JPH11231788A - 画像消去装置 - Google Patents

画像消去装置

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JPH11231788A
JPH11231788A JP10035255A JP3525598A JPH11231788A JP H11231788 A JPH11231788 A JP H11231788A JP 10035255 A JP10035255 A JP 10035255A JP 3525598 A JP3525598 A JP 3525598A JP H11231788 A JPH11231788 A JP H11231788A
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Japan
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recording medium
temperature
image erasing
shape memory
heating
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JP10035255A
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English (en)
Inventor
Takeyoshi Iwayama
剛美 岩山
Minoru Suzuki
実 鈴木
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 画像を消去するために画像消去装置の温度が
所定の敷居値を超えて高温となった時に、視覚的に警告
することができる画像消去装置を提供する。 【解決手段】 ヒートシンク2上面2aには、耐熱性赤
色インクによって警告表示マーク8が印刷されている。
このヒートシンク2上面2aに重なって、可逆性感熱記
録媒体Mを挿通し得るだけの隙間を開けて形状記憶樹脂
板7が取り付けられている。この形状記憶樹脂板7に
は、所定温度未満では赤色に発色するとともに当該所定
温度以上では無色透明になる示温材料が練り込まれてい
る。従って、室温においては、形状記憶樹脂板7の赤色
が警告表示マーク8に対する保護色となるので、この警
告表示マーク8の外部からの視認が不可能となる。可逆
性記録媒体Mが挿入された状態においてヒータ3が発熱
すると、形状記憶樹脂板7が無色透明になるので、警告
表示マーク8の外部からの視認が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性感熱記録媒
体に記録された画像を一括消去する画像消去装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、第1の臨界温度にまで加熱される
と白濁するとともに、室温に戻された後で第1の臨界温
度より低い第2の臨界温度にまで加熱されると透明に戻
る可逆性感熱記録媒体が、例えば、特開昭63−411
86号や特開平2−188293号等に開示されてい
る。このような可逆性感熱記録媒体に対しては、熱レー
ザ等を用いて選択的に第1の臨界温度にまで加熱するこ
とによって、文字やその他の画像(以下、単に「画像」
という)の記録が可能であるとともに、加熱装置によっ
てその全体を第2の臨界温度にまで加熱することによっ
て画像の消去が可能である。
【0003】このような可逆性感熱記録媒体は、記録層
である有機低分子層を挟む支持体層及び保護層が共に透
明フィルムから構成されている場合には、プレゼンテー
ション用OHPフィルムとして用いるのに、特に適して
いる。
【0004】ところで、上述した加熱装置を備えた画像
消去装置の一方式として、可逆性感熱記録媒体を筐体内
に収納した状態でその筐体内部に温風を送り込むことに
よって、可逆性感熱記録媒体全域に記録されている画像
を一括消去するタイプのものが、従来より種々提案され
ている。例えば、特開平8−183190号では、上面
が蓋体として開閉自在な収納筐体の内部空間に可逆性感
熱記録媒体を収容するとともに、この収納筐体の内部に
