JPH11232658A - 光学ピックアップ送り装置 - Google Patents

光学ピックアップ送り装置

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JPH11232658A
JPH11232658A JP2581798A JP2581798A JPH11232658A JP H11232658 A JPH11232658 A JP H11232658A JP 2581798 A JP2581798 A JP 2581798A JP 2581798 A JP2581798 A JP 2581798A JP H11232658 A JPH11232658 A JP H11232658A
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optical pickup
drive voltage
threshold value
feed
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Koji Shigeta
田 孝 治 重
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用温度環境が異なったり、個体ばらつきが
あって、機構部の負荷変動が大きくなっても、常に変わ
らぬ動作性能を得ることができるようにする。 【解決手段】 ディスクA上の情報の記録または再生を
行う光学ピックアップ1を、動力伝達機構3を介してト
ラバースモータ2により駆動し、このモータをコントロ
ーラ7により制御する光学ピックアップ送り装置におい
て、レンズシフト量を検出し、レンズシフト量が所定の
しきい値(不感帯)を越えた時点からトラバースモータ
2に駆動電圧を印加するトラバースサーボフィルタ9
と、不感帯量を任意に設定する不感帯設定手段10とを
備え、個体ばらつきや温度変化によって摩擦負荷が変動
した時には、不感帯量算出手段11の結果を基に、状況
に応じて不感帯量を変化させることによって、送り過ぎ
によるハンチング現象を防止し、通常時と変わらぬ動作
性能を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状の情報
記録媒体に情報を記録・再生する光ディスク装置の光学
ピックアップ送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学ピックアップ送り制御装置と
しては、例えば、公開特平2−276030号公報に公
開されている。以下、図面を参照しながら、従来光学ピ
ックアップ送り制御装置の一例について説明する。
【0003】図9は従来の光学ピックアップ送り制御装
置の構成を示すものである。ディスクAに記録された情
報を記録・再生するための光学ピックアップ1は、ディ
スクA上にレーザを集光させデータの書き込み・読み込
みを行うレンズ1aと、レンズ1aを上下方向・ディス
ク半径方向へ微少移動させるための密アクチュエータ1
bと、レンズ1aと密アクチュエータ1bを搭載するキ
ャリッジ1cとからなる。キャリッジ自体をディスクの
半径方向に移動させる機構として、トラバースモータ2
と、このモータ2の駆動力をキャリッジ1cに伝達する
動力伝達機構3を備えている。ディスクAを回転させる
スピンドルモータ4は、コントローラ7のスピンドルモ
ータドライバ5によって駆動され、動力伝達機構3を駆
動するトラバースモータ2は、コントローラ7のトラバ
ースサーボフィルタ9から駆動電圧を印加される。トラ
バースサーボフィルタ9では、レンズシフト量検出手段
9aが、トラッキングエラー(TE)信号検出手段6お
よびトラッキングサーボフィルタ8からの信号を基に、
レンズ1aの中心からのずれ量(以下レンズシフト量)
を検出し、検出されたレンズシフト量に応じてデジタル
フィルタ9bがトラバースモータ2への駆動電圧の算出
を行っている。以上の構成を総称してトラバース駆動装
置と呼ぶ。なお、フォーカスサーボ等の光学ディスク装
置に標準的に備わる要素でトラバース駆動装置に関連な
いものについては説明を省いている。
【0004】次に、上記のように構成されたトラバース
駆動装置の動作について説明する。ディスクAを記録・
再生する時には、キャリッジ1cをディスク半径方向
(以下トラッキング方向と呼ぶ)へ送る動作(以下光軸
補正送りと呼ぶ)が発生する。以下でこの動作について
説明する。
【0005】記録・再生動作中、光学ピックアップ1の
レンズ1aは、蜜アクチュエータ1bによりトラッキン
グ方向外周へ向かって微少移動しながら、回転するディ
スクAのトラックをトレースして、データの書き込み・
読み込みを行う。密アクチュエータ1bは、精密な移動
が行えるが、可動範囲が狭いため、所定距離以上にレン
ズ1aが中心からずれた時(以下レンズシフトが発生し
た時)、キャリッジ1cを移動させ、再びレンズ1aを
キャリッジ1cの中心位置付近に戻す必要がある。キャ
リッジ1cを動かすために、動力伝達機構3の摩擦負荷
を越えるだけの駆動電圧を、コントローラ7からトラバ
ースモータドライブ電圧として出力し、動力伝達機構3
を介してキャリッジ1cをトラッキング方向へ送る動作
を行っている。すなわち、コントーラ7では、常時蜜ア
クチュエータ1bをディスクAのトラックへ追従させる
制御(トラッキング制御)と、必要に応じてトラバース
モータ2を駆動して、レンズ1aをキャリッジ1cの中
心付近に位置させる制御(トラバース制御)とを同時に
行っている。
【0006】次に、図9および図10を参照しながら上
記の動作を詳細に説明する。記録・再生動作の指令を受
け取ると、まずトラバースサーボフィルタ9の出力ゲイ
ンがリセットされ(ST1)、次いで不感帯設定手段1
0により不感帯量が設定される(ST2)。次に、レン
ズシフト検出手段9aによりレンズシフト量Meの検出
を行い、キャリッジ1cの移動が必要かどうかを決定す
る。シフト量Meが予め設定したしきい値未満で密アク
チュエータ駆動の可動範囲内であるかどうかを判断し
(ST4)、範囲内である間は密アクチュエータ1bに
よりトラッキング方向への微少送りを行う(ST5)。
次第にレンズシフト量が大きくなり、しきい値以上とな
った時、レンズシフト量に応じた値の駆動電圧をトラバ
ースモータ2に与え、キャリッジ1cをレンズシフト量
