JPH11222044A - 作業車 - Google Patents

作業車

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JPH11222044A
JPH11222044A JP2830698A JP2830698A JPH11222044A JP H11222044 A JPH11222044 A JP H11222044A JP 2830698 A JP2830698 A JP 2830698A JP 2830698 A JP2830698 A JP 2830698A JP H11222044 A JPH11222044 A JP H11222044A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非作業時には前車輪を大きく操向操作しても
前車輪の増速を行わない作業車を合理的に構成する。 【解決手段】 前車輪が設定量以上操向操作された際に
は前輪変速装置を制御して前車輪の駆動速度の増大を行
わせる制御装置40を備えると共に、車体に対してロー
タリ耕耘装置を連結した状態か、分離した状態にあるか
をロータリ耕耘装置に備えたカバーセンサ16が接続す
る信号系の信号電圧に基づいて判別するよう制御装置4
0の制御動作を設定し、この制御装置40でロータリ耕
耘装置の分離を判別した場合には前輪変速装置の増速作
動の現出を阻止するよう制御装置40の制御動作を設定
してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操向操作自在に構
成された駆動型の左右の前車輪と、駆動型の左右の後車
輪とを有した車体に対して、アクチュエータによって対
地作業装置を昇降させる昇降装置を備えると共に、前車
輪の操向操作と連動して前車輪の周速度を後車輪の周速
度より増大せる前輪増速装置を備えた作業車に関し、詳
しくは、前車輪の増速を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された作業車として特
開平7‐125553号公報に示されるものが存在し、
この従来例では前輪操舵角センサで計測される前車輪の
操舵角(操向角)が設定角以上に達すると、前車輪の増
速を図る制御系を備えて構成され、この従来例では車体
の走行速度が低速である場合にのみ前車輪の増速が許さ
れるよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来例のよう
に走行速度が低速の場合に自動的に前車輪が増速操作さ
れるものでは、例えば、路上を低速で走行している場合
等の非作業時においても前車輪を設定角以上操向操作し
た場合には前車輪が増速して急旋回することもあり、こ
のように急旋回を生ずるとステアリングハンドルの操作
感覚が大きく変化するものとなり改善の余地がある。つ
まり、路上走行時に前車輪の操向角が設定角未満の域に
ある場合にはステアリングハンドルの操作量に比例した
車体の旋回が行われ、前車輪の操向角が設定角以上に達
したステアリングハンドルの操作量より大きく車体を旋
回させる状態に切換わるものでは、操作感覚が変化し過
ぎるばかりで無く、作業者に意志に反する旋回も行われ
ることにもなるので非作業時に前車輪の増速を自動的に
阻止する技術が望まれている。
【0004】本発明の目的は、作業時には前車輪が所定
角度以上操向操作された場合には前車輪の増速を行って
車体を小半径で旋回させ、非作業時には前車輪を大きく
操向操作しても前車輪の増速を行わない作業車を合理的
に構成する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請
求項1)は冒頭に記したように、操向操作自在に構成さ
れた駆動型の左右の前車輪と、駆動型の左右の後車輪と
を有した車体に対して、アクチュエータによって対地作
業装置を昇降させる昇降装置を備えると共に、前車輪の
操向操作と連動して前車輪の周速度を後車輪の周速度よ
り増大せる前輪増速装置を備えた作業車において、該作
業車が前記対地作業装置を用いた作業状態にあるか、非
