JPH11222048A - アクセル操作量検出装置 - Google Patents

アクセル操作量検出装置

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JPH11222048A
JPH11222048A JP3816698A JP3816698A JPH11222048A JP H11222048 A JPH11222048 A JP H11222048A JP 3816698 A JP3816698 A JP 3816698A JP 3816698 A JP3816698 A JP 3816698A JP H11222048 A JPH11222048 A JP H11222048A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒステリシス発生器は、回動軸の回動角に対
応して軸トルクを変化するようにし、アクセルペダルの
操作量に応じて保持力を変化させる。 【解決手段】 アクセル操作量検出装置7は、取付フレ
ーム11に回動軸18が回動可能に設けられ、取付フレ
ーム11にはワイヤドラム19、アクセルセンサ28、
ヒステリシス発生器29等が設けられている。また、ヒ
ステリシス発生器29は、回動軸18に固着された回動
板31と、取付フレーム11に廻り止状態で設けられた
固定板33と、固定板33を回動板31に対して押圧す
る波状ばねと、固定板33上に形成された眉状の摩擦部
材34とからなる。そして、回動軸18が回動して固定
板33上を回動板31が摺動すると、摩擦部材34と回
動板31との接触面積が変化し、回動軸18に加わる軸
トルクを変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の
アクセルペダルに対する操作量を検出するのに用いて好
適なアクセル操作量検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等に用いられ
る電動式スロットル装置は、運転者の足元近傍に設けた
アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出
装置と、エンジン側の吸気管の途中に位置して設けら
れ、モータ等により弁軸と共にスロットルバルブを開閉
操作するスロットルバルブ装置と、アクセル操作量検出
装置とスロットルバルブ装置とを電気的に接続して制御
するコントロールユニットとから構成し、該コントロー
ルユニットは、アクセルペダルの操作量に対応したスロ
ットルバルブの開度に設定する制御を行っている。これ
により、エンジンの吸入空気量はアクセル操作量に応じ
て制御されるから、運転者はアクセルペダルを操作する
ことによって車両の加減速を自由に行うことができる。
【0003】一方、アクセル操作量検出装置は、車両に
設けた取付フレームと、該取付フレームに回動可能に支
持された回動軸と、該回動軸に取付けられ、アクセルペ
ダルとワイヤを介して連結されて該回動軸をアクセル操
作量に応じて回動させるワイヤドラムと、前記取付フレ
ームに設けられ前記回動軸の回動角をアクセル操作量と
して検出する回動検出手段と、アクセルペダルの踏込時
と戻り時とで前記回動軸に加わる軸トルクを異ならしめ
る摩擦抵抗を発生させるヒステリシス手段とから大略構
成されている。
【0004】そして、ヒステリシス手段は、アクセルペ
ダルに適度の重みを持たせることにより、アクセルペダ
ルに対する操作感覚を、ワイヤ等によってアクセルペダ
ルとスロットルバルブ装置の弁軸とを連結した機械式の
ものに近づけるようにしたものである。
【0005】ここで、機械式のものは、ワイヤによって
発生する摩擦力等により、アクセル操作量が小さいとき
には、操作力が軽く保持力も小さくなり、アクセル操作
量が大きいときには、操作力が重く保持力も大きくな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、回動軸の回動角に対応する軸トルクは、図
17のような特性となり、アクセルペダルの踏込時と戻
り時とでは、ヒステリシス手段によって回動軸に加わる
軸トルクに差(保持力S)を発生させていた。
【0007】即ち、軸トルクは、アクセルペダルを踏込
むとき、ヒステリシス手段による摩擦力と戻しばねによ
