JPH11223653A - 車両用電源線及び車両用電源線の異常検出装置 - Google Patents

車両用電源線及び車両用電源線の異常検出装置

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JPH11223653A
JPH11223653A JP10025694A JP2569498A JPH11223653A JP H11223653 A JPH11223653 A JP H11223653A JP 10025694 A JP10025694 A JP 10025694A JP 2569498 A JP2569498 A JP 2569498A JP H11223653 A JPH11223653 A JP H11223653A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 デッドショート等になる前の段階での異常を
検出かつ報知して、安全性を向上し、デッドショート等
の主電源線の異常を高い信頼性をもって検出することが
できる車両用電源線を提供する。 【解決手段】 全体的に細長の平板形状の異常検知電線
31を管形状にして主電源線に巻き付ければ異常検知電
線31を簡易に巻き回すことができる。このような異常
検知電線31では、温度抵抗体34による異常温度の検
出があり、かつ温度抵抗体34の短絡異常の検出がある
場合は、主電源線自体にデッドショートやレアショート
が生じている可能性が高いことを意味する。一方、温度
抵抗体34による異常温度の検出があり、かつ温度抵抗
体34の短絡異常の検出がない場合は、負荷の故障に起
因する負荷ショートによって主電源線に過電流が流れて
いる可能性が高いことを意味する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用電源線及び車
両用電源線の異常検出装置に関し、特に当該電源線に完
全ショート(デッドショート)や断続ショート(レアシ
ョート)等の異常が発生したことを検出する場合に適用
して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両においては、一般にバッテリ
やオルタネータ等の電源部から、ワイヤハーネスと呼ば
れる電源線を介して各負荷に電力を供給するようになっ
ている。このワイヤハーネスは一般に、複数の導電線を
ポリ塩化ビニルなどの絶縁被覆層でそれぞれ被覆し、さ
らにそれらをビニルテープ等により集束した構成となっ
ている。
【0003】ここで導電線の中で特に大電流を必要とす
る負荷に接続されるものはヒュージブルリンクに接続さ
れており、これによりバッテリやオルタネータ等の電源
部の電圧変動時や導電線のデッドショート時に発生する
過大電流による各負荷の破損やワイヤハーネスの劣化を
防止できるようになっている。
【0004】ところで、車両では、絶縁被膜層が経年劣
化したり、車両エッジ部との接触、磨耗等により、導電
線がボディーに接触し、いわゆるデッドショートやレア
ショート状態になる場合がある。このときヒュージブル
リンクが溶断して導電線の電流が遮断されれば問題ない
が、ヒュージブルリンクの溶断特性によっては必ずしも
ヒュージブルリンクが溶断するとは限らない。このよう
な場合、絶縁被膜層が発熱する結果、絶縁被膜層がさら
に劣化していくおそれがある。
【0005】そこで従来、特開昭61−139216号
公報に示すように、ワイヤハーネスを流れる電流波形を
検出し、この電流波形に基づいてワイヤハーネスのデッ
ドショートやレアショートの有無を判断して、ワイヤハ
ーネスにデッドショートやレアショートが発生している
場合に警報を発する装置が提案されている。
【0006】すなわち、同公報には、バッテリと負荷と
を接続するワイヤハーネス上に設けた電流センサにより
ワイヤハーネスを流れる電流値を検出し、この電流値を
電流変化検出回路で微分し、ディジタル化回路を介して
波形識別回路に送出するものが開示されている。波形識
別回路はディジタル化回路の出力に基づいて、ワイヤハ
ーネスに流れている電流が正常負荷のオンオフによるも
のか、デッドショートによるものか、又はレアショート
によるものかの4つのレベルに識別する。そしてデッド
ショートやレアショートによるものであった場合には、
ブレーカを遮断状態とすると共に警報装置からワイヤハ
ーネスが損傷していることを表す警報を発するようにな
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に開示される従来技術において、デッドショートやレ
アショートによる場合に初めて警報を発すようになるの
で、デッドショート等になる前の段階で何らかの異常を
検出して、その異常を報知し、安全性を向上するという
要請がある。また、ワイヤハーネスを構成する各導電線
