JPH11231567A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH11231567A
JPH11231567A JP3442498A JP3442498A JPH11231567A JP H11231567 A JPH11231567 A JP H11231567A JP 3442498 A JP3442498 A JP 3442498A JP 3442498 A JP3442498 A JP 3442498A JP H11231567 A JPH11231567 A JP H11231567A
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acid
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信之 大久保
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尚邦 小堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような環境下においても、フェーディン
グのない高品位な画像を実現し、高い現像性を維持しつ
つ、定着性、耐オフセット性を高度に満足でき、現像剤
接触部材へのトナーの融着・固着が発生することがない
高度に耐久可能な静電荷像現像用トナーを提供すること
にある。 【解決手段】 重合体成分を含有する樹脂組成物、着色
剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と外添
剤とを有する静電荷像現像用トナーにおいて、該ワック
ス成分は、1〜30mgKOH/gの酸価を有するワッ
クスを含有し、該外添剤は、メタノール−水溶液(6
0:40)により測定される疎水化度が5〜40%であ
る非シリコーンオイル処理疎水性無機微粉体Aと、該疎
水化度が5〜30%であるシリコーンオイル処理疎水性
無機微粉体Bとを含むことを特徴とする静電荷像現像用
トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法などにおいて用いられる静電荷像現
像用トナーに関し、特に、形成された顕画像を記録材に
加熱定着させる定着方式に供される静電荷像現像用トナ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、ついで該潜像をトナーで現像を行って可
視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を
転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像
を定着して複写物を得るものである。また、転写材上に
転写されずに感光体上に残ったトナー粒子はクリーニン
グ工程により感光体上より除外され、上述の工程が繰り
返される。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にも、コンピューターの出力用のプリンタ
ー、ファクシミリなどにも使われ始めた。例えば、プリ
ンター装置はLBPプリンターまたはLEDプリンター
が最近の市場の主流になっており、技術の方向として、
従来240、300dpiであったものが400、60
0、800、さらには1200、2400dpiとより
高解像度になってきている。従って、現像方式もこれに
伴って、より高精細が要求されてきている。コンピュー
ターの高性能化に伴い、出力される画像はますます高精
細で高画質なものが要求されており、さらに、パーソナ
ルコンピューターの普及により、より簡単にメンテナン
スを行うことができると同時に、より高い信頼性が厳し
く追求されてきており、それに伴いプリンターに要求さ
れる性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成で
きなければ、より優れた機械が成り立たなくなってきて
いる。例えば、デジタルプリンター及び高細密画像のコ
ピーにおいてトナーに要求される性能のうち最も重要な
ものに、定着性能がある。定着工程に関しては、種々の
方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法
は熱ローラーによる圧着加熱方式である。この加熱ロー
ラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有す
る材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめるこ
とにより定着を行うものである。この方法は熱ローラー
の表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触する
ため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率
が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高
速度電子写真複写機において非常に有効である。
【0004】しかしながら、上述の従来多用されてきた
熱ローラー定着では、下記問題が発生しやすい。
【0005】(1)熱ローラーが所定温度に達するまで
の画像形成作動禁止の時間、いわゆるウエイト時間があ
る; (2)記録材の通過あるいは他の外的要因で加熱ローラ
ーの温度が変動することによる定着不良、及び、加熱ロ
ーラーへのトナーの転移によるオフセット現象を防止す
るために加熱ローラーを最適な温度に維持する必要があ
り、このためには加熱ローラーあるいは加熱体の熱容量
を大きくしなければならず、これには大きな電力を要す
ると共に、画像形成装置内の機内昇温の原因ともなる; (3)加熱ローラーが高温度であるため、記録材が加熱
ローラーを通過排出される際は、転写材上の定着画像が
緩慢に冷却され、トナー及び定着画像は粘着性を有し、
加熱ローラーにオフセットしたりあるいは転写材を巻き
込むことによる紙詰まりを生ずることがある。
【0006】トナー像の記録材への良好な定着性、オフ
セットの防止を達成しつつ、ウエイト時間が短く低消費
電力である定着方法を実現するためのトナーが待望され
ている。
【0007】これまで、トナー性能の改良のために多く
の検討がなされている。例えば、定着ローラー表面にト
ナーを付着させないために、ローラー表面をフッ素系樹
脂等のトナーに対して離型性の優れた材料で形成すると
ともに、その表面にさらにシリコーンオイルなどのオフ
セット防止用液体を供給して液体の薄膜でローラー表面
を被覆することが行なわれている。
【0008】この方法はトナーのオフセットを防止する
点で極めて有効なものではあるがオフセット防止用液体
が加熱されることにより臭気を発生し、また、オフセッ
ト防止用液体を供給するための装置を必要とするため、
複写装置の機構が複雑になるとともに安定性の良い結果
を得るために高い精度が要求されるので複写装置が高価
なものになるという欠点がある。
【0009】トナー中のバインダー樹脂に改良を加える
工夫がいろいろと試みられている。
【0010】例えば、トナー中のバインダー樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)や分子量を高めトナーの溶融粘弾性
を向上させる方法が知られている。しかしながら、この
ような方法は、オフセット現象を改善した場合、定着性
が低下し、高速現像化や省エネルギー化において要求さ
れる定着性が低下する。
【0011】一般に、トナーの低温定着性を改良するに
は、溶融時におけるトナーの粘度を低下させ記録材との
接着面積を大きくする必要があり、このために使用する
バインダー樹脂のTgや分子量を低くすることが好まし
い。
【0012】このようにトナーの低温定着性とオフセッ
ト防止性とは相反する一面を有することから、これらの
機能を両方満足するトナーの開発は困難なことである。
【0013】この問題を解決するために、特公昭51−
23354号公報には、架橋剤と分子量調整剤を加え、
適度に架橋されたビニル重合体からなるトナーが提案さ
れている。特公昭55−6805号公報には、α,β不
飽和エチレン系単量体を構成単位として重量平均分子量
と数平均分子量との比が3.5〜4.0となるように分
子量分布を広くしたトナーが提案されている。
【0014】確かに、これらのトナーは、分子量分布の
