JPH1123172A - 潜熱蓄熱カプセル - Google Patents

潜熱蓄熱カプセル

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JPH1123172A
JPH1123172A JP9174534A JP17453497A JPH1123172A JP H1123172 A JPH1123172 A JP H1123172A JP 9174534 A JP9174534 A JP 9174534A JP 17453497 A JP17453497 A JP 17453497A JP H1123172 A JPH1123172 A JP H1123172A
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JP
Japan
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metal
heat storage
latent heat
pcm
storage material
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JP9174534A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Akiyama
友宏 秋山
Junichiro Yagi
順一郎 八木
Yasushi Watanabe
泰志 渡辺
Shuichi Miura
修市 三浦
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KEDEIKA KK
Original Assignee
KEDEIKA KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導がよく、耐熱強度に優れ、また肉厚が
制御できる金属被膜で被成された潜熱蓄熱カプセルを提
供する。 【解決手段】 電解めっき法によって金属製被膜を被覆
した潜熱蓄熱カプセルを製造し提供する。さらに、金属
製被膜を第一層、第二層または第三層の多層被膜で構成
した潜熱蓄熱カプセルを製造し提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潜熱蓄熱材(PCM,
phase change material)を封入した金属製の潜熱蓄熱
カプセルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】潜熱蓄熱型の充填層プロセスは、高密度
に熱貯蔵でき、一定温度のクリーンなエネルギーが得ら
れるので、太陽エネルギーや工業廃熱を対象として提案
され、現在一部実用化に至っている。そこでは潜熱蓄熱
材(PCM )を多数の球状カプセル内に封入して充填層を
形成させ、流体を流通させることにより蓄熱、放熱操作
を行う方法が広く採用されている。球状カプセルとして
は、特開平2−298759号公報に「高密度ポリエチレン等
の薄肉プラスチック製の約70mm直径の球状カプセル」が
記載されているように、現在、低温に融点を持つPCM 用
としてプラスチック製のカプセルが市販されている。
【0003】なお、低温用潜熱蓄熱材としては、低温度
(100 ℃以下)で潜熱量が大きい炭化水素類・無機水和
塩類があり、環境と省エネルギーのためのエネルギー新
技術大系(社団法人 日本伝熱学会編)802 頁表1に示
されるように、C14〜C16パラフィン、 CaCl2・6H2O、
NH4Al(SO4)2・12H2O などがあげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらプラスチ
ック製のカプセルは、低温用の潜熱蓄熱材のみに使用
されている、プラスチックは熱伝導率が小さい、手
造りで高価である、などの問題がある。発明者らは、中
高温に融点を持つPCM を対象として、ステンレス製カプ
セルについて基礎的に検討した。この基礎的検討では、
予め2つのステンレス製の中空半球を旋盤加工し、ねじ
により接合し中空球(外径40mm、肉厚2mm)を作成し
た。しかしこの方法では実用化にあたり、PCM の真空封
入方法が問題となり、また、結果としてカプセル製造お
よび封入に長時間を要し、大量生産には不適当であるこ
とがわかった。
【0005】そこで、潜熱蓄熱システムの一層の普及の
ために、中高温に融点を持つ潜熱蓄熱材を対象とする、
熱伝導率がよく、耐熱強度に優れ、また肉厚が制御でき
る金属製の潜熱蓄熱カプセル、およびその大量生産方法
が切望されている。なお、中高温用潜熱蓄熱材として
は、中高温度で潜熱量が大きい無機塩類があり、環境と
省エネルギーのためのエネルギー新技術大系(社団法人
日本伝熱学会編)802 頁表2に示されるように、尿
素、KF-LiF、NaF 、Pb、Be、Siなどがあげられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】ここで、発明者らは、め
っき技術を潜熱蓄熱材の金属製カプセル化に応用するこ
とに着想し、実用化の調査を行い、本発明をなすに至っ
た。本発明は、 一層、二層または三層の金属被膜を潜熱蓄熱材の表面
に被成したことを特徴とする潜熱蓄熱カプセルであり、 潜熱蓄熱材に電解めっき法によって金属被膜を被覆す
ることを特徴とする潜熱蓄熱カプセルの製造方法であ
