JP4064156B2 - 肥料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の根・茎・葉面若しくは果実に、溶液状態、ペースト状態若しくは固体状態で葉面散布、土壌散布、土壌灌水、土壌灌注等の方法で又は水耕栽培等の培養液に添加する方法で投与して用いる肥料組成物に関する。ここで、以下、「植物」は、植物の語自体から認識され得るもの、野菜、果実、果樹、穀物、種子、球根、草花、香草(ハーブ)、分類学上の植物等を表すものとする。
【0002】
【従来の技術】
植物が成長するには種々の栄養要素が必要であるが、そのいくつかの要素が不足すると植物の生育に支障を来すことが知られている。例えば、肥料三大要素として窒素は蛋白質の成分元素であり、リンは核酸やリン脂質の構成元素だけでなくエネルギー代謝や物質の合成・分解反応にも重要な役割を果たしていおり、また、カリウムは物質代謝や物質移動の生理作用がある。これら主要成分の不足により全般的に植物の生育は貧弱になる。また、カルシウムは、植物体及び細胞を構成する重要な成分であり、また代謝系のバランスを維持する為にも重要な働きをしており、カルシウムの欠乏症状を呈し生理障害をおこす。その他にもMg、Fe、S、B、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、植物には種々の栄養素が必要である。
【0003】
これら窒素、リン、カリウム等の栄養成分は元肥や追肥の形で施肥されたり、液体肥料を希釈して土壌灌注したり葉面散布で与えられたりしている。これらの肥料は、植物の生長に必要な不可欠のものであるが、ある程度の濃度以上に与えても、肥料単独では植物の生長性及び収量の向上にはそれ以上貢献できない。
【0004】
しかし、農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収をはかることは農業生産上重要な課題であり、そのために必要な種々の植物生長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの物質の作用は多面的かつ複雑であり、用途が限定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
作物増収を目的に土壌中に多量の肥料が施肥された結果、土壌中の種々の要素が過剰になり、その吸収のバランスが悪くなったり、植物の生長停滞等が発生し、目的の増収を達成できなかったり糖度(Brix.値)等の品質が上がらない等の問題を生じている。また、根にも養分吸収の限界があるため、必要肥料元素の水溶液又は水性懸濁液を散布して直接葉面や果実から吸収させる試みもあるが、単なる必要元素の水溶液を葉面散布しても吸収効率という面からは問題があり、過剰の肥料成分を散布することが、逆に植物に対しストレスを与え薬害が生ずる結果となる。
【0006】
このような状況から、植物に対して薬害等をもたらさず、用途の限定がなく優れた植物成長増強効果を示す肥料組成物が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)下記式(I)で表される化合物及びその4級化物〔以下、化合物(a)という〕の少なくとも1種を含有する肥料組成物に関する。
【0008】
【化4】
Figure 0004064156
【0009】
〔式中、
AOは、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、ひとつのAO中に異なる炭素数のアルキレンオキシ基が混在していてもよく、
m及びnは、それぞれ平均値を示し、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、1〜30の数であり、
1は、下記(1)〜(4)の何れかの基であり、
(1)式:−(AO)s−CO−R4(ここで、R4は、炭素数5〜29の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、sは、平均値を示し、1〜30の数であり、AOは前記定義の通りである。)で表される基
(2)式:−(CH2)p−CO−(OA)q−OR5(ここで、R5は、水素原子又は炭素数1〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基であり、pは、1〜5の数であり、qは、平均値を示し、0〜30の数であり、OAは、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、ひとつのOA中に異なる炭素数のオキシアルキレン基が混在していてもよい。)で表される基
(3)式:−(AO)s−R4(ここで、R4、AO及びsは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基
(4)式:−(AO)s−Cr2r−CO−NR7−R6(ここで、R6は、炭素数5〜29の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、R7は、水素原子又は炭素数1〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を表し、rは1〜6の数であり、AO及びsは、それぞれ前記定義の通りである。)
で表される基
