JPH11230979A - 加速度センサおよび加速度センサにおける電極接続方法 - Google Patents

加速度センサおよび加速度センサにおける電極接続方法

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JPH11230979A
JPH11230979A JP2741998A JP2741998A JPH11230979A JP H11230979 A JPH11230979 A JP H11230979A JP 2741998 A JP2741998 A JP 2741998A JP 2741998 A JP2741998 A JP 2741998A JP H11230979 A JPH11230979 A JP H11230979A
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JP
Japan
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electrode
piezoelectric ceramic
acceleration sensor
ceramic element
wire
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JP2741998A
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English (en)
Inventor
Shogo Asano
勝吾 浅野
Harumi Aoki
治美 青木
Haruhiko Sekino
晴彦 関野
Tomohiro Odajima
智博 小田島
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電セラミック素子と各端子との接続に、A
lワイヤ・ボンディング工法(超音波接合)の実施を可
能し、かつ信頼性の高い接続部分にする。 【解決手段】 圧電セラミック素子5の各電極14,1
5の導電材としてAg−Pt導電材を用いることによ
り、各リード端子9,19との接続にAlワイヤ・ボン
ディング工法を可能にして、Alのワイヤ7′,
7′′′による細線接続を行い、しかもワイヤ7′,
7′′′と電極14,15との接合部分をコーティング
剤40,41の薄い被膜によって覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内燃機関を
用いて走行する車における加速度などを測定または検出
するために用いられる、加速度センサおよびその加速度
センサにおける電極接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13ないし図21は従来の加速度セン
サの構成を示す構成図であって、図13は加速度センサ
全体の平面断面図、図14は加速度センサ全体の正面断
面図、図15は図13におけるA−A線断面図、図16
は加速度センサにおける圧電セラミック素子周囲部分を
示す平面図、図17は図16の圧電セラミック素子周囲
部分の正面断面図、図18はセンサ出力用の圧電セラミ
ック素子の平面図、図19は焦電キャンセル用の圧電セ
ラミック素子の平面図、図20は振動板の一例を示す平
面図、図21は図20の振動板の正面断面図である。
【0003】これらの図において、101は基台であ
り、その表面中央部に位置決め穴102を有する環状突
起103が形成されている。104は振動板であり、そ
の中央部が基台101の環状突起103に溶接などの手
段により固定されている。105は振動板104の上面
に固定されたセンサ出力用の圧電セラミック素子であ
る。圧電セラミック素子105は、図18に示すよう
に、中心部に丸穴106を有するドーナツ状に形成さ
れ、表面がセンサ出力用のプラス電極107と圧電素子
駆動用のプラス電極108とに同心円的に2分割されて
いる。さらに圧電セラミック素子105は、その裏面全
体に形成されたマイナス電極109が、振動板104の
中央部に形成された環状ビード110の外周に丸穴10
6を嵌め込んだ状態で、振動板104の表面に導通接着
されている。
【0004】111は焦電キャンセル用の圧電セラミッ
ク素子であり、図19に示すように、圧電セラミック素
子105のプラス電極107と同じ面積であって、しか
も同様に中心部に丸穴112を有しており、表面のプラ
ス電極113と、裏面のマイナス電極114とを有して
いる。圧電セラミック素子111は、表面のプラス電極
113側を振動板104の裏面に、その中央部に形成さ
れた環状ビード115の外周に丸穴112を嵌め込んだ
