JP3322708B2 - 光高調波発生器 - Google Patents

光高調波発生器

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JP3322708B2
JP3322708B2 JP34436392A JP34436392A JP3322708B2 JP 3322708 B2 JP3322708 B2 JP 3322708B2 JP 34436392 A JP34436392 A JP 34436392A JP 34436392 A JP34436392 A JP 34436392A JP 3322708 B2 JP3322708 B2 JP 3322708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレンス性の良い
短波長光の発生に係わり、特に高調波光生成による短波
長光の発生に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コヒーレンス性の良い光はレーザ発振に
よって得ることができるが、レーザ光は、波長の長い光
ほど発振しやすく、現状では赤外光、可視光、近紫外光
までは実現されている。これらの波長よりも短い波長の
レーザ光の生成が困難な理由は、次の二点がある。
【0003】(1) 自然放射の確率が放射光の周波数
の3乗に比例して増大する問題 このために、励起準位の寿命がきわめて短くなる。一
方、レーザ発振を可能にするには、まず関与する準位間
で反転分布を実現する必要があるが、寿命の短い励起準
位に励起を蓄積して反転分布を作るには、強力なポンプ
光を必要とする。その必要入力強度は周波数の4乗に比
例して増大する。さらに、レーザ発振は反転分布下での
誘導放射で引き起こされるが、強い自然放射に打ち勝つ
誘導放射を実現する困難さがある。
【0004】(2) 反射鏡の問題 可視域では誘電体多層膜により、容易に100%の反射
鏡が得られるが、短波長領域ではほとんどの物質は屈折
率が1に近くなり、光の干渉を用いた反射鏡は不可能と
なる。
【0005】そこで、Nd:ガラスレーザやYAGレー
ザの強力な出力光を基本波とし、非線形光学素子を用い
て高調波光を発生させ、コヒーレントな短波長光を得る
ことが実用化されはじめている。この方式を採用した第
3次高調波光を生成する短波長光発生装置として、例え
ば、特開昭64−64280で開示されたレーザ装置が
ある。この装置の構成を図5に示す。この装置は、アレ
キサンドライトをレーザ媒質として基本周波数光(波長
=750nm)のレーザ光を出射するレーザ発振器15
0と、偏光方向が同一方向を有する2つの光に対してタ
イプIと称される位相整合法をもち、750nmのレー
ザ光の素子内光路が第2次高調波光発生の位相整合条件
を満たす方向を有するように配置された第1の非線形光
学素子250と、第1の非線形光学素子250を出射す
る基本周波数光と偏光方向が基本周波数光と垂直に偏光
した第2次高調波光とを入射し、夫々の偏光方向に異な
る旋回を施して偏光方向を平行化した後に出射する旋光
性物質550と、基本周波数光と第2次高調波光との素
子内光路が和周波発生のタイプIの位相整合条件を満た
す方向を有するように配置された第2の非線形光学素子
260と、から構成される。
【0006】レーザ共振器150から出射された基本周
波数を有する直線偏光を、第1の非線形光学素子250
へ第2次高調波光発生に関する位相整合方向から入射
し、第1の非線形光学素子250の有する2次の非線形
光学効果により第2次高調波光(波長=375nm)を
発生させる。この第2次高調波光は、第1の非線形光学
素子250を透過する基本周波数光と同一の進行方向を
有し、基本周波数光の偏光方向と垂直な偏光方向を有す
る。こうして第1の非線形光学素子250から出力され
る基本周波数光と第2次高調波光とを、旋光性物質55
0を介することにより双方の偏光方向を平行化し、基本
周波数光と第2次高調波光とに対するタイプIでの和周
波光生成の位相整合方向から第2の非線形光学素子26
0に入射させる。この結果、第2の非線形光学素子26
0内で2次の非線形光学効果によって基本周波数光と第
2次高調波光との和周波である第3次高調波光(波長=
250nm)が発生する。この第3次高調波光は、第2
の非線形光学素子260を透過する基本周波数光および
第2次高調波光と同一の進行方向を有し、基本周波数光
および第2次高調波光の偏光方向と垂直な偏光方向を有
する。この装置では、以上のようにして、レーザ発信器
150の発生するレーザ光の第3次高調波光を得てい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の高調波発生装置
は以上のように構成されているので、基本周波数光から
第n次高調波光を生成するのに、(n−1)個の2次の
非線形光学効果を有する非線形光学素子を必要とするた
め、非線形光学素子での高調波の発生動作を安定させる
ため非線形光学素子の温度を一定に保持するための機構
が各非線形光学素子ごとに必要となり、装置の電気回路
系等が複雑になってしまうという問題点があった。ま
た、非線形光学素子は高価なものであり、これを複数個
