JPH11228277A - 肥料組成物 - Google Patents

肥料組成物

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JPH11228277A
JPH11228277A JP10026041A JP2604198A JPH11228277A JP H11228277 A JPH11228277 A JP H11228277A JP 10026041 A JP10026041 A JP 10026041A JP 2604198 A JP2604198 A JP 2604198A JP H11228277 A JPH11228277 A JP H11228277A
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Tadayuki Suzuki
忠幸 鈴木
Kazuhiko Kurita
和彦 栗田
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昌敏 亀井
Katsuhiko Yamaguchi
雄彦 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウム等の肥料成分が効率的に吸収でき
る肥料組成物を提供する。 【解決手段】 特定のアニオン界面活性剤と肥料成分を
必須成分として含有する肥料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肥料組成物に関し、
更に詳しくは植物のカルシウム欠乏症による生理障害を
防止することを目的として、植物の根・茎・葉面または
果実に施肥又は散布して用いる肥料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】植物が成長するには種々の栄養要素が必
要であるが、土壌中にはこれらの要素が必ずしも十分存
在しているわけでない。そのためいくつかの要素が不足
すると植物の生育に支障を来すことが知られている。例
えば、肥料三大要素として窒素(N)は蛋白質の成分元
素であり、リン(P)は核酸やリン脂質の構成元素だけ
でなくエネルギー代謝や物質の合成・分解反応にも重要
な役割を果たしており、また、カリウム(K)は物質代
謝や物質移動の生理作用がある。これら主要成分の不足
により全般的に植物の生育は貧弱になる。また、カルシ
ウムは、植物体及び細胞を構成する重要な成分であり、
また代謝系のバランスを維持する為にも重要な働きをし
ているが、カルシウムの欠乏症状を呈し生理障害、例え
ば、トマトの尻腐れ、白菜・キャベツ等の芯腐れ、リン
ゴのビターピット、イチゴのチップバーンなどをおこ
す。
【0003】窒素、リン、カリウムの欠乏症には土壌中
へ化学肥料を施肥することが実施されている。また、カ
ルシウム欠乏による生理障害についてもそれを防ぐ為
に、土壌中へ無機カルシウム等を施肥し根から供給する
ことが多く試みられているが、一部は大気中の二酸化炭
素と反応し炭酸カルシウムとして地下へ流亡したり、施
肥された化学肥料と反応し不動化されてしまう。前述の
ような状態では、化学肥料とカルシウム成分の施肥バラ
ンスが悪くなり、 十分に植物体内へ供給されないことが
多くなる。そして、植物の根から吸収されたとしても、
カルシウムは植物体内では非常に移行しにくい元素であ
り、実際に生理障害が発生する部位まで到達しない場合
が多い。到達するにしても時間を相当要し、即効性が無
いのが現状である。
【0004】そこで近年、特にカルシウム欠乏による生
理障害が出やすい植物(作物)の葉面や果実に直接カル
シウム肥料を水溶液の形で散布し、取り込ませて生理障
害を回避する手段が試みられている。
【0005】このような葉面散布の技術を利用したカル
シウム肥料として、ギ酸カルシウム(特開昭59−13
7384号)、酢酸カルシウム(特開昭60−2604
87号)、プロピオン酸カルシウム(特開平4−202
080号)、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の水溶
性カルシウム塩が知られている。また、溶解度の高いカ
ルシウム塩と溶解度の低いカルシウム塩を組み合わせた
カルシウム肥料(特開平7−10666号)が知られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、葉面や果実か
らのカルシウム吸収は一般的に低く、カルシウム塩の水
溶液をそのまま葉面散布しても吸収効率という面からは
問題があった。また、吸収量を高めようとN、P、Kや
カルシウム塩等の過剰の肥料成分を散布することは、逆
に植物に対しストレスを与え薬害を生ずる結果となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの問題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のアニオン界面
活性剤と肥料成分、特にCa化合物を組み合わせ、その
肥料組成物を水溶液又は水分散液にし、植物の根や葉面
に対し散布すると、植物内へ効率的にCaを吸収させる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、カルボン酸系、硫酸エ
ステル系、リン酸エステル系及びナフタレンスルホン酸
系から選ばれるアニオン界面活性剤と肥料成分を必須成
分として含有することを特徴とする肥料組成物であり、
特に水溶液又は水性懸濁剤で葉面に対し散布して吸収効
率を上げる肥料組成物を提供するものである。
【0009】本発明に用いられるアニオン界面活性剤
は、カルボン酸系、硫酸エステル系、リン酸エステル系
及びナフタレンスルホン酸系から選ばれるものである。
【0010】カルボン酸系界面活性剤としては、例えば