2及びR3は、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、水素原子、炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、式:−CO−R4(ここで、R4は、前記定義の通りである。)で表される基、又は、式:−Cr2r−CO−NR7−R6(ここで、R6、R7及びrは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基である。〕
【0010】
【発明の実施の形態】
<化合物(a)>
化合物(a)としては、式(I)中のAOとしてエチレンオキシ基を含むもの又はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを含むものが好ましい。同様にOAとしてオキシエチレン基を含むもの又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを含むものが好ましい。エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを含む場合、ひとつのAOにおける配列はランダムでもブロックでも何れでもよい。化合物(a)の具体例として以下のものが挙げられ、特に、式(I−b)で表される4級塩型化合物が好ましい。
【0011】
(1)下記式(I−a)で表される化合物
【0012】
【化5】
Figure 0004064156
【0013】
〔式中、AO、m、n及びsは、それぞれ前記定義の通りであり、R2a、R3a及びR4aは、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、水素原子、炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、式:−CO−R4(ここで、R4は、前記定義の通りである。)で表される基、又は、式:−Cr2r−CO−NR7−R6(ここで、R6、R7及びrは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基であり、但し、R2a、R3a及びR4aの内の少なくとも1つは水素原子ではない。〕。
【0014】
(2)下記式(I−b)で表される化合物
【0015】
【化6】
Figure 0004064156
【0016】
〔式中、AO、m、n、R1、R2及びR3は、それぞれ前記定義の通りであり、R8は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、X-は対陰イオンを示す。〕。
【0017】
上記のうち式(I−a)の化合物は、トリアルカノールアミンの、エステル型誘導体、アルキルエーテル型誘導体及びアルキルアミドエーテル型誘導体を包含する。
【0018】
それらのうち、エステル型誘導体は、例えば次のようにして合成することができる。まず、トリアルカノールアミンを、脂肪酸又は脂肪酸のメチルエステル等の脂肪酸エステルと反応させてエステル化する。続いて、得られたエステルにアルキレンオキシドを付加させる。替わりに、適当な油脂とトリアルカノールアミンを任意の比率で含む混合物に、撹拌下、アルキレンオキシドを導入する。このようにして、エステル交換反応を行ないつつアルキレンオキシドの付加を行ってもよい。この反応には、各種動植物由来の油脂を用いることができる。この反応に用いられる油脂の具体例としては、やし油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、あまに油、牛脂、骨油、魚油及び鯨油、並びにこれらの水添物が挙げられる。
【0019】
いずれの方法を実施しても、得られる反応生成物は、一般に、モノエステル、ジエステル及びトリエステルの混合物からなる。油脂を用いる反応では、原料である油脂とトリアルカノールアミンの混合比を適切に選択することにより、アミン当りのアシル基数、即ちエステル化の割合を、所望の通りに調整することができる。上記油脂を用いる反応を実施すると、副生成物として、種々のグリセリド類も生成する。このような副生成物をも含む反応生成物は、そのまま、即ち上記副生成物を除去することなく、本発明において、肥料成分の吸収を向上させるために用いられ得る。
【0020】
式(I−a)の化合物のうち、アルキルエーテル型誘導体は、例えば次のようにして合成することができる。まず、ドデカノール等のアルコールにアルキレンオキシドを付加し、アルコールのアルキレンオキシド付加物とする。次に、その付加物を、塩酸等を用いてハロゲン化し、当該付加物の水酸基末端の水素原子をハロゲン原子で置換する。続いて、得られた反応生成物を、エタノールアミン等の有機アミンと反応させ、そのハロゲン化末端をアミノ化する。必要に応じ、得られた生成物に、更に、アルキレンオキシドを付加する。
【0021】
式(I−a)の化合物のうち、モノアルキルアミドエーテル型誘導体は、例えば次のようにして合成することができる。まず、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンにアルキレンオキシドを付加し、アルカノールアミンのアルキレンオキシド付加物とする。次に、その付加物を、例えばモノクロロ酢酸ナトリウムと反応させ、そのカルボキシアルキル誘導体とする。続いて、得られた反応生成物をオクタデシルアミン等の有機アミンと反応させ、そのカルボキシル基をアミド基に変換する。