作業状態にあるかを判別する判別手段を備え、この判別
手段で非作業状態であることを判別した際には前記前輪
増速装置の増速作動の現出を阻止する牽制手段を備えて
いる点にあり、その作用、及び、効果は次の通りであ
る。
【0006】本発明の第2の特徴(請求項2)は第1の
特徴において、前記左右の後車輪を独立して制動する制
動装置を備えると共に、前記前車輪を設定量以上操向操
作した際に、旋回内側の制動装置を制動する制動制御手
段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の
通りである。
【0007】本発明の第3の特徴(請求項3)は第1又
は第2の特徴において、対地高さを所定の電圧域内の電
圧信号で出力する接地型のセンサを前記対地作業装置に
備えると共に、このセンサからの信号電圧を目標電圧に
維持するよう前記アクチュエータを制御する制御装置を
前記車体に備え、このセンサが制御装置に対する入力系
から分離された際には、この入力系の電圧が前記所定の
電圧域外に存在するよう信号系を構成し、又、前記入力
系の電圧信号が前記所定の電圧域外に存在する際には非
作業状態にあると判別するよう前記判別手段が構成され
ている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りであ
る。
【0008】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項
1又は2において、前記対地作業装置が前記車体に対し
所定の高さ以上まで上昇操作された際には、非作業状態
と判別するよう前記判別手段を構成してある点にあり、
その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項
1又は2において、前記対地作業装置が接地状態で前記
前車輪を所定量以上操向操作した際に前記アクチュエー
タを制御して対地作業装置を所定高さまで強制的に上昇
させる強制上昇手段を備えると共に、この前車輪を所定
量以上操向操作した際に対地作業装置が非接地状態にあ
る場合には非作業状態にあると判別するよう前記判別手
段が構成されている点にあり、その作用、及び、効果は
次の通りである。
【0010】〔作用〕上記第1の特徴によると、対地作
業装置を用いた作業状態にある場合には、前車輪の操向
操作と連動して前輪増速装置による前輪の増速を許容
し、非作業状態にあることを判別手段が判別した場合に
は、前車輪を操向操作しても前輪増速装置による前車輪
の増速の現出が阻止されるものとなる。
【0011】上記第2の特徴によると、前車輪が設定量
以上操向操作された場合には制動制御手段が旋回内側の
制動装置を制動することで、この制動された後車輪の接
地位置を略中心とした旋回を可能にするものとなる。
【0012】上記第3の特徴によると、車体から対地作
業装置を分離した場合には、センサが制御装置の入力系
から分離され、この入力系の電圧信号が所定の電圧域外
まで変化することになるので、判別手段が非作業状態に
あると判別する結果、前車輪の増速は行われない。
【0013】上記第4の特徴によると、対地作業装置が
所定高さ以上まで上昇操作された際には判別手段が非作
業状態と判別する結果、前車輪の増速は行われない。
【0014】上記第5の特徴によると、対地作業装置を
接地させた状態で前車輪を設定量以上操向操作した場合
には強制上昇手段が対地作業装置を所定高さまで強制的
に上昇させると共に、このように強制上昇手段を備えて
いるものにおいて、対地作業装置が非接地状態にある場
合には判別手段が非作業状態と判別する結果、前車輪の
増速は行われない。
【0015】〔発明の効果〕従って、作業時には前車輪
が所定角度以上操向操作された場合に前車輪の増速を行
って車体を小半径で旋回させると共に、非作業時には前
車輪を大きく操向操作しても前車輪の増速を行わないの
で、例えば、路上走行時にステアリングハンドルを大き
く操作した場合に車体の旋回半径を急に小さくして作業
者に対する操作感覚を狂わせる等の不都合を発生させる
