JPH11228524A - ウレトジオン基含量の高いポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

ウレトジオン基含量の高いポリイソシアネートの製造方法

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JPH11228524A
JPH11228524A JP10041406A JP4140698A JPH11228524A JP H11228524 A JPH11228524 A JP H11228524A JP 10041406 A JP10041406 A JP 10041406A JP 4140698 A JP4140698 A JP 4140698A JP H11228524 A JPH11228524 A JP H11228524A
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智 村山
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俊二 水津
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
Shin Konishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直鎖脂肪族ジイソシアネートを用いた、ウレ
トジオン基含量の高いポリイソシアネートの製造方法を
提供する。 【解決手段】 直鎖脂肪族ジイソシアネート系ポリイソ
シアネートと、溶解度パラメータが7(cal/c
31/2以上である非芳香族系有機溶剤を用いてウレト
ジオン化反応を行う製造方法により解決する。この発明
によって、従来の製造方法では得られなかったウレトジ
オン基含量の高いポリイソシアネートを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直鎖脂肪族ジイソ
シアネートを用いたウレトジオン基含量の高いポリイソ
シアネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレトジオン基は、イソシアネート基2
個が反応することで生成し、その反応機構は可逆的であ
ることが知られている。このため、ウレトジオン基が潜
在的なイソシアネート基源となることを利用して、塗
料、接着剤、フォーム等の応用が検討されている。ま
た、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートより、ウ
レトジオン/イソシアヌレート変性ポリイソシアネート
のほうが粘度が低くなることも知られている。このこと
を利用して、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート
の低粘度化が検討されている。
【0003】ウレトジオン基含有ポリイソシアネート
は、例えば特開昭56−127359号公報、特開昭5
8−39666号公報、特開昭60−258164号公
報、特開昭61−200969号公報、特開平4−28
8316号公報等により、特に脂肪族ジイソシアネート
を用いたウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、特
開昭59−33265号公報等で公知となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭56−1273
59号公報、特開昭58−39666号公報、特開昭6
0−258164号公報、特開昭61−200969号
公報、特開平4−288316号公報等に記載されてい
るウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、芳香族ポ
リイソシアネートを変性している。しかし、一般的に芳
香族ポリイソシアネートのウレトジオン変性体は固体で
あり、融点が高く、有機溶剤への溶解性が低いため、こ
れらの塗料や接着剤への応用が困難であった。
【0005】また、特開昭59−33265号公報記載
のウレトジオン基含有ポリイソシアネートに用いられる
脂肪族ジイソシアネートは、側鎖を有する脂肪族ジイソ
シアネートであり、このイソシアネートを用いてウレト
ジオン基含量の高いポリイソシアネートの提供が可能と
なっている。しかし、前述の特許公報に記載されている
方法で、側鎖のない直鎖脂肪族ジイソシアネートをウレ
トジオン変性すると、副反応であるイソシアヌレート化
反応が優先してしまうため、ウレトジオン基含量の高い
ポリイソシアネートが得られなかった。なお、特開平7
−304836号公報に、ウレトジオン基含有量の高い
ポリイソシアネートの例が記載されているが、イソシア
ヌレート基含有量も比較的高いものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の問題点を解決するため、鋭意検討の結果、直鎖
脂肪族ジイソシアネート又はこれを用いたイソシアネー
ト基末端プレポリマーのウレトジオン化反応を、特定の
有機溶剤を用いて行うことにより、イソシアヌレート化
反応を抑制し、ウレトジオン基含量の高いポリイソシア
ネートが得られることを見いだし、本発明を完成させる
に至った。
【0007】すなわち、本発明は以下の(1)〜(3)
である。 (1) 直鎖脂肪族ジイソシアネート、溶解度パラメー
ターが7(cal/cm31/2以上である非芳香族系有
機溶剤、及びウレトジオン化触媒を用いることを特徴と
する、ウレトジオン基含量の高いポリイソシアネートの
製造方法。
【0008】(2) 直鎖脂肪族ジイソシアネートと活
性水素基含有化合物を反応させて得られるイソシアネー
ト基末端プレポリマー、溶解度パラメーターが7(ca
l/cm31/2以上である非芳香族系有機溶剤、及びウ
レトジオン化触媒を用いることを特徴とする、ウレトジ
オン基含量の高いポリイソシアネートの製造方法。
【0009】(3) 直鎖脂肪族ジイソシアネートが、
ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の、ウレトジオン基含量の
高いポリイソシアネートの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明に用いられる直鎖脂肪族ジイソシアネート
は、下記の化学構造式 OCN(CH2)nNCO(nは1以上の整数) (1) で表されるものである。具体的には、テトラメチレンジ
