JPH11224089A - メロディ生成装置と記録媒体 - Google Patents

メロディ生成装置と記録媒体

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JPH11224089A
JPH11224089A JP10041080A JP4108098A JPH11224089A JP H11224089 A JPH11224089 A JP H11224089A JP 10041080 A JP10041080 A JP 10041080A JP 4108098 A JP4108098 A JP 4108098A JP H11224089 A JPH11224089 A JP H11224089A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 元メロディとメロディ雰囲気が近似した新メ
ロディを生成可能とする。 【解決手段】 C,G…のような元コードを有する
(A)のような元メロディについて強拍音、アクセント
のある音、長い音等が重要音として定められる。元メロ
ディ音をコード構成音として含まないコードGが元メロ
ディ音を含むコードG7 に修正される。ユーザがF,A
…のような新コードを指定すると、AをG7に対応して
7 に修正してF,A7 …のような修正後新コード進行
が設定され、このコード進行に基づいて(B)のような
新メロディが生成される。新メロディを生成する際に
は、各重要音毎に修正後新コード進行の中で対応する新
コードの構成音のうちから元メロディと一致又は近似し
た音高変化状態が得られる音を選択すると共に各非重要
音毎に元メロディと一致又は近似した音高変化状態が得
られる音を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メロディ生成装
置及び記録媒体に関し、特に元メロディの音高変化状態
とユーザ指定のコード進行とに基づいて元メロディの構
成音に対応する新メロディの構成音を決定することによ
り元メロディとメロディ雰囲気が近似した新メロディを
生成可能としたものである。
【0002】
【従来の技術】従来、与えられた演奏データを、指定さ
れたコード進行に適合するように音高変換する技術が知
られている(例えば、特開平7−219534号公報参
照)。より具体的には、与えられた演奏データの各音高
を、その演奏データの元となったコード進行に基づいて
所定の基準コード(例えばCメジャー)に基づくように
逆変換し、この逆変換後の演奏データの各音高を、指定
されたコード進行に基づく音高となるように変換してい
る。前記逆変換は、与えられた演奏データの各音高を、
元となったコードのルートと前記基準コードのルートと
の差分だけ全体的にシフトした後、元となったコードの
タイプに応じて、前記基準のタイプ(メジャー)に適合
するように若干修正するようにしている。また、前記変
換は、前記基準のタイプ(メジャー)に基づくように逆
変換された各音高を、指定されたコードのタイプに適合
するように若干修正した後、指定されたコードのルート
と前記基準コードのルートとの差分だけ全体にシフトす
るようにしている。このような技術は、一般的にはベー
スパートやコードパート等の自動伴奏に用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の技術をメロディ
パートに応用すれば、あるコード進行に基づいて作成さ
れたメロディを他のコード進行に基づくメロディに変換
することができ、新たなメロディの生成が可能となる。
しかしながら、元となったコード進行における各コード
区間毎に、或いは指定されたコード進行における各コー
ド区間毎に、元となった、或いは指定されたコードのル
ートと基準コードのルートとの差分だけ全体的にシフト
されるため、コードが変わる位置の前後においてメロデ
ィの流れが分断されてしまい、生成されたメロディは、
最初の与えられたメロディの雰囲気を保持することがで
きないという問題点がある。
【0004】この発明の目的は、所望のメロディとメロ
ディ雰囲気が近似した新メロディを生成することができ
る新規なメロディ生成装置及び記録媒体を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1のメ
ロディ生成装置は、元メロディを表わす元メロディデー
タを供給する供給手段と、前記元メロディに関して所望
のコード進行を指定する指定手段と、前記元メロディを
構成する各音を重要音又は非重要音のいずれかに分類す
る分類手段であって、前記重要音としては所定の条件を
満たす複数音が予め定められているものと、前記供給手
段からの元メロディデータと前記指定手段で指定された
コード進行とに基づいて前記元メロディの構成音に対応
する新メロディの構成音を決定することにより新メロデ
ィを表わすメロディデータを生成する生成手段であっ
て、前記分類手段で重要音であると分類された各音につ
いては前記指定手段で指定されたコード進行の中で該音
に対応するコードの構成音のうちから前記元メロディと
一致又は近似した音高変化状態が得られる音を新メロデ
ィの構成音として選択し、前記分類手段で重要音でない
と分類された各非重要音については前記元メロディと一
致又は近似した音高変化状態が得られる音を新メロディ
の構成音として採用するものとを備えたものである。
【0006】第1のメロディ生成装置によれば、元メロ
ディを構成する各音は、重要音又は非重要音のいずれか
分類される。重要音としては、例えば強拍音、アクセン
トのある音、長い音等が予め定められている。重要音で
あると分類された各音については指定手段で指定された
コード進行の中で該音に対応するコードの構成音のうち
から元メロディと一致又は近似した音高変化状態が得ら
れる音が新メロディの構成音として生成手段により選択
される。また、重要音でないと分類された各非重要音に
ついては元メロディ音と一致又は近似した音高変化状態
が得られる音が新メロディの構成音として生成手段によ
り採用される。生成手段は、新メロディの構成音として
選択・採用した一連の音を表わすメロディデータを生成
する。このメロディデータは、元メロディの音高変化状
態とユーザ指定のコード進行とに基づいて元メロディの
構成音に対応する新メロディの構成音を決定したもので
あり、元メロディとメロディ雰囲気が近似したものとな
る。
【0007】この発明に係る第1のメロディ生成装置に
おいて、前記生成手段は、前記分類手段で重要音でない
と分類された各非重要音について前記元メロディと一致
した音高変化状態が得られる候補音が前記指定手段で指
定されたコード進行の中で該非重要音に対応するコード
の構成音と矛盾するか判定し、矛盾するとの判定に応じ
て該候補音と音高が近似した音を該コードの構成音のう
ちから新メロディの構成音として採用し、矛盾しないと
の判定に応じて該候補音と音高が一致又は近似した音を
音階音のうちから新メロディの構成音として採用するよ
うにしてもよい。このようにすると、コードの構成音と
矛盾する音が新メロディに含まれるのを防止することが
できる。
【0008】この発明に係る第1のメロディ生成装置に
あっては、前記生成手段で生成されるメロディデータが
表わす新メロディの中から音高差が所定値以上である連
続した2音を検出する検出手段と、この検出手段で検出
された連続した2音のうちの前音を、前記指定手段で指
定されたコード進行の中で該前音に対応するコードの構
成音のうち前記元メロディと一致又は近似した音高変化
状態が得られる音に修正する修正手段とを更に設けても
よい。このようにすると、所定値以上の音高差を例えば
短3度以上の音程とすることにより跳躍する元の音を対
応するコードの構成音のうち元メロディと一致又は近似
した音高変化状態が得られる音とすることができ、不自
然さを解消することができる。
【0009】この発明に係る第2のメロディ生成装置
は、元メロディを表わす元メロディデータと該元メロデ
ィに関してコード進行を表わす元コードデータとを供給
する供給手段と、この供給手段からの元コードデータが
表わす各元コード毎に前記元メロディの構成音のうちで
該元コードに対応するメロディ音の中に、該元コードの
構成音以外の音であってその音を該元コードに付加した
ときにテンション音として成立する音があるか判定する
判定手段と、この判定手段での判定の結果が肯定的にな
るのに応答して判定に係る元コードを、前記テンション
音として成立する音をコード構成音とするテンション度
数付きのコードに修正する第1の修正手段と、前記元メ
ロディに関して所望の新コード進行を指定する指定手段
と、この指定手段で指定された新コード進行のうち前記
第1の修正手段での修正に係るコードに対応する新コー
ドを該修正に係るコードと同じテンション度数を有する
コードとするように前記新コード進行を修正する第2の
修正手段と、前記元メロディを構成する各音を重要音又
は非重要音のいずれかに分類する分類手段であって、前
記重要音としては所定の条件を満たす複数音が予め定め
られているものと、前記供給手段からの元メロディデー
タと前記第2の修正手段で修正された新コード進行とに