【0022】
また、上記のうち式(I−b)の化合物は、例えば次のようにして合成することができる。一つの方法は、式(I−a)の化合物を、アルキルクロライド等のハロゲン化物を用いて4級化することからなる。他の方法は、例えばモノクロロ酢酸エステルを用いて、アミン化合物を4級化することからなる。即ち、例えばジエタノールメチルアミンにアルキレンオキシドを付加して、ポリオキシアルキレンアミン化合物を得る。次いで、得られたポリオキシアルキレンアミン化合物を、モノクロロ酢酸とアルコールの反応生成物であるモノクロロ酢酸エステルによって4級化する。
【0023】
勿論、式(I−a)の化合物又は(I−b)の化合物の製造方法は、上記のものに限定されるものではない。
【0024】
式(I−a)の化合物におけるオキシアルキレン基は、出発原料であるアルカノールアミンに由来するか、アルキレンオキシドの付加によって導入される。
【0025】
また、式(I−a)中のR2a、R3a及びR4aは、それぞれ、炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐鎖アルキル又はアルケニル基、又は式:−CO−R4(ここで、R4は、炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基もしくはアルケニル基である。)で表される基であるのが好ましく、炭素数7〜25の直鎖もしくは分岐鎖アルキル又はアルケニル基、又は式:−CO−R4(ここで、R4は、炭素数7〜25の直鎖もしくは分岐鎖アルキル又はアルケニル基である。)で表される基であるのがより好ましく、炭素数7〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル又はアルケニル基、又は式:−CO−R4(ここで、R4は、炭素数7〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル又はアルケニル基である。)で表される基であるのが特に好ましい。
【0026】
また、式(I−a)中のm、n、sは、それぞれアルキレンオキシ基の平均数を示す。m、n、sは、互いに同一又は異なって、それぞれ独立に、1〜20の数であることが好ましく、2〜15の数であることが更に好ましい。
【0027】
m+n+sは、5〜40であるのが好ましく、10〜30であるのがさらに好ましく、10〜20であるのが特に好ましい。
【0028】
m+n+sは、アルキレンオキシ基がアルキレンオキシドの付加反応によってのみ分子中に導入された場合、式(I−a)で表される化合物1分子あたりのアルキレンオキシド平均付加モル数を示す。また、式(I−a)で表される化合物が、例えばアルカノールアミンをその原料の1つとして用いて合成される場合は、m+n+sは、式(I−a)で表される化合物1分子あたりのアルキレンオキシド平均付加モル数+アルカノールアミンのアルカノール基の数を示す。
【0029】
本発明に係る式(I−b)の化合物としては、式(I−b)中のR8が、式:−(AO)s−CO−R4(ここで、AO、R4及びsは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基である化合物、又は、式:−(CH2)p−CO−(OA)q−OR5(ここで、OA、R5、p及びqは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基である化合物が好ましい。
【0030】
また、式(I−b)中のR4は、炭素数7〜25の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるのが好ましく、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるのが特に好ましい。また、式(I−b)中のR5は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるのが好ましく、炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるのが特に好ましい。
【0031】
また、式(I−b)中のm、n、s、qは、それぞれオキシアルキレン基の平均数を示し、m、n、s、qは、互いに同一又は異なって、それぞれ独立に、1〜20の数であることが好ましく、2〜15の数であることが更に好ましい。
【0032】
m+n+s又はm+n+qは、5〜40であるのが好ましく、10〜30あるのがさらに好ましく、10〜20であるのが特に好ましい。
【0033】
m+n+s又はm+n+qは、オキシアルキレン基がアルキレンオキシドの付加反応によってのみ分子中に導入された場合、式(I−b)で表される化合物1分子あたりのアルキレンオキシド平均付加モル数を示す。また、式(I−b)で表される化合物が、例えばアルカノールアミンをその原料の1つとして用いて合成される場合は、m+n+s又はm+n+qは、式(I−b)で表される化合物1分子あたりのアルキレンオキシド平均付加モル数+アルカノールアミンのアルカノール基の数を示す。
【0034】