温風供給部から温風を導入することによって、収納筐体
内部に収容された可逆性感熱記録媒体に記録された画像
を消去する画像消去装置が、開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されていた画像消去装置には、それ自体が高熱になる
ものであるにも拘わらず、ある敷居値温度を超えて高温
になったために手を触れると火傷を負う虞がある事を操
作者に警告するための構成が、備えられていなかった。
そのため、操作者が不用意に加熱中の画像消去装置に触
れてしまって火傷を負ってしまう事故が、生じ得た。
【0006】そこで、本発明は、画像を消去するために
画像消去装置の温度が所定の敷居値を超えて高温となっ
た時に、操作者に対してその旨を視覚的に警告すること
ができる画像消去装置の提供を、課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下の構成を採用した。即ち、請求項1
記載の発明は、加熱によって透明となる可逆性感熱記録
媒体を加熱することによってこの可逆性感熱記録媒体に
記録されていた画像を消去するための画像消去装置であ
って、前記可逆性感熱記録媒体を収容可能な筐体と、こ
の筐体に収容された前記可逆感熱記録媒体を加熱可能な
加熱手段と、所定温度未満の温度環境下において所定色
に発色するとともに前記所定温度以上の温度環境下にお
いて無色透明となる示温材料が混入された透明材料から
なり、前記筐体の外装をなしている外壁板と、この外壁
板の内面側に配置された前記所定色の警告表示とを、備
えたことを特徴とする。
【0008】このように構成されると、加熱手段が未加
熱の状態,及び、加熱中であるために外壁板の温度が未
だ所定の温度に達していない状態においては、外壁板中
に含まれる示温材料は所定色に発色しているので、この
外壁板の色が警告表示の色に対する保護色となるので、
外壁板の外側からの警告表示の視認は不可能になる。従
って、この状態においては、操作者は、外壁板を手で触
れても安全であることを認識できる。これに対して、加
熱手段の加熱によって暖められた外壁板の温度が所定の
温度に達すると、外壁板中に含まれる示温材料の発色が
阻止されて無色透明になるので、外壁板全体が無色透明
になる。よって、この外壁板の外側からこの外壁板を透
かして警告表示の視認が可能となる。従って、操作者
は、外壁板の温度が所定温度以上となっているためにこ
れに手を触れると火傷する危険があることを、視覚的に
認識することができる。
【0009】警告表示は、外壁板の内面に直接印刷され
ていても良いし、外壁板の内面に張り付けられた紙等の
シート上に印刷されていても良い。また、外壁板との間
に可逆性感熱記録媒体が挿通される隙間を挟んで、可逆
性感熱記録媒体を保持するパネルが配置される場合に
は、このパネルの外壁板側の面上に警告表示が印刷され
ても良い。なお、このパネルは、加熱手段をなすヒート
パネルであっても良い。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1の加熱部
材が、前記可逆性記録媒体と面接触可能な板状のヒート
シンクとこのヒートシンクを加熱するヒータとから構成
されており、前記警告表示が、前記ヒートシンクにおけ
る前記可逆性記録媒体と面接触する面上に形成されてお
り、前記外壁板が、前記可逆性加熱記録媒体を挿通する
隙間を介して前記加熱部材に対向して配置されているこ
とで、特定したものである。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2の警告表
示が、前記ヒートシンクにおける前記可逆性記録媒体と
面接触する面の全域に亘って形成されていることで、特
定したものである。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1の外壁板
を構成する透明材料が形状記憶樹脂であることで、特定
したものである。請求項5記載の発明は、請求項1の示
温材料が感温染料マイクロカプセルパウダーであること
で、特定したものである。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項5の感温染
