JPH11230471A - 管内遮断具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス配管の遮断作業を迅速に行える管内遮断
具を提供する。 【解決手段】 配管１の内部に投入して膨張させ、配管
１の内周面に密着させて配管１を遮断する袋状の遮断具
本体２と、遮断具本体２を膨張させるべく遮断具本体２
の内部に流体４を供給する流体供給路５とを備えた管内
遮断具であって、遮断具本体２を配管１の内部に射出す
べく遮断具本体２を装填し、その先端部が配管１の破損
部或いは分岐部等から配管１の内部に挿入可能であっ
て、先端部に遮断具本体２を射出可能な開口を有する筒
状部材３と、遮断具本体２を配管１の内部に射出するた
めに、遮断具本体２を押圧する流体４を筒状部材３の内
部に供給すると共に、配管１の内部に射出した遮断具本
体２の内部に、流体供給路５を介して流体４を供給する
流体供給手段６とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、配管の内部に投入
して膨張させ、前記配管の内周面に密着させて前記配管
を遮断する袋状の遮断具本体と、当該遮断具本体を膨張
させるべく前記遮断具本体の内部に流体を供給する流体
供給路とを備えた管内遮断具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば前記配管の一つであるガス
配管を遮断する場合には、上記のごとく袋状の遮断具本
体をガス配管の内部に投入し、当該遮断具本体の内部に
空気等を供給して膨張させ、ガス配管の内周面に遮断具
本体を密着させることにより行っていた。前記遮断具本
体の投入に際しては、前記遮断具本体を投入できる大き
さの孔部をガス配管の何れかの場所に設ける必要があっ
た。また、ガス配管が破損した場合等にあっては、破損
箇所の近傍の安全な箇所で道路を掘削し、ガス配管に孔
部を設けて当該孔部から遮断具本体を投入してガス配管
の遮断を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の管内遮
断具による場合には、次のような問題があった。即ち、
従来、遮断具本体はゴム等で柔軟に構成されているた
め、前記ガス配管の内部に投入する際に遮断具本体がガ
ス配管の内周面に引っ掛かったり、所定の位置までスム
ーズに投入できない場合があった。よって、前記遮断具
本体をガス配管の内部に投入するためには、例えば、遮
断具本体が投入できるだけの大きさの孔部をガス配管に
設ける必要があった。この結果、当該孔部を形成する作
業に手間取ったり、ガス配管のサイズによってはそのよ
うな孔部を形成できる位置が制限されたりして、ガス配
管の遮断作業を迅速に行うことができなかった。本発明
の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、ガス配
管の遮断作業を迅速に行える管内遮断具を提供すること
にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成を、図１から図３に示した例を参考
に説明する。

【０００５】（構成１）本発明の管内遮断具は、請求項
１に記載したごとく、遮断具本体２を配管１の内部に射
出すべく前記遮断具本体２を装填し、その先端部が前記
配管１の破損部或いは分岐部等から前記配管１の内部に
挿入可能であって、前記先端部に前記遮断具本体２を射
出可能な開口を有する筒状部材３と、前記遮断具本体２
を前記配管１の内部に射出するために、前記遮断具本体
２を押圧する流体４を前記筒状部材３の内部に供給する
と共に、前記配管１の内部に射出した前記遮断具本体２
の内部に、前記流体供給路５を介して流体４を供給する
流体供給手段６とを有する点に特徴を有する。 （作用・効果）本構成のごとく、筒状部材を用いて遮断
具本体を配管の内部に射出することとすれば、前記筒状
部材さえ挿入可能な孔部が配管に備わっていればよいか
ら、従来のごとく、遮断具本体をガス配管の内部に直接
投入する場合に比べて、配管に設ける孔部のサイズを縮
径化することができ、当該孔部の穿設作業を簡単に行う
とができる。また、仮に、配管が損傷して開口している
ような場合でも、従来であれば、遮断具本体が損傷部に
引っ掛かるなどの不都合が生じていたが、本構成であれ
ば、当該開口に筒状部材を挿入すれば遮断具本体をスム
ーズに射出できる。以上のごとく、本構成であれば、ガ
ス配管の内部に簡単かつ迅速に遮断具本体を射出設置す
ることができる。