状態で導通接着されている。
【0005】振動板104は、図20および図21に示
すように、金属円板の中心部に基台101の位置決め穴
102と同型の位置決め穴116を有し、その周りに同
心円状に環状ビード110,115が、それぞれ表面お
よび裏面に径を順次大きくして形成されている。
【0006】圧電セラミック素子105のプラス電極1
07と圧電セラミック素子111のマイナス電極114
は、それぞれリードフレーム118,119に対して半
田120,121により接続され、絶縁埋め込みリード
ピン122および回路基板123を介してセンサ出力用
リードピン124(図16参照)へと接続されている。
これは、周囲温度の影響を受けて焦電現象によってセン
サ出力用の圧電セラミック素子105のプラス電極10
7に発生した電荷をキャンセルする役目を果たすもので
ある。
【0007】125は圧電セラミック素子駆動用のリー
ドピンであり、リードフレーム126を介して圧電セラ
ミック素子105のプラス電極108に半田127によ
り接続されている。128は回路基板123の電源供給
用リードピンであり、それぞれ回路基板123に接続さ
れている。130,131は回路基板123を支持する
ための絶縁埋め込みリードピンである。回路基板123
には、インピーダンス変換回路,出力増幅回路あるいは
瀘波回路などが設けられている。
【0008】リードピンのうち122,124,12
5,128,130,131は、基台101に封着ガラ
ス132などの手段により絶縁ハーメチック固定され、
グランド用リードピン129だけがロウ付けなどの手段
により導通接続されている。133は基台101の位置
決め穴102を封着するための封着ガラスである。電源
の供給は、電源供給用リードピン128およびグランド
用リードピン129を通じて行われる。
【0009】134はキャップであり、その周縁のフラ
ンジ135が基台101の全周にわたって抵抗溶接また
は冷間圧接等の手段によって固定されている。これによ
り、圧電セラミック素子105,111および回路基板
123を内蔵する空間部136が密閉されている。
【0010】このような構成からなる加速度センサは、
基台101に形成された取付穴137を介してボルト1
38およびワッシャ139により自動車の車体などに取
り付けて使用される。
【0011】次に前記従来の加速度センサの動作につい
て説明する。自動車などの走行により発生した加速度
は、基台101を介して振動板104に伝えられ、振動
板104に撓みを与える。振動板104の撓みは、両圧
電セラミック素子105,111に引張り力と圧縮力と
を交互に与えるため、両圧電セラミック素子105,1
11に電荷が発生する。この電荷は、回路基板123の
インピーダンス変換回路において電圧に変換され、必要
な帯域および最適な出力レベルになるように瀘波回路お
よび増幅回路を通って出力され、センサ出力が得られ
る。
【0012】また、圧電セラミックは、一般的に、温度
変化に対しても同様に電荷を発生する焦電現象を有する
ので、これを減少するために、この加速度センサでは両
圧電セラミック素子105,111が互いに逆極性同士
で接続されており、発生電荷がキャンセルされるように
なっている。
【0013】また、自動車などに使用される加速度セン
サは、特に高い精度および品質が要求されるため、確実
に動作するか否かをコントローラ側でチェックできるよ
うに、圧電セラミック素子105のプラス電極がセンサ
出力用のプラス電極107と素子駆動用のプラス電極1
08とに2分割されており、コントローラ側の発振回路
から駆動用電極に適当な信号を入力することにより、セ
ンサ出力用のプラス電極107にそれに対応した駆動出
力が現れ、センサの故障診断ができるようになってい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の加速度センサでは、圧電セラミック素子の電極から
のリードピン,信号取り出し用リード線の接続を半田付
けとしていたため、半田への電極部分の銀成分が吸収さ
れてしまう、いわゆる電極の銀喰われによる電極剥離の
発生、あるいは小型化が困難であるという問題があっ
た。
【0015】さらに、前記従来の加速度センサでは、両
圧電セラミック素子105,111のそれぞれ一方の電
極109,113が基台101に導出されているため、
基台101あるいはキャップ134を介して、ノイズを
拾いやすいという問題があった。また、従来の加速度セ
ンサを車体に取り付けた場合、車体自体が拾ったノイズ
もセンサ特性に影響を及ぼしやすいという問題もあっ
た。
【0016】また、組付け作業性上において、各リード
ピン124,125,128,129のそれぞれにハー