基づいて前記元メロディの構成音に対応する新メロディ
の構成音を決定することにより新メロディを表わすメロ
ディデータを生成する生成手段であって、前記分類手段
で重要音であると分類された各音については前記第2の
修正手段で修正された新コード進行の中で該音に対応す
る新コードの構成音のうちから前記元メロディと一致又
は近似した音高変化状態が得られる音を新メロディの構
成音として選択し、前記分類手段で重要音でないと分類
された各非重要音については前記元メロディと一致又は
近似した音高変化状態が得られる音を新メロディの構成
音として採用するものとを備えたものである。
【0010】第2のメロディ生成装置によれば、判定手
段は、元コードデータが表わす各元コード毎に元メロデ
ィの構成音のうちで該元コードに対応するメロディ音の
中に、該元コードの構成音以外の音であってその音を元
コードに付加したときにテンション音として成立する音
があるか判定する。この判定の結果が肯定的になると、
第1の修正手段が判定に係る元コードを、前記テンショ
ン音として成立する音をコード構成音とするテンション
度数付きのコードに修正する。第2の修正手段は、指定
手段で指定された新コード進行のうち第1の修正手段で
の修正に係るコードに対応する新コードを該修正に係る
コードと同じテンション度数を有するコードに修正す
る。そして、第2の修正手段で修正された新コード進行
を用いて第1のメロディ生成装置と同様にメロディ生成
動作が行なわれる。従って、第1のメロディ生成装置と
同様に元メロディとメロディ雰囲気が近似したメロディ
データを得ることができ、しかも第2の修正手段で修正
された新コード進行を用いたことにより元メロディにお
けるテンションの響きを新メロディに引き継ぐことがで
きる。
【0011】この発明を実施する際には、供給手段、指
定手段、判定手段、生成手段等にそれぞれ相当する処理
ステップを含むプログラムを記録した記録媒体を用いて
もよい。すなわち、記録媒体のプログラムを読取って各
処理ステップを実行するコンピュータによりメロディ生
成装置の機能を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態に係るメロ
ディ生成方法は、元コードが設定されている元メロディ
を、そのメロディ雰囲気を保ちつつユーザ指定の新コー
ド進行に相応しい新メロディに変換するものである。こ
こで、元メロディのメロディ雰囲気を保つということ
は、(1)元メロディとメロディラインが似ているこ
と、(2)メロディとコードとの融合感が変わらないこ
とという2つの要素を含んでいる。
【0013】元メロディと近似したメロディラインを得
るための処理としては、(1)メロディ音高の増減ライ
ンが同一で、新たな凹凸が生じないようにすること、
(2)新メロディの各音は、対応する元メロディの各音
になるべく近い音にすること、(3)音域の広がりは、
元メロディとあまり相違しないようにすることなどが要
求される。
【0014】また、メロディとコードとの融合感を維持
することは、メロディをコードの構成音とすることによ
って実現される。しかし、メロディのすべての音をコー
ド構成音にすると、音が跳躍し、なめらかなメロディが
できない。そこで、メロディ中の特定の重要音(例えば
強拍音、アクセントのある音、長い音など)をコード構
成音にする(一般に「ボイシング」と呼ばれている)。
隣り合う重要音の間の音についてはボイシングを意識し
ない。このようにメロディの重要音をコード構成音とす
ることによってコードとの融合をとっている。
【0015】ここでいうコードとは、必ずしも記述され
ているコードネームに一致しない。例えば図1(a),
(b)に示すように音名Aの元メロディ音に関して記述
されているコードネームがCM (Cメジャー)である場
合は多々あるが、この場合には正確にコードネームを記
述するとテンションを含むC6 である。ここではこのコ
ードで扱い、「修正後元コード」と呼ぶ。図1(c)に
は、修正後元コードC6 を示す。こうすることによって
元メロディ音Aは、コードC6 の構成音となる。
【0016】ユーザが図1(d)に示すように新コード
Fを指定すると、この新コードを修正前元コードC6
同じテンション度数を有するコードF6 に修正する。こ
のコードF6 を「修正後新コード」と呼び、図1(e)
に示す。そして、修正後新コードF6 の構成音のうちの
1音を図1(f)に示すように新メロディ音とする。こ
のようにすると、元メロディにおけるテンションの響き
を新メロディに引き継ぐことができる。
【0017】なお、ユーザ指定の新コードが修正後元コ
ードと矛盾する場合には、ユーザ指定の新コードを優先
する。例えば図1(d)に示すように新コードとしてC
M7を指定したときは、CM7が修正後元コードC6 と矛盾
する(共存できない)ので、図1(e)に示すように新
コードCM7を優先して修正後新コードとし、図1(f)
に示すように新メロディ音をCM7の構成音のうちの1音
とする。
【0018】次に、メロディの生成過程を説明する。こ
の生成過程は、重要音処理と、非重要音処理と、生成音
修正処理との3ステップを含んでいる。
【0019】重要音処理では、元メロディの重要音を修
正後新コードの構成音に変換する。修正後新コードの構
成音としては、複数の音が存在するので、次のルールに
従って選択する。
【0020】(1)新メロディにおける重要音とその直
前の重要音との音高差は、対応する元メロディの重要音
間の音高差と同一とする。この条件を満たす音が修正後
新コードの構成音の中に存在しないときは、修正後新コ
ードの構成音のうち該条件を満たす音に近い音を採用す
る。近い音が同一距離で複数存在するときは、所定の片
方(例えば上方)を採用する。
【0021】(2)新メロディにおける曲先頭又はフレ
ーズ先頭の音は、元メロディと音高同一とする。この条
件を満たす音が修正後新コードの構成音の中に存在しな
いときは、修正後新コードの構成音のうち該条件を満た
す音に近い音を採用する。近い音が同一距離で複数存在
するときは、所定の片方(例えば上方)を採用する。
【0022】非重要音処理では、重要音処理で生成した
新メロディにおける隣り合う重要音間の非重要音を次の
ルールに従って生成する。
【0023】(1)新メロディにおける非重要音とその
直前の音との音高差は、対応する元メロディの音間の音
高差と同一とする。この条件を満たす音が修正後新コー
ドの構成音と矛盾するときは、該コードの構成音のうち
該条件を満たす音に近い音を採用する。近い音が同一距
離で複数存在するときは、所定の片方(例えば上方)を
採用する。非重要音に関する上記条件を満たす音が修正
後新コードの構成音と矛盾しないときは、該条件を満た
す音が音階音(Available Note Scale の構成音)であれ
ばそのまま採用し、音階音でなければ音階音のうち該条
件を満たす音に近い音を採用する。近い音が複数存在す
るときは、所定の片方(例えば上方)を採用する。
【0024】(2)曲又はフレーズの重要音出現前の音
(最初の重要音より前の音)については、元メロディと
音高同一とする。この条件を満たす音が修正前の新コー
ドの構成音と矛盾するときは、該コードの構成音のうち
該条件を満たす音に近い音を採用する。近い音が同一距
離で複数存在するときは、所定の片方(例えば上方)を
採用する。
【0025】生成音修正処理では、重要音処理及び非重
要音処理で生成された新メロディについて不自然な音が
ないかチェックし、あれば修正する。一例として、音が
跳躍する(連続した2音間の音程が短3度以上ある)場
合、跳躍元音(連続した2音のうちの前音)は、修正後
新コードの構成音でないと不自然なので、修正後新コー
ドの構成音のうち元メロディと一致又は近似した音高変
化状態が得られる音を採用する。
【0026】上記したメロディ生成過程を図2の楽譜に
関して説明する。図2において、(A)は元メロディ、
(B)は新コードによる新メロディ、(C)は新メロデ
ィ生成過程の音をそれぞれ示す。図2(A),(B)に
おいて、重要音には丸印を付してあり、図2(A)〜
(C)において、各メロディ音符には番号を付してあ
る。
【0027】まず、元コードを元メロディを参照しなが
らテンションを加えた修正後元コードに修正する。図2
(A)の例においてこの場合が生ずるのは、第2小節第
1拍の重要音Fで、これを元コードのテンション(7度
の音)として含め、修正後元コードをG7 とする。他の
元コードは、対応する元メロディ音を含んでいるので、
修正前元コードをそのまま修正後元コードとする。
【0028】次に、図2(B)の新メロディについて説
明する。ここでは、曲先頭の音を重要音とする。また、
ユーザ指定の新コード進行F,A,Dm,Emのうちの
新コードAを修正後元コードG7 と同じテンション度数
を有するコードA7 に修正し、修正後新コード進行F,
7 ,Dm,Emを設定する。
【0029】曲先頭の音は、元メロディ音がGであり、
これを修正後新コードFの構成音に変換する。この場
合、Gは、コードFの構成音ではないので、コードFの
構成音のうちGに近い音を探すと、図2(C)に番号2