【０００６】（構成２）本発明の管内遮断具は、請求項
２に記載したごとく、前記筒状部材３を曲がり変形自在
な可撓性の部材で構成することができる。 （作用・効果）本構成であれば、ガス配管に形成した孔
部等の位置から、より奥部まで筒状部材の先端を挿入で
き、場合によっては、ガス配管の複数のコーナー部を介
してさらに奥部にまで筒状部材を挿入することが可能と
なる。その結果、遮断具本体を設置し得る領域が拡大さ
れるから、ガス配管を遮断するために最も効果的な位置
に遮断具本体を設置することができる。

【０００７】（構成３）本発明の管内遮断具は、請求項
３に記載したごとく、前記流体４として液体を用いるこ
とができる。 （作用・効果）本構成のごとく、遮断具本体を射出する
ための流体を液体で構成しておけば、当該液体を押圧供
給する場合に液体の体積が縮小しないから、前記流体供
給手段による押圧力がそのまま前記遮断具本体に伝達さ
れる。よって、前記遮断具本体を配管の内部に確実に射
出し、かつ、膨張させることができて、ガス配管の遮断
作業が極めて迅速なものとなる。

【０００８】尚、上記課題を解決するための手段の説明
中、図面を参照し、図面との対照を便利にするために符
号を記すが、当該記入により本発明が添付図面の構成に
限定されるものではない。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。

【００１０】本発明の管内遮断具の構成を図１（イ）
（ロ）に示す。本発明管に係る管内遮断具は、例えば図
１（イ）に示すごとく、各種配管１の一つであるガス配
管１ａをガス管工事に伴って遮断したり、或いは、別の
工事の際に誤って前記ガス配管１ａが破損した場合など
に、当該ガス配管１ａの内部の所定の位置に遮断具本体
２を射出して膨張させ、前記配管１を遮断するものであ
る。本発明の管内遮断具は、筒状部材３の内部に遮断具
本体２を装填しつつ、前記筒状部材３をガス配管１ａの
内部に挿入し、流体４を用いて前記遮断具本体２を前記
筒状部材３の先端部から前記ガス配管１ａの内部に射出
するものである。

【００１１】前記遮断具本体２は、例えば、各種のゴ
ム、あるいは、ポリウレタン、ポリエチレン等の弾性合
成樹脂を用いて袋状に構成する。当該構成であれば、遮
断具本体２を縮めた状態でガス配管１ａの内部に射出す
ることができ、ガス配管１ａの内部に射出した後におい
て容易に膨張させることができる。よって、遮断具本体
２を装填した筒状部材３をガス配管１ａの内部に挿入で
きさえすれば、ガス配管１ａの内部に遮断具本体２を射
出することができる。

【００１２】前記遮断具本体２は、当該遮断具本体２の
内部に流体４である水あるいはグリセリン等４ａを注入
して膨張させられ、図１（ロ）に示すごとく、ガス配管
１ａの内周面に密着してガス配管１ａの遮断を行う。そ
のためには、前記遮断具本体２の後端側、即ち、ガス配
管１ａに遮断具本体２を射出する際の射出方向Ｘの後端
側には流体供給路５を接続してあり、当該流体供給路５
のもう一方の端部は、ガス配管１ａの外部に延出させ
て、後述する流体供給手段６に接続してある。

【００１３】一方、ガス配管１ａの遮断を解消するに
は、注入した水４ａ等を再度抜き取ることで遮断具本体
２を収縮させる。この場合の水４ａ等の排出は、例え
ば、流体供給手段６による加圧を解除し、遮断具本体２
自身が有する弾性収縮力を利用して行う。ただし、当該
収縮力が弱い場合には、遮断具本体２が十分に小さくな
るまでに時間を要するから、流体供給手段６を用いて遮
断具本体２の内部の水４ａ等を強制的に排出させること
で遮断具本体２を縮めるものであってもよい。

