JPH11231365A - 光パラメトリック発振器及び光パラメトリック共振器 - Google Patents

光パラメトリック発振器及び光パラメトリック共振器

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JPH11231365A
JPH11231365A JP3741498A JP3741498A JPH11231365A JP H11231365 A JPH11231365 A JP H11231365A JP 3741498 A JP3741498 A JP 3741498A JP 3741498 A JP3741498 A JP 3741498A JP H11231365 A JPH11231365 A JP H11231365A
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resonator
mirror
light
optical
crystal
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Minoru Sumiya
実 角谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縮退や準縮退の状態においても安定したパラ
メトリック発振光を出力させることができ、しかも、構
成を簡単として小型化できるようにする。 【解決手段】 開示される光パラメトリック発振器は、
第1の共振器ミラー21と、第1の共振器ミラー21に
対向配置された第2の共振器ミラー22と、これら第1
及び第2の共振器ミラー21、22間に配置された第2
種位相整合をとる非線形光学結晶23と、非線形光学結
晶23と第2の共振器ミラー22との間に配置された偏
光器24とを備え、第1の共振器ミラー21と第2の共
振器ミラー22との間で共振器が構成され、第1の共振
器ミラー21側よりポンプ光25を入射し、偏光器24
によりアイドラ光27を共振器の外部に取り出し、シグ
ナル光26のみを共振器内で共振させ第2の共振器ミラ
ー22側から取り出す構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光パラメトリッ
ク発振を用いてレーザ光の波長変換を行なう光パラメト
リック発振器及び光パラメトリック共振器に係り、詳し
くは、縮退や準縮退の状態においても安定したパラメト
リック発振光を出力させることができる光パラメトリッ
ク発振器及び光パラメトリック共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】光パラメトリック発振器では、角周波数
ωpのポンプ光を入力したときに、エネルギーの保存則
ωs+ωi=ωpを満たす角周波数ωsのシグナル光と角周
波数ωiのアイドラ光が、外部から両者の入射なしに発
生する。光パラメトリック発振器は、単共振器型発振器
(SRO:single resonatortype oscillator)と複共
振器型発振器(DRO:double resonator typeoscilla
tor)の2つに分類される。
【0003】SROは、シグナル光及びアイドラ光のう
ちいずれか一方を共振させる方式であり、共振させる一
方の光に対して高反射となるミラーを用いて共振器を構
成している。一方、DROは、シグナル光及びアイドラ
光の両方を共振させる方式であり、両方の光に対して高
反射となるミラーを用いて共振器を構成している。この
DROは、発振しきい値を低く押さえられるという利点
があるものの、シグナル光の角周波数ωsとアイドラ光
の角周波数ωiとを共に共振させる必要があるために、
共振器長を高精度で制御しなければならないという問題
点があり、実用上ではSROが用いられる場合が多い。
【0004】しかしながら、このSROにおいても、非
線形光学結晶の角度や温度を制御することで、シグナル
光の角周波数ωsとアイドラ光の角周波数ωiを変化させ
ていくと、ωs=ωiの状態となる縮退した状態や、ωs
とωiとが近い状態となる準縮退の状態になってしま
う。この縮退した状態や準縮退の状態では、共振器を構
成するミラーの反射率は、シグナル光に対してもまたア
イドラ光に対しても同一となり、シグナル光とアイドラ
光の一方だけを共振させることはできなくなる。したが
って、自ずとDROになってしまい、非常に不安定な発
振状態になってしまう。これにより、光パラメトリック
発振器に使用できない波長領域ができ、連続した波長可
変ができなくなるという問題が生じる。
【0005】この問題を解決した装置として、例えば、
特開平7−170003号公報に開示された波長可変レ