式(I−b)中の対陰イオンX-の例としては、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物アニオン、アルキル硫酸エステルアニオン、アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、アルキルナフタレンスルホン酸アニオン、脂肪酸アニオン、アルキルリン酸エステルアニオン、アニオン性オリゴマー、アニオン性ポリマーが挙げられる。
【0035】
本発明に係る化合物(a)は、単独で、又は、それらの内の少なくとも二種の混合物(以下、エステル混合物という)の形で用いることができる。なかでも、下記式(I−1)で表されるモノエステル(a1)と、下記式(I−2)で表されるジエステル(a2)と、下記式(I−3)で表されるトリエステル(a3)を含有し、且つトリエステル(a3)に対するモノエステル(a1)とジエステル(a2)の和の重量比が[(a1)+(a2)]/(a3)=100/0〜50/50であり、かつ、ジエステル(a2)に対するモノエステル(a1)の重量比が(a1)/(a2)=100/0〜5/95であるものが好ましい。該重量比[(a1)+(a2)]/(a3)は、100/0〜80/20がより好ましく、95/5〜80/20であるのが特に好ましい。また、ジエステル(a2)に対するモノエステル(a1)の重量比(a1)/(a2)は、80/20〜20/80がより好ましい。本発明のエステル混合物としては、[(a1)+(a2)]/(a3)が100/0〜80/20であり、且つ、(a1)/(a2)が80/20〜20/80であるものが最も好ましい。
【化12】
Figure 0004064156
〔式中、AOはエチレンオキシ基でありm、n及びsは、それぞれ平均値を示し、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、2〜15の数であり、4は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、R8、炭素数1〜4のアルキル基であり、X-は対陰イオンを示す。〕
【0036】
式(I−1)、(I−2)及び(I−3)中の置換基として、好ましいものの例は、式(I−b)中の置換基の好的例として前記されたものと同じである。
【0037】
本発明のエステル混合物は、上記エステルを上記の比率で互いに混合して調製してもよいが、通常は、原料仕込量や反応条件等を調節して、反応生成物が上記エステルを上記の比率で含有するエステル混合物の形となるように、その製造が行われる。
【0038】
なお、本発明に係る式(I−a)で表される化合物も、式(I−a)で表される、モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物の形で使用することができる。当該混合物に含まれる成分の好適比率は、式(I−b)の化合物のモノエステル(a)、ジエステル(a2)、トリエステル(a3)について述べたものと同様である。
【0039】
<その他の成分>
本発明の肥料組成物は、(b)化合物(a)以外の界面活性剤、(c)キレート剤、並びに(d)植物活力剤から選ばれる一種以上を含有することができる。また、肥料成分を含有する。
【0040】
(b)界面活性剤は、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤のうちのいずれでもよく、或いはそれらの混合物であってもよい。
【0041】
非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル−ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、ポリオキシアルキレンアルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンブロック共重合体アルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルスルホンアミド、ポリオキシアルキレンロジンエステル、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキルポリグリコシドが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、これらの界面活性剤二種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0042】
陽イオン界面活性剤の例としては、タローアミンエチレンオキサイド付加物、オレイルアミンエチレンオキサイド付加物、ソイアミンエチレンオキサイド付加物、ココアミンエチレンオキサイド付加物、合成アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、オクチルアミンエチレンオキサイド付加物などのアルキルアミンエチレンオキサイド付加物及びアルキルアミンプロピレンオキサイド付加物、及びこれらの化合物から誘導された4級アンモニウム化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、これらの界面活性剤二種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0043】
