JPH11226728A - 撥水剤コーティング層の水中塗布方法及び装置、及び溶接方法 - Google Patents

撥水剤コーティング層の水中塗布方法及び装置、及び溶接方法

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JPH11226728A
JPH11226728A JP3250798A JP3250798A JPH11226728A JP H11226728 A JPH11226728 A JP H11226728A JP 3250798 A JP3250798 A JP 3250798A JP 3250798 A JP3250798 A JP 3250798A JP H11226728 A JPH11226728 A JP H11226728A
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water
repellent
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nozzle
coating layer
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JP3250798A
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Mitsuru Komori
充 小森
Norio Tezuka
則雄 手塚
Toru Iwasaki
徹 岩崎
Kazuhiro Fukuda
和廣 福田
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の高い水中溶接を行うため、溶接前処
理として溶接すべき箇所に撥水剤コーティング層を形成
する水中塗布装置を提供する。 【解決手段】 撥水剤コーティング層の水中塗布装置
は、撥水剤塗布ノズル、水ポンプ、CO2ガスボンベ、
撥水剤供給ポンプからなり、撥水剤塗布ノズル1は、円
筒状筒体2と、撥水剤を噴射するため筒体2の軸心に設
置されたセンタノズル4との部品からなり、そして筒体
2の壁内に断面が環状で筒体軸方向に延び、かつ先端で
末広がりに開口する水流路3が形成され、また筒体2内
周面とセンタノズル4外周との間にガス流路5が形成さ
れてなるもので、そして水流路3の入口には水中ポンプ
が、ガス流路5の入口にはCO2ガスボンベが、さらに
センタノズル4には撥水剤供給ポンプが接続されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油生産施設、荷
役施設、貯蔵施設、洋上空港、海上備蓄基地、橋梁、沈
埋トンネル、波力・潮流・温度差発電施設、海洋牧場等
の海洋構造物の溶接、または補修溶接の前処理として施
工する撥水剤コーティング層の水中形成方法及び装置、
及び溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から湿式水中溶接として、水カーテ
ン式湿式水中溶接法がある。水カーテン式湿式水中溶接
法は、図2に示すように、水中構造物を構成する板材2
1に形成された溶接開先22をがバーするように、溶接
ノズル23かららっぱ状に水を噴出して水カーテン24
を形成し、その内部にシールドガス25を流して空洞2
6をつくり、この空洞26中で溶接ワイヤ27と溶接開
先22間に溶接アークを発生させて、溶接が行われる。
この水中溶接法では、溶接すべき箇所に水分が残ってい
ると、溶接時に水素ガスが発生し、ブローホールや割れ
等の溶接欠陥の原因となるおそれがある。そのほか、水
中溶接には、被覆溶接棒を水につけたまま行う手溶接が
あるが、この場合溶接欠陥が発生しやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、水カー
テン式湿式水中溶接法による水中溶接では、溶接すべき
箇所に水分が残っていると、溶接欠陥の原因となる。従
来は、この溶接欠陥の原因をなくすために、水中溶接の
前処理として水中で空気膜を保持する撥水剤コーティン
グ層を用いるという思想はなかった。
【0004】そこで、本発明の目的は、より信頼性の高
い水中溶接を行うために、溶接前処理として溶接すべき
箇所に撥水剤コーティング層を形成する撥水剤コーティ
ング層の水中形成方法及び装置、及び溶接方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による撥水剤コーティング層の水中形成方法
は、(1)円筒状筒体、この筒体の壁内に断面が環状で筒
体軸方向に延び先端で末広がりに開口する水流路、円筒
