JPH11227476A - 自動車用駆動装置 - Google Patents

自動車用駆動装置

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JPH11227476A
JPH11227476A JP6921298A JP6921298A JPH11227476A JP H11227476 A JPH11227476 A JP H11227476A JP 6921298 A JP6921298 A JP 6921298A JP 6921298 A JP6921298 A JP 6921298A JP H11227476 A JPH11227476 A JP H11227476A
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JP
Japan
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gear
motor
engine
speed
crankshaft
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Application number
JP6921298A
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English (en)
Inventor
Kazumi Hiraiwa
一美 平岩
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KYOWA GOKIN KK
Original Assignee
KYOWA GOKIN KK
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/44Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion
    • F16H3/72Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously
    • F16H3/727Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path
    • F16H3/728Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path with means to change ratio in the mechanical gearing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンより入力される動力を、遊星歯
車を介して出力軸へ伝達可能で、遊星歯車のキャリアお
よびリングギヤのうち一方の要素がエンジンのクランク
軸と連結または連結可能で、他方の要素が出力軸と連結
され、遊星歯車のサンギヤが第1モーターと連結され、
出力軸を駆動可能な第2モーターを備えたハイブリッド
自動車用駆動装置において、定常走行における動力伝達
効率を向上させて燃費の改善を図る。 【解決手段】 エンジンのクランク軸20と出力軸46
との間を、固定された変速比で機械的に連結するため、
スリーブ56と第1クラッチギヤ58および第2クラッ
チギヤ60とを設け、サンギヤ12とキャリア16とを
連結可能にするとともに、サンギヤ12をケース28に
固定可能にして、固定された変速比で機械的に駆動可能
に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関と電気モ
ーターの2種類の動力源を有する、いわゆるハイブリッ
ド自動車の駆動装置に関し、エンジンより入力される駆
動力を、遊星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、遊星歯
車のサンギヤが第1モーターと連結され、遊星歯車のキ
ャリアおよびリングギヤのうち一方とエンジンのクラン
ク軸とが連結され、キャリアおよびリングギヤのうち他
方と出力軸とが連結され、出力軸を駆動可能な第2モー
ターを備えた自動車用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンより入力される駆動力
を、遊星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、遊星歯車の
サンギヤが第1モーターと連結され、出力軸を駆動可能
な第2モーターを備えた自動車用駆動装置としては、社
団法人自動車技術会発行の『自動車技術』1998年1
月号17頁の図5に記載のようなものが知られている。
【0003】前記従来例を図6に基づいて説明すると、
遊星歯車1は、サンギヤ2とキャリア3とリングギヤ4
と、キャリア3に軸支されサンギヤ2およびリングギヤ
4と噛み合うピニヨン5から構成されている。サンギヤ
2は第1モーター6と連結され、キャリア3は図示しな
いエンジンのクランク軸7と連結され、リングギヤ4は
第2モーター8と連結されるとともに、チェーン9,減
速歯車10および差動装置11を介して車軸12と連結
されている。車軸12は図示しない自動車の左右の車輪
と連結されている。第1モーター6と第2モーター8と
は、モーターとしての機能と発電機としての機能を有
し、任意に切り替えることができる。
【0004】以上のように構成された従来例の作動を説
明する。第2モーター8に図示しないバッテリーから電
力を供給すると、第2モーター8はチェーン9,減速歯
車10、差動装置11、車軸12を介して車輪を駆動
し、自動車を発進および加速することができる。この
際、エンジンが停止しているとキャリア3も停止してい
るので、サンギヤ2ならびに第1モーター6は逆転する
が、第1モーター6は空転するだけである。また、さら
に大きな駆動力を要する場合には、第2モーター8に電
力を供給しながら第1モーター6にも電力を供給して、
サンギヤ2が停止する方向のトルクを出すと、クランク
軸7が回転するのでエンジンを始動することができる。
【0005】エンジンを始動した後の加速は、以下のよ
うに行われる。クランク軸7からキャリア3に入ったエ
ンジントルクは遊星歯車1により分割される。すなわ
ち、エンジントルクの一部はサンギヤ2を通って第1モ
ーター6を駆動して発電させ、残りのトルクはリングギ
ヤ4を通って第2モーター8の出力トルクとともに車軸
12を駆動する。この際、第1モーター6で発電された
電力は第2モーター8に供給される。従って、バッテリ
ーから第2モーター8に電力を供給し続ければ、第2モ
ーター8はバッテリーからの電力と、エンジントルクの
一部によって第1モーター6で発電された電力とで車軸
12を駆動することになる。
【0006】また、車軸12はリングギヤ4を通じてエ
ンジントルクの一部でも駆動されているので、エンジン
トルクの一部と第2モーター8とから駆動されることに
なり、その動力源はエンジンとバッテリーになる。ここ
で、バッテリーからの電力供給をやめると、第2モータ
ー8は第1モーター6で発電される電力のみで駆動する
ことになり、車軸12を駆動する動力源はエンジンのみ
になる。
【0007】クランク軸7およびそれと一体になったキ
ャリア3の回転数と、車軸12に連結され第2モーター
8とともに回転するリングギヤ4の回転数との比(変速
比)は、クランク軸7からのエンジントルクの大きさ
と、車軸12が車輪を駆動する出力トルク(負荷)の大
きさ、およびバッテリーから第2モーター8に供給され
る電力とで自動的に決まる。自動車が低速でエンジント
ルクが大きく車軸12の負荷が大きい場合は、リングギ
ヤ4の回転数が低くサンギヤ2の回転数が高く、徐々に
自動車の速度が高くなって車軸12の負荷が小さくなる
と、サンギヤ2の回転数が低くなってリングギヤ4の回
転数が高くなるように無段階に変化する。
【0008】また、自動車を減速する際には、エンジン
を停止させ第2モーター8を発電機に切り替えて発電さ
せることで減速するとともに、従来は摩擦ブレーキ等で
熱に変えて捨てていた自動車の運動エネルギーの一部を
電力に変えてバッテリーを充電する、いわゆるエネルギ
ー回生を行うことができる。この際、キャリア3はエン
ジンのクランク軸7とともに停止しているので、第1モ
