JPH11220894A - 両面駆動超音波モータ - Google Patents

両面駆動超音波モータ

Info

Publication number
JPH11220894A
JPH11220894A JP10321416A JP32141698A JPH11220894A JP H11220894 A JPH11220894 A JP H11220894A JP 10321416 A JP10321416 A JP 10321416A JP 32141698 A JP32141698 A JP 32141698A JP H11220894 A JPH11220894 A JP H11220894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrating body
double
ultrasonic motor
shaft
moving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10321416A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2981471B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Sawada
潔 沢田
Shunichi Otaka
俊一 尾高
Hideaki Oku
秀明 奥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP10321416A priority Critical patent/JP2981471B2/ja
Publication of JPH11220894A publication Critical patent/JPH11220894A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2981471B2 publication Critical patent/JP2981471B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力トルクが発生でき、多層構造の超音波
モータを構成してもコンパクトに構成できる両面駆動音
波モータを提供することにある。 【解決手段】 振動体3の両面に圧電素子2a,2bを
接着しステータディスクとする。振動体3の露出した外
周部の駆動力伝達部位31にロータデイスクを構成する
移動体40を両面からバネ43によって圧接する。振動
体3とシャフト44はスプライン構造41で結合する。
移動体40は偏平なリング状でその外周とロータケース
45はスプライン構造42で結合されている。圧電素子
a,2bに正弦波電圧を印加し、駆動力伝達部位にの表
裏に同一方向の進行波を発生させる。バネ43によって
振動体3を両側から挟みつけた移動体40は進行波と同
一方向に駆動される。両面駆動であるから、発生トルク
が増大し、シャフト44に軸方向負荷がかっても安定な
駆動ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動子としての圧
電素子の駆動によってステータとしての振動体の表面に
進行波を形成し、この進行波によって振動体と接触する
ロータとしての移動体を摩擦駆動する超音波モータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波モータは、円盤状の弾性体
で構成される振動体の一方の面に圧電素子を接着しステ
ータディスクを構成し、他方の面をロータを構成する移
動体との接触面としている。圧電素子に正弦波電圧を印
加して圧電素子を伸縮させ、振動体の移動体接触面に進
行波を形成せしめ、移動体を該接触面に予圧をかけて押
し付けることによって、移動体を摩擦駆動する方法が採
用されている。
【0003】従来の超音波モータでは、振動体の片面を
圧電素子取り付け面、他方の面を振動面(移動体の接触
面)としているため、移動体は振動面側のみしか配置で
きない。その結果、高トルク出力が発生できないという
問題があった。
【0004】そこで、振動体の両面に移動体を配置し、
両面駆動方式を用いて高トルク出力が発生できるような
両面駆動超音波モータが提案され実用新案登録第256