がキャンセルされる方向(通常は外周方向)へ移動させ
て光軸補正送りを行う(ST6)。キャリッジ1cが移
動したことによりレンズシフト量が減少すると、レンズ
シフト量に応じたドライブ出力Mvを計算し(ST
7)、出力ゲインを増加させる(ST8)。レンズシフ
ト量が再びしきい値未満になった時(ST9)、トラバ
ースモータ2への供給電圧を停止し、1回目の光軸補正
送りが終了し、再び密アクチュエータ1bによるレンズ
移動のみの制御になり、記録・再生動作中はこの動作を
繰り返す。
【0007】この時、レンズシフト量のしきい値は制御
部の不感帯となり、トラバース装置の動作に影響を与え
る。光軸補正送りによるキャリッジ1cの送り量が、あ
る値の範囲間で安定して動作を行っている時は、光軸補
正送りを行った直後、送られた方向の不感帯を突き抜け
ることがないので、常に一定方向(通常外周方向)へ向
かって動作を行い安定している。送り量が過剰になった
場合、送られた方向の不感帯を突き抜けてしまうので反
転動作が入り、再び送られた側の不感帯を突き抜けてさ
らに反転動作を行うというハンチング動作を引き起こ
し、最悪の場合、連続的な情報の書き込み・読み出しが
不可能となる。
【0008】一般にトラバースモータには、DCモータ
が使用されることが多く、モータのコギングトルク特性
によって、キャリッジの停止する位置が定まる。すなわ
ち、コギングトルクの極大となる点が停止位置として定
まりやすく、これを利用してトラバース機構部の設計が
行われる。しかしながら、モータの特性ばらつきや被駆
動側の負荷ばらつきによって、その送り量が数μmから
数百μmの間の値でばらつき、必要な送り量(数十μm
程度)に対し誤差を生じる。したがって、一回の動作に
よってキャリッジが送られて、レンズシフトが変化する
量が不感帯内となるように、機構部の特性に応じた不感
帯量を予め設定しておく必要がある。このようにして、
従来の光学ピックアップ送り装置でも光軸補正送り動作
を行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、光ディスク装置を車載用機器として使
用した場合、耐振仕様が特に厳しいことから、がたつき
除去を目的とする付勢力の大きなばねを取り入れたトラ
バース機構構成を取らざるを得ず、このため摩擦負荷が
大きく変動し、摩擦負荷の個体ばらつきや局所的なばら
つきによってキャリッジが動き出すモータ電圧(動作
点)とキャリッジ送り量の両者にばらつきが生じ、ハン
チングが発生し易い条件となる。このため、コストアッ
プを容認して機構部の選別を行い、個体ばらつきを抑え
るか、または目標仕様を下げなければならないという問
題があった。
【0010】また、上記のような構成では、使用環境温
度が大きく異なる車載用機器では、温度変化によって制
御部不感帯部の感度が変化したり、摩擦負荷が大きく変
動するため、キャリッジ送り量のばらつきが大きくな
り、ハンチングを引き起こして動作が不安定になるとい
う問題があった。
【0011】さらに、上記のような構成では、車載用機
器の場合、静音化対策が必要なことから、ウオームギヤ
を減速機構として使用したトラバース機構構成を採用し
たり、使用しているモータの回転方向による特性の違い
によって送り方向で摩擦負荷が大きく変動するため、キ
ャリッジが動き出すモータ電圧(動作点)とキャリッジ
送り量の両者にばらつきが生じ、ハンチングが発生し易
い条件となるため、コストアップを容認して機構部の選
別を行い、個体ばらつきを抑えるか、または目標仕様を
下げなければならないという問題があった。
【0012】本発明は、このような従来技術の問題点を
解決するものであり、機構部の摩擦負荷にばらつきが存
在しても、使用環境温度が変化しても、コストアップに
なることなく、常に変わらぬ動作性能を得ることができ
る光学ピックアップ送り装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学ピックアップ送り装置においては、従
来の構成に加えて、制御部の不感帯量を任意に設定し、
状況に応じて不感帯量を変化させる手段を設け、ハンチ
ング動作を防止することで安定した送り動作を実現する
ようにしたものである。
【0014】本発明はまた、従来の構成に加えて、モー
タ電圧値をモニタし、電圧値に対応した制御部不感帯量
を設定する手段を設けて、送り量が過剰となることで発
生するハンチング現象を防止して、安定した送り動作を
実現するようにしたものである。
【0015】本発明はまた、従来の構成に加えて、周囲
温度を測定する手段と、周囲温度に対応した制御部不感
帯量を設定する手段を設けて、送り量が過剰となること
で発生するハンチング現象を防止して、安定した送り動
作を実現するようにしたものである。
【0016】本発明はまた、従来の構成に加えて、光学
ピックアップ送り動作が発生した際の送り量をモニタす
る手段と、前記送り量に対応した制御部不感帯量を設定
する手段を設けて、送り量が過剰となることで発生する
ハンチング現象を防止して、安定した送り動作を実現す
るようにしたものである。
【0017】本発明はまた、従来の構成に加えて、送り
方向を常時モニタし、送られる方向には常に大きな制御
部不感帯を設定する手段を設けて、送り量が過剰となる
ことで発生するハンチング現象を防止して、安定した送
り動作を実現するようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、記録媒体に対して情報の記録または再生を行うこと
が可能なように、光学ピックアップと記録媒体の相対位
置を制御しながらディスク半径方向に光学ピックアップ
を移動させるトラバース機構を有する光ディスク装置に
おいて、レンズシフト量を検出し、レンズシフト量が所
定のしきい値を越えた時点から駆動電圧をトラバースモ
ータに印加する手段を備え、前記駆動電圧のしきい値を
モータへの駆動電圧に対応した値に設定して、送り動作
を制御することを特徴とする光学ピックアップ送り装置
であり、光ディスク装置の光軸補正送り動作において、
レンズシフト量を検出しレンズシフト量が所定のしきい
値(不感帯量)を越えた時点からレンズシフト量に応じ
た駆動電圧をトラバースモータに印加し、かつモータ電
圧をモニタしておき、モータ電圧に応じてしきい値の設
定を行うことによって、キャリッジ送り動作の不感帯の
設定を行い、機構部の摩擦負荷の個体ばらつきや局所的
