JP3669301B2 - 自動作曲装置及び方法並びに記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、音楽に関する各種の条件に応じて自動的にメロディあるいは伴奏等の曲データを生成する自動作曲装置および方法並びに記憶媒体及びプログラムに関し、特に曲データ生成の際に所定の部分的区間の曲データのみを選択的に生成若しくは再生成することを可能としたものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴って、コンピュータを用いて楽器を演奏したり、作曲したり、編曲したり、音色を合成したりするコンピュータミュージックを用いて、誰でも音楽を自由に楽しめるようになってきた。特に、コンピュータを用いた作曲の分野では、音楽的な専門知識の少ない初心者であっても簡単に作曲を楽しむことのできる自動作曲が出現している。従来の自動作曲装置としては、例えば調、拍子、ピッチの跳躍ダイナミクス、シンコペーション有無、コード進行等のメロディを特徴付ける各種の音楽的なパラメータ(以下、単にメロディ生成用パラメータと呼ぶ)を入力して、このメロディ生成用パラメータに基づいて自動的にメロディを生成するものが知られている。このような自動作曲装置を用いた場合、ユーザはメロディ生成用パラメータを選択的に入力することによって、いろいろなメロディを簡単かつ自由に作曲することができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の自動作曲装置では、メロディ生成用パラメータに基づいて曲全体にわたるメロディを自動的に生成している。そのために、生成されたメロディのうちの一部メロディのみが気に入らない場合に再度自動作曲を行うと、曲全体のメロディが再生成されて変更する必要のなかったメロディまでもが再生成されてしまう、という問題点があった。すなわち、ユーザは生成されたメロディの一部メロディをそのまま用いるために残しつつ、その他の部分のメロディのみを生成しなおすということができなかった。このように、従来の自動作曲装置はユーザにとって非常に使い勝手の悪いものであった。
【0004】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、メロディ等の曲データ生成の際に指定した特定の部分的区間の曲データのみを生成若しくは再生成可能とすることにより、使い易くまた自由度のある曲データ生成が可能な自動作曲装置及び方法並びに記憶媒体を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動作曲装置は、作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定する設定手段と、与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する生成手段とを具え、前記生成区間と非生成区間との組み合わせからなる新たな楽曲が作成されることを特徴とする。
【0006】
作成済みの楽曲における部分的区間毎に、前記設定手段によって、曲データを生成すべきか否かを設定するようにすることができる。これにより、作成済みの楽曲についての前記生成区間についての曲データが生成手段によって再生成され、該作成済みの楽曲についての前記非生成区間についての曲データは再生成されずに温存されることで、該作成済みの楽曲の修正がなされる。このように、指定した区間についてのみ曲データ、例えばメロディデータ、を生成するようにしたことから、ユーザは自動作曲されたメロディの一部区間のみを再生成することができる。すなわち、メロディが気に入らない区間のみを対象にして何度でも曲データの再生成を行うことができるようになる。こうすることで、ユーザが使い易く、かつ自由度のある曲データの再生成若しくは生成が可能となり、音楽的に完成度の高い曲データを簡単な処理で生成することもできるようになる。また、非生成区間については曲データの生成を禁止するので、非生成区間を挟んで離れた2以上の生成区間についての曲データを同時に生成できるので、曲データを新規に生成する場合においても効率的でもある。
【0007】
また、本発明に係る自動作曲装置は、作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定する設定手段と、与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する第1の生成手段と、楽曲を構成する楽節毎に付された楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成手段と、前記第2の生成手段を有効にするか否かを指定する指定手段とを具え、前記第2の生成手段を有効にしない場合は、前記第1の生成手段による曲データ生成に基づき前記生成区間と非生成区間との組み合わせからなる新たな楽曲が作成されるようにし、前記第2の生成手段を有効にした場合は、前記第1の生成手段と前記第2の生成手段との組み合わせに基づき、前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されるようにしたものである。このように、楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成手段を有効にするか否かを指定することができるようにすることで、第2の生成手段を有効にした場合は、第1の生成手段により生成する前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されることで、楽節記号を優先した音楽的に確かな自動作曲を容易に行うことができる。一方、第2の生成手段を有効にしない場合は、第1の生成手段のみによって新たな楽曲を作成するので、ユーザによる作曲の自由度が増すことになる。従って、ユーザにとって使い易く、かつ自由度のある曲データの再生成若しくは生成が可能となり、また、音楽的に完成度の高いメロディを作曲することも比較的容易にできるようになる。
【0008】
更に、本発明に係る自動作曲装置は、作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定する設定手段と、与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する第1の生成手段と、楽曲を構成する楽節毎に付された楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成手段と、を具え、前記第1の生成手段と前記第2の生成手段との組み合わせに基づき、前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されるようにしたものである。この場合は、必ず第2の生成手段を使用することで、例えば、既に曲データの出来上がっている区間と同じ楽節記号の曲データはコピーによって容易に生成できるので、楽節記号を優先した音楽的に確かな自動作曲を容易に行うことができる。その一方で、同じ楽節記号の先行する楽節が存在しない楽節では、前記第1の生成手段による曲データ生成を行うことで、自由度のある曲データの再生成若しくは生成が可能となる。こうして、ユーザにとって使い易く、また、自由度のある曲データの再生成若しくは生成も可能であり、また、音楽的に完成度の高いメロディを作曲することも比較的容易にできるようになる。
【0009】
本発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記録媒体の形態で実施することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る自動作曲装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。