ネスを接続しなければならず、組付け作業が非常に面倒
になり、作業性が悪いという問題があった。
【0017】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、圧電セラミックの信号取り出し用リード
部において微細線接続を可能にし、しかもその接続部分
の信頼性が高く、センサとしての品質を低下させること
なく、加速度センサの超小型化を実現し、使用に当たっ
ての組付け作業が非常に簡単になる加速度センサおよび
加速度センサにおける電極接続方法を提供することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、圧電セラミックにおける複数の電極部に
設けられた銀(Ag)−白金(Pt)材などからなる電
極導電部間をアルミニウム(Al)を用いて超音波接合
によるワイヤ・ボンディングによって微細線接続すると
共に、ワイヤが機械的に接合されることになる接合部分
を薄膜コーティングして覆ったものである。
【0019】前記構成によって、加速度感知部である圧
電セラミック素子の分割された出力電極と駆動電極(自
己診断用)のそれぞれと各端子間とにおけるその接続に
微細線接続工法を可能にしたため、加速度センサ自体の
超小型化が実現できるとともに、電極の銀喰われによる
電極剥離をなくすことができ、加速度センサの品質を大
幅に向上できると共に、細やかで複雑な接続作業を自動
化することが可能になるため組立性が向上する。しかも
ワイヤと電極との接合部分をコーティングすることによ
って、湿度,冷熱などの環境変化に対応することがで
き、接合部分の信頼性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、圧電セラミックを用いた加速度センサにおいて、圧
電セラミックにおける複数の電極部に電極導電部を設
け、これらの電極導電部間を電極導電部に対して超音波
接合されたアルミニウム細線によって電気的に接続し、
さらに接合部分に薄膜コーティングを形成したことを特
徴とし、この構成によって、電極間の接続として微細線
接続工法の採用したため、加速度センサ自体の超小型化
が実現できるとともに、しかもワイヤと電極との接合部
分をコーティングすることによって、湿度,冷熱などの
環境変化に対応することができ、接合部分の信頼性が向
上するため、加速度センサの品質を向上できると共に、
細かで複雑な接続作業を自動化することが可能になるた
め組立性が向上する。
【0021】請求項2に記載の発明は、前記電極導電部
を、銀−白金材により構成したことを特徴とし、この構
成によって、従来の半田接続において生じていた電極の
銀喰われによる電極剥離をなくすことができ、加速度セ
ンサの品質を大幅に向上できる。
【0022】請求項3に記載の発明は、前記接合部分
を、硬化時に収縮し、かつ耐熱性,耐湿性に優れた樹脂
材によって薄膜コーティングしたことを特徴し、この構
成によって、ワイヤと電極との接合部分において、樹脂
収縮による固定補強がなされ、同時に湿度,冷熱などの
環境変化に対応することができ、接合部分の信頼性が極
めて向上する。
【0023】請求項4に記載の発明は、前記接合部分
を、ポリイミド樹脂によって薄膜コーティングしたこと
を特徴とする。
【0024】請求項5に記載の発明は、圧電セラミック
を用いた加速度センサにおける電極間を電気的に接続す
るための電極接続方法において、圧電セラミックにおけ
る複数の電極部に、銀−白金材を用いて印刷,焼成する
ことによって電極導電部をそれぞれ形成し、これらの電
極導電部間を、アルミニウムを用いて超音波接合による
ワイヤ・ボンディングによって微細線接続し、その後、
その接続部分を薄膜コーティングによって覆うことを特
徴とし、この方法によって、加速度センサ自体の超小型
化が実現でき、加速度センサの品質を大幅に向上できる
請求項1〜4に記載の構成の加速度センサの製造に際
し、その細やかで複雑な接続作業を自動化することが可
能になる。
【0025】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。
【0026】図1は本発明の一実施形態を説明するため
の加速度センサ全体の平面断面図、図2は加速度センサ
全体の正面断面図、図3は加速度センサ全体の側面図で
ある。
【0027】図1〜図3において、ベースユニット1の
片面中央部に形成された位置決めピン25を有する突起
部1′に、図9に示す構造の振動板4が中央部において
溶接などの手段によって固定され、振動板4の上面に、
図7に示す表面のプラス電極がセンサ出力プラス電極1
4と圧電素子駆動用プラス電極15とに2分割され、か
