JPH11223944A - レジストパターン形成方法 - Google Patents

レジストパターン形成方法

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JPH11223944A
JPH11223944A JP10039763A JP3976398A JPH11223944A JP H11223944 A JPH11223944 A JP H11223944A JP 10039763 A JP10039763 A JP 10039763A JP 3976398 A JP3976398 A JP 3976398A JP H11223944 A JPH11223944 A JP H11223944A
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meth
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英治 高坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、解像度、レジスト剥離性、基板とのレ
ジスト密着性、耐エッチング性あるいは耐メッキ性に優
れ、レジストパターンを短時間、かつ高い歩留まりで行
うことができるレジストパターン形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 酸価が95〜250mgKOH/gで、重量平均分子
量が5000〜200000のベースポリマー(A)、エチレンオキ
シド変性トリメチロールプロパントリアクリレートを50
重量%以上含むエチレン性不飽和化合物(B)、自己解裂
型開始剤(C)を含有してなる感光性樹脂組成物(I)層を金
属基板表面に形成して、露光、現像し、現像終了後に活
性光線を照射するレジストパターン形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造、金属の精密加工をする際のレジストパターン形成
方法に関し、更に詳しくは、感度、解像度、レジスト剥
離性、密着性に優れ、レジストの密着不足によるエッチ
ング又はメッキでの導体のかけ、染み込みのない耐エッ
チング性あるいは耐メッキ性に優れたレジストパターン
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プリント配線板等の製造には感光
性樹脂を用いたフォトレジスト法が用いられる。このフ
ォトレジスト法に用いられるドライフィルムレジストは
ほとんどがアルカリ現像型であり、露光した後は未露光
部分を炭酸ナトリウム等のアルカリ液で現像すること
で、感光性樹脂組成物中のカルボン酸基がカルボン酸塩
となり水溶性になり、未露光部分が取り除かれ、レジス
ト画像を形成する。このように形成されたレジスト画像
を保護マスクとし、公知のエッチング処理又はパターン
めっき処理を行った後、レジスト剥離して印刷回路基板
を製造することができる。
【0003】しかしながら、42アロイ(鉄−ニッケル
合金)やステンレス等に代表されるような、銅以外の金
属基板にアルカリ現像型ドライフィルムレジストを用い
てパターン形成を行った場合には、上記金属基板とレジ
ストの密着性が低いために、エッチング時にレジスト下
部までエッチングされる現象(もぐり現象)やレジスト
の剥離現象が発生し、製品の歩留まり低下という問題を
起こしていた。かかる解決策として、特開平8−220
776号公報では、アルカリ水溶液現像型ドライフィル
ムレジストを用いた金属基板の加工方法として金属基板
にドライフィルムレジストを積層して露光、現像し、現
像終了後に遠赤外線により金属基板上のレジストを熱処
理することを提案している。又、特開平8−32826
6号公報では、現像終了後に活性光線を照射することが
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報開示技術では、ドライフィルムレジストが通常一般に
用いられるアルカリ現像型のものであり、最近の技術の
高度化、ファイン化を考慮するとまだまだ満足のいくも
のではなく、かかるレジストについても更なる改良が望
まれるのである。又、近年のプリント回路の配線パター
ン等の高密度化に伴い形成パターンの高解像度化が要求
されるようになっており、レリーフパターンの巾が10
〜200μmで、隣接するパターンとの間隔が10μm
以上で、かつ巾と高さの比が1/1.5以下である高感
度でパターン形成性が良好でなおかつレジスト剥離性が
良好な感光性樹脂組成物も必要になっている。即ち、銅
以外の金属基板を用いた場合でも感度、解像度、レジス
ト剥離性、基板とのレジスト密着性に優れ、導体への染
み込みがないといったもぐり現象や導体のかけが生じな
い耐エッチング性あるいは耐メッキ性に優れるレジスト
パターンを短時間かつ高い歩留まりで行うことができる
方法が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者はかか
る課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸価が95
〜250mgKOH/gで、重量平均分子量が5000
〜200000のベースポリマー(A)、エチレンオキ
シド変性トリメチロールプロパントリアクリレートを5
0重量%以上含むエチレン性不飽和化合物(B)、自己
解裂型開始剤(C)を含有してなる感光性樹脂組成物