使用する第3次以上の高調波発生装置は非常に高価とな
ってしまう問題点があった。
【0008】本発明は、以上の問題点を解消するために
なされたものであり、簡単な構成を有し、廉価な第3次
ないしは第4次の高調波光を得ることができる光高調波
発生器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる光高調波
発生器は、(a)2次の非線形光学効果を有する単一の
非線形光学素子と、(b)非線形光学素子に同一方向か
ら入射する2つの直線偏光の偏光方向が互いに平行の場
合に第2次高調波光の発生に関して位相整合する方向か
ら、非線型光学素子へ入射する直線偏光した基本周波数
光を出射するレーザ光源と、(c)非線形光学素子から
同一方向に出射される基本周波数光と第2次高調波光と
について、第3次高調波光の発生に関して位相整合する
方向から非線形光学素子へ入射する光路および偏光方向
を設定する光路・偏光方向設定手段と、を含んで構成さ
れることを特徴とする。
【0010】また、本発明に係わる他の光高調波発生器
は、(a)2次の非線形光学効果を有する単一の非線形
光学素子と、(b)非線形光学素子に同一方向から入射
する2つの直線偏光の偏光方向が互いに平行の場合に第
2次高調波光の発生が位相整合する第1の方向から、非
線型光学素子へ入射する直線偏光した基本周波数光を出
射するレーザ光源と、(c)非線型光学素子から同一方
向に出射される基本周波数光と第2次高調波光とについ
て、第3次高調波光の発生に関して位相整合する方向か
ら非線型光学素子へ入射する第1の光路および偏光方向
を設定する第1の光路・偏光方向設定手段と、(d)非
線型光学素子から同一方向に出射される基本周波数光と
第3次高調波光とについて、第4次高調波光の発生に関
して位相整合する方向から非線型光学素子へ入射する第
2の光路および偏光方向を設定する第2の光路・偏光方
向設定手段と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】また、本発明に係わる別の光高調波発生器
は、(a)2次の非線形光学効果を有する単一の非線形
光学素子と、(b)非線形光学素子に同一方向から入射
する2つの直線偏光の偏光方向が互いに垂直の場合に第
2次高調波光の発生が位相整合する方向から入射する、
直線偏光した基本周波数光を出射するレーザ光源と、
(c)レーザ光源の出射した直線偏光した基本周波数光
の偏光方向を45゜回転させる基本周波数光に関する第
1の1/2波長板と、(d)非線型光学素子から同一方
向に出射される基本周波数光と第2次高調波光とについ
て、第3次高調波光の発生に関して位相整合する方向か
ら非線型光学素子へ入射する光路および偏光方向を設定
する光路・偏光方向設定手段と、を含んで構成されるこ
とを特徴とする。
【0012】また、本発明に係わる更に別の光高調波発
生器は、(a)2次の非線形光学効果を有する単一の非
線形光学素子と、(b)非線形光学素子に同一方向から
入射する2つの直線偏光の偏光方向が互いに垂直の場合
に第2次高調波光の発生が位相整合する方向から入射す
る、直線偏光した基本周波数光を出射するレーザ光源
と、(c)レーザ光源の出射した直線偏光した基本周波
数光の偏光方向を45゜回転させる基本周波数光に関す
る第1の1/2波長板と、(d)非線型光学素子から同
一方向に出射される基本周波数光と第2次高調波光とに
ついて、第3次高調波光の発生に関して位相整合する方
向から非線型光学素子へ入射する第1の光路および偏光
方向を設定する第1の光路・偏光方向設定手段と、
(e)非線型光学素子から同一方向に出射される基本周
波数光と第3次高調波光とについて、第4次高調波光の
発生に関して位相整合する方向から非線型光学素子へ入
射する第2の光路および偏光方向を設定する第2の光路
・偏光方向設定手段と、を含んで構成されることを特徴
とする。
【0013】
【作用】本発明の構成によれば、まず、光源から発生す
る基本周波数の直線偏光を基にして、この基本周波数光
を2次の非線形光学効果を有する非線形光学素子に第2
次高調波光の発生に関する位相整合方向から入力する。
非線形光学素子の内部では、電磁波としての光が有する
電界によって生じる非線形光学素子の電気分極の電界に
関する第2次成分を種として第2次高調波光を生成す
る。生成された第2次高調波光は、位相整合条件により
基本周波数光の透過方向と同一の方向へ進行する。
【0014】つぎに、非線形光学素子から同一方向に出
力された、透過した基本周波数光と生成された第2次高
調波光とを、必要に応じて夫々の偏光方向を1/2波長
板によって調整しつつミラーを使用して、基本周波数光
と第2次高調波光と和周波混合による第3次高調波光の
発生に関する位相整合方向から再び非線形光学素子へ入
力する。非線形光学素子の内部では、入力光に伴う電界
によって生じる電気分極の電界に関する第2次の成分の
内、位相整合条件を満たす、基本周波数光と第2次高調
波光との和周波である第3次高調波光が効率良く生成さ
れる。生成された第3次高調波光は、位相整合条件によ
り基本周波数光および第2次高調波光の透過方向と同一
の方向へ進行する。
【0015】更に、非線形光学素子から同一方向に出力