狭い単一の樹脂からなるトナーに比べて、定着下限温度
(定着可能なもっとも低い温度)とオフセット温度(オ
フセットが発生し始める温度)の間の定着可能温度範囲
は広がるものの、十分なオフセット防止性能を付与した
場合には、その定着温度を十分低くすることが難しい。
反対に低温定着性を重視するとオフセット防止性能が不
十分となるという問題が存在していた。
【0015】これらビニル樹脂に代えて、低温定着性と
いう点で本質的にビニル樹脂よりも優れているとされて
いるポリエステル樹脂に架橋を施し、更にオフセット防
止剤を加えたトナーが特開昭57−208559号公報
に提案されている。このトナーは低温定着性及びオフセ
ット防止性ともに優れたものであるが、トナーの生産性
(粉砕性)という点で問題がある。
【0016】更に特開昭56−116043号公報では
反応性ポリエステル樹脂の存在下でビニル単量体を重合
し、重合の過程で架橋反応、付加反応、グラフト化反応
を介して高分子化された樹脂を用いたトナーが提案され
ている。粉砕性の点では改善されているが、低温定着
性、オフセット防止性の点で互いの樹脂の機能を充分に
生かすことが困難である。
【0017】単純にポリエステル樹脂とゲルコンテント
が異なる2種類(ゲル含有量80%以上とゲル含有量1
0%未満)のビニル樹脂をブレンドした樹脂を用いたト
ナーが特公平1−15063号公報で提案されている。
このトナーは低温定着性については良いが、オフセット
防止性及び粉砕性の点で更に改良する必要がある。耐オ
フセット性を改善する目的でゲル含有量80%以上のビ
ニル樹脂の割合を多くすると、オフセット防止性は良く
なるが、逆に低温定着性が著しく低下する。またゲル含
有量10%未満のビニル樹脂を含有させただけではトナ
ー製造時の混練物の充分な粉砕性を得ることは困難であ
る。
【0018】バインダー樹脂として、カルボン酸を有す
る重合体と金属化合物とを反応させて架橋を施した樹脂
を使用することが特開昭57−178249号公報、特
開昭57−178250号公報に提案されている。ビニ
ル単量体と特異なモノエステル化合物とを必須構成単位
とするバインダーと多価金属化合物とを反応させ、金属
を介して架橋する方法が特開昭61−110155号公
報、特開昭61−110156号公報に提案されてい
る。
【0019】さらに、特開昭63−214760号公
報、特開昭63−217362号公報、特開昭63−2
17363号公報、特開昭63−217364号公報で
は、低分子量領域と高分子量領域の2群に分かれる分子
量分布を有し、低分子量側に含有せしめられたカルボン
酸基と多価金属イオンを反応させ架橋せしめる方法が提
案されている。いずれの方法でもバインダー樹脂と金属
化合物との反応或いはバインダー樹脂中への該金属化合
物の分散が十分ではなく、トナーに要求される定着性や
耐オフセット性を満足するには至っていない。そのう
え、該金属化合物を多量にバインダー樹脂と配合させる
必要があるため、配合した金属化合物が条件によっては
バインダー樹脂に対して触媒作用を示し、バインダー樹
脂がゲル化し易くなり、その結果金属化合物を配合して
所望のトナーを得るための製造条件が得られ難いという
問題点を有する。
【0020】これらのトナーにおける酸量の調整では、
トナーの帯電特性(立ち上がり)、環境特性(高湿下放
置特性)、画像特性(カブリ、濃度特性)をさらに改良
することが好ましい。
【0021】さらに、特開平2−168264号公報、
特開平2−235069号公報、特開平5−17336
3号公報、特開平5−173366号公報、特開平5−
241371号公報では、結着樹脂中の低分子量成分と
高分子量成分の分子量、混合比、酸価及び耐ブロッキン
グ性、帯電の立ち上がり特性を改良したトナー用バイン
ダー組成物及びトナーが提案されている。
【0022】上記のトナーでは、酸性酸化鉄の如き着色
剤、荷電制御剤(帯電制御剤)、その他の添加剤の分散
の不良が生じ易く、キャリアやスリーブの如き現像剤担
持体表面の汚染によるカブリや画像濃度低下が生じやす
い。
【0023】特開昭62−9256号公報では、分子量
と酸価が異なる2種類のビニル樹脂をブレンドしたトナ
ー用バインダー組成物が提案されている。しかし、この
様なバインダー樹脂を用いた場合、トナー構成成分の相
溶性、または分散性を良くするために混練条件を強化す
る必要がある。該バインダー樹脂は、ポリマー分子の切
断の影響を受けやすく、特に耐オフセット性が低下しや
すい。ポリマー分子の切断が発生しない程度の混練を行
う場合は、添加剤の分散不良が生じやすく、キャリアや
現像剤担持体表面の汚染を生じやすい。特に重量平均分
子量が100万以上の重合体を用いた場合、これらの現
象が顕在化しやすい。
【0024】特開平3−72505号公報では、多官能
開始剤を用いた分子量30万以上のビニル樹脂について
提案している。この様な樹脂を用いた場合、定着性はあ
る程度満足できるものの、トナーの高湿放置下での性能
の低下が発生しやすい。この現象の原因は、明確ではな
いが、トナーの製造時、バインダー樹脂の分子切断が促
進されるため、トナー組成物中に高分子量の樹脂成分の
割合が低くなり、耐熱性が低下するためであると推察さ
れる。
【0025】一方、トナーに低温定着性、及び耐オフセ
ット性を向上させるためにポリオレフィンの如き低軟化
点離型剤(ワックス)をトナーに含有させることが知ら
れている。
【0026】特開昭51−14333号公報、特開昭5
7−148752号公報、特開昭58−97056号公
報、特開昭60−247250号公報、特開平4−36
2953号公報及び特開平6−230600号公報等
に、離型剤として固形シリコーンワニス、高級脂肪酸系
ワックス、高級アルコール系ワックス、植物系天然ワッ
クス(カルナバ、ライス)、モンタン系エステルワック
スが記載されている。しかしながら、トナーの低温定着
性と耐オフセット性を更に改良する必要があり、また、
これらのトナーの現像性(帯電性)、及び耐久性も向上
させる必要がある。
【0027】一般にこの様な低軟化点離型剤をトナーに
含有させると、トナーの流動性が低下するため、現像
性、転写性が低下する。また、帯電性、耐久性、保存性
にも悪影響を及ぼしやすい。
【0028】これらの問題に対し、各種モノマーでグラ
フト或いはブロック共重合せしめた変性ワックスが提案
されている。
【0029】特開昭59−121052号公報には、α
−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステルモノマーによ
りグラフト/ブロック共重合せしめたポリオレフィンを
使用することが提案され、特開昭56−15470号公
報、特開昭59−121053号公報、特開昭60−9
3456号公報及び特開昭63−34550号公報に
は、芳香族ビニルモノマーによりグラフト/ブロック共
重合せしめたポリオレフィンを使用することが提案され
ている。これらのトナーは流動性に関し改善されている
が、耐オフセット性に劣り、さらに現像性(帯電性)及
び耐久性をさらに向上させる必要がある。
【0030】特開昭62−226260号公報、特開昭
63−139365号公報、特開平3−50559号公
報及び特開平6−208244号公報では、カルボン酸
またはマレイン酸で変性されたポリプロピレンを含有し
たトナー或いはトナー用樹脂組成物が提案されている。
これらのトナーでは離型剤と樹脂組成との関係の規定は
なく、流動性の維持並びに耐ホットオフセット性の向上
が更に望まれる。
【0031】定着領域(非オフセット領域)の拡大のた
め、2種以上の離型剤をトナーに含有させることが特開
昭60−93457号公報、特開平4−274247号
公報、特開平4−299357号公報、特開平4−33
7737号公報、特開平6−208244号公報及び特
開平7−281478号公報に提案されている。これら
のトナーにおいては、離型剤と樹脂組成との関係との規
定はなく、離型剤のトナー粒子への均一分散に未だ問題
がある。
【0032】トナーの流動性を改善させる目的で、疎水
化処理をした後シリコーンオイル処理を施したシリカ微
粉末とトリメチルシロキシル基を有するシリカ微粉を混
合して用いることが、特開平3−43746号公報、特
開平4−50861号公報に提案されている。しかしな
がら、酸基を有するワックス成分を含有するような低温
定着性と高耐久性を目的としたトナーの系では効果が不
