる
ように機能する。ビームスプリッタ32は、レンズ31
からの収束光を、透過させて光検出器33に入射させる
と共に、反射させて光検出器34に入射させるように機
能する。光検出器33及び光検出器34は、ビームスプ
リッタ32からの戻り光の光量に対応する電気信号を、
それぞれ差動増幅器35に出力するように機能する。差
動増幅器35は、光検出器14の出力と光検出器15の
出力の差を計算し、その計算結果をMO再生信号として
所定の装置(図示せず)に出力するように機能する。
【0021】図3は、上記光磁気ヘッド部の第1の詳細
例を示す構成図である。この光磁気ヘッド部25は、円
筒形状のケーシング44の一端面に対物レンズ41が取
り付けられ、ケーシング44の他端面に磁界変調コイル
42が取り付けられ、ケーシング44の内部の磁界変調
コイル42寄りに先玉レンズ(集光手段)43が取り付
けられ、ケーシング44の外部の対物レンズ41寄りに
駆動用アクチュエータ45が取り付けられた構成となっ
ている。ここで、先玉レンズ43は、球面と平面よりな
る半球レンズを用いている。
【0022】このような構成において、ビームスプリッ
タ24からのレーザ光は、対物レンズ41で収束され、
先玉レンズ43に入射されて光磁気ディスク1上に照射
される。即ち、レーザ光は、対物レンズ41と先玉レン
ズ43の2つの収束手段により、光磁気ディスク1上に
集光される。このとき、フォーカスとトラッキングの調
整が、増幅器7、10からのフォーカスエラー信号とト
ラッキングエラー信号に応じて駆動用アクチュエータ4
5により行われる。また、所定の装置から供給される記
録信号に対応する磁界が、磁界変調コイル42により発
生され、レーザ光の照射位置に印加される。
【0023】図4は、上記磁界変調コイルのより詳細な
形状例を示す断面側面図である。この磁界変調コイル4
2は、螺旋状の導体パターン(導電部)51が円盤状の
絶縁層(絶縁部)52で覆われており、さらに導体パタ
ーン51は磁界変調コイル42の中心の貫通穴55部分
において外部と電気的な接続が可能な導体50と接続さ
れた構成となっている。
【0024】このような構成の磁界変調コイル42の製
造方法を、図5〜図10を参照して説明する。先ず、図
5に示すように、例えばメッキ用フォトレジストでなる
幅が5μm、高さが約15μm、周期が13μmのパタ
ーン53を、例えばステンレスでなるベース54上に形
成する。なお、ベース54の材質は、パターン53の形
成が可能な導電体であれば良く、例えばアルミニウムを
用いても良い。そして、図6に示すように、例えば銅
(Cu)でなる導体パターン51を、パターン53が形
成されているベース54上にパターン53とほぼ同じ厚
さ形成する。その後、パターン53をアセトン等の溶剤
により除去し、図7に示すように、絶縁層52をパター
ン53の除去面に形成した後、ベース54を剥離し、図
8に示すように、絶縁層52をベース54の剥離面にも
形成する。
【0025】ここで、導体パターン51の形成方法は、
例えば電界メッキ方法が用いられる。絶縁層52の材質
は、電気的絶縁性及びコイルの使用環境に耐えられる耐
薬品性を有し、かつ図9に示す穴開け工程が可能な材料
であれば良く、例えば低温焼成が可能なポリイミド(例
えば宇部興産(株)社製:ユピコート)が用いられる。
この絶縁層52の形成方法は、例えばスクリーン印刷法
等により塗布した後、160°C程度の温度で焼成する
方法が用いられる。これにより、導体パターン51の抵
抗を上昇させることなく、絶縁層52を厚さ10μm程
度に形成することが可能である。
【0026】また、ベース54の剥離方法は、ベース5
4がステンレスでなるときは機械的に剥がす方法、ベー
ス54がアルミニウムでなるときはアルカリ系の溶剤に
浸して溶解させる方法等が用いられる。次に、図9に示
すように、絶縁層52の中心に貫通穴55を形成するた
めに、絶縁層52を貫通穴55に対応した形状のマスク
で覆い、貫通穴55となる部分の絶縁層52を除去す
る。ここで、絶縁層52の除去方法は、例えばアブレー
ション加工が用いられる。このアブレーション加工条件
は、例えばエキシマレーザ光を加工面において1パルス
当り1.0J/cm2 程度のエネルギ密度となるように
照射する。
【0027】そして、この貫通穴55の加工工程におい
て、アブレーション加工により絶縁層52のみが除去さ