こと無く、操作感覚に違和感を感じさせず円滑な旋回操
作を行い得る作業車が合理的に構成されたのである(請
求項1)。又、作業時の車体旋回時には旋回半径を一層
小さくした旋回を可能にするものとなり(請求項2)、
対地作業装置を車体から分離した場合にはスイッチ類を
操作しなくとも自動的に前車輪の増速が阻止されるもの
となり(請求項3)、対地作業装置を非作業高さまで上
昇させた場合にはスイッチ類を操作しなくとも自動的に
前車輪の増速が阻止されるものとなり(請求項4)、作
業時には旋回操作と連動して対地作業装置を強制的に上
昇させる制御が可能になると共に、このように強制上昇
を行う制御時には対地作業装置を非接地高さまで上昇さ
せておくだけで、自動的に前車輪の増速が阻止されるも
のとなる(請求項5)。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1,図2に示すように、前車輪
1及び後車輪2を備えた車体の前部にエンジン3を搭載
すると共に、このエンジン3からの動力が主クラッチハ
ウジング4に内装された主クラッチを介して伝えられる
ミッションケース5を車体の後部に配置し、このミッシ
ョンケース5の後端上部位置にアクチュエータとしての
リフトシリンダ6で駆動昇降される左右一対のリフトア
ーム7を備え、又、車体の中央部にメータパネル8とス
テアリングハンドル9と、運転座席10とを配置し、更
に、この運転座席10の右側部にリフトアーム7を制御
するポジションレバー11を配置し、この運転座席10
の左側部にミッションケース内の変速装置を変速操作す
る主変速レバー12を配置して作業車の一例としての農
用トラクタを構成する。
【0017】車体の後端位置に対して2点リンク機構1
3を介して対地作業装置としてのロータリ耕耘装置14
を分離自在に連結してあり、この2点リンク機構13と
前記左右のリフトアーム7との間に左右一対のリフトロ
ッド15を介装することで、リフトシリンダ6の駆動力
でロータリ耕耘装置14の昇降を行えるよう構成してあ
る。又、このロータリ耕耘装置14の後端位置に横向き
姿勢の軸芯P周りで揺動自在に接地型の後カバー14A
を備え、この後カバー14Aの揺動姿勢から該ロータリ
耕耘装置14の対地高さを計測するポテンショメータ型
のカバーセンサ16を備えている(リフトアーム7、リ
フトロッド15、2点リンク機構13夫々で昇降装置が
構成されている)。
【0018】図2に示すように、ステップ17の左側に
は踏み操作で前記主クラッチを切り操作する主クラッチ
ペダル18を備えており、ステップ17の右側には左右
の後車輪2,2に対して独立して制動力を作用させる左
右一対のサイドブレーキペダル19,19を備えてい
る。又、ステアリングハンドル9の操作力をパワーステ
アリング機構(図示せず)を介して左右の前車輪1,1
に伝える操向操作系を形成してある。
【0019】図1,図3,図4に示すように、前記ミッ
ションケース5の下部位置には前輪変速装置A(前輪増
速装置の一例)を備え、この前輪変速装置Aは前車輪1
の周速度と後車輪2の周速度とを等しくする等速駆動状
態と、車体を小半径で旋回させるために前車輪1の周速
度を後車輪2の周速度より増速させる増速駆動状態と、
前車輪1に動力を伝えない二輪駆動状態とを現出し得る
よう構成されている。つまり、この前輪変速装置Aは後
車輪2の差動装置2Aに対してミッションケース5の変
速装置5Aからの動力をする入力軸21からの動力がギ
ヤ連動機構22を介して伝えられる中間軸23と、この
中間軸22と平行姿勢で支承された前輪駆動軸24と、
中間軸23からの動力を標準ギヤ機構25を介して前輪
駆動軸24に伝える摩擦多板式の標準クラッチ26と、
中間軸23からの動力を増速ギヤ機構27を介して前輪
駆動軸24に伝える摩擦多板式の増速クラッチ28とを
備えて成り、標準クラッチ26、増速クラッチ28とも
圧油の供給によって入り状態に達して動力を伝えるよう
構成されている。又、この前輪駆動軸24の前端からの
動力を中間伝動軸29を介して前記前車輪1の差動装置
1Aに伝える伝動系が形成されている。
