JPH11228403A - 消化管運動機能改善剤 - Google Patents

消化管運動機能改善剤

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JPH11228403A
JPH11228403A JP3735898A JP3735898A JPH11228403A JP H11228403 A JPH11228403 A JP H11228403A JP 3735898 A JP3735898 A JP 3735898A JP 3735898 A JP3735898 A JP 3735898A JP H11228403 A JPH11228403 A JP H11228403A
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伊佐美 木村
Hideyuki Kobayashi
秀之 小林
Masahiko Ozaki
正彦 小嵜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用を発現させることなく、消化管運動機
能低下時の腹部不定愁訴および腹部膨満感等を改善させ
る消化管運動機能改善剤を提供すること。 【解決手段】 グルタミンを有効成分として含有する消
化管運動機能改善剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグルタミンを有効成
分として含有することを特徴とする消化管機能改善剤、
特に胃または腸管内に存在する内容物を速やかに排出さ
せることにより腹部不定愁訴および腹部膨満感を改善さ
せる作用を有するグルタミン含有製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、5−HT4受容体作動活性を
有するシサプリドやメトクロプラミドは、胃腸管の運動
亢進作用を有し、慢性胃炎、腹部膨満感、逆流性食道
炎、腹部不定愁訴および偽性腸閉塞の症状などの治療に
使用されている。しかし、メトクロプラミドは、中枢の
ドーパミンD2受容体への作用による錐体外路症状の副
作用が認められ、またシサプリドにおいてもパーキンソ
ン症状が現れることが明らかにされている。従って、こ
れらの薬物に副作用を発現させることなく期待する薬効
を求めることは、極めて困難な状況にある。
【0003】一方、生体成分であるグルタミンに関して
は、種々の報告があり、例えばDigestive Disease、20
巻、626頁(1975)には、グルタミンの胃粘膜細胞保護
作用について記載されている。
【0004】他方、グルタミンは、アミノ酸の中でも生
理的活性が高いアミノ酸として良く知られ、グルタミン
が小腸粘膜のエネルギー源となること、さらにはTPN
離脱後の小腸粘膜萎縮を防止することが数多く報告され
ている。例えば、ウィルモアら(Wilmore et al)は、
特表昭63−501214号公報でグルタミンをアミノ
酸輸液に添加して異化機能障害を治療することを開示し
ている。しかしながら、グルタミンが消化管運動機能改
善作用を有することは全く知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、各種消化管運動機能が低下している患者の腹部不定
愁訴や腹部膨満感を改善し、安全で、しかも消化管運動
機能の改善効果の強い薬剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、グルタミンが副作用
を発現せずに、各種消化管運動機能が低下している患者
の腹部不定愁訴や腹部膨満感を改善すること見い出し、
本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明はグルタミンを有効成分
として含有することを特徴とする消化管運動機能改善剤
に関わる。
【0008】本発明の消化管運動機能改善剤は、各種消
化管運動機能低下患者にグルタミン製剤として有効に適
用でき、その適用により腹部不定愁訴や腹部膨満感の改
善に優れた効果を発揮し、副作用等の心配はない。
【0009】本発明に用いられるグルタミンは、通常遊
離アミノ酸の形態で用いられるが、特に遊離形態である
必要はなく、薬理学的に許容される塩の形態で、または
生体内で加水分解されて遊離アミノ酸に変換されるエス
テル、ペプチドの形態で用いることもできる。グルタミ
ンの塩の形態としてはその金属塩または酸付加塩が使用
される。金属塩としてはナトリウム、カリウムのような
アルカリ金属の塩が好ましい。酸付加塩の形態としては
塩酸塩、硫酸塩のような鉱酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩の
ような有機酸塩が使用される。また、光学異性体である
D−体、L−体およびDL−体いずれのグルタミンも使
用することができる。
【0010】本発明においてグルタミンを消化管運動機
能改善剤として使用する場合は、グルタミンをそのまま
経口投与しても良いが、他に経腸投与、静脈内投与も可
能である。本発明で用いるグルタミンはこれのみを含む
製剤として単独で用いることもできるが、他のアミノ酸
(例えばアルギニン、分岐鎖アミノ酸、タウリン等)と
併用することにより更に良好な効果を奏し得る。
【0011】投与剤型としては、散剤、粉末剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤等の形態に
調製することができる。その場合、医薬上許容し得る固
体または液体状の適当な賦形剤、滑沢剤、風味補正剤、
香料、充填剤、溶剤、乳化剤等の製剤学的添加物、また
安定化剤やpH調整剤などの補助剤を加えて調製できる。
【0012】本発明の消化管運動機能改善剤は、各種消