7の音符で示すようにAかFである。この両者は、Gか
ら同一距離にあるため、曲先頭に関して定めた条件に基
づいて一方の音を採用する。ここでは、上方を条件とし
てAを採用し、番号14の音とする。
【0030】次の重要音は、番号16の音である。元メ
ロディにおいて番号1の音(G)に対する番号3の音
(E)の音高差は短3度下であり、これを新メロディに
当てはめると、番号14の音(A)の短3度下の音は、
図2(C)に番号28の音符で示すようにF#になる。
これは、修正後新コードFの構成音ではないので、近い
コード構成音である長3度下のFを採用し、番号16の
音とする。
【0031】次の重要音は、番号17の音である。元メ
ロディにおいて番号3の音(E)に対する番号4の音
(F)の音高差は短2度上であり、これを新メロディに
当てはめると、番号16の音(F)の短2度上の音は、
図2(C)に番号29の音符で示すようにF#となる。
これは、修正後新コードA7 の構成音ではないので、F
#に近く且つA7 の構成音であるGを採用し、番号17
の音とする。
【0032】この後、番号19,20の重要音について
も上記したと同様に元メロディ音を対応する修正後新コ
ードの構成音に変換するが、その説明を省略し、番号2
4の重要音について説明する。元メロディにおいて番号
7の音(C)に対する番号11の音(G)の音高差は、
完全5度上であるから、新メロディにおいても図2
(C)に番号31の音符で示すように番号20の音
(D)から完全5度上の音であるAにしたいが、Aは、
修正後新コードEmの構成音ではない。そこで、Aに近
いコード構成音としてGかBが候補となる。ここでは、
所定の条件として上方をとることとし、Bを採用し、番
号24の音とする。所定の条件としては、間に入る音符
の数が多くなることを想定して音高差が大きくなる方を
採用するというものでもよい。
【0033】次に、重要音の間を埋める音の生成につい
て説明する。番号15の音については、元メロディにお
いて番号1の音(G)に対する番号2の音(E)の音高
差が短3度下であるから、番号14の音(A)から短3
度下の音を求めると、図2(C)に番号28の音符で示
すようにF#となる。これは、修正後新コードFの構成
音Fと矛盾するので、近いコード構成音であるFを採用
し、番号15の音とする。
【0034】次に、番号18の音については、元メロデ
ィにおいて番号4の音(F)に対する番号5の音(D)
の音高差が短3度下であるから、番号17の音(G)か
ら短3度下の音を求めると、Eとなる。これは、修正後
新コードA7 の構成音と矛盾しない音階音(ここでは、
ハ長調の音階の構成音)であるので、番号18の音とし
て採用する。
【0035】番号21の音については、元メロディにお
いて番号7の音(C)に対する番号8の音(D)の音高
差が長2度上であるから、番号20の音(D)から長2
度上の音を求めると、Eとなる。これは、修正後新コー
ドDmの構成音と矛盾しない音階音であるので、番号2
1の音として採用する。
【0036】番号22の音については、元メロディにお
いて番号8の音(D)に対する番号9の音(E)の音高
差が長2度上であるので、番号21の音(E)の長2度
上の音を求めると、F#となる。これは、修正後新コー
ドDmの構成音Fと矛盾するので、近い(短2度上の)
コード構成音であるFを採用し、番号22の音とする。
【0037】番号23の音については、元メロディにお
いて番号9の音(E)に対する番号10の音(F)の音
高差が短2度上であるので、番号22の音(F)の短2
度上の音を求めると、F#となる。これは、修正後新コ
ードDmの構成音Fと矛盾するので、近いコード構成音
を求めると、Aとなり、これを番号23の音とする。
【0038】図2(B)に示すような新メロディが生成
された後、新メロディには生成音修正処理を施す。一例
として、跳躍する元の音はコード音というルールに従っ
て修正を行なう。仮に、番号23の音が図2(C)に番
号30の音符で示すようにGの音であったとすると、こ
のGの音が番号24の重要音に跳躍する。Gの音は、修
正後新コードDmの構成音ではない。そこで、GをDm
の構成音であるAに修正し、番号23の音とする。Gを
Fに修正することも考えられるが、Fにすると、元メロ
ディと近似した音高変化状態が得られない。
【0039】なお、図2の例では、曲先頭音が重要音で
あったが、非重要音の場合には、重要音が出現するまで
の新メロディ音としては、修正前新コードの構成音と矛
盾しない限り元メロディ音をそのまま採用する。そし
て、元メロディ音が修正前新コードと矛盾するときは、
修正前新コードの構成音のうち元メロディ音に近い音
(複数ならば所定の1つ)を採用する。
【0040】図3は、上記したメロディ生成方法を実施
するメロディ生成装置を備えた電子楽器の回路構成を示
すものである。この電子楽器は、パーソナルコンピュー
タ等の小型コンピュータによってメロディ生成、楽音発
生等が制御されるようになっている。
【0041】バス10には、CPU(中央処理装置)1
2、ROM(リード・オンリィ・メモリ)14、RAM
(ランダム・アクセス・メモリ)16、検出回路18,
20、表示回路22、音源回路24、効果回路26、外
部記憶装置28、MIDI(Musical Instrument Digita
l Interface)インターフェース30、通信インターフェ
ース32、タイマ34等が接続されている。
【0042】CPU12は、ROM14にストアされた
プログラムに従ってメロディ生成のための各種処理を実
行するもので、これらの処理については図5〜9を参照
して後述する。
【0043】RAM16は、CPU12による各種処理
に際して使用される種々の記憶部を含むもので、主な記
憶部としては、元メロディデータ記憶部16A、元コー
ドデータ記憶部16B、新コードデータ記憶部16C、
新メロディデータ記憶部16D等を含んでいる。
【0044】検出回路18は、鍵盤36から鍵操作情報
を検出するものである。検出回路20は、スイッチ群3
8から各種スイッチの操作情報を検出するものである。
スイッチ群38は、一例として文字入力及び数値入力が
可能なキーボードからなる。
【0045】表示回路22は、表示器39の表示動作を
制御することにより各種の表示を可能にするものであ
る。
【0046】音源回路24は、複数の楽音発生チャンネ
ルを有するものである。楽音発生方式としては、波形メ
モリ方式、FM方式、物理モデル方式、高調波合成方
式、フォルマント合成方式、VCO,VCF,VCA等
を用いるアナログシンセサイザ方式等の任意のものを採
用することができる。また、音源回路24としては、専
用のハードウェアを用いるものに限らず、DSP(ディ
ジタル・シグナル・プロセッサ)とマイクロプログラム
を組合せたもの、CPUとソフトウェアを組合せたもの
であってもよい。さらに、複数の楽音発生チャンネル
は、対応する複数の回路で構成してもよく、あるいは1
つの回路を時分割的に使用することによって形成しても
よい。
【0047】効果回路26は、音源回路24から発生さ
れる楽音信号にコーラス、リバーブ等の効果を付加する
ものである。効果回路26から送出される楽音信号は、
サウンドシステム40に供給され、音響に変換される。
【0048】外部記憶装置28は、HD(ハードディス
ク)、FD(フロッピーディスク)、CD(コンパクト
ディスク)、DVD(ディジタル多目的ディスク)、M
O(光磁気ディスク)等のうち1又は複数種類の記録媒
体を着脱可能なものである。外部記憶装置28に所望の
記録媒体を装着した状態では、記録媒体からRAM16
へデータを転送可能である。また、装着した記録媒体が
HDやFDのように書込可能なものであれば、RAM1
6のデータを記録媒体に転送可能である。
【0049】外部記憶装置28に装着する記録媒体に
は、多数の楽曲データがデータベースとして記録されて
いる。各楽曲データは、元メロディを表わす元メロディ
データと該元メロディに関してコード進行を表わす元コ
ードデータとを含んでいる。
【0050】楽曲データのデータベースとしては、外部
記憶装置28の代りにRAM16を用いてもよい。ま
た、プログラム記録手段としては、ROM14の代りに
外部記憶装置28の記録媒体(前述のHD,FD,C
D,DVD,MO等)を用いることができる。この場
合、記録媒体に記録したプログラムは、外部記憶装置2
8からRAM16へ転送する。そして、RAM16に記
憶したプログラムに従ってCPU12を動作させる。こ
のようにすると、プログラムの追加やバージョンアップ
等を容易に行なうことができる。
【0051】MIDIインターフェース30は、自動演
奏装置等の他のMIDI機器42との間で演奏情報等の
送受信を行なうために設けられたものである。
【0052】通信インターフェース32は、通信ネット
ワーク(例えばLAN(ローカル・エリア・ネットワー
ク)、インターネット、電話回線等)を介してサーバコ
ンピュータ46と情報通信を行なうために設けられたも
のである。この発明の実施に必要なプログラムや各種デ
ータは、サーバコンピュータ46から通信ネットワーク
44及び通信インターフェース32を介してRAM16