つ裏面にマイナス電極2が形成されたセンサ出力用の圧
電セラミック素子5が、振動板4の中央部に形成された
ビード10の外周に導通接着固定されている。
【0028】また、振動板4の下面には、図8に示すよ
うに、圧電セラミック素子5のセンサ出力プラス電極1
4と同じ面積のセンサ出力マイナス電極3を貼合せ面と
反対側に有する焦電キャンセル用の圧電セラミック素子
6が、振動板4に形成されたビード10′の外周に導通
接着されていると共に(ビード10′は設けなくてもよ
い)、センサ出力プラス電極14と焦電キャンセル用の
圧電セラミック素子6のセンサ出力マイナス電極3と
が、それぞれワイヤ7′およびワイヤ7′′にて30お
よび31の箇所で超音波接合されている。
【0029】ワイヤ7′およびワイヤ7′′の他方の端
は、リード端子9の表裏にそれぞれ32,33の箇所で
超音波接合されている。したがって、両圧電セラミック
素子5,6の出力信号はリード端子9,ターミナル34
および回路基板11を介して出力リードピン12へと接
続されている。これは周囲温度の影響を受けて、焦電現
象によってセンサ出力プラス電極14に発生した電荷を
焦電キャンセル用の圧電セラミック素子6のセンサ出力
マイナス電極3に発生した電荷でキャンセルする機能を
果たすものである。さらに焦電キャンセル用の圧電セラ
ミック素子6には、センサ出力マイナス電極3と同心円
的に圧電素子駆動用マイナス電極15′が形成されてお
り、また圧電セラミック素子6の接着面にはプラス電極
8が形成されており、振動板4と導通接着されている。
【0030】振動板4には同心円状にビード10,1
0′が形成されており、剛性向上と接着剤流れ防止の役
目を果たしている。なお、振動板としては、図10に示
す振動板4′のように外周部4aを絞って、出力アップ
を図った形状のものであってもよい。
【0031】両圧電セラミック素子5,6のそれぞれの
表裏の各電極14,15,2,3,15′,8を焼き付
け等の手法によって形成する導電材としてAg−Pt導
電材を用いている。このことによって、両圧電セラミッ
ク素子5,6の各電極14,15,3,15′と各リー
ド端子9,19とのAlワイヤ・ボンディング接続工法
が可能になり、Alのワイヤ7′,7′′,7′′′,
7′′′′による細線接続が可能になった。
【0032】このように、圧電セラミック素子の各電極
と各端子との接続にAlワイヤ・ボンディング接続(超
音波接合)という微細線接続工法を可能にしたことであ
り、これによって狭いスペースでも信号線の接続が可能
となり、センサの超小型化を実現できる。加えて、従来
の半田付け接続で問題になっていた電極の銀喰われによ
る電極剥離の発生を防止することができる。
【0033】ところが、本実施形態に係る前記構成の加
速度センサでは、ワイヤ材質であるAlと、圧電セラミ
ック素子表裏面に形成された導電体材質であるAgと
は、合金接合とはならずアンカー効果等によるメカニカ
ル接合となっているため、冷熱が繰り返される環境や湿
気環境に対して弱く、ワイヤ接続部の強度が低下し、極
端な場合は、接続部分において剥離が生じるという問題
の発生が考えられる。
【0034】そこで、本実施形態では次のようにして前
記問題を解決している。図4はワイヤ接続部の環境変化
の対応構造を説明するための加速度センサにおける圧電
セラミック素子周囲部分を示す平面図、図5は図4の圧
電セラミック素子周囲部分の正面断面図、図6はワイヤ
接続部を拡大して示す説明図である。
【0035】図4〜図6において、40は圧電セラミッ
ク素子5のセンサ出力用プラス電極14とアルミワイヤ
7′との接合部30に塗布されたコーティング剤であ
り、41は圧電セラミック素子5の圧電素子駆動用プラ
ス電極15とアルミワイヤ7′′′との接合部29に薄
膜状に塗布されたコーティング剤である。さらに、42
は焦電キャンセル用の圧電セラミック素子6のセンサ出
力マイナス電極3(図8参照)とアルミワイヤ7′′と
の接合部31に塗布されたコーティング剤、43は焦電
キャンセル用の圧電セラミック素子6の圧電素子駆動用
マイナス電極15′(図8参照)とアルミワイヤ
7′′′′との接合部35に塗布されたコーティング剤
である。
【0036】図6に示すように、前記各コーティング剤
40(41,42,43)は、接合部30(29,3
1,35)において、アルミワイヤ7′(7′′,
7′′′,7′′′′)と圧電セラミック素子5,6に
おける各電極14(15,3,15′)の細かな隙間ま
で浸透して確実にコーティングするように塗布され、加
熱硬化後には溶剤が揮発して薄い被膜となっている。コ
ーティング剤40(41,42,43)は、硬化時の収
