JPH11230834A - 炉体温度分布計測装置 - Google Patents

炉体温度分布計測装置

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JPH11230834A
JPH11230834A JP10032637A JP3263798A JPH11230834A JP H11230834 A JPH11230834 A JP H11230834A JP 10032637 A JP10032637 A JP 10032637A JP 3263798 A JP3263798 A JP 3263798A JP H11230834 A JPH11230834 A JP H11230834A
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JP
Japan
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optical fiber
scattered light
metal tube
furnace
furnace body
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JP10032637A
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English (en)
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Koichi Tezuka
浩一 手塚
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉体各部の温度分布を計測し、耐火物の残存
状況や耐火物の以上損耗等を推定、把握するための炉体
温度分布計測方法を提供する。 【解決手段】 炉体の耐火物2の内部、耐火物2と鉄皮
1の境界面あるいは鉄皮1の表面に一端または両端が炉
外に開放された状態で敷設された第1の金属管10と、
これに挿入された第2の金属管11と、これに挿入され
た光ファイバ12と、この中にその一端からレーザ光を
入射するレーザ光入射手段13と、光ファイバ内で発生
する散乱光を検出する散乱光検出手段13と、検出され
た散乱光の強度から光ファイバの各位置の温度を算出す
る信号処理装置35とを備えている炉体温度分布計測装
置。さらに、光ファイバ12が、一定温度以上で昇華す
る材料で被覆されており、第2の金属管11の中にその
一端から不活性ガスを流通させるガス流通手段を備えた
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ等の廃棄
物焼却炉より発生する灰を溶融しスラグ化、減容する灰
溶融炉等について、炉体の耐火物等の温度分布を計測す
る炉体温度分布計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気抵抗式灰溶融炉においては、炉内に
挿入された複数の電極間で廃棄物を介して通電すること
により、廃棄物を電気抵抗により発生する熱により加熱
溶融する。溶融された灰からは主としてスラグが生成さ
れ炉内にスラグ層を形成する。その他、灰中に微量に含
まれる金属分も溶融し、比重差により炉底部に溶融メタ
ル層が形成される。
【0003】この電気抵抗式灰溶融炉では、炉内には灰
が連続して投入され順次溶融する一方、炉体側面に設け
られたスラグ出滓孔より、溶融スラグおよび溶融メタル
が適宜炉外に排出される形で連続操業が行われる。
【0004】このため、炉内には常時恒温の溶融スラグ
層および溶融メタル層が保持された状態になる。従っ
て、炉体内面の耐火物には常に高い熱負荷がかかった状
態となり、炉体・炉壁の耐火物は損耗していく。また、
炉内に挿入された電極直下の部分の炉底耐火物は特に熱
負荷が高く、損耗が激しい。
【0005】そこで、炉体耐火物の損耗状況、異常損
傷、スラグまたはメタルの差込等の状況を把握すること
が、溶融炉の安定操業、炉体の維持管理には必要とされ
る。操業中の炉体耐火物の残存厚を把握、推定する方法
としては、熱電対を用いて炉体表面または炉体耐火物中
の各部の温度を計測、監視し、操業に伴なう温度変化に
より、耐火物の残存状況を推定する方法がある。
【0006】また、特開平4−74813号公報には、
炉体耐火物の外壁面近傍に光ファイバを巡らせ配置し、
光ファイバ内の後方散乱光を検出することにより、温度
を検出する方法が提案されている。その内容は、光ファ