ーザ発振装置がある。図4はこの波長可変レーザ発振装
置を示す概略構成図であり、基本波のレーザ光1を発振
するYAGレーザ発振器2と、このレーザ光1から第2
高調波を発生しレーザ光1と共に出力する第2高調波発
生器3と、光路に対して入退出可能とされ上記レーザ光
1と第2高調波とから第3高調波を発生させる光ミキシ
ング装置4と、第2高調波及び第3高調波のうちいずれ
か一方を選択し反射させるミラー5と、この反射光のう
ち特定の偏光状態の光を反射し他の光を通過させる偏光
プリズム6と、偏光プリズム6からの出射光を反射させ
て偏光プリズム6に戻すエンドミラー7と、エンドミラ
ー7の入反射光軸に偏光プリズム6を介して配置されパ
ラメトリック光を発生させる非線形光学結晶8、λ/4
板9及びグレーティング10と、グレーティング10に
対向配置されたミラー11とから構成されている。
【0006】この装置では、エンドミラー7とミラー1
1で挟まれた部分が共振器を構成しており、光ミキシン
グ装置4を光路に対して入退出させることにより、YA
Gレーザ発振器2から出射するレーザ光1から発生する
第2高調波と、YAGレーザ発振器2から出射するレー
ザ光1とその第2高調波の和周波光である第3高調波
の、2つの波長を切り替え、出力波長の連続可変が可能
なレーザ発振を行っている。すなわち、この装置では、
縮退した状態や準縮退の状態となるときに、ポンプ光の
波長を変えることで、従来の光パラメトリック発振器に
おける使用できない波長領域ができることにより連続し
た波長可変ができなくなる、という問題点を回避してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の波長可変レーザ発振装置では、ポンプ光の波長を第
2高調波、第3高調波等で切り替えることで縮退であっ
たものを非縮退とすることにより、従来の光パラメトリ
ック発振器の連続した波長可変ができなくなるという問
題点を回避したものであるから、縮退や準縮退のままの
状態で安定した光パラメトリック発振を行なおうとして
もできないという問題点があった。また、ポンプ光の波
長を切り替えるための光ミキシング装置4、この光ミキ
シング装置4を光路に対して入退出させる機構、第2高
調波と第3高調波の2種類の励起波長に対応するための
特殊な光学部品等が必要となり、構成が複雑になるとと
もに高価格になってしまうという問題点があった。
【0008】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、縮退や準縮退の状態においても安定した
パラメトリック発振光を出力させることができ、しか
も、構成が簡単で小型化可能な光パラメトリック発振器
及び光パラメトリック共振器を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、第1のミラーと、該第1の
ミラーに対向配置された第2のミラーと、これら第1の
ミラーと第2のミラーとの間に配置され第2種位相整合
をとる非線形光学結晶とを備え、上記第1のミラーと第
2のミラーとの間で共振器を構成し、上記第1のミラー
側からポンプ光を入射し、上記第2のミラー側からパラ
メトリック発振光を出射する光パラメトリック発振器に
係り、上記第1のミラーと上記非線形光学結晶との間、
又は、上記非線形光学結晶と上記第2のミラーとの間
に、上記パラメトリック発振光のうちシグナル光又はア
イドラ光のいずれか一方を取り出す偏光素子を配置した
ことを特徴としている。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の光パラメトリック発振器に係り、上記非線形光学結
晶は、同一の結晶方位を有する複数の非線形光学結晶か
らなっていることを特徴としている。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の光パラメトリック発振器に係り、上記複数の非線形
光学結晶は、それぞれの結晶軸方向が互いに異なるよう
に配置されていることを特徴としている。
【0012】また、請求項4記載の発明は、請求項1、
2又は3記載の光パラメトリック発振器に係り、上記非
線形光学結晶は、チタン酸燐酸カリウム結晶又はチタン
酸ヒ酸カリウム結晶のいずれかであることを特徴として
いる。
【0013】また、請求項5記載の発明は、請求項1、
2又は3記載の光パラメトリック発振器に係り、上記偏
光素子は、誘電体多層膜偏光器又はグラン・テイラー偏
光プリズムのいずれかであることを特徴としている。
【0014】また、請求項6記載の発明は、光パラメト
リック共振器に係り、ポンプ光を発生させるレーザの共