イソシアネート(以下BDIと略する)、ペンタメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
(以下HDIと略する)、ヘプタメチレンジイソアイネ
ート、オクタメチレンジイソアイネート、デカメチレン
ジイソシアネート(以下DDIと略する)等が挙げられ
る。これらは単独又は2種以上使用してもよい。本発明
においては、nが偶数のものが好ましく、特にBDI、
HDI、DDIが好ましく、更にはHDIが最も好まし
い。
【0011】また、必要に応じて、上記の直鎖脂肪族ジ
イソシアネート以外の有機ポリイソシアネートを併用す
ることができる。例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシ
アネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、p−
フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシ
アネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシ
リレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネ
ート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニト
ロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′
−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、
3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシ
アネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′
−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、2−
メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート等の側鎖を持つ脂肪族ジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタン
ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネー
ト、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テ
トラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシ
ルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げ
られる。また、これらの有機ジイソシアネートのウレタ
ン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイ
ソシアネート、ウレア変性ポリイソシアネート、ビウレ
ット変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポ
リイソシアネート、ウレトンイミン変性ポリイソシアネ
ート、ウレトジオン変性ポリイソシアネート、カルボジ
イミド変性ポリイソシアネート等のいわゆる変性ポリイ
ソシアネートも使用できる。更に、ポリフェニレンポリ
メチレンポリイソシアネート、クルードトリレンジイソ
シアネート等のような、いわゆるポリメリック体といわ
れるものも使用できる。これらの有機ポリイソシアネ−
トは単独又は2種以上の混合物で使用することができ
る。
【0012】本発明に用いられるイソシアネート基末端
プレポリマーにおいて、これを得るのに用いられる有機
ポリイソシアネートは、前述した直鎖脂肪族ジイソシア
ネートである。この直鎖脂肪族ジイソシアネートは、n
が偶数のものが好ましく、特にBDI、HDI、DDI
が好ましく、更にはHDIが最も好ましい。なお、この
イソシアネート基末端プレポリマーに用いられる有機ポ
リイソシアネートも、必要に応じて前述の直鎖脂肪族ジ
イソシアネート以外の有機ポリイソシアネートを併用し
てもよい。
【0013】また、イソシアネート基末端プレポリマー
を構成する活性水素基含有化合物としては、数平均分子
量が500〜10,000の長鎖ポリオール、数平均分
子量が500未満の鎖延長剤と呼ばれるものがある。直
鎖脂肪族ジイソシアネート及び活性水素基含有化合物
は、それぞれ単独又は2種以上使用してもよい。
【0014】長鎖ポリオールとしては、ポリエステルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテル
ポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリ
オール及びこれらのコポリオール等がある。
【0015】前記ポリエステルポリオールとしては、公
知のシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタ
ル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカ
ルボン酸、(部分)酸エステル、又は(部分)酸無水物
等の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール(以下1,2−PGと略する)、1,3
−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール(以
下1,2−BDと略する)、1,3−ブタンジオール
(以下1,3−BDと略する)、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下M
PDと略する)、ネオペンチルグリコール(以下NPG
と略する)、3,3−ジメチロールヘプタン(以下DM
Hと略する)1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール(以下DPGと略する)、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、あるいはビスフェノールAのエチレン
オキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の低分子ポリオール、ヘキサメチレンジアミン、キシレ
ンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子ポリアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低
分子アミノアルコール等の1種以上との脱水縮合反応で
得られる、ポリエステルポリオール又はポリエステルア
ミドポリオールが挙げられる。また、低分子ポリオール
を開始剤とし、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクト
ン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で
得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられ
る。
【0016】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオ
ールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等
との脱アルコール反応等で得られるものが挙げられる。
【0017】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオ
キサイドやテトラヒドロフラン等の環状エーテルの単品
や混合物を開環重合させたポリ(オキシアルキレン)ポ
リオール等、及びこれらを共重合したポリエーテルポリ
オール、更に、前述のポリエステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオールを開始剤としたポリエステルエー
テルポリオールが挙げられる。
【0018】ポリオレフィンポリオールとしては、例え
ば、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加の水酸基含有
ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加
の水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプ
ロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレン等が挙げられ
る。
【0019】動植物系ポリオールには、ヒマシ油系ポリ
オール、絹フィブロイン等が挙げられる。
【0020】また、活性水素基を2個以上有するもので
あれば、ダイマー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸
系ポリオールの他にエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポ
リビニルアルコール等の樹脂類も長鎖ポリオールとして
好適に使用できる。
【0021】鎖延長剤としては、分子量500未満の分
子内に2個以上の活性水素基を含有する化合物であり、
前述のポリエステルポリオールに構成成分として用いら
れる低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミ
ノアルコールが挙げられる。
【0022】本発明に用いられる活性水素基含有化合物
の中で好ましいものは、炭素数20以下の低分子ポリオ
ールである。更に好ましいものは側鎖を有する低分子脂
肪族ポリオールであり、特に1,2−PG、1,2−B
D、1,3−BD、MPD、NPG、DMH、DPGが
好ましい。
【0023】イソシアネート基末端プレポリマーを得る
際のイソシアネート基と活性水素基のモル比は、イソシ
アネート基/活性水素基が2以上、好ましくは2.5以
上である。イソシアネート基/活性水素基が2未満の場
合は、得られるポリイソシアネート中のウレトジオン基
含量が少ないものとなる。
【0024】本発明においては、平均官能基数、相溶
性、反応性等を調整するために1官能の化合物を併用し
てもよい。この1官能の化合物としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、2−エチル−ヘキサノー
ル、ベンジルアルコール等の低分子モノアルコール、メ
トキシポリ(オキシエチレン)グリコール、リシノレイ
ン酸アルキルエステル等の高分子モノオール、エチルア
ミン、ジエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン
等のモノアミン、ブチルイソシアネート、フェニルイソ
シアネート、シクロヘキシルイソシアネート等のモノイ
ソシアネートが挙げられる。これらは単独又は2種以上
使用してもよい。また、この1官能化合物の反応時期
は、ウレトジオン化の前でも後でもよく、粘度やウレト
ジオン化の程度により適宜選択すればよい。
【0025】直鎖脂肪族ジイソシアネートと活性水素基
含有化合物を反応させる際の反応触媒としては、公知の
いわゆるウレタン化触媒を用いることができる。具体的
には、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラ
ウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミン
やトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げら
れる。この反応時おける温度は、10〜120℃、好ま
しくは、30〜100℃である。
【0026】本発明に用いられるウレトジオン化触媒
は、公知のウレトジオン化触媒を用いることができる。
例えば、トリエチルホスフィン、ジブチルエチルホスフ
ィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリブチルホス
フィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィ
ン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホスフィ
ン類あるいはピリジン等が挙げられる。
【0027】ウレトジオン化触媒の添加量は、反応系に
対して0.01〜1.0重量%の範囲から選択される。
また、ウレトジオン化反応時は、イソシアヌレート化反
応も進行するため、反応率(イソシアネート基の減少
率)は40%以下、更には35%以下が好ましい。反応
が進みすぎるとゲル化しやすくなり、目的とする形状の
ものが得られなくなる。このため、反応温度、添加量、
添加方法等の反応条件を慎重に選択しなければならな
い。触媒の添加方法としては、一括仕込みの他に、分割
添加等が挙げられる。分割添加の場合、各触媒仕込量