された、透過した基本周波数光と生成された第3次高調
波光とを、必要に応じて夫々の偏光方向を1/2波長板
によって調整しつつ、ミラーを使用して基本周波数光と
第3次高調波光と和周波混合による第4次高調波光の発
生に関する位相整合方向から再度非線形光学素子へ入力
する。非線形光学素子の内部では、入力光に伴う電界に
よって生じる電気分極の電界に関する第2次の成分の
内、位相整合条件を満たす、基本周波数と第3次高調波
光との和周波である第4次高調波光が効率良く生成され
る。生成された第4次高調波光は、位相整合条件により
基本周波数光および第3次高調波光の透過方向と同一の
方向へ進行する。
【0016】
【実施例】本発明の実施例の説明に先立って、本発明で
利用している非線形光学現象の概要を述べておく。本発
明で利用する非線形光学現象は、光として伝播する電界
と磁界との内で、電界に対する物質の非線形応答の内で
最も低次の現象である2次の非線形光学応答であり、和
周波光・2倍高調波光の発生が該当する。これらの和周
波光・2倍高調波光の発生は、電界を印加された時に生
じる物質の電気分極の電界に対する2次の非線形成分に
由来するものである。本発明の光高調波発生器は、単一
の基本周波数光を出発点として、第2次高調波光、第3
次高調波光、および第4次高調波光を生成する装置であ
り、まず、基本周波数光から2倍高調波光の発生により
第2次高調波光を生成し、次いで和周波混合により順
次、第3次高調波、第4次高調波を生成する。以下、単
一の基本周波数光からの2倍高調波光の発生条件、およ
び2つの入力光による和周波光の発生条件を考察する。
【0017】(1)2倍高調波の発生条件 単一の基本周波数光から2倍高調波生成により有効に第
2次高調波を発生するには、基本周波数光を入力する物
体を構成する物質が次の条件を満たす必要がある。
【0018】 反転対称性を有する結晶構造を有して
いないこと。
【0019】反転対称性をもつ結晶では、2次の非線形
分極率が「0」であり、2次の非線形光学効果が発現し
ない。
【0020】 2倍高調波の発生に対して位相整合条
件を満たす手段が存在すること。物質中を伝播する基本
周波数光の電界成分を、 E0 =E(ω0 )exp(j(k0 ・r−ω0 t))・・(1) ここで、ω0 :基本周波数光の周波数 k0 :基本周波数光の波数ベクトル として、2倍高調波は発生した場合、基本周波数光の進
行方向と同一方向に進行するが、この進行方向に関して
次の式が成り立つことが位相整合条件である。
【0021】 n(ω0 )=n(2ω0 )・・(2) ここで、n(ω):角速度ωに対する屈折率 この位相整合条件((2)式)は、正常分散あるいは異
常分散を有する等方あるいは立方対称の結晶では実現で
きないが、対称性の低い結晶では複屈折を用いて、基本
周波数光の入力方向を調整することにより位相整合をと
ることができる。
【0022】(2)和周波の発生条件 同一光路にて進行する2つの光から和周波生成により有
効に和周波を発生するには、2つの光を入力する物体を
構成する物質が次の条件を満たす必要がある。
【0023】 反転対称性を有する結晶構造を有して
いないこと。
【0024】反転対称性をもつ結晶では、2次の非線形
分極率が「0」であり、2次の非線形光学効果が発現し
ない。
【0025】 和周波の発生に対して位相整合条件を
満たす手段が存在すること。
【0026】物質中を伝播する基本周波数光の電界成分
を、 Ei =E(ωi )exp(j(ki ・r−ωi t))・・(3) ここで、ωi :周波数 ki :波数ベクトル i:1or2 として、和周波は発生した場合、基本周波数光の進行方
向と同一方向に進行するが、この進行方向に関して次の
式が成り立つことが位相整合条件である。
【0027】 ω1 n(ω1 )+ω2 n(ω2 ) =(ω1 +ω2 )n(ω1 +ω2 )・・(4) ここで、n(ω):角速度ωに対する屈折率 この位相整合条件((4)式)は、正常分散あるいは異
常分散を有する等方あるいは立方対称の結晶では実現で
きないが、対称性の低い結晶では複屈折を用いて、基本
周波数光の入力方向を調整することにより位相整合をと
ることができる。
【0028】和周波混合にあたっては、入力する2つの
光の偏光方向が互いに平行な場合をタイプIと呼び、互
いに垂直な場合をタイプIIと呼ぶ。2倍高調波の発生
にあったても、このタイプの呼称を拡張して使用する。
なお、以下の実施例の説明にあたっては、座標系は光学
主軸系を使用する。
【0029】(第1実施例)本実施例は、非線形光学素
子としてLiB3 5 結晶(結晶構造:mm2、以後、
LBO結晶と呼ぶ)を、基本周波数光としてNd:YA
Gレーザの発生する波長=1064nmのレーザ光を用
い、第2次高調波光の生成および第3高調波光の生成を
タイプIで行ったものである。
【0030】図1は、本実施例の装置の構成を示す。こ
の装置は、非線形光学素子110と、非線形光学素子1
10のz軸(すなわち、光学主軸系において最も屈折率
の大きな方向を示す軸)に平行な偏光方向を有し、波長
=1064nmのレーザ光を、タイプIによる第2次高
調波光の発生に関して位相整合する方向(光学主軸系