充分であり、帯電安定性やトナー接触部材汚染など、未
だ解決しなけらばならない課題がある。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】このように、トナーの
性能改良は未だに不十分であり、多くの改良すべき点を
有している。
【0034】本発明の目的は、かかる従来技術の問題点
を解決し、どのような環境下においても、フェーディン
グのない均一な画像を実現し、高い現像性を示す電子写
真プロセスに高度に適用を可能とする静電荷像現像用ト
ナーを提供することにある。
【0035】さらに本発明の目的は、定着性、耐オフセ
ット性について高い性能を示す静電荷像現像用トナーを
供給することである。
【0036】さらに本発明の目的は、感光材料などの現
像剤接触部材へのトナーの固着・融着を防止し、さらに
は、損傷の発生を防止可能である高度に耐久可能な静電
荷像現像用トナーを提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合体成分を
含有する樹脂組成物、着色剤及びワックスを少なくとも
含有するトナー粒子と外添剤とを有する静電荷像現像用
トナーにおいて、該ワックス成分は、1〜30mgKO
H/gの酸価を有するワックスを含有し、該外添剤は、
メタノール−水溶液(60:40)により測定される疎
水化度が5〜40%である非シリコーンオイル処理疎水
性無機微粉体Aと、該疎水化度が5〜30%であるシリ
コーンオイル処理疎水性無機微粉体Bとを含むことを特
徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明にかかるトナーが本発明の
効果を発揮する理由を下記のように考えている。
【0039】すなわち、一定の酸価を有するワックスに
より、低温定着性と耐ホットオフセット性を併せ持つよ
うに設計されたトナー粒子が、高温高湿環境下で高度な
耐久を続けることによって損われる流動性を上記なる外
添剤無機微粉体を有することにより、優れた流動性と均
一帯電性を有するようになり、紙などの転写材上に均一
に転写されるようになって、トナーの凝集により起こる
オフセットや不均一帯電による静電オフセットを防止
し、定着・耐オフセットの幅を拡大することができた。
【0040】また、本発明のトナーは、一定の酸価を有
するワックスにより低温定着性と耐オフセット性を併せ
持つように設計されたトナー粒子が高温高湿環境下で高
度に耐久することにより起る感光体、現像剤担持体への
汚染をこれらを外添剤として含むことにより、酸変性さ
れたワックスにより高められた帯電安定性を、どのよう
な環境下でも得ることが可能となり、トナーの凝集を防
ぎ、トナー接触部材である感光ドラム、現像剤担持体等
への付着・融着・汚染・損傷を防ぐことが可能となっ
た。
【0041】これは該外添剤が、特定の方法で測定され
る疎水化度を持つことにより、外部環境の湿度による影
響を少なくすることができるのと同時に、シリコーンオ
イル処理されている無機微粉体とシリコーンオイル処理
されていない無機微粉体を共に保持することにより得ら
れるトナー流動性によって、トナーが均一の帯電を得や
すくしているためであり、また、付着しにくい非シリコ
ーンオイル処理無機微粉体と、トナー接触部材への損傷
を防止することができるシリコーンオイル処理無機微粉
体を同時に保持することにより、長期間耐久可能なトナ
ーを作り出すことが可能となった。
【0042】以下、各材料について、説明する。
【0043】本発明の静電荷像現像用トナーに用いられ
るワックスは、1〜30mgKOH/gの酸価を有する
ことに特徴を有する。本発明で用いられるワックスが上
述の特定の酸価を有することにより、他のトナー成分、
特に樹脂バインダー成分との程良い分散性/相溶性が実
現され、トナーの低温溶融化に貢献できると共に、ある
程度の分散径を持ってトナー中にワックスが存在できる
ために高度な耐オフセット性を達成できるのである。
【0044】本発明に用いられるワックスの酸価は1〜
30mgKOH/gであり、好ましくは1〜15mgK
OH/gである。酸価が1mgKOH/g未満ならば、
酸の効果が充分に発揮されない。また、酸価が30mg
KOH/gを超える場合には、環境湿度の影響を受け易
く、安定した帯電性能を得ることが難しくなり、好まし
くない。
【0045】ワックスの種類としては、パラフィンワッ
クス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、フ
ィッシャートロプシュワックス誘導体、ポリオレフィン
ワックス誘導体、カルナバワックス誘導体など各種ワッ
クス成分を用いることができる。
【0046】本発明で用いられるワックスは、樹脂バイ
ンダーとの相溶性/分散性の観点から、ポリオレフィン
ワックス酸変性物が好ましく、特に好ましくは、酸変性
ポリプロピレンワックスである。
【0047】該ワックスは、後述する樹脂重合体成分中
に好ましく含まれるところの構成モノマーとの関係か
ら、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、マレイン
酸無水物の少なくとも1種以上から選択される酸モノマ
ーにより、変性されたポリオレフィンワックス(更に好
ましくはポリプロピレンワックス)であることが好まし
い。
【0048】このポリプロピレンワックスとしては、プ
ロピレンの単独重合体、プロピレンと他のオレフィン
(特にエチレンが好ましい)の共重合体が挙げられる。
プロピレン共重合体はプロピレン成分を60重量%以上
有していることが好ましい。
【0049】ワックスの変性に使用する酸モノマーとし
ては、重合体成分の酸価を調整するのに用いるものと同
様の物が使用可能である。
【0050】本発明では、酸基を有しないワックスを併
用することも可能である。
【0051】具体例としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィンワックス、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロ
プシュワックス、カルナバワックスなど各種ワックス成
分が使用可能である。
【0052】これらのワックスは結着樹脂100重量部
に対し、0.5重量部以上20重量部以下で用いること
が好ましい。
【0053】本発明に使用される結着樹脂の種類として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹
脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹
脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用でき
る。また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹
脂である。
【0054】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル、等のような二重結合を有す
るジカルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエステル
類、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のよう
なエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケトン類;
例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエーテ
ル類;等のビニル単量体が単独もしくは組合せて用いら
れる。ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合
可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族
ジビニル化合物;例えば、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合
を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、
ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスル
ホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有
