JP2000239163A - 腸疾患の治療剤 - Google Patents

腸疾患の治療剤

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JP2000239163A
JP2000239163A JP4185199A JP4185199A JP2000239163A JP 2000239163 A JP2000239163 A JP 2000239163A JP 4185199 A JP4185199 A JP 4185199A JP 4185199 A JP4185199 A JP 4185199A JP 2000239163 A JP2000239163 A JP 2000239163A
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hydrochloride
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intestinal
pref
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JP4185199A
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Mineko Fujimiya
峯子 藤宮
Masaki Fujimura
昌樹 藤村
Kimitsuka Kumano
公束 熊野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腸疾患の治療に有効な薬物療法を可能にする
医薬を提供する。 【解決手段】 (±)-1-[o-[2-( m-メトキシフェニル)
エチル] フェノキシ]-3-( ジメチルアミノ)-2-プロピル
水素サクシナート塩酸塩を有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腸疾患を治療する
医薬に関するものである。
【0002】
【従来技術】過敏性腸症候群は、ストレスなどの要因に
よって引き起こされ、腹痛や下痢などの消化器系の身体
症状を主症状とする疾患である。従来、この疾患は、痙
攣性大腸(spastic colon) 、神経性大腸炎(nervous col
itis) 、粘液性大腸炎(mucous colitis)、機能性大腸炎
(functional colitis)、又は大腸神経症(colonic neuro
sis)とも呼ばれていたが、大腸だけに起こる疾患ではな
く、小腸をも含めた消化管の機能疾患とも考えられるの
で、「大腸」の代わりに「腸」という言葉が用いられる
ようになっている。この疾患の要因として、ホルモンな
どの生理的因子、食物やストレスなどの外来からの刺
激、感情因子、及び遺伝的な体質などが示唆されてい
る。
【0003】過敏性腸症候群の治療において症状を完全
に消失させることは一般的には困難であり、通常は、種
々の愁訴をやわらげて通常の日常生活で支障のない状態
に改善することを目的とした治療が行われる。治療方法
としては、心理療法、生活指導、食餌療法などのほか、
患者の愁訴に対して対症的に薬物療法が用いられてい
る。過敏性腸症候群の薬物療法としては、下痢のような
消化管運動の亢進に対してはロペラミドなどのオピオイ
ド作動薬または臭化メペンゾラートや臭化チメピジウム
などの抗コリン剤が用いられており、不安や不眠などの
症状に対してはジアゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬
剤が処方されている。しかしながら、原因療法を可能に
する薬物療法は未だ確立されていない。
【0004】一方、血小板凝集阻害作用を有する(3-ア
ミノプロポキシ)ビベンジル類が知られている(特公昭
63-13427号公報)。この化合物はセロトニン拮抗作用
(セロトニン2受容体アンタゴニスト)を介して血管収
縮抑制作用を発揮することが知られており(特公平 5-4
4926号公報)、緑内障治療剤及び眼圧降下剤(特開平 8
-20531号公報)、間歇性は行改善薬(特開平9-286722号
公報)、及び涙液分泌促進剤(特開平10-67684号公報)
等としても有用であることが知られている。腸管の運動
にセロトニンが関与していることが明らかにされてお
り、セロトニン3受容体サブタイプの拮抗薬が腸管運動
の抑制に有効であることが示唆されている(Miyata ら,
J.Pharmacol.Exp.Ther., 261, pp.297-303, 1992) 。ま
た、セロトニン1A受容体サブタイプの作動薬がラット
強制水泳ストレス負荷による脱糞に対して抑制作用を示
すことが知られている(Foremanら,Drug Dev.Res., 34,
pp.66-85, 1995)。しかしながら、セロトニン2受容体
サブタイプの拮抗剤と腸管運動との関係については、未
だ知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明の課題は、腸疾患の治療に有効な薬物療
法を可能にする医薬を提供することにある。本発明者ら
は上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従
来、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍や疼痛などの症状の改善
のための治療剤として用いられている (±)-1-[o-[2-(m
- メトキシフェニル) エチル] フェノキシ]-3-( ジメチ
ルアミノ)-2-プロピル水素サクシナート塩酸塩が腸管運
動機能を改善する作用を有することを初めて見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち本発明の要旨は、
(±)-1-[o-[2-( m-メトキシフェニル) エチル] フェノ
キシ]-3-( ジメチルアミノ)-2-プロピル水素サクシナー
ト塩酸塩を有効成分として含む、腸疾患の治療剤に存す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の医薬の有効成分は、下記
式にて表される( ±)-1-[o-[2-(m- メトキシフェニル)
エチル] フェノキシ]-3-( ジメチルアミノ)-2-プロピル
水素サクシナート塩酸塩(一般名「塩酸サルポグレラー
ト」)である。
【0007】
【化1】
【0008】同物質は、特公昭63-13427号公報等に記載
された方法により、容易に製造することができる。同物
質については、抗血液凝固作用、特に血小板凝集阻害作
用を有し、血栓症の治療及び予防に有用であることが示
唆されている。また同物質は、眼圧降下作用、涙液増加
作用、溶血抑止作用、血管収縮抑制作用、偏頭痛の症状
緩和作用、血管平滑筋増殖抑制作用等が期待できること
も知られている。しかしながら、同化合物が腸疾患を治
療する作用を有することは、従来知られていない。
【0009】本発明の医薬の投与形態は特に制限され
ず、経口的又は非経口的に投与することができる。好ま
しくは、経口的に投与すればよい。本発明の医薬として
は、上記塩酸サルポグレラートを有効成分としてそのま
ま用いることができる。好ましくは、有効成分である上
記物質に対して、薬理学的および製剤学的に許容される