(I)層を金属基板表面に形成して、露光、現像し、現
像終了後に活性光線を照射するレジストパターン形成方
法が、上記目的に合致することを見出し本発明を完成す
るに至った。
【0006】本発明では、上記感光性樹脂組成物(I)
層を少なくとも1層とするドライフィルムレジストとし
て用いることも好ましい。又、本発明では、感光性樹脂
組成物(I)が、N−フェニルグリシン(D)と2,
4,5−トリフェニルイニダゾール二量体(E)を更に
添加してなるとき、本発明の効果を顕著に発揮する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の感光性樹脂組成物(I)は、ベースポ
リマー(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、自己解
裂型開始剤(C)を含有してなり、本発明に用いるベー
スポリマー(A)としては、酸価が95〜250mgK
OH/gであることが必要で、好ましくは110〜16
3mgKOH/gである。酸価が95mgKOH/g未
満では、良好な現像性が得られず、解像力不良、パター
ン裾形状不良となり、不適であり、250mgKOH/
gを越えると耐現像液性の低下に伴う細線密着不良や、
現像中での膨潤によって解像力不良となり不適である。
【0008】又、ベースポリマー(A)の重量平均分子
量は5000〜200000であることが必要で、好ま
しくは30000〜120000であり、更に好ましく
は50000〜100000である。重量平均分子量が
5000未満では塗工乾燥によってフィルム化した際、
充分なフィルム保持性が得られず、エッジフュージョン
の原因となり不適であり、重量平均分子量が20000
0を越えると充分な現像性が得られず、解像不良の原因
となり不適である。
【0009】該ベースポリマー(A)として具体的に
は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが用
いられる。
【0010】これらの中では、(メタ)アクリレートを
主成分とし、エチレン性不飽和カルボン酸や他の共重合
可能なモノマーを共重合したアクリル系(共重合体)樹
脂、アセトアセチル基含有アクリル系(共重合体)樹脂
がベースポリマー(A)として好適に用いられる。
【0011】(メタ)アクリレートとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが
例示される。
【0012】エチレン性不飽和カルボン酸としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボ
ン酸が好適に用いられ、そのほか、マレイン酸、フマー
ル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、あるいはそれら
の無水物やハーフエステルも用いることができる。これ
らの中では、アクリル酸とメタクリル酸が特に好まし
い。
【0013】本発明のエチレン性不飽和化合物(B)は
(B)中にエチレンオキシド変性トリメチロールプロパ
ントリアクリレートを50重量%以上含むもので、更に
は60重量%以上含まれることが好ましく、特に好まし
くは65〜80重量%である。かかる含有量が50重量
%未満では良好な細線密着性が得られず好ましくない。
【0014】エチレンオキシド変性トリメチロールプロ
パントリアクリレートとは下記一般式(1)で表され
る。
【化1】 だだしl、m、nは0又は正数を示す。
【0015】エチレンオキシド変性トリメチロールプロ
パントリアクリレート以外のエチレン性不飽和化合物と
しては多官能モノマーや単官能モノマーが単独、または
2種以上用いられる。多官能モノマーとして具体的に
は、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2
−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス−(4−(メタ)アクリロ
キシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ
−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリ
シジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグ
リシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリン
ポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレートが挙
げられるが、好ましくはプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレートが用いられる。
【0016】単官能モノマーとして具体的には、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、
フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、ノニルフェノキシポ
リエチレングリコールアクリレート等が挙げられ、好ま
しくは、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)ア
クリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール
アクリレートが用いられる。
【0017】ベースポリマー(A)100重量部に対す
るエチレン性不飽和化合物(B)の割合は、25〜10
0重量部、特に35〜75重量部の範囲から選ぶことが
望ましい。エチレン性不飽和化合物(B)の割合が10
0重量部を越えると、乾燥後長期保存に耐える十分な粘
度が得られず、スリットしたロール端面よりレジストが
流れ出るエッジフュージョンを起こすので好ましくな
く、エチレン性不飽和化合物(B)の割合が25重量部
未満では乾燥後の粘度が高くなり過ぎ、可撓性不足によ
り、カッティングの際にチップが出たり、架橋成分不足
により、現像で良好なパターン形状が得られない。
【0018】自己解裂型開始剤(C)としては下記一般
式(2)で表されるもので、具体的にはベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾイルイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチ
ルエーテル、2,2−ジヒドロキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノンなどを挙げることができる。
【化2】 [式中R1はフェニル基、又は置換フェニル基、R2は水
素、水酸基、アルコキシ基、ハロゲンのいずれか、R3
は水酸基又はアルコキシ基を表す。]
【0019】かかる自己解裂型開始剤(C)の配合量は
特に限定されないが、ベースポリマー(A)100重量
部に対して、自己解裂開始剤(C)は1.0〜15重量
部が好ましく、更には2〜12重量部含まれていること
が好ましく、自己解裂開始剤(C)が1.0重量部より
も少ないと十分に硬化させるために多大な露光量を要
し、逆に15重量部よりも多いと、可塑剤的効果が大き
くエッジフュージョンの原因となり好ましくない。
【0020】更に本発明では、自己解裂型開始剤(C)
と光重合開始剤とを併用することができ、かかる光重合
開始剤としては、ベンジルジフェニルジスルフィド、ジ
ベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノ
ン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、ベンゾフェノン、p,p′−ビス(ジメチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、p,p′−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、ピバロインエチルエーテル、1,
1−ジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロ
アセトフェノン、ヘキサアリールイミダゾール二量体、
2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ジクロ
ロ−4−フェノキシアセトフェノン、フェニルグリオキ
シレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベゾ
スパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、2−メチル−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
1−プロパノン、トリブロモフェニルスルホン、トリブ
ロモメチルフェニルスルホン、アクリジン、9−フェニ
ルアクリジン、2,4−トリクロロメチル−(4′−メ
トキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロ
ロメチル−(4′−メトキシナフチル)−6−トリアジ
ン等が例示される。
【0021】更に、本発明では、感度向上の目的でN−
フェニルグリシン(D)を配合することも有用で、配合
割合は(A)100重量部に対して0.03〜0.6重
量部、特に0.05〜0.4重量部が好ましく、0.0
3重量部未満では感度向上の効果が望めず、0.6重量
部を越えると未露光状態でベース染料の変色を起こし好
ましくない。
【0022】又、本発明では、内部硬化を向上させる目
的で2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体
(E)を配合することも有用で、配合割合は(A)10
0重量部に対して0.5〜15重量部、特に1.0〜
5.0重量部が好ましく、0.5重量部未満では十分な
内部硬化が得られない為、現像後のパターン形状が悪化
し好ましくなく、15重量部を越えると未露光状態で保
存中に2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体
(E)が結晶化して析出することがあり好ましくない。
【0023】本発明の感光性樹脂組成物(I)には、そ
のほか、染料(着色、発色)、密着性付与剤、可塑剤、
酸化防止剤、熱重合禁止剤、溶剤、表面張力改質材、安
定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤、などの添加剤を適
宜添加することができる。
【0024】かくして得られた感光性樹脂組成物(I)
はレリーフパターン製造、プリント配線板(PWB)や
透明電極等の加工の際のエッチングレジスト又はメッキ