は、同量でもよいし、異なっていてもよい。
【0028】ウレトジオン化反応は、ウレトジオン化触
媒の存在下で、通常−10〜120℃の反応温度で、好
ましくは10〜80℃で、前述の溶剤の存在下で、また
場合によってはジオクチルフタレート等の可塑剤を更に
添加して反応させる。次いで、反応率が40%までに、
好ましくは35%までの時点で、停止剤を添加してウレ
トジオン化触媒を不活性化し、反応を停止させる。停止
剤としては、例えばリン酸、亜リン酸、リン酸エチル、
リン酸ジエチル等の酸性リン酸エステル、亜リン酸エチ
ル、亜リン酸ジエチル等の酸性亜リン酸エステル、硫
黄、塩酸、硝酸、硫酸、トルエンスルホン酸、トルエン
スルホン酸エステル、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化
物、酢酸クロライド等の有機酸ハライド等が挙げられ
る。
【0029】本発明においては、イソシアネート基のウ
レトジオン基への転化率(ウレトジオン化反応前のイソ
シアネート基の量に対するウレトジオン基の量の割合)
は、33%以上であり、好ましくは35%以上、更に好
ましくは40%以上である。
【0030】本発明においてウレトジオン化反応の際に
用いる有機溶剤は、溶解度パラメータ(以下SP値と略
する)が、7(cal/cm31/2以上である非芳香族
系有機溶剤であり、好ましくは、SP値が7.1(ca
l/cm31/2以上の非芳香族系有機溶剤である。SP
値が下限未満のものでは、反応速度が遅くなる。また、
芳香族系の有機溶剤を用いた場合、ウレトジオン基の生
成が抑えられ、イソシアヌレート基が多く生成してしま
う。なお、活性水素基を有するものは、イソシアネート
基と反応してしまうので好ましくない。
【0031】本発明に用いられる有機溶剤の具体的なも
のとしては、n−ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水
素系有機溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
等の脂環族炭化水素系有機溶剤、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系有機溶剤、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3
−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプ
ロピオネート等のグリコールエーテルエステル系有機溶
剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル系有機溶剤、塩化メチル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メ
チレン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素
系有機溶剤、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶剤
等が挙げられる。前記溶剤は1種又は2種以上使用する
ことができる。本発明で用いられる有機溶剤で好ましい
ものは、ウレトジオン基含量を多くすることを優先する
場合は脂肪族炭化水素系有機溶剤が好ましく、反応時間
の短縮を優先する場合はハロゲン化脂肪族炭化水素系有
機溶剤が好ましい。最も好ましいものは、ヘキサン、塩
化メチレン、クロロホルムから選択される有機溶剤であ
る。
【0032】ウレトジオン化反応時における反応系の有
機溶剤含有量は、0.01〜95重量%、好ましくは1
〜90重量%、更に好ましくは5〜85重量%である。
有機溶剤含有量が多すぎる場合は、ウレトジオン化の反
応時間が必要以上に長くなり、着色等好ましくない現象
が起こりやすくなる。また、有機溶剤含有量が少なすぎ
る場合は、副反応であるイソシアヌレート化反応が相対
的に優先してしまい、結果的に、得られるポリイソシア
ネート中のウレトジオン基含量が少なくなりやすくな
る。
【0033】ウレトジオン化反応終了後は、反応生成
物、有機溶剤、触媒及び直鎖脂肪族ジイソシアネート
(モノマー)の混合物が得られる。そして、有機溶剤及
び遊離イソシアネートモノマーを除去するほうが好まし
い。有機溶剤及び遊離イソシアネートモノマーは、それ
ぞれの含量が各1重量%以下、更には各0.9重量%以
下になるまで除去するほうが好ましい。回収した有機溶
剤及びイソシアネートモノマーは再度使用して有効に活
用できる。
【0034】本発明の製造方法によって得られるウレト
ジオン変性ポリイソシアネートは、ウレトジオン基含
量:15〜25重量%、イソシアヌレート基含量:11
重量%以下であり、好ましくは、ウレトジオン基含量:
15.1〜24.9、イソシアヌレート基含量:5重量
%以下である。特に直鎖脂肪族ジイソシアネートにHD
Iを用いたものは、ウレトジオン基含量:20〜25重
量%、イソシアヌレート基含量:15%以下であり、好
ましくは、ウレトジオン基含量:20.1〜24.9、
イソシアヌレート基含量:5重量%以下である。
【0035】また、本発明によって得られたウレトジオ
ン基含量の高いポリイソシアネートの粘度は、10〜1
50mPa・s/25℃(固形分100%換算時)、好
ましくは15〜130mPa・s/25℃である。
【0036】本発明によって得られたポリイソシアネー
トに、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、可
塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合するこ
とができる。
【0037】なお、ウレトジオン基含有ポリイソシアネ
ートのウレトジオン基含量は、以下のようにして求める
ことができる。 (イ)ポリイソシアネートそのもののイソシアネート含
量を求める。 (ロ)ポリイソシアネートをウレトジオン基の解離温度
より高い温度に加熱し、ウレトジオン基を完全に解離さ
せる。その後、(イ)と同様にしてイソシアネート含量
を求める。 (ハ)(イ)と(ロ)のイソシアネート含量の差がウレ
トジオン基含量となる。 イソシアネート含量の定量方法は、公知の方法が採用で
き、例えば、過剰量のアミンにて、イソシアネート基と
反応させ、残存アミンを濃度が規定されている酸にて中
和し、当初のアミン量と消費された酸の量からイソシア
ネート含量が求められる。ウレトジオン基の解離温度よ
り高い温度とは、イソシアネートの種類によって異なる
が、一般的には150〜180℃に加熱することが好ま
