JPH11221844A - 凹凸界面を有する複合シートの製造装置及び製造方法 - Google Patents
凹凸界面を有する複合シートの製造装置及び製造方法Info
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- JPH11221844A JPH11221844A JP10027367A JP2736798A JPH11221844A JP H11221844 A JPH11221844 A JP H11221844A JP 10027367 A JP10027367 A JP 10027367A JP 2736798 A JP2736798 A JP 2736798A JP H11221844 A JPH11221844 A JP H11221844A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱可塑性樹脂の押出成形により、外観欠陥が
なく、光拡散性シート、導光性シート等に好適な複合シ
ートを製造する装置及び方法を提供する。 【解決手段】 一端に複合樹脂流形成部（２２）及び他
端に複合樹脂流出口（２３）を有する複合樹脂流路（２
１）内の複合樹脂流形成部（２２）を有する押出成形装
置を用い、樹脂層Ｂ用樹脂をスリット状の流路（３
１）、樹脂層Ｂ用樹脂の流路（３１）から、樹脂層Ａ用
樹脂及び樹脂層Ｃ用樹脂ををそれぞれ流路（３５）およ
び流路（３６）から流入させ、さらに樹脂層Ａ用樹脂を
スリット状流路（４１）から複合樹脂流路（２１）に流
入させて複合樹脂流を形成し、複合樹脂流出口（２３）
から溶融状態のシート状物として押し出し、このシート
状物を少なくとも１対の成形ロール間に挟み込み、シー
ト状物の面と成形ロール間に溶融樹脂の溜まりを形成し
つつ押出板に成形する。
なく、光拡散性シート、導光性シート等に好適な複合シ
ートを製造する装置及び方法を提供する。 【解決手段】 一端に複合樹脂流形成部（２２）及び他
端に複合樹脂流出口（２３）を有する複合樹脂流路（２
１）内の複合樹脂流形成部（２２）を有する押出成形装
置を用い、樹脂層Ｂ用樹脂をスリット状の流路（３
１）、樹脂層Ｂ用樹脂の流路（３１）から、樹脂層Ａ用
樹脂及び樹脂層Ｃ用樹脂ををそれぞれ流路（３５）およ
び流路（３６）から流入させ、さらに樹脂層Ａ用樹脂を
スリット状流路（４１）から複合樹脂流路（２１）に流
入させて複合樹脂流を形成し、複合樹脂流出口（２３）
から溶融状態のシート状物として押し出し、このシート
状物を少なくとも１対の成形ロール間に挟み込み、シー
ト状物の面と成形ロール間に溶融樹脂の溜まりを形成し
つつ押出板に成形する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明カバー、採光
窓、建材、道路標識、照明看板、液晶表示装置等の用途
に好適な光拡散性シート、導光性シート等の外、多様な
目的及び用途に適用可能な複合樹脂シートの製造装置及
び製造方法に関する。
窓、建材、道路標識、照明看板、液晶表示装置等の用途
に好適な光拡散性シート、導光性シート等の外、多様な
目的及び用途に適用可能な複合樹脂シートの製造装置及
び製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】特開平６−３９９８６号公報では、絞り
模様を有する第１の樹脂シートの絞り面に、透明な第２
の樹脂シートが積層された樹脂シートを製造する方法が
提案されている。
模様を有する第１の樹脂シートの絞り面に、透明な第２
の樹脂シートが積層された樹脂シートを製造する方法が
提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に開示された方法では、第１の樹脂シートに絞り模
様を形成する工程と、さらに第２の樹脂層を積層する工
程等を経なければならず、工程が煩雑で、製造コストが
高くなるという問題があった。一方、シート内部の積層
界面が凹凸形状を有する樹脂シートを、成形ロールによ
って溶融樹脂の溜まりを形成しつつ、押出板に成形する
方法は未だ知られていない。
公報に開示された方法では、第１の樹脂シートに絞り模
様を形成する工程と、さらに第２の樹脂層を積層する工
程等を経なければならず、工程が煩雑で、製造コストが
高くなるという問題があった。一方、シート内部の積層
界面が凹凸形状を有する樹脂シートを、成形ロールによ
って溶融樹脂の溜まりを形成しつつ、押出板に成形する