本実施例に示す自動作曲装置は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御されるようになっている。CPU1は、この自動作曲装置全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してリードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3、検出回路4、スイッチ検出回路5、表示回路6、音源回路7、効果回路8、外部記憶装置9、MIDIインタフェース(I/F)10および通信インタフェース11がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。すなわち、タイマ1Aは時間間隔を計数したり、作曲終了後に作曲した曲を自動演奏する際の演奏テンポを設定したりするためのテンポクロックパルスを発生する。このテンポクロックパルスの周波数は、各種スイッチ5Aの中のテンポ設定スイッチ等によって調整される。このようなタイマ1AからのテンポクロックパルスはCPU1に対して処理タイミング命令として与えられたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与えられる。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。各種処理には、例えば自動作曲の際の画面表示処理や自動作曲した曲を演奏するための自動演奏処理等がある。
なお、この自動作曲装置は専用の装置に限られず、例えばパソコンなどの汎用装置あるいはマルチメディア機器等であってもよく、本発明に従う所定のソフトウエア又はハードウエアを用いることによって自動作曲を行うことのできるように構成した装置であればよい。
【0011】
ROM2は、CPU1により実行あるいは参照される各種プログラムや各種データ等を格納するものである。RAM3は、メロディ生成の際に用いられる各種楽音情報(例えば、生成するメロディの階層構造に関する情報やメロディ生成用パラメータなどの情報)や作曲した曲を自動演奏する際に用いられる自動演奏情報、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データなどを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。演奏操作子4Aは楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた、例えば鍵盤等のようなものであり、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏操作子4Aは楽音演奏のために使用できるのは勿論のこと、作曲の際にメロディのピッチやリズムを入力するための入力手段として使用することもできる。検出回路4は、演奏操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出し、検出出力を生じる。パネル操作子(スイッチ等)5Aは各種のパラメータを指定したり、あるいは自動演奏時における各種演奏条件等を入力するための各種の操作子を含んで構成される。例えば、所定の区間においてメロディを生成するか否かを選択するためのメロディ生成スイッチ、楽節記号優先かメロディ生成スイッチ優先かを指定するための優先指定スイッチがなどが含まれる。勿論、この他にも音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボードなどの各種操作子を含んでいてよい。スイッチ検出回路5は、スイッチ5Aの各操作子の操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。表示回路6はメロディ生成用パラメータやメロディ生成スイッチによるメロディ生成有無の設定状態(後述する)等の各種情報を、例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに表示するのは勿論のこと、自動演奏に関する各種情報あるいはCPU1の制御状態などをディスプレイ6Aに表示する。
【0012】
ここで、メロディ生成スイッチについて図2を用いて簡単に説明する。図2は、メロディ生成スイッチの一実施例を説明するための概念図である。ただし、ここではディスプレイ6A上に表示したスイッチをマウス等でクリック操作することによってON/OFF操作を行うことのできるソフトスイッチ形態のメロディ生成スイッチを実施例として示した。
図2から理解できるように、ディスプレイ6A上には生成するメロディの区間単位にメロディ生成スイッチMSが表示される。この実施例では、メロディ生成スイッチMSがメロディ生成の最小区間単位であるフレーズ区間毎に設けられている。メロディは複数区間単位に分類することができ、メロディ生成は該区間単位毎に生成される。例えば、メロディが2個のブロック区間(ブロック1及びブロック2)から構成される場合、メロディ生成はブロック区間単位に行われる。また、前記ブロック区間のようなメロディ生成の区間単位はより細かい単位の区間で構成することができることから(すなわち、メロディは階層構造となっている)、メロディ生成はより細かい区間単位毎に生成することもできる。例えば1曲のメロディを2個のブロック区間(ブロック1及びブロック2)、1ブロック区間を2個の楽節(楽節1及び楽節2)、1楽節を2個のフレーズ(フレーズ1及びフレーズ2)で構成したような場合には(すなわち、1曲が4楽節、8フレーズで構成されている場合)、ブロック単位だけでなく楽節単位あるいはフレーズ単位にメロディを生成することができる。そこで、このメロディ生成する区間単位毎にメロディ生成スイッチMSを設ける。勿論、この実施例に示すようにフレーズ区間毎にメロディ生成スイッチMSを設けることに限らず、楽節区間単位やブロック区間単位、あるいは更に短い小節区間単位(図示せず)にメロディ生成スイッチMSを設けるようにしてもよい。つまり、楽節単位スイッチやフレーズ単位スイッチ等の複数の階層毎にメロディ生成スイッチMSを設けるようにしてもよい。
【0013】
そうした場合に、上位単位(すなわち、より長い区間)のメロディ生成スイッチMSの設定を優先としてもよいし、下位単位(すなわち、より短い区間)のメロディ生成スイッチMSの設定を優先としてもどちらでもよい。当該優先指定は、図示しない優先指定スイッチにより指定される。上位単位のメロディ生成スイッチMSの設定が優先指定されている場合、下位単位のメロディ生成スイッチMSの設定がどのような設定であっても、上位単位のメロディ生成スイッチMSの設定に従ってメロディが生成される。例えば、フレーズ区間のメロディ生成スイッチMSがOFF設定(あるいはON設定)であっても、楽節区間のメロディ生成スイッチMSがON設定(あるいはOFF設定)である場合には、楽節区間のメロディ生成スイッチMSのON設定(あるいはOFF設定)に従ってメロディは再生成される。反対に、下位単位のメロディ生成スイッチMSの設定が優先指定されている場合、上位単位のメロディ生成スイッチMSの設定がどのような設定内容であっても、下位単位のメロディ生成スイッチMSの設定に従ってメロディが生成される。例えば、楽節区間のメロディ生成スイッチMSがOFF設定(あるいはON設定)であっても、フレーズ区間のメロディ生成スイッチMSがON設定(あるいはOFF設定)である場合には、フレーズ区間のメロディ生成スイッチMSのON設定(あるいはOFF設定)に従ってメロディは再生成される。
なお、メロディ生成スイッチMSの任意の組み合わせを上位単位としてもよい。例えば、図2の如くブロック1の楽節1のフレーズ1とフレーズ2、ブロック2の楽節1のフレーズ2の組み合わせを生成指示する上位のスイッチを設けてもよい。
【0014】
メロディ生成スイッチMSがON設定である場合、ON設定された区間についてメロディを生成する。この実施例においては、メロディ生成スイッチMSがON状態となっているブロック1の楽節1に属するフレーズ1とフレーズ2、及びブロック2の楽節1に属するフレーズ2の各区間が生成区間、つまりメロディを新たに生成しなおす対象の区間となる。曲全体のメロディを生成した後に、ブロック1の楽節2に属するフレーズ1及びフレーズ2、さらにブロック2の楽節1に属するフレーズ1については生成したメロディをそのまま用い、残りの他の区間(ブロック1の楽節1に属するフレーズ1とフレーズ2、及びブロック2の楽節1に属するフレーズ2など)についてのメロディを生成しなおしたい場合や、一部の区間のメロディのみを新規生成したい場合などには、図示のように該区間のメロディ生成スイッチMSをON設定にすればよい。
【0015】
なお、メロディ生成スイッチMSの設定方法としては、スイッチがON状態である場合に該区間を「メロディを生成する」生成区間と設定し、OFF状態である場合に該区間を「メロディを生成しない」非生成区間と設定する方法(すなわち、メロディ生成スイッチMSは「メロディを生成する」区間を指定する)、あるいはスイッチがON状態である場合に該区間を「メロディを生成しない」非生成区間と設定し、OFF状態である場合に該区間を「メロディを生成する」生成区間と設定する方法(すなわち、メロディ生成スイッチMSは「メロディを生成しない」区間を指定する)とのいずれかの場合が考えられるが、どちらであってもよい。
