JPH11222192A - ファンジェット推進船におけるジェット用ファン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファンジェット推進船において、複数個の小
型ジェット用のファンを組み合わせて、小型で且つ、強
力な推力を得ることができるファンジェット装置を提供
する。 【解決手段】 ファンジェット推進船において、大型の
ジェットファンを支持することができる支持枠６内に、
該支持枠６に収納し得るファンの径内に位置させて複数
個の小型ジェットファンを設け、これら小型ジェットフ
ァンを船体１に搭載した駆動機４に連動連結した。単一
の大型のジェットファンを設けるのに比較して高い回転
のジェットファンが設け易く高速度での航走が可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ファンジェット
で推進される推進船のジェット発生用のファン装置の改
良に関し、小型でありながら強力な推進を発揮すること
ができる装置を提供せんとするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ファンジェットで推進される船舶
は、河川等における遊覧船等で周知であり、また、船体
にジェット発生用のファンを複数個設けることも公知で
ある。特開昭６２−２１６８９６号公報には、その第３
図に２個のファンを近接させて設け、これらを一つの駆
動機に連動連結した図が示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファン
ジェットを使用して高速度の船舶を得ようとしたり、強
力な推進力を得ようとすると、一基のジェット用ファン
では大型となったり、また、回転数の高いファンが必要
となる。そして、ファンが大型となると、高速度が要求
されるランナバウトには、場所を占めるのみならず、そ
の支持枠体が航走上の抵抗となり不向きである。また、
大型のファンではその回転を高めようとしても強度的に
その羽根の構造等が制約される。さらに、分散して複数
基のファンを設けるものでは、場所を占めるのみなら
ず、個々のファンの推力を集中して使用することができ
ない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、上述のよう
な課題を解決し得るものであって、その要旨とするとこ
ろは、ファンジェット推進船において大型のジェット用
ファンを支持することができる枠体内に該支持枠体に収
納し得るジェットファンの径内に位置させて複数個の小
型ジェットファンを集合させて設け、これら小型ジェッ
トファンを船体に搭載した駆動機に連動連結したもので
ある。

【０００５】上記支持枠体内に設ける小型のジェットフ
ァンは、一つの駆動機に連結してもよく、そのファンの
構造も羽根車を駆動軸に多段に設けたファンであっても
よい。

【０００６】

【発明の実施の形態】この発明に係る装置は、上述のよ
うに構成されており、設置した複数基のジェットファン
を船体の一箇所において作動させることができて強力な
推力を発揮させることができる。すなわち、個々のジェ
ットファンは小型であるが故に構造的に高速で回転させ
ることが可能で強力なジェットを発生させることがで
き、こられの強力ジェットを集めることによって従来の
大型のジェットファンの推力に勝るものである。しか
も、個々のジェットファンは、集合させて設置してある
が故に船体の操作に効率よく使用することができる。以
下、図面に基づいてこの発明を具体的に説明する。

【０００７】

【実施例】図１は、この発明に係るファンジェット推進
船の概略の側面図であり、図中、符号１は船体、２はフ
ァンジェット装置、３はファンジェット装置２の噴射ノ
ズル２ａの後方に設けたラダー、４はファンジェット装
置２の駆動機、５は操縦席を示すものである。

【０００８】次に、ファンジェット装置２の構成を図２
および図３に基づいて説明する。図２はジェット用ファ
ンを支持枠６から取り出したもので一部を切開して示
し、前後２段に羽根車２ｂを設けた同型のジェット用の
ファンを図３に示すように互に近接集合させて取付架台
７に立設した支持枠６に支架している。図１において、
符号２ｃは集合させたファンを覆うカバーを示すもので
ある。

【０００９】そしてこのように集合させたファンジェッ
ト装置２は、図４および図５に示すように駆動機４に連
結されている。図例では駆動機４の動力が原動軸４ａ、
プーリー４ｂ、ベルト４ｃを経て駆動軸８のプーリー８
ａに伝達され、その動力がプーリー８ｂおよびベルト８
ｃを経て各ジェット用ファンのプーリー９に伝達される
ようにしてある。

【００１０】この発明に係るファンジェット装置２は、
上述のように構成してあり、３台のジェットファンを一
箇所に集合させ、これらを同時に作動させることができ
るので、小型でありながら強力な推進力を発揮する。す
なわち、この３台のジェットファンに代えて、これらの
ジェットファンの推力に相当する推力の１基のジェット
ファンとすると、構造が大型となるのは勿論のこと、ジ
ェット推力を高めるために回転数を高めなければならな
い。このため、その羽根車、駆動軸の強度も必要とな
り、ますます大型のジェットファンが必要となり、設置
のため広いスペースが必要となる。

【００１１】この点、この発明に係るファンジェット装
置２では、小型のジェットファンを集合させたものであ
るので推力を増すために回転数を上げることに何ら制約
を受けず、また、設置するためのスペースも従来の大型
のファンの設置スペース内に納め得るコンパクトな構造
で足りるもので、性能面（推力の向上）および設置上ス
ペースを占めない点で従来装置の難点を解消し得るもの
である。

【００１２】

【発明の効果】以上を要するに、この発明では大型のジ
ェット発生用のファンに代えて、その設置スペースに収
納し得る複数の小型のジェット発生用のファンを設ける
ことによって構造的に強度の保持に制約されることな
く、最大の性能を発揮する限界まで回転数を高めて推力
を発揮させ得るとともに、従来の大型のジェット発生用
のファンに比較して、その設置スペースを占めず、例え
ば、フィッシングボート等に利用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るファンジェット推進船の概略の
側面図である。

【図２】同じく、そのジェット発生用のファンユニット
を取り出して示す概略の側面図である。

【図３】同じく、図２の正面図である。

【図４】同じく、ジェット発生用のファンの駆動機構を
説明するための概略の側面図である。

【図５】同じく、図４の正面図であり、駆動機部分の図
示を省略している。

【符号の説明】

１ 船体 ２ｂ 羽根車 ４ 駆動機 ６ 支持枠

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファンジェット推進船において、大型の
   ジェット用ファンを支持することができる支持枠６内
   に、該支持枠６に収納し得る大型ジェットファンの径内
   に位置させて複数個の小型ジェットファンを集合させて
   設け、これら小型ジェットファンを船体１に搭載した駆
   動機４に連動連結してなるファンジェット推進船におけ
   るジェット用ファン装置。
2. 【請求項２】 上記小型ジェットファンの駆動軸に、ジ
   ェット発生用の羽根車２ｂが複数段に設けられている請
   求項１記載のファンジェット推進船におけるジェット用
   ファン装置。