なばらつきが存在しても、送り動作のハンチング発生を
防止し、送りの安定化を図れるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項2に記載の発明は、記録媒
体に対して情報の記録または再生を行うことが可能なよ
うに、光学ピックアップと記録媒体の相対位置を制御し
ながらディスク半径方向に光学ピックアップを移動させ
るトラバース機構を有する光ディスク装置において、レ
ンズシフト量を検出し、レンズシフト量が所定のしきい
値を越えた時点から駆動電圧をトラバースモータに印加
する手段と、周囲の環境温度を測定する手段とを備え、
前記駆動電圧のしきい値を周囲の環境温度に対応した値
に設定して、送り動作を制御することを特徴とする光学
ピックアップ送り装置であり、光ディスク装置の光軸補
正送り動作において、レンズシフト量を検出しレンズシ
フト量が所定のしきい値(不感帯量)を越えた時点から
レンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに
印加し、かつトラバース装置の周囲温度を検出して、温
度に対応したしきい値の設定を行うことによって、キャ
リッジ送り動作の不感帯の設定を行い、温度変化等によ
って機構部の摩擦負荷が変動しても、送り動作のハンチ
ング発生を防止し、送りの安定化を図れるという作用を
有する。
【0020】本発明の請求項3に記載の発明は、記録媒
体に対して情報の記録または再生を行うことが可能なよ
うに、光学ピックアップと記録媒体の相対位置を制御し
ながらディスク半径方向に光学ピックアップを移動させ
るトラバース機構を有する光ディスク装置において、レ
ンズシフト量を検出し、レンズシフト量が所定のしきい
値を越えた時点から駆動電圧をトラバースモータに印加
する手段と、前記トラバースモータにより送り動作を行
った時の光学ピックアップの送り量を検出する手段とを
備え、前記駆動電圧のしきい値を前記送り量に対応した
値に設定して、送り動作を制御することを特徴とする光
学ピックアップ送り装置であり、光ディスク装置の光軸
補正送り動作において、レンズシフト量を検出しレンズ
シフト量が所定のしきい値(不感帯量)を越えた時点か
らレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータ
に印加し、光軸補正送り動作が発生した際のキャリッジ
送り量を検出して、送り量に対応したしきい値の設定を
行うことによって、キャリッジ送り動作の不感帯の設定
を行い、温度変化や個体ばらつき等によって機構部の摩
擦負荷が変動しても、送り動作のハンチング発生を防止
し、送りの安定化を図れるという作用を有する。
【0021】本発明の請求項4に記載の発明は、記録媒
体に対して情報の記録または再生を行うことが可能なよ
うに、光学ピックアップと記録媒体の相対位置を制御し
ながらディスク半径方向に光学ピックアップを移動させ
るトラバース機構を有する光ディスク装置において、レ
ンズシフト量を検出し、レンズシフト量が所定のしきい
値を越えた時点から駆動電圧をトラバースモータに印加
する手段と、前記トラバースモータにより光学ピックア
ップを送ろうとしている方向を検出する手段とを備え、
前記駆動電圧のしきい値を前記送ろうとしている方向ガ
常に所定値より大きな値となるように設定して、送り動
作を制御することを特徴とする光学ピックアップ送り装
置であり、光ディスク装置の光軸補正送り動作におい
て、レンズシフト量を検出しレンズシフト量が所定のし
きい値(不感帯量)を越えた時点からレンズシフト量に
応じた駆動電圧をトラバースモータに印加し、かつ送り
方向をモニタしておき、送り方向に応じてしきい値の設
定を行うことによって、キャリッジ送り動作の不感帯の
設定を行い、機構部の摩擦負荷の個体ばらつきや局所的
なばらつが存在しても、送り動作のハンチング発生を防
止し、送りの安定化を図れるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項5に記載の発明は、前記駆
動電圧のしきい値が、周囲環境温度とモータへの駆動電
圧に対応した値に設定され、送り動作を制御することを
特徴とする請求項1または2記載の光学ピックアップ送
り装置であり、送りの安定化を一層図れるという作用を
有する。
【0023】本発明の請求項6に記載の発明は、前記駆
動電圧のしきい値が、モータへの駆動電圧と、送り動作
を行った際の光学ピックアップの送り量に対応した値に
設定され、送り動作を制御することを特徴とする請求項
1または3記載の光学ピックアップ送り装置であり、送
りの安定化を一層図れるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項7に記載の発明は、前記駆
動電圧のしきい値が、モータへの駆動電圧に対応した値
に設定され、かつ光学ピックアップを送ろうとする方向
のしきい値が常に所定値より大きくなるように設定して
送り動作を制御することを特徴とする請求項1または4
記載の光学ピックアップ送り装置であり、送りの安定化
を一層図れるという作用を有する。
【0025】本発明の請求項8に記載の発明は、前記駆
動電圧のしきい値が、周囲環境温度と、送り動作を行っ
た際の光学ピックアップの送り量に対応した値に設定さ
れ、送り動作を制御することを特徴とする請求項2また
は3記載の光学ピックアップ送り装置であり、送りの安
定化を一層図れるという作用を有する。
【0026】本発明の請求項9に記載の発明は、前記駆
動電圧のしきい値が、周囲環境温度に対応した値に設定
され、かつ光学ピックアップを送ろうとする方向のしき
い値が常に所定値より大きくなるように設定して、送り
動作を制御することを特徴とする請求項2または4記載
の光学ピックアップ送り装置であり、送りの安定化を一
層図れるという作用を有する。
【0027】本発明の請求項10に記載の発明は、前記
駆動電圧のしきい値が、送り動作を行った際の光学ピッ
クアップの送り量に対応した値に設定され、かつ光学ピ
ックアップを送ろうとする方向のしきい値が常に所定値
より大きくなるように設定して、送り動作を制御するこ
とを特徴とする請求項3または4記載の光学ピックアッ
プ送り装置であり、送りの安定化を一層図れるという作
用を有する。
【0028】本発明の請求項11に記載の発明は、前記