また、上記メロディ生成スイッチMSは、ON状態にすると点灯(あるいは消灯)されてディスプレイ6A上に画面表示され(図2では塗りつぶした状態の四角形で表記した)、OFF状態にすると消灯(あるいは点灯)されてディスプレイ6A上に画面表示される(図2では塗りつぶしのない状態の四角形で表記した)ようにすると、ユーザが一見しただけで設定状態が理解できるので非常に便利である。すなわち、メロディを生成する区間とメロディを生成しない区間とで表示を変えるように構成すると、ユーザはメロディ生成を行う区間であるか否かを視覚的に一見するだけで判断することができ、簡単にメロディ生成の対象とする区間を設定することができるようになる。
【0016】
図1に戻り、音源回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた演奏情報を入力し、この演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号は、サウンドシステム8Aを介して発音される。また、効果回路8は前記音源回路7から発生された楽音信号に対して各種効果を与える。前記音源回路7における楽音信号発生方式はいかなるものを用いてもよい。例えば、発生すべき楽音の音高に対応して変化するアドレスデータに応じて波形メモリに記憶した楽音波形サンプル値データを順次読み出す波形メモリ読み出し方式、又は上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の周波数変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるFM方式、あるいは上記アドレスデータを位相角パラメータデータとして所定の振幅変調演算を実行して楽音波形サンプル値データを求めるAM方式等の公知の方式を適宜採用してもよい。すなわち、音源回路7の方式は、波形メモリ方式、FM方式、物理モデル方式、高調波合成方式、フォルマント合成方式、VCO+VCF+VCAのアナログシンセサイザ方式、アナログシミュレーション方式等、どのような方式であってもよい。また、専用のハードウェアを用いて音源回路7を構成するものに限らず、DSPとマイクロプログラム、あるいはCPUとソフトウェアを用いて音源回路7を構成するようにしてもよい。さらに、1つの回路を時分割で使用することによって複数の発音チャンネルを形成するようなものでもよいし、1つの発音チャンネルが1つの回路で形成されるようなものであってもよい。
【0017】
外部記憶装置9は、自動作曲時に用いるメロディ生成用パラメータや既存曲のメロディに関する演奏データ、CPU1が実行する各種プログラムの制御に関するデータ等を記憶するものである。前記ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置9(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それを前記RAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置9はハードディスク(HD)に限られず、フロッピィーディスク(FD)、コンパクトディスク(CD−ROM・CD−RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Diskの略)等の着脱自在な様々な形態の外部記録媒体を利用する記憶装置であってもよい。あるいは、半導体メモリなどであってもよい。
【0018】
MIDIインタフェース(I/F)10は、他のMIDI機器10A等からMIDI規格の楽音情報(MIDIデータ)を当該自動作曲装置へ入力したり、あるいは当該自動作曲装置からMIDI規格の楽音情報(MIDIデータ)を他のMIDI機器10A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器10Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、ギター型、管楽器型、打楽器型、ミブリ型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。通信インタフェース11は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワーク11Bに接続されており、該通信ネットワーク11Bを介して、サーバコンピュータ11Aと接続され、当該サーバコンピュータ11Aから制御プログラムや各種データを自動作曲装置側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置9(ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合に、サーバコンピュータ11Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。クライアントとなる自動作曲装置は、通信インターフェース10及び通信ネットワーク11Bを介してサーバコンピュータ11Aへと制御プログラムや各種データのダウンロードを要求するコマンドを送信する。サーバコンピュータ11Aは、このコマンドを受け、要求された制御プログラムやデータを、通信ネットワーク11Bを介して本装置へと配信し、本装置が通信インタフェース11を介して、これら制御プログラムや各種データを受信して外部記憶装置9(ハードディスク)等に蓄積することにより、ダウンロードが完了する。
【0019】
なお、MIDIインタフェース10は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS232−C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェース10を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース10として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、他のMIDI機器10AはMIDIイベントデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、音楽情報に関するデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず、他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース10と他のMIDI機器10Aはそれにあった構成とする。
【0020】
本発明に係る自動作曲装置は、所定の区間毎に設けたメロディ生成スイッチMS(図2参照)のON/OFF設定状態に応じて区間を選択的に決定し、選択した区間についてのみメロディ(詳しくは、メロディに関する演奏データ)を自動的に生成する。本発明の実施例に従って選択した区間についてのみメロディを自動的に生成する処理の一例について図3を用いて説明する。図3は、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に応じて所定の区間のメロディのみを選択的に生成する処理の一実施例を示したフローチャートである。なお、作成済みの曲を変更する場合、変更しようとする所望の曲を予め選択し、選択された曲について図3の処理が適用される。勿論、図3の処理は、既存の曲を変更する場合に限らず、新規に作曲を行う場合も適用可能である。以下、図3のフローチャートに従って、当該処理における処理動作を説明する。
【0021】
ステップS1では、メロディ生成用データ(つまり、メロディ生成用の音楽条件を設定するパラメータ)を供給する。例えば、ユーザがパネル操作子(スイッチ等)5Aや演奏操作子4A(鍵盤等)を操作して入力するメロディ生成用データ、外部記憶装置9から取得するメロディ生成用データ、あるいはMIDIインタフェース10又は通信インタフェース11を介して他のMIDI機器10A又はサーバコンピュータ11Aから取得したメロディ生成用データなどを供給する。該メロディ生成用データは、例えば調、拍子、ピッチの跳躍ダイナミクス、シンコペーション有無、コード進行等のメロディを特徴付ける各種の音楽的なパラメータである。ステップS2では、メロディ生成スイッチMSにより生成区間(あるいは非生成区間)を指定する。すなわち、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定状態に応じて、メロディを生成する生成区間(あるいは、メロディを生成しない非生成区間)を決定する。そして、メロディを生成するための準備として曲の先頭の区間を判定対象の区間としてセットする(ステップS3)。メロディ生成の際には、曲の先頭の区間から順次に所定の区間毎に該区間が生成区間であるか否か(あるいは、非生成区間であるか否か)の判定を行って、前記生成区間と判定した区間についてのみ(あるいは、非生成区間でないと判定した区間についてのみ)前記メロディ生成用パラメータに基づいてメロディを生成(既存曲の変更にあっては「再生成」)する。そこで、ステップS3の処理では、メロディ生成の際に曲の先頭の所定区間から順次に判定を行うことができるようにするために、曲の先頭区間を判定対象の区間として最初にセットする。