レジスト等に幅広く利用することができるが、特に厚膜
のレリーフパターンの製造に最適である。
【0025】本発明において使用され得る感光性樹脂組
成物(I)は普通、積層構造のフォトレジストフィルム
として用いられる。該フォトレジストフィルムは、本発
明の感光性樹脂組成物(I)を少なくとも1層とするも
のであり、支持体フィルム、感光性樹脂組成物(I)層
及び必要に応じて保護フィルムを順次積層したもので、
例えば、支持体フィルム/感光性樹脂組成物(I)(/
保護フィルム)の層構成が挙げられる。
【0026】本発明に用いられる支持体フィルムは、感
光性樹脂組成物(I)層を形成する際の耐熱性及び耐溶
剤性を有するものである。前記支持体フィルムの具体例
としては、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリビニルアルコールフィルム、アルミニウム
箔などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定
されるものではない。なお、前記支持体フィルムの厚さ
は、該フィルムの材質によって異なるので一概には決定
することができず、通常該フィルムの機械的強度などに
応じて適宜調整されるが通常は3〜50μm程度であ
る。
【0027】前記感光性樹脂組成物(I)層の厚さは、
あまりにも小さい場合には塗工、乾燥する際に、被膜が
不均一になったり、ピンホールが生じやすくなり、又あ
まりにも大きい場合には、露光感度が低下し、現像速度
が遅くなるため、通常5〜300μm、なかんずく7〜
50μmであることが好ましい。
【0028】本発明に用いられる保護フィルムは、フォ
トレジストフィルムをロール状にして用いる場合に、粘
着性を有する感光性樹脂組成物(I)層が支持体フィル
ムに転着したり、感光性樹脂組成物(I)層に壁などが
付着するのを防止する目的で感光性樹脂組成物(I)層
に積層して用いられる。かかる保護フィルムとしては、
例えばポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、
ポリプロピレンフィルム、テフロンフィルム、ポリビニ
ルアルコールフィルムなどが挙げられるが、本発明はか
かる例示のみに限定されるものではない。なお、該保護
フィルムの厚さについては特に限定はなく、通常10〜
50μm、なかんずく10〜30μmであればよい。
【0029】上記の感光性樹脂組成物(I)を用いたド
ライフィルムレジストは、例えば、上記の感光性樹脂組
成物(I)をポリエステルフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコール
系フィルムなどの支持体フィルム面に塗工した後、必要
に応じてその塗工面の上からポリエチレンフィルム等の
保護フィルムを被覆してドライフィルムレジストとして
製造される。ドライフィルムレジスト以外の用途として
は、本発明の感光性樹脂組成物(I)を、ディップコー
ト法、フローコート法、スクリーン印刷法等の常法によ
り、加工すべき基板上に直接塗工し、厚さ1〜150μ
mの感光層を容易に形成することもできる。塗工時に、
メチルエチルケトン、メチルセロソルブアセテート、エ
チルセロソルブアセテート、シクロヘキサン、メチルセ
ルソルブ、塩化メチレン、1,1,1−トリクロルエタ
ン等の溶剤を添加することもできる。
【0030】ドライフィルムレジストによって画像を形
成させるには、支持体フィルムと感光性樹脂組成物
(I)層との接着力及び保護フィルムと感光性樹脂組成
物(I)層との接着力を比較し、接着力の低い方のフィ
ルムを剥離してから感光性樹脂組成物層の側を金属基板
の金属面に貼り付けた後、他方のフィルム上にパターン
マスクを密着させて露光する。感光性樹脂組成物(I)
が粘着性を有しないときは、前記他方のフィルムを剥離
してからパターンマスクを感光性樹脂組成物(I)層に
直接接触させて露光することもできる。金属面に直接塗
工した場合は、その塗工面に直接またはポリエステルフ
ィルムなどを介してパターンマスクを接触させ、露光に
供する。
【0031】尚、本発明の厚膜ファインパターンの形状
及び寸法としては、レリーフパターンの巾が10〜20
0μmで隣接するパターンとの間隔が10μm以上で、
かつ巾と高さの比は1/1.5以下、好ましくは1/
2.0以下である。又、パターンの断面形状がほぼ矩形
を有し、側面と基板とのなす角度が90°±10°(8
0°〜100°)、更に隣接パターンとの間隔は10μ
m以上である。上記の如く本発明に適した厚膜レジスト
を形成されるためには、一度の操作で所望の厚膜を得る
ことが困難であることが多い。そこで上記のドライフィ
ルムの積層においては、ベースフィルム上に形成したレ
ジストを基材上に転写する操作を繰り返す多段ラミネー
ト操作を行って、所望の厚膜とする方法が推奨される。
更には100μm以上の厚さの厚膜レジストを容易に形
成することができる。
【0032】露光に際しては通常紫外線照射により行
い、その際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドラ
ンプ、ケミカルランプなどが用いられる。紫外線照射後
は、必要に応じ加熱を行って、硬化の完全を図ることも
できる。
【0033】露光後は、レジスト上のフィルムを剥離除
去してから現像を行う。本発明の感光性樹脂組成物
(I)は稀アルカリ現像型であるので、露光後の現像
は、炭酸ソーダ、炭酸カリウムなどのアルカリ0.3〜