しい。
【0038】
【実施例】本発明について、実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「部」
は全て「重量部」を意味し、「%」は全て「重量%」を
意味する。 〔ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの合成〕
【0039】実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた反
応器に、HDIを3,000部、クロロホルムを3,0
00部仕込み、均一に混合した。次いでTOPを4.5
部仕込み、攪拌しながら50℃で18時間反応させた。
次いで硫黄を0.4部加えて反応を停止させて、イソシ
アネート基含量=21.8%の淡黄色の反応生成液を得
た。これをロータリーエバポレーターにてクロロホルム
を除去した後、未反応のイソシアネートモノマーを、1
20℃、0.01Torrで薄膜減圧蒸留により除去し
た。生成物のイソシアネート基含量=24.6%であ
り、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物には
イソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレー
ト基が存在することが確認された。また、この生成物を
180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初か
ら存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解
離して生成したイソシアネート基の総量を求めたとこ
ろ、イソシアネート基含量=47.7%であり、よっ
て、ウレトジオン基含量は23.1%であった。また、
イソシアヌレート基含量=2.3%であった。また、粘
度は42mPa・s/25℃であった。このウレトジオ
ン基含有ポリイソシアネートをP−1とする。
【0040】実施例1と同様な反応器に、HDIを1,
000部、クロロホルムを3,000部仕込み、均一に
混合した。次いでTBPを1.0部仕込み、攪拌しなが
ら50℃で23時間反応させた。次いでリン酸0.5部
を加えて反応を停止させて、イソシアネート基含量=1
1.3%の淡黄色の反応生成液を得た。これをロータリ
ーエバポレーターにてクロロホルムを除去した後、未反
応のイソシアネートモノマーを、120℃、0.01T
orrで薄膜減圧蒸留により除去した。生成物のイソシ
アネート基含量=24.8%であり、FT−IR及び13
C−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウ
レトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが
確認された。また、この生成物を180℃に加熱してウ
レトジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシ
アネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシ
アネート基の総量を求めたところ、イソシアネート基含
量=48.9%であり、よって、ウレトジオン基含量は
24.1%であった。また、イソシアヌレート基含量=
1.1%であった。また、粘度は31mPa・s/25
℃であった。このウレトジオン基含有ポリイソシアネー
トをP−2とする。
【0041】実施例3 実施例1と同様な反応器に、HDIを3,000部、ク
ロロホルムを1,000部仕込み、均一に混合した。次
いでTOPを4.5部仕込み、攪拌しながら50℃で1
6時間反応させた。次いで硫黄を0.4部を加えて反応
を停止させて、イソシアネート基含量=32.3%の淡
黄色の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレー
ターにてクロロホルムを除去した後、未反応のイソシア
ネートモノマーを、120℃、0.01Torrで薄膜
減圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含
量=23.9%であり、FT−IR及び13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=45.2
%であり、よって、ウレトジオン基含量は21.3%で
あった。また、イソシアヌレート基含量=4.8%であ
った。粘度は69mPa・s/25℃であった。このウ
レトジオン基含有ポリイソシアネートをP−3とする。
【0042】実施例4 実施例1と同様な反応器に、HDIを2,976部とD
MHを24部仕込み、80℃にて2時間反応させ、その
後50℃に冷却して、イソシアネート含量=49.2%
のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。これにク
ロロホルムを3,000部仕込み均一に混合した。次い
でTOPを4.5部仕込み、攪拌しながら50℃で18
時間反応させた。次いで硫黄を0.4部を加えて反応を
停止させて、イソシアネート基含量=21.7%の淡黄
色の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレータ
ーにてクロロホルムを除去した後、未反応のイソシアネ
ートモノマーを、120℃、0.01Torrで薄膜減
圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含量
=23.9%であり、FT−IR及び13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=44.5
%であり、よって、ウレトジオン基含量は20.6%で
あった。また、イソシアヌレート基含量=2.3%であ
った。粘度は49mPa・s/25℃であった。このウ
レトジオン基含有ポリイソシアネートをP−4とする。
【0043】実施例5 実施例1と同様な反応器に、HDIを2,975部と
1,3−BDを25部仕込み、80℃にて2時間反応さ
せ、その後50℃に冷却して、イソシアネート含量=4
8.8%のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。
これにクロロホルムを3,000部仕込み、均一に混合
した。次いでTOPを4.5部仕込み、攪拌しながら5
0℃で18時間反応させた。次いで硫黄を0.4部を加
えて反応を停止させて、イソシアネート基含量=21.
