JP2000086518A - 血管攣縮の予防・治療剤 - Google Patents

血管攣縮の予防・治療剤

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JP2000086518A
JP2000086518A JP10256427A JP25642798A JP2000086518A JP 2000086518 A JP2000086518 A JP 2000086518A JP 10256427 A JP10256427 A JP 10256427A JP 25642798 A JP25642798 A JP 25642798A JP 2000086518 A JP2000086518 A JP 2000086518A
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vasospasm
preventing
methyl
medicine
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JP10256427A
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English (en)
Inventor
Michiyasu Suzuki
倫保 鈴木
Akira Ogawa
彰 小川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管攣縮の予防・治療剤を提供する。 【解決手段】 (2R,4R)-4-メチル-1-[N2((RS)-3-メチル
-1,2,3,4- テトラヒドロ-8- キノリンスルホニル)-L-ア
ルギニル]-2-ピペリジンカルボン酸、その水和物、また
は薬学的に許容されるそれらの塩を有効成分とする血管
攣縮の予防・治療剤。 【効果】 本発明の血管攣縮の予防・治療剤は、くも膜
下出血に伴う脳血管攣縮、さらにはくも膜下出血術後の
血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状改善に対する効果
を有し、種々の血管攣縮、特に脳血管攣縮等の予防およ
び/または治療に有効であると考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のN2- アリールス
ルホニル-L- アルギニンアミド類、その水和物、または
薬学的に許容されるそれらの塩を有効成分とする、血管
攣縮の予防・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】血管攣
縮は血管内腔の狭小化で、血腫から放出される種々の攣
縮物質により引き起こされると考えられている。特に脳
動脈瘤の破裂等により引き起こされる脳血管攣縮は、神
経の脱落症状を呈したり、死に至ることがある。脳血管
攣縮が臨床的に問題となるのは、局所脳血流が低下して
神経脱落症状を呈する場合で、くも膜下出血患者の20〜
40%に発生し、DIND(delayed ischemicneurological de
ficits)と呼ばれている。この病態に対しては多方面か
ら種々のアプローチが試みられているが、現在のところ
脳血管攣縮を確実に予防する方法はなく、また起こった
場合も確実な治療法がないのが現状である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血管攣縮
を有効に予防・治療する薬剤を提供するべく検討を重ね
てきた結果、特定のN2- アリールスルホニル-L- アルギ
ニンアミド類、その水和物、または薬学的に許容される
それらの塩が優れた効果を有することを初めて見出し、
本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち本発明の要旨は、(2R,4R)-4-メチ
ル-1-[N2((RS)-3-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-8- キ
ノリンスルホニル)-L-アルギニル]-2-ピペリジンカルボ
ン酸、その水和物、または薬学的に許容されるそれらの
塩を有効成分とする血管攣縮の予防・治療剤に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明薬剤の有効成分となる化合物は、下記式にて表さ
れ、
【0006】
【化1】
【0007】特公昭61-48829号、同 1-35000号公報等に
記載されている通り、公知の化合物である。従ってこの
化合物は、特公昭61-48829号、同 1-35000号公報等に記
載の方法により、容易に製造することができる。なお、
上記の公告公報には、上記式の化合物がほ乳動物体内の
トロンビンに対して特異性の高い阻害効果を有し、血栓
症の治療および予防、あるいは血小板凝集阻害剤として
有用であることが示唆されているが、この化合物が血管
攣縮の予防・治療剤として有用であることについては、
示唆ないし教示されていない。
【0008】本発明の血管攣縮の予防・治療剤の有効成
分としては、遊離形態の上記化合物を用いても良いが、
その任意の水和物もしくは溶媒和物、あるいは上記化合
物またはその任意の水和物もしくは溶媒和物の薬学的に
許容される塩を用いることもできる。本発明において
は、特に上記化合物の一水和物を用いることが好まし
い。
【0009】薬学的に許容される塩としては、例えば、
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩等の塩基付加塩、あるいは塩酸塩、臭化
水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩
等の鉱酸塩、あるいは酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸
塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、
リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-ト
ルエンスルホン酸塩、10- カンファースルホン酸塩等の
有機酸塩を挙げることができる。
【0010】本発明の血管攣縮の予防・治療剤の投与形
態は特に制限されず、経口的、非経口的に投与すること
ができる。好ましくは、非経口的に、注射あるいは点滴
等により静脈内、くも膜下腔内あるいは髄腔内に投与す
ればよい。本発明の血管攣縮の予防・治療剤は、有効成
分として上記式の化合物をそのまま使用してもよいが、
好ましくは、有効成分である上記式の化合物に対して、
適宜の薬理学的および製剤学的に許容し得る添加物を加
え、当業者に周知な形態の製剤として提供される。薬理
学的および製剤学的に許容し得る添加物としては、例え
ば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢
剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ない
し溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射
剤、および粘着剤等を用いることができる。
【0011】経口投与に適する製剤の例としては、例え
ば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、
またはシロップ剤等を挙げることができる。非経口的に
投与する製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐
剤、吸入剤、または貼布剤等を挙げることができる。経
口投与、あるいは経皮または経粘膜投与に適する製剤に
は、薬理学的、製剤学的に許容し得る添加物として、例
えば、ブドウ糖、乳糖、D-マンニトール、デンプン、ま
たは結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチルセル
ロース、デンプン、またはカルボキシメチルセルロース
カルシウム等の崩壊剤または崩壊補助剤;ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、またはゼラチン等の結合
剤;ステアリン酸マグネシウムまたはタルク等の滑沢
剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリ
エチレングリコールまたは酸化チタン等のコーティング
剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコー
ル、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、または
ハードファット等の基剤を用いることができる。また、
フロン、ジエチルエーテル、または圧縮ガス等の噴射
剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリイソブチレン、ポリブテン
等の粘着剤;木綿布またはプラスチックシート等の基布
等の製剤用添加物を用いて製剤を製造しても良い。
【0012】注射あるいは点滴用に適する製剤には、注
射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水
性あるいは用時溶解型注射剤を構成し得る溶解剤または
溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D-マンニトー
ル、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩
基または有機塩基等のpH調節剤等の製剤用添加物を添加
しても良い。
【0013】なお、上記(I)式で表される化合物の
内、(2R,4R)-4-メチル-1-[N2((RS)-3-メチル-1,2,3,4-
テトラヒドロ-8- キノリンスルホニル)-L-アルギニル]-
2-ピペリジンカルボン酸 一水和物を有効成分とする抗
トロンビン剤または抗血栓剤(注射剤)が、既に臨床上
使用されているので(一般名「アルガトロバン」;商品
名「ノバスタン」、三菱化学株式会社製造、東京田辺製
薬株式会社販売、または商品名「スロンノン」、三菱化
学株式会社原体製造、第一製薬株式会社製造販売)、本
発明の血管攣縮の予防・治療剤として、上記市販製剤を
そのまま使用することもできる。
【0014】本発明の血管攣縮の予防・治療剤の投与量
は特に制限されず、投与形態や、患者の年齢、血管攣縮
の程度や症状、体重等の条件に応じて適宜選択すること
ができる。例えば静脈内投与の場合には、成人1日あた
り、有効成分量として0.1 〜50mg/kg 、好ましくは0.4
〜 3mg/kg を投与すれば良い。本発明の血管攣縮の予防
・治療剤は、好ましくは脳血管攣縮の予防・治療剤とし
て、より好ましくはくも膜下出血に伴う脳血管攣縮、く
も膜下出血術後の血管攣縮ならびにこれに伴う種々の脳
虚血症状の改善に用いることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の血管攣縮の予防・治療剤は、種
々の血管攣縮、特に脳血管攣縮に対して効果を有する。
より具体的には、くも膜下出血に伴う脳血管攣縮、さら
にはくも膜下出血術後の血管攣縮およびこれに伴う脳虚
血症状改善に対する予防・治療薬として有用である。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 1994〜1997年までに急性期破裂脳動脈瘤根治術を受けた
症例38例を対照群とし、1997〜1998年の根治術後にアル
ガトロバンの投与を受けた14例をアルガトロバン群とし
た。
【0017】全例Fisher IIIの症例で、ニカルジピンの
髄注、軽度昇圧、厳重な体液管理を行い、発症後約7〜
8日目に血管写を行った。アルガトロバンの投与は、発
症後5日目より2日間は30mg/day、次いで20mg/dayを5
日間投与した。血管写上の血管攣縮は、Schneck の分類
でdiffuse+severeと定義し、症候性血管攣縮も併せて検
討した。
【0018】両群とも発症後3回(day 3-5、7-9 、12
-14 )、抹消血と髄液のthrombin-antithrombin III co
mplex(TAT)、prothrombin Fragment 1+2(F1+2)、tissue
factor (TF)、tissue factor pathway inhibitor (TFP
I)を測定し、凝固能を検討した。アルガトロバン群で
は、血管写上血管攣縮は1例で、症候性血管攣縮は無か
った。一方対照群では、それぞれ6例、3例であった。
【0019】アルガトロバン投与後の凝固能の検討で
は、外因系のTFとTFPIは2つの群で差はなく、 TATは投
与群で髄液・血中とも低下し、F1+2では両群とも有意に
低下した。上記の結果より、アルガトロバンはくも膜下
出血根治術後の脳血管攣縮を予防する可能性が示唆され
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (2R,4R)-4-メチル-1-[N2((RS)-3-メチル
    -1,2,3,4- テトラヒドロ-8- キノリンスルホニル)-L-ア
    ルギニル]-2-ピペリジンカルボン酸、その水和物、また
    は薬学的に許容されるそれらの塩を有効成分とする血管
    攣縮の予防・治療剤。
  2. 【請求項2】 化合物が、(2R,4R)-4-メチル-1-[N2((R
    S)-3-メチル-1,2,3,4- テトラヒドロ-8- キノリンスル
    ホニル)-L-アルギニル]-2-ピペリジンカルボン酸一水和
    物であることを特徴とする、請求項1に記載の血管攣縮
    の予防・治療剤。
  3. 【請求項3】 血管攣縮が脳血管攣縮であることを特徴
    とする、請求項1または2に記載の血管攣縮の予防・治
    療剤。
  4. 【請求項4】 くも膜下出血に伴う脳血管攣縮を改善す
    ることを特徴とする、請求項1〜3に記載の血管攣縮の
    予防・治療剤。
  5. 【請求項5】 くも膜下出血術後の血管攣縮およびこれ
    に伴う脳虚血症状を改善することを特徴とする、請求項
    1〜4に記載の血管攣縮の予防・治療剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102563A1 (ja) 2007-02-23 2008-08-28 Next21 K.K. 血管攣縮の治療剤又は予防剤
CN102228426A (zh) * 2011-06-17 2011-11-02 天津市炜杰科技有限公司 以醇作为增溶剂的21(r)阿加曲班静脉注射液

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102563A1 (ja) 2007-02-23 2008-08-28 Next21 K.K. 血管攣縮の治療剤又は予防剤
CN102228426A (zh) * 2011-06-17 2011-11-02 天津市炜杰科技有限公司 以醇作为增溶剂的21(r)阿加曲班静脉注射液

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