る戻し力とによって上側の軌道を通り、アクセルペダル
を戻すときには、戻すときの力は(戻しばねによる戻し
力−摩擦力)となるため、下側の軌道を通る。これによ
り、ヒステリシス手段は、アクセルペダルの踏込時と戻
り時とで異なる軸トルクを回動軸に加えていた。
【0008】しかし、従来技術によるアクセル操作量検
出装置では、回動軸の回動角が小さいときでも大きいと
きでも、その保持力Sが同じであり、アクセルペダルの
操作感覚を機械式の自然な感覚に近づけることができな
いという問題があった。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はアクセル操作量に応じて保持力
を変化させることのできるアクセル操作量検出装置を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるアクセル操
作量検出装置は、車両に設けた取付フレームと、該取付
フレームに回動可能に支持された回動軸と、該回動軸に
取付けられ、アクセルペダルとワイヤを介して連結され
て該回動軸をアクセル操作量に応じて回動させるワイヤ
ドラムと、前記取付フレームに設けられ前記回動軸の回
動角をアクセル操作量として検出する回動検出手段と、
前記アクセルペダルを初期位置に復帰させるように前記
回動軸を常時戻す戻しばねと、前記取付フレームと回動
軸との間に設けられ、アクセルペダルの踏込時と戻り時
とで前記回動軸に加わる軸トルクを異ならしめる摩擦抵
抗を発生させるヒステリシス手段とを備えている。
【0011】そして、請求項1の発明では、ヒステリシ
ス手段を、回動軸に固着された回動板と、取付フレーム
に廻り止状態で取付けられた固定板と、該固定板を回動
板に向けて押圧する押圧ばねと、前記固定板と回動板の
うち少なくとも一方側に設けられ、回動軸の回動角に応
じて回動板と固定板との間の摩擦抵抗値を変化させる摩
擦部材とから構成したことを特徴とする。
【0012】このように構成することにより、回動軸の
回動角に応じて該摩擦部材と回動板との接触面積は変化
し、ヒステリシス手段から発生する摩擦抵抗値は回動軸
の回動角に応じて変化させることができる。例えば、ヒ
ステリシス手段から発生する摩擦抵抗を、アクセル操作
量が小さいときには小さくし、アクセル操作量が大きい
ときには大きくすることにより、アクセルペダルを踏込
むときと戻すときに生じる保持力を回動軸の回動角に応
じて変化させることができる。
【0013】請求項2の発明では、ヒステリシス手段
を、回動軸の回動角に対応して非直線性をもって前記回
動軸に加わる軸トルクを発生させる構成としたことにあ
る。
【0014】これにより、アクセルペダルを踏込むとき
と戻すときに生じる回動軸に加わる軸トルクの差は、回
動軸の回動角に応じて変化させることができる。
【0015】請求項3の発明では、固定板を平板状体に
形成し、摩擦部材を回動板の回動方向に対し表面積が異
なる形状に形成し、前記回動板を前記摩擦部材上を摺動
する間に摩擦抵抗値が変化する狭幅板として形成したこ
とにある。
【0016】このような構成とすることにより、例えば
回動軸の回動角を小から大への変化に対応させて摩擦部
材と狭幅板からなる回動板との接触面積を順次変化させ
ることができ、ヒステリシス手段から発生する摩擦抵抗
は、回動角の変化に応じて可変できる。
【0017】請求項4の発明では、固定板を平板状体に
形成し、摩擦部材は回動軸の軸中心に対し所定の角度範
囲内に設け、前記回動板を前記摩擦部材上を摺動する間
に摩擦抵抗値が変化する狭幅板とし形成したことにあ
る。
【0018】このような構成とすることにより、例えば
回動軸の回動角を小から大への変化に対応させて摩擦部
材と狭幅板からなる回動板との接触面積を順次変化させ
ることができ、ヒステリシス手段から発生する摩擦抵抗
は、回動角の変化に応じて可変できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
アクセル操作量検出装置を、図1ないし図16の添付図
面に従って詳細に説明する。
【0020】まず、第1の実施の形態を、図1ないし図
7に基づいて述べるに、始めに、電動式スロットル装置
についての概略を図1を参照しつつ説明する。1はエン