0873号公報で公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】超音波モータは、ステ
ータディスクを構成する振動体を振動させて共振させ、
この共振状態の振動によってロータである移動体を移動
させるものである。そのため、振動体を共振状態に駆動
しなければならない。ところで、どのような共振振動
も、振動のない状態から安定な共振状態に移行するま
で、不安定な過渡的振動開始状態を経なければならな
い。
【0006】図10は従来の片面駆動方式の超音波モー
タの駆動開始状態の説明図である。従来の片面駆動の超
音波モータにおいては、振動体Aの片面に予圧を持って
移動体Cが押え込まれていてもそれは片側だけである。
そのため、圧電素子Bが駆動され振動体Aが駆動された
とき、振動体Aは移動体Cが圧接された面とは逆方向に
変形することが許容される。その結果、振動体Aの中心
部がシャフトD等で固定されていても、振動を開始する
ことができ、共振状態に移行することができる。
【0007】一方、前記実用新案登録第2560873
号公報に記載された両面駆動超音波モータにおいては、
図11に示されるように、圧電素子Bによって駆動され
る駆動源としての振動体Aの端部を両側から移動体Cが
駆動力を生じさせるために予圧をかけて挟持している。
また、振動体Aの中心部はトルク伝達のために固定支持
されている。その結果、圧電素子Bに電圧を印加し駆動
しても、振動体Aは周辺部で両側が移動体Cによって予
圧で挟み込まれ、かつ中央部はシャフトDに固定されて
いることから、振動を開始すべき自由な部位がない。そ
のため、振動体Aは振動が発生し共振状態へ移行するこ
とが困難でほとんどできないという問題があった。
【0008】また、前述した片側駆動の超音波モータで
は、シャフトに移動体(ロータ)または振動体(ステー
タ)が固定されいることから、シャフトが軸方向加重を
受けると振動体と移動体間に働く予圧が変化し振動が不
安定となり、安定した移動体の移動ができなくなるとい
う問題があり、軸方向加重を受けられないという問題が
あった。
【0009】そこで、本発明の目的は、高出力トルクが
発生でき、多層構造の超音波モータを構成してもコンパ
クトに構成できる超音波モータを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、円盤状の弾性
体で構成され圧電素子が付着された振動体と、該振動体
の駆動力伝達部位を予圧手段によって圧接挟持する2個
の移動体とを備え、該2個の移動体を連結し、振動体
は、その中心部付近で軸方向に移動自在かつ回転方向に
拘束してシャフトに支持することによって超音波モータ
を構成する。また、前記移動体をシャフト軸方向に移動
自在で該シャフトの回りの回転方向は拘束して互いに連
結し、予圧手段を1箇所に設けて全ての移動体を振動体
の駆動力伝達部位に圧接接触させるように構成した。
【0011】さらに、出力トルクを増大させるために前
記振動体と前記2個の移動体を組にして複数設け、全移
動体を互いに連結して回転トルクを取り出すようにし
た。もしくは、振動体と移動体を交互に配置し、各振動
体は、その中心部付近で軸方向に移動自在かつ回転方向
に拘束されるようにシャフトに支持し、各移動体はシャ
フト軸方向に移動自在で該シャフトの回りの回転方向に
は拘束して互いに連結し、予圧手段はシャフトの一端も
しくは両端の1箇所若しくは2箇所に設け全ての移動体
を振動体の駆動力伝達部位に圧接接触させることによっ
て、高回転トルクを取り出すようにした。
【0012】なお、振動体のシャフトへの支持構造及び
移動体を連結する構造のシャフト軸方向に移動自在かつ
回転方向に拘束される構造は、スプライン結合や溝と該
溝と係合する突部で構成する。また、予圧手段はバネで
構成する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に用いる
圧電素子2の表と裏の電極配置を示す図であり、図1
(a)は圧電素子2の片側(表側)を示し、図1(b)
は他方の側(裏側)を示している。この圧電素子2は、
従来から用いられている2相の正弦波で駆動される超音
波モータの圧電素子と同一構成である。圧電素子2は偏
平のリング状に形成され、A相、B相の2つの電極グル