方法は未だ知られていない。
【０００４】熱可塑性樹脂の押出成形によるシートの製
造にあたって、溶融状態の熱可塑性樹脂を成形ダイの出
口から押出した後、シートの表面状態及び厚みを均一に
するためにシートの一方の面と成形ロールの間に溶融樹
脂の溜まり（以下適宜バンクと称する）を形成して賦形
する。この時成形ロール部のバンク内に、厚み方向Ｙと
長さ方向Ｚで表される断面において溶融樹脂が循環反転
する流れが生じたり、またシート巾方向Ｘへの２次的流
れが発生したりする。
造にあたって、溶融状態の熱可塑性樹脂を成形ダイの出
口から押出した後、シートの表面状態及び厚みを均一に
するためにシートの一方の面と成形ロールの間に溶融樹
脂の溜まり（以下適宜バンクと称する）を形成して賦形
する。この時成形ロール部のバンク内に、厚み方向Ｙと
長さ方向Ｚで表される断面において溶融樹脂が循環反転
する流れが生じたり、またシート巾方向Ｘへの２次的流
れが発生したりする。
【０００５】ところが、シート内部の凹凸状の積層界面
は、バンク内の反転流や、バンクの２次的流れの影響を
受け易く、このためせっかく口金部で形成した積層凹凸
構造が変形したり、乱れが生じたりして、所望の形状に
賦形することが不可能であった。従って、バンクを形成
させながら賦形することができないため、押出板に成形
することができない状況にあった。そして、成形ロール
によるバンクの形成なしに製造したシートは、シート厚
が不均一で、表面に筋、凹凸、うねり、小皺等が発生
し、前記視界制御シートや遮光性シートのような目的に
は到底適するものではなかった。
は、バンク内の反転流や、バンクの２次的流れの影響を
受け易く、このためせっかく口金部で形成した積層凹凸
構造が変形したり、乱れが生じたりして、所望の形状に
賦形することが不可能であった。従って、バンクを形成
させながら賦形することができないため、押出板に成形
することができない状況にあった。そして、成形ロール
によるバンクの形成なしに製造したシートは、シート厚
が不均一で、表面に筋、凹凸、うねり、小皺等が発生
し、前記視界制御シートや遮光性シートのような目的に
は到底適するものではなかった。
【０００６】また、成形ロールを使用する場合にも前記
のバンクを形成しないで賦形しようとすれば、得られる
シートは、シート厚が不均一で、シート表面に光沢のな
いあばた状のヘコミが発生し、外観上許容することがで
きない欠点を有するものとなる。本発明はかかる状況に
鑑みてなされたものであり、その目的は熱可塑性樹脂の
押出板成形法を採用して、シート全体の表面状態、厚み
が均一で外観欠陥がなく、光拡散性シート、導光性シー
ト等に用いて好適な、シートの内部に凹凸界面を有する
複合シートを極めて簡便に製造する装置及び方法を提供
しようとするものである。
のバンクを形成しないで賦形しようとすれば、得られる
シートは、シート厚が不均一で、シート表面に光沢のな
いあばた状のヘコミが発生し、外観上許容することがで
きない欠点を有するものとなる。本発明はかかる状況に
鑑みてなされたものであり、その目的は熱可塑性樹脂の
押出板成形法を採用して、シート全体の表面状態、厚み
が均一で外観欠陥がなく、光拡散性シート、導光性シー
ト等に用いて好適な、シートの内部に凹凸界面を有する
複合シートを極めて簡便に製造する装置及び方法を提供
しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、透明
な樹脂層Ａと透明な樹脂層Ｃとによって透明な樹脂層Ｂ
が挟まれた積層構造を有し、外表面が平滑な樹脂シート
であって、隣接する樹脂層の屈折率が異なり、シートの
巾方向をｘ、厚み方向をｙとした場合に、ｘｙ平面で表
示される横断面において、樹脂層Ａと樹脂層Ｂとの境界
面及び樹脂層Ｂと樹脂層Ｃとの境界面の少なくとも一方
が凹凸形状を有する複合樹脂シートを製造するための装
置において、Ｘ方向に所定の巾、Ｙ方向に所定の厚み、
及びＺ方向に所定の長さを有し、Ｚ方向の一端に複合樹
脂流形成部（２２）及び他端に複合樹脂流出口（２３）
を有する複合樹脂流路（２１）内の複合樹脂流形成部
（２２）と、樹脂層Ｂ用樹脂をＺ方向に流入させるため
のＸ方向に延びるスリット状の流路（３１）、樹脂層Ｂ
用樹脂の流路（３１）を含むＸＺ平面の両側から複合樹
脂流形成部（２２）に向けて樹脂層Ａ用樹脂を流入させ
るための流路（３５）及び樹脂層Ｃ用樹脂を流入させる
ための流路（３６）を含み、流路（３５、３６）の少な