ジンの吸気通路の途中に設けられ、スロットルチャンバ
1Aを有するスロットルバルブ装置で、該スロットルバ
ルブ装置1は電動モータ2によって弁軸3と共に、スロ
ットルバルブ4を開,閉駆動するものである。また、弁
軸3にはスロットルセンサ5が設けられ、該スロットル
センサ5はスロットルバルブ4の開度を検出するもので
ある。
【0021】6は車両の運転室側に位置して運転席(い
ずれも図示せず)の足元に設けられたアクセルペダル
で、該アクセルペダル6は車両の発進時や加速時等に運
転者によって踏込み操作され、踏込み操作を解除したと
きには、車両を減速または停止させるものである。
【0022】7はアクセル操作量検出装置で、該アクセ
ル操作量検出装置7は後述のワイヤドラム19、アクセ
ルセンサ28等から構成され、該ワイヤドラム19は前
記アクセルペダル6にワイヤ8を経由して連結されてい
る。
【0023】9はマイクロコンピュータ等によって構成
されたコントロールユニットで、該コントロールユニッ
ト9は入力側がスロットルセンサ5、アクセルセンサ2
8等に接続され、出力側が電動モータ2等に接続されて
いる。そして、コントロールユニット9は、アクセルセ
ンサ28によって検出されたアクセルペダル6の操作量
に対応した駆動信号を電動モータ2に出力し、該電動モ
ータ2によりスロットルバルブ4をアクセルペダル6の
操作量に応じた開度で開,閉させる。
【0024】また、コントロールユニット9は、スロッ
トルセンサ5からの信号により、実際のスロットルバル
ブ4の弁開度を検出し、実際の弁開度がアクセル操作量
に対応した弁開度となるように、電動モータ2をフィー
ドバック制御する構成となっている。
【0025】次に、アクセル操作量検出装置7を、図2
ないし図7により説明する。11はアクセル操作量検出
装置7の基台を構成する取付フレームで、該取付フレー
ム11は全体として「コ」字形状をなし、両側に位置し
た一側腕部12と他側腕部13とから大略構成されてい
る。そして、一側腕部12には軸挿通孔12Aが、他側
腕部13には軸挿通孔13Aが段付き穴として互いに同
心となるように形成され、後述の回動軸18の軸受部を
構成している。
【0026】また、軸挿通孔12A内には軸受14およ
び環状のリテーナ15が、軸挿通孔13A内には軸受1
6およびリテーナ17がそれぞれ取付けられている。さ
らに、軸挿通孔12Aの一側には、該軸挿通孔12Aを
拡径するようにして一側端面12Bに開口する一側凹陥
部12Cが形成され、軸挿通孔13Aの他側には同様
に、他側端面13Bに開口する他側凹陥部13Cが形成
され、該他側凹陥部13Cの周壁には後述する固定板3
3の係合凸部33Bが係合される係合凹部13D,13
Dが直径方向に形成されている。
【0027】18は回動軸を示し、該回動軸18は、一
端側の小径軸部18Aと、該小径軸部18Aの他端側に
段付き状に形成された大径軸部18Bとから構成され、
小径軸部18Aと大径軸部18Bの先端側にはそれぞれ
ねじ部18C,18Dが一体形成されている。そして、
回動軸18の小径軸部18Aは後述の筒体20と共に軸
受14によって一側腕部12の軸挿通孔12A内に回動
可能に支持され、大径軸部18Bは軸受16によって他
側腕部13の軸挿通孔13A内に回動可能に支持されて
いる。
【0028】また、回動軸18の小径軸部18Aおよび
ねじ部18C,18Dは、その横断面形状が非円形(例
えばD字状)をなすように形成され、回動軸18の外周
側に挿嵌された後述するワイヤドラム19の取付板19
A、連結板22,回動板31および位置調整板26が回
動軸18に対して相対回転するのを規制している。
【0029】19はワイヤ8と共にアクセルペダル1を
回動軸18に連結するワイヤドラムを示し、該ワイヤド
ラム19は、小径軸部18Aの外周側に挿嵌された略環
状の取付板19Aと、該取付板19Aの外周側から断面
L字状に突出する複数の腕部19B(1個のみ図示)
と、該各腕部19Bの先端側に固着され、断面が外向き
にU字状をなして回動軸18の周囲で円弧状に延びるワ
イヤガイド部19Cと、前記取付板19Aから折曲げて
設けられた後述の戻しばね23が取付けられるばね取付
部19Dとから大略構成され、ワイヤドラム19は取付
板19Aによって回動軸18に嵌合固着されている。
【0030】また、ワイヤガイド部19Cの周方向一端