イバの後方散乱光について、散乱光を構成する複数の光
の成分の内、温度に依存する成分と依存しない成分の強
度比から、温度を求める。また、散乱光の発生した位置
は、その散乱光の往復時間から算出するというものであ
る。
【0007】この技術では、光ファイバとして、石英フ
ァイバでその外周が樹脂被覆されたものが使用されてい
る。また、保護のため、例えば1mm程度のSUS管で被
覆することができると記載されている。
【0008】特開平8−145810号公報には、金属
管の中に光ファイバを通したセンサを、被測定箇所に埋
め込みないし差し込んで使用する方法が提案されてい
る。この技術では、金属管の中に保護雰囲気ガスを流通
させて、光ファイバが長時間に耐えるようにでき、ま
た、被覆にポリイミド樹脂を使用することが提案されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】炉体または炉体耐火物
の温度を熱電対により計測する方法では、炉体全体の耐
火物の温度分布を監視するためには多数の熱電対を配置
する必要がある。実際の設備においては、熱電対の敷
設、配置が困難であり、設置後も計測値の処理、個々の
熱電対のメンテナンスが煩雑となる。光ファイバの使用
により、このような熱電対の使用による問題点は解決で
きるが、従来の光ファイバによる温度分布測定には、次
のような問題点があった。
【0010】例えば、特開平4−74813号公報記載
の技術では、炉体あるいは耐火物の熱膨張により、光フ
ァイバに外力が作用し断線することがあった。これは、
1mm程度のSUS管で被覆した場合は多少改善される
が、SUS管と石英ファイバの熱膨張の差により、石英
ファイバに引張り方向の力が作用して断線する可能性が
出てくる。
【0011】また、この技術は、耐火物の外壁面近傍は
ともかく、それより内部の高温域では使用できない。そ
れは、光ファイバの外周が樹脂被覆と記載されている
が、通常の樹脂は高温で溶融し炭化するため、光ファイ
バが耐火物あるいは被覆のSUS管と固着し、熱膨張の
影響を受け易くなるためである。
【0012】また、特開平8−145810号公報記載
の技術では、被覆にポリイミド樹脂を使用しているの
で、被覆の炭化は防止できる。また、金属管と光ファイ
バの間にガスを流通させる隙間があるので、金属管の熱
膨張による悪影響も防止できる。しかしながら、かなり
長い金属管を被測定箇所に埋め込んで使用しており、光
ファイバの劣化や破損により、測定精度の低下あるいは
測定中止を避けられないという問題があった。
【0013】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、炉体各部の温度分布を計測し、耐火
物の残存状況や耐火物の以上損耗等を推定、把握するた
めの炉体温度分布計測方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、炉体の耐
火物の内部、耐火物と鉄皮の境界面あるいは鉄皮の表面
に一端または両端が炉外に開放された状態で敷設された
第1の金属管と、第1の金属管に挿入された第2の金属
管と、第2の金属管に挿入された光ファイバと、この光
ファイバの中にその一端からレーザ光を入射するレーザ
光入射手段と、光ファイバ内で発生する散乱光を検出す
る散乱光検出手段と、検出された散乱光の強度から光フ
ァイバの各位置の温度を算出する信号処理装置とを備え
ている炉体温度分布計測装置である。
【0015】この発明では、第1の金属管を溶融炉の耐
火物の内部、耐火物と鉄皮の境界面あるいは鉄皮の表面
に、一端または両端が炉外に開放された状態で敷設す
る。第1の金属管の中には、第2の金属管に挿入された
光ファイバを挿入する。この第2の金属管に挿入された
光ファイバを、さらに第1の金属管の中に挿入すること
により、光ファイバの温度は、敷設された箇所の耐火物
または鉄皮の温度と同一か、あるいは一定の関係(温度
差一定等)で対応した温度となる。
【0016】この光ファイバの一端からレーザ光を入射
すると、レーザ光の通過に伴い、光ファイバ内で光の散
乱が発生する。光ファイバ内で発生する散乱光の強度
は、光ファイバの材質と温度により決定される。光ファ
イバ内で発生する散乱光は、等方的に発生するので、一
部は後方散乱光としてレーザ光の入射端側に伝播する。
散乱光検出手段では、この後方散乱光を分離検出してそ
の強度を計測する。信号処理装置では、光ファイバの各
所の温度を算出する。なお、光ファイバ内で散乱光が発