5%の淡黄色の反応生成液を得た。これをロータリーエ
バポレーターにてクロロホルムを除去した後、未反応の
イソシアネートモノマーを、120℃、0.01Tor
rで薄膜減圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネ
ート基含量=24.1%であり、FT−IR及び13C−
NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレト
ジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認
された。また、この生成物を180℃に加熱してウレト
ジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネ
ート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネ
ート基の総量を求めたところ、イソシアネート基含量=
44.7%であり、よって、ウレトジオン基含量は2
0.6%であった。また、イソシアヌレート基含量=
0.5%であった。粘度は46mPa・s/25℃であ
った。このウレトジオン基含有ポリイソシアネートをP
−5とする。
【0044】実施例6 実施例1と同様な反応器に、HDIを1,000部、ク
ロロホルムを100部仕込み、均一に混合した。次いで
TOPを1.5部仕込み、攪拌しながら50℃で15時
間反応させた。次いでリン酸0.13部を加えて反応を
停止させて、イソシアネート基含量=39.3%の淡黄
色の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレータ
ーにてクロロホルムを除去した後、未反応のイソシアネ
ートモノマーを、120℃、0.01Torrで薄膜減
圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含量
=23.7%であり、FT−IR及び13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=42.3
%であり、よって、ウレトジオン基含量は18.6%で
あった。また、イソシアヌレート基含量=7.7%であ
った。また、粘度は89mPa・s/25℃であった。
このウレトジオン基含有ポリイソシアネートをP−6と
する。
【0045】実施例7 実施例1と同様な反応器に、HDIを1,000部、ク
ロロホルムを10部仕込み、均一に混合した。次いでT
OPを1.5部仕込み、攪拌しながら50℃で13時間
反応させた。次いで硫黄を0.13部を加えて反応を停
止させて、イソシアネート基含量=43.6%の淡黄色
の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレーター
にてクロロホルムを除去した後、未反応のイソシアネー
トモノマーを、120℃、0.01Torrで薄膜減圧
蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含量=
23.3%であり、FT−IR及び13C−NMRから、
この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及び
イソシアヌレート基が存在することが確認された。ま
た、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を
解離させ、当初から存在しているイソシアネート基とウ
レトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の総
量を求めたところ、イソシアネート基含量=39.9%
であり、よって、ウレトジオン基含量は16.6%であ
った。また、イソシアヌレート基含量=10.1%であ
った。粘度は101mPa・s/25℃であった。この
ウレトジオン基含有ポリイソシアネートをP−7とす
る。
【0046】実施例8 実施例1と同様な反応器に、DDIを3,000部、塩
化メチレンを3,000部仕込み、均一に混合した。次
いでTOPを6.0部仕込み、攪拌しながら50℃で3
0時間反応させた。次いでリン酸0.5部を加えて反応
を停止させて、イソシアネート基含量=16.9%の淡
黄色の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレー
ターにて塩化メチレンを除去した後、未反応のイソシア
ネートモノマーを、150℃、0.01Torrで薄膜
減圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含
量=20.1%であり、FT−IR及び13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=37.0
%であり、よって、ウレトジオン基含量は16.9%で
あった。また、イソシアヌレート基含量=0.5%であ
った。また、粘度は32mPa・s/25℃であった。
このウレトジオン基含有ポリイソシアネートをP−8と
する。
【0047】実施例9 実施例1と同様な反応器に、BDIを2,973部とD
MHを27部仕込み、80℃にて2時間反応させ、その
後50℃に冷却して、イソシアネート含量=59.0%
のイソシアネート基末端プレポリマーを得た。これにク
ロロホルムを3,000部仕込み均一に混合した。次い
でTOPを3.75部仕込み、攪拌しながら50℃で1