れ、導電パターン51は除去されない条件とすることに
より、貫通穴55の加工面において、導電パターン51
を露出させた部分51aを形成することが可能となる。
最後に、図10に示すように、導体50を貫通穴55の
内周面から絶縁層52の一端面にかけて成膜する。ここ
で、導体50の成膜方法は、例えばスパッタリング法等
が用いられる。これにより、導電パターン51の露出し
た部分51aと導体50が接触するので、その部分にお
いて電気的な導通を得ることができ、両端子を形成する
ことができる。以上により、磁界変調コイル42が完成
する。
【0028】上述した磁界変調コイル42においては、
絶縁層52の材質であるポリイミドが、160°Cとい
う170°C以下の低温焼成が可能な材料であるので、
絶縁層52の形成工程において、導電パターン51の材
質である銅を酸化させずに形成することができる。さら
に、このポリイミドは、エキシマレーザ光を用いたアブ
レーション加工に適しているので、上記貫通穴55の加
工工程において、高効率な加工を行うことができる。
【0029】ここで、貫通穴55を形成する際に用いる
マスクは、例えば図11に示すように、貫通穴55を形
成するためにアブレーション加工を行う円形状の部分6
0、即ちマスクの内周部が導体パターン51の内周部の
一部と重なるように配置される。このような配置とする
ことにより、アブレーション加工時において多少の位置
ずれが発生しても、貫通穴55の加工を安定して行える
と共に、導体パターン51が露出した部分51aを安定
して形成することができる。
【0030】より具体的には、エキシマレーザ光は、約
120μmの径の照射スポットとなるようにして、絶縁
層52上に照射されることとなるが、絶縁層52の加工
を行う条件においては導体パターン51はエキシマレー
ザ光によってアブレーション加工はなされず、導体パタ
ーン51の内周部は110μmの径を有しているので、
貫通穴55の径は導体パターン51の内周部の径と等し
くなる。従って、照射スポットが例えば5μm位置ずれ
を起しても、貫通穴55が形成される110μmの径の
領域の全面が照射部分となるので、貫通穴55の形成位
置は変化しないこととなり、位置ずれの許容範囲が広く
なる。
【0031】また、導電パターン51の露出した部分5
1aと導体50との導通接続がなされる部分は、導体パ
ターン51の側面だけではなく、上面も含まれることか
ら、貫通穴55の加工工程に打ち抜き加工あるいはドリ
ル加工を用いた場合と比較して、導通面積を容易に広く
することが可能であるので、結果的に、スパッタリング
法等を用いて形成される導体50の厚さを薄くすること
ができる。さらには、エキシマレーザ光を用いたアブレ
ーション加工により形成された貫通穴55の断面は、多
少のテーパ角を有しているので、貫通穴55の加工工程
に打ち抜き加工あるいはドリル加工を用いた場合と比較
して、より導通特性に適した穴形状を作製することがで
きる。
【0032】また、貫通穴55の位置合わせ精度を高め
ることが可能であるので、導電パターン51の径を小さ
くして、発生させる磁界を強めることができると共に、
アブレーション加工により貫通穴55と導体パターン5
1が露出した部分51aの形成を同時に行うことによ
り、従来のコンタクトホールのために必要であった領域
を削除することが可能となり、導電パターン51の径を
さらに小さくして、発生させる磁界をさらに強めること
ができる。
【0033】即ち、従来と同じ電流を導電パターン51
に供給した場合、導電パターン51の半径が小さくなっ
たことにより、発生する磁界は強くなると共に、従来と
同じ巻数であると抵抗値が低くなるので発生する熱量は
小さくなり、消費電力を小さくすることができる。より
具体的には、貫通穴55の加工工程に打ち抜き加工ある
いはドリル加工を用いた場合は、穴明け時に導電パター
ン51が破損しないように位置決めマージンを50μm
程度とる必要があるので、導電パターン51の最内径は
250μmとすることが限界であったが、貫通穴55の
加工工程にアブレーション加工を用いた場合は、導電パ
ターン51の最内径を150μm以下とすることが可能
となる。
【0034】従って、例えば導電パターン51の最内径
が250μmから110μmになると、導電パターン5
1の中心線上で約30μm離れた位置における発生磁界
