JPH11224657A - コイン電池の端子接点構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンダ付けを不要として製造効率を向上させ
ることができると共に、パネルの変形に基づく接触不良
の発生をも防止することができるコイン電池の端子接点
構造を得る。 【解決手段】 コイン電池４のプラス端子接点１３を板
バネ１３ａ，１３ｃで構成して、プリントボードに弾圧
接触させることにより、コイン電池４のプラス端子面４
ａとプリントボードの電源ラインとの電気的接触を行う
ようにするとともに、板バネ１３ｃのプリントボード２
１への接触点近傍において、リアパネル２０をフロント
ケース１０にネジ止めするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はケース内に設けら
れたコイン電池より、ケース裏面にネジ止めにより固定
されたプリントボードに電力を供給するようにした、例
えば小型携帯電鈴用受信機等のカード型電子製品におけ
るコイン電池の端子接点構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は小型携帯電鈴用受信機に適用され
た従来のコイン電池の端子接点構造を示す斜視図であ
る。図７に於いて、１は裏面（紙面上側）にプリントボ
ードが張り付けられているリアパネル（リアケース）、
２はフロントシートが付されたフロントパネル（フロン
トケース）、３はリアパネル１やフロントパネル２を支
持するフレームである。４はコイン電池、５はコイン電
池４を保持する電池ホルダである。また、６はフロント
パネル２とリアパネル１で構成される電池収納部、８は
収納されたコイン電池４のプラス端子に接触するプラス
端子接点、９はコイン電池４のマイナス端子に接触する
マイナス端子接点である。

【０００３】以上の構成において、電池ホルダ５に保持
されて電池収納部６に収納されたコイン電池４は、その
プラス端子がプラス端子接点８に接触し、そのマイナス
端子がマイナス端子接点９に接触する。ここで、例えば
マイナス端子接点９は、その接点の基部９ａが図示しな
いプリントボードのアースラインにハンダ付けにより接
続される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、例えば
小型携帯電鈴用受信機に適用される従来のコイン電池の
端子接点構造は、そのコイン電池への接点をハンダ付け
によりプリントボードの例えばアースラインに接続する
ようにしていたため、ハンダ付け作業による製造効率の
向上が妨げられていた。一方、このような問題を解決す
るため、例えば、コイン電池のマイナス端子やプラス端
子とプリントボードのアースラインや電源ラインとの間
にそれぞれ金属バネを介設し、これらのバネの弾性力で
それら端子とライン間を電気的に接触させるようにする
ことが考えられる。しかし、一般にパネルやプリントボ
ードは剛体ではなく、したがって、バネの押圧力により
パネルの一部が変形し、それにより押圧力が軽減されて
接触不良が生じやすくなるという問題が生じる。

【０００５】この発明は、このような従来の問題点を解
決するためになされたものであり、ハンダ付けを不要と
して製造効率を向上させることができると共に、パネル
の変形に基づく接触不良の発生をも防止することができ
るコイン電池の端子接点構造を得ることを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るため、この発明は、フロントケースとリアケースによ
り構成されるケース内に設けられたコイン電池より、上
記いずれかのケース裏面に付設されたプリントボードに
電力を供給するようにしたカード型電子製品におけるコ
イン電池の端子接点構造において、上記コイン電池の端
子接点をバネで構成して、上記プリントボードに弾圧接
触させることにより、上記コイン電池と上記プリントボ
ードとの電気的接触を行うようにすると共に、上記バネ
の上記プリントボードへの接触点近傍に、上記フロント
ケースと上記リアケースの固着部を設けるようにしたも
のである。

【０００７】この発明の実施の形態においては、カード
型電子製品として小型携帯電鈴用受信機が例に挙げら
れ、プリントボード２１はリアケースであるリアパネル
２０の裏面に付設される。また端子接点はコイン電池４
のプラス端子面４ａとプリントボード２１の電源ライン
を接続するプラス端子接点１３で構成される。そして、
バネは板バネ（電池側接点部１３ａ、ライン側接点部１
３ｃ）で構成され、板バネ１３ｃのプリントボード２１
への接触点近傍に、フロントケース１０とリアパネル２
０のネジ止め部（ボス１４ａ）を設けた。