2時間反応させた。次いで硫黄を0.3部を加えて反応
を停止させて、イソシアネート基含量=24.2%の淡
黄色の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレー
ターにてクロロホルムを除去した後、未反応のイソシア
ネートモノマーを、120℃、0.01Torrで薄膜
減圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含
量=36.2%であり、FT−IR及び13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=57.4
%であり、よって、ウレトジオン基含量は21.2%で
あった。また、イソシアヌレート基含量=1.6%であ
った。粘度は70mPa・s/25℃であった。このウ
レトジオン基含有ポリイソシアネートをP−9とする。
【0048】実施例10 実施例1と同様な反応器に、HDIを3,000部、n
−ヘキサンを3,000部仕込み、均一に混合した。次
いでTOPを4.5部仕込み、攪拌しながら50℃で3
2時間反応させた。次いで硫黄を0.4部加えて反応を
停止させて、イソシアネート基含量=22.0%の淡黄
色の反応生成液を得た。これをロータリーエバポレータ
ーにてn−ヘキサンを除去した後、未反応のイソシアネ
ートモノマーを、120℃、0.01Torrで薄膜減
圧蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含量
=24.8%であり、FT−IR及び13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。
また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基
を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基と
ウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の
総量を求めたところ、イソシアネート基含量=48.6
%であり、よって、ウレトジオン基含量は23.8%で
あった。また、イソシアヌレート基含量=1.4%であ
った。また、粘度は40mPa・s/25℃であった。
このウレトジオン基含有ポリイソシアネートをP−10
とする。
【0049】比較例1 実施例1と同様な反応器に、HDIを3,000部、T
OPを4.5部仕込み、攪拌しながら50℃で12時間
反応させた。次いで硫黄を0.4部加えて反応を停止さ
せて、イソシアネート基含量=43.2%の淡黄色の反
応生成液を得た。その後、未反応のイソシアネートモノ
マーを、120℃、0.01Torrで薄膜減圧蒸留に
より除去した。生成物のイソシアネート基含量=22.
9%であり、FT−IR及び13C−NMRから、この生
成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシ
アヌレート基が存在することが確認された。また、この
生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離さ
せ、当初から存在しているイソシアネート基とウレトジ
オン基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求
めたところ、イソシアネート基含量=38.2%であ
り、よって、ウレトジオン基含量は15.3%であっ
た。また、イソシアヌレート基含量=11.8%であっ
た。粘度は110mPa・s/25℃であった。このウ
レトジオン基含有ポリイソシアネートをP−11とす
る。
【0050】比較例2 合成例1と同様な装置に、HDIを2,976部、DM
Hを24部仕込み、攪拌しながら50℃にて4時間反応
させ、イソシアネート基含量=48.8%の反応生成液
を得た。次に、TOPを4.5部を仕込み、攪拌しなが
ら50℃に加熱して12時間反応させた。次いでリン酸
1.2部を加えて反応を停止させて、イソシアネート基
含量=43.0%の淡黄色の反応生成液を得た。この反
応生成液から未反応のHDIを、120℃、0.01T
orrで薄膜蒸留により除去した。生成物のイソシアネ
ート基含量=22.0%であり、FT−IR及び13C−
NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレト
ジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認
された。また、この生成物を180℃に加熱してウレト
ジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネ
ート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネ
ート基の総量を求めたところ、イソシアネート基含量=
37.5%であり、よって、ウレトジオン基含量は1
5.5%であった。また、イソシアヌレート基含量=
9.2%であった。粘度は130mPa・s/25℃で
あった。このウレトジオン基含有ポリイソシアネートを
P−12とする。
【0051】比較例3 実施例1と同様な反応器に、HDIを3,000部、ト
ルエンを3000部、TOPを4.5部仕込み、攪拌し
ながら50℃で14時間反応させた。次いで硫黄を0.