【0020】又、左右の後車輪2,2に対する車軸2
B,2Bに制動力を作用させる制動手段としての摩擦式
のサイドブレーキ31,31を備えており、このサイド
ブレーキ31は圧油の供給により内部のピストンが作動
して摩擦板同士を圧接して後車輪2に対して制動力を作
用させ得るよう構成されている。そして、前記標準クラ
ッチ26、増速クラッチ27夫々に対する圧油を制御す
る電磁操作型の切換弁32、左右のサイドブレーキ3
1,31に対する左右の電磁操作型のブレーキ弁33,
33、前記リフトシリンダ6に対する圧油を制御する電
磁操作型の昇降弁34夫々を備えると共に、これらの弁
32,33,33,34に対して圧油を供給するようエ
ンジン3で駆動される油圧ポンプ35が備えられてい
る。
【0021】図3に示すようにステアリングハンドル9
の操作力をパワーステアリング機構(図示せず)を介し
て左右の前車輪1,1に伝える操向操作系を形成してあ
り、この操向操作系の操向操作量を計測するポテンショ
メータ型のステアリングセンサ36を備え、前記左右の
サイドブレーキペダル19,19の近傍位置にこれらの
踏み込み操作を検出するブレーキセンサ37,37を備
え、後車輪2,2の差動装置2Aに動力を伝える前記入
力軸21に備えたギヤに近接する位置に車体の走行速度
を計測するピックアップ型の車速センサ38を配置して
ある。
【0022】更に、前記メータパネル8に対して図5に
示すように前車輪1の駆動モードを設定するダイヤル4
1を備えており、このダイヤル41は後車輪2のみを駆
動する状態を維持する「2WD」位置と、前記等速駆動
状態を現出する「4WD」位置と、前車輪1が設定角度
以上操向操作された際に前記前輪変速装置Aからの増速
動力を前車輪1に伝えて前記増速駆動状態を現出する
「倍速」位置と、前車輪1が設定角度以上操向操作され
た際に前記前輪変速装置Aからの増速動力を前車輪1に
伝えると同時に旋回内側の後車輪2のサイドブレーキ3
1を制動操作する「倍速/AD」位置とに設定自在に構
成されている。
【0023】このトラクタでは図5に示すように、マイ
クロプロセッサを備えた制御装置40を備えており、こ
の制御装置40に対して、前記ダイヤル41の設定位置
を判別するモードスイッチ42と、前記ステアリングセ
ンサ36と、前記左右のブレーキセンサ37,37と、
前記車速センサ38と、前記ポジションレバー11の操
作位置を計測するポテンショメータ型のレバーセンサ4
3と、前記リフトアームの揺動量を計測するポテンショ
メータ型のリフトアームセンサ44と、前記ロータリ耕
耘装置14の目標耕深を設定するポテンショメータ型の
耕深設定器45と、前記カバーセンサ16とからの信号
が入力する系が形成されると共に、切換弁32の標準ク
ラッチ26入り操作側の標準ソレノイド32Lと、切換
弁32の増速クラッチ28入り操作側の増速ソレノイド
32Hと、前記ブレーキ弁33,33夫々のブレーキソ
レノイド33S,33Sと、前記昇降弁34を上昇側に
操作する上昇ソレノイド34Uと、昇降弁34を下降側
に操作する下降ソレノイド34D夫々に信号を出力する
系が形成されている。
【0024】又、前記カバーセンサ16から制御装置4
0に対する入力信号系に対して分離自在なカプラー46
を介装してロータリ耕耘装置14の車体からの分離時に
は信号系を分離可能に構成すると共に、このカプラー4
6より制御装置40の側の信号線にプルアップ抵抗47
を備えることでカプラー46を分離した場合には信号線
の電圧を電源電圧まで上昇させてカプラー46が分離状
態にあることを電圧の状態から判別できるよう構成され
ている。
【0025】尚、ポジションレバー11を操作した場合
には、レバーセンサ43で計測されるレバー11の設定
位置が対車体目標高さに設定され、この目標高さを基準
に形成される不感帯の領域内にリフトアームセンサ44
で計測される信号値が達するまでロータリ耕耘装置14
の昇降を行うようポジション制御の形態が設定され、
又、ポジションレバー11を最下降位置に設定した場合
には自動耕深制御が開始され、この自動耕深制御では、
