JPH11221444A - 空気清浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アレルゲンとして住環境内の空気に供給され
る有害物質を焼却し、アトピー性アレルギー疾患がない
ようにするとともに、酸化焼却の際、脱離される酸化焼
却されていない臭い成分が室内に放出されるのを防止で
きるようにする。 【解決手段】 捕集手段８の近傍の風上側通風路９の中
と風下側通風路１０の中に、夫々赤熱する高温輻射ヒー
タ１２ａと１２ｂを設けることにより、室内空気中の有
害物質を熱分解焼失させるとともに、酸化焼却温度に達
するまでの間に脱離される酸化焼却されていない臭い成
分も風下側通風路１０の中に設けた高温輻射ヒータ１２
ｂにより熱分解焼失させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気清浄機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の空気清浄機は、特開平４−
３０９７５１号公報に記載されているようなものが一般
的であった。この空気清浄機は図５に示されているよう
に、電気暖房機１内に放電装置２を設け、この放電装置
２によって捕集された空気中の臭い成分および微粒子を
平板状のヒータ３により酸化焼却し、この酸化焼却を酸
化触媒４により促進していた。上記構成により集塵板の
清掃、フィルタ交換といったメンテナンスが発生しない
ようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記す
る従来の空気清浄機では、平板状のヒータ３の放熱によ
る加熱温度は、せいぜい２００〜３００℃であり、酸化
触媒４で空気中の臭い成分および微粒子の酸化焼却を促
進したとしても、酸化，焼却した残骸は残存し、とく
に、微生物の一種である真菌類は、２００〜３００℃で
はタンパク質が変質するに留まり、焼失しないで空気清
浄機内に死骸となって残存し、アレルゲンとして住環境
内の空気に供給され、アトピー性アレルギー疾患の原因
となる。

【０００４】また、捕集された臭い成分は酸化焼却が充
分に行われる温度に達するまでの間に、酸化焼却されて
いない臭い成分として脱離され、再び室内に放出されて
しまうという課題を有していた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、室内空気の中に含まれる有害物質を捕集す
る捕集手段近傍の風上側通風路と風下側通風路の中に夫
々有害物質を酸化，焼却するヒータを設けたものであ
る。

【０００６】上記発明によれば、捕集された室内空気の
中の有害物質は、熱分解焼失され、アレルゲンのないも
のとなると同時に、酸化焼却されていない臭い成分が再
び室内に放出されるといった不具合のないものとするこ
とができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した構
成とすることにより実施できるものである。すなわち、
請求項１記載のように本体と、前記本体内に室内空気を
取り込む送風機と、前記室内空気の中に含まれる有害物
質を捕集する捕集手段と、前記捕集手段に前記室内空気
を導く風上側通風路と、前記捕集手段を通過した室内空
気を前記本体外に放出させる風下側通風路と、前記捕集
手段に捕集された前記有害物質を酸化焼却させるヒータ
とを備え、前記ヒータを前記捕集手段近傍の前記風上側
通風路の中と前記捕集手段近傍の前記風下側通風路の中
に夫々設けたものである。

【０００８】そして、捕集手段に捕集された有害物質
が、風上側通風路の中のヒータで酸化焼却される際に、
酸化焼却温度に達するまでの間に脱離される酸化焼却が
行われていない臭い成分を、風下側通風路の中にあるヒ
ータで酸化焼却することにより、酸化焼却されていない
臭い成分を再び室内に放出するということがなくなる。

【０００９】さらに、請求項２記載のように風下側通風
路のヒータ周囲を風上側通風路よりも小さくするとよ
い。

【００１０】その場合は、酸化焼却されていない臭い成
分を再度酸化焼却させる風下側通風路のヒータ周囲部分
が小さいため、前記臭い成分の加熱温度を高温にするこ
とができ、また、ヒータ周囲に乱気流を生じさせ、この
攪拌作用で、酸化焼却効果を高めることができる。

【００１１】さらに、請求項３記載のように風下側通風
路のヒータ下流に室内空気の流れと直交させた放熱板を
設けたり請求項４記載のように風上側通風路と風下側通
風路を熱的に交差させたりすることができる。

【００１２】そして、ヒータの下流に室内空気の流れと
直交させた放熱板を設け、風上側通風路と風下側通風路
を熱的に交差させたことにより、ヒータからの輻射を遮
熱できるとともに、風下側通風路を冷却するので、本体
からの放出気流の温度の上昇を抑えることができ、暖房
機としての使用に限らず、冬季以外の季節でも空気清浄
機として使用し易いものである。