生した位置は、光の伝播時間により分離する。このよう
にして、光ファイバの温度分布、すなわち光ファイバの
敷設された箇所の耐火物または鉄皮の温度分布が計測で
きる。
【0017】この発明では、耐火物の内部、耐火物と鉄
皮の境界面あるいは鉄皮の表面に敷設された第1の金属
管の中に、光ファイバが挿入される。従って、操業に伴
い炉体温度が上昇し、耐火物や鉄皮が熱膨張等により変
形した場合でも、光ファイバ自体に直接外力が作用せ
ず、外力により切断される確率が低減される。
【0018】また、光ファイバはさらに第2の金属管の
中に挿入されて保護されているので、第1の金属管が変
形しても、光ファイバへの外力の作用をほぼ完全に防止
できる。また、この2重管構造により、外側の管(第1
の金属管)の敷設と光ファイバの敷設を別々に行うこと
が可能となる。光ファイバの敷設の際は、敷設された第
1の金属管の中に、内側の管(第2の金属管)ごと光フ
ァイバを挿入することができる。
【0019】なお、第1の金属管は、中に光ファイバが
挿入された第2の金属管を、挿入および抜き出しできる
形状に敷設する。そのためには、第1の金属管の屈曲を
少なくし、屈曲させる際は曲率を小さく(曲率半径を大
きく)する。第1の金属管の曲率等の具体的な値は、第
2の金属管の材質や太さ(内外径)に依存するので、経
験に基づきあるいは挿入の実験を行って決めればよい。
さらに、第1の金属管の内部は、第2の金属管を挿入し
やすくするため、できるだけ平滑にしておくことが望ま
しい。
【0020】このように、光ファイバを挿入する金属管
を2重管構造とすることにより、光ファイバの取扱いが
容易となり、挿入、敷設時の光ファイバの損傷の確率が
低減される。さらに、計測中に光ファイバ自体の損傷、
切断を生じた場合についても、内側の管ごと光ファイバ
を引き抜いて、代替の内側の管と光ファイバを容易に挿
入、交換することが可能となっている。
【0021】この発明の方法で、炉体の温度分布の計測
を継続して行うことにより、操業に伴う連続的な熱負荷
による耐火物の損耗状況を推定できる。また、耐火物の
局所的な損耗や、溶融スラグ、メタル等の耐火物への差
し込みによる、耐火物温度の局所的な変化を検出し、鉄
皮の破損に至る前に、操業条件の変更による熱負荷の軽
減や耐火物の補修等の対策を、適切に実施することが可
能となる。
【0022】第2の発明は、第2の金属管に挿入された
光ファイバが、一定温度以上で昇華する材料で被覆され
ており、第2の金属管の中にその一端から不活性ガスを
流通させるガス流通手段を備えた、第1の発明の炉体温
度分布計測装置である。
【0023】この発明では、光ファイバの被覆として一
定温度以上で昇華する材料を使用し、第2の金属管の中
に窒素等の不活性ガスを流通させている。ここで、一定
温度というのは、第1の金属管に挿入する際の温度より
は高いある温度である。例えば、敷設時の耐火物の余熱
等により加熱される可能性のある温度よりは高い温度と
する。光ファイバの被覆の材料をこのように選ぶことに
より、光ファイバを第1の金属管に挿入する際は被覆が
溶融あるいは昇華せず、光ファイバはこの被覆と第2の
金属管との両者により保護される。従って、敷設時の光
ファイバの損傷の確率がさらに低減される。
【0024】さらに、炉の操業条件、耐火物の損耗状況
により耐火物または鉄皮の温度が上昇し、光ファイバの
温度が上昇すると、被覆は昇華してガス化し不活性ガス
により(第2の)金属管の中から排出される。その結
果、従来の樹脂材料の被覆のように、溶融して炭化した
残存物を生じることがなく、金属管の中でこの残存物と
の摩擦等による光ファイバの切断が発生しない。
【0025】第3の発明は、一定のクロック周波数で駆
動された第1の疑似ランダム信号発生手段と、この第1
の疑似ランダム信号と同一の信号パターンで周波数のわ
ずかに異なる第2の疑似ランダム信号を発生する第2の
疑似ランダム信号発生手段と、光ファイバの一端から入
射するレーザ光として第1の疑似ランダム信号により強
度変調されたレーザ光を発生するレーザ光発生手段と、
検出された散乱光から特定波長の散乱光を分離する2つ
の散乱光分離手段と、分離された特定波長の散乱光の強
度変化を電気信号に変換する2つの変換手段と、第1の
疑似ランダム信号と第2の疑似ランダム信号との相関演
算を行う第1の相関演算手段と、前記変換された2つの
電気信号と第2の疑似ランダム信号との相関演算を行う
第2および第3の相関演算手段と、第1の相関演算手段
の出力と第2および第3の相関演算手段の出力とから前