耕深設定器45で地面を基準にした目標深さが設定され
ると共に、この目標深さを基準に形成される不感帯の領
域内にカバーセンサ16で計測される信号値が達するま
でロータリ耕耘装置14の昇降が行われるよう制御の形
態が設定されている。
【0026】前記制御装置40はロータリ耕耘装置14
の昇降制御と、前輪変速装置Aの制御とを行うよう構成
さると共に、図6のフローチャートに示す制御を行うプ
ログラム(このプログラムの一部で判別手段、牽制手
段、制動制御手段が構成されている)がセットされてい
る。つまり、このフローチャートに示す制御ではモード
スイッチ42からの信号を入力して前車輪1の駆動モー
ドを判別して「2WD」位置に操作されている場合には
切換弁32を中立位置に操作して前車輪1に対する伝動
を遮断した状態を維持し(#101〜#103ステッ
プ)、次にモードスイッチ42が「4WD」の位置に操
作されている場合には切換弁32の標準ソレノイド32
Lを駆動して4輪駆動状態を維持し(#104,#10
5ステップ)、これ以外の場合には、切換弁32の標準
ソレノイド32Lを駆動して4輪駆動状態に設定した状
態で、車速センサ38からの信号を入力して車体の走行
速度を判別する(#106,#107ステップ)。
【0027】この判別によって車体が設定された速度以
下で走行していることが判明した場合、リフトアームセ
ンサ44からの信号に基づいてリフトアーム7が上限に
ないことが判明した場合、カバーセンサ16からの信号
が所定の電圧域内に存在し、ロータリ耕耘装置14が車
体に連結されていることが判明した場合には(#108
〜#112ステップ)、旋回制御ルーチンの処理を行い
(#200ステップ)、これらの条件が成立しない場合
には、切換弁32の標準ソレノイド32Lの駆動状態を
維持して4輪駆動状態を維持し、この制御をリセットさ
れるまで継続するものとなっている(#113ステッ
プ)。
【0028】図7のフローチャートに示すように旋回制
御ルーチン(#200ステップ)では、ステアリングセ
ンサ36からの信号を入力して前車輪1が設定角度以上
操向操作されたかを判別し、設定角度以上操作されなか
った場合には、切換弁32の標準ソレノイド32Lの駆
動状態を維持して4輪駆動状態を維持し(#201〜#
204ステップ)、前車輪1が設定角度以上操向操作さ
れた場合にはモードスイッチ42が「倍速/AD」位置
に操作された状況でのみ旋回内側に対応するブレーキ弁
33のブレーキソレノイド33S駆動してサイドブレー
キ31を制動操作し、更に、上昇ソレノイド34Uを駆
動してリフトシリンダ6の駆動力によってロータリ耕耘
装置14を上限まで上昇させる制御を行うと共に、切換
弁32の増速ソレノイド32Hを駆動して前輪変速装置
Aの増速クラッチ28を入り操作する制御を前車輪1が
設定角度未満の値に復元操作されるまで継続するものと
なっている(#206〜#210ステップ)。
【0029】このように本トラクタでは作業時にモード
スイッチ42の操作で車体旋回時の前車輪1の駆動形態
を設定しておくことにより、操向操作を行うだけで自動
的に前車輪1の増速を行って小半径での旋回と、この旋
回時に前車輪1の増速と同時に旋回内側の後車輪2の制
動操作を自動的に行って一層小さい半径での旋回とを行
えるものとなっており、例えば、車体に対してロータリ
耕耘装置14が連結されていない場合、車体にロータリ
耕耘装置14が連結されていても上限位置まで上昇され
た状態にある場合、車体が高速で走行している場合には
車体を小半径で旋回させるステアリング操作が行われて
も前車輪1の増速を行わないものとなって、非作業時の
無駄な小旋回を牽制阻止するばかりでなく、例えば、路
上で高速で走行している際に作業者の意志に反した小半
径での旋回を阻止して作業者ステアリングハンドルの操
作感覚を狂わせず、車体の姿勢を安定させた走行を可能
にするものとなっている。特に、作業時にはロータリ耕
耘装置14が接地状態にあって耕起作業を行っている際
にはロータリ耕耘装置14を上昇させる操作を特別に行
わずとも操向操作と連動してロータリ耕耘装置14を上