又は外部記憶装置28へダウンロード要求に応じて取込
むようにしてもよい。
【0053】タイマ34は、与えられるテンポデータに
対応する周期でテンポクロック信号TCLを発生するも
ので、テンポクロック信号TCLは、割込命令としてC
PU12に供給される。CPU12は、テンポクロック
信号TCLの各クロックパルス毎に割込処理を開始す
る。このような割込処理を利用することにより記憶部1
6A,16B又は記憶部16C,16Dの記憶データに
基づいて自動演奏を行なうことができる。
【0054】上記した電子楽器において、CPU12
は、鍵盤36で鍵が押されるたびに、押された鍵に対応
する音高情報と発音命令信号とを音源回路24に供給す
る。音源回路24は、音高情報及び発音命令信号に応じ
て、押された鍵に対応する音高を有する楽音信号を発生
する。このようにしてマニュアル演奏音の発生が可能と
なる。
【0055】図4は、データベースに楽曲データを登録
する第1の例を示すものである。データベース50は、
前述したように外部記憶装置28(又はRAM16)に
より構成される。元メロディデータ入力手段52として
は、鍵盤36又はスイッチ群38が用いられ、重要音マ
ークデータ入力手段54としては、スイッチ群38が用
いられる。元コードデータ入力手段としては、鍵盤36
又はスイッチ群38が用いられるが、破線で示すように
元メロディデータを入力とするコード付与装置(例えば
ROM14のプログラムに従ってCPU12でメロディ
を分析し、コードを付与するもの)を用いてもよい。
【0056】ユーザは、楽曲データ入力モードを選択し
た後、入力手段52を用いて所望の元メロディデータを
入力する。入力された元メロディデータは、記憶部16
Aに記憶されると共に図2(A)に示すように表示器3
9の画面に楽譜形式で表示される。ユーザは、表示器3
9の画面を見ながら入力手段54により画面上で元メロ
ディに関して重要音を指示する。重要音として指示され
た各音符については、該音符に対応するメロディデータ
の一部として記憶部16Aに重要音マークデータが記憶
されると共に図2(A)に示すように表示器39の画面
に重要音マークが表示される。ユーザは、重要音マーク
データを入力する前又はした後に入力手段56により表
示に係る元メロディに関して順次に元コードを指定する
ことにより順次の元コードからなるコード進行を表わす
元コードデータを入力する。入力された元コードデータ
は、記憶部16Bに記憶されると共に図2(A)に示す
ように元メロディに関して表示器39の画面に表示され
る。
【0057】ユーザは、表示器39の画面上で元メロデ
ィ、重要音、元コード等を確認した後、スイッチ群38
中の登録スイッチを押して登録指令を与える。この登録
指令に応じて記憶部16Aの元メロディデータ(重要音
マークデータを含む)と記憶部16Bの元コードデータ
とがデータベース50に転送される。
【0058】ユーザは、上記のような処理により所望の
複数の曲について楽曲データをデータベース50に登録
することができる。なお、このような登録処理を行なわ
ず、登録処理済みの記録媒体を外部記憶装置28に装着
するようにしてもよい。
【0059】ユーザがメロディ生成モードを選択する
と、図5,6に示すようなメロディ生成処理が開始され
る。
【0060】ステップ60では、データベース50から
元メロディデータ(重要音マークデータを含む)と元コ
ードデータとを読出し、それぞれ記憶部16Aと記憶部
16Bとにロードする。そして、ステップ61では、記
憶部16Bの元コードデータのうち最初の元コードを見
る。
【0061】次に、ステップ62では、ステップ61で
見た元コードに対応する元メロディ音の中に、元コード
の構成音以外の音であってその音を元コードに付加した
ときにテンション音として成立する音が含まれているか
判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステ
ップ63に移り、元コードを、前記テンション音として
成立する元メロディ音をコード構成音とするテンション
度数付きのコードに変更して修正後元コードとする。ま
た、ステップ62の判定結果が否定的(N)であればス
テップ64に移り、元コードをそのまま修正後元コード
とする。
【0062】ステップ63又は64の処理が終ったとき
は、ステップ65に移り、鍵盤36又はスイッチ群38
により元コードに対応する新コードを指定する。そし
て、ステップ66では、指定に係る新コードが修正後元
コードと矛盾するか判定する。この判定の結果が否定的
(N)であればステップ67に移り、修正後元コードが
テンション度数付きか判定する。この判定の結果が肯定
的(Y)であればステップ68に移り、新コードを、修
正後元コードと同じテンション度数を有するコードに変
更して修正後新コードとする。
【0063】ステップ66の判定結果が肯定的(Y)で
あったときは、ステップ69で新コードをそのまま修正
後新コードとする。この結果、修正後元コードと矛盾す
る新コードが優先的に修正後新コードとされる。また、
ステップ67の判定結果が否定的(N)であったとき
は、ステップ68の処理が必要ないので、ステップ69
に移り、新コードを修正後新コードとする。
【0064】ステップ68又は69の処理が終ったとき
は、ステップ70に移り、元コードが終了か判定する。
最初の元コードについて上記処理を行なったときは、ス
テップ70の判定結果が否定的(N)となり、ステップ
61に戻る。ステップ61では、次の元コードを見る。
そして、ステップ62以降の処理を上記したと同様に実
行する。
【0065】記憶部16Bの元コードデータにおける最
後の元コードに関してステップ61〜69の処理が終る
と、ステップ70の判定結果が肯定的(Y)となり、図
6のステップ72に移る。
【0066】上記した処理によれば、例えば図2(A)
の番号4の音に関してステップ62,63により元コー
ドGがG7 に変更されて修正後元コードとなる。また、
図1(d)に示したように修正後元コードC6 と矛盾す
る新コードCM7は、ステップ66,69によりそのまま
修正後新コードとなる。さらに、図2(B)の新コード
Aは、ステップ67,68により修正後元コードG7
対応してA7 に変更されて修正後新コードとなる。記憶
部16Bの元コードデータは、修正後元コードデータに
変更され、記憶部16Cの新コードデータは、修正後新
コードデータに変更される。
【0067】ステップ72では、記憶部16Aの元メロ
ディデータのうち最初の元メロディ音を見る。そして、
ステップ74では、ステップ72で見た元メロディ音に
関して重要音か(重要音マークデータありか)判定す
る。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ7
6に移り、図7に関して後述するように重要音処理のサ
ブルーチンを実行する。
【0068】ステップ74の判定結果が否定的(N)で
あったとき又はステップ76の処理が終ったときは、ス
テップ78に移り、元メロディが終了か判定する。最初
の元メロディ音について上記処理を行なったときは、ス
テップ78の判定結果が否定的(N)となり、ステップ
72に戻る。ステップ72では、次の元メロディ音を見
る。そして、ステップ74,76の処理を上記したと同
様に実行する。
【0069】記憶部16Aの元メロディデータにおける
最後の元メロディ音に関してステップ74,76の処理
が終ると、ステップ78の判定結果が肯定的(Y)とな
り、ステップ80に移る。
【0070】ステップ80では、記憶部16Aの元メロ
ディデータの先頭に読出アドレスを戻す。そして、ステ
ップ82で最初の元メロディ音を見る。
【0071】次に、ステップ84では、ステップ82で
見た元メロディ音が非重要音か(重要音マークデータな
しか)判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれ
ばステップ86に移り、図8について後述するように非
重要音処理を実行する。
【0072】ステップ84の判定結果が否定的(N)で
あったとき又はステップ86の処理が終ったときは、ス
テップ88に移り、元メロディが終了か判定する。最初
の元メロディ音について上記処理を行なったときは、ス
テップ88の判定結果が否定的(N)となり、ステップ
82に戻る。ステップ82では、次の元メロディ音を見
る。そして、ステップ84,86の処理を上記したと同
様に実行する。
【0073】記憶部16Aの元メロディデータにおける
最後の元メロディ音に関してステップ84,86の処理
が終ると、ステップ88の判定結果が肯定的(Y)とな
り、処理エンドとする。
【0074】図7は、重要音処理のサブルーチンを示す
もので、ステップ90では、ステップ74で重要音と判
定された元メロディ音が曲又はフレーズで初めての重要
音か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば
ステップ92に移る。
【0075】ステップ92では、ステップ90で初めて
の重要音と判定された元メロディ音が修正後新コードの