軸心部に配置し円筒先端方向に撥水剤を噴射するセンタ
ノズル、及び筒体とセンタノズル間に形成されたガス流
路を有する撥水剤塗布ノズルを水中で水中構造物で溶接
すべき箇所の上に配置し、(2)ついで撥水剤塗布ノズル
の水流路から高圧水を噴出させて水カーテンを形成する
と共にガス流路から高圧ガスを噴出させて水カーテン内
に空洞を形成し、(3)それからセンタノズル4から、水
中に没したときに空気膜保持可能な撥水剤コーティング
層を形成する撥水剤を噴射させて、溶接すべき箇所及び
その近傍に上記の撥水剤コーティング層を形成する方法
である。
【0006】溶接すべき箇所に、水中に没したときに空
気膜保持可能な撥水剤コーティング層を形成すると、そ
の撥水剤コーティング層上に空気またはガスを流した
時、該撥水剤コーティング層を覆う空気膜またはガス膜
が形成され、保持される。湿式水中溶接では、シールド
ガスが空気膜またはガス膜に取り込まれるように流れる
ので、水のないガス雰囲気で良好な溶接を行うことがで
きる。また溶接すべき箇所に、水中に没したときに空気
膜保持可能な撥水剤コーティング層を形成すると、被覆
溶接棒による手溶接の場合には、溶接前に空気または適
当なガスを溶接すべき箇所に流すことにより、表面に空
気層又はガス層が形成されるので、溶接アークの点弧が
容易になり、アークが安定し良好な溶接を行うことがで
きる。なお、空気層またはガス層は、光を当てると、銀
色に反射することで確認できる。
【0007】また、上記目的を達成するために、本発明
による撥水剤コーティング層の水中形成装置は、円筒状
筒体、該筒体の壁内に環状断面で筒体軸方向に延び先端
で末広がりに開口する水流路、円筒軸心部に配置され円
筒先端方向に撥水剤を噴射するセンタノズル及び円筒と
センタノズル間に形成されたガス流路を有する撥水剤塗
布ノズルと、撥水剤塗布ノズルの円筒ノズル内の水流路
に高圧水を供給する水供給手段と、ガス流路に高圧ガス
を送給するガス供給手段と、撥水剤ノズルのセンタノズ
ルに撥水剤を供給する撥水材供給手段、とから構成した
ものである。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
の溶接方法は、溶接開先表面に、水中に没したときに空
気膜保持可能な撥水剤コーティング層を水中で塗布した
後、この溶接開先を溶接することを特徴とする。
【0009】以下、水中に没したときに空気膜を保持可
能な撥水剤コーティング層の作用について説明する。空
気膜を保持させるために、2つの条件が必要であること
を見いだした。1つは材料の撥水性であり、もう一つは
空気膜を保持させるための表面の微細な凹凸構造であ
る。前者の撥水性は水との接触角で言うと90度以上が
望ましい。90度以下では空気膜を長期間保持すること
ができない。後者の表面の微細な凹凸は水中で空気を保
持するために必要な空間である。この凹凸があるため、
水中に没したときこの部分に空気を保持し、表面に空気
膜を保持することが可能になる。材料と水が直接接する
ことを防止する働きがある。
【0010】表面の微細な凹凸の形状は、断面が三角形
や半球状あるいは不定形の突起、または凹みを連続的に
または不規則に配置したものでよい。凹凸の寸法は、凹
部と凹部の間隔または凸部と凸部の間隔(以下、単に凹
凸の間隔という)は、2nm〜200μmが好ましい。
さらに好ましく20nm〜50μmが好ましい。20n
m以下では空気の保持できる空間の大きさが小さく、水
中での空気膜の容積が小さくなってしまうこと、200
μm以上では、凹凸の間隔が広くなり、水中での空気の
保持が悪くなるからである。凹凸の高さは、20nm以
上が好ましい。これ以下だと空気膜の保持性能が悪い問
題がある。上限は空気膜の形成に関しては特に制限はな
いが、溶接時に作業がやりにくくならない、寸法精度が
悪くならない範囲である。1mm以下が好ましい。
【0011】具体的なコーティング方法としては、硬化
後に上記の撥水性と、空気層を保持させるための凹凸構
造が構成されるようにあらかじめ調整されたコーティン
グ液を、開先加工部等の溶接部表面に塗布する方法が利
用できる。
【0012】コーティング液は、例えば、疎水基を有す
る表面処理剤で処理した無機質酸化物粒子及び/または
疎水性の有機物質であるポリテトラフルオロエチレン粒
子と樹脂とを溶媒に混合・分散したスラリ状のものであ
る。粒子は空気膜を保持するための凹凸構造を構成する
ものであるので、粒径は、平均粒径で2nm〜200μ
mが好ましい。さらに好ましくは20nm〜50μmが
好ましい。20nm以下では空気の保持できる空間の大
きさが小さく、水中での空気膜の容積が小さくなってし