炭素数8〜20である脂肪酸又はその塩、多価カルボン
酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
カルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル
アミドエーテルカルボン酸又はその塩、ロジン酸又はそ
の塩、ダイマー酸又はその塩、ポリマー酸又はその塩、
トール油脂肪酸又はその塩、等が挙げられる。また、ア
ミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサ
ルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸
塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチ
ルヒドロキシエチルメチル カルボン酸塩等が挙げられ、イ
ミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエト
キシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げ
られる。
【0011】硫酸エステル系界面活性剤としては、例え
ばアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキ
レンアルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアル
キレンアルキルフェニルエーテル硫酸又はその塩、トリ
スチレン化フェノール硫酸エステル又はその塩、ポリオ
キシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル又
はその塩等が挙げられる。
【0012】リン酸エステル系界面活性剤として、例え
ばアルキルリン酸エステル又はその塩、アルキルフェニ
ルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンア
ルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレ
ンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩等が挙げ
られる。
【0013】ナフタレンスルホン酸系界面活性剤とし
て、アルキルナフタレンスルフォン酸、β−ナフタレン
スルフォン酸ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンス
ルフォン酸ホルマリン縮合物又はその塩等が挙げられ
る。
【0014】これらの化合物のアルキル鎖、アルケニル
鎖は一般に炭素数8〜20であり、塩として、例えばア
ルカリ金属塩(Na、K等)、アンモニウム塩、アルカ
ノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。ま
た、上記アニオン界面活性剤は1種でも2種以上混合し
て使用してもよい。
【0015】また、必要に応じてノニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を組み合わせて使
用しても良い。
【0016】上記の各界面活性剤がポリオキシアルキレ
ン基を含む場合、好ましくはポリオキシエチレン基であ
り、付加モル数は1〜50であることが好ましい。
【0017】本発明の肥料組成物は、特定のアニオン界
面活性剤と、更に肥料成分とを含有する。肥料成分とし
ては、N、P、K、Ca、Mg、S、B、Fe、Mn、
Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Naなどの元素を含む
無機物或いは有機物が挙げられるが、特に好ましくはC
aを含む化合物である。Caを含む化合物としては、塩
化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、生石灰、消石灰等の無機カルシウム塩ある
いは、酢酸、ギ酸、乳酸等の有機酸カルシウム、エチレ
ンジアミン四酢酸等のポリアミノカルボン酸系キレート
剤のカルシウム塩、脂肪酸カルシウム等が挙げられ、2
種以上混合して用いても良い。これらの中では塩化カル
シウム、硝酸カルシウム、ギ酸カルシウム、グルコン酸
カルシウム等の水溶性カルシウム塩が特に好ましい。
【0018】本発明の組成は必要に応じて変更可能であ
るが、カルシウム肥料の場合、通常本発明のアニオン界
面活性剤0.1〜30重量%、Ca肥料成分1〜60重
量%(カルシウム塩として)であり、必要に応じて他の
成分を配合し、バランス量の水又は溶剤を配合すること
ができる。
【0019】本発明の肥料組成物には有機酸又はその塩
を混合すると吸収効率がさらに改善される。特に有機酸
としては、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン
酸等のカルボキシル基とヒドロキシル基を有するオキシ
カルボン酸や、エチレンジアミン4酢酸等のカルボキシ
ル基とアミノ基を好ましくは複数有するアミノカルボン
酸、特にポリアミノカルボン酸が好ましい。有機酸の塩
としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールア
ミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。これらの有機
酸(塩)は組成物中に0.01〜10重量%、好ましく
は0.1〜5重量%配合される。
【0020】本発明の肥料組成物の形態は、液体、フロ
ワブル、水和剤、粒剤、粉剤等のいずれでもよいが、希
釈液の調製の容易さから、特に好ましいのは水性の液状
である。通常Ca濃度が1ppm〜1%、好ましくは5