する化合物;が単独もしくは混合物として使用できる。
【0055】本発明に使用される重合体成分は、1〜1
00mgKOH/gの酸価を有することが好ましい。こ
れは本発明に用いられる酸価を持つワックスを有効に分
散することができるためである。
【0056】1mgKOH/g未満の酸価では、この効
果を得にくくなり、100mgKOH/gを超えると、
環境湿度による影響を受けやすくなり、好ましくない。
【0057】上記の酸価を得るために用いられる重合体
成分としては、カルボキシル基、カルボン酸無水基、カ
ルボン酸塩基のうち少なくとも1種以上を含有する重合
体が最も好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸等のアクリル酸
及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、フアル酸、マ
レイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びそ
のモノエステル誘導体または無水マレイン酸等があり、
このようなモノマーを単独、或いは混合して、他のモノ
マーと共重合させることにより所望の重合体を得る。
【0058】この中でも特に好ましいモノマー成分とし
て、マレイン酸、マレイン酸−ハーフエステルまたはマ
レイン酸無水物が挙げられる。これは酸変性されたワッ
クスとの相溶性に優れるモノマーのであるからである。
【0059】本発明において、トナーの重合体成分は実
質的にテトラヒドロフラン(THF)不溶な成分を含ま
ないものであることが好ましい。具体的には重合体成分
基準で5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0060】本発明でのTHF不溶分とは、トナーの重
合体成分のTHF溶媒に対して不溶性となったポリマー
成分(実質的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、架橋
成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメーター
として使うことができる。THF不溶分とは、以下のよ
うに測定された値をもって定義する。
【0061】即ち、トナーサンプル0.5〜1.0gを
秤量し(w1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.
86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒とし
てTHF100〜200mlを用いて6時間抽出し、溶
媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、
100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を
秤量する(w2g)。トナー中の磁性体、顔料及びワッ
クスの如き樹脂成分以外の成分の重量を(w3g)とす
る。THF不溶分は、下記式から求められる。
【0062】THF不溶分(%)=〔{w1−(w3+w
2)}/(w1−w3)〕×100
【0063】THF不溶分を5重量%を超えて含有する
と、低温定着性が低下する。
【0064】本発明のトナー組成物中の重合体成分のT
HF可溶分により測定されるGPCのクロマトグラムが
少なくとも分子量3×103〜3×104(より好ましく
は、5×103〜2×104)の領域にメインピークを有
し、且つ、分子量1×105〜3×106(より好ましく
は、5×105〜1×106)の領域にサブピークもしく
はショルダーを有することが好ましい。
【0065】また、上記GPCのクロマトグラムにおい
て分子量100万以上を示す重合体成分の面積比が1〜
20%(より好ましくは3〜10%)を示すことが好ま
しい。分子量が100万以上でTHFに可溶な成分が1
〜20%存在することで、低温定着を阻害することなく
耐オフセット性を向上させると同時に、トナーの高温放
置下での保存安定性をも高めることが出来る。
【0066】本発明において、トナーの樹脂組成物の重
合体成分の分子量分布は、GPC(ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィ)によって次の条件で測定される。
【0067】〈樹脂組成物及び重合体のGPC測定条
件〉 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連 温度 :40℃ 溶媒 :THF(テトラヒドロフラン) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.05〜0.6重量%の試料を0.1m
l注入
【0068】使用される重合体成分は、低分子量重合体
成分(GPCクロマトグラムにおいて分子量5×104
未満の領域)の酸価(AVL)と高分子量重合体(GPC
クロマトグラムにおいて分子量5×104以上の領域)
の酸価(AVH)とが下記条件 AVL>AVH を満足しており、かつ該ワックスが下記条件を満足する
酸価(AVWAX)を有している。
【0069】 AVL>AVWAX、AVWAX>0(mgKOH/g)
【0070】本発明者らは鋭意検討の結果、上記重合体
成分とワックスの組み合わせにおいて、その双方が酸価
を有し、重合体成分の酸価がAVL>AVHであり、ワック
スの酸価と低分子量重合体の酸価との関係が上記条件を
も満足することがトナーによって好ましいことを見出し
た。
【0071】ワックスと重合体成分中、特に低分子量重
合体との相溶性を制御することにより、低温定着性、耐
オフセット性を飛躍的に良化できる。
【0072】重合体成分の酸価がAVL>AVHであること
により、酸価を有する酸価は高分子量重合体成分よりも
低分子量重合体成分に、より作用し、その可塑効果によ
り低温定着性を発揮する。
【0073】更に重合体成分において、ワックス成分の
酸価(AVWAX)が低分子量重合体の酸価に対して AVL>AVWAX を満足する範囲で、よりトナーの流動性、帯電安定性が
長時間に安定することが明らかとなった。
【0074】重合体成分の酸価がAVL≦AVHの場合、ト
ナー帯電安定性が低下し、酸価を有するワックスを含有
させても、低温定着性、耐オフセット性を有効に良化さ
せることが困難である。
【0075】重合体成分の酸価がAVL>AVHであり、ワ
ックスの酸価が低分子量重合体の酸価に対してAVL≦A
VWAXの場合、耐オフセット性、高湿下におけるトナー帯
電性が低下する。
【0076】より好ましくは、ワックスの酸価が低分子
量重合体成分の酸価に対し、下記条件を満足することが
好ましい。
【0077】0.5×AVL>AVWAX>0.05×AVL
【0078】さらに、本発明は、ワックスの酸価(A
VWAX)が1〜15mgKOH/gであり、かつ低分子量
重合体成分の酸価(AVL)が21〜35mgKOH/g
であり、かつ高分子量重合体の酸価(AVH)が0.5〜
11mgKOH/gであることが好ましい。
【0079】更に、本発明で好ましく用いられる重合体
成分は、低分子量重合体の酸価(AVL)が21〜35m
gKOH/gであり、かつ高分子量重合体の酸価
(AVH)が0.5〜11mgKOH/gであり、かつそ
の差の関係が、10≦(AVL−AVH)≦27の範囲内で
あることが好ましい。
【0080】低温定着性は、低分子量重合体成分のTg
及び分子量分布に影響されるが、この成分中に酸成分を
含有すること、更には高分子量重合体成分の酸価よりも
10mgKOH/g以上大きくすることにより、同一の
Tg及び同一の分子量分布を有する酸価が上記範囲外の
樹脂組成物より、低粘度化できる。
【0081】これは、低分子量重合体成分の酸価より高
分子量重合体成分の酸価を10mgKOH/g以上低く
設定(酸価0.5〜11mgKOH/g)することによ
り、低分子量重合体成分と高分子量重合体成分及びワッ
クスの分子鎖の絡み合いをある程度抑制し、このため、
低温側での低粘度化、高温側での弾性特性維持、更に
は、ワックスがある程度のドメイン径を持ってトナー粒
子中に存在するため、充分な離型効果が得られるものと
考えられる。それにより、高速機における低温定着化、
現像特性の向上につながるものである。
【0082】一方、その酸価の差が27mgKOH/g
を超えると、低分子量重合体成分と高分子量重合体成分