まうこと、200μm以上では、凹凸の間隔が広くな
り、水中での空気の保持が悪くなるからである。
【0013】処理を行う無機酸化物粒子の種類は、シリ
カ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄などを挙げることが
出来る。特に、無機質酸化物粒子の中では多孔性の粒子
が好ましい。本出願人が、特開平7−17476号公報
で、構造物の没水表面に空気膜を形成する方法および没
水表面の膜体構造として開示したように、粒子表面がポ
ーラスであることによって、水中での優れた空気保持機
能を発揮する。
【0014】また、コーティング液として、疎水性基を
有するアルコキシシラン、クロロシラン、シラザンのい
わゆるシラン化合物や、ジメチルポリシロキサン、疎水
基を有するチタネートカップリング剤、アルミニウム系
カップリング剤の液を用いる。この液を塗布することに
より、溶接開先面に疎水基を結合させる。
【0015】疎水基を有する表面処理剤は、アルキル基
やフッ素置換疎水性基を有するシラン、クロロシラン、
シラザンのいわゆるシラン化合物や、ジメチルポリシロ
キサン、アルキル基を有するチタネートカップリング
剤、アルミニウム系カップリング剤を使用する。
【0016】アルキル基を有するシラン化合物として、
メチル基を有するもので、例えばメチルメトキシシラン
CH3Si(OCH3)3、ジメチルジメトキシシラン(CH
3)2Si(OCH3)2、トリメチルメトキシシラン(CH3)
3Si(OCH3)、メチルトリエトキシシランCH3Si
(OC25)3、ジメチルジエトキシシラン(CH3)2Si
(OC25)2、トリメチルエトキシシラン(CH3)3Si
(OC25)、ヘキサメチルジシラザンなどがあり、エチ
ル基を有するものでは、エチルトリメトキシシランC2
5Si(OCH3)3、ジエチルジメトキシシラン(C
25)2Si(OCH3)2、トリエチルメトキシシラン(C2
5)3Si(OCH3)、エチルトリエトキシシランC25
Si(OC25)3、シ゛エチルシ゛エトキシシラン(C25)2Si(OC
25)2、トリエチルエトキシシラン(C25)3Si(OC
25)などがあり、プロピル基を有するもので、プロピ
ルトリメトキシシランC37Si(OCH3)3、ジプロピ
ルジメトキシシラン(C37)2Si(OCH3)2、トリプ
ロピルメトキシシラン(C37)3Si(OCH3)、プロピ
ルトリエトキシシランC37Si(OC25)3、ジプロ
ピルジエトキシシラン(C37)2Si(OC25)2、ト
リプロピルエトキシシラン(C37)3Si(OC25)な
どがあり、長鎖アルキルシランとしてn−オクタデシル
トリメトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン
等がある。
【0017】上記のような炭素数1〜20のアルキル基
を1〜3個有するアルコキシシランに、クロルシランま
たはシラザンの、単独または複数種を混合して使用する
ことができる。
【0018】フッ素置換疎水性基を有するシラン化合物
は、例えばパーフルオロオクチルエチルトリエトキシシ
ランCF3(CF2)7(CH2)2Si(OC25)3、パーフル
オロイソプロピルエチルトリエトキシシラン(CF3)2
F(CH2)2Si(OC25)3などのほかに、パーフルオ
ロメチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロブチ
ルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエ
チルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチル
メチルジメトキシシランなどの炭素数1〜20の、好ま
しくは1〜10のパーフルオロアルキル基を有するアル
コキシシランなどが挙げられる。
【0019】チタネートカップリング剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタ
ネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイ
ト)チタネートなどが挙げられる。
【0020】アルミニウム系カップリング剤としてはア
セトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げ
られる。
【0021】ここで、上記の各表面処理剤により形成さ
れた撥水剤コーティング層が、水中に没したときに空気
膜を保持可能となるような性質について、図3、4、5