毎に電流値の検出を行わなければならないため、電流セ
ンサなどの部品点数も非常に多くなり、コストが嵩むと
いう問題がある。
【0008】さらに、ワイヤハーネスを流れる電流を検
出することでワイヤハーネスの損傷等に起因する異常を
検出するには、損傷等とは別の要因、すなわち負荷電流
のばらつき、温度、バッテリ残量に応じて変化する電流
値を考慮した検出処理を行わなければならない。この結
果、電源線の異常の検出処理が複雑化すると共にそのた
めの構成も複雑になり、コストが嵩む要因になってい
た。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、デッドショート等になる前の段階での異常を検出か
つ報知して、安全性を向上し、また、簡単な構成にし
て、コストを低減し、さらに、デッドショート等の主電
源線の異常を高い信頼性をもって検出することができる
車両用電源線及び車両用電線線の異常検出装置を提案し
ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明により成された請求項1に記載の発明は、バッ
テリやオルタネータ等の電源部と負荷等の電源供給対象
とを互いに接続して、前記電源部から電流を前記電源供
給対象に供給する車両用電源線20において、前記車両
用電源線20は、主電源線21および異常検知電線31
を備え、前記主電源線21は、導電線22および電気的
絶縁体23を有し、前記導電線22は、前記電源部と前
記電源供給対象とを電気的に接続し、前記電気的絶縁体
23は、前記導電線22を被覆しており、前記異常検知
電線31は、三層体32と、該三層体32を被覆する絶
縁被膜35とを有していて、全体的に細長の平板形状を
しており、前記三層体32は、第1の導体132、第2
の導体232および、温度抵抗体34を有しており、前
記第1の導体132および前記第2の導体232は、前
記三層体32の上層および下層を構成しており、前記温
度抵抗体34は、前記三層体32の中間層を構成してい
て、温度の変化に応じてその抵抗値が変化し、前記異常
検知電線31は、その長手方向が管軸方向と平行になる
ように管形状に形成されていて、前記主電源線21に巻
き付いていることを特徴とする車両用電源線20であ
る。
【0011】請求項1に記載の発明では、全体的に細長
の平板形状の異常検知電線31を管形状にして主電源線
21に巻き付けるようにすれば、主電源線21に異常検
知電線31を簡易に巻き回すことができる。
【0012】このような異常検知電線31では、温度抵
抗体34の抵抗値を検出することで、主電源線21の温
度異常を検出することができ、主電源線21の導電線2
2が短絡する前の段階であっても、異常を検出すること
ができる。また、温度抵抗体34に短絡があると、その
短絡異常を検出することができる。
【0013】すなわち、温度抵抗体34による異常温度
の検出があり、かつ、温度抵抗体34の短絡異常の検出
がある場合は、主電源線21自体にデッドショートやレ
アショートが生じている可能性が高いことを意味する。
これに対して、温度抵抗体34による異常温度の検出が
あり、かつ、温度抵抗体34の短絡異常の検出がない場
合は、負荷の故障に起因する負荷ショートによって主電
源線21に過電流が流れている可能性が高いことを意味
する。
【0014】このように、温度抵抗体34による温度異
常または、温度抵抗体34の短絡異常の両方の検出結果
に基づき、過電流が流れている原因がどこの箇所にある
のかを特定することができる。この結果、特定された異
常部品を交換又は修理すれば、過電流の発生要因を容易
に取り除くことができる。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記第1の導体
132および第2の導体232は、網板形状にそれぞれ
形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両
用電源線20である。
【0016】請求項2に記載の発明では、管形状の異常
検知電線31が主電源線21に巻き付いていて、主電源
線21が異常検知電線31を構成する網板形状の第1の
導体132および第2の導体232により覆われている
ので、第1の導体132および第2の導体232が、オ
ルタネータ等から発生する電界ノイズや車両制御用のC
PU等から発生する磁界ノイズを吸収して、各ノイズが
主電源線21へ伝搬するのを防止することができる。
【0017】請求項3に記載の発明は、前記第1の導体
132および第2の導体232部には、ドレンワイヤ3
6がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1
または2に記載の車両用電源線20である。
【0018】請求項3に記載の発明では、三層体32を