構成音か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であ
ればステップ94に移り、判定に係る元メロディ音を新
メロディ音として採用する。
【0076】ステップ92の判定結果が否定的(N)で
あったときは、ステップ96に移り、修正後新コードの
構成音のうちにステップ92での判定に係る元メロディ
音に近いコード構成音が同一距離で複数あるか判定す
る。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ9
8に移り、複数音のうちの所定の音(例えば上方の音)
を新メロディ音として採用する。
【0077】ステップ96の判定結果が否定的(N)で
あったときは、ステップ100に移り、修正後新コード
の構成音のうちステップ92での判定に係る元メロディ
音に最も近いコード構成音を新メロディ音として採用す
る。ステップ94、98又は100の処理が終ったとき
は、図6のルーチンにリターンする。
【0078】ステップ90の判定結果が否定的(N)で
あったときは、ステップ102に移る。ステップ102
では、新メロディの候補音が修正後新コードの構成音か
判定する。新メロディの候補音は、該候補音の直前の新
メロディの重要音の音高に対して対応する元メロディ音
(ステップ90での判定に係る元メロディ音)とこの元
メロディ音の直前の元メロディ重要音との音高差を加算
することにより音高が決定される音である。ステップ1
02の判定結果が肯定的(Y)であればステップ104
に移り、ステップ102での判定に係る候補音を新メロ
ディ音として採用する。
【0079】ステップ102の判定結果が否定的(N)
であったときは、ステップ106に移り、修正後新コー
ドの構成音のうちにステップ102での判定に係る候補
音に近いコード構成音が同一距離で複数あるか判定す
る。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ1
08に移り、複数音のうちの所定の音(例えば上方の
音)を新メロディとして採用する。
【0080】ステップ106の判定結果が否定的(N)
であったときは、ステップ110に移り、修正後新コー
ドの構成音のうちステップ102での判定に係る候補音
に最も近いコード構成音を新メロディ音として採用す
る。ステップ104、108又は110の処理が終った
ときは、図6のルーチンにリターンする。
【0081】図7の処理によれば、例えば図2(B)の
番号14の音Aは、ステップ92,96,98により決
定される。すなわち、元メロディ音(番号1の音)G
は、修正後新コードFの構成音ではないので、ステップ
92からステップ96に移り、近いコード構成音が同一
距離で複数あるか調べると、あることが判明し、ステッ
プ98で複数音A,Fのうち上方の音であるAを採用す
る。
【0082】また、図2(B)の番号16の音Fは、ス
テップ102,106,110により決定される。即
ち、新メロディの候補音は、番号14の音Aから短3度
下の音F#であり、修正後新コードFの構成音ではない
ので、ステップ102からステップ106に移る。ステ
ップ106で近いコード構成音が同一距離で複数あるか
調べると、ないことが判明し、ステップ110で最も近
いコード構成音であるFを採用する。
【0083】さらに、図2(B)の番号24の音Bは、
ステップ102,106,108により決定される。す
なわち、新メロディの候補音は、番号20の音Dから完
全5度上の音Aであり、修正後新コードEmの構成音で
はないので、ステップ102からステップ106に移
る。ステップ106で近いコード構成音が同一距離で複
数あるか調べると、あることが判明し、ステップ108
で複数音G,Bのうち上方の音であるBを採用する。
【0084】図8は、非重要音処理のサブルーチンを示
すもので、ステップ120では、ステップ84で非重要
音と判定された元メロディ音が曲又はフレーズで重要音
出現前の音か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)
であればステップ122に移る。
【0085】ステップ122では、ステップ120で重
要音出現前の音と判定された元メロディ音が修正前の新
コードの構成音と矛盾するか判定する。この判定の結果
が否定的(N)であればステップ124に移り、元メロ
ディ音を新メロディ音として採用する。
【0086】ステップ122の判定結果が肯定的(Y)
であったときは、ステップ126に移り、修正前の新コ
ードの構成音のうちの1音を新メロディ音として採用す
る。この場合、図7のステップ96〜100と類似した
処理を行なう。すなわち、修正前の新コードの構成音の
うちにステップ122での判定に係る元メロディ音に近
いコード構成音が同一距離で複数あるか調べ、あれば複
数音のうちの所定の音(例えば上方の音)を採用し、な
ければ修正前の新コードの構成音のうちステップ122
での判定に係る元メロディ音に最も近いコード構成音を
採用する。ステップ124又は126の処理が終ったと
きは、図6のルーチンにリターンする。
【0087】ステップ120の判定結果が否定的(N)
であったときは、ステップ128に移る。ステップ12
8では、新メロディの候補音が修正後新コードの構成音
と矛盾するか判定する。新メロディの候補音は、該候補
音の直前の新メロディ音の音高に対して対応する元メロ
ディ音とこの元メロディ音の直前の元メロディ音との音
高差を加算することにより音高が決定される音である。
【0088】ステップ128の判定結果が肯定的(Y)
であればステップ130に移り、修正後新コードの構成
音のうちの1音を新メロディ音として採用する。この場
合、図7のステップ106〜110と類似した処理を行
なう。すなわち、修正後新コードの構成音のうちにステ
ップ128での判定に係る候補音に近いコード構成音が
同一距離で複数あるか調べ、あれば複数音のうちの所定
の音(例えば上方の音)を採用し、なければ修正後新コ
ードの構成音のうちステップ128での判定に係る候補
音に最も近いコード構成音を採用する。
【0089】ステップ128の判定結果が否定的(N)
であったときは、ステップ132に移り、ステップ12
8での判定に係る候補音が修正後新コードで成立する音
階の音階音か判定する。なお、音階を決める際には調の
情報が必要となるが、このときの調は、ユーザが指定す
るようにしてもよいし、修正後新コードを解析して自動
的に指定するようにしてもよい。この判定の結果が肯定
的(Y)であればステップ134に移り、ステップ12
8での判定に係る候補音を新メロディ音として採用す
る。
【0090】ステップ132での判定結果が否定的
(N)であったときは、ステップ136に移り、音階音
のうちステップ128での判定に係る候補音に近い1音
を新メロディ音として採用する。この場合、図7のステ
ップ106〜110に類似した処理を行なう。すなわ
ち、音階音のうちにステップ128での判定に係る候補
音に近い音が同一距離で複数あるか調べ、あれば複数音
のうちの所定の音(例えば上方の音)を採用し、なけれ
ば音階音のうちステップ128での判定に係る候補音に
最も近い音を採用する。ステップ130,134又は1
36の処理が終ったときは、図6のルーチンにリターン
する。
【0091】図8の処理によれば、例えば図2(B)の
番号15の音Fは、ステップ128,130により決定
される。すなわち、新メロディの候補音は、番号14の
音Aから短3度下のF#であり、修正後新コードFの構
成音と矛盾するので、ステップ128からステップ13
0に移り、修正後新コードFの構成音のうちF#に最も
近いFを採用する。
【0092】また、図2(B)の番号18の音は、ステ
ップ128,132,134により決定される。すなわ
ち、新メロディの候補音は、番号17の音Gから短3度
下のEであり、修正後新コードA7 の構成音と矛盾しな
い音階音であるので、ステップ128からステップ13
2を経てステップ134に移り、Eを新メロディ音とし
て採用する。
【0093】上記のようなメロディ生成処理により生成
された新メロディ音を表わす新メロディデータは、記憶
部16Dに記憶される。メロディ生成処理の終了後、ユ
ーザが生成音修正モードを選択すると、図9の生成音修
正処理が開始される。図9のルーチンは、図6のステッ
プ88に続けて行なうようにしてもよい。
【0094】ステップ140では、記憶部16Dの新メ
ロディデータのうち曲先頭から連続した2音について前
音に対する後音の音程(音高差)を求める。そして、ス
テップ142では、前音に対する後音の音程が短3度以
上か(音の跳躍か)判定する。この判定の結果が肯定的
(Y)であればステップ144に移り、前音が修正後新
コードの構成音か判定する。
【0095】ステップ144の判定結果が否定的(N)
であったときは、ステップ146に移り、前音を修正後
新コードの構成音に修正する。この場合、修正後新コー
ドの構成音のうち前音に近いコード構成音であって元メ
ロディと一致又は近似した音高変化状態が得られる音を
新メロディ音(修正後の前音)として採用する。
【0096】ステップ142の判定結果が否定的(N)
であったとき、ステップ144の判定結果が肯定的