記検出された散乱光の時間遅れを検出するとともに、第
2および第3の相関演算手段の出力を用いて温度を算出
する信号処理手段と、を備えた第1または第2の発明の
炉体温度分布計測装置である。
【0026】この発明では、クロック周波数のわずかに
異なる2つのM系列信号等の疑似ランダム信号を用い
て、後方散乱光の到着時間を測定している。時間測定の
際は、特開平8−145810号公報記載の技術と同様
に、2つのM系列信号等の疑似ランダム信号の間で相関
演算を行うことにより、相関値の繰返し周波数が、元の
信号の繰返し周波数より低下することを利用している。
これにより時間軸を大幅に拡大して、散乱光の到着時
間、即ち時間遅れを測定している。
【0027】このように、相関演算を入射レーザ光の第
1の信号と第2の信号の間(第1の相関演算手段)、お
よび2つの散乱光の信号と第2の信号の間(第2、第3
の相関演算手段)で行うことにより、入射レーザ光の信
号と散乱光の信号との時間間隔を拡大する。その結果、
時間測定の精度が向上し、それにより距離測定の精度が
向上する。
【0028】
【発明の実施の形態】図1(a)〜(c)に本発明の実
施形態の1例を示す。溶融炉は、鉄皮1で覆われた耐火
物2、スラグ出滓孔3、メタル排出孔4、炉蓋8、電極
9を備えており、炉内に溶融スラグ6および溶融メタル
7が保持されている。溶融炉の炉底には、第1の金属管
10、第2の金属管11、光ファイバ12が設置されて
おり、光ファイバ12の一端には、レーザ光入射手段と
散乱光検出手段を兼ねたレーザ光入射・散乱光検出装置
13が接続されている。
【0029】ここでは、炉底耐火物の全体の温度分布を
効率よく計測するために、積層された炉底耐火レンガの
異なる高さ(炉底からの高さ)の位置に複数の光ファイ
バ12を敷設している。光ファイバ12を敷設するため
に、2本1組で円周を構成する半円形状の第1の金属管
10を、両端を直線状とし両端を炉外に引き出した形で
耐火物中に埋設している。
【0030】この第1の金属管10には、曲率の異なる
物を複数組用意し、炉底耐火物の各所の計測が可能なよ
うに配置した。埋設した金属管10には、耐熱性を考慮
し内/外径がφ6/8mmのSUS管を使用している。
また、埋設した金属管10の内2本は、炉内に挿入され
る通電用の3本の電極の直下の部分を通過するように配
置し、電極直下の熱負荷の高い部分の耐火物温度分布が
計測できるようにした。
【0031】光ファイバ12としては、コア/クラッド
径φ200/250μmのポリイミド被覆ファイバを使
用し、光ファイバ12を予め第2の金属管11に挿入し
たものを作成した。ここでは、第2の金属管11として
内/外径がφ1.6/1.8mmのSUS管を使用して
いる。この光ファイバ12(第2の金属管11)を、耐
火物中に埋設された第1の金属管10の一端から挿入し
他端から引き出している。
【0032】光ファイバ12は、1本の光ファイバを複
数の第1の金属管の中に順次取り回して、挿入、敷設す
ることも可能であるが、この例では各金属管10に1本
ずつ挿入し、複数本の光ファイバ12を切り替えて計測
するようにしている。光ファイバを複数本使用すること
により、光ファイバ12の切断が発生した場合でも計測
に与える影響を少なくし、その光ファイバのみを交換す
るだけで容易に復旧することが可能となる。また、各光
ファイバ12の第2の金属管11の中には、一端から不
活性ガスとして窒素ガスを流通させ、他端から排出させ
てガスパージを行うようにした。
【0033】図2に、灰溶融炉の炉底耐火物の温度分布
の計測結果を示す。この図では、横軸が光ファイバの距
離、すなわち炉底耐火物の光ファイバに沿った位置を示
し、縦軸が各位置の温度を示す。図2(a)は正常な場
合、図2(b)は異常な場合をそれぞれ示す。図2
(a)では温度分布はほぼ均一であるが、図2(b)で
は光ファイバ埋設経路の一部で局所的な温度上昇が発生
したことを示している。
【0034】この局所的な温度上昇の発生位置には、操
業終了後に炉底耐火物の検査を行ったところ、炉底耐火
物に溶融メタルの耐火物への差込が発生していることが
確認された。このように本発明では、局所的な温度異常
を検出し、耐火物の異常損耗や差込の検出が可能であ
る。
【0035】この例では、金属管および光ファイバを溶
融炉の耐火物の内部に埋設して計測を行うようにした
が、これらを耐火物と鉄皮の境界位置に埋設することや
鉄皮の表面に金属管を固定することにより、計測を行う
ことも可能である。この場合、炉内から金属管、さらに