ープが形成されている。A相、B相の電極グループは、
励磁する定在波の種類(リング状の圧電素子2の1周の
間に生じさせる波の数によって分けられる種類)によっ
て、特定の角度隔たって配置されている。図1に示す例
では、定在波1周期に対応する60度の1/4、すなわ
ち15度隔たってA相、B相の電極グループが配設され
ている。
【0014】圧電素子2の一方の片側面には、図1
(a)に示すように半周期30度の分割電極21,…が
導電体の焼き付け等によって形成され、隣り合った電極
部分の圧電素子に対して逆向きの分極が施されている。
かつ、2つの電極グループは左右対称で、電極21,…
に対応する領域の圧電素子2の分極の向きが逆になるよ
うに配置されている。図1(a)に示す例では、電極2
1,…に対する分極の一方の向きを+、他方の向きを−
とすると、A相は、隣り合った電極21,…に対応する
領域が、+、−、+、−、+と分極され、このA相に対
して左右対称に配置されたB相の隣り合った電極21,
…の対応する領域は、−、+、−、+、−と分極されて
いる。この圧電素子2の一方の側(表側)の電極21,
…の配設は、1周期が任意の角度である場合も同様な構
成をとるものである。なお、この電極が分割された面を
以下表側という。そして、圧電素子2の他方の面、すな
わち、裏側の構成は図1(b)に示すように、A相、B
相共に1パターンの共通電極22,22で構成され、表
側の分割電極21,…が配設されている部分と対向する
位置に1パターンで形成され、A相とB相の共通電極2
2,22は間隔を隔てて絶縁されている。
【0015】図2は、上述した圧電素子2を2つ使用す
る超音波モータ用のステータディスク1の第1の形態を
示す図である。円盤状の弾性体で構成された振動体3の
中心部は切り取られ、偏平なリング状に形成されてい
る、このリング状の振動体3内径は、圧電素子2の内径
と同一寸法である(必ずしも振動体3の内径と圧電素子
の内径が同一寸法でなくてもよく、例えば、振動体3の
内径の方が小さい場合でもよい)。また、振動体3の外
径は圧電素子2の外径よりも大きく形成され、この圧電
素子2が接着されていない振動体3の外周部は移動体を
駆動させるための駆動力伝達部位31とされる。この振
動体3と同心に2枚の圧電素子2a,2bを背中合わせ
に振動体3を挟むようにして、表裏のA相同士、B相同
士の位置が一致するように図2(b)に示すように接着
される。すなわち、振動体3に接着する面が一方の圧電
素子2aにおいて表側であれば、他方の圧電素子2bも
表側の面を振動体3に接着するようにする。また逆に、
一方の圧電素子2aの裏面を振動体3に接着するときに
は、他方の圧電素子2bの裏面を振動体3に接着するよ
うにする。なお、振動体3に圧電素子2a,2bの裏側
を接着するときは、A相、B相の各相内の各分割電極2
1,…は導線で接続し導通するようにしておく。このよ
うに、振動体3の中心部に2枚の圧電素子2a,2bを
背中合わせに接着して振動体2の外周部が露出するよう
にした両面駆動ステータディスク1とする。
【0016】図3は、本発明の超音波モータに用いる第
2の形態のステータディスク1´の説明図である。この
第2の形態は、図2に示す第1の形態と比較して、振動
体3の露出する駆動力伝達部位31が中心部よりも厚み
が厚い構造の振動体3´とした点で第1の実施形態と異
なるのみで、圧電素子2a,2bを振動体3´の中心部
に背中合わせに接着する点は同じである。
【0017】図4は、本発明の超音波モータに用いる第
3の形態のステータディスク1”の説明図である。
【0018】この第3の形態は、図3に示す第2の形態
と比較して、振動体3の中心部よりも厚みが駆動力伝達
部位31の部分に、全周にわたって中間部を残し表側、
裏側に放射状のスリット32,…を設けた振動体3”と
した点で第2の形態と異なるのみで、圧電素子2a,2
bを振動体3”の中心部に背中合わせに接着する点は同
じである。
【0019】図5は、上述した振動体3,3´,3”の
両面に圧電素子2a,2bが背中合わせに接着されたス
テータディスク1,1´,1”の圧電素子2a,2bに
電圧を印加する配線図を示す図であり、説明の便宜上、
一部切断している。この図5では第2の実施形態のステ
ータディスク1´に対する配線図を示しているが、他の
形態のステータディスクにおいても同一である。