駆動電圧のしきい値が、周囲環境温度とモータへの駆動
電圧に対応した値に設定され、かつ送り動作を行った際
の光学ピックアップの送り量に対応した値に設定され、
送り動作を制御することを特徴とする請求項1または2
または3記載の光学ピックアップ送り装置であり、送り
の安定化を一層図れるという作用を有する。
【0029】本発明の請求項12に記載の発明は、前記
駆動電圧のしきい値が、周囲環境温度とモータへの駆動
電圧に対応した値に設定され、かつ光学ピックアップを
送ろうとする方向のしきい値が常に所定値より大きくな
るように設定して、送り動作を制御することを特徴とす
る請求項1または2または4記載の光学ピックアップ送
り装置であり、送りの安定化を一層図れるという作用を
有する。
【0030】本発明の請求項13に記載の発明は、前記
駆動電圧のしきい値が、モータへの駆動電圧と、送り動
作を行った際の光学ピックアップの送り量に対応した値
に設定され、かつ光学ピックアップを送ろうとする方向
のしきい値が常に所定値より大きくなるように設定し
て、送り動作を制御することを特徴とする請求項1また
は3または4記載の光学ピックアップ送り装置であり、
送りの安定化を一層図れるという作用を有する。
【0031】本発明の請求項14に記載の発明は、前記
駆動電圧のしきい値が、周囲環境温度と、送り動作を行
った際の光学ピックアップの送り量に対応した値に設定
され、かつ光学ピックアップを送ろうとする方向のしき
い値が常に所定値より大きくなるように設定して、送り
動作を制御することを特徴とする請求項2または3また
は4記載の光学ピックアップ送り装置であり、送りの安
定化を一層図れるという作用を有する。
【0032】本発明の請求項15に記載の発明は、前記
駆動電圧のしきい値が、周囲環境温度とモータへの駆動
電圧に対応した値に設定され、かつ送り動作を行った際
の光学ピックアップの送り量に対応した値に設定され、
かつ光学ピックアップを送ろうとする方向のしきい値が
常に所定値より大きくなるように設定して、送り動作を
制御することを特徴とする請求項1または2または3ま
たは4記載の光学ピックアップ送り装置であり、送りの
安定化を一層図れるという作用を有する。
【0033】以下、本発明の好適な実施形態について図
面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態を説
明するための光学ピックアップ送り装置の構成を示し、
図9において説明した部位および手段には同一符号を付
してある。図1において、ディスクAに記録された情報
を記録・再生するための光学ピックアップ1は、ディス
クA上にレーザを集光させデータの書き込み・読み込み
を行うレンズ1aと、レンズ1aを上下方向・ディスク
半径方向へ微少移動させるための密アクチュエータ1b
と、レンズ1aと密アクチュエータ1bを搭載するキャ
リッジ1cとからなる。キャリッジ自体をディスクの半
径方向に移動させる機構として、トラバースモータ2
と、このモータ2の駆動力をキャリッジ1cに伝達する
動力伝達機構3を備えている。ディスクAを回転させる
スピンドルモータ4は、コントローラ7のスピンドルモ
ータドライバ5によって駆動され、動力伝達機構3を駆
動するトラバースモータ2は、コントローラ7のトラバ
ースサーボフィルタ9から駆動電圧を印加される。トラ
バースサーボフィルタ9では、レンズシフト量検出手段
9aが、トラッキングエラー(TE)信号検出手段6お
よびトラッキングサーボフィルタ8からの信号を基に、
レンズ1aの中心からのずれ量(以下レンズシフト量)
を検出し、検出されたレンズシフト量に応じてデジタル
フィルタ9bがトラバースモータ2への駆動電圧の算出
を行っている。以上の構成を総称してトラバース駆動装
置と呼ぶ。なお、フォーカスサーボ等の光学ディスク装
置に標準的に備わる要素でトラバース駆動装置に関連な
いものについては説明を省いている。本実施の形態にお
いて、図9に示した従来の構成に対して新たに加えられ
たのは、不感帯量設定手段11である。
【0034】上記第1の実施の形態の動作について図1
および図2を参照して説明する。従来例に示したよう
に、記録・再生動作中は、密アクチュエータ駆動による
レンズ1aの移動と、トラバースモータ2によるキャリ
ッジ1cの移動を行っている。密アクチュエータ1b
は、移動精度が高くばらつきも小さいが、キャリッジ送
り動作を行う駆動力伝達機構3には、がた押さえばねに
よる摺動部の摩擦等の摩擦負荷が存在し、装置個々の個
体ばらつきや同一装置内での局所的なばらつきがあるた
め、キャリッジ送り量が数μmから数百μm程度に変化
し、必要な送り量(数十μm程度)を越えることがあ
る。
【0035】キャリッジ送り量は、摩擦負荷のばらつき
により変動し、静止摩擦が大きい時、すなわちモータ電
圧を徐々に上げていった場合のキャリッジの動き出す電
圧が高い時、送り量が大きくなる。このような時、従来
例のように制御部不感帯量を一定値に設定していると、
送り量が制御部不感帯量よりも大きくなってしまい、ハ
ンチングが発生し、送り動作の安定性が失われ動作不良
を引き起こしやすくなる。
【0036】レンズシフト量検出手段9aは、トラッキ
ングエラー(TE)信号検出手段6からの信号を用い、
同信号の低域成分を抽出し増幅してレンズシフト量を求
め、デジタルフィルタ9bがトラバースモータドライブ
出力を生成する。トラバースサーボフィルタの周波数帯
域は非常に低く、同帯域でのフィルタ特性はフラットで
あるため、レンズシフト量とトラバースモータドライブ
出力の関係はほぼ比例関係にある。
【0037】トラバースサーボフィルタ9において、M
eはフィルタ通過前のトラッキングエラーTE信号に相
当する値が格納されたレジスタで、この値を読み取るこ
とによってレンズシフト量が検出できる。Mvはフィル
タ通過後の値が格納されているレジスタで、この値を読
み取ることでトラバースモータへの駆動電圧が検出でき
る。
【0038】制御部不感帯は、図2のフロー図に示すよ
うに、以下の手順に従って生成される。記録・再生動作
のコマンドを受け取るとコントローラ7内部のトラバー
スサーボフィルタ9では、まず出力のゲインKをゼロに
設定して(ST11)、モータへの電圧供給を停止し、
制御部不感帯量を初期値D0に設定する(ST12)。
次いで、レンズシフト量検出手段9aによりレンズシフ