の混合性及びトナーにした際のワックス成分の分散性に
不具合が生じ、耐オフセット性及び現像性が低下する傾
向にある。
【0083】更には、低分子量重合体成分の酸価が21
mgKOH/g以上の場合に、帯電の立ち上がり性が良
好となる。
【0084】一方、低分子量重合体成分の酸価が35m
gKOH/gを超えると、高湿下の現像性が低下する傾
向にある。
【0085】高分子量重合体成分の酸価が0.5mgK
OH/g未満の場合では、低分子量重合体成分(酸価2
1〜35mgKOH/g)及びワックスとの混合性が不
具合となり、耐オフセット性が低下し、カブリが発生し
やすくなる。
【0086】本発明においてトナー重合体成分の低分子
重合体成分及び高分子重合体成分の酸価(JIS酸価)
は以下の方法により求める。
【0087】〈各成分の分取〉 [装置構成] LC−908(日本分析工業株式会社製) JRS−86(同社;リピートインジェクタ) JAR−2(同社;オートサンプラー) FC−201(ギルソン社;フラクッションコレクタ)
【0088】[カラム構成] JAIGEL−1H〜5H直径(20mm×600m
m:分取カラム)
【0089】[測定条件] 温度:40℃ 溶媒:THF 流量:5ml/min. 検出器:RI
【0090】試料は、予め重合体成分以外の添加剤を分
離しておく。分取方法としては、分子量が5×104
なる溶出時間を予め測定し、その前後で低分子重合体成
分及び高分子重合体成分を分取する。分取したサンプル
から溶剤を除去し酸価測定用試料とする。
【0091】〈酸価の測定〉 1)試料の粉砕品0.1〜0.2gを精秤し、その重さ
をW(g)とする。
【0092】2)20cc三角フラスコに試料を入れ、
トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液10ccを
加え溶解する。
【0093】3)指示薬としてフェノールフタレインの
アルコール溶液数滴を加える。
【0094】4)0.1規定のKOHのアルコール溶液
を用いてフラスコ内の溶液をビュレットを用いて滴定す
る。この時のKOH溶液の量をS(ml)とする。同時
にブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB
(ml)とする。
【0095】5)次式により酸価を計算する。
【0096】
【数1】
【0097】また、本発明におけるワックスの酸価は以
下の測定方法により測定された。
【0098】<ワックスの分取>トナーサンプル0.5
〜1.0gを秤量し、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製N
O.86R)に入れて、溶媒としてトルエン100〜2
00mlを用いて20時間ソックスレー抽出し、溶媒に
よって抽出された可溶成分をエバポレートした後、10
0℃で数時間真空乾燥する。得られた抽出物にクロロホ
ルム20mlを加え、1時間静置した後、ポアサイズ
0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、乾燥さ
せてワックス成分を得る。
【0099】<酸価の測定> ・装置及び器具 直示天秤 三角フラスコ(200ml) メスシリンダー(100ml) ミクロビュレット(10ml) 電熱器 ・試薬 キシレン ジオキサン N/10水酸化カリウム標準メタノール溶液 1%フェノールフタレイン溶液(指示薬) ・測定法 三角フラスコにワックス1〜1.5gを精秤し、これに
キシレン20mlを加えた後、加熱溶解する。溶解後ジ
オキサン20mlを加え、液が濁り又はかすみを生じな
い間にN/10水酸化カリウム標準メタノール溶液で1
%フェノールフタレイン溶液を指示薬としてできるだけ
早く滴定する。同時に空試験を行う。 ・計算式 酸価=[5.61×(A−B)×f]/S 但し、A:本試験に要したN/10水酸化カリウム標準
メタノール溶液のml数 B:空試験に要したN/10水酸化カリウム標準メタノ
ール溶液のml数 f:N/10水酸化カリウム標準メタノール溶液のファ
クター S:試料(g)
【0100】本発明の静電荷像現像用トナーは、荷電制
御剤として、有機金属化合物を用いることが好ましく、
特に気化性や昇華性に富む有機化合物を配位子や対イオ
ンとして含有するものが有用である。このような金属錯
体としては、帯電性の観点から、金属錯体型モノアゾ化
合物が好ましく用いられる。金属錯体型モノアゾ化合物
としては、特公昭41−20153号公報、同42−2
7596号公報、同44−6397号公報、同45−2
6478号公報などに記載されているモノアゾ染料の金
属錯体などがある。特に分散性・帯電性の面などから、
下記一般式(I)で表わされる金属錯体型モノアゾ化合
物であることが好ましく、中でも、中心金属が鉄である
金属錯体型モノアゾ鉄錯体を用いることが好ましい。さ
らに好ましくは、下記一般式(II)で表わされるモノ
アゾ鉄錯体を用いることである。
【0101】
【化2】
【0102】
【化3】
【0103】上記金属錯体型モノアゾ化合物の含有量
は、トナー結着樹脂100重量部に対し、0.5〜5重
量部が好ましく、特に0.2〜3重量部が好ましい。該
金属錯体型モノアゾ化合物の含有量が多過ぎると、トナ
ーの流動性が悪化し、かぶりを生じ易く、一方、少な過
ぎると充分な帯電量が得られにくい。
【0104】本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性材
料を含有した磁性トナーとして用いられることが好まし
い。使用できる磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケ
イ素などの元素を含む金属酸化物などがある。これら磁
性材料は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましく
は1〜20m2/g、特に2.5〜12m2/g、さらに
モース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。磁性材料の形
状としては、八面体、六面体、球状、針状、燐片状など
があるが、八面体、六面体、球状等の異方性の少ないも
のが好ましい。等方性の形状を有するものは、本発明に
用いる結着樹脂やワックスに対しても良好な分散を達成
できるからである。上記磁性材料の平均粒径としては、
0.05〜1.0μmが好ましく、さらに好ましくは
0.1〜0.6μm、さらには、0.1〜0.4μmが
好ましい。
【0105】上記磁性材料は、トナー結着樹脂100重
量部に対し60〜200重量部添加するのが好ましく、
特に好ましくは70〜150重量部である。60重量部
未満ではトナーの搬送性が不十分で現像剤担持体上の現
像剤層にムラが生じ、画像むらとなる傾向があり、さら
に現像剤の帯電の過剰な上昇に起因する画像濃度の低下
が生じ易い傾向であった。また、200重量部を超える
場合には現像剤の帯電が充分には得られなくなるため
に、画像濃度低下が生じ易くなる。
【0106】また、本発明のトナーに用いられる外添剤
は、メタノール−水溶液(60:40)により測定され
る疎水化度が5〜40%である非シリコーンオイル処理
疎水性無機微粉体Aと、同疎水化度が5〜30%である
シリコーンオイル処理疎水性無機微粉体Bを共に含むも
のである。
【0107】また、さらに疎水性無機微粉体Aとシリコ
ーンオイル処理無機微粉体Bの混合して用いる時の重量
割合は、[A]:[B]=10:90〜60:40の範
囲内であることが好ましい。
【0108】微粉体Aの割合が10%未満ならば、好ま
しいトナー流動性を得ることが難しく、長期間安定した
現像性を得難くなり、60%を超える場合では、トナー
接触部材に対する損傷・融着が起こりやすくなる。
【0109】無機微粉体としては、例えば、シリカ微粉
末、酸化チタン微粉末、酸化アルミニウム微粉末等が挙
げられるが、帯電安定性や現像性のためには、シリカ微
粉末であることが好ましい。
【0110】シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化物の蒸気
相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームド
シリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造
されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、