ーター6は空転している。すなわち、この状態で第1モ
ーター6に発電させると、その反力でエンジンが駆動さ
れて回転し、回生すべきエネルギーがエンジンの回転に
消費されるからである。さらに後進の際には、エンジン
を回さずにバッテリーから供給する電力で第2モーター
8のみを逆転することにより後進の駆動力が得られる。
この場合も、第1モーター6にも電力を供給して後進駆
動をさせると、エンジンのクランク軸7に反力トルクが
作用してエンジンを回転させ、無駄な動力を消費するこ
とになる。一般にエンジンとして用いる内燃機関は、負
荷が低い運転状態において熱効率が低い特性を持つた
め、ハイブリッド自動車は通常、自動車が低負荷域で走
行する際にはエンジンによる駆動を避け、エンジンでの
発電および前記エネルギー回生でバッテリーに充電した
電力を使ってモーターで駆動し、高負荷域の走行はエン
ジンの動力で駆動することで、従来のエンジン駆動のみ
の自動車より燃費を良くすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
にあっては、エンジンで駆動して走行する際にその動力
の一部を使って第1モーター6で発電させ、その電力に
よって第2モーター8で車軸12を駆動しているため、
一部ではあるが発電してモーターで出力させる過程でど
うしてもロスが生じる。すなわち第1モーター6におけ
る発電効率と第2モーター8における出力効率との積
が、動力を一旦電気に変えて伝達するルートの動力伝達
効率になる。このように動力を電気に変えて伝達するル
ートの動力伝達効率は、一般に歯車やチェーンなどの機
械的伝達に比べて劣る。
【0010】このため、比較的速度が高い定常走行な
ど、エンジンに負荷がかかる駆動状態で長時間走行する
ような場合に燃費を悪化させる原因になり、ハイブリッ
ド自動車の良さを一部損なうという問題がある。また、
モーターの駆動による後進時に、第2モーター8のみで
しか駆動できないため大きな容量の第2モーター8を必
要とし、さらに、減速時においても第2モーター8のみ
でしか発電できないため、エネルギー回生の効率が悪い
という問題がある。
【0011】そこで本発明は、自動車が、比較的速度が
高い定常走行など、エンジンに負荷がかかる駆動状態で
長時間走行するような場合に、エンジンの動力を効率よ
く車軸に伝え、一層の燃費向上を図ることを目的とす
る。また、本発明は、自動車の後進時に2個のモーター
を駆動に使うことで、2個のモーターの合計容量を小さ
くすることを目的とする。また、本発明は、減速時に第
2モーターの発電に加えて第1モーターをも発電させる
ことでエネルギー回生効率を向上させることも目的とす
る。さらに、本発明は、上記に加えて後輪駆動車に適し
た構成の駆動装置を得ることも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明の自動車用駆動装置にあっ
ては、サンギヤとリングギヤとこれらに噛み合うピニヨ
ンを支持するキャリアとを有する遊星歯車を備え、サン
ギヤが第1モーターにて駆動可能であり、キャリアおよ
びリングギヤのうち一方の要素にエンジンのクランク軸
からの動力が入力可能で、キャリアおよびリングギヤの
うち他方の要素からの出力が、第2モーターで駆動可能
とされた出力軸へ伝達可能な自動車用駆動装置におい
て、エンジンのクランク軸により駆動される遊星歯車の
一方の要素に入力した駆動力を、固定された変速比で変
速して出力軸へ伝える変速機構を備えたことを特徴とす
る。
【0013】請求項2に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、遊星歯車を一体的に連結する手段によ
り、固定された変速比で変速することを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、サンギヤをケースに固定する手段によ
り、固定された変速比で変速することを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、固定された変速比に切り替える際に、切
り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0になった
時点で噛み合わせることを特徴とする。
【0016】請求項5に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、固定された変速比に切り替える際に、切
り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0になるよ
うに第1モーターの回転数を制御することを特徴とす
る。
【0017】請求項6に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、変速機構は、エンジンのクランク軸と出
力軸との間に遊星歯車と平行に配置した同期噛み合い式
変速機構であり、変速機構の入力軸がリングギヤおよび
キャリアのうちの一方の要素により駆動されることを特
徴とする。
【0018】請求項7に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、固定された変速比を得る連結状態におい
て、第1モーターおよび第2モーターの一方または両方
で、駆動力を加勢しまたは発電することを任意に選択可
能にしたことを特徴とする。
【0019】請求項8に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、リングギヤが、エンジンのクランク軸と
連結されるとともに変速機構の入力軸とクラッチを介し
て連結可能であることを特徴とする。
【0020】請求項9に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、エンジンのクランク軸と連結されたキャ
リアおよびリングギヤのうちの一方の要素を、ケースに
固定可能に構成したことを特徴とする。
【0021】請求項10に記載の本発明の自動車用駆動
装置にあっては、エンジンのクランク軸と、リングギヤ
およびキャリアのうち一方の要素とを、クラッチにより
断続可能にするとともに、一方の要素と冷房装置のコン
プレッサーとを連結可能に構成したことを特徴とする。
【0022】請求項11に記載の本発明の自動車用駆動
装置にあっては、遊星歯車と第1モーターと第2モータ
ーおよび固定された変速比に切り替えるスリーブとをク
ランク軸と同じ軸心上に設けたことを特徴とする。
【0023】
【作用】請求項1に記載の本発明の自動車用駆動装置に
あっては、エンジンのクランク軸により駆動される遊星
歯車の一方の要素に入力した駆動力を、固定された変速
比で変速して出力軸へ伝える変速機構を備えたため、第
1、第2モーターを使った無段階な変速に加えて、固定
された変速比による機械的な動力伝達ができる。
【0024】請求項2に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、遊星歯車を一体的に連結する手段によ
り、固定された変速比で変速するようにしたため、遊星
歯車を一体にするだけで変速比1の直結伝達になる。
【0025】請求項3に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、サンギヤをケースに固定する手段によ
り、固定された変速比で変速するようにしたため、サン
ギヤをケースに固定するだけで増速(オーバードライ
ブ)伝達になる。
【0026】請求項4に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、固定された変速比に切り替える際に、切
り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0になった
時点で噛み合わせるようにしたため、切り替えがスムー
ズにできる。
【0027】請求項5に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、固定された変速比に切り替える際に、切
り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0になるよ