【0022】
ステップS4では、メロディ生成スイッチMSによるON/OFF設定に応じた区間毎の自動作曲処理が楽節記号に応じた自動作曲処理に優先するか否かを判定する。すなわち、メロディ生成スイッチMSによるON/OFF設定に応じて生成区間と判定された区間毎にメロディを生成することを優先して処理するのか、あるいは楽節記号に応じた自動作曲処理に従ってメロディを生成することを優先して処理するのかを決定する。一般的に、曲は1乃至複数の楽節を組み合わせた楽節構成を持ち、楽節毎に所定の楽節記号が付されて1曲分の楽節順に並べられ、該楽節記号の並びによって1曲分の楽節構成がどのような構成になっているかを示すようになっている。楽節記号とは、楽節間の類似・非類似を表す記号である。例えば、1曲が4楽節構成である場合に、第1楽節の楽節記号として「A」(又は「A」)、第2楽節の楽節記号として「B」(又は「A´」)、第3楽節の楽節記号として「C」(又は「B」)、第4楽節の楽節記号として「C´」(又は「B´」)が付されたとすると、楽節構成は「ABCC´」(又は「AA´BB´」)のように表わされる。この実施例では、「A」の楽節にメロディが類似するものを「A´」のように元の記号に「´」(ダッシュ)記号を付して表わし、「A」の楽節にメロディが類似しない(非類似)のものを別の記号「B」、「C」等で表わすこととする。曲の複数の楽節に同一の楽節記号が付与されている場合、同一楽節は同一メロディとなるのが一般的であることから、メロディ生成スイッチMSの設定に関わらず各楽節メロディをそのままコピーするのがよい(すなわち、楽節記号優先)。しかし、あえて楽節記号による設定に従うよりもメロディ生成スイッチMSの設定を優先させてメロディを生成するようにしてもよい。そこで、本実施例では、(1)楽節記号に応じた曲データの生成処理と、(2)メロディ生成スイッチMSの設定に応じた各区間毎の曲データの生成処理、のどちらを優先させるかをユーザが指定できるように優先指定スイッチ(図示せず)を構成し、該優先指定スイッチによる指定に従って上記(1)と(2)の一方に従う処理を行うようになっている。この優先指定は、スイッチに限らず優先指定データで行ってもよい。例えば、メロディ生成用の音楽条件の1つとして楽節構成を示す楽節記号を設定入力することができ、上記(1)の楽節記号に応じた曲データの生成処理を優先する場合は、設定入力された楽節記号に応じた曲データの生成処理を行い、一方、上記(2)のメロディ生成スイッチMSによる設定に応じた各区間毎の曲データの生成処理を優先する場合は、該スイッチMSで設定された各区間毎に曲データの生成処理を行う。なお、楽節記号に応じた曲データの生成処理とは、例えば楽節記号Aの或る楽節(例えば第1楽節)の曲データが作成済みである場合、それと同じ又は類似の楽節記号(A又はA’)を持つ別の楽節(例えば第3楽節)の曲データとして、同じ又は類似の楽節記号Aの作成済みの楽節(例えば第1楽節)の曲データをコピーし、コピーした曲データを基に自動作曲する(そっくり流用したり、一部変更したりする)処理である。
【0023】
ステップS4では、上記優先指定スイッチ又は優先指定データにより上記(1)と(2)の処理のどちらが指定されているか判定する。上記(2)のメロディ生成スイッチMSによるON/OFF設定に応じた各区間毎の曲データの生成処理が優先する場合は、「スイッチ優先」YESと判定し、ステップS5〜S8のルートで各区間毎の曲データの生成処理を行う。一方、メロディ生成スイッチMSによるON/OFF設定が楽節記号による設定に優先しない場合(ステップS4のNO)、ステップS10,S11のルートで、楽節記号による設定を優先する処理つまり上記(1)の楽節記号に応じた曲データの生成処理を行う。すなわち、メロディ生成スイッチMSによるON/OFF設定に関係なく、楽節記号に基づいてメロディを生成する。上記(1)の楽節記号に応じた曲データの生成処理を行う場合、該区間に付された楽節記号と同一/類似の楽節記号が付された区間が該区間以前にあるかないか(既に曲データが作成済みか否か)を判定する(ステップS10)。同一/類似の楽節記号が付された区間がある場合には(ステップS10のYES)、該区間のメロディとして楽節記号が同一/類似の区間における作成済みの曲データをコピーしてこれに基づき曲データを生成する(つまりそっくり流用したり一部変更したりする)(ステップS11)。なお、このステップS11は、同一/類似の楽節記号のうちの先頭の楽節記号の区間がまだ生成指示されていない場合には省略してもよい。例えば、「ABA」という楽節構成のとき、先頭の「A」楽節がまだ生成指示されていない場合は後の「A」楽節は既に先頭の「A」楽節と同じ内容であるため、この段階でコピーしても意味がないので、あえてこのステップS11を実行する必要はない。該区間のメロディ生成後(すなわち、メロディのコピー後)、ステップS9の処理へ行く。
【0024】
一方、メロディ生成スイッチMSによるON/OFF設定が優先する場合(ステップS4のYES)、あるいは該区間に付された楽節記号と同一/類似の楽節記号が付された区間が先行していない場合には(ステップS10のNO)、該区間がメロディ生成区間に指定されているか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、該区間のメロディ生成スイッチMSがON設定されているか否かを判定する。該区間がメロディ生成区間に指定されていない場合(ステップS5のNO)、ステップS9の処理へジャンプする。該区間がメロディ生成区間に指定されている場合(ステップS5のYES)、該生成区間におけるメロディを生成する(後述のステップS6〜ステップS8参照)。すなわち、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に従ってメロディ曲データを区間毎に順次に自動生成する。ステップS5からS9へのジャンプによって、例えば作成済みの曲において非生成区間として設定された区間については曲データ再生成処理(ステップS6〜S8)が行われないことになるので、例えば作成済みの曲データのうちの気に入ったフレーズの曲データを確実に保存しておくことができる。
【0025】
メロディを生成する際には、まず該生成区間におけるメロディのリズム(発音タイミング情報)のみを生成する(ステップS6)。リズムを生成する方法としては、例えば曲のジャンル(例えば、ロックやジャズあるいはクラシックなど)にマッチしたリズムパターンを所定のデータベースから検索して採用する方法などが公知である。次に、生成したリズムの各打点(発音タイミング)にピッチを割り当てる(ステップS7)。例えば、生成したリズムにおける重要打点(メロディを音楽的に特徴付ける所定の区間内における特定の打点のことであり、例えば各小節の先頭や強拍などがこれにあたる)にはメロディ生成用パラメータのコード進行に従ったコード構成音のいずれかをランダムに選択して割り当て、重要打点以外の打点には該曲の調を構成する音階音のいずれかをランダムに選択して割り当てる。そして、メロディを生成した該生成区間と隣り合う区間との間においてメロディが整合するようにメロディの整合性処理を行う(ステップS8)。すなわち、今曲データを生成している現在生成区間のピッチと該現在生成区間に隣り合う区間のピッチとが整合しない場合に、該現在生成区間に隣り合う区間が生成区間であるか非生成区間であるかに応じて、今曲データを生成した当該現在生成区間のピッチを生成しなおすなどの処理を行う。例えば、当該現在生成区間の最終音のピッチと次区間の最初音のピッチとが整合するように該最終音のピッチが生成されればよいが、生成された最終音のピッチが次区間の最初音のピッチと整合性が取れないような場合には(例えば、最終音がドミナントモーションしたいピッチである場合など)、該生成区間と次区間との間において音楽的に不自然なメロディが生成されることになる。そこで、次区間の最初音のピッチが該生成区間の最終音のピッチと整合性をとることができる場合(すなわち、次区間が生成区間である場合)には生成した最終音のピッチをそのまま採用し、次区間を生成する際に最初音のピッチを前記最後音のピッチと整合するように生成すればよい。