ト量Meを検出し(ST13)、MeがDz以下ならば
(ST14)、密アクチュエータ1bの移動によってト
ラックへの追従を行い(ST15)、MeがDz以上に
なると、光軸補正送りが発生する(ST16)。
【0039】光軸補正送り中は、モータドライブ出力演
算手段(本例ではデジタルフィルタ9b)により,レン
ズシフト量Meに対応したモータドライブ出力Mvが演
算され(ST17)、また制御部不感帯量Dzが、次式
によって更新される(ST18)。 Dz=Mv×C ここでCはモータ電圧・レンズシフト量変換係数で、ト
ラバースサーボ系を構成する各ブロックの特性を測定す
ることによって一義的に定まる定数である。
【0040】続いてトラバースサーボフィルタ9の出力
ゲインを1にすることによって、トラバースモータ2に
駆動電圧が供給される(ST19)。トラバースモータ
2が発生する駆動トルクが摩擦負荷よりも小さい間はキ
ャリッジ1cは動かず、レンズシフトのみがトラックに
追従して動くため、レンズシフト量が増加する。レンズ
シフト量が増加している間はモータ電圧も上昇し続け、
また同時に制御部不感帯量も大きくなる。摩擦負荷とモ
ータ駆動トルクが合致した時、キャリッジが動く(ST
20)。キャリッジが動いたことによりレンズシフト量
がしきい値以下になった時,光軸補正送り動作を終了す
る。
【0041】キャリッジの送り量は、摩擦負荷のばらつ
きにより変動し、静止摩擦が大きい。すなわちキャリッ
ジの動き出す電圧が高い時ほど送り量が大きくなる。こ
のような時、従来例では送り量が制御部不感帯量よりも
大きくなってしまい、ハンチング動作を引き起こした。
本例では、モータ電圧が上昇するにつれて、制御部不感
帯量も増加するように更新しているため、行き過ぎによ
る反転動作が発生せずハンチングが生じない。
【0042】以上のように、上記第1の実施の形態によ
れば、機構部の摩擦負荷の個体ばらつきや局所的なばら
つきを、制御部の不感帯量を摩擦負荷に適応した値に設
定することで吸収し、動作性能の劣化を防止できるとい
う効果を有する。
【0043】図2は本発明の第2の実施の形態を説明す
るための光学ピックアップ送り装置の構成を示し、図1
において説明した部位および手段には同一符号を付して
詳しい説明は省略する。図1に示した構成に対して新た
に加えられたのは、温度センサ21および温度補正係数
算出手段22である。なお、本実施の形態では、温度検
出手段として温度センサを用いる例を示しているが、周
囲温度を検出するために他の手段を用いてもよい。
【0044】上記第2の実施の形態の動作について図3
および図4を参照して説明する。上記したように記録・
再生動作中は、密アクチュエータ駆動によるレンズ1a
の移動と、トラバースモータ2によるキャリッジ1cの
移動を行っている。密アクチュエータ1aは移動精度が
良く使用環境温度による影響が小さいが、キャリッジ1
cの送り動作を行う駆動力伝達機構3は、その送り量が
使用環境温度の影響を受けやすく、キャリッジ送り量が
数μmから数百μm程度に変化し、必要な送り量(数十
μm程度)を越えることがある。
【0045】一般に、低温時にはグリスが硬化し、動力
伝達機構3の粘性が増大し、制動力が増すため、常温時
に比べ送り量が小さく、また逆に高温ではグリスの粘性
による制動力が低下するため同じ駆動電圧でも送り量が
大きくなる。すなわち、摩擦負荷に対して駆動力が不足
した状態では、キャリッジ1cが移動できないという不
具合が生じ、摩擦負荷に対して過剰な駆動力が供給され
た場合には、キャリッジ1cの送り量が過剰となって動
作が不安定になるという問題が発生する。このような
時、従来例のように制御部不感帯量を一定値に設定して
いると、送り量が制御部不感帯量よりも大きくなってし
まい、ハンチングが発生し、送り動作の安定性が失われ
動作不良を引き起こしやすくなる。
【0046】制御部不感帯は、図4のフロー図に示すよ
うに、以下の手順に従って生成される。記録・再生動作
のコマンドを受け取ると、コントローラ7内部のトラバ
ースサーボフィルタ9では、まず出力のゲインKをゼロ
に設定して(ST21)、モータへの電圧供給を停止す
る。続いて、温度センサ21によって周囲温度を測定
し、温度補正係数算出手段22によりその温度に対応し
た温度補正係数Ktを求め(ST22)、制御部不感帯
量を以下の式に基づいて設定する(ST23)。 Dz = Ds × Kt ここで、Dsは制御部不感帯量の基準値である。温度補
正係数Ktは、トラバース駆動装置の標準機で測定した
試験結果から各温度における送り量の予測値が用意され
たテーブルに従って、温度補正係数算出手段22によっ
て決定される。
【0047】次いで、レンズシフト量検出手段9aによ
りレンズシフト量Meを検出し(ST24)、MeがD
z以下ならば(ST25)、密アクチュエータ1bの移
動によってトラックへの追従を行い(ST26)、Me
がDz以上になると、光軸補正送りが発生する(ST2
7)。
【0048】光軸補正送り中は、モータドライブ出力演
算手段(本例ではデジタルフィルタ9b)により,レン
ズシフト量Meに対応したモータドライブ出力Mvが演
算される(ST28)。また制御部不感帯量Dzは、温
度センサ21が検出した周囲温度に対応して算出された
(ST29)、温度補正係数Ktを用いて、常に次式に
従って更新される(ST30)。 Dz=Ds × Kt
【0049】続いてトラバースサーボフィルタ9の出力
ゲインを1にすることによって、トラバースモータ2に
駆動電圧が供給される(ST30A)。トラバースモー
タ2が発生する駆動トルクが摩擦負荷よりも小さい間は
キャリッジ1cは動かず、レンズシフトのみがトラック
に追従して動くため、レンズシフト量が増加する。レン
ズシフト量が増加している間はモータ電圧も上昇し続
け、また同時に制御部不感帯量も大きくなる。摩擦負荷
とモータ駆動トルクが合致した時、キャリッジが動く
(ST30B)。キャリッジが動いたことによりレンズ
シフト量がしきい値以下になった時、光軸補正送り動作
を終了する。た時光軸補正送り動作を終了する。
【0050】このように、上記第2の実施の形態によれ
ば、温度環境の相違による摩擦負荷の変動を、制御部の
不感帯量を温度環境に適応した値に設定することで吸収
し、動作性能の劣化を防止できるという効果を有する。
【0051】(実施の形態3)図3は本発明の第3の実