【０００８】このような構成によれば、プリントボード
とコイン電池との接続にハンダ付けを必要とせず、ま
た、バネのプリントボードへの接触点近傍がネジ止めに
より固定されて、その近傍が硬くなるため、パネルの変
形も防止され、電気的接触を良好な状態に維持できる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を小
型携帯電鈴用受信機に適用されるコイン電池の端子接点
構造を例にとり、添付図面に基づいて説明する。図１は
主に小型携帯電鈴用受信機のフロントケース裏面を示す
正面図、図２はケース内にコイン電池を収納した状態を
示す図、図３はフロントケースへのリアパネルの取り付
けを示す斜視図、図４は端子接点部を示す斜視図、図５
はリアパネル裏面（内側）のプリントボードを示す正面
図、図６はプラス端子接点を示す斜視図である。これら
の図において、１０は正面視略長方形状のフロントケー
ス、２０はリアパネル、２１はリアパネル２０のパネル
裏面（内側）に付されたプリントボード、４はコイン電
池、５は電池４の収納ホルダである。

【００１０】フロントケース１０には、図１に示される
その中央部より右上寄りの位置に表示窓１１が設けら
れ、フロントケース１０の左側部の位置に電池収納部１
２が設けられている。また、フロントケース１０の四隅
の角部とその他の適所にはフロントケース１０をリアパ
ネル２０に接合して固着するためのボス１４ａ〜１４ｇ
が形成されている。そして、電池収納部１２の側部に
は、電池収納部１２に収納された電池４のプラス極（端
子面）４ａをプリントボード２１の電源ラインに接続す
るためのプラス端子接点１３が設けられている。

【００１１】プラス端子接点１３が設けられた位置は、
またフロントケース１０の一つの隅（角部）に設けられ
たボス１４ａの近傍となっている。プラス端子接点１３
は、図４に詳細に示されているように、電池のプラス端
子に接触するための電池側接点部１３ａと、フロントケ
ース１０に固定されてプラス端子接点１３を支持するた
めの基部１３ｂと、プリントボードの電源ラインに接触
するためのライン側接点部１３ｃとから形成される。

【００１２】図６はプラス端子接点１３を個別に示した
図である。図６からも明らかなように、プラス端子接点
１３は一つの細長い金属板を曲げ成型することにより形
成されている。そして、電池側に伸長された電池側接点
部１３ａは、弾性力が水平方向に作用し、電池４の側面
をなすプラス端子面４ａ（図３）を側部から垂直に押圧
する板バネとして成型されている。また、フロントケー
ス１０のボス１４ａの斜め上方に伸長されたライン側接
点部１３ｃは、弾性力が鉛直方向に作用し、その上方に
位置するリアパネル２０を垂直上方に押圧する板バネと
して成型されている。

【００１３】リアパネル２０はその外形状がフロントケ
ース１０の外形状とほぼ同様な形状をなし、フロントケ
ース１０に設けられたボス１４ａ〜１４ｇに対応する位
置にネジ１６ａ〜１６ｇの貫通孔１７ａ〜１７ｇが設け
られている。また、リアパネル２０の裏面（内側）に
は、図５に示されるようなプリントボード２１が付設さ
れている。このプリントボード２１は電源ラインやアー
スライン及び電鈴用受信機の必要な回路を提供してい
る。そしてプリントボード２１の適所にフロントケース
１０の表示窓１１に臨む液晶表示パネル２３が設けられ
ている。