で、θ=90゜、φ=12゜)へ出力するNd:YAG
レーザを含む光源210と、非線形光学素子110から
出力される第2次高調波光とこの第2高調波と同一光路
で出力される透過した基本周波数光とに対してタイプI
で和周波混合による第3次高調波光の発生に関する位相
整合方向(θ=90゜、φ=38.4゜)から非線形光
学素子110に入力する光路を設定するミラー311お
よびミラー312と、この光路中に配置された基本周波
数光の偏光方向は偏光せずに第2次高調波光のみの偏光
方向を90゜回転する第2高調波光に関する1/2波長
板410と、非線形光学素子110から出力される第3
次高調波光とこの第3次高調波光と同一光路で出力され
る基本周波数光および第2次高調波光とについて第3次
高調波光のみを反射するミラー315と、ミラー315
を透過した基本周波数光と第2次高調波光とについて第
2次高調波光のみを反射するミラー316と、から構成
される。
【0031】この装置では、まず、光源210から、N
d:YAGレーザのレーザ発振による、波長=1064
nmのレーザ光の内、線形光学素子110のz軸方向に
平行な偏光方向を有する直線偏光成分を選択されて基本
周波数光として出力させる。この出力された基本周波数
光は、この基本周波数光の波長および偏光方向について
タイプIで位相整合する方向(光学主軸系において、θ
=90゜、φ=12゜)から、非線形光学素子110で
あるLBO結晶へ入力される。非線形光学素子110に
おいて、基本周波数光の担った電界に応答して電界に関
して2次の成分を有する電気分極が生じる。この電気分
極を種として、位相整合条件に従い、基本周波数光と同
一方向に進行する第2次高調波が発生し、透過する基本
周波数光とともに非線形光学素子110から出力され
る。ここで、発生した第2次高調波の偏光方向は、透過
した基本周波数光の偏光方向とは垂直となっている。
【0032】次に、非線形光学素子110から同一方向
へ出力された、上記の基本周波数光と第2次高調波光と
に対して、ミラー311およびミラー312を使用し
て、タイプIで和周波混合による第3次高調波光の発生
に関する位相整合方向(θ=90゜、φ=38.4゜)
から非線形光学素子110に入力する光路を設定すると
ともに、この光路中に配置された第2高調波光に関する
1/2波長板を使用して、基本周波数光の偏光方向は偏
光せずに第2次高調波光のみの偏光方向を90゜回転し
て双方の偏光方向をz軸と平行とし、タイプIの位相整
合条件を整える。こうして、非線形光学素子110に同
時に入力した基本周波数光と第2次高調波光とは、非線
形光学素子110の非線形光学応答(入力光の電界に対
する2次の電気分極成分の発生)によって、和周波混合
され第3次高調波光が生成され、透過する基本周波数光
および第2次高調波光とともに非線形光学素子110か
ら出力される。ここで、発生した第3次高調波の偏光方
向は、透過した基本周波数光および第2次高調波の偏光
方向とは垂直となっている。
【0033】次いで、非線形光学素子110から同一方
向へ出力された、上記の基本周波数光と第2次高調波光
と第3次高調波とを、これらの光の光路上に配置された
ミラー315およびミラー316を使用して分離するこ
とにより、第2次高調波と第3次高調波を同時に得るこ
とができる。
【0034】(第2実施例)本実施例は、第1実施例と
同様に、非線形光学素子としてLiB3 5 結晶(結晶
構造:mm2、以後、LBO結晶と呼ぶ)を、基本周波
数光としてNd:YAGレーザの発生する波長=106
4nmのレーザ光を用い、第2次高調波光の生成および
第3高調波光の生成をタイプIで行ったものである。
【0035】図2は、本実施例の装置の構成を示す。こ
の装置は、第1実施例の装置について非線形光学素子で
あるLBO結晶の切り出し角度を変えて装置の小型化を
図ったものであり、非線形光学素子120と非線形光学
素子120のz軸(すなわち、光学主軸系において最も
屈折率の大きな方向を示す軸)に平行な偏光方向を有
し、波長=1064nmのレーザ光を、タイプIによる
第2次高調波光の発生に関して位相整合する方向(光学
主軸系でθ=90゜、φ=12゜)へ出力するNd:Y
AGレーザを含む光源220と、非線形光学素子120
から出力される第2次高調波光とこの第2高調波と同一
光路で出力される透過した基本周波数光とに対してタイ
プIで和周波混合による第3次高調波光の発生に関する
位相整合方向 (θ=90゜、φ=38.4゜)から非
線形光学素子120に入力する光路を設定するミラー3
21およびミラー322と、この光路中に配置された基
本周波数光の偏光方向は偏光せずに第2次高調波光のみ
の偏光方向を90゜回転する第2高調波光に関する1/
2波長板420と、非線形光学素子120から出力され
る第3次高調波光とこの第3次高調波光と同一光路で出
力される基本周波数光および第2次高調波光とについて
第3次高調波光のみを反射するミラー325と、ミラー
325を透過した基本周波数光と第2次高調波光とにつ
いて第2次高調波光のみを反射するミラー326と、か
ら構成される。この装置の動作は、第1実施例の装置と
全く同一である。
【0036】(第3実施例)本実施例は、非線形光学素
子として第1実施例と同様にLiB3 5 結晶(結晶構