施の形態の動作を説明するための光学ピックアップ送り
装置の構成を示し、図1において説明した部位および手
段には同一符号を付して詳しい説明は省略する。図1に
示した構成に対して新たに加えられたのは、キャリッジ
送り量検出手段31および負荷補正係数算出手段32で
ある。なお、本実施の形態では、負荷の大小を検出する
手段としてキャリッジの送り量をモニタする手段を示し
ているが、他の手段を用いてこれを検出してもよい。
【0052】上記第3の実施の形態の動作について図5
および図6を参照して説明する。上記したように記録・
再生動作中は、密アクチュエータ駆動によるレンズ1a
の移動と、トラバースモータ2によるキャリッジ1cの
移動を行っている。密アクチュエータ1aは移動精度が
良く使用環境温度による影響が小さいが、キャリッジ1
cの送り動作を行う駆動力伝達機構3は、その送り量が
使用環境温度の影響を受けやすく、キャリッジ送り量が
数μmから数百μm程度に変化し、必要な送り量(数十
μm程度)を越えることがある。
【0053】第1の実施の形態および第2の実施の形態
で説明したとおり、従来例のように制御部不感帯量を一
定値に設定していると、使用環境温度の違いや機構部の
摩擦負荷のばらつきにより、キャリッジ送り量が制御部
不感帯量よりも大きくなってしまい、ハンチングが発生
し、送り動作の安定性が失われ動作不良を引き起こしや
すくなる。
【0054】制御部不感帯は、図6のフロー図に示すよ
うに、以下の手順に従って生成される。記録・再生動作
のコマンドを受け取ると、コントローラ7内部のトラバ
ースサーボフィルタ9では、まず出力のゲインKをゼロ
に設定して(ST31)、モータへの電圧供給を停止
し、制御部不感帯量を初期値D0に設定する(ST3
2)。次いでレンズシフト量検出手段9aによりレンズ
シフト量Meを検出し(ST33)、MeがDz以下な
らば(ST34)、密アクチュエータ1bの移動によっ
てトラックへの追従を行い(ST35)、MeがDz以
上になると、光軸補正送りが発生する(ST36)。
【0055】光軸補正送り中は、モータドライブ出力演
算手段(本例ではデジタルフィルタ9b)により,レン
ズシフト量Meに対応したモータドライブ出力Mvが演
算され(ST37)、トラバースサーボフィルタ9の出
力ゲインを1にすることによって、トラバースモータ2
に駆動電圧が供給される(ST38)。トラバースモー
タ2が発生する駆動トルクが摩擦負荷よりも小さい間は
キャリッジ1cは動かず、レンズシフトのみがトラック
に追従して動くため、レンズシフト量が増加する。レン
ズシフト量が増加している間はモータ電圧も上昇し続
け、また同時に制御部不感帯量も大きくなる。摩擦負荷
とモータ駆動トルクが合致した時、キャリッジが動く。
この時のキャリッジ送り量をキャリッジ送り量検出手段
31によって測定する(ST39)。
【0056】次に、測定された送り量に対応した負荷補
正係数KLを負荷補正係数算出手段32により求め(S
T40)、不感帯量算出手段11により制御部不感帯量
を以下の式に基づき設定する(ST40A)。 Dz = Ds × KL ここで、Dsは制御部不感帯量の基準値である。負荷補
正係数KLは、予めトラバース駆動装置の標準機で測定
した試験結果から決定している送り量の予測値Xaと実
際の送り量Xとを比較して、以下の式に従って、負荷補
正係数算出手段32によって決定される。 KL = X / Xa キャリッジが動いたことによりレンズシフト量がしきい
値以下になった時(ST40B)、光軸補正送り動作を
終了する。
【0057】以上のように、上記第3の実施の形態によ
れば、温度環境の相違や個体ばらつきによる摩擦負荷の
変動を、制御部の不感帯量を摩擦負荷に適応した値に設
定することで吸収し、動作性能の劣化を防止できるとい
う効果を有する。
【0058】(実施の形態4)図7は本発明の第4の実
施の形態の動作を説明するための光学ピックアップ送り
装置の構成を示し、図1において説明した部位および手
段には同一符号を付して詳しい説明は省略する。図1に
示した構成に対して新たに加えられたのは、送り方向検
出手段41である。
【0059】上記第4の実施の形態の動作について図7
および図8を参照して説明する。上記したように記録・
再生動作中は、密アクチュエータ駆動によるレンズ1a
の移動と、トラバースモータ2によるキャリッジ1cの
移動を行っている。密アクチュエータ1aは移動精度が
良く使用環境温度による影響が小さいが、キャリッジ1
cの送り動作を行う駆動力伝達機構3は、その送り量が
使用環境温度の影響を受けやすく、キャリッジ送り量が
数μmから数百μm程度に変化し、必要な送り量(数十
μm程度)を越えることがある。
【0060】このキャリッジの送り量は、摩擦負荷のば
らつきにより変動し、静止摩擦が大きい時、すなわちモ
ータ電圧を徐々に上げていった場合のキャリッジの動き
出す電圧が高い時に送り量が大きくなる。送り方向は、
CD等の光ディスク装置では、通常外周方向(FWD方
向)のみでの送りとなるが、内周方向(REV方向)へ
の送り動作が発生することがあり、またDVD−RAM
等の一部の光学ディスク装置においては、ある記録領域
ではFWD方向へのキャリッジ送りを、別な記録領域で
はREV方向のキャリッジ送りを仕様として規定してい
るため、両方向の送り動作が混在する。このような時、
従来例のように、制御部不感帯量を一定値に設定してい
ると、送り量が制御部不感帯量よりも大きくなってしま
い、ハンチングが発生し、送り動作の安定性が失われ動
作不良を引き起こしやすくなる。
【0061】制御部不感帯は、図8のフロー図に示すよ
うに、以下の手順に従って生成される。記録・再生動作
のコマンドを受け取ると、コントローラ7内部のトラバ
ースサーボフィルタ9では、まず出力のゲインKをゼロ
に設定して(ST41)、モータへの電圧供給を停止
し、制御部不感帯量Dz_f、Dz_rを初期値D0に
設定する(ST42)。ここで制御部不感帯量Dz_f
はディスク外周側(以降FWD側)の不感帯を表し、D
z_rはディスク内周側(以降REV側)の不感帯を表
す。次いでレンズシフト量検出手段9aによりレンズシ
フト量Meを検出し(ST43)、Meの絶対値がDz
_fの絶対値とDz_rの絶対値のいずれの値よりも小
さければ(ST44)、密アクチュエータ1bの移動に
よってトラックへの追従を行い(ST45)、Meの絶