振器の内部に、請求項1乃至5のいずれか1に記載の光
パラメトリック発振器を設けてなることを特徴としてい
る。
【0015】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の光パラメトリック共振器に係り、上記ポンプ光を発
生させるレーザが、無偏光発振するレーザ媒質を備えて
なることを特徴としている。
【0016】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の光パラメトリック共振器に係り、上記レーザ媒質
が、活性中心としてNd3+を用いたイットリウム・アル
ミニウム・ガーネット(Y3Al512)結晶であること
を特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。 ◇第1の実施形態 図1は、この発明の第1の実施形態である光パラメトリ
ック発振器の概略構成を示す構成図である。この光パラ
メトリック発振器は、同図に示すように、第1の共振器
ミラー21と、該第1の共振器ミラー21に対向配置さ
れた第2の共振器ミラー22と、これら第1及び第2の
共振器ミラー21、22間に配置された非線形光学結晶
23と、該非線形光学結晶23と第2の共振器ミラー2
2との間に配置された偏光器(偏光素子)24とから構
成されている。
【0018】この光パラメトリック発振器は、上記第1
の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との間で
共振器が構成されており、第1の共振器ミラー21に
は、該共振器内に入射するポンプ光25に対しては低反
射となり、該共振器内の光パラメトリック発振により生
じるシグナル光26及びアイドラ光27に対しては高反
射となるコーテイングが施されている。また、第2の共
振器ミラー22には、シグナル光26及びアイドラ光2
7に対しては部分透過となるコーテイングが施されてい
る。
【0019】上記非線形光学結晶23は、第2種位相整
合をとり、波長λpのポンプ光25を入射させることに
より縮退あるいは準縮退の光パラメトリック発振が可能
なもの、例えば、チタン酸燐酸カリウム(KTP:KT
iOPO4)結晶が好適に用いられる。この非線形光学
結晶23では、波長のほぼ等しいシグナル光26とアイ
ドラ光27は、それぞれの電界ベクトルEs、Eiの方向
が互いに直交するように発振する。
【0020】偏光器24は、シグナル光26とアイドラ
光27の波長において、p偏光に対して低反射となり、
s偏光に対して高反射となるもの、例えば、誘電体多層
膜偏光器、あるいはグラン・テイラー偏光プリズムを用
いる。
【0021】この光パラメトリック発振器では、s偏光
として偏光器24に入射するアイドラ光27が反射され
て共振器の外部に取り出され、p偏光として偏光器24
に入射するシグナル光26のみが該偏光器24を透過し
第1の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との
間で構成される共振器内で共振するSROとなる。な
お、この偏光器24を用いない場合、第1の共振器ミラ
ー21と第2の共振器ミラー22との間をシグナル光2
6とアイドラ光27の双方が共振するDROとなり、光
パラメトリック発振が不安定なものとなる。
【0022】このように、この実施形態では、図1に示
すように、非線形光学結晶23と第2の共振器ミラー2
2との間に偏光器24を配置したので、シグナル光26
とアイドラ光27の波長が同一あるいは近い値となる、
縮退や準縮退の光パラメトリック発振器において、通常
は不安定な発振をするところを、安定したパラメトリッ
ク発振光を出力させることができる。
【0023】つまり、共振器内に偏光器24を設けない
場合、シグナル光26とアイドラ光27の波長が同じ、
あるいは近い値のときに、自ずとDROとなり、共振器
長を高精度で制御することによりシグナル光26とアイ
ドラ光27の双方に対して共振条件を満たす必要がある
が、この実施形態では、共振器内に偏光器24を設けた
ので、シグナル光26とアイドラ光27のうちの一方を
偏光器24で反射させることにより該共振器の外部に取
り出し、残った他方のみを該偏光器24を通過し第1の
共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との間で共
振するSROとすることができる。
【0024】また、非線形光学結晶23と第2の共振器
ミラー22との間に偏光器24を配置すれば良いので、
構成が簡単であり、従来の光パラメトリック発振器と比
べても大型化することなく、さらに小型化を図ることが
できる。このように、この実施形態によれば、縮退や準