造:mm2、以後、LBO結晶と呼ぶ)を、基本周波数
光としてNd:YAGレーザの発生する波長=1064
nmのレーザ光を用い、第2次高調波光の生成および第
3高調波光の生成をタイプIIで行ったものである。
【0037】図3は、本実施例の装置の構成を示す。こ
の装置は、非線形光学素子130と非線形光学素子13
0のx軸(すなわち、光学主軸系において最小の屈折率
の大きな方向を示す軸)に平行な偏光方向を有し、波長
=1064nmのレーザ光を、タイプIIによる第2次
高調波光の発生に関して位相整合する方向(光学主軸系
でθ=15.5゜、φ=90゜)へ出力するNd:YA
Gレーザを含む光源230と、この光源230から出力
された直線偏光の偏光方向を45゜回転させる基本周波
数光に関する1/2波長板431と、非線形光学素子1
30から出力される第2次高調波光とこの第2高調波と
同一光路で出力される透過した基本周波数光とに対して
タイプIIで和周波混合による第3次高調波光の発生に
関する位相整合方向(θ=41゜、φ=90゜)から非
線形光学素子130に入力する光路を設定するミラー3
31およびミラー332と、この光路中に配置された基
本周波数光の偏光方向は偏光せずに第2次高調波光のみ
の偏光方向を90゜回転する第2高調波光に関する1/
2波長板432と、やはりこの光路中に配置された第2
次高調波光の偏光方向は偏光せずに基本周波数光のみの
偏光方向を45゜回転する基本周波数光に関する1/2
波長板433と、非線形光学素子130から出力される
第3次高調波光とこの第3次高調波光と同一光路で出力
される基本周波数光および第2次高調波光とについて第
3次高調波光のみを反射するミラー335と、ミラー3
35を透過した基本周波数光と第2次高調波光とについ
て第2次高調波光のみを反射するミラー336と、から
構成される。
【0038】この装置では、まず、光源230から、N
d:YAGレーザのレーザ発振による、波長=1064
nmのレーザ光の内、非線型光学素子130のx軸方向
に平行な偏光方向を有する直線偏光成分を選択されて基
本周波数光として出力される。光源230から出力され
た基本周波数光は、基本周波数光に関する1/2波長板
431を経由することにより偏光方向について45゜回
転が施され、この基本周波数光の波長および偏光方向に
ついてタイプIIで位相整合する方向(光学主軸系にお
いて、θ=15.5゜、φ=90゜)から、非線形光学
素子130であるLBO結晶へ入力される。非線形光学
素子130において、基本周波数光の担った電界に応答
して電界に関して2次の成分を有する電気分極が生じ
る。この電気分極を種として、位相整合条件に従い、基
本周波数光と同一方向に進行する第2次高調波光が発生
し、透過する基本周波数光とともに非線形光学素子13
0から出力される。ここで、発生した第2次高調波光の
偏光方向は、x軸に対して平行となっている。
【0039】次に、非線形光学素子130から同一方向
へ出力された、上記の基本周波数光と第2次高調波光と
に対して、ミラー331およびミラー332を使用し
て、タイプIIで和周波混合による第3次高調波光の発
生に関する位相整合方向(θ=41゜、φ=90゜)か
ら非線形光学素子130に入力する光路を設定するとと
もに、この光路中に配置された第2次高調波光に関する
1/2波長板432を使用して基本周波数光の偏光方向
は変化させずに第2次高調波光のみの偏光方向を90゜
回転し、また、やはりこの光路中に配置された基本周波
数光に関する1/2波長板433を使用して第2次高調
波光の偏光方向は変化させずに基本周波数光のみの偏光
方向を45゜回転させてx軸に平行とし、タイプIIの
位相整合条件を整える。こうして、非線形光学素子13
0に同時に入力した基本周波数光と第2次高調波光と
は、非線形光学素子130の非線形光学応答(入力光の
電界に対する2次の電気分極成分の発生)によって、和
周波混合され第3次高調波光が生成され、透過する基本
周波数光および第2次高調波光とともに非線形光学素子
130から出力される。ここで、発生した第3次高調波
光の偏光方向は、透過した基本周波数光の偏光方向と平
行となっている。
【0040】次いで、非線形光学素子130から同一方
向へ出力された、上記の基本周波数光と第2次高調波光
と第3次高調波とを、これらの光の光路上に配置された
ミラー335およびミラー336を使用して分離するこ
とにより、第2次高調波と第3次高調波を同時に得るこ
とができる。
【0041】(第4実施例)本実施例は、非線形光学素
子としてLiB3 5 結晶(結晶構造:mm2、以後、
LBO結晶と呼ぶ)を、基本周波数光としてNd:YA
Gレーザの発生する波長=1064nmのレーザ光を用
い、第2次高調波光の生成、第3高調波光の生成、およ
び第4高調波の生成をタイプIで行ったものである。
【0042】図4は、本実施例の装置の構成を示す。こ
の装置は、第1実施例の装置に対して更にタイプIでの
基本周波数光と第3次高調波光との和周波混合を実施さ
せるようにしたものであり、非線形光学素子110と非
線形光学素子110のz軸(すなわち、光学主軸系にお
いて最も屈折率の大きな方向を示す軸)に平行な偏光方