表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またNa2
O、SO3 2-等の製造残渣の少ない乾式シリカの方が
好ましい。また乾式シリカにおいては、製造工程におい
て例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属
ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いるこ
とによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得
ることも可能であり、それらも包含する。
【0111】無機微粉体A、B共に、無機微粉体と反応
する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによっ
て疎水化処理されている。好ましい方法としては、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シ
リカ微粉体をシランカップリング剤で処理する方法が挙
げられる。疎水化処理に使用されるシランカップリング
剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチ
ルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロル
シラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニル
ジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロ
ムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリ
クロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、ク
ロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリル
メルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオ
ルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチル
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキ
サン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及
び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末
端に位置する単位にそれぞれ1個宛のケイ素原子に結合
した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げ
られる。
【0112】無機微粉体Bは、上述の如きシランカップ
リング剤等による化学的疎水化処理が行われた後、ある
いは、シランカップリング剤で処理すると同時にジメチ
ルシリコーンオイルの如き、シリコーンオイルで処理す
る。
【0113】好ましいシリコーンオイルとしては、25
℃における粘度が30〜1000センチストークスの物
が用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチル
フェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シ
リコーンオイル、クロムフェニルシリコーンオイル、フ
ッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
【0114】シリコーンオイル処理の方法としては、例
えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体と
シリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を
用いて直接混合してもよいし、ベースとなる微粉体にシ
リコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるい
は適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せ
しめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方
法でもよい。
【0115】無機微粉体Aはメタノール−水溶液(6
0:40)により測定される疎水化度が5〜40%であ
り、好ましくは5〜20%であり、無機微粉体Bは同疎
水化度が5〜30%である。
【0116】疎水化度が5%未満では、無機微粉体が凝
集しやすく、トナー上に有効に分散させることが困難と
なり好ましくない。また、疎水化度がこの範囲を超える
と、環境湿度による影響を過度に受けてしまい、安定し
た帯電を得難くなり、好ましくない。
【0117】本発明に用いられる無機微粉体の疎水化度
としては、以下に述べるメタノール−水溶液(60:4
0)により測定される疎水化度を用いる。
【0118】<疎水化度測定法> 1)200mlの分液ロートに試料1.0gを採取し、
メタノール−水溶液(60:40)を100mlを加え
る。
【0119】2)ターブラシェーカーミキサーT2C型
(株式会社シンマルエンタープライゼス製)に分液ロー
トをセットする。
【0120】3)90r.p.mで10分間分散を行
う。
【0121】4)分液ロートをターブラシェーカーミキ
サーT2C型から取り出し、10分間静置する。
【0122】5)10分間静置後、20〜30ml抜き
出した後、10mmセルに分取する。
【0123】6)メタノール−水溶液(60:40)を
ブランクとして比色計(デジタルダブルビーム分光光度
計UV−210型(島津製作所製)にて濁りを測定する
(波長500nm)。この時の読み値(透過度)を疎水
率とする。
【0124】本発明の静電荷像現像用トナーには、必要
に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の外部
添加剤を添加してもよい。例えば帯電補助剤、導電性付
与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着
時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や
無機微粒子などである。例えばテフロン、ステアリン酸
亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリフ
ッ化ビニリデンが好ましい。あるいは酸化セリウム、炭
化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でも
チタン酸ストロンチウムが好ましい。あるいは例えば酸
化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも
特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、ある
いはカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸
化スズ等の導電性付与剤、また、逆極性の白色微粒子及
び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもで
きる。トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体
または疎水性無機微粉体などは、磁性トナー100重量
部に対して0.1〜5重量部(好ましくは、0.1〜3
重量部)使用するのがよい。
【0125】本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー
構成材料をボールミルの如き混合機により充分混合して
から加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱
混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、冷却固化後粉砕
及び厳密な分級を行うことにより生成することができ
る。