り、 金属被膜の金属として、Ni、Co、Au、Ag、Sn、Cu、C
r、Pb、Zn、Rh、Ru、Pd、Ptおよびその合金のうちのい
ずれか1種類、2種類または3種類が使用されることを
特徴とする潜熱蓄熱カプセルである。
【0007】なお、第一層の金属被膜の金属として、潜
熱蓄熱材と焼結しないNi、Co、Au、Ag、Sn、Cu、Cr、P
b、Znのうちのいずれか1種類、第二層の金属被膜の金
属として融点の高いRh、Ru、Pd、Ptのうちのいずれか1
種類、第三層の金属被膜の金属として装飾性のあるAl、
Cu、Ti、Au、Ag、Niおよびその合金のうちのいずれか1
種類が使用されることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
(1) 最初に潜熱蓄熱材の電解めっきによる金属製カプセ
ル化の基本実験について説明する。PCM は市販されてい
る鉛(純度 99.9 %、融点 601K (328℃) 、融解熱 23k
J/kg (224MJ/m3) )を採用し、粒子径は0.5,1,3,3
〜5mmの4種類とした。粒子の形状はほぼ球形と見なす
ことができた。
【0009】採用した金属製カプセル化処理の手順は電
解めっき法に基づき以下のとおりである。 酸化被膜除去:100gのPCM を10mol %濃度の酢酸水溶
液200cc に投入し、室温下で約1分間ガラス棒で撹拌す
る。 水洗:PCM を1リットルビーカーに移し、水道水を分
速約1リットル流通した条件下で30秒程度ガラス棒で撹
拌し水洗いする。
【0010】ニッケル被膜:表1に示す溶液Aをめっ
き浴(800mm ×500mm ×450mm )として、PCM を図3に
示すめっき用バレル( 200φmm×400mm )に入れ、表2
に示す条件下で金属ニッケルをPCM 表面に析出させる。 水洗処理(手順と同じ) ロジウム被膜:耐酸化性の強化および焼結防止のため
に、さらに溶液B(表1参照)によってめっき処理し、
膜厚 0.5μmの金属ロジウムをニッケル被覆したPCM の
上に重ねて被覆する。
【0011】水洗処理(手順と同じ) 自然乾燥
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】次いで得られたPCM の実用化試験を行っ
た。すなわち、上記の手順で金属製カプセル化処理した
十数個のPCM 粒子をマッフル炉内で673K(400 ℃)まで
大気中で加熱し、1時間程度保持することにより蓄熱す
る。その後取り出し、凝固させることにより放熱させ、
金属製カプセル表面およびその形状を観察した。この操
作を数回繰り返した。
【0015】金属製カプセルの膜厚は通電時間を変化さ
せることにより制御できる。すなわち、ニッケルめっき
の場合、析出するニッケル量はファラディーの法則によ
り評価でき、PCM は球形なので次式が成立する。 (Ite/96500 )η=n・4πr2 ρNiθ …………(1) ここで、I :電流(A) e :重量(kg) η :効率 n :PCM の粒子数 r :PCM の半径(m) ρNi:Niの密度(kgm -3) θ :膜厚(m) である。
【0016】さらに、PCM の重量Wと粒子数nの間には
次の関係があるので、両式より粒子半径rおよび膜厚θ
を代入すると通電時間tを算出することができる。 n=3W/4πr3 ρPb …………(2) t=289500WρNiθ/IerηρPb …………(3) ここで、W :PCM の重量(kg) ρPb:Pbの密度(kgm -3) 例えば、粒子径3mmのPCM に10μmの膜厚のニッケルカ
プセルを施す場合、W=0.1kg 、ρNi=8.65×103 kgm
-3、θ=10×10-6m、I=0.2 A、e=29.343×10-3k
g、r=1.5 ×10-3m、η=0.9 、ρPb=11.34 ×103 k
gm -3を代入することにより、約7.7 時間の通電を要す
ることがわかる。このように通電時間を変化させること
により、ニッケルの被膜厚みは10、25、50および100 μ
mとした。
【0017】予備実験においてニッケルの単層膜構造と
してPCM をニッケルカプセル化し400 ℃で1時間保持し
たところ、粒子間の焼結現象が観察された。充填層型蓄
熱装置においてはこのような焼結現象は、流体の不均一
流動を引き起こす原因となり、加えて操作性を悪化させ
PCM 自体の機械的強度を低下させるおそれがある。その
ため、焼結を防止するために高融点(1963℃、2236K)
のロジウムを表1に示す溶液Bで厚み0.5 μm被覆し
た。被覆厚みは蛍光X線膜厚計により確認した。従っ
て、本実験で製造したPCM のニッケル、ロジウムの2層
カプセル化構造は図1のとおりであり、第一層の被膜2
はニッケル:10〜100 ミクロン、第二層の被膜3はロジ
ウム:0.5 ミクロンである。
【0018】得られたPCM の実用化試験の結果を表3に
示した。予想通り被膜厚みが薄い場合は、固液変態時の
体積変化による内部応力により金属製カプセルが破れ、
内部からの部分的なPCM の漏れが観察された。すなわ
ち、粒子径3mmのPCM の場合を図2(a) に示すように、
金属製カプセルのニッケル膜厚が10μmの場合は数回の
加熱冷却による放熱蓄熱過程において内部からPCM がし
み出してきた。しかしながら、膜厚を50μm以上に増加
すると金属製カプセル強度が増大するため、図2(b) に