側には、ワイヤ8の基端側が取付けられるワイヤ取付部
19E(図2参照)が形成され、該ワイヤ8は先端側が
アクセルペダル6に取付られた状態で、該アクセルペダ
ル6とワイヤドラム19とを連結している。
【0031】20は小径軸部18Aの外周側に挿通され
た筒体で、該筒体20は一側端面がねじ部18Cに螺着
されたナット21との間で連結板22を挟持し、他側端
面が大径軸部18Bとの間でワイヤドラム19の取付板
19Aおよび後述の位置調整板26を挟持した状態で、
これらを軸方向に位置決めしている。
【0032】22は回動軸18の回動変位を後述のアク
セルセンサ28に伝達する連結板を示し、該連結板22
は断面略L字状の回動レバー22Aが外周側から一側方
向に向けて突出形成された略環状体として形成されてい
る。そして、連結板22は一側腕部12の一側凹陥部1
2C内に位置してねじ部18Cの外周側に挿嵌され、ナ
ット21により回動軸18に嵌合固着されている。
【0033】23は戻しばねを示し、該戻しばね23は
基端側が取付フレーム11のばね取付部(図示せず)
に、先端側がワイヤドラム19のばね取付部19Dに取
付けられた状態で、ワイヤドラム19をアクセルペダル
6による回動方向とは反対方向に向けて常時付勢してい
る。そして、戻しばね23は、運転者がアクセルペダル
6の足踏み操作を解除したとき、アクセルペダル6と回
動軸18とを共に初期位置に復帰するものである。
【0034】24,25は筒体20と戻しばね23との
間に位置して互いに相対回転可能に配設された環状のス
プリングホルダで、該スプリングホルダ24,25はそ
の外周側に巻回された戻しばね23を整列状態に保持し
ている。
【0035】26は回動軸18の初期位置を調整するた
めの位置調整板で、該位置調整板26は内周側が回動軸
18の小径軸部18Aに嵌合固着され、外周側には取付
フレーム11側に設けた初期位置調整ねじ27に当接す
る当接部(図示せず)が設けられている。そして、この
調整ねじ27を手動操作等で正,逆方向に回転したとき
には、位置調整板26が回動軸18と共に戻しばね23
に抗して回動され、これによりアクセルペダル6を操作
しない状態での回動軸18(アクセルセンサ28)の初
期位置が調整されるようになっている。
【0036】28は回動軸18の回動変位を検出するア
クセルセンサで、該アクセルセンサ28は一側腕部12
の一側端面12Bにボルト(図示せず)等を用いて取付
けられている。そして、アクセルセンサ28には検出レ
バー28Aが回動可能に設けられ、この検出レバー28
Aは連結板22の回動レバー22Aに連結され、回動軸
18と一体的に回動する。
【0037】これにより、アクセルセンサ28は、前記
検出レバー28Aを用いて回動軸18の回動角をアクセ
ルペダル6の操作量として検出し、これを検出信号とし
てコントローラ9に出力するものである。
【0038】29は回動軸18に摩擦抵抗を与えるヒス
テリシス手段としてのヒステリシス発生器を示し、該ヒ
ステリシス発生器29は、他側腕部13の他側凹陥部1
3C内に配設され、ナット30により回動軸18のねじ
部18Dに嵌合固着された後述の回動板31と、押圧ば
ねとしての波形ワッシャ32と、該波形ワッシャ32に
より回動板31に向けて常時押圧され、他側腕部13の
他側凹陥部13C内に廻り止状態で取付けられた円板状
の固定板33と、回動板31と固定板33との間に挟持
され、該固定板33上に形成された眉状の摩擦部材3
4,34とから構成されている。
【0039】31は例えばステンレス鋼(SUS)等の
金属材料によって図4に示すような鼓状の平板状体に形
成された回動板で、該回動板31は、D字状に穿設され
た軸係合孔31Aを有する円板部31Bと、該円板部3
1Bから180度離間した位置で扇状に突出形成された
一対の摺動部31Cとからなり、前記円板部31Bの軸
係合孔31Aには、回動軸18のねじ部18Dが係合し
た上にナット30によって固着されている。
【0040】32はリテーナ17と固定板33との間に
配置された波形ワッシャで、該波形ワッシャ32は固定
板33を回動板31に向けて押圧することにより、摺動
力を与えている。
【0041】33は例えば冷間圧延鋼板(SPCC)等
の金属材料によって形成された固定板で、該固定板33