【0026】
一方、次区間の最初音のピッチが該生成区間の最終音のピッチと整合性をとることができない場合(すなわち、次区間が非生成区間である場合)には生成した最終音のピッチを不採用とし、別のピッチに生成しなおす。すなわち、この場合には次区間が非生成区間であるために最初音のピッチを新たに生成することができないために、該生成区間の最終音のピッチを生成しなおすことによって対応する。また、今曲データを生成している現在生成区間の前区間の最後音のピッチが該現在生成区間の最初音のピッチと整合しない場合には、該現在生成区間の最初音のピッチを生成しなおす。さらに、別の観点として、メロディ生成用パラメータとしてメロディのピッチ跳躍度を入力して、このピッチ跳躍度に基づいてメロディを生成する方法があり、この場合においても隣りあう生成区間あるいは非生成区間との間において整合処理を行うとよい。例えば、ピッチ跳躍度がメロディ生成用パラメータで入力した値以内になるように整合性をとるようにするとよい。なお、明らかなように、ステップS5〜S8のルートで行われる「メロディ生成スイッチMSによる設定に応じた各区間毎の曲データの生成処理」においては、楽節記号に応じたコピー処理(ステップS11)が行われないので、仮に、ステップS1で設定入力される音楽条件に中に楽節記号が含まれていたとしても、このステップS5〜S8のルートでの自動作曲処理においては楽節記号に応じた作曲処理が行われないことになる。
【0027】
ステップS9では、該区間が曲の最終区間であるか否かを判定する。最終区間である場合には(ステップS9のYES)、これ以上メロディを生成する対象となる区間は存在しないことから該メロディ生成処理を終了する。最終区間でない場合には(ステップS9のNO)、後続する区間でメロディを生成する対象となる生成区間が存在する可能性があることから、該区間に後続する区間に進み(ステップS12)、ステップS4の処理へ戻りステップS4〜ステップS12の処理を繰り返し行う。
このように、区間毎にメロディを新たに生成若しくは再生成(生成区間の場合)する、あるいは既に生成されたメロディをそのまま用いる(非生成区間の場合)ことによって、部分的にメロディを変更しながら1曲全体にわたるメロディを作曲若しくは変更することができるようになっている。
なお、メロディを生成する音楽ジャンルによっては、あるいは生成するメロディのレベルが音楽的に低くても構わないような場合には上記整合性処理(ステップS8参照)を省略してもよい。また、上記メロディ生成方法(ステップS6〜ステップS8の各処理)は一例であって、メロディ生成方法として適宜の方法を用いてよいことは言うまでもない。
【0028】
ここで、楽節記号に応じた曲データの生成処理が優先するよう設定された場合におけるメロディ生成について図4を用いて説明する。図4は、楽節記号による設定に応じてメロディを生成する動作を説明するための概念図である。
メロディ生成スイッチMSでON/OFF設定した各区間毎に曲データを生成する処理を優先する場合は、メロディ生成スイッチMSのON設定により「メロディを生成する」生成区間であることを指定された区間についてメロディ曲データを生成する。これに対して、楽節記号に応じた曲データの生成処理を優先する場合(図3のステップS4がNOの場合)においては、複数の楽節に同一の楽節記号が付与されている場合(図4の例では、ブロック1の楽節1とブロック2の楽節1とが共に同一楽節記号「A」が付されている)、同一楽節記号の楽節では同一のメロディであることが一般的であることから、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に関わらず、同一楽節記号の楽節メロディをそのままコピーして生成する。例えば、図示したように、ブロック1の楽節1とブロック2の楽節1がともに楽節記号が「A」である場合、ブロック2の楽節1は該区間のメロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に関わらず、ブロック1の楽節1のメロディをコピーしてブロック2の楽節1のメロディを生成する。
【0029】
また、楽節に類似の楽節記号が付されている場合(例えば、「A」と「A´」)にも、上述した同一の楽節記号が付されている場合と同様のことが言える。ただし、この場合に楽節記号の設定が優先するように指定された場合には、楽節全体のメロディをコピーしてメロディを生成するのではなく、楽節中の一部の区間の曲データを図3のステップS11でコピーし、別の一部の区間の曲データは図3のステップS11でコピーせずにステップS5〜S8の処理によって自動生成するようにしてもよい。例えば、楽節の前半の区間のメロディ曲データのみをコピーして楽節の後半の区間のメロディ曲データは生成又は再生成処理することによって、当該楽節全体のメロディを生成又は再生成してもよい。その場合、例えば、図3のステップS10において、現在処理している区間が楽節の後半の区間であれば、NOに分岐してステップS5又はS6に行くようにすればよい。勿論、これに限らず、前述のように、図3のステップS11で一旦コピーして、コピーした曲データの一部を適宜変更するようにしてもよい。
【0030】
一方、前述したように、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定を優先する場合(図3のステップS4がYESの場合)は、楽節記号を考慮せずにメロディ生成スイッチMSのON/OFF設定を優先させて曲データ生成処理を行う。例えば、図4において、ブロック2の楽節1のフレーズ1のメロディは固定し、ブロック2の楽節1のフレーズ2のメロディのみを再生成したいような場合は、ブロック1の楽節1とブロック2の楽節1が同じ楽節記号Aであっても、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定を優先するように設定し、かつ、メロディ生成スイッチMSによってブロック2の楽節1のフレーズ1に該当する区間をOFFとし、ブロック2の楽節1のフレーズ2に該当する区間をONとする。
【0031】
なお、図3の例では、優先指定スイッチ又はデータによって楽節記号による設定とメロディ生成スイッチMSのON/OFF設定のどちらを優先させるかを選択・指定できるようにしたが、これに限らず、どちらか一方を常時優先するようにしてもよい。例えば、楽節記号による設定に従う曲データ生成処理を常時優先するようにした実施例を構成することができる。そのような実施例においては、例えば、楽節記号が音楽条件に含まれていない場合にメロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に従う生成処理を行う、あるいは、楽節記号が音楽条件に含まれている場合であっても同一又は類似の楽節が先行して存在していない場合にメロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に従う生成処理を行う、ように構成してよい。そのためには、例えば、図3のステップS4を省略し、ステップS3及びS12から常にステップS10に行くようにすればよい。
【0032】
逆に、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に従う曲データ生成処理を常時優先するようにした実施例を構成することもできる。そのような実施例においては、例えば、メロディ生成スイッチMSが全区間でOFF設定されているにもかかわらずメロディ再生成処理が指示された場合など、所定の条件下で、楽節記号の設定に従う曲データ生成処理が行われるようにしてもよい。あるいは、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に従う曲データ生成処理のみを行うようにしてもよい。そのためには、例えば、図3のステップS4、S10、S11を省略し、ステップS3及びS12から常にステップS5に行くようにすればよい。
【0033】