縮退の状態においても安定したパラメトリック発振光を
出力させることができ、しかも構成が簡単で小型化可能
な光パラメトリック発振器を得ることができる。
【0025】◇第2の実施形態 図2は、この発明の第2の実施形態である光パラメトリ
ック発振器の概略を示す構成図である。この実施形態
が、上述の第1の実施形態(図1)と大きく異なるとこ
ろは、図2に示すように、第1の実施形態では、第1及
び第2の共振器ミラー21、22間に1つの非線形光学
結晶23を配置し、非線形光学結晶23と第2の共振器
ミラー22との間に偏光器24を配置したのに対し、こ
の実施形態の光パラメトリック発振器においては、第1
の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との間に
第2種位相整合をとる2つの非線形光学結晶、すなわち
第1のKTP結晶31と第2のKTP結晶32を配置
し、偏光器24を誘電体多層膜偏光器33とした点であ
る。なお、これ以外の点では、上述した第1の実施形態
と略同一であるので、図2において、図1に示す構成部
分と同一の各部には、同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0026】この光パラメトリック発振器では、ポンプ
光25として波長が略1.06μmのYAGレーザ光を
用いており、このポンプ光25により波長が略2.0μ
mのシグナル光26を発生させている。また、アイドラ
光27の波長は略2.3μmとなり、シグナル光26の
波長に近い準縮退の光パラメトリック発振となってい
る。
【0027】第1のKTP結晶31と第2のKTP結晶
32は、ウォークオフを補償することができるように、
それぞれのX軸方向31a、32aが異なるように光軸
上に配置されている。これら第1のKTP結晶31及び
第2のKTP結晶32は、共に結晶方位がおおよそθ=
55゜、φ=0゜である。誘電体多層膜偏光器33は、
石英板の片面に誘電体多層膜をコーティングしたもの
で、p偏光となるシグナル光26に対しては低反射とな
り、s偏光となるアイドラ光27に対しては高反射とな
る。
【0028】第1の共振器ミラー21には、ポンプ光2
5の略1.06μmの波長に対して低反射となり、か
つ、略2.0μmの波長のシグナル光26に対して高反
射となるコーテイングが施されている。また、第2の共
振器ミラー22には、波長が略2.0μmのシグナル光
26に対して部分透過となるコーテイングが施されてい
る。この光パラメトリック発振器では、アイドラ光27
はs偏光であるから誘電体多層膜偏光器33により反射
され、第1の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー2
2との間に構成される共振器の外部に取り出されるの
で、共振することはない。なお、図2中のアイドラ光2
7の電界方向Eiは、紙面に垂直な方向である。一方、
シグナル光26はp偏光であるから誘電体多層膜偏光器
33で反射されることなく透過し、第1の共振器ミラー
21と第2の共振器ミラー22との間で構成される共振
器内で共振する。そして、この共振したシグナル光26
の一部が第2の共振器ミラー22を透過し、出力光とし
て取り出される。
【0029】この実施形態では、図2に示すように、第
1の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との間
に、第2種位相整合をとる2つの非線形光学結晶、すな
わち第1のKTP結晶31と第2のKTP結晶32を配
置したので、安定したパラメトリック発振光を出力させ
ることができる。また、第1のKTP結晶31と第2の
KTP結晶32を、それぞれのX軸方向31a、32a
が異なるように光軸上に配置したので、ウォークオフを
補償することができる。加えて、構成が簡単であるか
ら、さらに小型化を図ることができる。
【0030】◇第3の実施形態 図3は、この発明の第3の実施形態である内部共振器型
光パラメトリック共振器(以下、単に光パラメトリック
共振器と略称する)の概略構成を示す構成図である。こ
の光パラメトリック共振器は、ポンプ光を発生させるポ
ンプレーザの共振器41の内部に光パラメトリック発振
の共振器42を設けてなっている。
【0031】ポンプレーザの共振器41は、第3の共振
器ミラー43と第2の共振器ミラー22との間が共振器
とされたもので、第3の共振器ミラー43は、波長が略
0.81μmの光に対して低反射となり、かつ、波長が
略1.06μmの光に対して高反射となり、また、第2
の共振器ミラー22は、波長が略1.06μmの光に対
して高反射となり、かつ、波長が略2.0μmの光に対