化管運動機能低下時の腹部不定愁訴や腹部膨満感のある
患者に用いられ、その投与量は患者の性別、体型、体
質、年齢および症状や用いる剤型により異なるが、経口
投与する場合は、グルタミンを0.02〜0.5g/kg/
日、好ましくは0.05〜0.3g/kg/日とするのが適
当である。グルタミンの投与は、1日の投与量が上記範
囲内となるように1日に1回〜数回に分けて投与すると
好適である。
【0013】
【実施例】以下、製剤例および試験例に基づいて本発明
をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0014】実施例1 常法により、以下の組成を有する錠剤を製造する。 1錠(200mg)中の組成 L−グルタミン 100mg コーンスターチ 40mg 乳糖 54mg ヒドロキシプロピルセルロース 5mg ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0015】実施例2 常法により、以下の組成を有するカプセル剤を製造す
る。 1カプセル(200mg)中の組成 L−グルタミン 100mg コーンスターチ 65mg 乳糖 25mg ヒドロキシプロピルセルロース 10mg
【0016】実施例3 常法により、以下の組成を有する顆粒剤を製造する。 顆粒剤200mg中の組成 L−グルタミン 50mg コーンスターチ 40mg 乳糖 59mg 微結晶セルロース 39mg ヒドロキシプロピルセルロース 2mg カルボキシメチルセルロース 10mg
【0017】試験例1 消化管運動機能試験 一夜絶食した7週齢のCrj:CD系雄性ラットを用い
(1群7匹)、コントロール群は蒸留水を、グルタミン
投与群はL−グルタミン100mg/kgを、シサプリド投
与群はシサプリド10mg/kgを各々経口投与し、アトロ
ピン投与群はアトロピン5mg/kg皮下投与し、薬物投与
1時間後に直径1mmのビーズを100個経口投与した。
ビーズ投与30分後、エーテル麻酔下にて開腹し、腹部
大動脈より放血致死させ、直ちに胃および十二指腸・小
腸を摘出する。胃はG、十二指腸〜小腸は4等分し、十
二指腸側よりそれぞれB1〜B4で表わした。各部位に
存在するビーズ数を図1〜4に示した。
【0018】図1はコントロール群(蒸留水投与)、図
2はL−グルタミン投与群、図3はシサプリド投与群
(消化管の運動改善作用を有する)および図4はアトロ
ピン投与群(消化管などの弛緩と運動の抑制作用を有す
る)における消化管中のビーズの推移をそれぞれ示す。
コントロール群、アトロピン投与群では、ビーズが胃
(G)に多く観察されるが、L−グルタミン投与群では
シサプリド投与群と同様ビーズが小腸部位(B3)に多
く観察され消化管運動が促進されることが明らかとなっ
た。
【0019】試験例2 抗ドーパミン試験 一夜絶食した5週齢のCrj:CD系雄性ラットを用い
(1群4匹)、グルタミン投与群はL−グルタミン10
0、1000mg/kgを、シサプリド投与群はシサプリド
100および1000mg/kgを、メトクロプラミド投与
群はメトクロプラミド100および1000mg/kgを各
々経口投与し、投与1時間後のカタレプシーおよび投与
1時間後までの眼瞼下垂等を含む一般症状を観察した。
なおカタレプシーは、ラットの片前肢を直径5cm、高さ
4cmの円柱台に乗せ、静止している時間をスコアー(0
秒:0点、1〜10秒:1点、11〜20秒:2点、2
1〜30秒:3点、31秒以上:4点)によって評価
し、3回の平均値で表した。それらの結果を表1に示し
た。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果より、L−グルタミンはドーパ
ミンD2受容体に対する作用がないことが確認された。
【0022】試験例3 急性毒性試験 一夜絶食した5週齢のCrj:CD系雄性ラットを用い
(1群8匹)、L−グルタミン1000mg/kgを経口投
与し、1週間にわたって観察を行ったが、死亡例はなく
L−グルタミンの副作用は認められなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明の消化管運動機能改善剤は、胃ま
たは腸管内に存在する内容物を速やかに排出させること
により腹部不定愁訴および腹部膨満感を改善し、しか
も、安全で優れた消化管運動機能改善効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1におけるコントロール群の消化管中の
ビーズの推移を表すグラフである。
【図2】試験例1におけるL−グルタミン投与群ラット
の消化管中のビーズの推移を表すグラフである。
【図3】試験例1におけるシサプリド投与群ラットの消
化管中のビーズの推移を表すグラフである。
【図4】試験例1におけるアトロピン投与群の消化管中
のビーズの推移を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小嵜 正彦 滋賀県野洲郡野洲町大篠原1658番地 ヘキ スト・マリオン・ルセル株式会社開発研究 所

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルタミンを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする消化管運動機能改善剤。
  2. 【請求項2】 グルタミンを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする腹部不定愁訴改善剤。
  3. 【請求項3】 グルタミンを有効成分として含有するこ
    とを特徴とする腹部膨満感改善剤。
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