縮性によって接合部を押さえ付けるように作用し、耐熱
性,防湿性を有し、接合部の信頼性を強化する。
【0037】コーティング剤40(41,42,43)
としては、ポリイミド樹脂を使用することが好ましい
が、硬化時における収縮性,耐熱性,防湿性を有するも
のであれば、無機質被膜,有機質被膜のいずれでもよ
く、しかも、センサ特性に影響を与えない範囲において
できるだけ薄くコーティングすることが望ましい。
【0038】また、図2に示すベースユニット1には、
リードピン12,13,16が封着ガラス23などによ
って絶縁ハーメチック固定され、グランド用リードピン
17のみをロウ付けなどの手段で導通接合された基台2
8に接着剤によって接合されている。リードピン12,
13,16,17は、それぞれ12′,13′,1
6′,17′の位置のリードピンがフォーミングされた
ものである。
【0039】素子駆動用リードピン13は、ターミナル
36を介してリード端子19に接続されている。リード
端子19は、ワイヤ7′′′を介して圧電セラミック素
子5に形成された圧電素子駆動用プラス電極15に29
の箇所で、またワイヤ7′′′′を介して圧電セラミッ
ク素子6に形成された圧電素子駆動用マイナス電極1
5′に35の箇所においてそれぞれ超音波接合されてい
る。ワイヤ7′′′およびワイヤ7′′′′の他方の端
は、リード端子19の表裏にそれぞれ37,38の箇所
で超音波接合されている。したがって、圧電セラミック
素子5,6の駆動信号は素子駆動用リードピン13か
ら、回路基板11,ターミナル36およびリード端子1
9を介して圧電素子駆動用プラス電極15に伝えられ
る。16は回路基板11の電源供給リードピン、17は
グランド用リードピンであって、それぞれ回路基板11
に接続されている。21は回路基板11を支持するため
の絶縁埋め込みリードピンである。
【0040】回路基板11は、リードピン12,13,
16,17およびターミナル18,34,36に半田付
け固定(24)されている。図3における26は、セン
サを制御用基板27などに固定、半田付けをするための
サポート端子である。
【0041】本実施形態による加速度センサは、リード
ピン12,13,16,17のフォーミング有無によっ
て図1〜図3に示すように、圧電セラミック素子5,6
が取付面(制御用基板27)に対して直角になるような
自立型(フォーミングあり)であるが、図11,図12
に示すように、取付面である制御用基板27に対して水
平になるような面付け型(フォーミング無し)において
も適用することができる。なお、39は面付け時にセン
サ本体を制御用基板27から浮かすためのガラスであ
り、基台28と一体にハーメチック固定されている。
【0042】さらに、20はキャップであり、キャップ
フランジ20aで基台28に全周抵抗溶接または全周冷
間圧接などの手段によって固定されている。したがっ
て、このキャップ20によって、圧電セラミック素子
5,6および回路基板11を内蔵する空間部22は密封
される。
【0043】回路基板11の回路部は、インピーダンス
変換,出力の増幅,濾波を目的とするものである。
【0044】前記構成の加速度センサにおける検出経路
は下記の通りである。
【0045】自動車に発生した加速度は、基台28,ベ
ースユニット1を介して振動板4に伝播されて振動板4
に撓みを与える。振動板4の撓みは圧電セラミック素子
5,6に引張力と圧縮力とを交互に与えるため、圧電セ
ラミック素子5,6に電荷が発生する。この電荷は回路
基板11に形成されたインピーダンス変換回路において
電圧に変換され、必要な帯域および最適なレベルにされ
て瀘波回路,増幅回路を通って、センサ出力が得られる
ことになる。
【0046】また、圧電セラミックは温度変化に対して
も同様に電荷を発生する(焦電現象)が、圧電セラミッ
ク素子5,6は逆極性にしてあり、発生電荷がキャンセ
ルされるようになって前記焦電現象の影響が少なくな
る。
【0047】なお、この加速度センサは自動車用を目的
としているために高い信頼性が要求される。そのため、
故障しているか否かをコントローラ側でチェックできる
ようにするため、センサ出力用の圧電セラミック素子5
の電極が分割されており、コントローラ側の発振回路か
ら圧電素子駆動用プラス電極15に適当な信号を駆動入
力として出力すれば、センサ出力プラス電極14にそれ
に対応した駆動電力が現れ、センサの故障診断が可能と
なる。
【0048】回路部は電源供給リードピン16およびグ
ランド用リードピン17から電源が供給され、駆動され
ることとなる。
【0049】以上説明したように、本実施形態の特徴か
ら、次のような主たる効果が得られる。すなわち、第1
として、圧電セラミック素子の各電極と各端子との接続