は、円板33Aと、該円板33Aの直径方向に形成され
た係合凸部33B,33Bと、前記円板33Aの中央部
に形成され、回動軸18が遊嵌される軸孔33Cとから
なる。そして、各係合凸部33Bを他側凹陥部13Cの
係合凹部13Dに係合することにより、該固定板33は
他側腕部13に対して廻り止した状態で、他側凹陥部1
3C内に取付けられている。
【0042】34は高摩擦係数の材料、例えばポリテト
ラフルオロエチレン、ゴム材料等によって形成された摩
擦部材で、該摩擦部材34は、固定板33の軸孔33C
を挟んで径方向の両側に配置され、かつ固定板33上に
回動板31の回動方向に延びる眉状に形成されている。
ここで、該摩擦部材34は、固定板33の周方向に位置
し、左端が細部34Aとなり右側に向けて円弧を描いて
広がって、右端が太部34Bとなる眉状に形成されてい
る。そして、回動板31の摺動部31Cを摩擦部材34
の細部34Aから太部34Bに向けて摺動させたときに
は、接触面積が小から大に変化し、回動軸18に加わる
軸トルクを増やすことができる。ここで、摩擦部材34
は固定板33の材料よりも高い摩擦係数を有する材料に
よって形成されている。
【0043】また、固定板33と回動板31との配置関
係は、アクセル操作を行っていないときには、回動板3
1の各摺動部31Cを摩擦部材34の細部34Aに位置
しアクセル操作量を増やすと矢示A方向に回動するよう
に設定している(図6参照)。これにより、回動軸18
の回動角を増加させると、ヒステリシス発生器29から
発生する摩擦抵抗は小から大に変化する。
【0044】35は他側凹陥部13Cを外側から遮蔽す
るように他側端面13Bに取付けられたカバーで、該カ
バー35はヒステリシス発生器29等に外部からゴミ等
の異物が侵入するのを防止している。
【0045】第1の実施の形態によるアクセル操作量検
出装置7は、上述の如き構成を有するもので、次にその
作動について説明する。
【0046】まず、運転者がアクセルペダル6を踏込み
操作すると、ワイヤ8が引張られ、回動軸18はワイヤ
ドラム19と共に戻しばね23に抗して回動変位され
る。そして、アクセルセンサ28は検出レバー28Aが
連結板22を用いて回動軸18と一体的に回動変位する
から、アクセルセンサ28は回動軸18の回動変位をア
クセルペダル6の操作量として検出し、これを検出信号
としてコントロールユニット9に出力する。
【0047】然るに、本実施の形態では、回動軸18の
回動角に対応して摩擦抵抗を与えるヒステリシス発生器
29を、他側腕部13の他側凹陥部13C内に配設さ
れ、回動軸18のねじ部18Dに嵌合固着された回動板
31と、波形ワッシャ32と、該波形ワッシャ32によ
り回動板31に向けて常時押圧され、他側腕部13の他
側凹陥部13C内に廻り止状態で取付けられた円板状の
固定板33と、該固定板33上に形成された眉状の摩擦
部材34,34とから構成している。そして、ヒステリ
シス発生器29から発生する摩擦抵抗値は、回動軸18
の回動角が増加する方向に対応して小から大に変化させ
ることができる。
【0048】この結果、回動軸18の回動角に対応する
回動軸18の軸トルクは、図7に示す如く、運転者がア
クセルペダル6を踏込むと、ヒステリシス発生器29と
戻しばね23とによって上側の非直線性の軌道を通り、
アクセルペダル6を戻すと、ヒステリシス発生器29と
戻しばね23によって下側の非直線性の軌道を通る。こ
のとき、ヒステリシス発生器29による摩擦抵抗値によ
って保持力Sが発生し、この保持力Sは、回動軸18の
回動が小さいときには小さく、大きくなるに従って大き
くなる。なお、図7中の点線は、最大の保持力Sを本実
施の形態と同じ値とした場合の従来技術による特性を示
している。
【0049】従って、ヒステリシス発生器29は、アク
セルペダル6の踏込み操作と回動軸18の回動変位との
間に所望の保持力を付加し、アクセル操作量が小さいと
きには、操作力は軽く保持力Sも小さくなり、アクセル
操作量が大きいときには、操作力は重く保持力Sも大き
くなり、アクセルペダル6の操作感覚を実現できる。そ
して、ヒステリシス発生器29は、スロットルバルブ4
にアクセルペダル6が機械的に連結されている場合の感
覚に近似させることができ、アクセルペダル6に自然な