対値がどちらか一方の値以上になると、光軸補正送りが
発生する(ST46)。
【0062】光軸補正送り中は、不感帯量を初期化した
後(ST47)、モータドライブ出力演算手段(本例で
はデジタルフィルタ9b)により,レンズシフト量Me
に対応したモータドライブ出力Mvが演算される(ST
48)。また送り方向検出手段41により、送り方向が
FWD向(外周方向)への送り動作か、REV側(内周
方向)への送り動作かを判定する(ST49)。送り方
向がFWD側であった場合、送り量が過剰となるのを防
止するため、REV側の制御部不感帯量Dz_rを以下
の式にしたがって初期値よりも広くする(ST50
A)。 Dz_r = D0 × Kd ここでKdは1以上の定数で、密アクチュエータの可動
範囲とトラバースサーボ系の必要制御精度によって定ま
る値で設計段階で一定値に決定する。また、送りがRE
V側であった場合、送り量が過剰となるのを防止するた
め、FWD側の制御部不感帯量Dz_fを以下の式にし
たがって初期値よりも広くする(ST50B)。 Dz_f = D0 × Kd
【0063】続いて、トラバースサーボフィルタ9の出
力ゲインを1にすることによって、トラバースモータ2
に駆動電圧が供給される(ST50C)。トラバースモ
ータ2が発生する駆動トルクが摩擦負荷よりも小さい間
はキャリッジ1cは動かず、レンズシフトのみがトラッ
クに追従して動くため、レンズシフト量が増加する。レ
ンズシフト量が増加している間はモータ電圧も上昇し続
け、また同時に制御部不感帯量も大きくなる。摩擦負荷
とモータ駆動トルクが合致した時、キャリッジが動く
(ST50D)。キャリッジが動いたことによりレンズ
シフト量がしきい値以下になった時、光軸補正送り動作
を終了する。このようにして、常に送られる側の不感帯
量が大きくなるように設定するため、送り過ぎによる反
転動作が起きず、ハンチングが発生しない。
【0064】以上のように、上記第4の実施の形態によ
れば、機構部の摩擦負荷の個体ばらつきや局所的なばら
つきを、制御部の不感帯量を摩擦負荷に適応した値に設
定することで吸収し、動作性能の劣化を防止できるとい
う効果を有する。
【0065】
【発明の効果】本発明は、上記実施の形態から明らかな
ように、モータ電圧値をモニタし、電圧値に対応した制
御部不感帯量を設定する手段を設けたので、送り量が過
剰となることで発生するハンチング現象を防止して、安
定した送り動作を実現することができる。
【0066】本発明はまた、周囲温度を測定する手段
と、周囲温度に対応した制御部不感帯量を設定する手段
を設けたので、送り量が過剰となることで発生するハン
チング現象を防止して、安定した送り動作を実現するこ
とができる。
【0067】本発明はまた、光学ピックアップ送り動作
が発生した際の送り量をモニタする手段と、前記送り量
に対応した制御部不感帯量を設定する手段を設けたの
で、送り量が過剰となることで発生するハンチング現象
を防止して、安定した送り動作を実現することができ
る。
【0068】本発明はまた、送り方向を常時モニタし、
送られる方向には常に大きな制御部不感帯を設定する手
段を設けたので、送り量が過剰となることで発生するハ
ンチング現象を防止して、安定した送り動作を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における光学ピック
アップ送り装置のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における光軸補正送
り動作のフロー図
【図3】本発明の第2の実施の形態における光学ピック
アップ送り装置のブロック図
【図4】本発明の第2の実施の形態における光軸補正送
り動作のフロー図
【図5】本発明の第3の実施の形態における光学ピック
アップ送り装置のブロック図
【図6】本発明の第3の実施の形態における光軸補正送
り動作のフロー図
【図7】本発明の第4の実施の形態における光学ピック
アップ送り装置のブロック図
【図8】本発明の第4の実施の形態における光軸補正送
り動作のフロー図
【図9】従来例における光学ピックアップ送り装置のブ
ロック図
【図10】従来例における光軸補正送り動作のフロー図
【符号の説明】
1 光学ピックアップ 1a レンズ 1b 密アクチュエータ 1c キャリッジ 2 トラバースモータ 3 動力伝達機構 4 スピンドルモータ 5 スピンドルモータドライバ 6 トラッキングエラー(TE)信号検出手段 7 コントローラ 8 トラッキングサーボフィルタ 9 トラバースサーボフィルタ 9a レンズシフト量検出手段 9b デジタルフィルタ 10 不感帯設定手段 11 不感帯量算出手段 21 温度センサ 22 温度補正係数算出手段 31 キャリッジ送り量検出手段 32 負荷補正係数算出手段 41 送り方向検出手段 A ディスク

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対して情報の記録または再生
    を行うことが可能なように、光学ピックアップと記録媒
    体の相対位置を制御しながらディスク半径方向に光学ピ
    ックアップを移動させるトラバース機構を有する光ディ
    スク装置において、レンズシフト量を検出し、レンズシ
    フト量が所定のしきい値を越えた時点から駆動電圧をト
    ラバースモータに印加する手段を備え、前記駆動電圧の
    しきい値をモータへの駆動電圧に対応した値に設定し
    て、送り動作を制御することを特徴とする光学ピックア
    ップ送り装置。
  2. 【請求項2】 記録媒体に対して情報の記録または再生
    を行うことが可能なように、光学ピックアップと記録媒
    体の相対位置を制御しながらディスク半径方向に光学ピ
    ックアップを移動させるトラバース機構を有する光ディ
    スク装置において、レンズシフト量を検出し、レンズシ
    フト量が所定のしきい値を越えた時点から駆動電圧をト
    ラバースモータに印加する手段と、周囲の環境温度を測
    定する手段とを備え、前記駆動電圧のしきい値を周囲の
    環境温度に対応した値に設定して、送り動作を制御する
    ことを特徴とする光学ピックアップ送り装置。
  3. 【請求項3】 記録媒体に対して情報の記録または再生
    を行うことが可能なように、光学ピックアップと記録媒