4部加えて反応を停止させて、イソシアネート基含量=
21.6%の淡黄色の反応生成液を得た。これをロータ
リーエバポレーターにてトルエンを除去した後、未反応
のイソシアネートモノマーを、120℃、0.01To
rrで薄膜減圧蒸留により除去した。生成物のイソシア
ネート基含量=21.3%であり、FT−IR及び13
−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレ
トジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確
認された。また、この生成物を180℃に加熱してウレ
トジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシア
ネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシア
ネート基の総量を求めたところ、イソシアネート基含量
=37.5%であり、よって、ウレトジオン基含量は1
6.2%であった。また、イソシアヌレート基含量=1
2.5%であった。粘度は108mPa・s/25℃で
あった。このウレトジオン基含有ポリイソシアネートを
P−13とする。
【0052】比較例4 実施例1と同様な反応器に、HDIを3,000部、モ
ノクロロベンゼンを3000部、TOPを4.5部仕込
み、攪拌しながら50℃で13時間反応させた。次いで
硫黄を0.4部加えて反応を停止させて、イソシアネー
ト基含量=21.7%の淡黄色の反応生成液を得た。こ
れをロータリーエバポレーターにてモノクロロベンゼン
を除去した後、未反応のイソシアネートモノマーを、1
20℃、0.01Torrで薄膜減圧蒸留により除去し
た。生成物のイソシアネート基含量=22.3%であ
り、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物には
イソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレー
ト基が存在することが確認された。また、この生成物を
180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初か
ら存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解
離して生成したイソシアネート基の総量を求めたとこ
ろ、イソシアネート基含量=38.1%であり、よっ
て、ウレトジオン基含量は15.8%であった。また、
イソシアヌレート基含量=12.0%であった。粘度は
102mPa・s/25℃であった。このウレトジオン
基含有ポリイソシアネートをP−14とする。
【0053】表1、2にP−1〜14の特性とその使用
原料を示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例1〜10、比較例1〜3、表1〜2
において HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート DDI :デカメチレンジイソシアネート BDI :テトラメチレンジイソシアネート DMH :3,3−ジメチロールヘプタン 1,3−BD:1,3−ブタンジオール TOP :トリオクチルホスフィン TBP :トリブチルホスフィン
【0057】なお、実施例、比較例に用いた有機溶媒の
SP値は、以下の通りである。(A.F.M.Barton,Chem.Re
v.,75,731(1975) より) クロロホルム :9.3(cal/cm3)1/2 非芳香族系有機溶剤 塩化メチレン :9.7(cal/cm3)1/2 非芳香族系有機溶剤 n−ヘキサン :7.3(cal/cm3)1/2 非芳香族系有機溶剤 トルエン :8.9(cal/cm3)1/2 芳香族系有機溶剤 モノクロロベンゼン:9.5(cal/cm3)1/2 芳香族系有機溶剤
【0058】
【発明の効果】本発明により、直鎖脂肪族ジイソシアネ
ートを用いた、ウレトジオン基含量の高いポリイソシア
ネートの提供が可能となった。また、本発明によって得
られたポリイソシアネートは、イソシアヌレート基も含
有するが、従来のイソシアヌレート変性ポリイソシアネ
ートより低粘度であった。本発明によって得られたポリ
イソシアネートは、塗料、接着剤、エラストマー、フォ
ーム等、ポリウレタンが使用できる分野には全て適応で
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直鎖脂肪族ジイソシアネート、溶解度パ
    ラメータが7(cal/cm31/2以上である非芳香族
    系有機溶剤、及びウレトジオン化触媒を用いることを特
    徴とする、ウレトジオン基含量の高いポリイソシアネー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 直鎖脂肪族ジイソシアネートと活性水素
    基含有化合物を反応させて得られるイソシアネート基末
    端プレポリマー、溶解度パラメータが7(cal/cm
    31/2以上である非芳香族系有機溶剤、及びウレトジオ
    ン化触媒を用いることを特徴とする、ウレトジオン基含
    量の高いポリイソシアネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 直鎖脂肪族ジイソシアネートが、ヘキサ
    メチレンジイソシアネートであることを特徴とする請求
    項1又は2記載の、ウレトジオン基含量の高いポリイソ
    シアネートの製造方法。
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