【0126】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
「部」は「重量部」を意味する。
【0127】<実施例1>低分子量重合体として、スチ
レン−アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合
体(ピーク分子量10500、酸価27mgKOH/
g)を70部、高分子量重合体として、スチレン−アク
リル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合体(ピーク
分子量98万、酸価5mgKOH/g)を30部とを、
還流キシレン100部に溶解させた後、有機溶剤を留去
し、得られた樹脂を冷却、固化した後、粉砕してトナー
用樹脂組成物(I)を得た。
【0128】上記トナー用樹脂組成物(I)を100
部、球形磁性酸化鉄100部、下記(III)式に示さ
れる金属錯体型モノアゾ化合物2部、及び無水マレイン
酸変性プロピレン−エチレン共重合体(酸価3.5mg
KOH/g、重量平均分子量9500)6部を予め均一
に混合し、これを130℃に加熱された二軸エクストル
ーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマー
ミルで粗粉砕し、更にジェットミルで微粉砕後、得られ
た粉砕物を風力分級し、重量平均径D4が6.8μmの
分級粉を得た。
【0129】
【化4】
【0130】これらの分級粉100部に対して、次の外
添剤を添加した。
【0131】非シリコーンオイル処理疎水性無機微粉体
Aとして、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水
化処理したシリカ微粉体(BET比表面積130m2
g、メタノール−水溶液(60:40)により測定され
る疎水化度15%)を0.6部;シリコーンオイル処理
疎水性無機微粉体Bとして、HMDSで疎水化処理した
後、150mm2/sのジメチルシリコーンオイル10
部で処理することにより得られたシリカ微粉体(BET
比表面積110m2/g、メタノール−水溶液(60:
40)により測定される疎水化度20%)を0.6部を
共に外添剤として用いた。
【0132】これらの外添剤を上記分級粉に乾式混合し
て、トナー(T1)を得た。
【0133】<実施例2>低分子量重合体をスチレン−
アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合体(ピ
ーク分子量10900、酸価33mgKOH/g)とし
た以外は、樹脂組成物(I)と同様にして、トナー用樹
脂組成物(II)を得た。
【0134】上記トナー用樹脂組成物(II)を100
部、球形磁性酸化鉄100部、上記(III)式に示さ
れる金属錯体型モノアゾ化合物2部、無水マレイン酸変
性プロピレン−エチレン共重合体(酸価3.5mgKO
H/g、重量平均分子量9500)3部、及び直鎖状ポ
リプロピレン(重量平均分子量9000)3部を予め均
一に混合し、トナー(T1)と同様にして、トナー(T
2)を得た。
【0135】<実施例3>実施例1で、ワックス成分を
無水マレイン酸変性ポリプロピレン(酸価12mgKO
H/g、重量平均分子量10000)5部とした以外は
同様にして、トナー(T3)を得た。
【0136】<実施例4>実施例1で、ワックス成分を
メタクリル酸変性ポリプロピレン(酸価5mgKOH/
g、重量平均分子量9000)3部とした以外は同様に
して、トナー(T4)を得た。
【0137】<実施例5>実施例1で、ワックス成分を
アクリル酸変性ポリエチレン(酸価21mgKOH/
g、重量平均分子量8000)4部とした以外は同様に
して、トナー(T5)を得た。
【0138】<実施例6>低分子量重合体をスチレン−
アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合体(ピ
ーク分子量12000、酸価0.8mgKOH/g)と
した以外は、樹脂組成物(I)と同様にして、トナー用
樹脂組成物(III)を得た。
【0139】実施例1で、樹脂組成物を上記トナー用樹
脂組成物(III)とした以外は同様にして、トナー
(T6)を得た。
【0140】<実施例7>低分子量重合体をスチレン−
アクリル酸ブチル共重合体(ピーク分子量9800、酸
価0mgKOH/g)、高分子量重合体をスチレン−ア
クリル酸ブチル共重合体(ピーク分子量60万、酸価0
mgKOH/g)とした以外は、樹脂組成物(I)と同
様にして、トナー用樹脂組成物(IV)を得た。
【0141】実施例1で、樹脂組成物を上記トナー用樹
脂組成物(IV)とした以外は同様にして、トナー(T
7)を得た。
【0142】<実施例8>実施例1で、外添剤として、
非シリコーンオイル処理疎水性無機微粉体Aとして、ヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化処理したシ
リカ微粉体(BET比表面積130m2/g、メタノー
ル−水溶液(60:40)により測定される疎水化度1
5%)を0.9部;シリコーンオイル処理疎水性無機微
粉体Bとして、HMDSで疎水化処理した後、150m
2/sのジメチルシリコーンオイル10部で処理する
ことにより得られたシリカ微粉体(BET比表面積11
0m2/g、メタノール−水溶液(60:40)により
測定される疎水化度20%)を0.3部とした以外は同
様にして、トナー(T8)を得た。
【0143】<実施例9>実施例1で、外添剤として、
非シリコーンオイル処理疎水性無機微粉体Aとして、ヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化処理したシ
リカ微粉体(BET比表面積122m2/g、メタノー
ル−水溶液(60:40)により測定される疎水化度3
5%)を0.9部;シリコーンオイル処理疎水性無機微
粉体Bとして、HMDSで疎水化処理した後、100m
2/sのジメチルシリコーンオイル5部で処理するこ
とにより得られたシリカ微粉体(BET比表面積113
2/g、メタノール−水溶液(60:40)により測
定される疎水化度22%)を0.3部とした以外は同様
にして、トナー(T9)を得た。
【0144】<実施例10>実施例1で、外添剤とし
て、非シリコーンオイル処理疎水性無機微粉体Aとし
て、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で疎水化処理
した酸化チタン微粉体(BET比表面積130m2
g、メタノール−水溶液(60:40)により測定され
る疎水化度18%)を0.9部;シリコーンオイル処理
疎水性無機微粉体Bとして、HMDSで疎水化処理した
後、150mm2/sのジメチルシリコーンオイル10
部で処理することにより得られたシリカ微粉体(BET
比表面積110m2/g、メタノール−水溶液(60:
40)により測定される疎水化度20%)を0.3部と
した以外は同様にして、トナー(T10)を得た。
【0145】<比較例1>低分子量重合体をスチレン−
アクリル酸ブチル共重合体(ピーク分子量10000、
酸価0mgKOH/g)とし、高分子量重合体をスチレ
ン−アクリル酸−マレイン酸モノブチル共重合体(ピー
ク分子量72万、酸価3.5mgKOH/g)とした以
外は、樹脂組成物(I)と同様にして、トナー用樹脂組
成物(III)を得た。
【0146】実施例1で、ワックス成分を直鎖状ポリプ
ロピレン(重量平均分子量9000)3部とし、外添剤
を疎水化処理を施していない乾式シリカ微粉体(BET
比表面積180m2/g、メタノール−水溶液(60:
40)により測定される疎水化度90%)を1.2部の
みとした外は同様にして、トナー(T11)を得た。
【0147】<比較例2>比較例1で、外添剤を疎水化
処理を施していない酸化チタン微粉体(BET比表面積
200m2/g、メタノール−水溶液(60:40)に
より測定される疎水化度95%)を1.2部のみとした
以外は同様にして、トナー(T12)を得た。
【0148】上記トナーT1〜T12に用いた原材料の
物性を表1に、トナーT1〜T12のTHF可溶成分の
GPC測定による分子量分布の結果を表2にまとめて示
す。
【0149】
【表1】
【0150】
【表2】
【0151】[評価]このようにして得られたトナーを
用いて評価を行った。また、プリントアウト試験・定着
性・耐オフセット性試験は下記の要領で行った。
【0152】<プリントアウト試験>高温高湿(32.