くとも一方の流路のＸＺ断面はＺ方向の高さが大きい部
分Ｒｎ及びＬｎと、Ｚ方向の高さが小さい（零を含む）
部分Ｒｍ及びＬｍとが交互に配置された形状を有し、複
合樹脂流形成部（２２）と複合樹脂流出口（２３）との
間の複合樹脂流路（２１）に向けて、樹脂層Ａ用樹脂を
流入させるスリット状の流路（４１）が、流路（３１）
を含むＸＺ平面の少なくとも一方の側に具備されている
ことを特徴とする凹凸界面を有する複合シートの製造装
置を提供する。
な樹脂層Ａと透明な樹脂層Ｃとによって透明な樹脂層Ｂ
が挟まれた積層構造を有し、外表面が平滑な樹脂シート
であって、隣接する樹脂層の屈折率が異なり、シートの
巾方向をｘ、厚み方向をｙとした場合に、ｘｙ平面で表
示される横断面において、樹脂層Ａと樹脂層Ｂとの境界
面及び樹脂層Ｂと樹脂層Ｃとの境界面の少なくとも一方
が凹凸形状を有する複合樹脂シートを製造するための装
置において、Ｘ方向に所定の巾、Ｙ方向に所定の厚み、
及びＺ方向に所定の長さを有し、Ｚ方向の一端に複合樹
脂流形成部（２２）及び他端に複合樹脂流出口（２３）
を有する複合樹脂流路（２１）内の複合樹脂流形成部
（２２）と、樹脂層Ｂ用樹脂をＺ方向に流入させるため
のＸ方向に延びるスリット状の流路（３１）、樹脂層Ｂ
用樹脂の流路（３１）を含むＸＺ平面の両側から複合樹
脂流形成部（２２）に向けて樹脂層Ａ用樹脂を流入させ
るための流路（３５）及び樹脂層Ｃ用樹脂を流入させる
ための流路（３６）を含み、流路（３５、３６）の少な
くとも一方の流路のＸＺ断面はＺ方向の高さが大きい部
分Ｒｎ及びＬｎと、Ｚ方向の高さが小さい（零を含む）
部分Ｒｍ及びＬｍとが交互に配置された形状を有し、複
合樹脂流形成部（２２）と複合樹脂流出口（２３）との
間の複合樹脂流路（２１）に向けて、樹脂層Ａ用樹脂を
流入させるスリット状の流路（４１）が、流路（３１）
を含むＸＺ平面の少なくとも一方の側に具備されている
ことを特徴とする凹凸界面を有する複合シートの製造装
置を提供する。
【０００８】本発明は、また、この装置を用い、樹脂層
Ａ用樹脂を流路（３５）から、樹脂層Ｃ用樹脂を流路
（３６）から、また樹脂層Ｂ用樹脂を流路（３１）から
複合樹脂流形成部（２２）に流入させ、さらに樹脂層Ａ
用樹脂を流路（４１）から複合樹脂流路（２１）に流入
させて複合樹脂流を形成し、複合樹脂流出口（２３）か
ら溶融状態のシート状物として押し出し、このシート状
物を少なくとも１対の成形ロール間に挟み込んで、シー
ト状物の面と成形ロール間に溶融樹脂の溜まりを形成し
つつ押出板に成形することを特徴とする凹凸界面を有す
る複合シートの製造方法を提供する。
Ａ用樹脂を流路（３５）から、樹脂層Ｃ用樹脂を流路
（３６）から、また樹脂層Ｂ用樹脂を流路（３１）から
複合樹脂流形成部（２２）に流入させ、さらに樹脂層Ａ
用樹脂を流路（４１）から複合樹脂流路（２１）に流入
させて複合樹脂流を形成し、複合樹脂流出口（２３）か
ら溶融状態のシート状物として押し出し、このシート状
物を少なくとも１対の成形ロール間に挟み込んで、シー
ト状物の面と成形ロール間に溶融樹脂の溜まりを形成し
つつ押出板に成形することを特徴とする凹凸界面を有す
る複合シートの製造方法を提供する。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら説明する。図１は本発明の押出成形装置の一態様を示
す模式平面図であり、図２は図１の装置の模式側面図で
ある。図３は、図１の押出成形装置における複合樹脂流
の形成及び押出装置部分の内部構造の一例を示す模式平
面断面図である。
ら説明する。図１は本発明の押出成形装置の一態様を示
す模式平面図であり、図２は図１の装置の模式側面図で
ある。図３は、図１の押出成形装置における複合樹脂流
の形成及び押出装置部分の内部構造の一例を示す模式平
面断面図である。
【００１０】図４は、図３におけるＩ−Ｉ線の矢視断面
図である。図５は、図４におけるII−II線方向からの斜
視図である。図６は、図１の装置における樹脂流路の一
例を説明するための図であり、図４におけるIII −III
線の矢視断面図である。図７は、図６におけるIV−IV線
の矢視断面図である。
図である。図５は、図４におけるII−II線方向からの斜
視図である。図６は、図１の装置における樹脂流路の一
例を説明するための図であり、図４におけるIII −III
線の矢視断面図である。図７は、図６におけるIV−IV線
の矢視断面図である。
【００１１】図８は、図１の装置における成形ロール部