更に、別の実施例若しくは変形例として、楽節記号による設定に従う曲データ生成処理を行う場合であっても、必要に応じて、同一あるいは同類の楽節記号が付されている楽節の曲データをコピーしないようにすることができる構成としてもよい。例えば、「コピー禁止スイッチ」を設けてユーザによる該スイッチの操作に応じて、あるいはマウスの右クリック操作等に応じたコマンドメニュー等を用いて「コピー禁止」が随時指定できるようにしてよい。例えば、図3の例において、所定の優先指定スイッチ又はデータによって楽節記号による設定を優先するように設定された場合であっても、1楽節中の全部又は一部の区間に対応して「コピー禁止」を指定することで、当該全部又は一部の区間についてはステップS11を実行しないようにすることにより、当該全部又は一部の区間について曲データのコピーを禁止するようにすることができる。その場合、例えば、図3のステップS10とS11との間に「コピー禁止か否か?」を判定するステップを挿入し、「コピー禁止」YESであればステップS11をジャンプしてステップS9に行くか(この場合はコピー禁止された一部の区間の曲データが変更されずに保存される)、あるいはステップS5又はS6に行く(この場合はコピー禁止された一部の区間の曲データがステップS5〜S8の処理によって再生成される)ように、処理プログラムを適宜構成すればよい。このようなコピー禁止は、メロディ生成スイッチMSで複数区間の生成を指定する場合かつ同一あるいは類似楽節記号が付された楽節がある場合に、柔軟なメロディ生成を可能とする。また、楽節記号優先の場合に、同一あるいは類似の楽節記号が付された楽節に勝手にメロディがコピーされることによってメロディを生成することをユーザが望まない場合にも対応することができる。あるいは、コピーするか否かをユーザに問い合わせ、ユーザがコピーを拒否するならばコピーを禁止してコピーによるメロディの再生成を行わないようにしてもよい。
【0034】
更に、別の実施例若しくは変形例として、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定を優先する場合であっても、楽節記号に従って曲データのコピーを行うことができる場合は、コピーするかどうかの選択を各区間ごとに行うことができるようにしてもよい。例えば、「コピー許可/又は禁止スイッチ」を設けてユーザによる該スイッチの操作に応じて、あるいはマウスの右クリック操作等に応じたコマンドメニュー等を用いて「コピー許可/又は禁止」が随時指定できるようにしてよい。例えば、図3の例において、所定の優先指定スイッチ又はデータによってメロディ生成スイッチMSの設定を優先するように設定された場合であっても、楽節記号に従ってコピー可能な或る楽節中の全部又は一部の区間に対応して「コピー許可」を指定することで、当該全部又一部の区間について、ステップS5〜S8のルートを通らずに、ステップS11を実行するように、処理プログラムを適宜変更すればよい。
【0035】
更に、別の実施例若しくは変形例として、楽節記号による設定を優先する場合であっても、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定を考慮して、ON設定されている区間でのみ曲データをコピーし、OFF設定されている区間では曲データをコピーしないようにしてもよい。そのためには、例えば、図3のステップS11の前に「現在処理中の区間は生成区間か?」を判定するステップを挿入し、YESであればステップS11を実行するが、NOであればステップS11をジャンプしてステップS9に行くように、処理プログラムを適宜変更すればよい。
【0036】
上述の実施例においては、単にメロディ生成を行う区間を指定するためのメロディ生成スイッチMSを各区間毎に設け、メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に基づいて、区間毎にリズム(発音タイミング)とピッチを生成することによってメロディの作曲を行っていくように構成した。しかし、メロディを再生成する際に、メロディのリズムのみ、あるいはメロディのピッチのみを変更してメロディを再生成したい場合が多々有る。そうした場合に、リズムとピッチの両方を変更することによってメロディを再生成することは、変更対象以外のメロディリズムあるいはメロディピッチまでもが変更されることになり都合が悪い。そこで、メロディリズムのみ、あるいはメロディピッチのみを生成しなおしてメロディを生成することができるように、リズムとピッチ生成スイッチRPS(前記のMSに相当する)と共に、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSの複数のスイッチを各区間単位毎に設けるようにしてもよい。すなわち、リズムのみを変更してメロディを再生成するように指定するリズムのみ生成スイッチRS、あるいはピッチのみを変更してメロディを再生成するように指定するピッチのみ生成スイッチPSを、リズムとピッチ生成スイッチRPSと別に設けるようにしてよい。図5にそうした場合の実施例を示す。図5は、各区間単位毎に複数のスイッチを設けた場合の一実施例を示す概念図である。
【0037】
図5から理解できるように、この実施例ではディスプレイ6A上に生成するメロディの区間単位に(ここでは、メロディ生成の最少区間単位であるフレーズ区間毎に)左側から順にリズムとピッチ生成スイッチRPS、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSの複数のスイッチを表示する。既に説明したように、メロディは複数区間単位に分類することができ、メロディ生成は該区間単位毎に生成されることから、このメロディ生成する区間単位毎にリズムとピッチ生成スイッチRPS、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSの複数のスイッチを表示する。勿論、この実施例に示すようにフレーズ区間毎に前記複数のスイッチを設けることに限らず、更に、より長い楽節区間単位又はブロック区間単位の複数のスイッチ、及び/又はより短い小節区間単位の複数のスイッチ、を設けるようにしてもよい。つまり、前述と同様に、楽節単位スイッチやフレーズ単位スイッチ等の複数の階層毎に前記複数のスイッチを設けてもよい。また、その場合、前述と同様に、各階層のスイッチに対して所定の優先順位を付与してよい。
【0038】
リズムとピッチ生成スイッチRPSを操作してリズムとピッチを共に変更対象としてメロディを再生成する場合は、上述した区間毎にメロディ生成スイッチMSを設けた場合と同じようにしてメロディを再生成するので説明を省略する。
リズムのみ生成スイッチRSを操作すると、メロディリズムのみを変更対象としてメロディを再生成する。リズムのみ生成スイッチRSを操作してメロディを生成する際に、指定された生成区間にまだリズム及びピッチが存在しない場合あるいはリズムのみが存在していてピッチが存在していない場合には、曲ジャンル等に応じて複数のリズムを記憶したデータベースから何れかのリズムを選択してリズム(発音タイミング)を生成する。その場合は、例えば、その後に、後述するピッチのみ生成スイッチPSによるピッチ生成処理を行い、生成されたリズムの各打点(発音タイミング)にピッチを割り当てる。一方、指定された生成区間にリズムとピッチの双方が存在していた場合、ピッチを保存(一部又は全部)してリズムのみを差し替える場合と、ピッチを保存しないで(破棄して)リズムを生成する場合とがある。ピッチを保存してリズムを差し替える場合、以前のリズムと同じ音符数のリズムをジャンル等に応じてデータベースから選択し、保存するピッチを以前と同じ順序で新しいリズムに割当てる。ピッチを一部保存してリズムを差し替える場合、新たなリズムの音符数は以前のリズムの音符数と異なってもよい。差し替え後の新たな音符数が保存したピッチ数よりも少ないときは、保存したピッチの前のほうから採用してあまったピッチは破棄する。差し替え後の新たな音符数が保存したピッチ数よりも多いときは、保存したピッチを以前と同じ順序で時間順に前から新しいリズムに割当てていき、不足分のピッチは新たに生成する。なお、その場合、ピッチを時間順に前から割当てていくことに限らず、後ろから順次に割当てていくようにしてもよい。一方、ピッチが存在している場合であっても、ピッチを保存しないで(破棄して)リズムを生成する場合は、存在しているピッチを全て破棄して、前述のピッチが存在していない場合と同様に、リズムのみを新たに生成する。このように、楽曲の生成区間毎にメロディリズムのみを生成する/しないを設定できるようにすると、メロディピッチを保存しつつ一部区間のメロディリズムのみを生成しなおすことができるようになる。
【0039】
