JP3832030B2 - 電気回路の保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等各種の装置に装備された電気回路の保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ショートサーキット(短絡)は、デッドショートサーキット、レアーショートサーキット、および若干の過電流に基づくショートサーキットとに分類される。
【0003】
デッドショートサーキットとは、リード線中の電導線が装置のボデーに完全に接触することにより大電流が電導線に流れる現象を言い、主として、電気回路を装備した装置の整備中の過失によるリード線の損傷や、その他の事故等、リード線に過大な力が付与されたときに発生するもので、デッドショートサーキットが発生すると、電気回路中のヒューズが溶断して電気回路の機能を停止させる。
【0004】
レアーショートサーキットとは、リード線中の電導線の一部が装置のボデーに対して瞬間的な接触を繰り返す現象を言い、リード線が発熱して徐々に温度上昇してその絶縁被覆部が溶解し、最終的には、リード線中の電導線が装置のボデーに完全に接触してデッドショートサーキットと同じ状態となって、電気回路中のヒューズが溶断して電気回路の機能を停止させる。
【0005】
若干の過電流に基づくショートサーキットとは、電気回路におけるコネクタ部分からの水の侵入等により、水等の絶縁性の低い媒体を介してリード線中の電導線が装置のボデーに不完全に接触して、電気回路にわずかな過電流が流れる状態を言い、リード線が発熱して徐々に温度上昇してその絶縁被覆部が溶解し、最終的には、リード線中の電導線が装置のボデーに完全に接触してデッドショートサーキットと同じ状態となって、電気回路中のヒューズが溶断して電気回路の機能を停止させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ショートサーキットは、いずれの場合でも最終的には電気回路の機能を停止させるものであるが、レアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットが発生した場合には、装置の運転中に運転者が知覚しない状態で徐々に進行して発熱し、ヒューズが溶解して電気回路の機能を突然喪失させて装置を停止させるもので、電気回路を復旧させるための交換用ヒューズを準備していない場合、運転者がヒューズの交換作業に不慣れな場合には、電気回路を復旧させることができずに装置の運転を再開することができない。
【0007】
従って、本発明の目的は、電気回路にレアーショートサーキットや若干の過電流に基づくショートサーキットが発生した場合に、これらのショートサーキットの発生を初期の時点で検出して電源と負荷との電気的接続を一旦遮断し、その後、これらの電気的接続を復帰させることにより、電気回路中のヒューズの突然の溶断による電気回路の機能の突然の喪失を防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気回路の保護装置に関するもので、当該保護装置は、電導線を絶縁被覆してなるリード線を複数本拘束して形成されたハーネス内で発生する温度を検出して、検出温度が設定温度に達成したとき電源と負荷との電気的接続を遮断し、かつ前記検出温度が設定温度より低下したとき前記電源と負荷との電気的接続を復帰すべく機能する保護装置である。
【0009】
しかして、本発明に係る保護装置は、電導線を絶縁被覆してなるリード線を複数本拘束して形成されたハーネス内に配置されて同ハーネス内で発生する熱を蓄熱する蓄熱手段と、同蓄熱手段の温度を検出する温度検出手段と、電源と負荷との電気的接続を断続する断続手段と、前記温度検出手段からの温度検出信号に基づき前記断続手段を動作して前記電源と負荷との電気的接続を前記蓄熱手段の温度が設定温度に上昇したとき遮断しかつ同蓄熱手段の温度が設定温度より低下したとき復帰させる作動手段を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
当該電気回路の保護装置においては、前記蓄熱手段としてヒートパイプを採用することができる。
【0011】
【発明の作用・効果】
本発明に係る電気回路の保護装置においては、電気回路にレアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットが発生してハーネスが発熱すると、この発熱をハーネス内に配置した蓄熱手段が蓄熱し自らの温度を上昇させ、温度検出手段が蓄熱手段の温度を検出する。
【0012】
しかして、蓄熱手段の温度が設定温度に達すると、作動手段が温度検出手段からの検出信号に基づき断続手段を作動して、電源と負荷との電気的接続を一旦遮断する。これにより、装置の運転が一旦停止されるとともに、レアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットのその後の発生が阻止され、ハーネス内でのそれ以上の発熱が防止されて電気回路のヒューズの溶断が防止され、電気回路の機能が保持される。
【0013】
作動手段は、蓄熱手段の温度が漸次低下して設定温度より低下すると、温度検出手段からの検出信号に基づき断続手段を作動させて、電源と負荷との電気的接続を復帰して電気回路の機能を復旧させ、装置を再度運転可能な状態とする。
【0014】
従って、当該電気回路の保護装置によれば、電気回路におけるレアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットの発生を初期の時点で検出して電源と負荷との電気的接続を一旦遮断し、その後、電気回路と電源との電気的接続を復帰させることにより、電気回路中のヒューズの突然の溶断による電気回路の機能の突然の喪失を防止し、かつ一旦運転を停止させた装置を再度運転可能な状態に復旧させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明すると、図1には、本発明の一例に係る電気回路の保護装置を装備した自動車が示されている。当該電気回路においては、電源であるバッテリー12とモータ、ランプ等の負荷がワイヤーハーネス11を構成する各リード線11aにて電気的に接続されている。