光ファイバまで熱が伝播する間に、熱の伝導、拡散によ
り温度分布が平滑化される。その結果、温度分布の細か
い変化の観察は困難となることも考えられるが、光ファ
イバに対する熱負荷が低減されるとともに、耐火物への
溶融スラグ、溶融メタルの差し込みによる光ファイバの
損傷、破断の可能性を低減することが可能である。
【0036】図3に、レーザ光入射・散乱光検出装置1
3の1構成例を示す。この装置は、疑似ランダム信号を
発生する第1、第2の疑似ランダム信号発生手段20、
21と、レーザ光発生手段22とにより、第1の疑似ラ
ンダム信号により強度変調されたレーザ光を発生し、光
ファイバ12に入射する。
【0037】戻ってきた散乱光については、この装置で
は方向性結合器23と、散乱光分離手段(光学フィル
タ)24、25と、散乱光の強度変化を電気信号に変換
する変換手段(光電変換器)26、27により、信号処
理用の信号を生成する。さらに、これらの信号を、第
1、第2、第3の相関演算手段を構成する乗算器(周波
数ミキサ)28、29、30および積分器(帯域制限フ
ィルタ)31、32、33と、信号処理装置35により
処理して、距離と温度を算出する。
【0038】疑似ランダム信号発生手段20、21に
は、フィードバックループを有するシフトレジスタによ
り構成されるM系列信号発生器を使用した。この例で
は、それぞれのクロック周波数は430.000MHz
および430.001MHz、符号長は1023に設定
してM系列信号を発生させている。
【0039】疑似ランダム信号発生器20、21の出力
は、乗算器28により乗算され、その結果の出力は積分
器31により帯域制限される。この信号は時間遅れのな
い信号であり、時間基準信号とする。
【0040】第1の疑似ランダム信号発生器20の出力
は、レーザ光発生手段22に入力され、疑似ランダム信
号(M系列信号)により強度変調されたレーザ光を発生
する。変調されたレーザ光は、方向性結合器23を介し
て光ファイバ12に入射される。光ファイバ12に入射
されたレーザ光は、光ファイバ中を伝播し、光ファイバ
中の各所で散乱光を発生する。これらの散乱光の一部は
レーザ入力端に伝播して、方向性結合器23により分割
され、光学フィルタ24、25により特定波長の光に分
離される。
【0041】光学フィルタ24、25は、それぞれ入力
レーザ光とは波長の異なる光のみを透過する特性を有し
ており、散乱光の内のラマン散乱光のストークス光とア
ンチストークス光を抽出する。抽出された散乱光は光電
変換器26、27により電気信号に変換される。
【0042】変換された電気信号は、乗算器29、30
および積分器32、33により積分(帯域制限)され
る。前述の積分器31と積分器32、33の出力は、信
号処理装置35に入力され、積分器31の出力である時
間基準信号に対する時間遅れからそれぞれに対応する散
乱光の発生した光ファイバ内の位置が特定される。ここ
では、入射レーザ光の信号と散乱光の信号の間で相関演
算を行うことにより、時間基準信号と散乱光の信号との
時間間隔を拡大している。その結果、時間測定の精度が
向上し、それにより距離測定の精度が向上する。
【0043】さらに、信号処理装置35では、積分器3
2、33の出力の比、すなわちストークス光とアンチス
トークス光の信号強度の比から、光ファイバ内のその位
置に対応する温度を算出する。このようにして、溶融炉
の温度分布を精度良く計測することが可能となる。
【0044】図4に、本発明の実施形態の別の1例を示
す。ここでは、第1、第2の金属管10、11、および
光ファイバ12を、スラグ出滓孔3またはメタル排出孔
4の周辺の耐火物の中に、スラグ出滓孔3またはメタル
排出孔4を取り囲む形で埋設、配置している。これによ
り、熱負荷が高く損傷が発生し易いスラグ出滓孔、メタ
ル排出孔周辺の耐火物温度分布が計測される。耐火物の
損耗状況を把握し、異常損耗、差込、損傷などの異常を
早期に発見することが可能となる。
【0045】またこの例では、スラグ出滓孔またはメタ
ル排出孔の周辺の耐火物の中に、壁面に平行に金属管お
よび光ファイバを埋設、敷設したが、スラグ出滓孔また
はメタル排出孔に平行に埋設、配置してもよい。このよ
うにすることで、スラグ出滓孔またはメタル排出孔に沿
った温度分布を計測し、耐火物の損耗状況を把握するこ
とが可能である。
【0046】
【発明の効果】この発明により、簡易な設備で耐火物あ
るいは鉄皮に光ファイバを敷設することができ、その温
度分布を計測することができる。計測された温度分布の