向を有し、波長=1064nmのレーザ光を、タイプI
による第2次高調波光の発生に関して位相整合する方向
(光学主軸系でθ=90゜、φ=12゜)へ出力するN
d:YAGレーザを含む光源210と、非線形光学素子
110から出力される第2次高調波光とこの第2高調波
と同一光路で出力される透過した基本周波数光とに対し
てタイプIで和周波混合による第3次高調波光の発生に
関する位相整合方向(θ=90゜、φ=38.4゜)か
ら非線形光学素子110に入力する光路を設定するミラ
ー311およびミラー312と、この光路中に配置され
た基本周波数光の偏光方向は偏光せずに第2次高調波光
のみの偏光方向を90゜回転する第2高調波光に関する
1/2波長板410と、非線形光学素子110から出力
される第3次高調波光とこの第3高調波と同一光路で出
力される透過した基本周波数光とに対してタイプIで和
周波混合による第4次高調波光の発生に関する位相整合
方向(θ=90゜、φ=57゜)から非線形光学素子1
10に入力する光路を設定するミラー341およびミラ
ー342と、この光路中に配置された基本周波数光の偏
光方向は偏光せずに第2次高調波光のみの偏光方向を9
0゜回転する第3次高調波光に関する1/2波長板44
0と、非線形光学素子110から出力される第4次高調
波光と、この第4次高調波光と同一光路で出力される基
本周波数光、第2次高調波光および第3次高調波光とに
ついて第4次高調波光のみを反射するミラー344と、
基本周波数光、第2次高調波光および第3次高調波光と
について第3次高調波光のみを反射するミラー345
と、ミラー345を透過した基本周波数光と第2次高調
波光とについて第2次高調波光のみを反射するミラー3
46と、から構成される。
【0043】この装置では、第3次高調波光の生成まで
は第1実施例と全く同一の動作で行われる。第3次高調
波光の生成に引き続き、非線形光学素子110から同一
方向へ出力された、上記の基本周波数光と第3次高調波
光とに対して、ミラー341およびミラー342を使用
して、タイプIで和周波混合による第4次高調波光の発
生に関する位相整合方向(θ=90゜、φ=57゜)か
ら非線形光学素子110に入力する光路を設定するとと
もに、この光路中に配置された第3高調波光に関する1
/2波長板を使用して基本周波数光の偏光方向は変化さ
せずに第3次高調波光のみの偏光方向を90゜回転して
双方の偏光方向をz軸と平行とし、タイプIの位相整合
条件を整える。こうして、非線形光学素子110に同時
に入力した基本周波数光と第3次高調波光とは、非線形
光学素子110の非線形光学応答(入力光の電界に対す
る2次の電気分極成分の発生)によって、和周波混合さ
れ第4次高調波光が生成され、透過する基本周波数光、
第2次高調波光および第3次高調波光とともに非線形光
学素子110から出力される。ここで、発生した第3次
高調波の偏光方向は、透過した基本周波数光の偏光方向
とは垂直となっている。
【0044】次いで、非線形光学素子110から同一方
向へ出力された、上記の基本周波数光と第2次高調波光
と第3次高調波光と第4次高調波光とを、これらの光の
光路上に配置されたミラー344、ミラー345および
ミラー346を使用して分離することにより、第2次高
調波光と第3次高調波光と第4次高調波光を同時にかつ
独立に得ることができる。
【0045】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく様々な変形が可能である。例えば、上記実施例1〜
4では第2次高調波光の生成、第3次高調波光の生成、
および第4次高調波光の生成は同一のタイプを用いて実
施し、光路の設定を同一の平面上で行ったが、夫々の高
調波光の生成は、タイプIあるいはタイプIIのいずれ
で実施してもよく、一つの装置でタイプIとタイプII
とを混在して使用しても光高調波発生器を構成すること
もできる。このように、タイプIとタイプIIとを混在
させた場合には、全ての光路を同一平面上に設定するこ
とは不可能になる。
【0046】また、上記の実施例では、非線形光学素子
としてLBO結晶を使用したが、これ以外にβ−BaB
2 4 (BBO)結晶、KH2 PO4 (KDP)結晶、
KD2 PO4 (KD* P)結晶、KTiOPO4 (KT
P)結晶、またはLiIO3結晶などを使用してもよ
い。ただし、位相整合方向および高調波・和周波発生率
は夫々の結晶によって異なるので、上記実施例とは異な
る偏光方向・光路設定を実施する必要がある。たとえ
ば、BBO結晶を使用した場合、上記実施例と同一波長
(1064nm)の基本周波数光を使用して第3次高調
波光までを発生させるにあったては、タイプIではタイ
プIIの約2倍の高調波発生効率を有するので、タイプ
Iで高調波生成を実施することが望ましい。この、BB
O結晶でのタイプIによる高調波発生の位相整合方向
は、第2次高調波発生で(θ=23゜、φ=0゜)であ
り、第3次高調波発生で(θ=31゜、φ=0゜)であ
る。
【0047】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の光
高調波発生器によれば、単一の非線形光学素子を使用し
て、まず、この非線形光学素子に入力する直線偏光の