2重量%程度の稀薄水溶液を用いて行う。該アルカリ水
溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるた
めの少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
【0034】本発明では、上記の現像が終了した後に、
更に活性光線を照射する必要がある。活性光線として
は、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンラン
プ、メタルハライド等が挙げられる。活性光線の照射量
は、0.5〜3J/cm2とすることが好ましく、1〜
2J/cm2とすることがより好ましい。該照射量が
0.5J/cm2未満では得られる効果が不充分となる
傾向があり、3J/cm2を越えるとレジストの剥離性
が著しく低下する傾向がある。又、活性光線を照射する
効果を補助する目的で、活性光線を照射する工程の前及
び後の工程に、鉄を含む金属表面を有する基板を加熱す
ることが好ましい。
【0035】その後、通常塩化第二銅−塩酸水溶液や塩
化第二鉄−塩酸水溶液等の酸性エッチング液を用いて常
法に従ってエッチングを行う。希にアンモニア系のアル
カリエッチング液も用いられる。メッキ法は、脱脂剤、
ソフトエッチング剤などのメッキ前処理剤を用いて前処
理を行った後、メッキ液を用いてメッキを行う。メッキ
液としては、銅メッキ液、ニッケルメッキ液、鉄メッキ
液、銀メッキ液、金メッキ液、錫メッキ液、コバルトメ
ッキ液、亜鉛メッキ液、ニッケルコバルトメッキ液、は
んだメッキ液等が挙げられる。
【0036】エッチング工程又はメッキ工程後、残って
いる硬化レジストの剥離を行う。硬化レジストの剥離除
去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの0.5
〜5重量%程度の濃度のアルカリ水溶液からなるアルカ
リ剥離液を用いて行う。
【0037】本発明のレジストパターンの形成方法は、
酸価が95〜250mgKOH/gで、重量平均分子量
が5000〜200000のベースポリマー(A)、エ
チレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリ
レートを50重量%以上含むエチレン性不飽和化合物
(B)、自己解裂型開始剤(C)を含有してなる感光性
樹脂組成物(I)を用い、現像終了後に活性光線を照射
するため、銅以外の金属基板を用いた場合でも基板とレ
ジストの密着性に優れ、導体への染み込みや導体のかけ
がなく、レジストパターンを短時間かつ高い歩留まりで
行うことができ、更に厚膜ファインパターンを形成する
ことができるのである。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述す
る。尚、ことわりのない限り「%」及び「部」は重量基
準である。 実施例1 (ドープの調製)下記のベースポリマー(A)100部
にエチレン性不飽和化合物(B)67部、2,2′−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン(C)10部、
N−フェニルグリシン(D)0.4部、2,4,5−ト
リフェニルイミダゾール二量体(E)3.5部を配合し
てよく混合し、ドープを調製した。ベースポリマー(A) メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート/メ
タクリル酸の共重合割合が重量基準で50/25/25
である共重合体(酸価163mgKOH/g、ガラス転
移点94℃、重量平均分子量7万)。エチレン性不飽和化合物(B) エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアク
リレート67%、ポリピロピレングリコールジアクリレ
ート33%からなるモノマーの混合物。
【0039】上記の(A)、(B)、(C)を混合し得
られた塗工液を、ギャップ10ミルのアプリケーターを
用いて厚さ20μmのポリエステルフィルム上に塗布、
乾燥することにより、膜厚50μmのレジストを作製し
た。次にメチルエチルケトンで表面洗浄を行った厚さ2
mmのステンレススチール基板を60℃に加温し、その
表面に上記で得たレジストの塗工層を圧着してラミネー
トした。その後、ポリエステルフィルムをはがして、再
度ラミネートを行い、更に同様のラミネート操作を計4
回繰り返すことにより、ステンレススチール基板上に厚
さ200μmのレジストを形成させた。
【0040】次いで得られた基材に、2kw水銀ショー
トアーク灯(平行光源)で、ストーファー21段ステッ
プタブレット(光透過量が段階的に少なくなるように作
られたネガフィルム)の数値が9となる露光量で露光を
行った。露光後15分経過してからポリエステルフィル
ムを剥離し、20℃で0.5%炭酸ナトリウム水溶液を
ブレークポイント(未露光部分が完全溶解する時間)の
1.5倍の現像時間でスプレーすることにより未露光部
分を溶解除去して硬化樹脂画像を得た。
【0041】次に、8kw高圧水銀灯(コンベアー型紫
外線照射装置)により光量2J/cm2の活性光線照射
を行った後、この基材をニッケルメッキ液によりメッキ
を行った。次に60℃の3%水酸化ナトリウム水溶液で
1.5kg/cm2でスプレーし、剥離を行い画像を形
成した。
【0042】本発明において以下の項目を下記の如く評