うに第1モーターの回転数を制御するようにしたため、
噛み合い部相互の回転差を素早く0にすることができ
る。
【0028】請求項6に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、エンジンのクランク軸と出力軸との間に
遊星歯車と平行に同期噛み合い式変速機構を配置したた
め、遊星歯車での動力伝達と並行して固定された変速比
への切り替えができる。
【0029】請求項7に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、固定された変速比を得る連結状態におい
て、第1モーターおよび第2モーターの一方または両方
で、駆動力を加勢しまたは発電することを任意に選択可
能にしたため、両モーターを駆使した加速および発電に
よるバッテリーの充電ができる。
【0030】請求項8に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、リングギヤが、エンジンのクランク軸と
連結されるとともに変速機構の入力軸とクラッチを介し
て連結可能にしたため、クラッチを切ることで遊星歯車
の回転数と無関係に固定された変速比への切り替えを容
易に行うことができる。
【0031】請求項9に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、エンジンのクランク軸と連結されたキャ
リアおよびリングギヤのうちの一方の要素を、ケースに
固定可能に構成したため、後進時に両モーターで駆動す
ることができるとともに、減速時にエンジンを停止した
まま両モーターで発電させることができる。
【0032】請求項10に記載の本発明の自動車用駆動
装置にあっては、エンジンのクランク軸と、リングギヤ
およびキャリアのうち一方の要素とを、クラッチにより
断続可能にするとともに、一方の要素と冷房装置のコン
プレッサーとを連結可能に構成したため、エンジンが停
止した状態においても第1モーターによりコンプレッサ
ーを運転することができる。
【0033】請求項11に記載の本発明の自動車用駆動
装置にあっては、遊星歯車と第1モーターと第2モータ
ーおよび固定された変速比に切り替えるスリーブとをク
ランク軸と同じ軸心上に設けたため、少ない歯車構成で
出力軸をクランク軸と同じ軸心上に配置するレイアウト
が可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づき説明する。図1は、本発明の自動車用駆動装置の
主要部のスケルトン図である。遊星歯車10は、サンギ
ヤ12と、リングギヤ14と、キャリア16および、該
キャリア16に軸支されサンギヤ12およびリングギヤ
14と噛み合うピニヨン18から構成されている。キャ
リア16は図示しないエンジンのクランク軸20と連結
されており、サンギヤ12は第1モーター22の回転子
24と連結されている。第1モーター22の固定子26
はケース28に固定されている。リングギヤ14は第2
モーター30の回転子32と連結されており、第2モー
ター30の固定子34はケース28に固定されている。
【0035】リングギヤ14は第1スプロケット36と
一体になっており、チェーン38を介して第2スプロケ
ット40と連結している。第2スプロケット40は第1
減速入力歯車42と一体になっており、第1減速入力歯
車42は第1減速出力歯車44と噛み合っている。第1
減速出力歯車44は出力軸46および第2減速入力歯車
48と一体になっており、第2減速入力歯車48は第2
減速出力歯車50と噛み合っている。第2減速出力歯車
50は差動装置52を内包しており、差動装置52は左
右の車軸54a、54bと連結している。車軸54a、
54bは図示しない自動車の車輪と連結している。
【0036】サンギヤ12にはスリーブ56が設けら
れ、スリーブ56が左右に移動することによりキャリア
16と一体になった第1クラッチギヤ58またはケース
28に固定された第2クラッチギヤ60と選択的に連結
することができる。すなわち、スリーブ56が右に移動
して第1クラッチギヤ58と連結した場合はサンギヤ1
2とキャリア16が一体になるため、クランク軸20と
リングギヤ14とが直結される。また、スリーブ56が
左に移動して第2クラッチギヤ60と連結した場合はサ
ンギヤ12がケース28に固定され、キャリア16の回
転がリングギヤ14へ増速して伝達される。
【0037】図1は、スリーブ56が第1クラッチギヤ
58および第2クラッチギヤ60のいずれとも噛み合っ
ていない中立位置の状態を示す。尚、図示は省略する
が、スリーブ56と第1クラッチギヤ58および第2ク
ラッチギヤ60との間に、それぞれ円錐摩擦面を備えた
同期機構を設けて、スリーブ56が第1クラッチギヤ5
8および第2クラッチギヤ60とスムーズに噛み合うこ
とができるようにしてもよい。また、第1モーター22
および第2モーター30は正逆転できるとともに、発電
機としての機能も有しており、それぞれ任意に切り替え
ることができる。
【0038】上記の駆動装置を搭載した自動車は、図示
しないエンジンと、第1、第2モーター22、30との
2種類の動力源を有するので、いわゆるハイブリッド自
動車を構成する。次に、上記構成の駆動装置の作動につ
いて説明する。以下の説明で『正回転』とは、エンジン
回転と同じ方向の回転を言い、『逆回転』とはその逆方
向の回転を言う。
【0039】はじめに、図示しないバッテリーから供給
される電力による発進と加速を説明する。自動車が発進
する際、バッテリーから第2モーター30に電力が供給
されると回転子32が正回転してリングギヤ14と一体
になった第1スプロケット36を駆動する。第1スプロ
ケット36からチェーン38を経て第2スプロケット4
0に伝えられた動力は第1減速入力歯車42、第1減速
出力歯車44および出力軸46を経て第2減速入力歯車
48に伝えられる。第2減速入力歯車48と噛み合った
第2減速出力歯車50は差動装置52、車軸54a、5
4bを介して図示しない自動車の車輪を前進方向に駆動
する。この際、エンジンは停止しているのでキャリア1
6も停止しており、リングギヤ14が第2モーター30
とともに正回転すると、サンギヤ12および第1モータ
ー22は逆回転するが、第1モーター22は空転するの
みである。
【0040】次に、さらに駆動力を強くするためにエン
ジンを始動させる作動を説明する。その場合は、第2モ
ーター30に加えて第1モーター22にも電力を供給す
ることで回転子24の逆回転を止める方向のトルクを発
生させる。その結果、キャリア16が正回転しエンジン
のクランク軸20も回転する。ここで図示しないエンジ
ンに燃料を供給したり点火回路を接続するなどを行うと
エンジンが始動する。この際、はじめに第2モーター3
0への電力供給をやや絞り、第1モーター22への電力
供給と同時に第2モーター30への電力供給を増大させ
ることで、第1モーター22がエンジンを駆動する反力
で出力軸46のトルクが落ち込むのを防止する。
【0041】エンジンが始動すると直ちに第1モーター
22を発電機に切り替える。自動車が低速度で走行して
いる場合は、クランク軸20と一体に回転するキャリア
16の回転数よりリングギヤ14の回転数が低いので、
サンギヤ12と一体に回転する第1モーター22はクラ
ンク軸20より高速で正回転し、発電する。第1モータ
ー22で発電された電力は第2モーター30に供給さ
れ、第2モーター30はバッテリーがら供給される電力
と第1モーター22がら供給される電力とでチェーン3
8などを介して車輪を駆動する。この場合、クランク軸
20からキャリア16へ入力したエンジンのトルクは遊
星歯車10で分割され、一部はサンギヤ12から第1モ
ーター22を駆動して発電し、残りのトルクはリングギ
ヤ14に伝達され、第2モーター30の出力と合わされ
てチェーン38へ伝えられる。
【0042】従って、入力するクランク軸20の回転数
と、第2モーター30とともに回転するリングギヤ14
の回転数との比(変速比)は、クランク軸20からの入
力トルクの大きさと、車軸54a、54bが車輪を駆動
する出力トルク(負荷)の大きさと、バッテリーおよび
第1モーター22から第2モーター30に供給する電力
とで決まる。自動車が低速でエンジントルクが大きい急