にAlワイヤ・ボンディング接続(超音波接合)という
微細線接続工法を可能にしたことであり、これによって
狭いスペースでも信号線の接続が可能となり、センサの
超小型化を実現できる。加えて、従来の半田付け接続で
問題になっていた電極の銀喰われによる電極剥離の発生
を防止することができる。
【0050】その第2として、アルミワイヤと圧電セラ
ミック素子の表裏面に形成された導電体との超音波接合
部にポリイミド樹脂からなる薄い被膜をコーティングす
るため、下記のような効果がある。すなわち、 コーティング被膜の硬化時の収縮性により接合部を
押さえ付けることによって、剥離を防止することができ
る。
【0051】 耐熱性被膜であるため、冷熱サイクル
環境下でもその被膜が柔らかくなったり、硬くなったり
しないため、接合部に応力を与えることが少ない。
【0052】 防湿性被膜であるため、外部からの湿
気を通しにくく、接合部(アンカー結合)への湿気の侵
入を防止することができる。
【0053】 被膜厚さが薄いため、冷熱サイクル時
の被膜の熱応力が小さく、さらに湿気による膨潤がない
ため、接合部に与えるストレスは小さくてすむ。
【0054】 被膜が低粘度でかつ浸透性がよいた
め、アルミワイヤと圧電セラミック素子電極との接合部
の細かい隙間までコーティングすることができる。
【0055】その第3として、振動板の表裏両面に正負
電極を背中合わせに2枚の圧電セラミック素子を接着
し、温度変化に基づき2枚の圧電セラミック素子に生じ
る電荷を互いにキャンセルし、いわゆる焦電効果による
ノイズを無くすことができる。
【0056】その第4としては、センサ出力用の圧電セ
ラミック素子を駆動電極とセンサ出力電極とに分割し、
駆動電極に適当な駆動信号を入力し、センサ出力電極に
生じる出力の状態によってセンサが正しく動作している
か否かをチェックすることができる。
【0057】以上のほか、次のような効果も得ることが
できる。
【0058】すなわち、回路部を内蔵し、信号線の取り
出しを、基台にハーメチック植設されたリード線を介し
て行い、キャップを全周抵抗溶接などの手段よって固定
することによって、トランスデューサおよび回路部を完
全密封構造とすることにより、信頼性の向上が図られ
る。
【0059】回路部をトランスデューサの上部に配置す
ることによって、回路基板と外部リードピンとの接続作
業が容易となると共に、全体の小型化が図れる。
【0060】振動板形状として、中央部の表裏にそれぞ
れ同心円状にビードを形成することによって、振動板の
剛性向上と圧電セラミック接着時の接着剤流れの防止が
図れる。
【0061】振動板外周部に絞り加工を施して、付加重
量を付け、センサ出力の増加が図られ、S/Nを向上す
ることができる。
【0062】出力,駆動素子の分割を同心円状に形成す
ると共に、駆動電極を外側に、かつ出力電極を内側にそ
れぞれ配置することによって、外部励振時のセンサ出力
および電気駆動時の駆動出力の両方を大きく得ることが
できる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の加速度セ
ンサおよび加速度センサにおける電極接続方法によれ
ば、圧電セラミックの電極導電材として、Ag−Pt導
電材などを使用することによって、圧電セラミック電極
のAlワイヤ・ボンディング接続工法の採用が可能にな
り、この結果として、信号取り出し用リード線の接続に
微細線接続工法を援用することによって、加速度センサ
の超小型化を実現することができると共に、ワイヤ接合
部をコーティングすることによって、さらに加速度セン
サとしての品質を低下させることなく、使用に当たって
組付け作業が非常に簡単になる加速度センサを提供する
ことができる。
【0064】さらに、Alワイヤの接合部分に薄膜コー
ティングを形成したことによって、接合部がメカニカル
接合であっても剥離し難くすることができ、また冷熱サ
イクル,湿気に対して高い信頼性を有することになり、
さらに被膜厚さが薄いため、接合部に与えるストレスは
小さく、高い信頼性の接合を保証でき、高品質の加速度
センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための加速度セ
ンサ全体の平面断面図
【図2】本発明の一実施形態の加速度センサ全体の正面
断面図
【図3】本発明の一実施形態の加速度センサ全体の側面
【図4】本発明の一実施形態の加速度センサにおけるワ
イヤ接続部の環境変化の対応構造を説明するための圧電
セラミック素子周囲部分を示す平面図
【図5】図4の圧電セラミック素子周囲部分の正面断面
【図6】図4,図5におけるワイヤ接続部を拡大して示