を参照して説明する。図3に示すように、表面の一部に
撥水剤コーティング層31を形成した平板30(金属、
セラミックまたは合成樹脂等の板)を空気中から水33
中に入れた際、撥水剤コーティング層31表面に接して
いた空気が保持された状態で水中に持ち込まれ、層表面
部に空気膜32が形成される。そして、例えば、この空
気膜32に細管34を通じて少量の空気を送りこむと、
空気はこの空気膜32内に取り込まれて、膜32は点線
で示すように膨らむ。このように撥水剤コーティング層
31は、水中で表面上に薄い空気膜32を保持し、外部
から供給された空気を空気膜32中に取り込むという特
有の性質がある。
【0022】この空気を取り込む性質について、さら
に、図4(A)、(B)を用いて説明する。まず、図4(A)
に示すように、表面全体に撥水剤コーティング層31を
形成した平板30を水中で傾斜させて、細管34を通じ
て板表面に空気を連続的に供給した時は、空気が撥水剤
コーティング層31表面に保持された空気膜32に取り
込まれ、板30の傾斜面にそって上昇し、そして空気膜
32端から気泡37となって浮上する。図4(B)は、図
4(A)での平板30を上り斜面の正面寄りからみた図で
あり、図示のように、空気35が上り斜面にそって広が
りながら流れ、上端で空気溜り36となり、そこから気
泡37となって浮上する。これと比べて、撥水剤コーテ
ィング層がない、例えば生地表面を露出した平板30を
若干傾斜させて水中に浸漬し、金属板表面に細管を通じ
て空気を送りこんだ時、図5に示すように空気は板表面
に接すると、直ちに板表面から離れ、気泡となって浮上
する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明による撥水剤コーティング
層の水中形成装置を図面により説明する。図1は本発明
の一実施の形態の撥水剤コーティング層形成装置の構成
図である。この撥水剤コーティング層の水中形成装置
は、撥水剤塗布ノズルと、水供給手段としての水ポンプ
と、ガス供給手段としてのCO2ガスボンベと、撥水剤
供給手段としての撥水剤供給ポンプとから構成される。
撥水剤塗布ノズル1は、図1に示すように、円筒状筒体
2と、撥水剤を噴射するために筒体2の軸心に設置され
たセンタノズル4との部品からなり、そして筒体2の壁
内に断面が環状で筒体軸方向に延び、かつ先端で末広が
りに開口する水流路3が形成され、また筒体2内周面と
センタノズル4外周との間にガス流路5が形成されてな
るものである。そして、水流路3の入口には水中ポンプ
が、ガス流路5の入口にはCO2ガスボンベが、またセ
ンタノズル4には撥水剤供給ポンプが配管を介して接続
されている。なおCO2ガスの代わりにN2ガスボンベか
らN2ガスを、あるいはエアポンプにより空気を供給し
てもよい。
【0024】上記の撥水剤コーティング層の水中形成装
置は、水中水中構造物を溶接する前処理として溶接すべ
き箇所に撥水剤コーティング層の形成のため、次のよう
に使用される。撥水剤塗布ノズル1を水中で水中構造物
表面の溶接すべき箇所の上に配置する。次に水ポンプを
運転して、撥水剤塗布ノズル1の水流路3から高圧水を
噴出させて水カーテン6を形成する。それと共にCO2
ガスボンベの栓を開いてガス流路5から高圧ガスを噴出
させて水カーテン6内に空洞を形成する。その後にセン
タノズル4から撥水剤9を噴射させて、水中構造物12
の溶接すべき箇所(溝開先10)及びその近傍に撥水剤
コーティング層11を形成する。
【0025】このように撥水剤コーティング層を形成し
た箇所を溶接する水中溶接方法、すなわち水カーテン式
湿式水中溶接法の原理を図2により説明する。水カーテ
ン式湿式水中溶接法は、ガスメタルアーク溶接方法を用
いて行うもので、水29の中に配置された被溶接部材2
5、25間に形成された溶接開先26に対向しこの溶接
開先26の長手方向に移動させる溶接用ノズル23先端
部を二重筒構造とし、水中で内外両筒23a、23bの
間隙から溶接開先22を含む被溶接部材25上に水を噴
射させてラッパ状の水カーテン24を作り、内筒23a
からシールドガス25をながして水カーテン24内部に
空洞26を形成することにより、内筒23aの軸中心に
配置されたコンタクトチップ23cを通じて供給される
溶接ワイヤ27と被溶接部材25との間に発生するアー
ク28、及びこのアーク28により溶接開先26中に形
成される溶融池を、周辺の水から保護して溶接する方法
である。この溶接用シールドガスとしては、通常、CO
2ガスあるいはCO2−Ar混合ガスが用いられる。
【0026】この方法によれば、被溶接部材5が水にぬ
れていても、水カーテン14及びシールドガス15によ