加速など、自動車を走行させる負荷が大きい場合は、リ
ングギヤ14の回転数が低くサンギヤ12の回転数が高
い。自動車の加速度が低くなって負荷が小さくなると、
サンギヤ12の回転数が低くなってリングギヤ14の回
転数が高くなるように変速比は無段階に変化する。
【0043】ここで、バッテリーからの電力供給をやめ
ても第1モーター22から供給される電力で第2モータ
ー30は駆動し続け、この場合はエンジンの動力のみで
自動車を加速することになる。この場合も変速比は無段
階に変化する。さらに自動車が高速になり、キャリア1
6とリングギヤ14およびサンギヤ12の回転数が互い
に同じになった時点で、スリーブ56を右に移動して第
1クラッチギヤ58と噛み合わせる。この噛み合いに際
して、第1モーター22の発電量を増大させてキャリア
16とリングギヤ14およびサンギヤ12の回転数が同
じになるように能動的に制御することができる。
【0044】スリーブ56が第1クラッチギヤ58と噛
み合うと、遊星歯車10はキャリア16とリングギヤ1
4およびサンギヤ12の全体が一体になって回転する。
直ちに第1モーター22の発電作用を停止させて第2モ
ーター30への電力供給をやめると、遊星歯車10が一
体になっているのでクランク軸20のトルクが第1スプ
ロケット36を直結駆動する。この結果、変速比が1の
1速になる。この際、第1モーター22および第2モー
ター30の一方または両方にバッテリーから電力を供給
して、エンジンの動力による駆動に加勢することができ
る。また逆に、エンジンの動力で自動車を走行させなが
ら第1モーター22および第2モーター30に発電させ
てバッテリーに充電することもできる。
【0045】さらに自動車の速度が高まってきた場合に
は、スリーブ56が第1クラッチギヤ58と噛み合った
状態で、一旦、第1モーター22に発電させて電力を第
2モーター30に供給し、スリーブ56と第1クラッチ
ギヤ58との間の伝達トルクをほぼ0にした上で、スリ
ーブ56を元の中立位置に戻す。スリーブ56が中立位
置に戻ったら、第1モーター22の発電量をさらに増大
させ、あるいは逆回転方向に電流を供給してサンギヤ1
2の回転数を下げる。そして、サンギヤ12の回転数が
0になったところでスリーブ56を第2クラッチギヤ6
0と噛み合せ、サンギヤ12をケース28に固定する。
そして、再び第1、第2モーター22、30の発電また
は電力供給をやめる。
【0046】この場合、サンギヤ12がケース28に固
定されるので、クランク軸20の回転はリングギヤ14
に増速して伝えられる。この連結状態が2速であり、一
般的な変速機ではオーバードライブと呼ばれる変速比に
相当する増速になる。この場合も、エンジンの動力を全
てチェーン38などを介して自動車の駆動に使うことが
できるし、並行して第1モーター22や第2モーター3
0にバッテリーから電力を供給してエンジンの動力によ
る駆動に加勢することもできる。また逆に、並行して第
1モーター22や第2モーター30に発電させてバッテ
リーの充電を行うこともできる。
【0047】次に、2速状態から自動車を減速または制
動する場合について説明する。自動車の運転者が図示し
ないエンジンのスロットルペダルを解放したり、ブレー
キ操作を行った場合に、自動車を減速する。上述のスリ
ーブ56が第2クラッチギヤ60と噛み合った状態でク
ランク軸20からの駆動力がなくなると、スリーブ56
と第2クラッチギヤ60との間には駆動時と逆のトルク
が作用する。そこで第1モーター22に電流を供給して
スリーブ56と第2クラッチギヤ60との間のトルクを
相殺する作用をさせて、スリーブ56と第2クラッチギ
ヤ60との間に作用するトルクを0する。
【0048】その上でスリーブ56を中立位置へ戻して
エンジンを停止させる。直ちに第2モーター30を発電
機に切り替えて自動車を減速する作用を行うとともに、
発電した電力はバッテリーの充電に振り向ける。従っ
て、第2モーター30の発電量を制御することで減速度
を変化させることができる。次に、自動車を後進させる
場合は、エンジンが停止している状態で第2モーター3
0に電力を供給し逆回転させることで出力軸46は後進
方向に駆動される。
【0049】以上の説明で明らかなように、図1の実施
形態において、前進走行で少なくとも次の駆動モードが
可能である。 (1)バッテリーからの電力供給のみによる第2モータ
ー30での駆動。 (2)クランク軸20から入る動力の一部により第1モ
ーター22で発電させて第2モーター30から出力した
トルクと、クランク軸20からリングギヤ14を経由し
て機械的に伝達されるトルクとを合わせた、エンジンで
の駆動。 (3)クランク軸20からのトルクを1速(直結)の変
速比で機械的に伝達するエンジンでの駆動。 (4)クランク軸20からのトルクを2速(オーバード
ライブ)の変速比で機械的に伝達するエンジンでの駆
動。
【0050】実際には、(2)で第2モーター30にバ
ッテリーからも電力を供給するが否かや、(3)(4)
では第1、第2モーター22、30に電力を供給するか
発電させるかなどの変化がある。以上の4種類の駆動モ
ードで、(1)は、緩やかな発進や低速での緩やかな加
速といった低負荷の走行状態において、バッテリーの充
放電に伴う効率を考慮しても、エンジンで直接駆動する
より熱効率が高くなるため燃費を向上することが可能に
なる。(2)は、低速域での一般的な加速や急加速など
において、エンジンの動力で無段階に変速しながら加速
するのに適している。(3)は、中速域における一定速
走行に近い走行状態において、エンジンの動力を1速で
機械的に伝達することで(2)より良好な燃費が得ら
れ、さらに高速域においては(4)の2速で機械的に伝
達することで(2)または(3)より良好な燃費を得る
ことができる。従来の駆動装置においては上記の(1)
および(2)の駆動モードのみであったので、新たに増
えた(3)(4)の駆動モードが適した走行条件におい
て、(3)(4)の駆動モードで走行することにより、
従来の駆動装置を用いたハイブリッド自動車より燃費を
向上することができる。
【0051】次に、図2は、本発明の自動車用駆動装置
における他の実施形態を表すスケルトン図である。はじ
めに図1の実施形態との違いを説明する。リングギヤ1
4は、クランク軸20と一体的に連結されるとともに外
歯62が設けてあり、ケース28に設けた固定爪64を
外歯62に噛み合わせることによりケース28に固定す
ることができる。
【0052】また、キャリア16が第2モーター30の
回転子32と連結されるとともに、第1スプロケット3
6,第1チェーン38を介して、変速機構66の入力軸
68に回転自在に支持された第2スプロケット40と連
結されている。第2スプロケット40は1速入力歯車7
0と一体になっており、1速入力歯車70は出力軸46
と一体になった1速出力歯車72と噛み合っている。ま
た、リングギヤ14は第3スプロケット74と一体にな
っており、第2チェーン76を介して入力軸68に回転
自在に支持されたクラッチ78と一体の第4スプロケッ
ト80と連結されている。
【0053】また、入力軸68はクラッチディスク82
と連結され、クラッチ78により第2チェーン76など
を介してクランク軸20と断続可能である。また、入力
軸68は2速入力歯車84を回転自在に支持しており、
2速入力歯車84は出力軸46と一体の2速出力歯車8
6と噛み合っている。さらに、入力軸46はスリーブ5
6が左右に移動することで、1速入力歯車70および2
速入力歯車84と選択的に連結することができる。図2
はスリーブ56が1速入力歯車70および2速入力歯車
84のいずれとも噛み合っていない中立位置にある状態
を示す。図示は省略したが、スリーブ56と1速入力歯
車70および2速入力歯車84との間には、スムーズに
連結するための同期機構がそれぞれ備えられている。
【0054】以上を整理すると、第2モーター30は第
1チェーン38などを介して出力軸46と常に連結さ
れ、キャリア16は第2チェーン76およびクラッチ7
8などを介して1速入力歯車70および2速入力歯車7
0とそれぞれ選択的に連結可能であり、入力軸68と出
力軸46との間は、2段の同期噛み合い式変速機構を構
成する。
【0055】次に、図2の実施形態の作動について説明