料マイクロカプセルパウダーをなす各マイクロカプセル
が、電子受容性化合物類,この電子受容性化合物類と反
応して発色する無色染料である電子供与性呈色性色素
類,及び、前記所定温度以上の温度環境下において前記
電子受容性化合物類と前記電子供与性呈色性色素類との
反応を阻止する減感剤を収容していることで、特定した
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。
【0015】
【実施形態1】図1は、本発明の第1の実施の形態によ
る画像消去装置の斜視図であり、図2は、図1のII-II
線に沿った縦断面図であり、図3は、図1及び図2のII
I-III線に沿った縦断面図であり、図4は画像消去装置
の分解図である。これら各図から明らかなように、本実
施形態による画像消去装置Wは、上面が開放した箱形の
筐体本体1を有している。この筐体本体1の内部空間を
囲繞する平面矩形の側壁の上面1aは、その内縁側が外
縁側よりも深さαだけ低くなるように、掘り下げられて
いる。このような掘り下げによって側壁上面1aの内縁
に沿って形成された凹部には、平面矩形のアルミニウム
板からなるヒートシンク2の外縁が、はめ込まれてい
る。なお、筐体本体1の側壁上面1aにおける内縁側と
外縁側との段差αは、ヒートシンク2の厚さβよりも大
きいので、ヒートシンク2の外表面2aは、側壁上面1
a(の外縁側)よりも若干低くなっている。ただし、筐
体本体1の短軸に沿った側壁のうちの一方においては、
その側壁上面1a(の外縁側)が、ヒートシンク2の外
表面2aと面一になる様に削り取られている。この削り
取られた部分は、ヒートシンク2と同じ幅を有してお
り、以下、「挿入口1b」と称される。
【0016】ヒートシンク2は、筐体本体1の内部空間
を閉じることにより、熱対流用空間Sを形成する。ま
た、このヒートシンク2の外表面2aの中央には、図4
に示されるように、耐熱性の赤色インクを用いて、手で
触れることを禁止する旨の警告表示マーク8が印刷され
ている。
【0017】一方、ヒートシンク2の裏面2b上には、
制御装置5によって電流が供給されるヒータ3が、均一
ピッチでジグザグに屈曲された状態で、その全面にわた
って敷設されている。このヒータ3は、発熱体素線がシ
リコン又はテフロンチューブで被覆されたコードであ
り、制御装置5からの電流供給を受けて発熱することに
よって、ヒートシンク2を介して可逆性感熱記録媒体M
を加熱する加熱手段として機能する。なお、このヒータ
3の一部には、サーミスタ4が接続されている。このサ
ーミスタ4は、ヒータ3の温度が一定温度(第2の臨界
温度=75°C)を超えたときにヒータ3への電流を阻
止することによって、ヒータ3の温度を75°C近傍に
保つ。
【0018】なお、筐体本体1の側壁の一部には、ファ
ン6が取り付けられている。このファン6は、熱対流空
間S内の空気を攪拌することによって、この熱対流空間
S内の温度を一定に保ち、ヒートシンク2の温度をその
全域に亘って均一にするためのものである。
【0019】筐体本体1の側壁上面1aには、筐体本体
1と同じ寸法の矩形な平面形状を有する透明な形状記憶
樹脂板7が、その側面と筐体本体1の側面とが面一とな
る様に揃えられた状態で、筐体の外装をなす外壁板とし
て、固定されている。この形状記憶樹脂板7は、例え
ば、三菱重工業株式会社製ポリウレタン系形状記憶ポリ
マー「ダイアリー(商品名)」から形成されており、室
温環境下においては、図1乃至図4に示すように、挿入
口1bに臨む短辺を短軸とする半楕円形状領域7aのみ
が楕円面状に盛り上がった平板形状を呈し、ガラス転移
温度(組成を調整することによって50°Cに設定され
る)近傍の環境下においては、ゴム状の弾性体の形態を
呈する。また、この形状記憶樹脂板7は、室温環境下に
おいては赤色透明であるが、50°C以上に加熱された
時には無色透明になる。
【0020】このような形態の形状記憶樹脂板7を得る
には、予め、それ自体は透明材料であるポリウレタン系
形状記憶ポリマーを熱可塑処理して溶解させた状態で、
示温材料を練り込む。この示温材料としては、(株)日
本カプセルプロダクツ製の感温染料マイクロカプセルパ
ウダーを用いることができる。この感温染料マイクロカ