り被溶接部材5上から水を排除して、シールドガスに満
たされた局部的空洞16を形成することができ、溶接す
べき箇所を乾燥した状態にする事ができるので、安定し
た溶接が行える。
【0027】さらに、本発明による撥水剤コーティング
層の水中形成装置により溶接開先部及びその近傍に撥水
性の膜をあらかじめ形成しておくことにより、水が容易
に除去でき、信頼性の高い溶接を行うことができる。な
お、図1に示す溶接開先は、水中構造物表面に発生した
割れ13を除去するためガウジングして形成した、補修
溶接のための溝開先を想定したものである。
【0028】
【発明の効果】本発明の撥水剤コーティング層の水中形
成方法及び装置によれば、水中溶接の前に溶接すべき箇
所に、水中に没したときに空気膜保持可能な撥水剤コー
ティング層を形成でき、水中ではこの撥水剤コーティン
グ層はガス膜を保持するので、ガスシールドアーク溶接
時に、シールドガスとガス膜により水のない雰囲気を生
成し、健全な溶接部を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態となる撥水剤コーティング
層の水中形成装置の構成を示す図である。
【図2】水カーテン式水中溶接法の原理図である。
【図3】水中で空気膜を表面に保持する撥水剤コーティ
ング層を説明する図である。
【図4】板面に形成された撥水剤コーティング層が空気
膜を保持し、該空気膜に取り込まれた空気がコーティン
グ層の面にそって移行することを説明する図である。
【図5】処理されてない板を水中に浸漬し、板表面に空
気を送りこんだ時、空気は直ちに気泡となって浮上する
様子を示す図である。
【符号の説明】
1 撥水剤塗布ノズル 2 筒体 3 水流路 4 センタノズル 5 ガス流路 6 水カーテン 7 シールドガス 8 空洞 9 撥水剤 10 溶接開先 12 水中構造物 13 割れ 23 溶接用ノズル 23a ノズル内筒 23b ノズル外筒 23c コンタクトチップ 24 水カーテン 25 溶接シールドガス 26 空洞 27 溶接ワイヤ 28 アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 35/36 B23K 35/36 Z (72)発明者 福田 和廣 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状筒体、該筒体の壁内に断面が環状
    で筒体軸方向に延び先端で末広がりに開口する水流路、
    筒体軸心部に配置され筒体先端方向に撥水剤を噴射する
    センタノズル、および筒体とセンタノズル間に形成され
    たガス流路を有する撥水剤塗布ノズルを、水中構造物表
    面に形成された溶接開先上に配置し、次に前記水流路か
    ら高圧水を噴出させて水カーテンを形成すると共に前記
    ガス流路から高圧ガスを噴出させて水カーテン内に空洞
    を形成し、それから前記センタノズルから、水中に没し
    たときに空気膜保持可能な撥水剤コーティング層を形成
    する撥水剤を噴射させて、前記溶接開先表面に前記撥水
    剤コーティング層を塗布することを特徴とする撥水剤コ
    ーティング層の水中塗布方法。
  2. 【請求項2】 円筒状筒体、該筒体の壁内に環状断面で
    筒体軸方向に延び先端で末広がりに開口する水流路、円
    筒軸心部に配置され円筒先端方向に撥水剤を噴射するセ
    ンタノズル及び円筒とセンタノズル間に形成されたガス
    流路を有する撥水剤塗布ノズルと、撥水剤塗布ノズルの
    円筒ノズル内の水流路に高圧水を供給する水供給手段
    と、ガス流路に高圧ガスを送給するガス供給手段と、撥
    水剤ノズルのセンタノズルに撥水剤を供給する撥水剤供
    給手段、とから構成した撥水剤コーティング層の水中塗
    布装置。
  3. 【請求項3】 溶接開先表面に、水中に没したときに空
    気膜保持可能な撥水剤コーティング層を水中で塗布した
    後、該溶接開先を溶接することを特徴とする溶接方法。
JP3250798A 1998-02-16 1998-02-16 撥水剤コーティング層の水中塗布方法及び装置、及び溶接方法 Withdrawn JPH11226728A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109174487A (zh) * 2018-08-08 2019-01-11 西安交通大学 一种同轴激光复合式水下喷涂装置

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