JP3757411B2 - 超臨界流体を用いたウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

超臨界流体を用いたウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法に関する。更に詳細には、超臨界流体を用いることにより、反応制御及び反応後の後処理を容易にしたウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウレトジオン基は、イソシアネート基2個が反応することで生成し、その反応機構は可逆的であることが知られている。このため、ウレトジオン基が潜在的なイソシアネート基源となることを利用して、塗料、接着剤、フォーム等の応用が検討されている。また、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートより、ウレトジオン/イソシアヌレート変性ポリイソシアネートのほうが粘度が低くなることも知られている。このことを利用して、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートの低粘度化が検討されている。
【0003】
ウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、例えば特開昭56−127359号公報、特開昭58−39666号公報、特開昭60−258164号公報、特開昭61−200969号公報、特開平4−288316号公報等により、特に脂肪族ジイソシアネートを用いたウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、特開昭59−33265号公報等で公知となっている。
【0004】
有機溶剤を用いないでウレトジオン化反応を行った場合、反応熱が系内に蓄積されて、反応が異常に進むことがある。有機溶剤を用いると反応熱の除去が容易になるが、後処理を行っても、生成物中に微量の有機溶剤が残存することになり、用途が限定されてしまう。また、ウレトジオン化反応は、通常イソシアヌレート化反応を伴うため、反応を進めすぎるとゲル化する。このため、一般的にはイソシアネート基の転化率(反応率)は、低くする必要がある。転化率が低いと、特に対称な分子構造を有する有機ジイソシアネートを用いた場合、反応に関与しなかったイソシアネートモノマーが相当量、反応生成物と共存することになる。この未反応イソシアネートモノマーが存在すると、臭気や硬化性等の問題がある。このため、通常、ウレトジオン化反応後、抽出、蒸留等の手段によって、未反応イソシアネートモノマーを除去することが必要になる。
【0005】
未反応イソシアネートモノマーの除去方法としては、反応生成物の粘度や除去効率等を考慮すると、薄膜蒸留法が広く用いられている。結局のところ、特に対称な分子構造を有する有機ジイソシアネートを用いたウレトジオン基含有ポリイソシアネートを製造するには、反応装置と蒸留装置という2つの装置が必要になり、生産効率はよいとは言えないものであった。
【0006】
なお、超臨界流体を用いてポリイソシアネートを精製する方法は、特開平1−102052号公報、特開平2−758号公報等に示されている。また、特開平5−125362号公報では、超臨界流体中でウレタン化反応を行う方法が提案されている。しかしながら、これらには、ウレトジオン化反応を考慮したことを示唆する記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ウレトジオン化反応の制御、反応生成物組成の制御、反応後の後処理を容易にしたウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討の結果、超臨界状態の不活性ガスを用いることにより、上記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(3)に示されるものである。
(1) 有機ジイソシアネートから誘導されるイソシアネート基含有化合物を、ウレトジオン化触媒の存在下、超臨界状態の不活性ガス中でウレトジオン化し、反応後超臨界雰囲気のまま不活性ガスを系内に供給及び排出することにより、遊離の有機ジイソシアネートを除去することを特徴とする、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法。
【0010】
(2) 超臨界状態の不活性ガスが、二酸化炭素であることを特徴とする、前記(1)の製造方法。
【0011】
(3) 有機ジイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、前記(1)又は(2)の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる不活性ガスは、イソシアネート基に対して不活性なものであり、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。本発明では、臨界条件が適当(臨界温度:31℃、臨界圧力:7.38MPa)、安価、爆発の危険がない、最終製品に残存しない、化学的に安定等の利点を有する二酸化炭素が好ましい。
【0013】
なお、二酸化炭素を用いた場合のウレトジオン化反応の条件は、31〜100℃、7.38〜100MPaが好ましく、特に35〜80℃、10〜50MPaが最も好ましい。
【0014】
超臨界流体の溶解能は、温度や圧力を変えることによって、変化させることができる。ウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、重合度によって溶解度が異なるので、反応時の温度や圧力を変化させることによって、様々な重合度のウレトジオン基含有ポリイソシアネートが得られる。また、分子量分布も狭いものとなる。更に、不活性ガスと原料イソシアネートの配合比率によっても生成物の組成を制御できる。
【0015】
本発明に用いられる有機ジイソシアネートから誘導されるイソシアネート基含有化合物とは、有機ジイソシアネート、有機ジイソシアネートとポリオール化合物を反応させて得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー等が挙げられる。
【0016】
有機ジイソシアネートは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