示すようにそのようなPCM の漏れ現象はいずれの粒子径
においても全く観察されなかった。
【0019】以上のとおり、電気めっき法の適用によ
り、潜熱蓄熱材を対象とした金属製カプセル化が、従来
の2つの中空な半球を旋盤加工する方法に比べて極めて
容易に複数の粒子に対して同時に行える。また、50μm
程度の厚みを有する金属製カプセル化されたPCM は繰り
返し使用に対しても十分な強度を持つので、実用的に十
分使用できる。
【0020】以上は第一層被膜の金属として潜熱蓄熱材
と結合しないニッケル、第二層被膜の金属として融点の
高いロジウムを使用した二層の金属被膜の実施例であ
る。
【0021】
【表3】
【0022】(2) 以下に第一層、第二層の被膜金属とし
てニッケル、ロジウム以外の金属を用いた電気めっき溶
液の組成を表4(第一層被膜)及び表5(第二層被膜)
に示す。なお、実験条件はニッケル、ロジウムのときと
同じく表2のとおりであり、カプセル膜厚は前述のとお
り通電時間を変化させてコントロールした。
【0023】この実施例でも電解めっき法の適用によっ
て潜熱蓄熱材の金属製カプセル化が従来の加工法に比
べ、極めて容易に複数個の粒子に対して同時に行えるこ
とが判明した。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】(3) 一層の金属被膜の例 異なる厚みのロジウム(Rh)単層の金属被膜のカプセル
を製作し、実験を行った。前述同様の放蓄熱実験条件下
においては高融点であるため、50μm の厚みを有すれば
一層のみのカプセルでも十分実用使用に耐えた。経済性
を特に問題としない場合には適していると判断できる。
【0027】(4) 三層の金属被膜の例 PCM として鉛を選択し、第一層として融点が高く(14
55℃)Pbと合金化しないニッケル(Ni)、第二層として
高熱伝導特性とするため最も熱伝導率が高い銀(Ag)、
そして第三層として装飾性があり、かつ焼結防止のため
にロジウム(Rh)を使用し、比較実験をした。この場
合、熱的応答性が向上し、高速の放蓄熱操作が期待でき
る。
【0028】PCM とめっき金属の体積膨張率の相違が
亀裂を引き起こす。そのため大幅に値が異なる場合は値
に傾斜を持たせた多層膜構造が内部応力の発生を緩和し
亀裂防止に有効であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によって、今まで実用化されてい
なかった金属製の潜熱蓄熱カプセルおよびその工業的製
造方法が新たに提供された。さらに、本発明に係る金属
製の潜熱蓄熱カプセルおよびその製造方法によると次の
ような効果を得られる。
【0030】PCM 粒子に均一に金属を被覆でき、その
膜厚を容易に制御できる。得られた金属製のカプセルは
繰り返し使用でき、十分な機械的強度を有する。 密着性がよいため、気体を取り込むことなくPCM を金
属製カプセル化できる。 めっき浴中の金属塩を変化させることにより、熱膨張
率、耐酸化性、耐腐食性、焼結防止等の観点から環境に
あった所望の金属をカプセル材として選択することがで
きる。また、金属製のカプセルの全層多層構造化も可能
である。
【0031】従来法に比べ、同時に多数のPCM 粒子の
金属製カプセル化が可能となるため、製造時間、所望エ
ネルギー、製造価格が大幅に低下する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る二層の金属被膜のカプセルの断
面図である。
【図2】(a) は金属製の潜熱蓄熱カプセルからPCM が漏
れた状態を示す説明図、 (b)はPCM が漏れない金属製
の潜熱蓄熱カプセルを示す説明図である。
【図3】めっき用バレルの説明図で、(a) は正面図、
(b) は側面図である。
【符号の説明】
1 潜熱蓄熱材(PCM ) 2 ニッケル被膜(第一層の被膜) 3 ロジウム被膜(第二層の被膜) 4 漏れたPCM 5 金属製の潜熱蓄熱カプセル 6 めっき用バレル 7 バレル枠 8 モータ 9 ギヤ 10 電極 11 ドラム 12 通電部
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 泰志 宮城県仙台市太白区山田北前町33番60号 株式会社ケディカ内 (72)発明者 三浦 修市 宮城県仙台市太白区山田北前町33番60号 株式会社ケディカ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一層、二層または三層の金属被膜を潜熱
    蓄熱材の表面に被成したことを特徴とする潜熱蓄熱カプ
    セル。
  2. 【請求項2】 潜熱蓄熱材に電解めっき法によって金属
    被膜を被覆することを特徴とする潜熱蓄熱カプセルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 金属被膜の金属として、Ni、Co、Au、A
    g、Sn、Cu、Cr、Pb、Zn、Rh、Ru、Pd、Ptおよびその合
    金のうちのいずれか1種類、2種類または3種類が使用
    されることを特徴とする潜熱蓄熱カプセル。
JP9174534A 1997-06-30 1997-06-30 潜熱蓄熱カプセル Pending JPH1123172A (ja)

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