ピッチのみ生成スイッチPSを操作すると、メロディピッチのみを変更対象としてメロディを再生成する。ピッチのみ生成スイッチPSを操作してメロディを生成する際には、存在しているリズムの各打点(発音タイミング)のうち、重要音に対してコード構成音をランダムに割当て、非重要音に対して音階音をランダムに割当てる。なお、このように重要音と非重要音とに分けることなく、すべての打点に対して音階音をランダムに割当てるようにしてもよい。このように、楽曲の生成区間毎にメロディピッチのみを生成する/しないを設定できるようにすると、メロディリズムを保存しつつ一部区間のメロディピッチのみを生成しなおすことができるようになる。
【0040】
なお、メロディ等の曲データを生成する方法はどのようなものでもよく、上述したように所定の部分的区間毎にメロディ等の曲データを生成する/生成しないを設定可能にしたものであれば、曲データそれ自体の生成法の如何は問わず、どのような曲データ生成法を採用してもよい。
また、メロディ生成スイッチMS(あるいはリズムとピッチ生成スイッチRPS、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSなど)は、ディスプレイ6Aの表示上に設けたソフトスイッチに限らず、ハードウエアのスイッチとしてもよい。その場合、他の機能とスイッチを兼用して用いるようにしてもよい。
また、複数のスイッチを設ける場合において、区間毎にリズムとピッチ生成スイッチRPS、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSの3種類のスイッチを設けた例を説明したが、区間毎には「生成(あるいは生成しない)」ことを指定するスイッチのみを設け、該スイッチとは別に生成対象とする内容を「リズムとピッチ」、「リズムのみ」、「ピッチのみ」のいずれかに選択できるように構成してもよい。また、区間毎にリズムとピッチ生成スイッチRPS、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSの3種類のスイッチを設けた例を説明したが、リズムとピッチ生成スイッチRPSを設けることなく、リズムのみ生成スイッチRS、ピッチのみ生成スイッチPSを同時に設定できるようにして、両スイッチが同時設定されている場合に「リズムとピッチ」を生成するように構成してもよい。
【0041】
なお、図2、図4、図5において示すように、各楽節に対応させて楽節内のピッチの盛り上がり状態及び盛り下がり状態を示す盛り上がり線MLを表示するようにしてもよい。盛り上がり線MLは各楽節内の先頭の重要打点ピッチと最後の重要打点ピッチとを結んだ線分であり、該楽節内のピッチの概略変化状態を表わしている。このようにすると、メロディを生成しなおしたい(あるいは生成しなおしたくない)区間をユーザが決定しやすくなる。また、メロディの生成の方式が入力されたモチーフを展開して1曲を生成するような方式である場合、モチーフが存在している楽節において、モチーフの存在位置を強調表示するようにしてもよい(図示の例では、斜線を施した四角形MTで表示)。このようにすると、メロディを生成しなおしたい(あるいは生成しなおしたくない)区間をユーザが決定しやすくなる。また、各楽節の同一、同類、非同類に応じて、強調表示MTの表示態様(色や塗りつぶしパターン、形状等)を異ならせるようにしてもよい。例えば、「A」や「A´」楽節は青色で表示し、「B」や「B´」楽節は赤色で表示する等である。
【0042】
本発明は、作曲済みの曲を部分修正もしくは再生成する目的で適用できるのみならず、新規の楽曲を自動作曲する場合にも適用できる。その場合は、上記実施例の場合のように図3の処理フローを開始する前に変更したい所望の曲を選択する処理を行う必要がなく、図3の処理フローから自動作曲処理が開始される。その場合、図3のステップS1で供給されるメロディ生成用データを適用する区間を、ステップS2による区間指定処理によって部分的に指定することができる。換言すれば、ステップS1で供給されるメロディ生成用データ(第1の音楽条件)を適用して作曲を行うことを禁止する部分的区間がステップS2によって指定されることになる。こうして、第1段階として、禁止された部分的区間については曲データが存在していない曲が、まず作られる。そして、第2段階として、ステップS1によって供給する音楽条件とステップS2による生成区間と非生成区間の設定内容とを変更して(つまり第2の音楽条件を設定し、それを適用する部分的区間を設定する)、再び、図3の処理フローを実行する。例えば、第1段階で作成済みの区間は非生成区間に設定し、作成済みでない区間を生成区間に設定する。こうして、ステップS1によって供給する音楽条件とステップS2による生成区間と非生成区間の設定内容とを変更しつつ、図3のフローを何回か行うことで、最終的に所望の曲が完成する。これによれば、共通の音楽条件を適用できる飛び飛びの部分的区間について、曲データを一括して自動生成でき、その際、該音楽条件を適用しない別の部分的区間については確実に曲データの自動生成を禁止できるので、効率的な自動作曲が行えることになる。
【0043】
なお、図3の例では、「メロディ生成スイッチMSのON/OFF設定に従う曲データ生成処理部分」(特にステップS5〜S8の部分)すなわち「第1の生成手段」と、「楽節記号による設定に従う曲データ生成処理部分」(特にステップS10,S11の部分、更にはS10のNO分岐のルートで使用するステップS5〜S8の部分)すなわち「第2の生成手段」とが、ひとつの処理フローの中に混在しているが、これに限らず、これらの「第1の生成手段」と「第2の生成手段」とが、明確に別々の処理フローとして分離されているか、あるいは明確に別々のハードウェアとして分離されていても差し支えない。
なお、本発明は、上記実施例で述べたようなメロディ曲データの自動作曲に限らず、伴奏曲データの自動作曲にも適用してよいのは勿論である。
【0044】
この自動作曲装置を電子楽器に適用する場合、電子楽器は鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。また、音源装置、自動作曲装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものにも同様に適用できることはいうまでもない。また、パソコンとアプリケーションソフトウェアという構成であってもよく、この場合処理プログラムを磁気ディスク、光ディスクあるいは半導体メモリ等の記憶メディアから供給したり、ネットワークを介して供給するものであってもよい。さらに、カラオケ装置や自動演奏ピアノのような自動演奏装置、ゲーム装置、携帯電話等の携帯型通信端末などに適用してもよい。携帯型通信端末に適用した場合、端末のみで所定の機能が完結している場合に限らず、機能の一部をサーバ側に持たせ、端末とサーバとからなるシステム全体として所定の機能を実現するようにしてもよい。
【0045】
自動演奏装置に適用する場合、生成するメロディの演奏データのフォーマットは、イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』形式のもの、イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した『イベント+相対時間』形式のもの、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』形式のもの、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域にイベントを記憶した『ベタ方式』形式のものなど、どのような形式のものでもよい。また生成した演奏データの自動演奏時における処理方法は、設定されたテンポに応じて処理周期を変更する方法、処理周期は一定で1回の処理において演奏データ中のタイミングデータの計数の仕方をテンポに応じて変更する方法等、どのようなものであってもよい。また、複数チャンネル分の演奏データが存在する場合は、複数のチャンネルのデータが混在した形式であってもよいし、各チャンネルのデータがトラック毎に別れているような形式であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、楽曲の部分的区間毎にメロディあるいは伴奏等の曲データの生成有無を設定できるようにし、楽曲の一部区間の曲データのみを生成しなおすことができるようにしたことから、ユーザが使い易く、かつ自由度のある曲データの再生成若しくは生成が可能となり、音楽的に完成度の高い曲データを簡単な処理で生成することもできる、という効果が得られる。また、非生成区間については曲データの生成を禁止するので、非生成区間を挟んで離れた2以上の生成区間についての曲データを同時に生成することも容易にでき、効率的である。