【0017】
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得るのに用いられるポリオール化合物は、数平均分子量500以上の高分子ポリオールと、(数平均)分子量500未満の低分子ポリオールが挙げられる。
【0018】
高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアルキレンジオール等があり、これら高分子ポリオールを単独使用、又は併用してもよい。
【0019】
ポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル・エステルポリオールとしては、具体的に例えば、公知のコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸又はそれらの酸エステル、酸無水物等のポリカルボン酸(誘導体)と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ノルマルプロピル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−ノルマルブチル−1,3−プロパンジオール、2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2−ターシャリーブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ノルマルプロピル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ノルマルブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−3−エチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−3−エチル−1,4−ブタンジオール、2,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,4−トリエチル−1,5−ペンタンジオール、N−エチル−ジエタノールアミン、N−ノルマルプロピル−ジプロパノールアミン、トリメチロールプロパン、ジメチロールブタン酸、ダイマー酸ジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の低分子ポリオール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレントリアミン等の低分子ポリアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノプロパノールアミン等の低分子アミノアルコール等単独又はこれらの混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、又はε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオールがあり、ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げられる。ポリエーテル・エステルポリオールとしては、上記のポリエーテルポリオールと上記したジカルボン酸又は無水物等から製造されるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、一般には低分子ポリオールとジエチルカーボネートの脱エタノール縮合反応、あるいは低分子ポリオールとジフェニルカーボネートの脱フェノール縮合反応、あるいは低分子ポリオールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応等で得られ、この低分子ポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールを得るのに用いられる低分子ポリオールが挙げられる。
【0021】
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基末端ポリブタジエンやその水素添加物、水酸基含有塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
【0022】
低分子ポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールを得るのに用いられる、低分子ポリオール等が挙げられる。
【0023】
本発明において、好ましいイソシアネート基含有化合物は、脂肪族ジイソシネート及び脂肪族ジイソシネートと低分子ポリオールを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーから選択されるものであり、特に好ましいものは、ヘキサメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシネートと低分子ポリオールを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーから選択されるものである。
【0024】
本発明に用いられるウレトジオン化触媒は、公知のウレトジオン化触媒を用いることができる。例えば、トリエチルホスフィン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類あるいはピリジン等が挙げられる。
【0025】
ウレトジオン化触媒の添加量は、反応系に対して0.01〜1.0重量%の範囲から選択される。また、ウレトジオン化反応時は、イソシアヌレート化反応も進行するため、反応率(イソシアネート基の減少率)は40%以下、更には35%以下が好ましい。反応が進みすぎるとゲル化しやすくなり、目的とする形状のものが得られなくなる。このため、反応温度、添加量、添加方法等の反応条件を慎重に選択しなければならない。触媒の添加方法としては、一括仕込みの他に、分割添加等が挙げられる。分割添加の場合、各触媒仕込量は、同量でもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