の一例を示すＹＺ面に沿う断面図である。図９は、本発
明の装置及び方法で製造可能な複合樹脂シートのいくつ
かの例を示すｘｙ平面の模式断面図である。なお、破線
は複合樹脂流出口（２３）から吐出される溶融状態の複
合シートにおいて同種の樹脂の界面を便宜的に示したも
のである。
の一例を示すＹＺ面に沿う断面図である。図９は、本発
明の装置及び方法で製造可能な複合樹脂シートのいくつ
かの例を示すｘｙ平面の模式断面図である。なお、破線
は複合樹脂流出口（２３）から吐出される溶融状態の複
合シートにおいて同種の樹脂の界面を便宜的に示したも
のである。
【００１２】図１、図２及び図３に示す装置は、樹脂層
Ｃ用樹脂として樹脂層Ａ用樹脂と同じ樹脂を用い、樹脂
層Ａ用樹脂流路（４１）をＸＺ平面の一方の側にのみに
設けた場合の装置を示している。図１〜４において、樹
脂層Ａ用樹脂は押出機（１）により賦形ヘッド（５）内
に溶融押出され、定量ポンプ（３）及び（１６）に至
る。また、樹脂条Ｂ用樹脂は押出機（２）により同賦形
ヘッド（５）内に溶融押出され、定量ポンプ４に至る。
Ｃ用樹脂として樹脂層Ａ用樹脂と同じ樹脂を用い、樹脂
層Ａ用樹脂流路（４１）をＸＺ平面の一方の側にのみに
設けた場合の装置を示している。図１〜４において、樹
脂層Ａ用樹脂は押出機（１）により賦形ヘッド（５）内
に溶融押出され、定量ポンプ（３）及び（１６）に至
る。また、樹脂条Ｂ用樹脂は押出機（２）により同賦形
ヘッド（５）内に溶融押出され、定量ポンプ４に至る。
【００１３】それぞれの樹脂は、定量ポンプ（３）、
（１６）及び（４）で流量を調節され、ダイパック
（６）内に設けられたそれぞれの流路を経て複合樹脂流
を形成し、ダイパック（６）内の複合樹脂流出口（２
３）から押出される。次いで、成形ロール群（１０）に
より押出板に成形され、しかる後にシート切断機（１
５）により所定長さに切断される。
（１６）及び（４）で流量を調節され、ダイパック
（６）内に設けられたそれぞれの流路を経て複合樹脂流
を形成し、ダイパック（６）内の複合樹脂流出口（２
３）から押出される。次いで、成形ロール群（１０）に
より押出板に成形され、しかる後にシート切断機（１
５）により所定長さに切断される。
【００１４】図３〜７において、Ｘ方向に所定の巾、Ｙ
方向に所定の厚み及びＺ方向に所定の長さを有し、Ｚ方
向の一端に複合樹脂流形成部（２２）を、他端に複合樹
脂流出口（２３）を有する複合樹脂流路（２１）内の複
合樹脂流形成部（２２）において、樹脂層Ｂ用樹脂をＺ
方向に向かって流入させるスリット状の流路（３１）及
び流路（３１）を含むＸＺ平面の両側から複合樹脂流形
成部（２２）に樹脂層Ａ用樹脂を流入させるための２列
の流路（３５、３６）を有している。
方向に所定の厚み及びＺ方向に所定の長さを有し、Ｚ方
向の一端に複合樹脂流形成部（２２）を、他端に複合樹
脂流出口（２３）を有する複合樹脂流路（２１）内の複
合樹脂流形成部（２２）において、樹脂層Ｂ用樹脂をＺ
方向に向かって流入させるスリット状の流路（３１）及
び流路（３１）を含むＸＺ平面の両側から複合樹脂流形
成部（２２）に樹脂層Ａ用樹脂を流入させるための２列
の流路（３５、３６）を有している。
【００１５】樹脂層Ａ用樹脂の流路（３５、３６）の少
なくとも一方はそのＸＺ断面がＺ方向の高さが大きい部
分Ｒｎ及びＬｎと、Ｚ方向の高さが小さい部分（零を含
む）Ｒｍ及びＬｍとが交互に配置された形状を有する。
図３及び図４では流路（３５、３６）の両方が上記の凹
凸形状を有している装置を示している。複合樹脂流路
（２１）内の複合樹脂流形成部（２２）においては、樹
脂層Ａ用樹脂の流路（３５、３６）と樹脂層Ｂ用樹脂の
流路（３１）との相対的な配置関係により、樹脂層Ａと
樹脂層Ｂの積層界面はＸＹ平面内において樹脂Ａ用樹脂
の流動の作用を受けて凹凸形状に形成される。流路（３
１）からシート状に流出された樹脂層Ｂ用樹脂の流れ
は、図６に示すように、矢印で示される樹脂層Ａ用樹脂
の流動作用を受けて、樹脂層Ｂを挟む樹脂層Ａとの界面
が凹凸化される。図９にそのような界面の形状の例を示
す。
なくとも一方はそのＸＺ断面がＺ方向の高さが大きい部
分Ｒｎ及びＬｎと、Ｚ方向の高さが小さい部分（零を含
む）Ｒｍ及びＬｍとが交互に配置された形状を有する。
図３及び図４では流路（３５、３６）の両方が上記の凹
凸形状を有している装置を示している。複合樹脂流路
（２１）内の複合樹脂流形成部（２２）においては、樹
脂層Ａ用樹脂の流路（３５、３６）と樹脂層Ｂ用樹脂の