【００１３】さらに、請求項５記載のように捕集手段を
アルミナ・シリカ繊維シートのコルゲート加工されたハ
ニカム体で形成し、吸着剤と触媒を担持し、さらに、請
求項６記載のようにヒータを赤熱する高温輻射ヒータと
することにより、高温例えば約７００℃においても、熱
的劣化を受けないアルミナ・シリカ繊維シートに捕集効
果向上として吸着剤を、酸化焼却の促進として触媒を担
持し、有害物質を赤熱する高温輻射ヒータで５００℃前
後にまで加熱し、熱分解焼失させることができる。

【００１４】さらに、請求項７記載のように本体の外郭
を鋼板で形成することにより赤熱する高温輻射ヒータを
本体内に有するものにおいて、外郭を鋼板で形成するこ
とで、万一危険な状態が発生した場合においても他への
類焼を防止することができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１６】（実施例１）図１は本発明の実施例１にお
ける空気清浄機の縦断面図で、図２は同部分破断斜視図
である。

【００１７】図１と図２において、外郭を鋼板で形成す
る本体５の内部に送風機６があり、この本体５の前面に
室内空気を取り込む吸込口７が設けられ、取り込まれた
室内空気はアルミナ・シリカ繊維のコルゲート加工され
たハニカム体に、捕集効率を向上させるための吸着剤と
酸化焼却の促進をする触媒とを担持させて構成した捕集
手段８の風上側通風路９を矢印ａで示すように通り、捕
集手段８に導かれ、その後捕集手段８の風下側通風路１
０を通り吹出口１１より室内に放出される。このような
矢印ａで示す室内空気の流れにおいて、捕集手段８の近
傍の風上側通風路９の中には赤熱する高温輻射ヒータ１
２ａが、また風下側通風路１０の中にも赤熱する高温輻
射ヒータ１２ｂが配設してある。

【００１８】次に作用を説明する。送風機６が運転を始
めると、矢印ａで示すように室内空気が吸込口７から本
体５内に流入し、風上側通風路９を通り捕集手段８に供
給され、室内空気中の有害物質が捕集される。そして、
一定量の有害物質が捕集されると赤熱する高温輻射ヒー
タ１２ａと１２ｂに通電され、捕集手段８に捕集された
有害物質を加熱し、酸化焼却する。この時、有害物質は
５００℃前後に加熱され、熱分解して焼失し、アレルゲ
ンのない室内空気となり、風下側通風路１０を通り、吹
出口１１から室内に放出される。これにより、アトピー
性アレルギー疾患等を起こさない清浄空気となる。この
ような構成において、有害物質を酸化分解させる温度に
加熱するまでの間に脱離される未だ酸化焼却が充分に行
われていない臭い成分は、風下側通風路１０の中で既に
赤熱して高温になっている赤熱する高温輻射ヒータ１２
ｂで再度加熱される。この結果、酸化分解しきれていな
い臭い成分を室内に放出するということがなくなる。こ
のように赤熱する高温輻射ヒータ１２ａと１２ｂとの２
段階による加熱によって臭い成分はより完全に酸化焼却
される。なお、本実施例では吸込口７と、吹出口１１の
位置はそれぞれ本体５の前面と上面としたが、使用する
環境の違い、デザイン性等からこの位置に限定すること
なく他の位置としてもよい。

【００１９】（実施例２）図３は本発明の実施例２にお
ける空気清浄機の縦断面図である。

【００２０】図３において、風下側通風路１０に設けた
赤熱する高温輻射ヒータ１２ｂの周囲を膨出部１０ａに
より風上側通風路９よりも小さくし、脱離された有害物
質の臭い成分を風上側通風路９に設けた赤熱する高温輻
射ヒータ１２ａによる加熱に加えてより高温に加熱する
とともに、膨出部１０ａによる乱気流の攪拌作用で酸化
焼却の効果を高めるようにしている。

【００２１】（実施例３）図４は本発明の実施例３にお
ける空気清浄機の縦断面図である。

【００２２】図４において、風下側通風路１０の赤熱す
る高温輻射ヒータ１２ｂの下流に室内空気の流れと直交
するように放熱板１３を設け、風上側通風路９と風下側
通風路１０を熱的に交差させる構成としたもので風下側
通風路１０内での加熱がすでに終っている気流を更に、
赤熱する高温輻射ヒータ１２ｂの輻射により加熱される
ことを防ぐとともに、風下側通風路１０を風上側通風路
９内を通る気流によって放熱板１３を介して冷却し、吹
出口１１から室内と放出される気流の温度が上昇するこ
とを抑えるようにしている。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
空気清浄機によれば、次の効果が得られる。