ウレトジオン化反応の停止は、反応停止剤を用いることが好ましい。この反応停止剤としては、リン酸、亜リン酸、リン酸エチル、リン酸ジエチル等の酸性リン酸エステル、亜リン酸エチル、亜リン酸ジエチル等の酸性亜リン酸エステル、硫黄、塩酸、硝酸、硫酸、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸エステル、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、酢酸クロライド等の有機酸ハライド等が挙げられる。
【0027】
具体的な製造プロセスを以下に説明する。
最初に、耐熱・耐圧の反応器に、原料イソシアネートを仕込む。反応器を開放にしたままで、二酸化炭素等の不活性ガスを流し、反応器内を空気から不活性ガスに置換する。その後、加熱及び加圧して不活性ガスを超臨界状態にし、あらかじめ反応系内にあるタンクに仕込んでおいた触媒を仕込んで、ウレトジオン化反応を行う。なお、ウレトジオン化触媒の仕込み時期は、超臨界状態の前でもかまわない。反応の追跡は、外観(色、屈折率等の変化)やサンプリングしてのイソシアネート含量分析等で行える。ウレトジオン化反応の停止は、あらかじめ反応系内にある別のタンクに仕込んでおいた停止剤を仕込むことで行える。反応終了後、不活性ガスをフローしながら遊離の有機ジイソシアネートを反応系から除去する。なお、このときの温度や圧力は反応時と同じにすることが好ましい。除去された遊離の有機ジイソシアネートは、不活性ガスの超臨界流体に溶解した状態で反応系外に排出される。この排出系の圧力を下げることにより、遊離の有機ジイソシアネートと不活性ガスが分離できる。一方、反応器内も、反応生成物及び超臨界状態の不活性ガスと共存した状態であり、この系の圧力を下げることにより、反応生成物と不活性ガスが分離できる。なお、圧力を下げる際には、大気圧まで下げないほうが、不活性ガスを効果的に回収できるので好ましい。回収された不活性ガスは、そのまま再使用できる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明のウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法は、従来の方法より、ウレトジオン化反応の制御、反応生成物組成の制御、反応後の後処理等を容易なものにした。なお、本発明のプロセスは、触媒を変えることにより、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートや、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに適用でき、遊離のイソシアネートモノマー含有量の低い製品が効率よく製造できる。
【0029】
【実施例】
次に、本発明について実施例により更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における「%」は、断りのない限り「重量%」を示す。
【0030】
実施例1
図1に示すような、容量:2,000mlの耐圧の反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネートを1,000g仕込んだ。常温で開放系のまま二酸化炭素ガスを流して、反応器内を空気から二酸化炭素に置換した。次いで、密閉系にして、圧力計が10MPaになるまで液化二酸化炭素を流し込み、同時に40℃になるまで加熱した。圧力:10MPa、オーブン温度:40℃に達したところで、触媒タンクからトリオクチルホスフィンを1.5g仕込み、更に5時間、同圧力、同温度でウレトジオン化反応を進めた。次いで、停止剤タンクからリン酸を0.7g仕込んで、ウレトジオン化反応を停止させた。その後、圧力:10MPa、オーブン温度:40℃を保ちながら二酸化炭素をフローさせて、遊離のヘキサメチレンジイソシアネートを反応系外に排出した。排出されたヘキサメチレンジイソシアネートは、超臨界状態の二酸化炭素に溶解した状態で回収器に送られた。回収器内の圧力を下げることにより、二酸化炭素とヘキサメチレンジイソシアネートを分離した。反応器についても同様に圧力を下げることにより、反応生成物と二酸化炭素を分離した。反応生成物の収率は30%であった。反応生成物のイソシアネート含量=22.4%であり、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求めたところ、イソシアネート含量=36.4%であり、よって、ウレトジオン基含有量は14.0%であった。また、イソシアヌレート基含有量=13.5%であった。反応生成物には刺激臭がほとんど感じられなかった。反応生成物をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析により、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を求めたところ、0.2%であった。
【0031】
実施例2
実施例1と同様な装置に、ヘキサメチレンジイソシアネートを1,000g仕込んだ。常温で開放系のまま二酸化炭素ガスを流して、反応器内を空気から二酸化炭素に置換した。次いで、密閉系にして、圧力計が20MPaになるまで液化二酸化炭素を流し込み、同時に40℃になるまで加熱した。圧力:20MPa、オーブン温度:40℃に達したところで、触媒タンクからトリオクチルホスフィンを1.5g仕込み、更に5時間、同圧力、同温度でイソシアヌレート化反応を進めた。次いで、停止剤タンクからリン酸を0.7g仕込んで、イソシアヌレート化反応を停止させた。その後、圧力:20MPa、オーブン温度:40℃を保ちながら二酸化炭素をフローさせて、遊離のヘキサメチレンジイソシアネートを反応系外に排出した。排出されたヘキサメチレンジイソシアネートは、超臨界状態の二酸化炭素に溶解した状態で回収器に送られた。回収器内の圧力を下げることにより、二酸化炭素とヘキサメチレンジイソシアネートを分離した。反応器についても同様に圧力を下げることにより、反応生成物と二酸化炭素を分離した。反応生成物の収率は29%であった。反応生成物のイソシアネート含量=22.1%であり、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求めたところ、イソシアネート含量=38.4%であり、よって、ウレトジオン基含有量は16.3%であった。また、イソシアヌレート基含有量=11.5%であった。反応生成物には刺激臭がほとんど感じられなかった。反応生成物をGPC分析により、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を求めたところ、0.3%であった。