する。はじめに、バッテリーから第2モーター30に電
力を供給することで自動車を発進および加速できるのは
図1の実施形態と同じである。すなわち、第2モーター
30が第1スプロケット36、第1チェーン38、第2
スプロケット、1速入力歯車70、1速出力歯車72を
介して出力軸46を駆動する。この際、エンジンは停止
しているのでリングギヤ14も停止しており、キャリア
16が第2モーター30とともに回転すると、サンギヤ
12および第1モーター22は正回転するが、第1モー
ター22は発電作用をしない。
【0056】次に、さらに駆動力を強くするためにエン
ジンを始動させる作動を説明する。その場合は、第2モ
ーター30に加えて第1モーター22にも電力を供給す
ることで、回転子24の回転を止める方向のトルクを発
生させる。その結果、リングギヤ14が正回転しエンジ
ンのクランク軸20が回転させられるので、図示しない
エンジンに燃料を供給したり点火回路を接続するなどを
行うとエンジンが始動する。この際、はじめに第2モー
ター30への電力供給をやや絞り、第1モーター22へ
の電力供給と同時に第2モーター30への電力供給を増
大させることで、第1モーター22がエンジンを駆動す
る反力で出力軸46のトルクが落ち込むのを防止するこ
とができるのは、図1の実施形態と同じである。
【0057】エンジンが始動すると直ちに第1モーター
22を発電機に切り替える。クランク軸20と一体に回
転するリングギヤ14の回転数よりキャリア16の回転
数が大幅に低い場合は、サンギヤ12と一体に回転する
第1モーター22は逆回転しながら発電する。第1モー
ター22で発電された電力は第2モーター30に供給さ
れ、第2モーター30はバッテリーから供給される電力
と第1モーター22から供給される電力で第1チェーン
38などを介して車軸54a、54bを駆動する。
【0058】この場合、クランク軸20からリングギヤ
14へ入力したトルクは、キャリア16を減速駆動する
とともに、その反力がサンギヤ12に作用し、第1モー
ター22を逆回転させて発電する。発電した電力は第2
モーター30に供給され、前述のキャリア16が減速駆
動されたトルクと第2モーター30の出力とが合わされ
て第1チェーン38へ伝えられる。従って、入力するク
ランク軸20の回転数と、第2モーター30とともに回
転するキャリア16の回転数との比(変速比)は、図1
の実施形態と同様にクランク軸20からの入力トルクの
大きさと、車軸54a、54bが車輪を駆動する出力ト
ルク(負荷)の大きさ、バッテリーおよび第1モーター
22が発電して第2モーター30に供給する電力とで決
まる。
【0059】自動車が低速でエンジントルクが大きい急
加速など、自動車を走行させる負荷が大きい場合は、リ
ングギヤ14よりキャリア16の回転数が低く、逆回転
するサンギヤ12の回転数が高い。自動車の加速度が低
くなり負荷が小さくなると、サンギヤ12の回転数が低
くなってキャリア16の回転数が高くなるように変速比
は無段階に変化する。ここで、バッテリーからの電力供
給をやめると第1モーター22から供給される電力のみ
で第2モーター30は駆動するので、この場合はエンジ
ンの動力のみで自動車を加速することになる。この場合
も変速比は無段階に変化する。
【0060】自動車が高速になってきたら、クラッチ7
8を切ってスリーブ56を左側へ移動し、1速入力歯車
70と入力軸68とを連結する。この場合、クラッチ7
8を切ってあるため、スリーブ56を左側へ移動して1
速入力歯車70と噛み合わせるに際して、図示しない同
期機構の負担になるのはクラッチディスク82の慣性だ
けであるので容易に連結することができる。続いて、ク
ラッチ78を接続するとともに第1モーター22の発電
と第2モーター30による駆動をやめる。このクラッチ
78を接続する際に、エンジン出力および第1モーター
22の発電量を適切に制御することで、クラッチ78の
接続による出力軸46のトルク変動を小さくすることが
できる。
【0061】クラッチ78を接続すると、クランク軸2
0から入るトルクは第2チェーン76およびクラッチ7
8を介して1速入力歯車70から1速出力歯車72を経
て出力軸46を駆動する。従って、クランク軸20と出
力軸46とが機械的に連結され、この場合、クランク軸
20と出力軸46との回転数比(変速比)は、第3スプ
ロケット74および第4スプロケット80の歯数比と、
1速入力歯車70および1速出力歯車72の歯数比との
積であり、1速変速比になる。この際、第1モーター2
2および第2モーター30の一方または両方にバッテリ
ーから電力を供給して、エンジンの動力による駆動に加
勢することができる。また逆に、エンジンの動力で自動
車を駆動しながら第1モーター22および第2モーター
30に発電させてバッテリーに充電することもできる。
【0062】さらに自動車の速度が高まってきた場合に
は、1速から2速への変速を行う。まず、再びクラッチ
78を切るとともに図示しないエンジンのスロットルバ
ルブを閉じてエンジンの無用な回転上昇を抑える。同時
に、バッテリーから第2モーター30に電力を供給して
第1チェーン38など介して出力軸46を駆動する。そ
して、スリーブ56を右側へ移動して2速入力歯車84
と入力軸68とを連結する。直ちにエンジンの回転数を
適度に上昇させるとともにクラッチ78を接続し、第2
モーター30への電力供給をやめると2速へ切り替わ
る。つまり、クラッチ78を切った状態においてエンジ
ンからの駆動力は伝わらないが、第2モーター30によ
る出力軸46の駆動が行われるので、駆動力の中断をせ
ずに1速から2速へ変速することができる。
【0063】この連結状態においてクランク軸20と出
力軸46との回転数比(変速比)は、第3スプロケット
74および第4スプロケット80の歯数比と、2速入力
歯車84および2速出力歯車86の歯数比との積であ
り、2速の変速比になる。この場合も、エンジンの動力
を全て第2チェーン76などを介して自動車の駆動に使
うことができるし、並行して第1モーター22や第2モ
ーター30にバッテリーから電力を供給してエンジンの
動力による駆動に加勢することができる。また逆に、並
行して第1モーター22や第2モーター30で発電させ
てバッテリーの充電を行うこともできる。
【0064】次に、この2速状態から自動車を減速する
場合について説明する。直ちにクラッチ78を切ってエ
ンジンを停止させるとともに、第1モーター22への電
流供給をやめて、第2モーター30を発電機に切り替え
て自動車を減速する作用を行い、発電した電力はバッテ
リーの充電に振り向ける。従って、第2モーター30の
発電量を制御することで減速度を変化させることができ
る。
【0065】さらに強力な減速力を得るために、第1モ
ーター22にも発電させる場合の作動を説明する。リン
グギヤ14はエンジンとともに停止しているので、固定
爪64を外歯62に噛み合わせてリングギヤ14をケー
ス28に固定する。自動車は走行しているのでキャリア
16は回転しており、サンギヤ12はさらに高速で回転
している。ここで上記の第2モーター30の発電に加え
て第1モーター22にも発電させることで、より強力に
減速することができる。この際に、第1モーター22に
も発電させることで、リングギヤ14に反力トルクが作
用するが、リングギヤ14は固定爪64によりケース2
8に固定されているので回転せず、エンジンも停止した
ままである。
【0066】次に、自動車を後進させる場合は、第2モ
ーター30を逆回転させることで出力軸46は後進方向
に駆動される。また、後進でさらに大きな駆動力を必要
とする場合は、上記と同様にエンジンが停止している状
態で固定爪64を外歯62に噛み合わせてリングギヤ1
4をケース28に固定し、第2モーター30に加えて第
1モーター22を逆回転駆動させることで、出力軸46
は両モーター22、30により後進方向に駆動される。
この場合も、両モーター22、30により駆動すること
でリングギヤ14に反力トルクが作用するが、リングギ
ヤ14は固定爪64によりケース28に固定されている
ので回転せず、エンジンも停止したままである。
【0067】以上の説明で明らかなように、図2の実施
形態においても図1の実施形態と同じように次の駆動モ
ードが可能である。 (1)バッテリーからの電力供給のみによる第2モータ