を約50%程度高めることができる。また、導電パター
ン51のインピーダンスを小さくすることが可能となる
ので、磁界変調コイル42の動作周波数(電流の反転周
波数)を電気回路に負荷を与えることなく高めることが
できる。
【0035】図12は、上記光磁気ヘッド部の第2の詳
細例を示す構成図であり、図3と同一構成箇所は同符号
を付して説明を省略する。この光磁気ヘッド部125
は、先玉レンズ143の一部が磁界変調コイル42に形
成されている貫通穴55に挿入可能な凸部143aとな
るように形成された構成となっている。
【0036】このような構成の光磁気ヘッド部125に
おいても、上記光磁気ヘッド部の第1の詳細例で述べた
効果と同様の効果を得ることができる。特に、光路とな
る凸部143aの径を磁界変調コイル42内に形成され
ている導体パターン51の最内周の径にほぼ近付けるこ
とが可能となるので、先玉レンズ143の実装工程にお
ける対物レンズ41に対する位置マージンを広げること
ができる。よって、先玉レンズ143の凸部143aの
径に対して、磁界変調コイル42の導体パターン51を
極力小さくすることが可能となるので、導体パターン5
1の径をさらに小さくすることができる。
【0037】また、先玉レンズ143に凸部143aが
形成されていることにより、磁界変調コイル42におけ
る厚さの制限を緩めることが可能となるので、導体パタ
ーン51の厚さを厚くすることができる。従って、導体
パターン51の抵抗値を低くすることができ、上記光磁
気ヘッド部の第1の詳細例で述べた効果よりも高い効果
を得ることができる。さらには、先玉レンズ143と磁
界変調コイル42との組み立て工程においては、凸部1
43aを貫通穴55に挿入すれば光学的な位置合わせを
用いる必要がなくなるので、組み立て工程の簡素化が容
易となる。
【0038】図13は、上記光磁気ヘッド部の第3の詳
細例を示す構成図であり、図12と同一構成箇所は同符
号を付して説明を省略する。この光磁気ヘッド部225
は、先玉レンズ143に形成された凸部143aが光磁
気ディスク1と光学的に接触状態とされた構成となって
いる。このような構成の光磁気ヘッド部225において
も、上記光磁気ヘッド部の第2の詳細例で述べた効果と
同様の効果を得ることができる。
【0039】特に、磁界変調コイル42の動作周波数
(電流の反転周波数)を電気回路に負荷を与えることな
く高めることができるという効果は、浮上量を安定させ
るためのヘッド速度に影響されるため、充分な記録密度
を得るために高い転送レートが要求されるヘッドがスラ
イダー上に形成されるニアフィールド記録においては、
凸部143aが光磁気ディスク1と光学的に接触状態に
あるので、より一層高まることになる。
【0040】図14は、上記光磁気ヘッド部の第4の詳
細例を示す構成図であり、図12と同一構成箇所は同符
号を付して説明を省略する。この光磁気ヘッド部325
は、磁界変調コイル142の導体パターン151の構造
が2層となっており、磁界変調コイル142の中心付近
に形成されている貫通穴155の形成部分において、2
層に形成された導体パターン151の導通がなされた構
成となっている。
【0041】この磁界変調コイル142の製造方法は、
上記磁界変調コイル42の製造方法において、図8に示
した工程が終了した状態の別個に形成された2つパター
ン部材を貼り合わせた後、図9に示した工程と同様にア
ブレーション加工により絶縁層の除去加工を行って貫通
穴155を形成し、、図10に示した工程と同様に導体
を形成する方法により製造することができる。このよう
な構成の光磁気ヘッド部325においても、上記光磁気
ヘッド部の第2及び第3の詳細例で述べた効果と同様の
効果を得ることができる。特に、コイルの巻数を容易に
増加させることが可能となり、発生磁界をさらに高める
ことができる。
【0042】上述した各磁界変調コイルの製造方法にお
いては、貫通穴の形成にエキシマレーザ光によるアブレ
ーション加工法を用いた例を示したが、導体パターンを
加工することなく、絶縁層のみを加工する加工法であれ
ば、例えば炭酸ガスレーザを用いたアブレーション加工
法であっても構わない。さらには、アブレーション加工
に限定する必要はなく、例えばパウダービームエッチン
グ法であっても構わない。但し、パウダービームエッチ
ング法においては、磁界変調コイルに直接マスクを形成