【００１４】前記遮断具本体２をガス配管１ａの内部に
射出するには、図１に示すごとく筒状部材３を用いて行
う。即ち、予め遮断具本体２を長尺状の筒状部材３の内
部に装填しておき、当該筒状部材３をガス配管１ａに挿
入させる。遮断具本体２を筒状部材３の内部に装填する
際には、遮断具本体２と筒状部材３の内周面との間には
隙間が無いのが望ましい。なぜなら、遮断具本体２を射
出する際に隙間が存在していると、当該隙間から水４ａ
等が漏れ出ることとなって遮断具本体２を確実にガス配
管１ａの内部に射出することが困難となるからである。

【００１５】前記隙間を解消するためには、例えば図２
に示すごとく遮断具本体２をカバー体７に収納すること
とする。当該カバー体７は、例えば変形が容易なゴム等
を用いるものとし、砲弾形状等に構成する。前記カバー
体７の周壁部７ａには遮断具本体２の射出方向Ｘに沿っ
た切込み部８を設けておく。本構成であれば、筒状部材
３から射出した後の遮断具本体２に水４ａ等を注入した
場合に、前記カバー体７が切込み部８で容易に開き変形
するから、遮断具本体２の膨張が阻害されることはな
い。尚、図示は省略するがカバー体７と遮断具本体２と
は互いの一部どうしを接着しておいたり、糸などの連結
部材を用いて連結しておき、後に遮断具本体２を回収す
る際にカバー体７も同時に回収できるようにしておく。
また、カバー体７の後端面７ｂは、例えば、当該カバー
体７の射出方向Ｘに対して略垂直方向に延出するように
形成しておく。当該後端面７ｂが、射出に際する水４ａ
等の押圧力を受け止めることで、遮断具本体２がガス配
管１ａの内部に確実に射出される。以上のごとく、遮断
具本体２をカバー体７に収容する構成とすることで、遮
断具本体２はガス配管１ａの内部に対してスムーズに射
出されることとなる。

【００１６】遮断具本体２を射出し、膨張させる際の水
４ａ等は、流体供給手段６によって供給される。図１
（イ）に示すごとく、例えば流体供給手段６は加圧ポン
プ６ａで構成する。当該加圧ポンプ６ａから延出する流
体供給路５は、途中に三方弁１０を設けて筒状部材３と
遮断具本体２とに選択的に接続する。流体供給路５のう
ち、前記筒状部材３に接続する流路が射出用流路５ａと
なり、前記遮断具本体２に接続する流路が膨張用流路５
ｂとなる。前記射出用流路５ａにおいて、前記筒状部材
３に対する接続部の近傍には第１ニップル１１を設けて
ある。当該第１ニップル１１は、水４ａ等を筒状部材３
の内部に注入可能な状態と注入不可能な状態とに切り換
え自在である。前記遮断具本体２をガス配管１ａの内部
に射出する際には、前記第１ニップル１１を開き状態と
し、前記三方弁１０は、射出用流路５ａの側に切り換え
ておく。この状態で、加圧ポンプ６ａを手動あるいは自
動で操作して水４ａ等を供給すれば、遮断具本体２およ
びカバー体７がガス配管１ａの内部に射出される。遮断
具本体２等の射出が完了したことは、前記三方弁１０と
前記加圧ポンプ６ａとの間に設けた圧力計１２の指示圧
力が低下したことで確認することができる。本実施形態
のごとく、押圧媒体を水あるいはグリセリン等の流体４
で構成すれば、水４ａ等が加圧されても体積が殆ど減少
しないから、カバー体７および遮断具本体２を確実に射
出することができる。

【００１７】遮断具本体２をガス配管１ａの内部に射出
した後は、前記第１ニップル１１を閉じ状態とし、前記
三方弁１０を膨張用流路５ｂの側に切り換えると共に、
前記膨張用流路５ｂに設けた第２ニップル１３を開き状
態とする。この状態で前記加圧ポンプ６ａを押圧操作す
ることで、遮断具本体２の内部に水４ａ等が注入され、
遮断具本体２が膨張する。このとき、遮断具本体２を破
裂させないために、前記圧力計１２を監視して膨張用流
路５ｂの圧力が一定以上に高まらないように加圧ポンプ
６ａの操作力を加減する。