流路（３１）との相対的な配置関係により、樹脂層Ａと
樹脂層Ｂの積層界面はＸＹ平面内において樹脂Ａ用樹脂
の流動の作用を受けて凹凸形状に形成される。流路（３
１）からシート状に流出された樹脂層Ｂ用樹脂の流れ
は、図６に示すように、矢印で示される樹脂層Ａ用樹脂
の流動作用を受けて、樹脂層Ｂを挟む樹脂層Ａとの界面
が凹凸化される。図９にそのような界面の形状の例を示
す。
【００１６】本発明の装置及び方法の特徴は、図４に示
されるように、複合樹脂流形成部（２２）において複合
樹脂流が形成された後、流路（４１）から複合樹脂流路
（２１）の複合樹脂流に向けて樹脂層Ａ用樹脂を流入さ
せて複合樹脂流に積層する点にある。これにより、樹脂
層Ａと樹脂層Ｂとの凹凸形状を有する積層界面が、図９
（ａ）に示すように、複合樹脂流の厚み方向（Ｙ方向）
の一方の側に偏って形成される。
されるように、複合樹脂流形成部（２２）において複合
樹脂流が形成された後、流路（４１）から複合樹脂流路
（２１）の複合樹脂流に向けて樹脂層Ａ用樹脂を流入さ
せて複合樹脂流に積層する点にある。これにより、樹脂
層Ａと樹脂層Ｂとの凹凸形状を有する積層界面が、図９
（ａ）に示すように、複合樹脂流の厚み方向（Ｙ方向）
の一方の側に偏って形成される。
【００１７】図８は、成形ロール群（１０）のＹＺ断面
の部分拡大図である。ダイパック（６）の複合樹脂流出
口（２３）から押し出された溶融状態の複合樹脂流は、
少なくとも１対の成形ロール（１０）の間に挟まれなが
らバンクｆを形成し、シートの表面状態及びシート厚み
等が均一に成形される。成形ロール（１０）による賦形
時にはバンク内のＹＺ断面おける反転うず流の発生やシ
ートの巾方向（Ｘ方向）への２次的流れの発生により、
樹脂層Ａと樹脂層Ｂとの積層凹凸界面を変形させたり、
乱れさせたりするが、本発明では、図９に示すように樹
脂層Ａと樹脂層Ｂとの界面がシートの厚み方向（Ｙ方
向）の一方の側に偏って形成されるため、これと反対側
にバンクを形成すれば、上述したようなバンク内の溶融
樹脂の流動の影響が防止される。
の部分拡大図である。ダイパック（６）の複合樹脂流出
口（２３）から押し出された溶融状態の複合樹脂流は、
少なくとも１対の成形ロール（１０）の間に挟まれなが
らバンクｆを形成し、シートの表面状態及びシート厚み
等が均一に成形される。成形ロール（１０）による賦形
時にはバンク内のＹＺ断面おける反転うず流の発生やシ
ートの巾方向（Ｘ方向）への２次的流れの発生により、
樹脂層Ａと樹脂層Ｂとの積層凹凸界面を変形させたり、
乱れさせたりするが、本発明では、図９に示すように樹
脂層Ａと樹脂層Ｂとの界面がシートの厚み方向（Ｙ方
向）の一方の側に偏って形成されるため、これと反対側
にバンクを形成すれば、上述したようなバンク内の溶融
樹脂の流動の影響が防止される。
【００１８】本発明では、流路（４１）をＸＺ平面の両
方の側に設け、２列の流路より樹脂層Ａ用樹脂を流入さ
せることもできる。図９（ｂ）にそのようにして得られ
る複合シートの一例を示す。また、本発明では、樹脂層
Ｃ用樹脂の押出機を一系列追加して備え、流路（３５）
から樹脂層Ａ用樹脂を、また流路（３６）から樹脂層Ｃ
用樹脂を複合樹脂流形成部（２２）に流入させて複合樹
脂流を形成し、さらに流路（４１）を流路（３５）の側
に設けて樹脂層Ａ用樹脂を流入させ、しかる後にこの側
にバンクを形成させて押出板成形することもできる。図
９（Ｃ）にそのようにして得られる複合シートの一例を
示す。
方の側に設け、２列の流路より樹脂層Ａ用樹脂を流入さ
せることもできる。図９（ｂ）にそのようにして得られ
る複合シートの一例を示す。また、本発明では、樹脂層
Ｃ用樹脂の押出機を一系列追加して備え、流路（３５）
から樹脂層Ａ用樹脂を、また流路（３６）から樹脂層Ｃ
用樹脂を複合樹脂流形成部（２２）に流入させて複合樹
脂流を形成し、さらに流路（４１）を流路（３５）の側
に設けて樹脂層Ａ用樹脂を流入させ、しかる後にこの側
にバンクを形成させて押出板成形することもできる。図
９（Ｃ）にそのようにして得られる複合シートの一例を
示す。
【００１９】また、図示していないが、流路（３５、３
６）の一方の流路をスリット状の流路とし、凹凸形状を
有する流路の側に流路（４１）を設けて、この側にバン
クを形成しつつ押出板成形することもできる。図９
（ｄ）にそのようにして得られる複合シートの一例を示
す。また、本発明において、流路（４１）の流入方向