偏光方向と非線形光学素子を形成する結晶の光学主軸の
方向に応じて、第2次高調波の発生に関する位相整合方
向から非線形光学素子へ直線偏光を入力して、第2次高
調波を生成し、更に、同一方向に出力される、基本周
波数光と第n次高調波光とを、この非線形光学素子に夫
々の偏光方向を調整後、第(n+1)次高調波光の発生
に関する位相整合方向から入力して、第(n+1)次高
調波光を生成しているので、3次以上の高調波生成にあ
たって、非線形光学素子の動作安定化のための温度調節
の対象が一つの結晶のみで済み、単一の非線形光学素子
の簡単な構成で、かつ容易に安定動作制御可能な装置を
廉価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の光高調波発生器の構成図である。
【図2】第2実施例の光高調波発生器の構成図である。
【図3】第3実施例の光高調波発生器の構成図である。
【図4】第4実施例の光高調波発生器の構成図である。
【図5】従来の光高調波発生器の構成図である。
【符号の説明】
110,120,130…非線形光学素子、210,2
20,230…光源、3…311,312,321,3
22,331,332,341,342…ミラー、31
5,316,325,326,335,336,34
4,345,346…波長選択透過ミラー、431,4
33…基本周波数光の1/2波長板、410,420,
432…第2次高調波の1/2波長板、440…第3次
高調波の1/2波長板。
フロントページの続き (56)参考文献 J.T.LIN,et.al.,Te mpereture−tuned no ncritically phase− matched frequency conversion in LiB3 O5 Crystal,OPTICS COMMUNICATIONS,1990年 12月15日,Vol.80,No.2,p p.159−165 G.C.BHAR,et.al.,A nalyses of Phase−M atching for Noncol linear Three−Wave mixing in Uniaxial Crystals,JAPANESE JOURNAL OF APPLIE D PHYSICS,1990年 6月20 日,Vol.29,No.6,pp.1103 −1107 加藤洌,β−BaB204によるNd; YAGレーザーの第4,5高調波発生, レーザー研究,1990年 1月29日,第18 巻,第1号,pp.3−7 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 - 1/39 JICSTファイル(JOIS)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次の非線形光学効果を有する単一の非
    線形光学素子と、 前記非線形光学素子に同一方向から入射する2つの直線
    偏光の偏光方向が互いに平行の場合に第2次高調波光の
    発生に関して位相整合する方向から、前記非線形光学素
    子へ入射する直線偏光した基本周波数光を出射するレー
    ザ光源と、 前記非線形光学素子から同一方向に出射される基本周波
    数光と第2次高調波光とについて、第3次高調波光の発
    生に関して位相整合する方向から前記非線形光学素子へ
    入射する光路および偏光方向を設定する光路・偏光方向
    設定手段と、 を含んで構成されることを特徴とする光高調波発生器。
  2. 【請求項2】 前記非線形光学素子は、LiB35結晶
    から成り、 前記非線形光学素子に入射する基本周波数光の偏光方向
    は、前記非線形光学素子をなす結晶における最も屈折率
    の大きな光学主軸の方向である、 ことを特徴とする請求項1記載の光高調波発生器。
  3. 【請求項3】 前記光路・偏光方向設定手段は、 前記光路を形成するための1つ以上の反射鏡と、 前記光路中に配置され、前記第2次高調波光の偏光方向
    を90゜回転して前記基本周波数光の偏光方向と平行と
    する、第2次高調波光に関する1/2波長板と、 から構成されることを特徴とする請求項1記載の光高調
    波発生器。
  4. 【請求項4】 2次の非線形光学効果を有する単一の非
    線形光学素子と、 前記非線形光学素子に同一方向から入射する2つの直線
    偏光の偏光方向が互いに平行の場合に第2次高調波光の
    発生が位相整合する第1の方向から、前記非線形光学素
    子へ入射する直線偏光した基本周波数光を出射するレー
    ザ光源と、 前記非線形光学素子から同一方向に出射される基本周波
    数光と第2次高調波光とについて、第3次高調波光の発
    生に関して位相整合する方向から前記非線形光学素子へ
    入射する第1の光路および偏光方向を設定する第1の光
    路・偏光方向設定手段と、 前記非線形光学素子から同一方向に出射される基本周波
    数光と第3次高調波光とについて、第4次高調波光の発
    生に関して位相整合する方向から前記非線形光学素子へ
    入射する第2の光路および偏光方向を設定する第2の光
    路・偏光方向設定手段と、 を含んで構成されることを特徴とする光高調波発生器。