限まで上昇させる制御が行われるので作業者の操作の手
間を省いて楽な作業を可能にするものとなっている。
【0030】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態
以外に、例えば、車体に対地作業装置が連結された際に
は耕耘装置の押し操作でONとなり、車体から対地作業
装置が分離された際には自然にOFF状態となるスイッ
チを備えることで判別手段を構成することも可能であ
る。
【0031】又、旋回内側の後車輪を制動操作する制動
手段の制動開始タイミングを前車輪の増速開始のタイミ
ングより早める、あるいは、遅くするよう、制御に時間
差を設定することが可能であり、前車輪を増速させる操
向操作角度より大きい操向操作角に達したタイミングで
旋回内側の後車輪を制動操作する、あるいは、前車輪を
増速させる操向操作角度より小さいい操向操作角に達し
たタイミングで旋回内側の後車輪を制動操作するよう制
動制御系を構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図
【図2】トラクタ前部の平面図
【図3】車体の伝動系の平面図
【図4】車体の油圧回路図
【図5】制御系のブロック回路図
【図6】メインの制御動作のフローチャート
【図7】旋回制御ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 前車輪 2 後車輪 6 アクチュエータ 14 対地作業装置 16 センサ 31 制動装置 40 制御装置 A 前輪増速装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作自在に構成された駆動型の左右
    の前車輪と、駆動型の左右の後車輪とを有した車体に対
    して、アクチュエータによって対地作業装置を昇降させ
    る昇降装置を備えると共に、前車輪の操向操作と連動し
    て前車輪の周速度を後車輪の周速度より増大せる前輪増
    速装置を備えた作業車であって、 該作業車が前記対地作業装置を用いた作業状態にある
    か、非作業状態にあるかを判別する判別手段を備え、こ
    の判別手段で非作業状態であることを判別した際には前
    記前輪増速装置の増速作動の現出を阻止する牽制手段を
    備えている作業車。
  2. 【請求項2】 前記左右の後車輪を独立して制動する制
    動装置を備えると共に、前記前車輪を設定量以上操向操
    作した際に、旋回内側の制動装置を制動する制動制御手
    段を備えている請求項1記載の作業車。
  3. 【請求項3】 対地高さを所定の電圧域内の電圧信号で
    出力する接地型のセンサを前記対地作業装置に備えると
    共に、このセンサからの信号電圧を目標電圧に維持する
    よう前記アクチュエータを制御する制御装置を前記車体
    に備え、このセンサが制御装置に対する入力系から分離
    された際には、この入力系の電圧が前記所定の電圧域外
    に存在するよう信号系を構成し、又、前記入力系の電圧
    信号が前記所定の電圧域外に存在する際には非作業状態
    にあると判別するよう前記判別手段が構成されている請
    求項1又は2記載の作業車。
  4. 【請求項4】 前記対地作業装置が前記車体に対し所定
    の高さ以上まで上昇操作された際には、非作業状態と判
    別するよう前記判別手段を構成してある請求項1又は2
    記載の作業車。
  5. 【請求項5】 前記対地作業装置が接地状態で前記前車
    輪を所定量以上操向操作した際に前記アクチュエータを
    制御して対地作業装置を所定高さまで強制的に上昇させ
    る強制上昇手段を備えると共に、この前車輪を所定量以
    上操向操作した際に対地作業装置が非接地状態にある場
    合には非作業状態にあると判別するよう前記判別手段が
    構成されている請求項1又は2記載の作業車。
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