する必要があるので、アブレーション加工法に比べ、加
工効率が若干低下する。さらに、絶縁層の材質としてポ
リイミドを用いた例を示したが、ポリイミドに限定され
る必要はなく、アブレーション加工可能であれば例えば
アクリルあるいはエポキシさらにはガラエポを用いるこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、記録媒
体の厚さを薄くして記録密度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学記録装置の実施形態である光磁気
ディスク装置の一例を示す概略ブロック図。
【図2】図1の光磁気ディスク装置のヘッドの詳細例を
示す構成図。
【図3】図1の光磁気ディスク装置の光磁気ヘッド部の
第1の詳細例を示す構成図。
【図4】図3の光磁気ヘッド部の磁界変調コイルのより
詳細な形状例を示す断面側面図。
【図5】図4の磁界変調コイルの製造方法を示す第1の
図。
【図6】図4の磁界変調コイルの製造方法を示す第2の
図。
【図7】図4の磁界変調コイルの製造方法を示す第3の
図。
【図8】図4の磁界変調コイルの製造方法を示す第4の
図。
【図9】図4の磁界変調コイルの製造方法を示す第5の
図。
【図10】図4の磁界変調コイルの製造方法を示す第6
の図。
【図11】図4の磁界変調コイルの製造方法で使用する
マスクの配置例を示す平面図。
【図12】図1の光磁気ディスク装置の光磁気ヘッド部
の第2の詳細例を示す構成図。
【図13】図1の光磁気ディスク装置の光磁気ヘッド部
の第3の詳細例を示す構成図。
【図14】図1の光磁気ディスク装置の光磁気ヘッド部
の第4の詳細例を示す構成図。
【符号の説明】
1A・・・光磁気ディスク装置、1・・・光磁気ディス
ク、3・・・ヘッド、3A・・・磁界発生装置、3B・
・・光ピックアップ装置、25、125、225、32
5・・・光磁気ヘッド部、41・・・対物レンズ、4
2、142・・・磁界変調コイル、43・・・先玉レン
ズ、44・・・ケーシング、45・・・駆動用アクチュ
エータ、50・・・導体、51、151・・・導体パタ
ーン、52・・・絶縁層、55、155・・・貫通穴、
143a・・・凸部

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気光学効果を応用した記録媒体に対し
    て、磁界を印加し、光を照射してデータの記録あるいは
    再生を行う光学記録装置において、 前記光を発生する光発生手段と、 前記光発生手段により発生された光を前記記録媒体に集
    光する集光手段と、 前記磁界を発生する磁界発生手段とを有しており、 前記記録媒体に集光される光の光路が、前記磁界発生手
    段に形成されている径が150μm以下の貫通穴を含む
    ことを特徴とする光学記録装置。
  2. 【請求項2】 前記磁界発生手段の内部に形成されてい
    る導電部が、前記貫通穴部分において電気的な接続がと
    られている請求項1に記載の光学記録装置。
  3. 【請求項3】 前記貫通穴の軸方向の径が、前記磁界発
    生手段の内部に形成されている導電部により変化してい
    る請求項1に記載の光学記録装置。
  4. 【請求項4】 前記集光手段の一部が凸部に形成されて
    おり、前記凸部が前記貫通穴に配置されている請求項1
    に記載の光学記録装置。
  5. 【請求項5】 前記貫通穴が、アブレーション加工によ
    り形成されている請求項1に記載の光学記録装置。
  6. 【請求項6】 前記アブレーション加工は、エキシマレ
    ーザ光を用いた加工法である請求項5に記載の光学記録
    装置。
  7. 【請求項7】 前記アブレーション加工は、炭酸ガスレ
    ーザ光を用いた加工法である請求項5に記載の光学記録
    装置。
  8. 【請求項8】 前記磁界発生手段の内部に形成されてい
    る絶縁部が、ポリイミドでなる請求項1に記載の光学記
    録装置。
  9. 【請求項9】 前記磁界発生手段の内部に形成されてい
    る絶縁部が、170°C以下で焼成可能なポリイミドで
    なる請求項1に記載の光学記録装置。
  10. 【請求項10】 前記集光手段は、2つのレンズを用い
    ている請求項1に記載の光学記録装置。
  11. 【請求項11】 磁気光学効果を応用した記録媒体に照