は、図示ではＹ方向となっているけれども、Ｙ方向に対
して任意の角度をもって設定することもできる。
６）の一方の流路をスリット状の流路とし、凹凸形状を
有する流路の側に流路（４１）を設けて、この側にバン
クを形成しつつ押出板成形することもできる。図９
（ｄ）にそのようにして得られる複合シートの一例を示
す。また、本発明において、流路（４１）の流入方向
は、図示ではＹ方向となっているけれども、Ｙ方向に対
して任意の角度をもって設定することもできる。
【００２０】本発明の装置および方法により製造可能
な、シート内部に凹凸界面を有する複合シートの凹凸単
位の形状は、図９に示すような円弧状、放物線状、楕円
弧状もしくはカマボコ状等の曲線で形成されるものの
外、図示していないが三角状等の直線で形成されるもの
とすることもできる。また、２つの積層界面の両方が凹
凸形状を有するものにあっては、図９に示すような位相
が同じものの外、図示してはいないが位相がずれている
ものとすることもできる。
な、シート内部に凹凸界面を有する複合シートの凹凸単
位の形状は、図９に示すような円弧状、放物線状、楕円
弧状もしくはカマボコ状等の曲線で形成されるものの
外、図示していないが三角状等の直線で形成されるもの
とすることもできる。また、２つの積層界面の両方が凹
凸形状を有するものにあっては、図９に示すような位相
が同じものの外、図示してはいないが位相がずれている
ものとすることもできる。
【００２１】本発明に適用可能な樹脂層Ａ用の樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レートに代表される各種のアクリル系樹脂、非晶質ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリメチルペンテン、これら
の共重合樹脂、ブレンド樹脂等が挙げられる。視界制御
シート、光拡散板等のように、透明性、耐候性等が特に
要求される場合はアクリル系樹脂が好ましく、特にポリ
メチルメタクリレートが最も好ましい材料といえる。
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レートに代表される各種のアクリル系樹脂、非晶質ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリメチルペンテン、これら
の共重合樹脂、ブレンド樹脂等が挙げられる。視界制御
シート、光拡散板等のように、透明性、耐候性等が特に
要求される場合はアクリル系樹脂が好ましく、特にポリ
メチルメタクリレートが最も好ましい材料といえる。
【００２２】樹脂層Ｂ用の樹脂としては、前記樹脂層Ａ
に対して例示した樹脂が同様に使用可能であり、樹脂層
Ａとの密着性や屈折率差を勘案して選ばれる。樹脂層Ｃ
用の樹脂としては、樹脂層Ａ用樹脂と同じ樹脂を用いる
ことができ、また上記した樹脂層Ａ用樹脂の中から、樹
脂層Ｂとの密着性や屈折率差を勘案して樹脂層Ａ用樹脂
と異なる樹脂を選択し、用いることもできる。
に対して例示した樹脂が同様に使用可能であり、樹脂層
Ａとの密着性や屈折率差を勘案して選ばれる。樹脂層Ｃ
用の樹脂としては、樹脂層Ａ用樹脂と同じ樹脂を用いる
ことができ、また上記した樹脂層Ａ用樹脂の中から、樹
脂層Ｂとの密着性や屈折率差を勘案して樹脂層Ａ用樹脂
と異なる樹脂を選択し、用いることもできる。
【００２３】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例１ 樹脂層Ａ用樹脂及び樹脂層Ｃ用樹脂としてポリメチルメ
タクリレート（三菱レイヨン株式会社製、アクリペット
ＶＨ）を、樹脂層Ｂ用樹脂としてポリカーボネート（三
菱瓦斯化学製、ユーピロンＨ−３０００）を用意した。
る。 実施例１ 樹脂層Ａ用樹脂及び樹脂層Ｃ用樹脂としてポリメチルメ
タクリレート（三菱レイヨン株式会社製、アクリペット
ＶＨ）を、樹脂層Ｂ用樹脂としてポリカーボネート（三
菱瓦斯化学製、ユーピロンＨ−３０００）を用意した。
【００２４】図３〜７に示す構造の複合樹脂流路を有す
る金型を図１及び２の装置に組み込んだ。樹脂層Ｂ用樹
脂の流路（３１）として出口のスリット間隙（Ｙ方向）
を１．７mm、流路（３５、３６）の凹凸のピッチを０．
４mmとし、また部分Ｒｍ及びＬｍの高さΔＲｍ及びΔＬ
ｍをそれぞれ零mm、部分Ｒｎ及びＬｎの高さΔＲｎ及び
ΔＬｎをそれぞれ１mmとし、部分Ｒｍ及びＬｍの巾をそ
れぞれ０．２mm、部分Ｒｎ及びＬｎの巾はそれぞれ０．