【0020】符号4aはA相用の電源、符号4bはB相
用の電源であり、位相がずれた電圧(例えば、90度位
相がずれ、A相がsinωt、であればB相はcosω
tの電圧)を発生するものである。振動体3´(3,
3”)の中心部両面に接着された圧電素子2a,2bの
A相、B相の電極に対してそれぞれ対応するA相、B相
の電源4a,4bから振動体3´(3,3”)に対して
正弦波電圧を印加するようにする。これによって圧電素
子2a,2bのA相、B相の合計4つの電極が図5に示
すように2本の電極に集約される。
【0021】なお、圧電素子2a,2bの表側が振動体
3´(3,3”)に接着されているものであれば、圧電
素子2a,2bの表側のA相、B相の分割電極21、…
は振動体3´(3,3”)によって導通することになる
が、裏側が接続されている場合には、上述したように、
圧電素子2a,2bの表側のA相の分割電極21,…、
B相の分割電極21,…をそれぞれ各相毎導線等によっ
て導通するようにしておく。
【0022】A相、B相の各相に正弦波電圧を印加する
と、圧電素子2a,2bの表側が周方向に伸長するとき
は裏側の圧電素子は収縮し、振動体3´(3,3”)の
表裏には、圧電素子2a,2bの同一面(表側もしくは
裏側)が接着されているから、お互いに協力して振動体
3´(3,3”)を屈曲させる。しかも、圧電素子2
a,2bの分極領域が互いに逆向きになっているため、
連続した屈曲が発生し、この連続した屈曲が振動体3´
(3,3”)の露出した外周部の駆動力伝達部位31に
伝播し、振動体3´(3,3”)の駆動力伝達部位31
には、A相、B相から励磁された2組の定在波が形成さ
れる。そして、2相の定在波が合成される結果、振動体
3´(3,3”)の駆動力伝達部位31には、1方向に
進行する進行波が形成される。この進行波の方向は振動
体3´(3,3”)の表裏で同一であるため、振動体3
´(3,3”)の露出した外周部を2枚の移動体(ロー
タディスク)で挟むと、これらの移動体は同一方向に回
転することになる。
【0023】上述した第2のステータディスクの形態に
おいては、移動体3´(3,3”)の露出した外周部の
駆動力伝達部位31の厚みが大きく形成されているた
め、圧電素子2a,2bの伸縮による移動体3´の中心
部の変位が露出した駆動力伝達部位31の表裏面で拡大
され、移動体(ロータディスク)の移動速度を増大する
ことができる。
【0024】さらに、第3のステータディスクの形態で
は、移動体3”の厚みの大きい露出した駆動力伝達部位
31に放射上のスリット32,…が設けられているか
ら、ステータディスク1”の共振周波数の低周波数化及
び磨耗を少なくすることができる。
【0025】図6は、上述したステータディスク1(1
´,1”)1枚でステータを構成した本発明の第1の実
施形態の超音波モータの断面図である。なお、この図6
に示す第1の実施形態及び後述する第2、第3の実施形
態においては、図3に示すステータディスク1´を用い
た例を示しているが、符号としては、ステータディスク
の振動体を3として表している。
【0026】振動体3はその内周面にスプライン歯又は
スプライン歯溝が形成され、シャフト44の外周面には
振動体3が係合する領域部分に亙ってスプライン歯溝又
はスプライン歯が形成され、振動体3とシャフト44は
スプライン構造41によって結合され、シャフト軸方向
には移動可能でシャフト軸回りには拘束されシャフト4
4に対して相対回転ができないように構成されている。
振動体3の両側には、偏平なリング状の移動体(ロータ
ディスク)40が夫々配置されている。この移動体(ロ
ータディスク)40の外周部はスプライン歯又はスプラ
イン歯溝が形成され、該移動体(ロータディスク)40
を囲むロータケース45の内周面に設けられたスプライ
ン歯溝又はスプライン歯によってスプライン構造42に
よって結合されている。この移動体(ロータディスク)
40とロータケース45とのスプライン構造42によっ
て結合され、移動体40はロータケース45に対してシ
ャフト軸方向には移動可能でシャフト軸回りには拘束さ
れ移動体(ロータディスク)40とロータケース45は
相対回転ができないように構成されている。
【0027】ロータケース45の内側端面と移動体40
との間には予圧手段としてのバネ43が夫々設けられ、