    射する光を発生する光発生手段と、 前記光発生手段により発生された光を前記記録媒体に集
    光する集光手段と、 前記記録媒体に印加する磁界を発生する磁界発生手段と
    を有し、 前記記録媒体に対して、磁界を印加し、光を照射してデ
    ータの記録あるいは再生を行う光学記録装置の製造方法
    において、 前記記録媒体に集光される光の光路の一部となる貫通穴
    を、レーザ光を用いたアブレーション加工により前記磁
    界発生手段に形成する工程を含むことを特徴とする光学
    記録装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記レーザ光の照射面積が、加工部分
    よりも広い請求項11に記載の光学記録装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記貫通穴の形成工程にて、前記磁界
    発生手段の内部に形成されている導電部の電気的な接続
    部分の加工を行う請求項11に記載の光学記録装置の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記貫通穴を前記集光手段に形成され
    ている凸部にはめ合わせることにより、前記磁界発生手
    段と集光手段との位置合わせを行う請求項11に記載の
    光学記録装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記アブレーション加工は、エキシマ
    レーザ光を用いた加工法である請求項11に記載の光学
    記録装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記アブレーション加工は、炭酸ガス
    レーザ光を用いた加工法である請求項11に記載の光学
    記録装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記貫通穴が加工される前記磁界発生
    手段の内部に形成されている絶縁部が、ポリイミドでな
    る請求項11に記載の光学記録装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記貫通穴が加工される前記磁界発生
    手段の内部の絶縁部が、170°C以下で焼成可能なポ
    リイミドでなる請求項11に記載の光学記録装置の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 径が150μm以下の貫通穴を有する
    磁界発生装置であり、 内部に形成されている導電部が、前記貫通穴部分におい
    て電気的な接続がとられていることを特徴とする磁界発
    生装置。
  20. 【請求項20】 前記貫通穴の軸方向の径が、内部に形
    成されている導電部により変化している請求項19に記
    載の磁界発生装置。
  21. 【請求項21】 前記貫通穴が、アブレーション加工に
    より形成されている請求項19に記載の磁界発生装置。
  22. 【請求項22】 前記アブレーション加工は、エキシマ
    レーザ光を用いた加工法である請求項21に記載の磁界
    発生装置。
  23. 【請求項23】 前記アブレーション加工は、炭酸ガス
    レーザ光を用いた加工法である請求項21に記載の磁界
    発生装置。
  24. 【請求項24】 内部に形成されている絶縁部が、ポリ
    イミドでなる請求項19に記載の磁界発生装置。
  25. 【請求項25】 内部に形成されている絶縁部が、17
    0°C以下で焼成可能なポリイミドでなる請求項19に
    記載の磁界発生装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100618981B1 (ko) * 1999-11-26 2006-08-31 삼성전자주식회사 니어필드 기록재생용 광자기헤드 및 그 제조방법
KR100667733B1 (ko) * 1999-10-29 2007-01-11 삼성전자주식회사 광자기 기록재생용 광자기헤드 및 그 제조방법

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