陰イオン界面活性剤のうち、典型的なものは、水溶液或いは固体状態で入手され得る。陰イオン界面活性剤の例としては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホネート−ホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレフィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、直鎖及び分岐鎖アルキルポリオキシアルキレンエーテル酢酸及びその塩、直鎖及び分岐鎖アルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸及びその塩、直鎖及び分岐鎖アルキルアミドポリオキシアルキレンエーテル酢酸及びその塩、脂肪酸、例えば、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸及びオレイン酸、及びその塩、及びN−メチル脂肪酸タウリドが挙げられる。上記例中、塩とは、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩等をいう。これらは、単独で用いてもよいし、これらの界面活性剤二種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0044】
両性界面活性剤の例としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、アロモックス(登録商標)C/12、モナテリックス(登録商標)、ミラノール(登録商標)、ロンザイン(登録商標)及び他のアミンオキサイド及びベタイン化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上の混合物の形で用いてもよい。
【0045】
これらの界面活性剤のうち、特に好ましいのは、非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤である。
【0046】
化合物(a)の総量と、(b)界面活性剤の総量の重量比は、(a)/(b)=1/10〜50/1であることが好ましく、1/1〜10/1であることが更に好ましい。
【0047】
また、(c)キレート剤は、金属イオンをキレートする能力を有するものであれば特に制限されない。本発明に用いられるキレートの例としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、イミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等のホスホン酸系キレート剤、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、リン酸系キレート剤、高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤およびジメチルグリオキシム(DG)が挙げられる。これらのキレート剤は、それぞれフリーの酸型であっても、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形であってもよい。替わりに、それらは、加水分解可能なそれらのエステル誘導体の形であってもよい。
【0048】
アミノポリカルボン酸系キレート剤の具体例としては、
a) 化学式 RNY2で表される化合物、
b) 化学式 NY3 で表される化合物、
c) 化学式 R−NY−CH2CH2−NY−Rで表される化合物、
d) 化学式 R−NY−CH2CH2−NY2で表される化合物、
e) 化学式 Y2N−R’−NY2で表される化合物、及び、
f) e)の化合物に類似する化合物で、Yを4以上含む化合物、例えば式
【0049】
【化7】
Figure 0004064156
【0050】
で表される化合物が挙げられる。
【0051】
上記式中、Yは−CH2COOH又は−CH2CH2COOHを表し、Rは、水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基といったこの種の公知のキレート剤を構成する基を表し、R’は、アルキレン基、シクロアルキレン基といったこの種の公知のキレート剤を構成する基を表す。
【0052】
アミノポリカルボン酸系キレート剤の代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)、並びにこれらの塩類が挙げられる。
【0053】
本発明で使用される芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、イタコン酸、アコニット酸、ピルビン酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸(アントラニル酸を含む)、フタル酸、トリメリット酸及び没食子酸、並びにこれらの塩類、メチルエステル類及びエチルエステル類が挙げられる。また、本発明で使用されるアミノ酸系キレート剤の例としては、グリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン、メチオニン及びこれらの塩類及び誘導体が挙げられる。
【0054】
更に、本発明に使用されるエーテルポリカルボン酸系キレート剤の例としては、ジグリコール酸、次式で表される化合物、その類似化合物及びその塩(例えばナトリウム塩)類が挙げられる。
【0055】
【化8】
Figure 0004064156
【0056】
〔式中、Y1は、水素原子、−CH2COOHまたは−COOHを表し、Z1は、水素原子、−CH2COOHまたは