２mmとした。また、部分Ｌｎと部分Ｒｎを図６に示すよ
うに対向させて配置した。
る金型を図１及び２の装置に組み込んだ。樹脂層Ｂ用樹
脂の流路（３１）として出口のスリット間隙（Ｙ方向）
を１．７mm、流路（３５、３６）の凹凸のピッチを０．
４mmとし、また部分Ｒｍ及びＬｍの高さΔＲｍ及びΔＬ
ｍをそれぞれ零mm、部分Ｒｎ及びＬｎの高さΔＲｎ及び
ΔＬｎをそれぞれ１mmとし、部分Ｒｍ及びＬｍの巾をそ
れぞれ０．２mm、部分Ｒｎ及びＬｎの巾はそれぞれ０．
２mmとした。また、部分Ｌｎと部分Ｒｎを図６に示すよ
うに対向させて配置した。
【００２５】また、流路（４１）を１mmの間隙（Ｚ方
向）のスリット状とし、ＸＹ平面の片側に設置した。複
合樹脂流形成部（２２）はＸ方向の長さを５００mm、Ｙ
方向の長さを２mmとし、複合樹脂流出口（２３）はＸ方
向の長さを５００mm、Ｙ方向の長さを３．０mmとした。
この装置を用い、賦形温度を２６０℃として、双方の樹
脂を同時押出し、流路（４１）が設けられている側にバ
ンクを形成しつつ成形して、３．０mm厚×５００mm巾の
複合シートを得た。
向）のスリット状とし、ＸＹ平面の片側に設置した。複
合樹脂流形成部（２２）はＸ方向の長さを５００mm、Ｙ
方向の長さを２mmとし、複合樹脂流出口（２３）はＸ方
向の長さを５００mm、Ｙ方向の長さを３．０mmとした。
この装置を用い、賦形温度を２６０℃として、双方の樹
脂を同時押出し、流路（４１）が設けられている側にバ
ンクを形成しつつ成形して、３．０mm厚×５００mm巾の
複合シートを得た。
【００２６】得られたシートは、表面状態が良好であ
り、厚みが均一でそりがなく、シート断面を顕微鏡で観
察すると、図９（ａ）に示すような円柱レンズ状の凹凸
界面が２列に、シートの厚み方向（ｙ方向）においてシ
ートの片側に偏って形成されていた。円柱レンズの高さ
は約０．０５mm、凹凸のピッチは０．４mmであり、巾方
向に均一で、レンズ形状の乱れはなかった。
り、厚みが均一でそりがなく、シート断面を顕微鏡で観
察すると、図９（ａ）に示すような円柱レンズ状の凹凸
界面が２列に、シートの厚み方向（ｙ方向）においてシ
ートの片側に偏って形成されていた。円柱レンズの高さ
は約０．０５mm、凹凸のピッチは０．４mmであり、巾方
向に均一で、レンズ形状の乱れはなかった。
【００２７】
【発明の効果】本発明によればシート表面状態及び厚み
が均一で、シート内部に凹凸界面を有し、光拡散板、導
光板等として有用な複合シートを得ることができる。ま
た、同時押出による極めて簡便な装置と方法により、凹
凸単位のピッチが小さい場合にも正確に賦形された上記
複合シートを製造することができる。
が均一で、シート内部に凹凸界面を有し、光拡散板、導
光板等として有用な複合シートを得ることができる。ま
た、同時押出による極めて簡便な装置と方法により、凹
凸単位のピッチが小さい場合にも正確に賦形された上記
複合シートを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の押出成形装置の一態様を示す模式平面
図。
図。
【図２】図１の装置の模式側面図。
【図３】図１の押出成形装置における複合樹脂流の形成
及び押出装置部分の内部構造の一例を示す模式平面断面
図。
及び押出装置部分の内部構造の一例を示す模式平面断面
図。
【図４】図３におけるＩ−Ｉ線の矢視断面図。
【図５】図４におけるII−II線方向からの斜視図。
【図６】図４におけるIII −III 線の矢視断面図。
【図７】図６におけるIV−IV線の矢視断面図。
【図８】図１の装置における成形ロール部の一例を示す
断面図。
断面図。
【図９】本発明の装置及び方法により得られる複合樹脂
シートのいくつかの例を示す模式断面図。
シートのいくつかの例を示す模式断面図。
１、２…押出機 ３、４、１６…定量ポンプ ５…賦型ヘッド ６…ダイパック １０…成形ロール群 ２１…複合樹脂流路 ２２…複合樹脂流形成部 ２３…複合樹脂流出口 ３１…樹脂層Ｂ用樹脂の流路 ３５…樹脂層Ａ用樹脂の流路 ３６…樹脂層Ｃ用樹脂の流路 ４１…樹脂層Ａ用樹脂の流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｂ２９Ｌ 7:00 11:00
Claims (2)
- 【請求項１】 透明な樹脂層Ａと透明な樹脂層Ｃとによ
って透明な樹脂層Ｂが挟まれた積層構造を有し、外表面
が平滑な樹脂シートであって、隣接する樹脂層の屈折率