プセルパウダーは、電子受容性化合物(顕色材)類,こ
の電子受容性化合物類と反応して発色する無色染料であ
る電子供与性呈色性色素類,及び、電子受容性化合物類
と電子供与性呈色性色素類との反応を50°C以上の温
度環境下で阻害する性質を有する減感剤の混合物からな
る示温材料を、透明で内部性分を浸透させず且つ外部か
らの有害物の浸透をも防ぐ材料でマイクロカプセル化し
たものである。より具体的には、電子受容性化合物類と
しては、フェノール性水酸基を有する化合物(例えば、
ビスフェノールA)もしくはその金属塩,カルボン酸金
属塩,又は酸性酸エステル(例えば、没食子酸プロピル
エステル)もしくはその金属塩等が、用いられている。
また、電子供与性呈色性色素類としては、形状記憶樹脂
板7の色を室温にて赤色とするために、ローダミンBラ
クタムが、用いられる。また、減感剤としては、アルコ
ール,脂肪酸等が、用いられる。
【0021】次に、以上のようにして示温材料を練り込
んだポリウレタン系形状記憶ポリマーをシート状に整形
した上で、筐体本体1の平面外寸に合わせて裁断する。
そして、このポリウレタン系形状記憶ポリマーのシート
に対して、その平面性を維持したままガラス転移温度以
上にまで加熱することによって、図5(a)に示すよう
に、ほぼ平坦な平板状形状を記憶させる。次に、当該ポ
リウレタン系形状記憶ポリマーのシートをガラス転移温
度未満の温度にまで冷却する。その後で、当該ポリウレ
タン系形状記憶ポリマーのシートにおける一方の短辺に
沿った半楕円形状領域7aに対して外力を加えることに
よって強い応力を生じさせ、図5(b)に示すような楕
円面状に盛り上がった形状となる様に塑性変形させる。
【0022】このような製造工程を経て得られた形状記
憶樹脂板7は、ガラス転移点未満の温度環境下において
は、図6(a)の斜視図及び図7(a)の断面図に示さ
れるように、塑性変形によって得られた半楕円形状領域
7aが楕円面状に盛り上がった形状を維持する。この時
点における形状記憶樹脂板7の表面状態は、摩擦係数が
低い状態となっている。これに対して、形状記憶樹脂板
7をガラス転移温度近傍にまで熱すると、形状記憶樹脂
板7全体がゴム状の弾性体状となり、その表面の摩擦係
数が増大する。それとともに、図6(b)及び図7
(b)に示されるように、製造工程途中で記憶された平
板状形状への復帰が始まり、半楕円形状領域7aの盛り
上がりが平坦化する。その後、形状記憶樹脂7をそのガ
ラス転移点未満にまで冷却すると、形状記憶樹脂板7全
体の弾性率が急激に高くなり、その表面の摩擦係数が低
くなる。それとともに、図6(c)及び図7(c)に示
されるように、半楕円形状領域7aの形状が、製造工程
途中での塑性変形によって形成された楕円面状に盛り上
がった形状へ、復元される。
【0023】また、この形状記憶樹脂板7は、50°C
未満の温度環境下においては、感温染料マイクロカプセ
ル内の電子供与性呈色性色素類が電子受容性化合物類と
反応して赤く発色するために赤色透明であるが、50°
C以上の温度環境下においては、感温染料マイクロカプ
セル内の電子供与性呈色性色素類と電子受容性化合物類
との反応が減感剤によって阻害されるので無色透明にな
る。
【0024】次に、以上のように構成された本実施形態
による画像消去装置Wの機能を説明する。この画像消去
装置Wの処理対象となる可逆性感熱記録媒体Mは、上述
したように、第1の臨界温度にまで加熱されると白濁す
るとともに、室温に戻された後で第1の臨界温度より低
い第2の臨界温度にまで加熱されると透明に戻るシート
状形態を有している。そして、この可逆性感熱記録媒体
Mは、画像消去装置Wの挿入口1bの幅よりも若干短い
短辺を有する矩形状に裁断され、例えばOHPフィルム
として用いられる。
【0025】この可逆性感熱記録媒体Mには、レーザ走
査装置を備えた図示せぬ書込装置によって画像が書き込
まれ、OHP等の用途に用いられた後に、本実施形態の
画像消去装置Wによる消去処理対象となる。
【0026】画像消去装置Wの操作者は、消去処理対象
の可逆性感熱記録媒体Mを、挿入口1bを通じて、画像
消去装置W内におけるヒートシンク2と形状記憶樹脂板
7との間の間隙に挿し入れる。この時点では、制御装置