絶縁被膜35で覆って成る異常検知電線31を連続して
製作しておき、その連続する異常検知電線31を、巻き
付けるべき主電源線21の長さに適応させて切断し、そ
の切断された異常検知電線31の第1の導体132およ
び第2の導体232の端部にドレンワイヤ36をそれぞ
れ接続すれば、各種の主電源線21の長さに応じた各種
の異常検知電線31を簡易に製作することができる。
【0019】請求項4に記載の発明は、前記絶縁被膜3
5は一対のフィルム体135,235を有し、前記一対
のフィルム体135,235は、前記三層体32の両面
をそれぞれ被覆するとともに、各フィルム体135,2
35の側縁部同士が接着されていることを特徴とする請
求項1、2または3に記載の車両用電源線20である。
【0020】請求項4に記載の発明では、三層体32を
構成する第1の導体132、第2の導体232および温
度抵抗体34を連続的にそれぞれ製作し、これらを三層
体32にしてを長手方向にそれぞれ送り、この三層体3
2の両面を一対のフィルム体135,235でそれぞれ
被覆しながら、一対のフィルム体135,235の側縁
部同士をそれぞれ接着させていけば、異常検知電線31
を連続的に製作することができる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
に記載の車両用電源線の異常を検出する車両用電源線2
0の異常検出装置において、前記温度抵抗体34により
得られる温度検出出力に基づいて前記主電源線21が異
常温度になったことを検出する異常温度検出手段41
と、前記温度抵抗体34の短絡を検出する短絡検出手段
45と、前記異常温度検出手段41による温度異常およ
び、前記短絡検出手段45による短絡異常が検出された
場合に、該各異常をそれぞれ報知するための報知手段4
4とを具えることを特徴とする車両用電源線の異常検出
装置40である。
【0022】請求項5に記載の発明では、異常検知電線
31の被膜となる絶縁被膜35が車体のエッジなどによ
って損傷し、温度抵抗体34が短絡すると、その短絡を
短絡検出手段45が検出し、その短絡を報知手段44が
報知するようになる。
【0023】短絡検出手段45による短絡異常が検出さ
れ、かつ、異常温度検出手段41により主電源線21の
温度異常が検出される場合は、主電源線21自体にデッ
ドショートやレアショートが生じている可能性が高いこ
とを意味する。
【0024】これに対して、短絡検出手段45による短
絡異常が検出されないで、かつ、異常温度検出手段41
により主電源線21の温度異常が検出される場合は、負
荷の故障に起因する負荷ショートによって主電源線21
に過電流が流れている可能性が高いことを意味する。
【0025】このように、温度異常検出手段41および
短絡検出手段45の両方の検出結果に基づき、過電流が
流れている原因がどこの箇所にあるのかを特定すること
ができる。この結果、特定された異常部品を交換又は修
理すれば、過電流の発生要因を容易に取り除くことがで
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施形態を説明する。図1〜図4は、本発明の一実施形態
を示している。図1は、本発明の一実施形態に係る異常
検知電線を部分的に破断して示した斜視図である。図2
は同じく、異常検知電線の斜視図である。図3は同じ
く、異常検知電線の部分断面図である。図4は同じく、
車両用電源線の異常検出装置のブロック図である。
【0027】図4に示すように、車両用電源線20は複
数の主電源線21を有し、各主電源線21は、導電線2
2と当該導電線22を被覆する電気的絶縁体23とから
成る。主電源線21の一端は、電源ボックス10に接続
されている。また主電源線21の他端はそれぞれ対応す
る負荷(図示せず)に接続されている。ここで電源ボッ
クス10は、図示しない電源線によりバッテリやオルタ
ネータ等の電源部に接続されており、電源部の電源を各
主電源線21に分配するようになっている。
【0028】また、図4に示すように、車両用電源線2
0においては、管形状に形成された異常検知電線31に
より、複数の主電源線21が嵌挿されていて、集束され
るようになっている。
【0029】図1〜図3に示すように、異常検知電線3
1は、三層体32および絶縁被膜35を有している。三
層体32は、第1の導体132、第2の導体232およ
び、温度抵抗体34を有している。第1の導体132お
よび第2の導体232は、網板形状に形成され、第1の
導体132と第2の導体232との間には、絶縁材を平
板形状に形成して成る温度抵抗体34が介在している。
温度抵抗体34は、温度変化に応じて抵抗値が変化する
もので、本実施形態の場合、NTC(negativetemperat
ure coefficient)型あるいは、PTC(positive temp