操作感覚を発生させることができる。
【0050】また、摩擦部材34は、回動方向に対して
細部34Aから太部34Bの広がる形状とし、この広が
り方を大きくしたときには、図7に示す円弧状の特性線
のように、保持力Sを回動に応じて大きく変化させるこ
とができる。そして、この場合にはアクセルに対する応
答性を鈍らせることができ、初心者向けのアクセル操作
量検出装置7として構成できる。
【0051】一方、摩擦部材34は、細部34Aから太
部34Bへの広がり方を小さくしたときには、図7に示
す特性線中の保持力Sを小さくすることができ、この場
合にはアクセルに対する応答性を高めることができ、ス
ポーツ走行向けのアクセル操作量検出装置7として構成
できる。
【0052】次に、図8と図9に基づいて、第2の実施
の形態について説明するに、本実施の形態の特徴は、摩
擦部材を固定板の回動軸の軸中心に対して所定角度範囲
内に広げて形成したことにある。なお、本実施の形態で
は前述した第1の実施の形態によるアクセル操作量検出
装置7とほぼ同様であるので、その説明を省略し、特徴
部分となる固定板に形成した摩擦部材についてのみ説明
する。
【0053】41は第1の実施の形態で述べたヒステリ
シス発生器29に用いた固定板33に代えて適用される
固定板で、該固定板41は、例えば冷間圧延鋼板(SP
CC)等の金属材料によって形成された円板41Aと、
該円板41Aの直径方向に形成された係合凸部41B,
41Bと、前記円板41Aの中央部に形成され、回動軸
18が遊嵌される軸孔41Cとからなる。そして、固定
板41は他側腕部13の係合凹部13Dに係合凸部41
Bを係合させることにより、該固定板41を他側腕部1
3に対して廻り止した状態で取付ている。
【0054】42,42は摩擦部材で、該各摩擦部材
は、例えばポリテトラフ、オロエチレンまたはゴム材料
等によって固定板41上に回動軸18の軸中心に対して
回動軸18の回動角度(例えば、約90度)の範囲以上
に広げて形成されている。
【0055】そして、固定板41と回動板31との配置
関係は、アクセル操作を行っていないときには、回動板
31の各摺動部31Cを摩擦部材42の形成されていな
い部分に位置させている。
【0056】このように構成されるヒステリシス発生器
29は、回動軸18の回動角を増加させると矢示A方向
に回動するように設定している(図8参照)。そして、
回動板31の摺接部31Cと摩擦部材42との接触面積
は、回動角を小から大に変化するとき、この変化に伴っ
て大きくなるように変化し、摺動部31Cが全部摩擦部
材42上に位置したときには、接触面積は一定となる。
これにより、ヒステリシス発生器29から発生する摩擦
抵抗は、回動軸18の回動角に対応させて変化させるこ
とができ、図9に示すような2段の非直線な特性とな
る。
【0057】このように、本実施の形態によるヒステリ
シス発生器29は、回動軸18の回動角に対応する軸ト
ルクは、図9に示すように、運転者がアクセルペダル6
を踏込むと、ヒステリシス発生器29と戻しばね23と
によって上側の非直線性の折曲した軌道を通り、アクセ
ルペダル6を戻すと、ヒステリシス発生器29と戻しば
ね23によって下側の非直線性の折曲した軌道を通る。
このとき、ヒステリシス発生器29による摩擦力によっ
て保持力Sが発生し、この保持力Sは、アクセル操作量
が小さいときには小さく、アクセル操作量が大きくなる
に従って大きくなる特性とすることができる。なお、図
9中の点線は、最大保持力Sを本実施の形態と同じ値と
した場合の従来技術による特性を示している。
【0058】従って、ヒステリシス発生器29は、アク
セルペダル6の踏込み操作と回動軸18の回動変位との
間に所望の保持力Sを付加し、スロットルバルブ4にア
クセルペダル6が機械的に連結されている場合の感覚に
近似させることができ、アクセルペダル6に自然な操作
感覚を発生させることができる。
【0059】なお、実施の形態では、回動板31を鼓状
として、円板部31Bに一対の扇状の摺動部31C,3
1Cを形成した場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、扇状の摺動部31Cを1個のみとしてもよく、
この場合には固定板33(41)に形成した摩擦部材3
4(42)についても摺動部31Cに対応した位置に1