して部分透過となっている。
【0032】このポンプレーザは、Nd:YAG結晶
(活性中心としてNd3+を用いたイットリウム・アルミ
ニウム・ガーネット(Y3Al512)結晶)44を無偏
光発振するレーザ媒質として用いた、波長が略1.06
μmのYAGレーザである。このYAGレーザが光パラ
メトリック発振のためのポンプ光を発生するとともに、
音響光学効果を利用したQスイッチ素子45によりQス
イッチ動作をする。このポンプレーザでは、半導体レー
ザ46より出力する波長が0.81μmのレーザ光をレ
ンズ47で集光してNd:YAG結晶44に照射し励起
する半導体レーザ励起である。
【0033】光パラメトリック発振の共振器42は、第
1の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との間
が共振器とされたもので、第1の共振器ミラー21は波
長が略1.06μmの光に対して低反射となり、かつ、
波長が略2.0μmの光に対して高反射となっている。
そして、この共振器内には、第1のKTP結晶31及び
グラン・テイラー偏光プリズム48が光軸に沿って配置
されている。
【0034】第1のKTP結晶31の結晶方位は、図2
における第1のKTP結晶31の結晶方位と全く同様で
あり、ポンプ光の波長が略1.06μmのときに波長が
略2.0μmのシグナル光26を発生する。グラン・テ
イラー偏光プリズム48は、波長に依存せず、偏光素子
として作用するもので、アイドラ光27を反射して第1
の共振器ミラー21と第2の共振器ミラー22との間に
構成される共振器の外部に取り出すとともに、偏光素子
を使用しない場合に無偏光発振するYAGレーザを、直
線偏光で発振させる。
【0035】この実施形態では、図3に示すように、ポ
ンプ光を発生させるポンプレーザの共振器41の内部に
光パラメトリック発振の共振器42を設けたので、安定
したパラメトリック発振光を共振させて出力させること
ができる。また、光パラメトリック発振の共振器42内
部にグラン・テイラー偏光プリズム48を配置したの
で、無偏光発振するYAGレーザを直線偏光で発振させ
ることができる。加えて装置構成が簡単であるから、さ
らに小型化を図ることができる。
【0036】以上、この発明の実施形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述
の実施形態では、非線形光学結晶としてKTP結晶を用
いたが、シグナル光26とアイドラ光27が互いに偏光
が直交して発生する第2種位相整合をとる非線形光学結
晶であれば良く、チタン酸ヒ酸カリウム(KTA:KT
iOAsO4)結晶等、他の非線形光学結晶を用いても
良い。また、上述の第1の実施形態においては、非線形
光学結晶23と第2の共振器ミラー22との間に偏光器
24を配置するようにした場合について述べたが、これ
に代えて、第1の共振器ミラー21と非線形光学結晶2
3との間に偏光器24を配置するようにしても良い。ま
た、上述の第2の実施形態では、誘電体多層膜偏光器3
3を用いたが、方解石等の複屈折の大きい材料を用いた
グラン・テイラー偏光プリズム等の偏光素子を用いて
も、略同様の効果を奏することができる。ただし、誘電
体多層膜偏光器33は、他の偏光素子に比べて小型化で
きる上に、同時に多数の素子を製造することにより部品
単価を大幅に低下させることができるため、装置のコス
トダウンを図ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、第1のミラーと上記非線形光学結晶との間、又
は、上記非線形光学結晶と上記第2のミラーとの間に、
上記パラメトリック発振光のうちシグナル光又はアイド
ラ光のいずれか一方を取り出す偏光素子を配置するうよ
うにしたので、縮退や準縮退の状態においても安定した
パラメトリック発振光を出力させることができる。つま
り、共振器内に偏光素子を設けたので、シグナル光とア
イドラ光のうちの一方を偏光素子で反射させることによ
り該共振器の外部に取り出し、残った他方のみを該偏光
素子を通過し第1の共振器ミラーと第2の共振器ミラー
との間で共振するSROとすることができる。
【0038】また、第1のミラーと上記非線形光学結晶
との間、又は、上記非線形光学結晶と上記第2のミラー
との間に、偏光素子を配置すれば良いので、構成が簡単
であり、従来の光パラメトリック発振器と比べて小型化
を図ることができる。それゆえ、この発明によれば、縮
退や準縮退の状態においても安定したパラメトリック発
振光を出力させることができ、しかも構成が簡単で小型
化可能な光パラメトリック発振器及びそれを用いた光パ