erature coefficient )型のプラスチックサーミスタが
用いられている。
【0030】図1、図2および図4に示すように、異常
検知電線31の第1の導体132および第2の導体23
2はドレンワイヤ36を介してコネクタにそれぞれ接続
されている。コネクタは、後述の異常温度検出手段41
および短絡検出手段45に接続されている。
【0031】異常検出装置40は、異常温度検出手段4
1、電源遮断手段43、報知手段44および、短絡検出
手段45を有している。異常温度検出手段41および、
短絡検出手段45は、リレー(図示省略)をそれぞれ有
している。また報知手段44は、温度異常表示ランプお
よび、短絡異常表示ランプを有していて、各異常が発生
した場合に点灯するようになっている。
【0032】異常温度検出手段41は、ブリッジ回路お
よびコンパレータ(共に図示省略)を有し、ブリッジ回
路は、温度抵抗体34を含み、一対の抵抗および可変抵
抗を有している。コンパレータは、ブリッジ回路からの
二つの出力を比較することにより、主電源線21が発煙
温度近傍の異常温度(200℃)以上になったか否かを
検出する。
【0033】異常温度検出手段41は、主電源線21の
温度異常を検出すると、リレーのコイルが通電し、リレ
ーの接点が閉じて、報知手段44の温度異常表示ランプ
に通電するように構成されている。異常温度は、ブリッ
ジ回路の可変抵抗値を適宜選択することにより所望の温
度に容易に設定することができる。
【0034】同じく、短絡検出手段45は、温度抵抗体
34の短絡を検出すると、リレーのコイルが通電し、リ
レーの接点が閉じて、報知手段44の短絡異常表示ラン
プに通電するように構成されている。
【0035】また、電源遮断手段43は温度抵抗体34
が短絡して過電流が流れると、電源を自動的に遮断する
ように構成されている。電源遮断手段43は、過電流に
より溶断して、電源を遮断するヒューズであってもよ
い。
【0036】異常検知電線31を製作するには、先ず、
三層体32を構成する第1の導体132、第2の導体2
32および、温度抵抗体34をそれぞれ連続的に製作し
ておく。また、絶縁被膜35となる一対のフィルム体1
35,235を同じくそれぞれ連続的に製作しておく。
【0037】次に、第1の導体132、第2の導体23
2および、温度抵抗体34を三層に重ね合わせて三層体
32を連続的に製作するとともに、その連続的な三層体
32の両面に一対のフィルム体135,235を被覆し
て、各フィルム体135,235の側縁同士を接着す
る。それにより、異常検知電線31を連続的に製作する
ことができる。
【0038】以上の連続的に製作された異常検知電線3
1を主電源線21に巻き付けるには、巻き付けるべき主
電源線21の長さに適応させて異常検知電線31を切断
し、その切断された異常検知電線31の第1の導体13
2および第2の導体232の端部にドレンワイヤ36を
それぞれ接続すれば、各種の主電源線21の長さに応じ
た各種の異常検知電線31を簡易に製作することができ
る。
【0039】適当な長さに切断され、全体的に細長の平
板形状の異常検知電線31を長手方向が管軸方向と平行
になるように管形状にして主電源線21に巻き付けるよ
うにすれば、異常検知電線31を主電源線21に簡易に
巻き回すことができる。
【0040】以上の構成において、負荷故障等の連続短
絡や主電源線21のショートにより主電源線21に過電
流が流れると主電源線21の電気的絶縁体23の温度が
上昇する。このとき温度抵抗体34の温度もこれに伴っ
て上昇していき、主電源線21の発煙温度近傍の異常温
度(200℃)に達すると、異常温度検出手段41のリ
レーのコイルが通電して、リレーの接点が閉じ状態にな
り、報知手段44の温度異常表示ランプに通電して、温
度異常表示ランプが点灯する。このとき、注意を促すべ
く警告ブザーを鳴らしても良い。
【0041】異常検知電線31の絶縁被膜35が車両エ
ッジ部などの接触により摩耗して当該車体エッジ部が温
度抵抗体34まで達し、温度抵抗体34がボディーに接
触し、温度抵抗体34は短絡状態になると、短絡検出手
段45のリレーのコイルが通電して、そのリレーの接点
が閉じ状態になり、報知手段44の短絡異常表示ランプ
に通電して、短絡異常表示ランプが点灯する。また、電
源遮断手段43により電源が遮断される。このとき、同
じく、注意を促すための警告ブザーを鳴らしても良い。
【0042】かくして、異常検出装置40においては、
報知手段44の短絡異常表示ランプが点灯しないで、報
知手段44の温度異常表示ランプが点灯する場合には、
主電源線21や異常検知電線31に異常がなく、負荷の
故障に起因する負荷ショートによって主電源線21に過
電流が流れている可能性が高いこと判断することができ
る。
【0043】一方、異常検出装置40においては、報知