【００２４】請求項１記載に係る発明によれば、捕集さ
れた室内空気中の有害物質を酸化焼却するにあたり、こ
の酸化焼却温度にまで加熱温度が達する前に脱離する酸
化焼却されていない臭い成分を、風下側通風路中のヒー
タ酸化焼却することにより、酸化焼却されていない臭い
成分が室内に放出されることを防止できるという有利な
効果を有する。

【００２５】また、請求項２記載に係る発明によれば、
風下側通風路のヒータの周囲を風上側通風路よりも小さ
くすることにより、風上側通風路に設置されているヒー
タで酸化焼却されていない臭い成分を風下側通風路に設
置されているヒータにより効率的に酸化焼却させること
ができる。

【００２６】また、請求項３記載に係る発明によれば、
風下側通風路のヒータの下流に室内空気の流れと直交さ
せた放熱板を設けることによって、ヒータの輻射を遮断
でき、室内に放出される気流の温度の上昇を抑えること
ができる。

【００２７】また、請求項４記載に係る発明によれば、
風上側通風路と風下側通風路を熱的に交差させることに
より、風下側通風路を通る気流を冷却することができ、
室内に放出される気流の温度の上昇をより抑えることが
でき、暖房機としての使用に限らず、冬季以外の季節で
も空気清浄機として使用し易い。

【００２８】また、請求項５記載に係る発明によれば、
捕集手段をアルミナ・シリカ繊維シートのコルゲート加
工されたハニカム体で形成し、吸着剤と触媒とを担持さ
せることにより、酸化焼却の温度を高温化することがで
きるとともに、捕集効果の向上、酸化焼却の促進を図る
ことができる。

【００２９】また、請求項６記載に係る発明によれば、
ヒータを赤熱する高温輻射ヒータにすることにより、有
害物質を５００℃前後の高温にまで加熱し熱分解焼失さ
せ、アレルゲンのない空気に清浄してアトピー性アレル
ギー疾患を起こすことのない空気清浄ができる。

【００３０】また、請求項７記載に係る発明によれば本
体の外郭を鋼板で形成することにより、赤熱する高温輻
射ヒータを本体内に有するものにおいて、万一危険な状
態が発生しても他への類焼を防止でき、安全性を確保で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における空気清浄機の縦断面
図

【図２】同空気清浄機の部分破断斜視図

【図３】本発明の実施例２における空気清浄機の縦断面
図

【図４】本発明の実施例３における空気清浄機の縦断面
図

【図５】従来の空気清浄機の縦断面図

【符号の説明】

５ 本体 ６ 送風機 ７ 吸込口 ８ 捕集手段 ９ 風上側通風路 １０ 風下側通風路 １０ａ 膨出部 １１ 吹出口 １２ａ，１２ｂ 赤熱する高温輻射ヒータ １３ 放熱板

フロントページの続き (72)発明者 福田 祐 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 宇野 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体と、前記本体内に室内空気を取り込む
   送風機と、前記室内空気の中に含まれる有害物質を捕集
   する捕集手段と、前記捕集手段に前記室内空気を導く風
   上側通風路と、前記捕集手段を通過した室内空気を前記
   本体外に放出させる風下側通風路と、前記捕集手段に捕
   集された前記有害物質を酸化焼却させるヒータとを備
   え、前記ヒータを前記捕集手段近傍の前記風上側通風路
   の中と前記捕集手段近傍の前記風下側通風路の中に夫々
   設けた空気清浄機。
2. 【請求項２】風下側通風路に設けたヒータの周囲を風上
   側通風路よりも小さくした請求項１記載の空気清浄機。
3. 【請求項３】風下側通風路に設けたヒータの下流に室内
   空気の流れと直交させた放熱板を設けた請求項１または
   ２記載の空気清浄機。
4. 【請求項４】風上側通風路と風下側通風路を熱的に交差
   させた請求項１ないし３のいずれか１項に記載の空気清
   浄機。
5. 【請求項５】捕集手段をアルミナ・シリカ繊維シートの
   コルゲート加工されたハニカム体で形成し、捕集効率を
   向上させるための吸着剤と、酸化焼却を促進させるため
   の触媒を前記ハニカム体で担持した請求項１ないし４の
   いずれか１項に記載の空気清浄機。
6. 【請求項６】ヒータは、赤熱する高温輻射ヒータとした
   請求項１ないし５のいずれか１項に記載の空気清浄機。
7. 【請求項７】本体の外郭を鋼板で形成した請求項６記載
   の空気清浄機。