0ppm〜0.5%になるよう希釈され、水溶液、水性
分散液あるいは乳化液として植物の葉面や根へ散布され
る。
【0021】本発明の肥料組成物の植物への供給方法と
しては色々な手段を使うことができる。例えば、 希釈さ
れた水溶液を葉面、 茎、 果樹等直接植物に散布したり、
土壌中に注入する方法や水耕栽培やロックウールのよう
に根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給
する方法が挙げられる。
【0022】本発明の肥料組成物は、植物に対し薬害が
なく、効率的に植物体内へカルシウムなどの肥料成分が
取り込まれる為、各種農作物や(家庭)園芸植物に使用
散布することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下実施例にて本発明を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例 以下に表1の本発明品(1)の製造例を示す。本発明品
(2)〜(6)に関しても同手順により作成した。適量
の水道水に、カルシウム源としてCaCl2・2H2Oを
製剤最終濃度25重量%、グルコン酸Naを製剤最終濃
度0.5重量%になるよう添加し溶解する。0.1N塩
酸によりpH7.0に調整後、アニオン界面活性剤であ
るオレイン酸K(花王株式会社製、FR−14)を製剤
最終濃度2重量%になるよう添加し溶解後、水道水にて
100%とする。本製剤は微黄色透明の水溶液である。
比較として、CaCl2・2H2O、Ca(NO3)2又はギ
酸Caの単独系〔比較品(7)〜(9)〕、CaCl2
・2H2Oとヘプトン酸Na系〔比較品(10)〕、C
aCl2・2H2Oとクエン酸Na系〔比較品(1
1)〕、Ca(NO3)2とクエン酸Na系〔比較品(1
2)〕、Ca(NO3)2とドデシルベンゼンスルホン酸N
aとグルコン酸Na系〔比較品(13)〕を試験に供し
た。各カルシウム製剤の処方を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(注)表中、POEはポリオキシエチレン
の略であり、( )内の数字はエチレンオキサイド平均
付加モル数である。
【0027】試験例1<チンゲンサイへのカルシウム補
給試験> チンゲンサイ(タキイ種苗(株))を50穴セルに播種
し、第2葉が展開した後、 10穴を1区として週2回の
割合で各Ca製剤の希釈液を土壌に与えた。希釈液は、
各製剤をCaO%で0.5%になるように希釈したもの
である。希釈液は、10穴の植物体当たり約100ml
を施肥し、土壌が十分濡れる程度与えた(余分な液は底
部の穴より流脱する)。試験は4週間実施した。試験終
了後、各試験区の地上部を採取し、 表面を十分洗浄後、
水を切り、重量を測定した。重量測定後、各区のチンゲ
ンサイ(10株)をジューサ−で処理して葉汁を集め
た。葉汁を10倍希釈し6N塩酸と等量で混合し(3N
塩酸)熱処理抽出後、 濾過し濾過液を更に50倍希釈し
た後ICPによりCaの定量した。葉内のCa濃度を表
2に示す。また、薬害の度合いを以下の基準で目視判定
した(試験例2も同様)。 −:変化なし ±:褐色斑点が葉面積の5%未満 +:褐色斑点が葉面積の5%以上20%未満 ++:褐色斑点が葉面積の20%以上50%未満 +++:褐色斑点が葉面積の50%以上。
【0028】この結果から本発明のアニオン界面活性剤
とCa成分を混合することにより、各比較品に比べCa
のチンゲンサイへの取り込みが一段と促進されることが
わかる。
【0029】
【表2】
【0030】試験例2<メロンへのカルシウム葉面散布
試験> メロン「ア−ルスセイヌ秋冬I」を定植後10日より2
回/週散布し、計8回散布した。各Ca製剤をCaO%
で0.1%になるように希釈し、1株当たり700ml
となるように散布した。最終散布より10日めに植物体
を採取し、分析に供した(散布期間は、子づる伸長期か
ら開花肥大期に相当する)。各区3株について調査し
た。分析試料は、実施例1に準じる方法で調製した。
【0031】表3に示すように本発明品は本発明のアニ
オン界面活性剤とCa成分を混合することにより、各比
較品に比べCaのメロンへの取り込みが一段と促進され
ることがわかる。
【0032】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 亀井 昌敏 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 山口 雄彦 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸系、硫酸エステル系、リン酸
    エステル系及びナフタレンスルホン酸系から選ばれるア
    ニオン界面活性剤と肥料成分を必須成分として含有する
    ことを特徴とする肥料組成物。
  2. 【請求項2】 肥料成分が有機又は無機のCa化合物で
    ある請求項1記載の肥料組成物。
  3. 【請求項3】 Ca化合物が水溶性Caである請求項2
    記載の肥料組成物。
  4. 【請求項4】 更にオキシカルボン酸もしくはその塩又
    はアミノカルボン酸もしくはその塩を含む請求項1〜3
    の何れか1項記載の肥料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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ES2351447A1 (es) * 2009-02-27 2011-02-04 Agro Stock, S.A. Un compuesto fortificante para plantas.

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