【0057】
【化9】
Figure 0004064156
【0058】
を表す。〕。
【0059】
本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸系キレート剤の例としては、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酒石酸、乳酸及びこれらの塩類が挙げられる。
【0060】
本発明で使用されるリン酸系キレート剤の例としては、オルトリン酸、ピロリン酸、トリリン酸及びポリリン酸が挙げられる。
【0061】
本発明で使用される高分子電解質(オリゴマー電解質を含む)系キレート剤の例としては、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体、これらの重合体の構成モノマー二種以上からなる共重合体およびエポキシコハク酸重合体が挙げられる。
【0062】
加えて、本発明では、アスコルビン酸、チオグリコール酸、フィチン酸、グリオキシル酸及びグリオキサール酸、並びにそれらの塩類も、キレート剤として好適に用いることができる。
【0063】
本発明においては、(c)キレート剤は、化合物(a)(二種以上の化合物を用いる場合はその総量)1モルに対して、好ましくは0.01〜30モル、より好ましくは0.05〜20モル、更に好ましくは0.1〜15モルの量で使用する。
【0064】
本発明の肥料組成物では、有機酸又はその塩を併用すると肥料の吸収効率がさらに改善される。よって、(c)キレート剤として有機酸、特にクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸等のカルボキシル基とヒドロキシル基を有するオキシカルボン酸や、エチレンジアミン4酢酸等のカルボキシル基とアミノ基を好ましくは複数有するアミノカルボン酸、特にポリアミノカルボン酸を配合することが好ましい。これら有機酸の塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。これらの有機酸(塩)は組成物中に好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%配合される。
【0065】
本発明に用いられる(d)植物活力剤としては、下記一般式(II)で表される化合物からなるものが好ましい。
【0066】
【化10】
Figure 0004064156
【0067】
〔式中、Raは炭素数10〜22の炭化水素基、Rbは水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、Rcは水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を示す。〕。
【0068】
(d)植物活力剤は本発明の化合物(a)に対して0.1〜500重量%、更に1〜200重量%、特に5〜100重量%の比率で肥料組成物中に配合されることが好ましい。
【0069】
本発明の肥料組成物は、肥料成分を含有する。肥料成分としては、N、P、K、Ca、Mg、S、B、Fe、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Naなどの元素を含む無機物或いは有機物が挙げられるが、特に好ましくはN、P、K又はCaを含む化合物である。Caを含む化合物としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、生石灰、消石灰等の無機カルシウム塩あるいは、酢酸、ギ酸、乳酸等の有機酸カルシウム、エチレンジアミン四酢酸等のポリアミノカルボン酸系キレート剤のカルシウム塩、脂肪酸カルシウム等が挙げられ、2種以上混合して用いても良い。これらの中では塩化カルシウム、硝酸カルシウム、ギ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム等の水溶性カルシウム塩が特に好ましい。
【0070】
本発明の組成は必要に応じて変更可能であるが、カルシウム肥料の場合、通常、本発明の化合物(a)1〜50重量%、(b)界面活性剤1〜50重量%、カルシウム肥料成分1〜60重量%(カルシウム塩として)であり、必要に応じて他の成分を配合し、バランス量の水又は溶剤を配合することができる。
【0071】
本発明の肥料組成物の形態は、液体、フロワブル、水和剤、粒剤、粉剤等のいずれでもよいが、希釈液の調製の容易さから、特に好ましいのは水性の液状である。通常カルシウム濃度が1ppm〜1%(重量比)、好ましくは50ppm〜0.5%になるよう希釈され、水溶液、水性分散液あるいは乳化液として植物の葉面や根へ散布される。
【0072】
本発明の肥料組成物の植物への供給方法としては色々な手段を使うことができる。例えば、希釈された水溶液を葉面、茎、果樹等直接植物に散布したり、土壌中に注入する方法や水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給する方法が挙げられる。
【0073】
本発明の肥料組成物は、植物に対し薬害がなく、効率的に植物体内へカルシウムなどの肥料成分が取り込まれる為、各種農作物や(家庭)園芸植物に使用散布することが可能である。
【0074】
【実施例】
<製造例>