【００１８】（効果）以上のごとく、本発明の管内遮断
具であれば、筒状部材３をガス配管１ａの内部に挿入し
さえすれば、配管１の内部に遮断具本体２を確実に射出
することができるため、配管１の遮断を行う際には、配
管１の破損箇所から直に前記遮断具本体２を射出するこ
とができる。また、配管１に孔部を穿設する場合でも前
記筒状部材３を挿入できるだけの小さ孔部を形成すれば
よいから、穿設作業にそれほど手間取ることもなく、配
管１の遮断作業を迅速に行うことができる。

【００１９】〔別実施形態〕 〈１〉 上記実施形態では、筒状部材３の材質等は特に
限定しなかったが、前記筒状部材３は、例えば曲がり変
形自在に構成されているとなお都合がよい。例えば、前
記筒状部材３を構成するのに板状の長尺体を螺旋状に巻
き回して構成したり、或いは、可撓性を有する合成樹脂
あるいはゴム等で構成しておく。そのような構成であれ
ば、ガス配管１ａに形成した孔部等の位置から、より奥
部まで筒状部材３の先端を挿入でき、場合によっては、
ガス配管１ａの複数のコーナー部を介してさらに奥部に
まで筒状部材３を挿入することが可能となる。その結
果、遮断具本体２を設置し得る領域が拡大されるから、
ガス配管１ａを遮断するために最も効果的な位置に遮断
具本体２を設置することができることとなる。

【００２０】〈２〉 上記実施形態では、カバー体７を
単に砲弾形状に構成したが、図３（イ）（ロ）に示すご
とく、カバー体７の先端に案内用のピグ１４を取り付け
て構成してもよい。当該ピグ１４は、例えば球形の部材
で構成する。本構成であれば、遮断具本体２をガス配管
１ａの内部に射出する際に、ガス配管１ａの長手方向Ｙ
に対して多少大きい角度で、即ち、前記長手方向Ｙに対
して直角に近い角度で遮断具本体２を射出した場合に
も、遮断具本体２の射出方向Ｘがガス配管１ａの長手方
向Ｙに修正され易くなる。よって、射出に際して遮断具
本体２がガス配管１ａの内周面で引っ掛かるのを防止で
き、遮断具本体の射出をスムーズに行えることとなる。

【００２１】〈３〉 上記実施形態では、前記遮断具本
体２およびカバー体７をゴム又は弾性合成樹脂で構成す
る例を示したが、当該実施形態に限られるものではな
く、例えば、弾性を有しないナイロン或いはテトロン等
他の合成繊維等を使用することもできる。このような材
料は弾性を有しないものの、自由な変形が可能であるか
らガス配管１ａの内周面に確実に密着させることがで
き、優れた遮断効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の管内遮断具の構成を示す説明図

【図２】筒状部材への遮断具本体の装着状況を示す説明
図

【図３】別実施形態に係るカバー体を示す説明図

【符号の説明】

１ 配管 ２ 遮断具本体 ３ 筒状部材 ４ 流体 ５ 流体供給路 ６ 流体供給手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配管の内部に投入して膨張させ、前記配
   管の内周面に密着させて前記配管を遮断する袋状の遮断
   具本体と、 当該遮断具本体を膨張させるべく前記遮断具本体の内部
   に流体を供給する流体供給路とを備えた管内遮断具であ
   って、 前記遮断具本体を前記配管の内部に投入すべく前記遮断
   具本体を装填し、その先端部が前記配管の破損部或いは
   分岐部等から前記配管の内部に挿入可能であって、前記
   先端部に前記遮断具本体を射出可能な開口を有する筒状
   部材と、 前記遮断具本体を前記配管の内部に射出するために、前
   記遮断具本体を押圧する流体を前記筒状部材の内部に供
   給すると共に、前記配管の内部に射出した前記遮断具本
   体の内部に、前記流体供給路を介して流体を供給する流
   体供給手段とを有する管内遮断具。
2. 【請求項２】前記筒部材が曲がり変形自在な可撓性の部
   材で構成してある請求項１に記載の管内遮断具。
3. 【請求項３】前記流体として液体を用いる請求項１また
   は２に記載の管内遮断具。