個のみ形成すればよい。また、回動板31の形状は鼓状
に限らず、図10に示す第1の変形例のように、長方形
の摺動板51Aを有する長板状の回動板51としても、
図11に示す第2の変形例のように、三角形状の摺動板
52Aを有する回動板52としてもよく、回動板は摩擦
部材34(42)上を回動する間に摩擦抵抗値が変化す
る狭幅板であればよい。
【0060】また、回動軸18の回動角に応じて回動板
31との接触面積を変化させる摩擦部材の形状は、実施
の形態では眉状、扇状とした場合を例に挙げたが、これ
に限らず、回動軸18の回動に伴って回動板との接触面
積が変化する形状であれば、図12の第3の変形例に示
す如く、固定板33上に形成された三角形状の摩擦部材
53のようにしてもよい。
【0061】また、実施の形態では、取付フレーム11
の他側凹陥部13Cに廻り止状態で円板状の固定板33
(41)を取付けるようにし、この固定板33(41)
上を扇状の摺動部31Cが回動軸18の回動に伴って摺
動するようにしたが、図13、図14に示す第4の変形
例のように、表面に眉状の摩擦部材55を有する円板状
の回動板54を回動軸18に固着し、扇状をした摺動部
56Aを有する固定板56を他側凹陥部13Cに廻り止
状態で取付ける逆の構成としてもよい。
【0062】また、図15、図16に示す第5の変形例
のように、摩擦部材を回動板と固定板の両側に形成した
ときには、扇状の摺動部57Aを有する回動板57の表
面に回動板側の摩擦部材58を形成し、固定板59の表
面に眉状の固定板側の摩擦部材60を形成すればよく、
また摩擦部材58,60は、回動軸18が回動変化した
ときに摩擦部材58,60が接触する面積が変化する形
状であればよい。
【0063】さらに、実施の形態では、低摩擦係数を有
する金属材料によって形成された固定板33(41)の
表面に、高摩擦係数を有する摩擦部材34(42)を形
成した場合について述べたが、固定板33(41)を高
摩擦係数を有する材料で形成し、摩擦部材34(42)
を低摩擦係数を有する材料によって形成してもよいこと
は勿論である。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、摩擦部材をアクセル操作量に応じて該摩擦
部材と回動板との接触面積を変化させ、ヒステリシス手
段から発生する摩擦抵抗を回動軸の回動角に応じて変化
させるようにし、アクセルペダルの踏込時と戻し時とに
発生する保持力を変化させるようにしたから、アクセル
操作量が小さいときには、操作力は軽く保持力も小さく
なり、アクセル操作量が大きいときには、操作力は重く
保持力も大きくなるアクセルペダルの操作感覚を実現で
き、アクセルペダルがスロットルバルブに機械的に連結
されている場合の感覚に近似させることができる。
【0065】請求項2の発明では、ヒステリシス手段を
回動軸の回動角に対応して非直線性をもって回動軸に加
わる軸トルクを発生させる構成としたから、アクセルペ
ダルを踏込むときと戻すときに生じる回動軸に加わる軸
トルクの差は、回動軸の回動角に応じて変化させること
ができ、アクセルペダルの応答性を変化させることがで
きる。
【0066】請求項3の発明では、固定板を平板状体に
形成し、摩擦部材を回動板の回動方向に対し表面積が異
なる形状に形成し、回動板を前記摩擦部材上を摺動する
間に摩擦抵抗値が変化する狭幅板として形成したから、
例えば回動軸の回動角を小から大への変化に対応させて
眉状の摩擦部材と回動板との接触面積を順次変化させる
ことができ、ヒステリシス手段から発生する摩擦抵抗は
回動角の変化に応じて可変にでき、アクセルペダルの応
答性を変化させることができる。
【0067】請求項4の発明では、固定板を平板状体に
形成し、摩擦部材を回動軸の軸中心に対し所定の角度範
囲内に設け、回動板を前記摩擦部材上を摺動する間に摩
擦抵抗値が変化する狭幅板として形成したから、例えば
回動軸の回動角を小から大への変化に対応させて扇状の
摩擦部材と回動板との接触面積を順次変化させることが
でき、ヒステリシス手段から発生する摩擦抵抗値は、回
動角の変化に応じて可変にでき、アクセルペダルの応答
性を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態によるアクセル操作量検出装