手段44の短絡異常表示ランプが点灯し、報知手段44
の温度異常表示ランプが点灯する場合には、異常検知電
線31が損傷してボディーとの接触により温度抵抗体3
4が短絡状態になり、現在の状態が車両エッジ部の食い
込みが主電源線21にまで至る前段階であり、やがて主
電源線21に車両エッジ部の食い込みによるデッドショ
ートやレアショートが生じるであろうことを、ユーザな
どが予め知ることができる。
【0044】主電源線21の温度上昇を検出するのに加
えて、温度抵抗体34の短絡の有無を検出するようにし
たことにより、主電源線21に過電流が流れている原因
がどの箇所(主電源線21あるいは異常検知電線31ま
たは、負荷)にあるのかを特定できるようになる。この
結果、ユーザは特定された異常部品を交換又は修理すれ
ば、容易に過電流を解消することができるようになる。
【0045】また、異常検知電線31が主電源線21に
巻き付いていて、異常検知電線31の三層体32の上層
および下層を構成する第1の導体132および、第2の
導体232が網板形状にそれぞれ形成されていることか
ら、第1の導体132および、第2の導体232がオル
タネータ等から発生する電界ノイズや車両制御用のCP
U等から発生する磁界ノイズを吸収して、各ノイズが主
電源線21へ伝搬するのを防止することができる。
【0046】なお上述の実施形態においては、車両用電
源線の異常検出装置40を図4に示すような回路構成に
より形成した場合について述べたが、本発明の車両用電
源線の異常検出装置40はこれに限らず、要は、温度抵
抗体34により得られる温度検出出力に基づいて主電源
線21が発煙温度近傍の異常温度(例えば200℃)に
なったことを検出する異常温度検出手段41と、温度抵
抗体34が短絡したことを検出する短絡検出手段45
と、異常温度検出手段41あるいは短絡検出手段45に
より各異常が検出されたことをユーザに告知するための
報知手段44とを設けるようにすればよい。
【0047】
【発明の効果】上述のように本発明の一の構成によれ
ば、主電源線の温度が上昇して発煙温度近傍の異常温度
になると、温度抵抗体の抵抗値を検出することで、主電
源線の温度異常を検出することができる。また、異常検
知電線の絶縁被膜が車両のボディーのエッジなどによっ
て損傷し、温度抵抗体が短絡すると、その短絡を温度抵
抗体短絡検出手段が検出することができる。すなわち、
温度抵抗体の短絡があり、かつ、異常温度検出手段によ
り主電源線の温度異常が検出される場合は、主電源線自
体にデッドショートやレアショートが生じている可能性
が高いことを意味する。これに対して、温度抵抗体の短
絡がなく、かつ、異常温度検出手段により主電源線の温
度異常が検出される場合は、負荷の故障に起因する負荷
ショートによって主電源線に過電流が流れている可能性
が高いことを意味する。このように、温度異常検出手段
および短絡検出手段の両方の検出結果に基づき、過電流
が流れている原因がどこの箇所にあるのかを特定するこ
とができ、過電流の発生要因を容易に取り除くことがで
きる。
【0048】さらに、本発明の別の構成によれば、管形
状の異常検知電線が主電源線に巻き付いていて、主電源
線が異常検知電線を構成する網板形状の第1の導体およ
び第2の導体により覆われているので、オルタネータ等
から発生する電界ノイズや車両制御用のCPU等から発
生する磁界ノイズを吸収して、各ノイズが主電源線へ伝
搬するのを防止することができる。
【0049】さらに、本発明の別の構成によれば、三層
体を絶縁被膜で覆って成る異常検知電線を連続して製作
しておき、その連続する異常検知電線を、巻き付けるべ
き主電源線の長さに適応させて切断し、その切断された
異常検知電線の第1の導体および第2の導体の端部にド
レンワイヤをそれぞれ接続すれば、各種の主電源線の長
さに応じた各種の異常検知電線を簡易に製作することが
できる。
【0050】さらに、本発明の別の構成によれば、三層
体を構成する第1の導体、第2の導体および温度抵抗体
を連続的にそれぞれ製作し、これらを三層体にしてを長
手方向にそれぞれ送り、この三層体の両面を一対のフィ
ルム体でそれぞれ被覆しながら、一対のフィルム体の側
縁部同士をそれぞれ接着させていけば、異常検知電線を
連続的に製作することが可能になる。
【0051】さらに、本発明の別の構成によれば、異常
検知電線の絶縁被膜が車両のボディーのエッジなどによ
って損傷し、温度抵抗体が短絡すると、その短絡を温度
抵抗体短絡検出手段が検出し、報知手段が報知するよう
になる。温度抵抗体の短絡があり、かつ、異常温度検出
手段により主電源線の温度異常が検出される場合は、主
電源線自体にデッドショートやレアショートが生じてい
る可能性が高いことを意味する。これに対して、温度抵
抗体の短絡がなく、かつ、異常温度検出手段により主電
源線の温度異常が検出される場合は、負荷の故障に起因