ー30での駆動。 (2)クランク軸20からの動力の一部で発電させて第
2モーター30から出力したトルクと、キャリア16を
経由して機械的に伝達したトルクを合わせたエンジンで
の駆動。 (3)クランク軸20からのトルクを1速の変速比で機
械的に伝達するエンジンでの駆動。 (4)クランク軸20からのトルクを2速の変速比で機
械的に伝達するエンジンでの駆動。
【0068】以上の4種類の駆動モードで、(3)は、
中速域における一定速走行に近い走行状態において、エ
ンジンの動力を1速で機械的に伝達することで(2)よ
り良好な燃費が得られ、さらに高速域においては(4)
の2速で機械的に伝達することで(2)または(3)よ
り良好な燃費を得ることができる。従来の駆動装置にお
いては(1)および(2)の駆動モードのみであったの
で、(3)(4)の駆動モードが適した走行条件におい
て、従来の駆動装置を用いたハイブリッド自動車より燃
費を向上することができる。
【0069】また、上記の説明で明らかなように、後進
時に第1モーター22、第2モーター30の両者で駆動
することができるので、第1モーター22、第2モータ
ー30の合計出力(容量)を図1の実施形態より小さく
設定することができる。また、自動車の減速時に第1モ
ーター22、第2モーター30をともに発電させること
で、第1モーター22、第2モーター30の合計出力
(容量)を小さくしても十分な減速力を得ることができ
るとともに、エネルギー回生を効率よく行うことができ
る。また、1速および2速への変速操作は、エンジン駆
動モードにおいて遊星歯車10を介した動力伝達と並行
して行うこともできるので、出力軸46に作用するトル
ク変動が少なく、変速時の違和感が小さい。
【0070】次に、図3は、本発明の自動車用駆動装置
における他の実施形態を表すスケルトン図である。はじ
めに、図2の実施形態との違いを説明する。リングギヤ
14は、第2チェーン76を介して入力軸68と常に連
結されるとともに、クラッチ78を介してクランク軸2
0と断続可能である。すなわち、入力軸68はクラッチ
78を介してクランク軸20と断続可能である。また、
リングギヤ14は駆動プーリー88と一体的に連結して
おり、ベルト90および被動プーリー92、さらには電
磁クラッチ94を介してコンプレッサー96と連結可能
である。コンプレッサー96は図示しない自動車の冷房
装置の一部である。
【0071】次に、図3の実施形態の作動について説明
する。クラッチ78を接続するとクランク軸20とリン
グギヤ14とが連結されるので、図2の実施形態と同じ
連結状態になり、モーター30のみによる駆動と、クラ
ンク軸20からの入力で第1モーター22に発電させる
駆動とは、前述の図2の実施形態と同様に行うことがで
きる。次に、クランク軸20からの入力で第1モーター
22に発電させる駆動モードから、1速に切り替える場
合の作動を説明する。クラッチ78を切ると同時に図示
しないエンジンのスロットルバルブを閉じてエンジンの
無用な回転上昇を抑え、同時にバッテリーから第2モー
ター30に電力を供給して出力軸46を駆動する。
【0072】続いて第1モーター22にもバッテリーか
ら電力を供給して、入力軸68の回転数と1速入力歯車
70の回転数とが同じになるように制御する。そして、
入力軸68の回転数と1速入力歯車70の回転数とが同
じになった時点でスリーブ56を左側へ移動して、入力
軸68と1速入力歯車70とを連結する。直ちにエンジ
ンのスロットルバルブを元に戻すとともに、クラッチ7
8を接続し、第1モーター22と第2モーター30への
電力供給を絶つことで、1速に切り替わる。従って、ク
ラッチ78が切れている間も第2モーター30によって
出力軸46は駆動され続けるので、駆動力の中断をせず
に1速への切り替えを行うことができ、切り替え時の違
和感が少ない。
【0073】次に、1速から2速に変速する場合につい
て説明する。まず、クラッチ78を切ってエンジンのス
ロットルバルブを閉じ、エンジンの無用な回転上昇を防
ぐとともに、バッテリーから第2モーター30に電力を
供給して駆動力の中断を防ぎながら、スリーブ56を中
立位置へ戻す。続いて第1モーター22にも電力供給
し、入力軸68の回転数と2速入力歯車84の回転数と
が同じになるように制御する。入力軸68の回転数と2
速入力歯車84の回転数が同じになった時点でスリーブ
56を右側へ移動して、入力軸68と2速入力歯車84
とを連結する。
【0074】直ちにエンジンのスロットルバルブを元に
戻すとともに、クラッチ78を接続し、第1モーター2
2と第2モーター30への電力供給を絶つことで、2速
に切り替わる。以上の1速および2速においては、図2
の実施形態と同様にクランク軸20と出力軸46とが、
それぞれの変速比で機械的に連結されるので、クランク
軸20からの入力トルクを全て機械的に出力軸46へ伝
達する駆動が可能であるし、並行して第1モーター22
および第2モーター30にバッテリーから電力を供給し
てエンジンの動力による駆動に加勢することもできる。
また逆に、並行して第1モーター22または第2モータ
ー30に発電させて、バッテリーに充電しながら走行す
ることも可能である。
【0075】次に2速状態から自動車を減速する場合に
ついて説明する。まずクラッチ78を切ると同時にエン
ジンを停止する。続いて第2モーター30を発電機に切
り替えて発電させる。減速度は発電量を制御することで
変化させることができる。さらに強力な減速を必要とす
る場合は1速に変速させる。まず、第2モーター30の
発電による減速を続けながらスリーブ56を中立位置に
戻す。続いて第1モーター22に少量の電力を供給し
て、スリーブ56と1速入力歯車70の回転数が同じに
なるように制御して、スリーブ56を左側へ移動して両
者を噛み合わせ、直ちに第1モーター22も発電機に切
り替える。つまり、第2モーター30に加えて第1モー
ター22にも発電させることで、より強力な減速を行う
と同時に、自動車の運動エネルギーを効率よく電力に変
えて回生し、バッテリーに充電することができる。
【0076】次に、後進する場合は、エンジンが停止し
た状態で第2モーター30を逆回転させることで後進駆
動ができる。この際、前述の1速の連結状態にしてクラ
ッチ78を切って第1モーター22にも電力を供給する
ことで、より大きな後進駆動力を得ることができる。こ
れはクラッチ78を切ることでエンジンが停止したまま
でも第1モーター22を駆動に使うことが可能になるた
めである。
【0077】次に、コンプレッサー96を駆動する場合
について説明する。まず、自動車およびエンジンが停止
している場合は、自動車とともにキャリア16が停止し
ているので、クラッチ78を切った上で第1モーター2
2に電力供給して逆回転させて、電磁クラッチ84を接
続する。その結果、リングギヤ14は正回転し駆動プー
リー88、ベルト90、電磁クラッチ84を介してコン
プレッサー96が駆動される。
【0078】また、第2モーター30のみによる駆動で
自動車が走行中も、クラッチ78を切ったままで第1モ
ーター22を回転させ、電磁クラッチ84を接続するこ
とでコンプレッサー96が駆動される。エンジンによる
駆動で自動車が走行している場合は、クラッチ78およ
び電磁クラッチ84を接続することで、コンプレッサー
96はエンジンにより駆動される。
【0079】図3の実施形態においても図2の実施形態
と同様に、後進時および減速時に第1モーター22およ
び第2モーター30を駆使することができるので、両モ
ーター22、30の合計容量を小さく設定することがで
きる。また、エンジンが停止している場合も冷房装置の
コンプレッサー96を運転することができるので、夏期
の暑い時期においても、自動車が停止している状態でア
イドリングと呼ばれるエンジンの無用な回転を停止する
ことが可能になる。また、変速に際して第1モーター2
2の回転数を制御することで、スリーブ56と1速入力
歯車70または2速入力歯車84との回転数を素早く同
じにして、変速をスムーズに行うことができる。
【0080】次に、図4は本発明の他の実施形態におけ
る駆動装置のスケルトン図である。図4の実施形態は、
遊星歯車10とエンジンのクランク軸20および第1、
第2モーター22、30、スリーブ56、出力軸46と