オートクレーブに、トリエタノールアミン 100g、やし油 220g及び48%水酸化カリウム水溶液 1.4kgを仕込んだ。オートクレーブの内部条件を100℃、30トルとし、その条件下、1時間脱水反応を行った。次いで、温度を 150℃まで上げ、同温で、酸化エチレン 575gをオートクレーブに導入し、付加反応を行った。反応終了後、得られた反応混合物を処理槽にあけた。アルカリの吸着剤(キョーワード R 600S) 12gを反応混合物に添加し、得られた混合物を、80℃、4.0kPa(30トル)で1時間撹拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液 850g(収率:95%)を生成物として得た。その生成物を、NMR分光測定法、高速液体クロマトグラフィー及び質量分光分析に供したところ、生成物は、下記組成を有する混合物であることが判明した。
【0075】
【化11】
Figure 0004064156
【0076】
上記式中、EOは、酸化エチレンに由来する基(即ち−C24O−)を示し、Rは、やし油由来の炭化水素基を示し、t+m+nは、分子あたりの酸化エチレン平均付加モル数を示し、15である。
【0077】
上記生成物300gをオートクレーブに入れ、それに、塩化メチル23gを吹き込んだ。オートクレーブの内部条件を、100℃、196〜490kPaの圧力とし、その条件下、8時間反応を行った。反応終了後、温度は70℃、圧力を常圧とした。同温、同圧にて、反応混合物を撹拌しながら、かつ脱気しながら、窒素ガスを50ml/分の速度で得られた反応混合物に吹き込んだ。このようにして、反応生成物310g(収率:99.5%)を得た。得られた反応生成物をNMR分光測定法に供し、その4級化率を調べたところ、95%であった。
【0078】
<肥料組成物の調製>
表1〜3に示す化合物と、表4に示す肥料成分、界面活性剤、キレート剤、植物活力剤を用い、表4に示す種々の肥料組成物を調製した。残部は水である。
【0079】
【表1】
Figure 0004064156
【0080】
【表2】
Figure 0004064156
【0081】
【表3】
Figure 0004064156
【0082】
【表4】
Figure 0004064156
【0083】
・POEは、ポリオキシエチレンの略であり、( )内の数字はエチレンオキサイドの平均付加モル数である。
・肥料成分(A):尿素40重量%、硝酸カリウム30重量%、リン酸水素−カリウム25重量%、リン酸水素二カリウム5重量%(N:P:K=20:7:5)
・肥料成分(B):硝酸カルシウム100重量%。
【0084】
実施例1
イチゴに対する生育効果(土壌処理試験)
イチゴ(品種とよのか)を9月15日定植後、一週間に1回の割合で、表4に示す肥料組成物を300倍に希釈し土壌処理を行った。処理量は株あたり400ml程度である。肥料成分(B)を使用する本発明品20と比較品28に関しては、さらにリン酸、カリウムの供給を目的にOKF2(大塚化学(株))を500倍希釈で2週間に1回の割合で処理を行った。5月の収穫終了期にイチゴ株の掘りとり調査を行い、イチゴ株の地上部生重量、地下部生重量を測定した。これらの結果を、比較品27を100とする相対値に換算し表5に示した。表5のとおり本発明品では、イチゴ株が地上部生重量、地下部生重量とも増大した。
【0085】
【表5】
Figure 0004064156
【0086】
実施例2
キクに対する生育効果(土壌処理試験)
キク(品種神馬)を8月25日挿し穂後、一週間に1回の割合で、表4に示す肥料組成物を300倍に希釈し土壌処理を行った。処理量は株あたり400ml程度である。肥料成分(B)を使用する本発明品20と比較品28に関しては、さらにリン酸、カリウムの供給を目的にOKF2(大塚化学(株))を500倍希釈で2週間に1回の割合で処理を行った。12月の収穫終了期にキクの切り花品質調査を行い、キクの草丈、切り花重量を測定した。これらの結果を、比較品27を100とする相対値に換算し表6に示した。表6のとおり本発明品では、キクの草丈、切り花重量が増大した。
【0087】
【表6】
Figure 0004064156
【0088】
実施例3
トマト苗に対する生育効果(水耕栽培試験)
トマト種子(品種 桃太郎)を箱播きし、本葉3枚展開時期の苗を、表4に示す肥料組成物を300倍に希釈し水耕栽培を行った。肥料成分(B)を使用する本発明品20と比較品28に関しては、さらにリン酸、カリウムの供給を目的にOKF2(大塚化学(株))を500倍希釈になるように追加し水耕栽培を行った。試験開始2週間後に茎葉部、根部の乾燥重量を測定した。これらの結果を、比較品27を100とする相対値に換算し表7に示した。表7のとおり、トマト苗の茎葉部、根部重量とも増大し、生育が促進された。
【0089】
【表7】
Figure 0004064156
【0090】
実施例4
トマト苗に対する生育効果(葉面散布試験)
トマト種子(品種 桃太郎)をクレハ園芸培土((呉羽化学(株)、肥料成分N:P:K=0.4:1.9:0.6(g/kg))に播種し、子葉展開後、直径15cmポットに定植しOKF2(大塚化学(株))を500倍希釈で1週間に1回、株あたり200ml量の土壌処理で栽培した。本葉3枚展開時期の苗を、表4に示す肥料組成物を300倍に希釈し1週間に1回、株当たり50mlの葉面散布を行った。試験開始4週間後に茎葉部、根部の乾燥重量を測定した。これらの結果を、比較品27を100とする相対値に換算し表8に示した。表8のとおり、トマト苗の茎葉部、根部重量とも増大し、生育が促進された。