【００１４】以上の構成において、小型携帯電鈴用受信
機の組み立て時には、図３に示されるように、フロント
ケース１０の電池収納部１２の側部にプラス端子接点１
３を固定した後、リアパネル２０とフロントケース１０
を接合し、ネジ１６ａ〜１６ｇを用いてこれらを固着す
る。そして、電池収納部１２にコイン電池４を収納した
後、収納ホルダ５を嵌めてコイン電池４を固定する。コ
イン電池４は図３に示す状態において、マイナス端子面
４ｂが上を向くように収納される。

【００１５】このとき、プラス端子接点１３の電池側接
点部１３ａがコイン電池４のプラス端子面４ａを押圧し
て電池側接点部１３ａとコイン電池４の電気的接触が行
われる。また、プラス端子接点１３のライン側接点部１
３ｃが、リアパネル２０に付されたプリントボード２１
の電源ラインを押圧してライン側接点部１３ｃと電源ラ
インの電気的接触が行われる。こうして、プラス端子接
点１３を介して、コイン電池４のプラス極とプリントボ
ード２１の電源ラインとが接続される。

【００１６】このとき、プリントボード２１およびリア
パネル２０は、プラス端子接点１３の近傍、特にライン
側接点部１３ｃにより押圧される近傍が、ネジ１６ａに
よりフロントケース１０のボス１４ａに固定されること
となるため、プリントボード２１やリアパネル２０がラ
イン側接点部１３ｃの押圧力により撓むなどの変形が防
止され、したがって、変形による押圧力の低下により接
触不良が生じるということが防止され、常時良好な電気
的接触状態を維持することができる。

【００１７】また、このとき、コイン電池４のマイナス
端子面４ｂは、図５に示される板バネ状のマイナス端子
接点２２に当接して、コイン電池４のマイナス端子面４
ｂとマイナス端子接点２２との電気的接触が行われる。
このマイナス端子接点２２はプリントボード２１のアー
スラインの適所に接続されている。

【００１８】以上、この発明の実施の形態について説明
したが、プラス端子接点１３の形状、大きさ等は設計事
項である。例えば、板バネの代わりにコイルバネを使用
することもできる。また、この実施の形態では、コイン
電池４のプラス極への接続構造に対してこの発明の適用
例を示したが、マイナス極への接続構造に対してこの発
明を適用することもできる。さらに、この実施の形態で
は、小型携帯電鈴用受信機への適用例を示したが、この
発明は、プリントボードを用いるような、種々のカード
型電子製品に広く適用することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、この発
明に係るコイン電池の端子接点構造は、ハンダ付けを不
要として製造効率を向上させることができると共に、パ
ネルの変形に基づく接触不良の発生をも防止することが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】小型携帯電鈴用受信機のフロントケース裏面を
主に示す正面図である。

【図２】ケース内にコイン電池を収納した状態を示す図
である。

【図３】フロントケースへのリアパネルの取り付けを示
す斜視図である。

【図４】プラス端子接点部を示す斜視図である。

【図５】リアパネル裏面（内側）のプリントボードを示
す正面図である。

【図６】プラス端子接点を示す斜視図である。

【図７】従来のコイン電池の端子接点構造を示す斜視図
である。

【符号の説明】

４ コイン電池 １０ フロントケース １３ プラス端子接点 １３ａ 電池側接点部 １３ｃ ライン側接点部 １４ａ〜１４ｇ ボス １６ａ〜１６ｇ ネジ ２０ リアパネル ２１ プリントボード

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントケースとリアケースにより構成
   されるケース内に設けられたコイン電池より、上記いず
   れかのケース裏面に付設されたプリントボードに電力を
   供給するようにしたカード型電子製品におけるコイン電
   池の端子接点構造において、 上記コイン電池の端子接点をバネで構成して、上記プリ
   ントボードに弾圧接触させることにより、上記コイン電
   池と上記プリントボードとの電気的接触を行うようにす
   ると共に、上記バネの上記プリントボードへの接触点近
   傍に、上記フロントケースと上記リアケースの固着部を
   設けるようにしたことを特徴とするコイン電池の端子接
   点構造。