    体の相対位置を制御しながらディスク半径方向に光学ピ
    ックアップを移動させるトラバース機構を有する光ディ
    スク装置において、レンズシフト量を検出し、レンズシ
    フト量が所定のしきい値を越えた時点から駆動電圧をト
    ラバースモータに印加する手段と、前記トラバースモー
    タにより送り動作を行った時の光学ピックアップの送り
    量を検出する手段とを備え、前記駆動電圧のしきい値を
    前記送り量に対応した値に設定して、送り動作を制御す
    ることを特徴とする光学ピックアップ送り装置。
  4. 【請求項4】 記録媒体に対して情報の記録または再生
    を行うことが可能なように、光学ピックアップと記録媒
    体の相対位置を制御しながらディスク半径方向に光学ピ
    ックアップを移動させるトラバース機構を有する光ディ
    スク装置において、レンズシフト量を検出し、レンズシ
    フト量が所定のしきい値を越えた時点から駆動電圧をト
    ラバースモータに印加する手段と、前記トラバースモー
    タにより光学ピックアップを送ろうとしている方向を検
    出する手段とを備え、前記駆動電圧のしきい値を前記送
    ろうとしている方向ガ常に所定値より大きな値となるよ
    うに設定して、送り動作を制御することを特徴とする光
    学ピックアップ送り装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境温
    度とモータへの駆動電圧に対応した値に設定され、送り
    動作を制御することを特徴とする請求項1または2記載
    の光学ピックアップ送り装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動電圧のしきい値が、モータへの
    駆動電圧と、送り動作を行った際の光学ピックアップの
    送り量に対応した値に設定され、送り動作を制御するこ
    とを特徴とする請求項1または3記載の光学ピックアッ
    プ送り装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動電圧のしきい値が、モータへの
    駆動電圧に対応した値に設定され、かつ光学ピックアッ
    プを送ろうとする方向のしきい値が常に所定値より大き
    くなるように設定して送り動作を制御することを特徴と
    する請求項1または4記載の光学ピックアップ送り装
    置。
  8. 【請求項8】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境温
    度と、送り動作を行った際の光学ピックアップの送り量
    に対応した値に設定され、送り動作を制御することを特
    徴とする請求項2または3記載の光学ピックアップ送り
    装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境温
    度に対応した値に設定され、かつ光学ピックアップを送
    ろうとする方向のしきい値が常に所定値より大きくなる
    ように設定して、送り動作を制御することを特徴とする
    請求項2または4記載の光学ピックアップ送り装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動電圧のしきい値が、送り動作
    を行った際の光学ピックアップの送り量に対応した値に
    設定され、かつ光学ピックアップを送ろうとする方向の
    しきい値が常に所定値より大きくなるように設定して、
    送り動作を制御することを特徴とする請求項3または4
    記載の光学ピックアップ送り装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境
    温度とモータへの駆動電圧に対応した値に設定され、か
    つ送り動作を行った際の光学ピックアップの送り量に対
    応した値に設定され、送り動作を制御することを特徴と
    する請求項1または2または3記載の光学ピックアップ
    送り装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境
    温度とモータへの駆動電圧に対応した値に設定され、か
    つ光学ピックアップを送ろうとする方向のしきい値が常
    に所定値より大きくなるように設定して、送り動作を制
    御することを特徴とする請求項1または2または4記載
    の光学ピックアップ送り装置。
  13. 【請求項13】 前記駆動電圧のしきい値が、モータへ
    の駆動電圧と、送り動作を行った際の光学ピックアップ
    の送り量に対応した値に設定され、かつ光学ピックアッ
    プを送ろうとする方向のしきい値が常に所定値より大き
    くなるように設定して、送り動作を制御することを特徴
    とする請求項1または3または4記載の光学ピックアッ
    プ送り装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境
    温度と、送り動作を行った際の光学ピックアップの送り
    量に対応した値に設定され、かつ光学ピックアップを送
    ろうとする方向のしきい値が常に所定値より大きくなる
    ように設定して、送り動作を制御することを特徴とする
    請求項2または3または4記載の光学ピックアップ送り
    装置。
  15. 【請求項15】 前記駆動電圧のしきい値が、周囲環境
    温度とモータへの駆動電圧に対応した値に設定され、か
    つ送り動作を行った際の光学ピックアップの送り量に対
    応した値に設定され、かつ光学ピックアップを送ろうと
    する方向のしきい値が常に所定値より大きくなるように
    設定して、送り動作を制御することを特徴とする請求項
    1または2または3または4記載の光学ピックアップ送
    り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015049921A (ja) * 2013-09-04 2015-03-16 三菱電機株式会社 光ディスク装置

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