が異なり、シートの巾方向をｘ、厚み方向をｙとした場
合に、ｘｙ平面で表示される横断面において、樹脂層Ａ
と樹脂層Ｂとの境界面及び樹脂層Ｂと樹脂層Ｃとの境界
面の少なくとも一方が凹凸形状を有する複合樹脂シート
を製造するための装置において、 Ｘ方向に所定の巾、Ｙ方向に所定の厚み、及びＺ方向に
所定の長さを有し、Ｚ方向の一端に複合樹脂流形成部
（２２）及び他端に複合樹脂流出口（２３）を有する複
合樹脂流路（２１）内の複合樹脂流形成部（２２）と、 樹脂層Ｂ用樹脂をＺ方向に流入させるためのＸ方向に延
びるスリット状の流路（３１）、樹脂層Ｂ用樹脂の流路
（３１）を含むＸＺ平面の両側から複合樹脂流形成部
（２２）に向けて樹脂層Ａ用樹脂を流入させるための流
路（３５）及び樹脂層Ｃ用樹脂を流入させるための流路
（３６）を含み、 流路（３５、３６）の少なくとも一方の流路のＸＺ断面
はＺ方向の高さが大きい部分Ｒｎ及びＬｎと、Ｚ方向の
高さが小さい（零を含む）部分Ｒｍ及びＬｍとが交互に
配置された形状を有し、 複合樹脂流形成部（２２）と複合樹脂流出口（２３）と
の間の複合樹脂流路（２１）に向けて、樹脂層Ａ用樹脂
を流入させるスリット状の流路（４１）が、流路（３
１）を含むＸＺ平面の少なくとも一方の側に具備されて
いることを特徴とする凹凸界面を有する複合シートの製
造装置。 - 【請求項２】 請求項１の装置を用い、 樹脂層Ａ用樹脂を流路（３５）から、樹脂層Ｃ用樹脂を
流路（３６）から、また樹脂層Ｂ用樹脂を流路（３１）
から複合樹脂流形成部（２２）に流入させ、さらに樹脂
層Ａ用樹脂を流路（４１）から複合樹脂流路（２１）に
流入させて複合樹脂流を形成し、複合樹脂流出口（２
３）から溶融状態のシート状物として押し出し、 このシート状物を少なくとも１対の成形ロール間に挟み
込んで、シート状物の面と成形ロール間に溶融樹脂の溜
まりを形成しつつ押出板に成形することを特徴とする凹
凸界面を有する複合シートの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10027367A JPH11221844A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 凹凸界面を有する複合シートの製造装置及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10027367A JPH11221844A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 凹凸界面を有する複合シートの製造装置及び製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11221844A true JPH11221844A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12219086
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10027367A Pending JPH11221844A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 凹凸界面を有する複合シートの製造装置及び製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11221844A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011031039A2 (ko) * | 2009-09-08 | 2011-03-17 | (주)삼박 | 열가소성 복합판재와 그 성형장치 및 성형방법 |
-
1998
- 1998-02-09 JP JP10027367A patent/JPH11221844A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011031039A2 (ko) * | 2009-09-08 | 2011-03-17 | (주)삼박 | 열가소성 복합판재와 그 성형장치 및 성형방법 |
| WO2011031039A3 (ko) * | 2009-09-08 | 2011-08-25 | (주)삼박 | 열가소성 복합판재와 그 성형장치 및 성형방법 |
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