(Y)であったとき又はステップ146の処理が終った
ときは、ステップ148に移り、新メロディが終了か判
定する。曲先頭から連続した2音について上記処理を行
なったときは、ステップ148の判定結果が否定的
(N)となり、ステップ140に戻る。ステップ140
では、次の連続した2音について前音に対する後音の音
程を求める。そして、ステップ142〜146の処理を
上記したと同様に実行する。
【0097】記憶部16Dの新メロディデータにおける
最後の連続した2音についてステップ140〜146の
処理が終ると、ステップ148の判定結果が肯定的
(Y)となり、処理エンドとする。
【0098】図9の処理によれば、例えば図2(C)の
番号30の音Gと図2(B)の番号24の音Bとがステ
ップ140でいう順次の2音であったとすると、ステッ
プ140では、音程として長3度上が求められる。そし
て、ステップ142では、音程が短3度以上であるの
で、判定結果が肯定的(Y)となり、ステップ144に
移る。
【0099】ステップ144では、番号30の音Gが修
正後新コードDmの構成音ではないので、判定結果が否
定的(N)となり、ステップ146に移る。ステップ1
46では、番号30の音Gを、近いコード構成音であっ
て元メロディと近似した音高変化状態が得られる音Aに
修正する。
【0100】図10は、データベースに楽曲データを登
録する第2の例を示すものであり、図4と同様の部分に
は同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0101】ユーザは、入力手段52を用いて所望の元
メロディデータを入力する。入力された元メロディデー
タは、記憶部16Aに記憶されると共に図2(A)に示
すように表示器39の画面に楽譜形式で表示される。ユ
ーザは、入力手段54により表示に係る元メロディに関
して順次に元コードを指定することにより順次の元コー
ドからなるコード進行を表わす元コードデータを入力す
る。入力された元コードデータは、記憶部16Bに記憶
されると共に図2(A)に示すように元メロディに関し
て表示器39の画面に表示される。入力手段56として
は、図4に関して前述したようにコード付与装置を用
い、自動的に元コードデータの入力を行なうようにして
もよい。
【0102】重要音検出手段58は、記憶部16Aの元
メロディデータに基づいて重要音を検出し、重要音マー
クデータを記憶部16Aに書込むもので、一例として図
11に示す重要音検出処理をCPU12に実行させるこ
とにより実現される。
【0103】図11の重要音検出処理において、ステッ
プ150では、記憶部16Aの元メロディデータにおけ
る最初の元メロディ音について重要音か分析する。重要
音としては、強拍音、アクセントのある音、長い音(例
えば4分音符長より長い音)等が予め定められている。
重要音の決定には、フレーズ中の重要音についてハーモ
ナイズを行なうライン・ライティング(ソリ・ボイシン
グ)の技法が参考になる(例えば、渡辺貞夫著「ジャズ
スタディー」、第193〜202頁参照)。コード進行
によってトーナリティ(調性)が変更されたときの冒頭
の音等が重要音とされることもあるので、図10におい
て破線で示すように入力手段56からの元コードデータ
を重要音検出手段58に供給し、元コードデータが表わ
すコード進行を考慮して重要音分析を行なうようにして
もよい。
【0104】次に、ステップ152では、ステップ15
0の分析結果に基づいて分析に係る元メロディ音が重要
音か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であれば
ステップ154に移り、判定に係る元メロディ音に対応
するメロディデータの一部として記憶部16Aに重要音
マークデータを書込む。
【0105】ステップ152の判定結果が否定的(N)
であったとき又はステップ154の処理が終ったとき
は、ステップ156に移り、元メロディが終了か判定す
る。最初のメロディ音について上記処理を行なったとき
は、ステップ156の判定結果が否定的(N)となり、
ステップ150に戻る。ステップ150では、次の元メ
ロディ音が重要音か分析する。そして、ステップ15
2,154の処理を上記したと同様に実行する。
【0106】記憶部16Aの元メロディデータにおける
最後の元メロディ音に関してステップ150〜154の
処理が終ると、ステップ156の判定結果が肯定的
(Y)となり、処理エンドとする。
【0107】ステップ152で重要音と判定された各音
符については、図2(A)に示すように表示器39の画
面に重要音マークが表示される。
【0108】ユーザは、表示器39の画面上で元メロデ
ィ、重要音、元コード等を確認した後、ステップ群38
中の登録スイッチを押して登録指令を与える。この登録
指令に応じて記憶部16Aの元メロディデータ(重要音
マークデータを含む)と記憶部16Bの元コードデータ
とがデータベース50に転送される。
【0109】図10,11について上記した処理により
楽曲データをデータベース50に登録した場合にも、図
5〜9について前述したと同様にメロディ生成等の処理
を行なうことができる。
【0110】図12は、データベースに楽曲データを登
録する第3の例を示すものであり、図4と同様の部分に
は同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0111】図12の登録方式は、図10の登録方式に
おいて重要音検出手段58を省略したものに相当し、図
5,6の処理において重要音分析を行なうことを特徴と
するものである。ユーザは、図10について前述したと
同様にして入力手段52,56を用いて記憶部16A,
16Bにそれぞれ元メロディデータ、元コードデータを
入力する。ユーザは、表示器39の画面上で元メロデ
ィ、元コード等を確認した後、スイッチ群38中の登録
スイッチを押して登録指令を与える。この登録指令に応
じて記憶部16Aの元メロディデータと記憶部16Bの
元コードデータとがデータベース50に転送される。
【0112】図13は、図12の方式でデータ登録を行
なった場合に図5,6の処理において必要とされる修正
を示すものである。ステップ72に代るステップ72’
では、図11のステップ150と同様に(次の)元メロ
ディ音が重要音か分析し、ステップ82に代るステップ
82’では、図11のステップ150と同様に(次の)
元メロディ音が重要音か分析する。このような修正を加
えることで図5〜9について前述したと同様にメロディ
生成等の処理を行なうことができる。
【0113】図14は、この発明の一応用例として自動
作曲処理を示すものである。データベース160には、
多数の曲テンプレートデータM1 ,M2 ,M3 …が予め
登録されている。
【0114】ステップ162では、ユーザにより与えら
れる検索条件(例えば、拍子、ジャンル、楽曲形式、コ
ード進行等)に適合する曲テンプレートデータをデータ
ベース160にて検索する。そして、ステップ164で
は、ユーザの指示に従って検索に係る複数の曲テンプレ
ートデータの中から1つの曲テンプレートデータを選択
する。
【0115】次に、ステップ166では、ユーザにより
与えられる変形条件(例えば、歌詞音節数等)に従って
選択に係る曲テンプレートデータを変形する。そして、
ステップ168では、ユーザにより与えられるコード進
行に従ってステップ166での変形に係る曲テンプレー
トデータを再び変形する。ステップ168の変形処理と
しては、この発明に係るメロディ生成処理が行なわれ、
ユーザ指定のコード進行に相応しい新メロディが生成さ
れる。
【0116】次に、ステップ170では、ステップ16
2〜168の処理により生成される楽曲データ(メロデ
ィデータ及びコードデータ)に修正処理を施す。この処
理は、最終的な手直しであり、図9の生成音修正処理、
画面上での編集処理、1音符毎に音を聴き、必要に応じ
て修正する処理等を行なうことができる。
【0117】この後、ステップ172では、記録処理を
行なう。これは、RAM16の修正済みの楽曲データを
外部記憶装置28に装着された記録媒体に記録する処理
である。
【0118】図15は、図14の自動作曲処理の変形例
を示すものである。この変形例の特徴は、ステップ18
0〜186の処理にある。図14と同様処理には同様の
符号を付して詳細な説明を省略する。データベース16
0中の各曲テンプレートデータM1 ,M2 ,M3 …は、
それぞれ所定のコード進行に基づいて作成されたもので
ある。
【0119】ステップ180では、ユーザによりコード
進行以外の検索条件(例えば拍子、ジャンル、楽曲形式
等)が与えられる。そして、与えられた検索条件に適合
した曲テンプレートデータをデータベース160から検
索する。
【0120】次に、ステップ182では、図14のステ
ップ168に相当する処理を行なう。すなわち、ユーザ
により与えられるコード進行に従ってステップ180で
の検索に係る複数の曲テンプレートデータをそれぞれ変
形する。このときの変形処理としては、この発明に係る
メロディ生成処理が行なわれ、ユーザ指定のコード進行
に相応しい新メロディが生成される。