【0016】
ワイヤーハーネス11aは、図2の(a)に示すように、電導線である銅線11bを合成樹脂製の絶縁被覆11cで被覆してなるリード線11aを多数拘束して形成されているもので、各リード線11aは、同図(b)に示すように、後述する保護回路20を構成するヒートパイプ21を中心に配置されて合成樹脂11dにて埋設されて拘束されている。
【0017】
なお、当該ワイヤーハーネス11においては、ヒートパイプ21と各リード線11aを合成樹脂11dに埋設する代わりに、各リード線11aを束状にしてその外周に合成樹脂のテープを巻回してヒートパイプ21と各リード線11aを拘束するようにしてもよい。
【0018】
しかして、図3には、本発明に係る保護装置20が示されている。保護装置20は、蓄熱手段であるヒートパイプ21、温度検出手段である複数のサーミスタ22、断続手段であるリレー23、および作動手段である制御装置24にて構成されている。ヒートパイプ21は、熱伝導性の良好な銅製の細管に水を封入して形成されているもので、ヒートパイプ21の外周の任意の箇所にサーミスタ22が取付けられている。
【0019】
リレー23は、バッテリー12とモータ13、ランプ等の各負荷を接続する電気回路における各負荷より上流側に介装されているもので、制御装置24はリレー23のコイル23aとバッテリー12に続されている。また、制御装置24には、各サーミスタ22が接続されている。各サーミスタ22は、ヒートパイプ21における取付部位の温度を検出して、温度検出信号として制御装置24に出力するもので、制御装置24においては、温度検出信号に基づいてリレー23を開閉操作する。
【0020】
当該制御装置24においては、ヒートパイプ21の温度が高温側の第1の設定温度に上昇したときリレー23の可動接点23bを開成し、かつヒートパイプ21の温度が低温側の第2の設定温度に低下したときリレー23の可動接点23bを閉成するように設定されている。上記した第1の設定温度は、電気回路に介装したヒューズ14の融点である120℃より低い温度であり、また上記した第2の設定温度は、常温またはこれに近い温度である。
【0021】
なお、図3に示す電気回路において、符号15は開閉スイッチ16により開閉操作されるリレーであり、リレー15は開閉スイッチ16により開閉して、モータ13への通電を断続する。
【0022】
このように構成した保護装置20においては、電気回路にレアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットが発生してワイヤーハーネス11が発熱すると、この発生熱をワイヤーハーネス11内に配置したヒートパイプ21が蓄熱し自らの温度を上昇させ、各サーミスタ22はこの温度を検出して制御装置24に出力する。
【0023】
しかして、ヒートパイプ21の温度が第1の設定温度に達すると制御装置24が温度検出信号に基づき動作して、リレー23を開成してバッテリー12とモータ13等各負荷との電気的接続を一旦遮断する。これにより、各負荷の運転が一旦停止されるとともに、レアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットのその後の発生が阻止され、ワイヤハーネス11内でのそれ以上の発熱が防止されて電気回路のヒューズ14の溶断が防止され、電気回路の機能が保持される。
【0024】
制御装置24は、ヒートパイプ21の温度が漸次低下して第2の設定温度まで低下すると、温度検出信号に基づき動作して、リレー23を再度閉成させる。これにより、バッテリー12と各負荷との電気的接続を復帰して電気回路の機能を復旧させ、各負荷を再度運転可能な状態とする。
【0025】
従って、当該電気回路の保護装置を使用して本発明の保護方法を実施すれば、電気回路におけるレアーショートサーキットや、若干の過電流に基づくショートサーキットの発生を初期の時点で検出してバッテリー12と各負荷との電気的接続を一旦遮断し、その後、電源と各負荷との電気的接続を復帰させることにより、電気回路中のヒューズ14の突然の溶断による電気回路の機能の突然の喪失を防止し、かつ一旦運転を停止させた各負荷を再度運転可能な状態に復旧させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る電気回路の保護装置を装備した自動車の斜視図である。
【図2】同電気回路のワイヤハーネスを構成するリード線の拡大断面図(a)、および同ワイヤハーネスの拡大断面図(b)である。
【図3】同保護装置を組込んだ電気回路の概略的構成図である。
【符号の説明】
11…ワイヤーハーネス、11a…リード線、11b…銅線、11c…絶縁被覆、11d…合成樹脂、12…バッテリー、13…モータ、14…ヒューズ、15…リレー、16…開閉スイッチ、20…保護装置、21…ヒートパイプ、22…サーミスタ、23…リレー、23a…コイル、23b…可動接点、24…制御装置。

Claims (2)

  1. 電導線を絶縁被覆してなるリード線を複数本拘束して形成されたハーネス内で発生する温度を検出して、検出温度が設定温度に達成したとき電源と負荷との電気的接続を遮断し、かつ前記検出温度が設定温度より低下したとき前記電源と負荷との電気的接続を復帰すべく機能する電気回路の保護装置であり、当該保護装置は、前記ハーネス内に配置されて同ハーネス内で発生する熱を蓄熱する蓄熱手段と、同蓄熱手段の温度を検出する温度検出手段と、前記ハーネスと電源との電気的接続を断続する断続手段と、前記温度検出手段からの温度検出信号に基づき前記断続手段を動作して電源と負荷との電気的接続を、前記蓄熱手段の温度が設定温度に上昇したとき遮断しかつ同蓄熱手段の温度が設定温度未満に低下したとき復帰させる作動手段を備えていることを特徴とする電気回路の保護装置
  2. 請求項1に記載の電気回路の保護装置において、前記蓄熱手段としてヒートパイプを採用したことを特徴とする電気回路の保護装置。
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