する負荷ショートによって主電源線に過電流が流れてい
る可能性が高いことを意味する。このように、温度異常
検出手段および短絡検出手段の両方の検出結果に基づ
き、過電流が流れている原因がどこの箇所にあるのかを
特定することができ、過電流の発生要因を容易に取り除
くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による異常検知電線を部分
的に破断して示した斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による異常検知電線の斜視
図である。
【図3】本発明の一実施形態による異常検知電線の部分
断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による車両用電源線の異常
検出装置のブロック図である。
【図5】図1の異常検出電線を主電源線に巻き付けた実
装形態を説明した斜視図である。
【符号の説明】
10…電源ボックス 20…車両用電源線 21…主電源線 23…電気的絶縁体 31…異常検知電線 32…三層体 132…第1の導体 232…第2の導体 34…温度抵抗体 35…絶縁被膜 135,235…フィルム体 36…ドレンワイヤ 40…異常検出装置 41…異常温度検出手段 43…電源遮断手段 44…報知手段 45…短絡検出手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリやオルタネータ等の電源部と負
    荷等の電源供給対象とを互いに接続して、前記電源部か
    ら電流を前記電源供給対象に供給する車両用電源線にお
    いて、 前記車両用電源線は、主電源線および異常検知電線を備
    え、 前記主電源線は、導電線および電気的絶縁体を有し、 前記導電線は、前記電源部と前記電源供給対象とを電気
    的に接続し、 前記電気的絶縁体は、前記導電線を被覆しており、 前記異常検知電線は、三層体と、該三層体を被覆する絶
    縁被膜とを有していて、全体的に細長の平板形状をして
    おり、 前記三層体は、第1の導体、第2の導体および、温度抵
    抗体を有しており、 前記第1の導体および前記第2の導体は、前記三層体の
    上層および下層を構成しており、 前記温度抵抗体は、前記三層体の中間層を構成してい
    て、温度の変化に応じてその抵抗値が変化し、 前記異常検知電線は、その長手方向が管軸方向と平行に
    なるように管形状に形成されていて、前記主電源線に巻
    き付いていることを特徴とする車両用電源線。
  2. 【請求項2】 前記第1の導体および第2の導体は、網
    板形状にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の車両用電源線。
  3. 【請求項3】 前記第1の導体および第2の導体部に
    は、ドレンワイヤがそれぞれ接続されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の車両用電源線。
  4. 【請求項4】 前記絶縁被膜は一対のフィルム体を有
    し、 前記一対のフィルム体は、前記三層体の両面をそれぞれ
    被覆するとともに、各フィルム体の側縁部同士が接着さ
    れていることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の車両用電源線。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の車両用電源線の
    異常を検出する車両用電源線の異常検出装置において、 前記温度抵抗体により得られる温度検出出力に基づいて
    前記主電源線が発煙温度近傍になったことを検出する異
    常温度検出手段と、 前記温度抵抗体の短絡を検出する短絡検出手段と、 前記異常温度検出手段による温度異常および、前記短絡
    検出手段による短絡異常が検出された場合に、該各異常
    をそれぞれ報知するための報知手段とを具えることを特
    徴とする車両用電源線の異常検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013197216A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Fujitsu Ltd フレキシブルケーブル、その異常検出装置、その異常検出方法および電子機器。
JP2016534422A (ja) * 2013-10-09 2016-11-04 ピルツ ゲーエムベーハー アンド コー.カーゲー 負荷モニタリングを有するモジュール式制御装置

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