5は未だ起動していないので、ヒータ3は発熱しておら
ず、ヒートシンク2及び形状記憶樹脂板7の温度は室温
のままである。この状態では、形状記憶樹脂板7の色は
赤色透明であるので、ヒートシンク2の外表面に赤色イ
ンクにて印刷された警告表示マーク8に対する保護色に
なるので、外部からはこの警告表示マーク8が視認でき
なくなる。そのため、操作者は、画像消去装置Wの温度
が低温であるために手で触れても火傷しない事を、認識
できる。また、この状態では、形状記憶樹脂板7の弾性
率は高く、その表面の摩擦係数は低くなっている。しか
も、挿入口1bに臨む半楕円形状領域7aの内面は、ヒ
ートシンク2からドーム状にせり上がっている。従っ
て、ヒートシンク2と形状記憶樹脂板7との間隙に挿し
込まれる可逆性感熱記録媒体Mに対する摩擦抵抗が小さ
くなるので、操作者は、容易に、可逆性感熱記録媒体M
全体を挿入口1b内に押し込むことができる。
【0027】このようにして可逆性感熱記録媒体Mを画
像消去装置W内にセットした後に、操作者は制御装置5
を起動する。すると、制御装置5は、ヒータ3の温度が
75°Cを十分超えるのに必要な電流をこのヒータ3に
供給し始める。この制御装置5によってヒータ3に供給
される電流は、ヒータ3の温度が75°Cを越えるとサ
ーミスタ4によって遮断されるので、ヒータ3の温度は
75°C近傍に保たれる。このようにしてヒータ3が発
熱すると、発生した熱はヒートシンク2に直接伝導する
とともに、熱対流空間S内の空気を暖めるのに消費され
る。このように暖められた熱対流空間S内の空気は、フ
ァン6によって攪拌され、これにより、ヒートシンク2
がその全面にわたって均等に暖められる。
【0028】このようにしてヒートシンク2の温度が上
昇すると、これに接触している可逆性感熱記録媒体M及
び形状記憶樹脂板7の温度も上昇する。そして、形状記
憶樹脂板7の温度が50°Cを超えると、形状記憶樹脂
板7の色が無色透明となるので、この形状記憶樹脂板7
を透過してヒートシンク2の上面2aの警告表示マーク
8が外部から視認可能となる。そのため、操作者は、画
像消去装置Wの温度が高温であるために手で触れると火
傷する虞がある事を、認識できる。
【0029】さらに可逆性感熱記録媒体M及び形状記憶
樹脂板7の温度が上昇し、可逆性感熱記録媒体Mの温度
が第2の臨界温度である75°Cにまで達すると、可逆
性感熱記録媒体M全体が透明となり、そこに記録されて
いた画像が消去される。
【0030】また、形状記憶樹脂板7の温度がガラス転
移点である50°Cにまで達すると、形状記憶樹脂板7
の弾性率が低くなってゴム状となり、その表面の摩擦係
数が高くなる。しかも、それまで挿入口1bを大きく開
けていた半楕円形状領域7aの楕円面状の盛り上がり
は、この形状記憶樹脂板7に記憶されていた平板形状へ
復元するので、挿入口1bをスリット状に閉じてしまう
とともに、その内面全域にて可逆性感熱記録媒体Mの表
面に面接触する。従って、可逆性感熱記録媒体Mに対す
る形状記憶樹脂板7の摩擦抵抗が大きくなるので、この
可逆性感熱記録媒体Mは形状記憶樹脂板7に密着するよ
うになる。しかも、上述のように挿入口1bがスリット
状に閉じてしまうので、操作者は、この可逆性感熱記録
媒体Mを摘むことすらできない。その結果、画像消去装
置Wから可逆性感熱記録媒体Mを抜き出す事が、不可能
となるのである。
【0031】制御装置5は、タイマによってヒータ15
への電流供給時間を管理し、画像を完全に消去するのに
必要な熱量を可逆性感熱媒体Mに供給するために十分な
ものとして予め設定されている時間だけ、ヒータ15へ
の電流供給を持続する。従って、その間中、可逆性感熱
記録媒体Mの画像消去装置Wからの抜き出しが不可能と
なる。そして、可逆性感熱記録媒体Mから画像を完全に
消去するために必要十分な時間が経過すると、制御装置
5は、ヒータ15への電流供給を停止する。
【0032】ヒータ15への電流供給が停止されてから
或る程度の時間が経過すると、画像消去装置W全体が放
熱して、その温度が室温にまで低下する。すると、形状
記憶樹脂板7の温度もガラス転移点未満となるので、形
状記憶樹脂板7の弾性率が高くなり、その表面の摩擦係
数が低くなる。しかも、半楕円形状領域7aの内面がド