置が用いられる電動式スロットル装置を示す全体構成図
である。
【図2】第1の実施の形態によるアクセル操作量検出装
置を示す斜視図である。
【図3】アクセル操作量検出装置の縦断面図である。
【図4】ヒステリシス発生器の回動板を示す正面図であ
る。
【図5】ヒステリシス発生器の固定板を示す正面図であ
る。
【図6】固定板に回動板を重ねた状態を示す正面図であ
る。
【図7】第1の実施の形態による回動軸の回動角に対応
する回動軸の軸トルクの特性を示す特性図である。
【図8】第2の実施の形態によるヒステリシス発生器の
固定板に回動板を重ねた状態を示す正面図である。
【図9】第2の実施の形態による回動軸の回動角に対応
する回動軸の軸トルクの特性を示す特性図である。
【図10】第1の変形例による摺動部を長方形状にした
回動板を示す正面図である。
【図11】第2の変形例による摺動部を三角形状にした
回動板を示す正面図である。
【図12】第3の変形例による固定板上に設けた摩擦部
材を三角形状にした固定板を示す正面図である。
【図13】第4の変形例による回動板を示す正面図であ
る。
【図14】第4の変形例による固定板を示す正面図であ
る。
【図15】第5の変形例による回動板を示す正面図であ
る。
【図16】第5の変形例による固定板を示す正面図であ
る。
【図17】従来技術による回動軸の回動角に対応する回
動軸の軸トルクの特性を示す特性図である。
【符号の説明】
6 アクセルペダル 7 アクセル操作量検出装置 8 ワイヤ 11 取付フレーム 18 回動軸 19 ワイヤドラム 23 戻しばね 28 アクセルセンサ(回動検出手段) 29 ヒステリシス発生器(ヒステリシス手段) 31,51,52,54,57 回動板 32 波形ワッシャ(押圧ばね) 33,41,56,59 固定板 34,42,53,55,58,60 摩擦部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に設けた取付フレームと、該取付フ
    レームに回動可能に支持された回動軸と、該回動軸に取
    付けられ、アクセルペダルとワイヤを介して連結されて
    該回動軸をアクセル操作量に応じて回動させるワイヤド
    ラムと、前記取付フレームに設けられ前記回動軸の回動
    角をアクセル操作量として検出する回動検出手段と、前
    記アクセルペダルを初期位置に復帰させるように前記回
    動軸を常時戻す戻しばねと、前記取付フレームと回動軸
    との間に設けられ、アクセルペダルの踏込時と戻り時と
    で前記回動軸に加わる軸トルクを異ならしめる摩擦抵抗
    を発生させるヒステリシス手段とからなるアクセル操作
    量検出装置において、 前記ヒステリシス手段は、前記回動軸に固着された回動
    板と、前記取付フレームに廻り止状態で取付けられた固
    定板と、該固定板を回動板に向けて押圧する押圧ばね
    と、前記固定板と回動板のうち少なくとも一方側に設け
    られ、前記回動軸の回動角に応じて回動板と固定板との
    間の摩擦抵抗値を変化させる摩擦部材とから構成したこ
    とを特徴とするアクセル操作量検出装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒステリシス手段は、前記回動軸の
    回動角に対応して非直線性をもって前記回動軸に加わる
    軸トルクを発生させる構成としてなる請求項1記載のア
    クセル操作量検出装置。
  3. 【請求項3】 前記固定板は平板状体に形成し、前記摩
    擦部材は前記回動板の回動方向に対し表面積が異なる形
    状に形成し、前記回動板は前記摩擦部材上を摺動する間
    に摩擦抵抗値が変化する狭幅板として形成してなる請求
    項1または2記載のアクセル操作量検出装置。
  4. 【請求項4】 前記固定板は平板状体に形成し、前記摩
    擦部材は回動軸の軸中心に対し所定の角度範囲内に設
    け、前記回動板は前記摩擦部材上を摺動する間に摩擦抵
    抗値が変化する狭幅板として形成してなる請求項1また
    は2記載のアクセル操作量検出装置。
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