ラメトリック共振器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態である光パラメト
リック発振器の概略構成を示す構成図である。
【図2】 この発明の第2の実施形態である光パラメト
リック発振器の概略構成を示す構成図である。
【図3】 この発明の第3の実施形態である内部共振器
型光パラメトリック共振器の概略構成を示す構成図であ
る。
【図4】 従来の波長可変レーザ発振装置の概略を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 レーザ光 2 YAGレーザ発振器 3 第2高調波発生器 4 光ミキシング装置 5 ミラー 6 偏光プリズム 7 エンドミラー 8 非線形光学結晶 9 λ/4板 10 グレーティング 11 ミラー 21 第1の共振器ミラー 22 第2の共振器ミラー 23 非線形光学結晶 24 偏光器(偏光素子) 25 ポンプ光 26 シグナル光 27 アイドラ光 31 第1のKTP結晶 31a X軸方向 32 第2のKTP結晶 32a X軸方向 33 誘電体多層膜偏光器 41 ポンプレーザの共振器 42 光パラメトリック発振の共振器 43 第3の共振器ミラー 44 Nd:YAG結晶 45 Qスイッチ素子 46 半導体レーザ 47 レンズ 48 グラン・テイラー偏光プリズム Es シグナル光の電界ベクトル Ei アイドラ光の電界ベクトル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のミラーと、該第1のミラーに対向
    配置された第2のミラーと、これら第1のミラーと第2
    のミラーとの間に配置され第2種位相整合をとる非線形
    光学結晶とを備え、前記第1のミラーと第2のミラーと
    の間で共振器を構成し、前記第1のミラー側からポンプ
    光を入射し、前記第2のミラー側からパラメトリック発
    振光を出射する光パラメトリック発振器において、 前記第1のミラーと前記非線形光学結晶との間、又は、
    前記非線形光学結晶と前記第2のミラーとの間に、前記
    パラメトリック発振光のうちシグナル光又はアイドラ光
    のいずれか一方を取り出す偏光素子を配置したことを特
    徴とする光パラメトリック発振器。
  2. 【請求項2】 前記非線形光学結晶は、同一の結晶方位
    を有する複数の非線形光学結晶からなっていることを特
    徴とする請求項1記載の光パラメトリック発振器。
  3. 【請求項3】 前記複数の非線形光学結晶は、それぞれ
    の結晶軸方向が互いに異なるように配置されていること
    を特徴とする請求項2記載の光パラメトリック発振器。
  4. 【請求項4】 前記非線形光学結晶は、チタン酸燐酸カ
    リウム結晶又はチタン酸ヒ酸カリウム結晶のいずれかで
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光パラ
    メトリック発振器。
  5. 【請求項5】 前記偏光素子は、誘電体多層膜偏光器又
    はグラン・テイラー偏光プリズムのいずれかであること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の光パラメトリッ
    ク発振器。
  6. 【請求項6】 ポンプ光を発生させるレーザの共振器の
    内部に、請求項1乃至5のいずれか1に記載の光パラメ
    トリック発振器を設けてなることを特徴とする光パラメ
    トリック共振器。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ光を発生させるレーザは、無
    偏光発振するレーザ媒質を備えたことを特徴とする請求
    項6記載の光パラメトリック共振器。
  8. 【請求項8】 前記レーザ媒質は、活性中心としてNd
    3+を用いたイットリウム・アルミニウム・ガーネット結
    晶であることを特徴とする請求項7記載の光パラメトリ
    ック共振器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017203816A (ja) * 2016-05-09 2017-11-16 株式会社エーティーエー 光パラメトリック発振器
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CN111431025B (zh) * 2020-03-20 2024-06-04 天津大学 一种基于非共线结构的ktp光参量振荡器及调谐方法

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