【0121】次に、ステップ184では、図14のステ
ップ164に相当する選択処理を行なう。すなわち、ユ
ーザの指示に従ってステップ182での生成に係る複数
の楽曲データの中から1つの楽曲データを選択する。そ
して、ステップ186に移る。
【0122】ステップ186では、図14のステップ1
66に相当する変形処理を行なう。すなわち、ユーザに
より与えられる変形条件(例えば、歌詞音節数等)に従
ってステップ184での選択に係る楽曲データを変形す
る。そして、ステップ170の修正処理及びステップ1
72の記録処理を図14に関して前述したと同様に実行
する。
【0123】図15の自動作曲処理によれば、データベ
ース検索時にコード進行の条件がはずされるため、登録
されている曲テンプレートデータの数が多くなっても、
ヒットする確率が高くなる。しかも、検索された曲テン
プレートデータは、ステップ182で所望のコード進行
に基づいて変形されるので、ユーザが指定したコード進
行に相応しい楽曲データを得ることができる。ステップ
180,182を検索処理として見れば、検索条件とし
て入力したコード進行に適合した曲テンプレートデータ
が検索されたのと等価になる。
【0124】この発明は、上記した実施形態に限定され
るものではなく、種々の改変形態で実施可能なものであ
る。例えば、次のような変更が可能である。
【0125】(1)新コード進行のコード変更タイミン
グを元コード進行のコード変更タイミングと同じタイミ
ング(1小節に1つ)としたが、異なるタイミングとし
てもよい。
【0126】(2)新コード進行は、個々のコードをユ
ーザが入力するものに限らず、典型的なコード進行を多
数記憶したデータベースからユーザが所望のコード進行
を選択して入力するようにしてもよい。
【0127】(3)メロディ変形の条件(例えば新メロ
ディの候補音が複数ある場合にどれを選択するかなど)
をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0128】(4)複数の候補音に基づいて新メロディ
を複数生成すると共に該複数の新メロディをユーザに提
示し、ユーザが提示に係る複数の新メロディのうち所望
の新メロディを選択するようにしてもよい。
【0129】(5)メロディ生成の際に元メロディ音が
重要音であるか否かを1音毎に判定し、その都度、判定
結果に応じて重要音/非重要音に適したメロディ音を生
成するようにしたが、例えば、最初にすべての音につい
て重要音であるか否かを判定し、判定結果に応じて元メ
ロディ音を重要音/非重要音に分離してしまい、分離さ
れた重要音/非重要音毎に夫々に適したメロディをまと
めて生成し、その後、生成された両メロディを合成する
ように構成してもよい。
【0130】(6)テンション付きコードに修正された
元コード進行におけるテンションを新コード進行におい
ても反映させるために、メロディに対応する元コード進
行を持たせるようにしたが、ユーザーが指定した新コー
ド進行をそのままメロディ生成に使用する場合は、元コ
ード進行を持たなくてもよい。すなわち、新コード進行
を修正後新コードに変更することなく、新コード進行の
まま元メロディに与えることにより新メロディを生成す
るようにしてもよい。
【0131】(7)楽曲全体について新コード進行を指
定するものに限らず、楽曲の一部分のみについて新コー
ド進行を指定し、新コード進行を指定した部分の元メロ
ディのみを新メロディに変換するようにしてもよい。す
なわち、新コード進行を指定しなかった残りの部分の元
メロディについては、元メロディのままとするようにし
てもよい。これにより、例えば元メロディについて与え
られている元コード進行のうちの一部分のみを他のコー
ド進行に変更し、該変更に対応させてメロディを該他の
コード進行に適合するように変更するといった使い方が
可能となる。
【0132】(8)この発明は、電子楽器の形態に限ら
ず、パーソナルコンピュータとアプリケーションソフト
ウェアとの組合せの形態でも実施することができる。ア
プリケーションソフトウェアは、磁気ディスク、光磁気
ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記憶させてパー
ソナルコンピュータに供給してもよいし、あるいは通信
ネットワークを介してパーソナルコンピュータに供給す
るようにしてもよい。
【0133】(9)この発明は、電子楽器に限らず、カ
ラオケ装置等に用いる曲データの作成にも適用すること
ができる。
【0134】(10)この発明は、鍵盤式電子楽器に限
らず、弦楽器式、管楽器式、打楽器式等の電子楽器にも
適用することができる。
【0135】(11)この発明は、音源装置、自動演奏
装置等を内蔵した電子楽器に限らず、鍵盤、音源装置、
自動演奏装置等をMIDIや各種ネットワーク等の通信
手段で結合した電子楽器にも適用することができる。
【0136】(12)元メロディ、元コード、新メロデ
ィ、新コード等の演奏データのフォーマットは、イベン
トの発生時刻を1つ前のイベントからの相対時間で表わ
す「イベント+相対時間」方式に限らず、イベントの発
生時刻を曲や小節内の絶対時間で表わす「イベント+絶
対時間」方式、音符の音高と音符長あるいは休符と休符
長で曲の内容を表す「音高(休符)+符長」方式、イベ
ント発生の最小時間単位毎に記憶領域を確保し、イベン
トの発生時刻に対応する記憶領域にイベントを記憶する
方式等の任意の方式を用いることができる。
【0137】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、元メ
ロディ中の各重要音を元メロディの音高変化状態とユー
ザ指定のコード進行とに基づいて新メロディの構成音に
変換すると共に元メロディ中の各非重要音を元メロディ
の音高変化状態に基づいて新メロディの構成音に変換す
るようにしたので、元メロディとメロディ雰囲気が近似
した新メロディを生成可能となる効果が得られる。
【0138】また、元メロディの各非重要音を新メロデ
ィの構成音に変換する際に、元メロディと一致した音高
変化状態が得られる候補音がユーザ指定のコード進行の
中で該非重要音に対応するコードの構成音と矛盾するか
判定し、矛盾していれば該コードの構成音のうちから、
矛盾していなければ音階音のうちからそれぞれ新メロデ
ィの構成音を採用する構成にすると、コードの構成音と
矛盾する音が新メロディに含まれるのを防止することが
でき、不自然さを解消できる効果が得られる。
【0139】さらに、新メロディの中から所定値以上の
音高差を有する順次の2音を検出し、該2音のうちの前
音を対応するコードの構成音のうち元メロディと一致又
は近似した音高変化状態が得られる音に修正する構成に
すると、音の跳躍時に生ずる不自然さを解消できる効果
が得られる。
【0140】さらに、判定手段では、元コードデータが
表わす各元コード毎に元メロディの構成音のうちで該元
コードに対応するメロディ音の中に、該元コードの構成
音以外の音であってその音を元コードに付加したときに
テンション音として成立する音があるか判定し、この判
定の結果が肯定的になると、第1の修正手段では、判定
に係る元コードを、前記テンション音として成立する音
をコード構成音とするテンション度数付きのコードに修
正し、第2の修正手段では、指定手段で指定された新コ
ード進行のうち第1の修正手段での修正に係るコードに
対応する新コードを該修正に係るコードと同じテンショ
ン度数を有するコードとするように前記新コード進行を
修正し、修正に係る新コード進行に基づいて元メロディ
の構成音を新メロディの構成音に変換する構成にする
と、元メロディにおけるテンションの響きを新メロディ
に引き継ぐことができ、元メロディとの近似性が向上す
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るメロディ生成方法によるコー
ド修正の一例を示す図である。
【図2】 この発明に係るメロディ生成方法によるメロ
ディ生成の一例を示す図である。
【図3】 この発明に係るメロディ生成装置を備えた電
子楽器を示すブロック図である。
【図4】 データベースへのデータ登録の第1の例を示
すブロック図である。
【図5】 メロディ生成処理の一部を示すフローチャー
トである。
【図6】 メロディ生成処理の残部を示すフローチャー
トである。
【図7】 重要音処理のサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図8】 非重要音処理のサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図9】 生成音修正処理を示すフローチャートであ
る。
【図10】 データベースへのデータ登録の第2の例を
示すブロック図である。
【図11】 重要音検出処理を示すフローチャートであ
る。
【図12】 データベースへのデータ登録の第3の例を
示すフローチャートである。
【図13】 図12の方式でデータ登録を行なった場合
に図5,6の処理において必要とされる修正を示すフロ
ーチャートである。
【図14】 この発明の一応用例として自動作曲処理を