が同じ軸心上に配置されている。また、遊星歯車10と
クランク軸20および第1、第2モーター22、30と
の連結関係は図1の実施形態と同じである。すなわち、
クランク軸20がキャリア16と、サンギヤ12が第1
モーター22とそれぞれ連結され、リングギヤ14が第
2モーター30と連結されている。また、リングギヤ1
4は1速入力歯車70と連結されている。1速入力歯車
70と噛み合っている1速出力歯車72は減速入力歯車
42と一体的に連結され、減速入力歯車42は出力軸4
6と一体になった減速出力歯車44と噛み合っている。
また、クランク軸20と連結されたスリーブ56は左右
に移動することで、クランク軸20と1速入力歯車70
および出力軸46とを選択的に連結することができる。
従って、第2モーター30は、1速入力歯車70、1速
出力歯車72、減速入力歯車42、減速出力歯車44を
介して出力軸46と常に連結されている。
【0081】図4の実施形態においても図1の実施形態
と同様に、第2モーター30のみによる駆動と、クラン
ク軸20からの入力する動力の一部による第1モーター
22での発電電力を第2モーター30へ供給しての駆動
が可能である。また、スリーブ56を左に移動してクラ
ンク軸20と1速入力歯車70とを連結することで、ク
ランク軸20と出力軸46とは1速の変速比で連結され
る。その際の変速比は、1速入力歯車70と1速出力歯
車72との歯数比と、減速入力歯車42と減速出力歯車
44との歯数比の積になる。
【0082】また、スリーブ56を右に移動すること
で、クランク軸20と出力軸46とは一体的に連結さ
れ、変速比が1の2速になる。1速、2速とも、エンジ
ンの動力を全て自動車の駆動に使うことができるし、並
行して第1モーター22や第2モーター30にバッテリ
ーから電力を供給してエンジンの動力による駆動に加勢
することもできる。また逆に、並行して第1モーター2
2や第2モーター30に発電させてバッテリーの充電を
行うこともできる。図4の実施形態においても上記のよ
うに1速、2速の変速比で機械的に伝達することができ
るので、自動車の定常走行における燃費を向上すること
ができる。
【0083】次に、図5は本発明の他の実施形態におけ
る駆動装置のスケルトン図である。図5の実施形態も図
4の実施形態と同様に、遊星歯車10とエンジンのクラ
ンク軸20および第1、第2モーター22、30、スリ
ーブ56,出力軸46とが同じ軸心上に配置されてい
る。また、遊星歯車10とクランク軸20および第1、
第2モーター22、30との連結関係は図2の実施形態
と同じである。すなわち、クランク軸20がリングギヤ
14と、サンギヤ12が第1モーター22とそれぞれ連
結され、キャリア16が第2モーター30および2速入
力歯車84と連結されている。2速入力歯車84と噛み
合っている2速出力歯車86は減速入力歯車42と一体
的に連結され、減速入力歯車42は出力軸46と一体に
なった減速出力歯車44と噛み合っている。また、クラ
ンク軸20とクラッチ78を介して断続可能に連結され
たスリーブ56は左右に移動することで、クランク軸2
0と2速入力歯車84および出力軸46とを選択的に連
結することができる。従って、第2モーター30は、2
速入力歯車84、2速出力歯車86、減速入力歯車4
2、減速出力歯車44を介して常に出力軸46と連結さ
れている。
【0084】図5の実施形態においても図2の実施形態
と同様に、第2モーター30のみによる駆動と、クラン
ク軸20からの入力トルクの一部による第1モーター2
2での発電電力を第2モーター30へ供給しての駆動が
可能である。また、スリーブ56を右に移動しクラッチ
78を接続することで、クランク軸20と出力軸46と
は一体的に連結され、変速比が1の1速になる。
【0085】また、スリーブ56を左に移動してクラン
ク軸20と2速入力歯車84とを連結し、クラッチ78
を接続することで、クランク軸20と出力軸46とは2
速の変速比で連結される。その際の変速比は、2速入力
歯車84および2速出力歯車86の歯数比と、減速入力
歯車42および減速出力歯車44の歯数比との積にな
る。図5の実施形態においては2速の変速比を増速にす
る。1速、2速とも、エンジンの動力を全て自動車の駆
動に使うことができるし、並行して第1モーター22や
第2モーター30にバッテリーから電力を供給してエン
ジンの動力による駆動に加勢することもできる。また逆
に、並行して第1モーター22や第2モーター30に発
電させてバッテリーの充電を行うこともできる。図5の
実施形態においても図2の実施形態と同様の制御を行う
ことで、上記のように1速、2速の変速比で動力を機械
的に伝達することができるので、自動車の定常走行にお
ける燃費を向上することができる。
【0086】本発明の自動車用駆動装置は、当業者の一
般的な知識に基づいて、変速をスムーズに行うためにエ
ンジンおよびモーターを能動的に制御することや、燃費
をよくするためにそれぞれの変速を行う速度を適切に決
定する、などの変更や改良を加えた態様で実施すること
ができる。
【0087】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の自動
車用駆動装置によれば、以下のような効果を得ることが
できる。 (1)請求項1に記載の駆動装置にあっては、第1、第
2モーターと遊星歯車とを備えた自動車用駆動装置にお
いて、エンジンのクランク軸により駆動される遊星歯車
の要素に入力した駆動力を、固定された変速比で変速し
て出力軸へ伝える変速機構を備えたため、第1、第2モ
ーターを使った無段階な変速に加えて、固定された変速
比に切り替えて高い伝達効率の動力伝達ができるので、
従来の駆動装置に比べて燃費を良くすることが可能にな
る。
【0088】(2)請求項2に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、遊星歯車を一体的に連結する手段
により、固定された変速比で変速するようにしたため、
簡単な構成で変速比1の直結伝達が可能になるので、伝
達効率の高い駆動ができる。
【0089】(3)請求項3に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、サンギヤをケースに固定する手段
により、固定された変速比で変速するようにしたため、
サンギヤをケースに固定するだけの簡単な構成でで増速
(オーバードライブ)伝達が可能になるので、伝達効率
の高い駆動ができる。
【0090】(4)請求項4に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、固定された変速比に切り替える際
に、切り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0に
なった時点で噛み合わせるようにしたため、切り替えの
ための噛み合いをスムーズに行うことができる。
【0091】(5)請求項5に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、固定された変速比に切り替える際
に、切り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0に
なるように第1モーターの回転数を制御するようにした
ため、噛み合い部相互の回転差を素早く0にすることが
でき、迅速な切り替えが可能になる。
【0092】(6)請求項6に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、エンジンのクランク軸と出力軸と
の間に遊星歯車と平行に同期噛み合い式変速機構を配置
したため、全長の短い駆動装置が可能になるのに加えて
遊星歯車での動力伝達と並行して固定された変速比への
切り替えが可能になり、違和感の少ない変速ができる。
【0093】(7)請求項7に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、固定された変速比を得る連結状態
において、第1モーターおよび第2モーターの一方また
は両方で、駆動力を加勢しまたは発電することを任意に
選択可能にしたため、両モーターを駆使した加速および
発電によるバッテリーの充電ができるので、強い加速力