  5. 【請求項5】 前記非線形光学素子は、LiB35結晶
    から成り、 前記非線形光学素子に入射する基本周波数光の偏光方向
    は、前記非線形光学素子をなす結晶における最も屈折率
    の大きな光学主軸の方向である、 ことを特徴とする請求項4記載の光高調波発生器。
  6. 【請求項6】 前記第1の光路・偏光方向設定手段は、 前記第1の光路を形成するための1つ以上の反射鏡と、 前記第1の光路中に配置され、前記第2次高調波光の偏
    光方向を90゜回転して前記基本周波数光の偏光方向と
    平行とする第2次高調波光に関する第1の1/2波長板
    と、 から構成されることを特徴とする請求項4記載の光高調
    波発生器。
  7. 【請求項7】 前記第2の光路・偏光方向設定手段は、 前記第2の光路を形成するための1つ以上の反射鏡と、 前記第2の光路中に配置され、前記第3次高調波光の偏
    光方向を90゜回転して前記基本周波数光の偏光方向と
    平行とする第3次高調波光に関する第2の1/2波長板
    と、 から構成されることを特徴とする請求項6記載の光高調
    波発生器。
  8. 【請求項8】 2次の非線形光学効果を有する単一の非
    線形光学素子と、 前記非線形光学素子に同一方向から入射する2つの直線
    偏光の偏光方向が互いに垂直の場合に第2次高調波光の
    発生が位相整合する方向から入射する、直線偏光した基
    本周波数光を出射するレーザ光源と、 前記レーザ光源の出射した直線偏光した基本周波数光の
    偏光方向を45゜回転させる基本周波数光に関する第1
    の1/2波長板と、 前記非線形光学素子から同一方向に出射される基本周波
    数光と第2次高調波光とについて、第3次高調波光の発
    生に関して位相整合する方向から前記非線形光学素子へ
    入射する光路および偏光方向を設定する光路・偏光方向
    設定手段と、 を含んで構成されることを特徴とする光高調波発生器。
  9. 【請求項9】 前記非線形光学素子は、LiB35結晶
    から成り、 基本周波数光に関する前記第1の1/2波長板に入射す
    る基本周波数光の偏光方向は、前記非線形光学素子をな
    す結晶における最も屈折率の小さな光学主軸の方向であ
    る、 ことを特徴とする請求項8記載の光高調波発生器。
  10. 【請求項10】 前記光路・偏光方向設定手段は、 前記光路を形成するための1つ以上の反射鏡と、 前記光路中に配置され、前記基本周波数光の偏光方向を
    45゜回転させる基本周波数光に関する第2の1/2波
    長板と、 前記光路中に配置され、前記第2次高調波光の偏光方向
    を90゜回転して前記基本周波数光の偏光方向と垂直と
    する、第2次高調波光に関する第3の1/2波長板と、 から構成されることを特徴とする請求項8記載の光高調
    波発生器。
  11. 【請求項11】 2次の非線形光学効果を有する単一の
    非線形光学素子と、 前記非線形光学素子に同一方向から入射する2つの直線
    偏光の偏光方向が互いに垂直の場合に第2次高調波光の
    発生が位相整合する方向から入射する、直線偏光した基
    本周波数光を出射するレーザ光源と、 前記レーザ光源の出射した直線偏光した基本周波数光の
    偏光方向を45゜回転させる基本周波数光に関する第1
    の1/2波長板と、 前記非線形光学素子から同一方向に出射される基本周波
    数光と第2次高調波光とについて、第3次高調波光の発
    生に関して位相整合する方向から前記非線形光学素子へ
    入射する第1の光路および偏光方向を設定する第1の光
    路・偏光方向設定手段と、 前記非線形光学素子から同一方向に出射される基本周波
    数光と第3次高調波光とについて、第4次高調波光の発
    生に関して位相整合する方向から前記非線形光学素子へ
    入射する第2の光路および偏光方向を設定する第2の光
    路・偏光方向設定手段と、 を含んで構成されることを特徴とする光高調波発生器。
  12. 【請求項12】 前記非線形光学素子は、LiB35
    晶から成り、 前記非線形光学素子に入射する基本周波数光の偏光方向
    は、前記非線形光学素子をなす結晶における最も屈折率
    の小さな光学主軸の方向である、 ことを特徴とする請求項11記載の光高調波発生器。
  13. 【請求項13】 前記第1の光路・偏光方向設定手段
    は、 前記第1の光路を形成するための1つ以上の反射鏡と、 前記第1の光路中に配置され、前記第1の1/2波長板
    における前記基本周波数光の偏光方向の回転方向とは逆
    の方向に前記基本周波数光の偏光方向を45゜回転させ
    る、基本周波数光に関する第2の1/2波長板と、 前記第1の光路中に配置され、前記第2次高調波光の偏
    光方向を90゜回転させる第2次高調波光に関する第3
    の1/2波長板と、 から構成されることを特徴とする請求項11記載の光高
    調波発生器。
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