1又は2種以上の製剤用添加物を加え、当業者に周知な
形態の製剤として提供することができる。薬理学的およ
び製剤学的に許容し得る製剤用添加物としては、例え
ば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢
剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ない
し溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射
剤、および粘着剤等を用いることができる。
【0010】経口投与に適する製剤としては、例えば、
錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、また
はシロップ剤等を挙げることができる。非経口投与に適
する製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸
入剤、貼布剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、又は経皮吸
収用テープ剤等を挙げることができる。もっとも、本発
明の医薬の形態はこれらに限定されることはない。
【0011】経口投与、あるいは経皮または経粘膜投与
に適する製剤には、薬理学的、製剤学的に許容し得る添
加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D-マンニトー
ル、デンプン、または結晶セルロース等の賦形剤;カル
ボキシメチルセルロース、デンプン、またはカルボキシ
メチルセルロースカルシウム等の崩壊剤または崩壊補助
剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、またはゼ
ラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウムまたはタ
ルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、白糖、ポリエチレングリコールまたは酸化チタン等
のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエ
チレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、
精製水、またはハードファット等の基剤を用いることが
できる。また、フロン、ジエチルエーテル、または圧縮
ガス等の噴射剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、ポリイソブチレン、
ポリブテン等の粘着剤;木綿布またはプラスチックシー
ト等の基布等の製剤用添加物を用いて製剤を製造しても
よい。
【0012】注射あるいは点滴用に適する製剤には、注
射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水
性あるいは用時溶解型注射剤を構成し得る溶解剤または
溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D-マンニトー
ル、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩
基または有機塩基等のpH調節剤等の製剤用添加物を添加
してもよい。なお、塩酸サルポグレラートを有効成分と
する慢性動脈閉塞症に伴う虚血性諸症状の改善剤(錠
剤)が、すでに臨床上使用されているので(一般名「塩
酸サルポグレラート」;商品名「アンプラーグ」、三菱
化学株式会社製造、東京田辺製薬株式会社販売)、本発
明の腸疾患の治療剤として、上記市販製剤をそのまま使
用することもできる。
【0013】本発明の腸疾患の治療剤の投与量は特に制
限されず、投与形態や、患者の年齢、症状の程度や発生
頻度、体重等の条件に応じて適宜選択することができ
る。例えば、錠剤等による経口投与の場合には、成人1
日当たり、有効成分量として0.5 〜50mg/kg 、好ましく
は1 〜30mg/kg を投与すればよい。本発明の薬剤は、腸
管の蠕動を抑制する作用を有することから、過敏性腸症
候群、クローン病、潰瘍性大腸炎等の各種超疾患の治療
薬として、特に過敏性腸症候群に対して効果を発揮する
【0014】
【発明の効果】本発明の腸管運動機能改善剤は、腸管の
収縮を抑制する作用を有するので、腸管運動の異常に起
因する各種疾患、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性
大腸炎等に対して、優れた効果を発揮するものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明につき実施例を挙げて具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り、以下に限定され
るものではない。 実施例 ウイスター系ラット(雄、250−300g、30匹)
を用い、近位大腸を血行性に0. 2%BSA、5mMグルコ
ースを含むKrebs Ringer液で灌流し、内圧測定法で腸管
運動を記録した。血行性に塩酸サルポグレラートを最終
濃度が1μM、10μM、100 μMになるように投与し、
腸管運動の変化を観察した。硫酸アトロピン、TTX
(テトロドトキシン)を単独または塩酸サルポグレラー
トと複合で投与し、腸管運動に与える影響を調べた。灌
流腸管では、約1分間に1回の規則的な収縮運動を示し
た。塩酸サルポグレラート100μMの投与により運動
は抑制された。一方、硫酸アトロピン1μMの単独投与
で運動は有意に抑制され、TTX1μMの単独投与で運
動は有意に亢進した。塩酸サルポグレラートによる運動
の抑制効果は、TTXとの複合投与で消滅し、硫酸アト
ロピンとの複合投与で増強された。
【0016】以上の結果より、ラット大腸運動は内因性
のセロトニンによりアセチルコリン作動性神経を介した
促進性の制御を受けており、この反応はセロトニン2受
容体サブタイプを介して行われるものと考えられた。従
って塩酸サルポグレラートは、アセチルコリン神経上に
あるセロトニン2受容体をブロックすることで、腸管運
動に対する抑制効果を有すると考えられた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)-1-[o-[2-( m-メトキシフェニル)
    エチル] フェノキシ]-3-( ジメチルアミノ)-2-プロピル
    水素サクシナート塩酸塩を有効成分として含む、腸疾患
    の治療剤。
  2. 【請求項2】 過敏性腸症候群に対し治療効果を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の腸疾患の治療剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005072724A1 (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Mitsubishi Pharma Corporation 慢性脳循環不全症の予防及び/又は治療剤
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