ーム状にせり上がることによって、可逆性感熱記録媒体
Mから離間するとともに、挿入口1bを大きく開くこと
となる。この温度低下の過程で、形状記憶樹脂板7の温
度が50°C未満になると、形状記憶樹脂板7の色が赤
色透明に戻るので、ヒートシンク2の上面2aに赤色イ
ンクで印刷された警告表示マーク8が視認できなくな
る。
【0033】従って、操作者は、画像消去装置Wに手を
触れても火傷する虞がない事を認識することができ、上
述した様に大きく開いている挿入口1bから可逆性感熱
記録媒体Mの端を摘んで、この可逆性感熱記録媒体Mを
画像消去装置Wから軽く引き抜くことが可能になる。
【0034】このようにして引き抜かれた可逆性感熱記
録媒体Mは、既に必要十分な量の熱が確実に供給されて
いるので、記録されていた画像が完全に消去されて、そ
の全面にわたって透明な状態に復元している。
【0035】以上説明したように、本実施形態の画像消
去装置Wによれば、可逆性感熱記録媒体Mに記録されて
いた画像を消去するのに必要な熱をこの可逆性感熱記録
媒体Mに供給するために制御装置5の管理下で可逆性感
熱記録媒体Mに対する加熱がなされている間は、形状記
憶樹脂板7の機能によって、この可逆性感熱記録媒体M
の画像消去装置Wからの引き抜きが禁止される。従っ
て、可逆性感熱記録媒体Mへの加熱が終了して、この可
逆性加熱記録媒体Mの画像消去装置Wからの引き抜きが
可能になった時点では、この可逆性加熱記録媒体Mに記
録された画像が完全に消去されて透明になっていること
が保証されるのである。
【0036】しかも、可逆性加熱記録媒体Mへの加熱の
ために画像消去装置W全体が熱くなっている間において
は、形状記憶樹脂板7が無色透明になるので、ヒートシ
ンク2の外表面に印刷された警告表示マーク8の視認が
可能となる。従って、操作者が誤って画像消去装置Wに
手を触れて火傷を負うことが防止される。
【0037】なお、警告表示マーク8及び室温での形状
記憶樹脂板7の色は、赤色に限られるものではない。例
えば、警告表示マーク8を青色インクで印刷した場合に
は、形状記憶樹脂板7内に練り込まれる感温染料マイク
ロカプセル中の電子供与性呈色性色素類としてクリスタ
ルバイオレットラクトンを用いることによって、室温で
の形状記憶樹脂板7の色を青色とすれば良い。また、警
告表示マーク8を緑色インクで印刷した場合には、電子
供与性呈色性色素類としてマカライトグリーンラクトン
を用いることによって、室温での形状記憶樹脂板7の色
を緑色とすれば良い。また、警告表示マーク8を黄色イ
ンクで印刷した場合には、電子供与性呈色性色素類とし
て3,6−ジメトキシフルオランを用いることによっ
て、室温での形状記憶樹脂板7の色を黄色とすれば良
い。また、警告表示マーク8を橙色インクで印刷した場
合には、電子供与性呈色性色素類として3−シクロヘキ
シルアミノ−6−クロロフルオランを用いることによっ
て、室温での形状記憶樹脂板7の色を橙色とすれば良
い。また、警告表示マーク8を桃色インクで印刷した場
合には、電子供与性呈色性色素類としてジエチルアミノ
ベンゾフロオランを用いることによって、室温での形状
記憶樹脂板7の色を桃色とすれば良い。警告表示マーク
8を黒色インクで印刷した場合には、電子供与性呈色性
色素類として8−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオランを用いることによって、室温での形状
記憶樹脂板7の色を黒色とすれば良い。
【0038】
【実施形態2】図9は、本発明の第2の実施形態による
画像消去装置Wの加熱時における平面図である。この図
9に示されるように、本第2実施形態においては、多数
の警告表示マーク18が、ヒートシンク2の上面2aの
全域に亘って均等なピッチで分散された状態で、印刷さ
れている。
【0039】このような構成のため、本第2実施形態に
よると、形状記憶樹脂板7の一部,例えば形状記憶樹脂
板7の端のみが部分的に高温(50°C以上)である場
合であっても、確実に、この高温となった部分を表示す
ることができる。
【0040】本第2実施形態におけるその他の構成及び
作用は、上述した第1実施形態のものと同一であるの
で、その説明を省略する。