示すフローチャートである。
【図15】 図14の自動作曲処理の変形例を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10:バス、12:CPU、14:ROM、16:RA
M、16A:元メロディデータ記憶部、16B:元コー
ドデータ記憶部、16C:新コードデータ記憶部、16
D:新メロディデータ記憶部、28:外部記憶装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】元メロディを表わす元メロディデータを供
    給する供給手段と、 前記元メロディに関して所望のコード進行を指定する指
    定手段と、 前記元メロディを構成する各音を重要音又は非重要音の
    いずれかに分類する分類手段であって、前記重要音とし
    ては所定の条件を満たす複数音が予め定められているも
    のと、 前記供給手段からの元メロディデータと前記指定手段で
    指定されたコード進行とに基づいて前記元メロディの構
    成音に対応する新メロディの構成音を決定することによ
    り新メロディを表わすメロディデータを生成する生成手
    段であって、前記分類手段で重要音であると分類された
    各音については前記指定手段で指定されたコード進行の
    中で該音に対応するコードの構成音のうちから前記元メ
    ロディと一致又は近似した音高変化状態が得られる音を
    新メロディの構成音として選択し、前記分類手段で重要
    音でないと分類された各非重要音については前記元メロ
    ディと一致又は近似した音高変化状態が得られる音を新
    メロディの構成音として採用するものとを備えたメロデ
    ィ生成装置。
  2. 【請求項2】 前記生成手段は、前記分類手段で重要音
    でないと分類された各非重要音について前記元メロディ
    と一致した音高変化状態が得られる候補音が前記指定手
    段で指定されたコード進行の中で該非重要音に対応する
    コードの構成音と矛盾するか判定し、矛盾するとの判定
    に応じて該候補音と音高が近似した音を該コードの構成
    音のうちから新メロディの構成音として採用し、矛盾し
    ないとの判定に応じて該候補音と音高が一致又は近似し
    た音を音階音のうちから新メロディの構成音として採用
    するものである請求項1記載のメロディ生成装置。
  3. 【請求項3】 前記生成手段で生成されるメロディデー
    タが表わす新メロディの中から音高差が所定値以上であ
    る連続した2音を検出する検出手段と、この検出手段で
    検出された連続した2音のうちの前音を、前記指定手段
    で指定されたコード進行の中で該前音に対応するコード
    の構成音のうち前記元メロディと一致又は近似した音高
    変化状態が得られる音に修正する修正手段とを更に備え
    た請求項1又は2記載のメロディ生成装置。
  4. 【請求項4】元メロディを表わす元メロディデータを供
    給する供給ステップと、 前記元メロディに関して所望のコード進行を指定する指
    定ステップと、 前記元メロディを構成する各音を重要音又は非重要音の
    いずれかに分類する分類ステップであって、前記重要音
    としては所定の条件を満たす複数音が予め定められてい
    るものと、 前記供給ステップで供給された元メロディデータと前記
    指定ステップで指定されたコード進行とに基づいて前記
    元メロディの構成音に対応する新メロディの構成音を決
    定することにより新メロディを表わすメロディデータを
    生成する生成ステップであって、前記分類ステップで重
    要音であると分類された各音については前記指定ステッ
    プで指定されたコード進行の中で該音に対応するコード
    の構成音のうちから前記元メロディと一致又は近似した
    音高変化状態が得られる音を新メロディの構成音として
    選択し、前記分類ステップで重要音でないと分類された
    各非重要音については前記元メロディと一致又は近似し
    た音高変化状態が得られる音を新メロディの構成音とし
    て採用するものとを含むプログラムを記録した記録媒
    体。
  5. 【請求項5】元メロディを表わす元メロディデータと該
    元メロディに関してコード進行を表わす元コードデータ
    とを供給する供給手段と、 この供給手段からの元コードデータが表わす各元コード
    毎に前記元メロディの構成音のうちで該元コードに対応
    するメロディ音の中に、該元コードの構成音以外の音で
    あってその音を該元コードに付加したときにテンション
    音として成立する音があるか判定する判定手段と、 この判定手段での判定の結果が肯定的になるのに応答し
    て判定に係る元コードを、前記テンション音として成立
    する音をコード構成音とするテンション度数付きのコー
    ドに修正する第1の修正手段と、 前記元メロディに関して所望の新コード進行を指定する
    指定手段と、 この指定手段で指定された新コード進行のうち前記第1
    の修正手段での修正に係るコードに対応する新コードを
    該修正に係るコードと同じテンション度数を有するコー
    ドとするように前記新コード進行を修正する第2の修正
    手段と、 前記元メロディを構成する各音を重要音又は非重要音の
    いずれかに分類する分類手段であって、前記重要音とし
    ては所定の条件を満たす複数音が予め定められているも
    のと、 前記供給手段からの元メロディデータと前記第2の修正
    手段で修正された新コード進行とに基づいて前記元メロ
    ディの構成音に対応する新メロディの構成音を決定する
    ことにより新メロディを表わすメロディデータを生成す
    る生成手段であって、前記分類手段で重要音であると分
    類された各音については前記第2の修正手段で修正され
    た新コード進行の中で該音に対応する新コードの構成音
    のうちから前記元メロディと一致又は近似した音高変化
    状態が得られる音を新メロディの構成音として選択し、
    前記分類手段で重要音でないと分類された各非重要音に
    ついては前記元メロディと一致又は近似した音高変化状
    態が得られる音を新メロディの構成音として採用するも
    のとを備えたメロディ生成装置。
  6. 【請求項6】元メロディを表わす元メロディデータと該
    元メロディに関してコード進行を表わす元コードデータ
    とを供給する供給ステップと、 この供給ステップで供給された元コードデータが表わす
    各元コード毎に前記元メロディの構成音のうちで該元コ
    ードに対応するメロディ音の中に、該元コードの構成音
    以外の音であってその音を該元コードに付加したときに
    テンション音として成立する音があるか判定する判定ス
    テップと、 この判定ステップでの判定の結果が肯定的になるのに応
    答して判定に係る元コードを、前記テンション音として
    成立する音をコード構成音とするテンション度数付きの
    コードに修正する第1の修正ステップと、 前記元メロディに関して所望の新コード進行を指定する
    指定ステップと、 この指定ステップで指定された新コード進行のうち前記
    第1の修正ステップでの修正に係るコードに対応する新
    コードを該修正に係るコードと同じテンション度数を有
    するコードとするように前記新コード進行を修正する第
    2の修正ステップと、 前記元メロディを構成する各音を重要音又は非重要音の
    いずれかに分類する分類ステップであって、前記重要音
    としては所定の条件を満たす複数音が予め定められてい
    るものと、 前記供給ステップで供給された元メロディデータと前記
    第2の修正ステップで修正された新コード進行とに基づ
    いて前記元メロディの構成音に対応する新メロディの構
    成音を決定することにより新メロディを表わすメロディ
    データを生成する生成ステップであって、前記分類ステ
    ップで重要音であると分類された各音については前記第
    2の修正ステップで修正された新コード進行の中で該音
    に対応する新コードの構成音のうちから前記元メロディ
    と一致又は近似した音高変化状態が得られる音を新メロ
    ディの構成音として選択し、前記分類ステップで重要音
    でないと分類された各非重要音については前記元メロデ
    ィと一致又は近似した音高変化状態が得られる音を新メ
    ロディの構成音として採用するものとを含むプログラム
    を記録した記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010015132A (ja) * 2008-04-22 2010-01-21 Peter Gannon 音楽作曲の為のシステム及び方法

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