【0032】
実施例3
実施例1と同様な装置に、ヘキサメチレンジイソシアネートを1,000g仕込んだ。常温で開放系のまま二酸化炭素ガスを流して、反応器内を空気から二酸化炭素に置換した。次いで、密閉系にして、圧力計が20MPaになるまで液化二酸化炭素を流し込み、同時に45℃になるまで加熱した。圧力:20MPa、オーブン温度:45℃に達したところで、触媒タンクからトリオクチルホスフィンを1.5g仕込み、更に5時間、同圧力、同温度でウレトジオン化反応を進めた。次いで、停止剤タンクからリン酸を0.7g仕込んで、ウレトジオン化反応を停止させた。その後、圧力:20MPa、オーブン温度:45℃を保ちながら二酸化炭素をフローさせて、遊離のヘキサメチレンジイソシアネートを反応系外に排出した。排出されたヘキサメチレンジイソシアネートは、超臨界状態の二酸化炭素に溶解した状態で回収器に送られた。回収器内の圧力を下げることにより、二酸化炭素とヘキサメチレンジイソシアネートを分離した。反応器についても同様に圧力を下げることにより、反応生成物と二酸化炭素を分離した。反応生成物の収率は32%であった。反応生成物のイソシアネート含量=23.5%であり、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求めたところ、イソシアネート含量=35.1%であり、よって、ウレトジオン基含有量は11.6%であった。また、イソシアヌレート基含有量=14.8%であった。反応生成物には刺激臭がほとんど感じられなかった。反応生成物をGPC分析により、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を求めたところ、0.2%であった。
【0033】
実施例4
実施例1と同様な装置に、ヘキサメチレンジイソシアネートを980g、2−エチル−2−ノルマルブチル−1,3−プロパンジオールを20g仕込み、開放系のまま二酸化炭素ガスを流して、反応器内を空気から二酸化炭素に置換した。その後、40℃にて2時間反応させて、イソシアネート基含量=48.0%のプレポリマーを得た。次いで、密閉系にして、圧力計が10MPaになるまで液化二酸化炭素を流し込み、同時に40℃になるまで加熱した。圧力:10MPa、オーブン温度:40℃に達したところで、触媒タンクからトリオクチルホスフィンを1.5g仕込み、更に5時間、同圧力、同温度でウレトジオン化反応を進めた。次いで、停止剤タンクからリン酸を0.7g仕込んで、ウレトジオン化反応を停止させた。その後、圧力:10MPa、オーブン温度:40℃を保ちながら二酸化炭素をフローさせて、遊離のヘキサメチレンジイソシアネートを反応系外に排出した。排出されたヘキサメチレンジイソシアネートは、超臨界状態の二酸化炭素に溶解した状態で回収器に送られた。回収器内の圧力を下げることにより、二酸化炭素とヘキサメチレンジイソシアネートを分離した。反応器についても同様に圧力を下げることにより、反応生成物と二酸化炭素を分離した。反応生成物の収率は33%であった。反応生成物のイソシアネート含量=22.4%であり、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求めたところ、イソシアネート含量=36.4%であり、よって、ウレトジオン基含有量は14.0%であった。また、イソシアヌレート基含有量=11.6%であった。反応生成物には刺激臭がほとんど感じられなかった。反応生成物をGPC分析により、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を求めたところ、0.2%であった。
【0034】
比較例1
実施例1と同様な装置に、ヘキサメチレンジイソシアネートを1,000g仕込んだ。常温で開放系のまま二酸化炭素ガスを流して、反応器内を空気から二酸化炭素に置換した。次いで、40℃になるまで加熱した。圧力:常圧、オーブン温度:40℃に達したところで、触媒タンクからトリオクチルホスフィンを1.5g仕込み、更に5時間、同圧力、同温度でウレトジオン化反応を進めた。次いで、停止剤タンクからリン酸を0.7g仕込んで、ウレトジオン化反応を停止させた。反応生成物の収率は99%であった。反応生成物のイソシアネート含量=34.9%であり、FT−IR及び13C−NMRから、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基が存在することが確認された。また、この生成物を180℃に加熱してウレトジオン基を解離させ、当初から存在しているイソシアネート基とウレトジオン基が解離して生成したイソシアネート基の総量を求めたところ、イソシアネート含量=41.9%であり、よって、ウレトジオン基含有量は7.0%であった。また、イソシアヌレート基含有量=8.0%であった。反応生成物には刺激臭が感じられた。反応生成物をGPC分析により、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含有量を求めたところ、68.4%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する製造装置の一実施形態の略図である。
【符号の説明】
1:二酸化炭素ボンベ
2:二酸化炭素液化装置
3:液化二酸化炭素送液装置
4:圧力計
5:温度計
6:攪拌機を備えた反応器
7:触媒タンク
8:触媒送液装置
9:触媒タンク
10:停止剤送液装置
11:回収器
12:バルブ
13:オーブン

Claims (3)

  1. 有機ジイソシアネートから誘導されるイソシアネート基含有化合物を、ウレトジオン化触媒の存在下、超臨界状態の不活性ガス中でウレトジオン化し、反応後超臨界雰囲気のまま、不活性ガスを系内に供給及び排出することにより、遊離の有機ジイソシアネートを除去することを特徴とする、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法。
  2. 超臨界状態の不活性ガスが、二酸化炭素であることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 有機ジイソシアネートが、ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1又は2記載の製造方法。
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