【0041】
【発明の効果】以上のように構成された本発明による画
像消去装置によれば、画像を消去するために画像消去装
置の温度が所定の敷居値を超えて高温となった時には、
外壁板の色が透明になって警告表示が外部から視認可能
になるので、操作者に対して高温となった旨を視覚的に
警告することができる。その結果、操作者が不用意に加
熱中の画像消去装置に触れてしまって火傷を負ってしま
う事故が、防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による画像消去装置の
斜視図
【図2】 図1のII−II線に沿った縦断面図
【図3】 図1及び図2のIII−III線に沿った縦断面図
【図4】 図1の画像消去装置の分解図
【図5】 形状記憶樹脂板の製造工程の説明図
【図6】 形状記憶樹脂板の機能を説明する斜視図
【図7】 形状記憶樹脂板の機能を説明する断面図
【図8】 加熱中における画像消去装置の平面図
【図9】 本発明の第2実施形態による画像消去装置の
加熱中における平面図
【符号の説明】
1 筐体本体 1b 挿入口 2 ヒートシンク 3 ヒータ 5 制御装置 7 形状記憶樹脂板 7a 半楕円形状領域 8 警告表示 M 可逆性感熱記録媒体 W 画像消去装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/26 102

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱によって透明となる可逆性感熱記録媒
    体を加熱することによって、この可逆性感熱記録媒体に
    記録されていた画像を消去するための画像消去装置であ
    って、 前記可逆性感熱記録媒体を収容可能な筐体と、 この筐体に収容された前記可逆感熱記録媒体を加熱可能
    な加熱手段と、 所定温度未満の温度環境下において所定色に発色すると
    ともに前記所定温度以上の温度環境下において無色透明
    となる示温材料が混入された透明材料からなり、前記筐
    体の外装をなしている外壁板と、 この外壁板の内面側に配置された前記所定色の警告表示
    とを備えたことを特徴とする画像消去装置。
  2. 【請求項2】前記加熱手段は、前記可逆性記録媒体と面
    接触可能な板状のヒートシンクとこのヒートシンクを加
    熱するヒータとから構成されており、 前記警告表示は、前記ヒートシンクにおける前記可逆性
    記録媒体と面接触する面上に形成されており、 前記外壁板は、前記可逆性加熱記録媒体を挿通する隙間
    を介して前記加熱部材に対向して配置されていることを
    特徴とする請求項1記載の画像消去装置。
  3. 【請求項3】前記警告表示は、前記ヒートシンクにおけ
    る前記可逆性記録媒体と面接触する面の全域に亘って形
    成されていることを特徴とする請求項2記載の画像消去
    装置。
  4. 【請求項4】前記外壁板を構成する透明材料は形状記憶
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の画像消去装
    置。
  5. 【請求項5】前記示温材料は感温染料マイクロカプセル
    パウダーであることを特徴とする請求項1記載の画像消
    去装置。
  6. 【請求項6】前記感温染料マイクロカプセルパウダーを
    なす各マイクロカプセルは、電子受容性化合物類,この
    電子受容性化合物類と反応して発色する無色染料である
    電子供与性呈色性色素類,及び、前記所定温度以上の温
    度環境下において前記電子受容性化合物類と前記電子供
    与性呈色性色素類との反応を阻止する減感剤を、収容し
    ていることを特徴とする請求項5記載の画像消去装置。
JP10035255A 1998-02-17 1998-02-17 画像消去装置 Pending JPH11231788A (ja)

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Cited By (3)

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