また、部分的区間毎の曲データの生成有無の設定に基づく曲データ生成処理と楽節記号に基づく曲データ生成処理のいずれを優先するかを指定できるようにしたことから、楽節記号の同一/類似を考慮した曲データ生成処理が可能であるばかりでなく、楽節記号の同一/類似を反映させずに自由に一部区間を指定して曲データを生成する処理も可能であり、更には、楽節記号の同一/類似を反映させながら一部区間の曲データを生成しなおすことも可能である。
【0047】
更に、楽節記号に基づく曲データ生成処理を優先させることで、例えば、既に曲データの出来上がっている区間と同じ楽節記号の曲データはコピーによって容易に生成できるので、楽節記号を優先した音楽的に確かな自動作曲を容易に行うことができ、その一方で、同じ楽節記号の先行する楽節が存在しない楽節では、部分的区間毎の曲データの生成有無の設定に基づく曲データ生成処理による曲データ生成を行うことで、自由度のある曲データの再生成若しくは生成が可能となる。こうして、ユーザにとって使い易く、また、自由度のある曲データの再生成若しくは生成も可能であり、また、音楽的に完成度の高いメロディを作曲することも比較的容易にできるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動作曲装置の全体構成の一実施例を示したハード構成ブロック図である。
【図2】 メロディ生成スイッチの一実施例を説明するための概念図である。
【図3】 メロディ生成スイッチのON/OFF設定に応じて所定の区間のメロディのみを選択的に生成する処理の一実施例を示したフローチャートである。
【図4】 楽節記号による設定に応じてメロディを生成する動作を説明するための概念図である。
【図5】 各区間単位毎に複数のスイッチを設けた場合の一実施例を示す概念図である。
【符号の説明】
1...CPU、1A...タイマ、2...ROM、3...RAM、4...検出回路、4A...演奏操作子(鍵盤等)、5...スイッチ検出回路、5A...パネル操作子(スイッチ等)、6...表示回路、6A...ディスプレイ、7...音源回路、8...効果回路、8A...サウンドシステム、9...外部記憶装置、10...MIDIインタフェース、10A...他のMIDI機器、11...通信インタフェース、11A...サーバコンピュータ、11B...通信ネットワーク、1D...データ及びアドレスバス、MS...メロディ生成スイッチ、RPS...リズムとピッチ生成スイッチ、RS...リズムのみ生成スイッチ、PS...ピッチのみ生成スイッチ
Claims (10)
- 作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定する設定手段と、
与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する生成手段と
を具え、前記生成区間と非生成区間との組み合わせからなる新たな楽曲が作成されることを特徴とする自動作曲装置。 - 作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定する設定手段と、
与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する第1の生成手段と、
楽曲を構成する楽節毎に付された楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成手段と、
前記第2の生成手段を有効にするか否かを指定する指定手段と
を具え、前記第2の生成手段を有効にしない場合は、前記第1の生成手段による曲データ生成に基づき前記生成区間と非生成区間との組み合わせからなる新たな楽曲が作成されるようにし、前記第2の生成手段を有効にした場合は、前記第1の生成手段と前記第2の生成手段との組み合わせに基づき、前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されるようにした自動作曲装置。 - 作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定する設定手段と、
与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する第1の生成手段と、
楽曲を構成する楽節毎に付された楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成手段と、
を具え、前記第1の生成手段と前記第2の生成手段との組み合わせに基づき、前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されるようにした自動作曲装置。 - 前記設定手段は、各部分的区間に対応して、発音タイミングデータのみを再生成するか否かを設定可能であり、
前記与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成する前記生成手段は、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づいて発音タイミングデータを再生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動作曲装置。 - 前記設定手段は、各部分的区間に対応して、ピッチデータのみを再生成するか否かを設定可能であり、
前記与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成する前記生成手段は、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づいてピッチデータを再生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動作曲装置。 - 作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定するステップと、
与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成するステップと
を具え、前記生成区間と非生成区間との組み合わせからなる新たな楽曲が作成されることを特徴とする自動作曲方法。 - 作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定するステップと、
与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する第1の生成ステップと、
楽曲を構成する楽節毎に付された楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成ステップと、
前記第2の生成ステップを有効にするか否かを指定するステップと
を具え、前記第 2 の生成ステップを有効にしない場合は、前記第1の生成ステップによる曲データ生成に基づき前記生成区間と非生成区間との組み合わせからなる新たな楽曲が作成されるようにし、前記第 2 の生成ステップを有効にした場合は、前記第1の生成ステップと前記第 2 の生成ステップとの組み合わせに基づき、前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されるようにした自動作曲方法。 - 作成済み楽曲の部分的区間毎に曲データを再生成するか否かを設定するステップと、
与えられた音楽条件に基づいて自動的に曲データを生成するものであって、前記設定に応じて曲データを再生成する生成区間と再生成しない非生成区間とを区別し、前記生成区間についてのみ前記与えられた音楽条件に基づく曲データを生成する第1の生成ステップと、
楽曲を構成する楽節毎に付された楽節記号に応じて曲データを生成する第2の生成ステップと、
を具え、前記第1の生成ステップと前記第 2 の生成ステップとの組み合わせに基づき、前記生成区間と非生成区間とを少なくとも一部に含み、かつ、楽節毎に付された楽節記号に応じた曲データを含む新たな楽曲が生成されるようにした自動作曲方法。 - 請求項6乃至8のいずれかに記載の自動作曲方法における各ステップをコンピュータに実行させるための命令群を内容とする、コンピュータ読取り可能な記憶媒体。
- 請求項6乃至8のいずれかに記載の自動作曲方法における各ステップをコンピュータに実行させるための命令群からなる、コンピュータによって実行可能なプログラム。
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