5℃/80%RH)、低温低湿(10℃/15%RH)
の各々の環境下で、市販のレーザービームプリンターL
BP−830(キヤノン製)を以下の構成に改造し、下
記条件でプリントアウト試験を行った。トナー切れに際
しては、カートリッジ上部のトナー容器部分に切り込み
を設け、そこからトナーを補給することによってプリン
トアウト試験を続けた。一次帯電を−690Vとして静
電潜像を形成し、感光ドラムと現像剤担持体(磁石内
包)上の現像剤層を非接触に間隙(290μm)を設定
し、交流バイアス(f=2000Hz;Vpp=160
0V)及び直流バイアス(Vdc=−500V)として
現像ドラムに印加した。プリントアウトの速度は、32
枚(A4ヨコ)/1分となるように改造した。得られた
画像を下記の項目について評価した。
【0153】画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に20000枚
プリントアウト終了時の画像濃度維持により評価した。
尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社
製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリン
トアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0154】カブリ リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定し
た転写紙の白色度と、低温低湿(10℃/15%RH)
環境下において、5000枚耐久画出しした後のベタ白
をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算
出した。
【0155】定着性 定着性は、50g/cm2の荷重をかけ、柔和な薄紙に
より定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率
(%)で評価した。試験紙としてトナーが定着しいくい
複写機用普通紙(90g/m2)紙を使用した。 ◎(優):5%未満 ○(良):5%〜10% △(可):10%〜20% ×(不可):20%以上
【0156】耐オフセット性 耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像を
プリントアウトし、画像上の汚れの程度により評価し
た。試験紙として複写機用普通紙(64g/m2)紙を
使用した。 ◎:非常に良好(未発生) ○:良好(ほとんど発生せず) △:実用可 ×:実用不可
【0157】現像剤担持体へのトナー融着の程度 高温高湿(32.5℃/80%RH)の環境下で200
00枚を画出しした後に、現像剤担持体を目視で観察
し、現像剤担持体へのトナー融着の程度により評価し
た。 ◎:非常に良好(未発生) ○:良好(ほとんど発生せず) △:実用可(端部のみにトナー融着) ×:実用不可(全面にトナー付着)
【0158】感光ドラムへのトナー融着の程度 高温高湿(32.5℃/80%RH)の環境下で200
00枚を画出しした後の、べた黒画像を観察し、ドラム
融着に伴う白ポチの数を数えることにより、ドラム融着
の程度を評価した。 ◎:非常に良好(未発生) ○:良好(10点未満) △:実用可(10点以上50点未満) ×:実用不可(50点以上、全面に発生)
【0159】以上の評価方法により、実施例1〜10並
びに比較例1及び2のトナーの評価を行った。結果を表
3にまとめて記した。
【0160】
【表3】
【0161】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のトナー
は、どのような環境下においても、フェーディングのな
い均一な画像を実現し、高い現像性を示し、且つ、定着
性、耐オフセット性について高い性能を示し、且つ、現
像剤担持体・感光材料などの現像剤接触部材へのトナー
の固着・融着を防止し、さらには、損傷の発生を防止可
能である高度に耐久可能な電子写真プロセスに高度に適
用可能なトナーである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体成分を含有する樹脂組成物、着色
    剤及びワックスを少なくとも含有するトナー粒子と外添
    剤とを有する静電荷像現像用トナーにおいて、 該ワックス成分は、1〜30mgKOH/gの酸価を有
    するワックスを含有し、 該外添剤は、メタノール−水溶液(60:40)により
    測定される疎水化度が5〜40%である非シリコーンオ
    イル処理疎水性無機微粉体Aと、該疎水化度が5〜30
    %であるシリコーンオイル処理疎水性無機微粉体Bとを
    含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該無機微粉体が、共にシリカを母体とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  3. 【請求項3】 該外添剤が、メタノール−水溶液(6
    0:40)により測定される疎水化度が5〜20%であ
    る非シリコーンオイル処理疎水性シリカ微粉体Aと、該
    疎水化度が5〜30%であるシリコーンオイル処理疎水
    性シリカ微粉体Bとを含むことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該微粉体Aと該微粉体Bの重量割合が、
    10:90〜60:40の範囲内であることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  5. 【請求項5】 該樹脂組成物が、1〜100mgKOH
    /gの酸価を有することを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 (a)該樹脂組成物が、実質的にTHF
    不溶分を含まず、 (b)該トナー粒子のTHF可溶分は、GPC(ゲルパ
    ーミエーションクロマトグラム)測定による分子量分布
    において、少なくとも分子量3×103〜3×104の領
    域にメインピークを有し、且つ分子量1×105〜3×
    106の領域にサブピーク又はショルダーを有し、 (c)GPC測定による分子量分布において分子量5×
    104未満の領域の低分子量重合体の酸価(AVL)とG
    PC測定による分子量分布において分子量5×104
    上の領域の高分子量重合体の酸価(AVH)とが下記条件 AVL>AVH を満足しており、該ワックスが下記条件 AVL>AVWAX、AVWAX>0(mgKOH/g) を満足する酸価(AVWAX)を有するワックスを含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静
    電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該ワックスの酸価が低分子量重合体成分
    の酸価に対し、下記条件を満足することを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナ
    ー。 0.5×AVL>AVWAX>0.05×AVL
  8. 【請求項8】 該ワックスが1〜15mgKOH/gの
    酸価を有する酸変性ポリオレフィンワックスである請求
    項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該ワックスが、マレイン酸、マレイン酸
    ハーフエステルまたはマレイン酸無水物の少なくとも1
    種以上から選択される酸モノマーにより変性されたポリ
    オレフィンワックスである請求項8に記載の静電荷像現
    像用トナー。
  10. 【請求項10】 該ポリオレフィンワックスが、ポリプ
    ロピレン系ワックスである請求項9に記載の静電荷像現
    像用トナー。
  11. 【請求項11】 ワックスが有する酸成分及び低分子量
    重合体成分が有する酸成分が、マレイン酸、マレイン酸
    ハーフエステル、マレイン酸無水物の少なくとも1種以
    上から選択される酸モノマーから生成されたものである
    請求項1乃至10のいずれかに記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  12. 【請求項12】 ワックスの酸価(AVWAX)が1〜15
    mgKOH/gであり、該重合体成分の低分子量重合体
    成分の酸価(AVL)が21〜35mgKOH/gであ
    り、高分子量重合体成分の酸価(AVH)が0.5〜11
    mgKOH/gである請求項1乃至11のいずれかに記
    載の静電荷像現像用トナー。
  13. 【請求項13】 低分子量重合体成分の酸価(AVL)が
    21〜35mgKOH/gであり、高分子量重合体成分
    の酸価(AVH)が0.5〜11mgKOH/gであり、
    かつその差の関係が、 10≦(AVL−AVH)≦27 である請求項1乃至12のいずれかに記載の静電荷像現
    像用トナー。
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