価した。 (イ)エッジフュージョン ポリエステルフィルムを積層したまま、作製したレジス
トを300mm幅、120m長にスリット、ロール化
し、該ロールを30℃、60RH%の恒温、恒湿機中に
横おきに遮光下で放置し、端面のレジストの浸みだし
を、目視で以下の様に評価した。 ○・・・3日間放置しても浸みだしがない。 ×・・・3日間放置中に浸みだしを確認。
【0043】(ロ)感度 上記ステンレススチール基板上に設けた200μm厚の
レジストをカバーフィルムを除去後、炭酸ナトリウム
0.5重量%、20℃の現像液をスプレー圧0.5kg
/cm2で噴霧し、基板表面が見えるまでの時間を最小
現像時間とし、最小現像時間の1.5倍の時間で、スト
ファーの21段のステップダブレットを用いて現像した
時、ステップ9を与える露光量(mj/cm2)を求め
た。 (ハ)解像度 上記露光量におけるライン巾200μmのパターンの解
像可能なスペースの巾を測定した。
【0044】(ニ)剥離性 ライン/スペース=200μm/200μmのパターン
を形成後、そのスペース部に高さ180〜200μmの
ニッケルメッキを行った後、60℃の3%水酸化ナトリ
ウム水溶液を1.5kg/cm2でスプレーして、剥離
を行い、以下の様に評価した。 ○・・・30分以内で剥がれ、剥離片の一部がNiメッ
キ部に残らない。 △・・・30分以内で剥がれるが、剥離片の一部がNi
メッキ側面に付着する。 ×・・・30分では剥がれない。
【0045】(ホ)密着性 ライン巾10〜200μmにおいて5μm毎にラインを
設けたパターンマスク(ラインは1本のみ−スペース巾
∞)を用いて上記の解像性評価と同様に現像して密着性
良好な最小ライン巾(μm)を調べた。
【0046】(ヘ)耐メッキ性 ・導体への染み込みにより下記の如く評価した。ライン
/スペース=400μm/300μmの現像後、レジス
トパターンをメッキし、レジストを剥離した後、基材を
拡大顕微鏡で観察してメッキ液の染み込み具合を目視評
価した。評価基準は下記の通りである。 ◎・・・染み込みなし ○・・・2μm未満の染み込みあり △・・・2〜5μm未満の染み込みあり ×・・・5μm以上の染み込みあり
【0047】実施例2 実施例1において、N−フェニルグリシン(D)を除い
た以外は、実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製
し、同様に評価を行った。
【0048】実施例3 実施例1において、2,4,5−トリフェニルイミダゾ
ール二量体(E)を除いた以外は、実施例1に準じて感
光性樹脂組成物を調製し、同様に評価を行った。
【0049】実施例4 実施例1において、N−フェニルグリシン(D)、2,
4,5−トリフェニルイミダゾール二量体(E)を除い
た以外は、実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製
し、同様に評価を行った。
【0050】実施例5 実施例1において、エチレン性不飽和化合物(B)とし
てエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレートの含量を80%、ポリピロピレングリコール
ジアクリレート20%からなるモノマーの混合物を用い
た以外は、実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製
し、同様に評価を行った。
【0051】実施例6 下記ベースポリマー(A)を125部用いた以外は、実
施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製し、同様に評価
を行った。ベースポリマー(A) メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/2−
エチルヘキシルアクリレート/メタクリル酸の共重合割
合が重量基準で48/10/20/22である共重合体
(酸価143mgKOH/g、ガラス転移点40.1
℃、重量平均分子量7.5万)。
【0052】比較例1 実施例1において、エチレン性不飽和化合物(B)とし
てエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリア
クリレートを40%、ポリピロピレングリコールジアク
リレート60%からなるモノマーの混合物を用いた以外
は、実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製し同様に
評価を行った。
【0053】比較例2 実施例1において、エチレンオキシド変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレートの替わりにトリメチロール
プロパントリアクリレートを用いた以外は、実施例1に
準じて感光性樹脂組成物を調製し同様に評価を行った。
【0054】比較例3 実施例1において、エチレン性不飽和化合物(B)とし
て2、2′−ビス−(4−メタクリロキシポリエトキシ
フェニル)プロパン(BPE)のみを用いた以外は、実
施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製し同様に評価を
行った。
【0055】比較例4 実施例1において、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン(C)10部の替わりにp,p′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン1部を用いた以外