変化により、耐火物の損耗状況を推定することが可能と
なる。また、炉体各部の温度分布の変化を観察すること
により、局所的な温度の上昇等の異常を検知し、耐火物
の異常損耗や溶融スラグ、メタルの耐火物への差込等を
早期に発見し、操業への影響を抑制し、適切な補修を実
施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態の1例を示す図である。 (a)溶融炉の断面図 (b)溶融炉の平面図
(c)光ファイバの構造
【図2】灰溶融炉の炉底耐火物の温度分布測定結果の1
例を示す図である。 (a)正常な場合 (b)異常が発生した場合
【図3】レーザ光入射および散乱光検出を行う装置の1
例を示す図である。
【図4】発明の実施の形態の他の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 鉄皮 2 耐火物 3 スラグ出滓孔 4 メタル排出孔 6 溶融スラグ 7 溶融メタル7 8 炉蓋 9 電極 10 第1の金属管 11 第2の金属管 12 光ファイバ 13 レーザ光入射・散乱光検出装置 20 第1の疑似ランダム信号発生手段 21 第2の疑似ランダム信号発生手段 22 レーザ光発生手段 23 方向性結合器 24、25 散乱光分離手段(光学フィルタ)24 26、27 変換手段(光電変換器) 28、29、30 第1、第2、第3の乗算器(周波数
ミキサ) 31、32、33 第1、第2、第3の積分器(帯域制
限フィルタ) 35 信号処理装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体の耐火物の内部、耐火物と鉄皮の境
    界面あるいは鉄皮の表面に一端または両端が炉外に開放
    された状態で敷設された第1の金属管と、第1の金属管
    に挿入された第2の金属管と、第2の金属管に挿入され
    た光ファイバと、この光ファイバの中にその一端からレ
    ーザ光を入射するレーザ光入射手段と、光ファイバ内で
    発生する散乱光を検出する散乱光検出手段と、検出され
    た散乱光の強度から光ファイバの各位置の温度を算出す
    る信号処理装置とを備えている炉体温度分布計測装置。
  2. 【請求項2】 第2の金属管に挿入された光ファイバ
    が、一定温度以上で昇華する材料で被覆されており、第
    2の金属管の中にその一端から不活性ガスを流通させる
    ガス流通手段を備えた、請求項1記載の炉体温度分布計
    測装置。
  3. 【請求項3】 一定のクロック周波数で駆動された第1
    の疑似ランダム信号発生手段と、この第1の疑似ランダ
    ム信号と同一の信号パターンで周波数のわずかに異なる
    第2の疑似ランダム信号を発生する第2の疑似ランダム
    信号発生手段と、光ファイバの一端から入射するレーザ
    光として第1の疑似ランダム信号により強度変調された
    レーザ光を発生するレーザ光発生手段と、検出された散
    乱光から特定波長の散乱光を分離する2つの散乱光分離
    手段と、分離された特定波長の散乱光の強度変化を電気
    信号に変換する2つの変換手段と、第1の疑似ランダム
    信号と第2の疑似ランダム信号との相関演算を行う第1
    の相関演算手段と、前記変換された2つの電気信号と第
    2の疑似ランダム信号との相関演算を行う第2および第
    3の相関演算手段と、第1の相関演算手段の出力と第2
    および第3の相関演算手段の出力とから前記検出された
    散乱光の時間遅れを検出するとともに、第2および第3
    の相関演算手段の出力を用いて温度を算出する信号処理
    手段と、を備えた請求項1または請求項2記載の炉体温
    度分布計測装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011220933A (ja) * 2010-04-13 2011-11-04 Nippon Steel Engineering Co Ltd 管路内耐火物の残厚推定方法
JP2013040881A (ja) * 2011-08-18 2013-02-28 Nittetsu Elex Co Ltd 高炉の炉底耐火物の温度測定装置及び方法
CN105796331A (zh) * 2016-03-03 2016-07-27 浙江中医药大学 艾灸用集灰盒

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