と充電とを任意に選択して、燃費が良くなるように運転
条件に適した駆動を行うことができる。
【0094】(8)請求項8に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、リングギヤが、エンジンのクラン
ク軸と連結されるとともに変速機構の入力軸とクラッチ
を介して連結可能にしたため、クラッチを切ることで遊
星歯車の回転数と無関係に固定された変速比への切り替
えを容易に行うことができる。
【0095】(9)請求項9に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、エンジンのクランク軸と連結され
たキャリアおよびリングギヤのうちの一方の要素を、ケ
ースに固定可能に構成したため、後進時に両モーターで
駆動することができるとともに、減速時にエンジンを停
止したまま両モーターでエネルギー回生を行うことがで
きるので、両モーターを小型にできる。
【0096】(10)請求項10に記載の本発明の自動
車用駆動装置にあっては、エンジンのクランク軸と、リ
ングギヤおよびキャリアのうち一方の要素とを、クラッ
チにより断続可能にするとともに、一方の要素と冷房装
置のコンプレッサーとを連結可能に構成したため、エン
ジンが停止した状態においても第1モーターによりコン
プレッサーを運転することができるので、真夏の暑い時
期においても自動車が停車した際のエンジンのアイドリ
ング停止が可能になり、燃費が向上する。
【0097】(11)請求項11に記載の本発明の自動
車用駆動装置にあっては、遊星歯車と第1モーターと第
2モーターおよび固定された変速比に切り替えるスリー
ブとをクランク軸と同じ軸心上に設けたため、少ない歯
車構成で出力軸をクランク軸と同じ軸心上に配置できる
ので、特に後輪駆動車に適したレイアウトが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用駆動装置のスケルトン図であ
る。
【図2】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態のスケルトン図である。
【図3】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態のスケルトン図である。
【図4】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態のスケルトン図である。
【図5】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態のスケルトン図である。
【図6】従来例を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
10:遊星歯車 12:サンギヤ 14:リングギヤ 16:キャリア 18:ピニヨン 20:クランク軸 22:第1モーター 24:回転子 26:固定子 28:ケース 30:第2モーター 32:回転子 34:固定子 36:第1スプロケット 38:チェーン、第1チェーン 40:第2スプロケット 42:第1減速入力歯車 44:第1減速出力歯車 46:出力軸 48:第2減速入力歯車 50:第2出力歯車 52:差動装置 54a、54b:車軸 56:スリーブ 58:第1クラッチギヤ 60:第2クラッチギヤ 62:外歯 64:固定爪 66:変速機構 68:入力軸 70:1速入力歯車 72:1速出力歯車 74:第3スプロケット 76:第2チェーン 78:クラッチ 80:第4スプロケット 82:クラッチディスク 84:2速入力歯車 86:2速出力歯車 88:駆動プーリー 90:ベルト 92:被動プーリー 94:電磁クラッチ 96:コンプレッサー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンギヤとリングギヤとこれらに噛み合
    うピニヨンを支持するキャリアとを有する遊星歯車を備
    え、前記サンギヤが第1モーターにて駆動可能であり、
    前記キャリアおよび前記リングギヤのうち一方の要素に
    エンジンのクランク軸からの動力が入力可能で、前記キ
    ャリアおよび前記リングギヤのうち他方の要素からの出
    力が、第2モーターで駆動可能とされた出力軸へ伝達可
    能な自動車用駆動装置において、前記エンジンのクラン
    ク軸により駆動される遊星歯車の前記一方の要素に入力
    した駆動力を、固定された変速比で変速して前記出力軸
    へ伝える変速機構を備えたことを特徴とする自動車用駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 前記遊星歯車を一体的に連結する手段に
    より、前記固定された変速比で変速することを特徴とす
    る請求項1に記載の自動車用駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記サンギヤをケースに固定する手段に
    より、前記固定された変速比で変速することを特徴とす
    る請求項1および2に記載の自動車用駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記固定された変速比に切り替える際
    に、切り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0に
    なった時点で噛み合わせることを特徴とする請求項1乃
    至3に記載の自動車用駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記固定された変速比に切り替える際
    に、切り替えのための噛み合い部相互の回転差が略0に
    なるように前記第1モーターの回転数を制御することを
    特徴とする請求項1乃至4に記載の自動車用駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記変速機構は、前記エンジンのクラン
    ク軸と前記出力軸との間に前記遊星歯車と平行に配置し
    た同期噛み合い式変速機構であり、該変速機構の入力軸
    が前記リングギヤおよび前記キャリアのうちの一方の要
    素により駆動されることを特徴とする請求項1に記載の
    自動車用駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記固定された変速比を得る連結状態に
    おいて、前記第1モーターおよび前記第2モーターの一
    方または両方で、駆動力を加勢しまたは発電することを
    任意に選択可能にしたことを特徴とする請求項1乃至6
    に記載の自動車用駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記リングギヤが、前記エンジンのクラ
    ンク軸と連結されるとともに前記変速機構の入力軸とク
    ラッチを介して連結可能であることを特徴とする請求項
    1および6に記載の自動車用駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記エンジンのクランク軸と連結された
    前記キャリアおよび前記リングギヤのうちの一方の要素
    を、ケースに固定可能に構成したことを特徴とする請求
    項1乃至8に記載の自動車用駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記エンジンのクランク軸と、前記リ
    ングギヤおよび前記キャリアのうち一方の要素とを、ク
    ラッチにより断続可能にするとともに、該一方の要素と
    冷房装置のコンプレッサーとを連結可能に構成したこと
    を特徴とする請求項1乃至9に記載の自動車用駆動装
    置。
  11. 【請求項11】 前記遊星歯車と前記第1モーターと前
    記第2モーターおよび固定された変速比に切り替えるス
    リーブとを前記クランク軸と同じ軸心上に設けたことを
    特徴とする請求項1乃至5および7乃至10に記載の自
    動車用駆動装置。
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