は、実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製し同様に
評価を行った。
【0056】比較例5 実施例1において酸価が91mgKOH/gのポリマー
を用いて実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製し同
様に評価を行った。
【0057】比較例6 実施例1において酸価が251mgKOH/gのポリマ
ーを用いて実施例1に準じて感光性樹脂組成物を調製し
同様に評価を行った。
【0058】比較例7 実施例1において重量平均分子量が3000の下記ベー
スポリマー(A)を用いて実施例1に準じて感光性樹脂
組成物を調製し同様に評価を行った。ベースポリマー(A) メチルメタクリレート/スチレン/メタクリル酸の共重
合割合が重量基準で45/30/25である共重合体
(酸価163mgKOH/g、ガラス転移点118
℃)。
【0059】比較例8 実施例1において重量平均分子量が25万の下記ベース
ポリマー(A)を用いて実施例1に準じて感光性樹脂組
成物を調製し同様に評価を行った。ベースポリマー(A) メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタ
クリル酸の共重合割合が重量基準で65/10/25で
ある共重合体(酸価163mgKOH/g、ガラス転移
点94℃)。
【0060】比較例9 実施例1において、活性光線照射を施さなかった以外は
同様に行い、上記と同様に評価した。実施例及び比較例
の評価結果は、表1に示す。
【0061】
【表1】 (イ) (ロ) (ハ) (ニ) (ホ) (ヘ) エッジフュ 感度 解像度 剥離性 密着性 耐メッキ性 ージョン (mj/cm2) (μm) (μm) 導体への染み込み 実施例1 ○ 80 70 ○ 70 ◎ 実施例2 ○ 160 100 ○ 70 ◎ 実施例3 ○ 112 100 ○ 100 ◎ 実施例4 ○ 160 100 ○ 100 ◎ 実施例5 ○ 80 70 ○ 80 ◎実施例6 ○ 96 70 ○ 80 ◎ 比較例1 ○ 80 100 ○ 150 ◎ 比較例2 ○ 80 100 ○ 150 ◎ 比較例3 ○ 112 80 × 100 ◎ 比較例4 ○ 112 200 ○ 200 × 比較例5 × 80 300 × 100 ○ 比較例6 ○ 160 200 ○ 200 △ 比較例7* × −−− −−− − −−− − 比較例8 ○ 112 300 △ 100 ◎比較例9 ○ 80 70 ○ 70 △ *ラミネートができず、(ロ)〜(ヘ)の評価ができなかった。
【0062】
【発明の効果】本発明の方法は、銅以外の金属基板を用
いた場合でも、感度、解像度、レジスト剥離性、基板と
のレジスト密着性に優れ、導体への染み込みがないとい
ったもぐり現象や導体のかけが生じない耐エッチング性
あるいは耐メッキ性に優れるレジストパターンを短時間
かつ高い歩留まりで行うことができるもので、印刷配線
板の製造、リードフレームの製造、厚膜レリーフパター
ンの製造、金属の精密加工等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/18 H05K 3/18 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価が95〜250mgKOH/gで、
    重量平均分子量が5000〜200000のベースポリ
    マー(A)、エチレンオキシド変性トリメチロールプロ
    パントリアクリレートを50重量%以上含むエチレン性
    不飽和化合物(B)、自己解裂型開始剤(C)を含有し
    てなる感光性樹脂組成物(I)層を金属基板表面に形成
    して、露光、現像し、現像終了後に活性光線を照射する
    ことを特徴とするレジストパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂組成物(I)層を少なくとも
    1層とするドライフィルムレジストを用いることを特徴
    とする請求項1記載のレジストパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 感光性樹脂組成物(I)が、N−フェニ
    ルグリシン(D)と2,4,5−トリフェニルイミダゾ
    ール二量体(E)を更に添加してなる感光性樹脂組成物
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のレジスト
    パターン形成方法。
  4. 【請求項4】 感光性樹脂組成物(I)が、酸価が95
    〜250mgKOH/gで、重量平均分子量が5000
    〜200000のベースポリマー(A)100重量部に
    対して、エチレン性不飽和化合物(B)が25〜100
    重量部、自己解裂型開始剤(C)が1.0〜15重量
    部、N−フェニルグリシン(D)が0.03〜0.6重
    量部、2,4,5−トリフェニルイミダゾール二量体
    (E)が0.5〜15重量部配合されてなる感光性樹脂
    組成物であることを特徴とする請求項3記載のレジスト
    パターン形成方法。
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