す説明図
【図7】本発明の一実施形態のセンサ出力用の加速度セ
ンサにおける圧電セラミック素子を示す説明図であっ
て、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は底面図
【図8】本発明の一実施形態の焦電キャンセル用の加速
度センサにおける圧電セラミック素子を示す説明図であ
って、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は底面
【図9】本発明の一実施形態の振動板を示す説明図であ
って、(a)は平面図、(b)は断面図
【図10】図9の振動板の変形例を示す説明図であっ
て、(a)は平面図、(b)は断面図
【図11】本発明が適用される加速度センサの他の例を
示す正面断面図
【図12】図11の加速度センサの側面図
【図13】従来の加速度センサ全体の平面断面図
【図14】従来の加速度センサ全体の正面断面図
【図15】図13におけるA−A線断面図
【図16】従来の加速度センサにおける圧電セラミック
素子周囲部分を示す平面図
【図17】図16の圧電セラミック素子周囲部分の正面
断面図
【図18】従来のセンサ出力用の圧電セラミック素子の
平面図
【図19】従来の焦電キャンセル用の圧電セラミック素
子の平面図
【図20】従来の振動板の一例を示す平面図
【図21】図20の振動板の正面断面図
【符号の説明】
1 ベースユニット 2 センサ出力用の圧電セラミック素子のマイナス電極 3 焦電キャンセル用の圧電セラミック素子のマイナス
電極 4 振動板 5 センサ出力用の圧電セラミック素子 6 焦電キャンセル用の圧電セラミック素子 7′,7′′,7′′′,7′′′′ ワイヤ 8 焦電キャンセル用の圧電セラミック素子のプラス電
極 9,19 リード端子 10,10′ ビード 11 回路基板 12 出力リードピン 13 素子駆動用リードピン 14 センサ出力プラス電極 15 圧電素子駆動用のプラス電極 16 電源供給リードピン 17 グランド用リードピン 18,34,36 ターミナル 20 キャップ 22 空間部 23 封着ガラス 25 位置決めピン 26 サポート端子 27 制御用基板 28 基台 29,30,31,32,33,35,38 ワイヤボ
ンディング箇所 40,41,42,43 コーティング剤
フロントページの続き (72)発明者 小田島 智博 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックを用いた加速度センサに
    おいて、圧電セラミックにおける複数の電極部に電極導
    電部を設け、これらの電極導電部間を電極導電部に対し
    て超音波接合されたアルミニウム細線によって電気的に
    接続し、さらに接合部分に薄膜コーティングを形成した
    ことを特徴とする加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記電極導電部を、銀−白金材により構
    成したことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記接合部分を、硬化時に収縮し、かつ
    耐熱性,耐湿性に優れたコーティング剤によって薄膜コ
    ーティングしたことを特徴とする請求項1記載の加速度
    センサ。
  4. 【請求項4】 前記接合部分を、ポリイミド樹脂によっ
    て薄膜コーティングしたことを特徴とする請求項1また
    は3記載の加速度センサにおける電極接続方法。
  5. 【請求項5】 圧電セラミックを用いた加速度センサに
    おける電極間を電気的に接続するための電極接続方法に
    おいて、圧電セラミックにおける複数の電極部に、銀−
    白金材を用いて印刷,焼成することによって電極導電部
    をそれぞれ形成し、これらの電極導電部間を、アルミニ
    ウムを用いて超音波接合によるワイヤ・ボンディングに
    よって微細線接続し、その後、その接続部分を薄膜コー
    ティングによって覆うことを特徴とする加速度センサに
    おける電極接続方法。
JP2741998A 1998-02-09 1998-02-09 加速度センサおよび加速度センサにおける電極接続方法 Pending JPH11230979A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114966108A (zh) * 2022-03-30 2022-08-30 北京遥测技术研究所 一种超宽温加速度传感器及其制备方法

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