【0091】
【表8】
Figure 0004064156

Claims (6)

  1. (a)下記式(I)で表される化合物及びその4級化物の少なくとも1種1〜50重量%、カルシウム肥料成分1〜60重量%(カルシウム塩として)とを含有する肥料組成物。
    Figure 0004064156
    〔式中、
    AOは、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、ひとつのAO中に異なる炭素数のアルキレンオキシ基が混在していてもよく、
    m及びnは、それぞれ平均値を示し、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、1〜30の数であり、
    1は、下記(1)〜(4)の何れかの基であり、
    (1)式:−(AO)s−CO−R4(ここで、R4は、炭素数5〜29の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、sは、平均値を示し、1〜30の数であり、AOは前記定義の通りである。)で表される基
    (2)式:−(CH2)p−CO−(OA)q−OR5(ここで、R5は、水素原子又は炭素数1〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基であり、pは、1〜5の数であり、qは、平均値を示し、0〜30の数であり、OAは、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、ひとつのOA中に異なる炭素数のオキシアルキレン基が混在していてもよい。)で表される基
    (3)式:−(AO)s−R4(ここで、R4、AO及びsは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基
    (4)式:−(AO)s−Cr2r−CO−NR7−R6(ここで、R6は、炭素数5〜29の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を表し、R7は、水素原子又は炭素数1〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を表し、rは1〜6の数であり、AO及びsは、それぞれ前記定義の通りである。)
    で表される基
    2及びR3は、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、水素原子、炭素数5〜29の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、式:−CO−R4(ここで、R4は、前記定義の通りである。)で表される基、又は、式:−Cr2r−CO−NR7−R6(ここで、R6、R7及びrは、それぞれ前記定義の通りである。)で表される基である。〕
  2. 式(I)で表される化合物及び/又はその4級化物が、AOとしてエチレンオキシ基又はOAとしてオキシエチレン基を含む請求項1記載の肥料組成物。
  3. 式(I)で表される化合物及び/又はその4級化物が、AOとしてエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基又はOAとしてオキシエチレン基とオキシプロピレン基とを含む請求項1記載の肥料組成物。
  4. 式(I)で表される化合物及び/又はその4級化物として、下記式(I−1)で表されるモノエステル(a1)と、下記式(I−2)で表されるジエステル(a2)と、下記式(I−3)で表されるトリエステル(a3)を含有し、且つトリエステル(a3)に対するモノエステル(a1)とジエステル(a2)の和の重量比が〔(a1)+(a2)〕/(a3)=100/0〜50/50であり、かつ、ジエステル(a2)に対するモノエステル(a1)の重量比が(a1)/(a2)=100/0〜5/95である、請求項1〜3の何れか1項記載の肥料組成物。
    Figure 0004064156
    〔式中、AOはエチレンオキシ基でありm、n及びsは、それぞれ平均値を示し、互いに同一又は相異なってそれぞれ独立に、2〜15の数であり、4は、炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、R8、炭素数1〜4のアルキル基であり、X-は対陰イオンを示す。〕
  5. (b)式(I)で表される化合物及びその4級化物以外の界面活性剤、(c)キレート剤、並びに(d)植物活力剤から選ばれる一種以上を含有する請求項1〜4の何れか1項記載の肥料組成物。
  6. (d)植物活力剤が、下記一般式(II)で表される化合物からなる請求項5記載の肥料組成物。
    Figure 0004064156
    〔式中、Raは炭素数10〜22の炭化水素基、Rbは水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、Rcは水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を示す。〕
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