移動体40を振動体3の駆動力伝達部位31に押圧して
いる。なお、移動体40は駆動力伝達部位31とのみ振
動体3と圧接している。また、ロータケース45はシャ
フト44にベアリング46によって回転自在に軸着され
ている。
【0028】そこで、圧電素子2a,2bのA相電極に
A相用電源から電圧を印加し、B相電極にB相用電源か
ら電圧を印加し、前述したように振動体3の駆動力伝達
部位31に進行波を発生させれば、この駆動力伝達部位
31にバネ43によって押圧されている各移動体40は
一方向に回転することになり、この各移動体40とスプ
ライン42で結合するロータケース45はシャフト44
に対して相対的に回転することになる。
【0029】図12(a)、(b)は本発明の超音波モ
ータの振動体A(3)の振動開始時の原理説明図であ
る。圧電素子B(2A,2B)のA相、B相の各相に正
弦波電圧を印加すると、振動体A(3)は振動を開始す
るが、この時、振動体A(3)の外周部の駆動力伝達部
位31は予圧手段により移動体C(40)が押圧されて
いるので、初めはこの部分では振動が生じ難い。しか
し、振動体A(3)の中心部は、シャフトD(44)と
スプライン結合しているから、図12(a)に示すよう
に振動体A(3)は中心部でシャフトD(44)の軸方
向に上下(振動体Aの平面に対して上下方向)に波打つ
ことによって振動を開始し、この振動は圧電素子Bの伸
縮運動のエネルギーを得て増大し、やがて図12(b)
に示すように最外周部の駆動力伝達部位31の振動を引
き起こし、ついには、駆動力伝達部位31の安定な共振
状態を実現する。なお、この初期状態から安定な共振状
態になるまでは、瞬時に行われる。この様に、本発明に
おいては、振動体A(3)が中心部において、シャフト
D(44)の軸方向に移動可能に係止されているだけで
あるから、振動体A(3)の振動発生が容易で共振状態
を直ちに得ることができるものである。
【0030】図7は、本発明の第2の実施形態であり、
上述した第1の実施形態との差異は、予圧手段としての
バネ43を一方のみにした点である。すなわち、移動体
40はロータケース45と共に回転し、移動体40及び
振動体3は共にシャフト44の軸方向に移動可能である
ことから、一方の移動体40をロータケース45の端面
に当接させ、他方の側からバネ43によって圧力を加え
れば、2つの移動体40は振動体3の駆動力伝達部位3
1を夫々圧接することになる。この第2の実施形態で
は、予圧手段としてのバネ43が1つでよいことから、
構造が簡潔でコンパクトな超音波モータを構成すること
ができる。
【0031】上述した第1、第2の実施形態では、駆動
源であるステータディスク1を1つのみ用いた超音波モ
ータの例を説明したが、さらに高トルク出力を得るよう
にするには、1つのシャフト44に対して、図6、図7
に示すようなステータディスク1、移動体(ロータディ
スク)40、バネ43、ロータケース45等を複数連結
すればよいが、高出力トルクを発生できかつ、構造を簡
潔化した超音波モータの例を第3の実施形態として図
8、図9と共に説明する。
【0032】図8は断面図であり、図9は立体的に表し
た図である。移動体(ロータディスク)53とステータ
ディスク1を構成する振動体3が交互に配置され、中央
部にはシャフト52が貫通している。移動体(ロータデ
ィスク)53がステータディスク1の振動体3の露出し
た駆動力伝達部位31のみに当接するように配設されて
いる。このステータディスク1と移動体(ロータディス
ク)53を積層し、多層構造のものとする。すなわち、
移動体(ロータディスク)53、ステータディスク1、
移動体(ロータディスク)53、…ステータディスク
1、移動体(ロータディスク)53と積層される。ステ
ータディスク1の振動体3の内周面にはスプライン歯溝
が形成され、ステータディスク1の中心部の孔に貫通す
るシャフト52にはステータディスク1の振動体3が係
合する領域よりも長い領域にわたって前記スプライン歯
溝に係合するスプライン歯が形成され、各ステータディ
スク1の振動体3とシャフト52はスプライン構造55
で結合されている。
【0033】なお、図9に示されるように、各振動体3
とシャフト52のスプライン結合は通常のスプライン結
合と異なり、スプライン歯及びスプライン歯溝が間引き
されて振動体3の軸方向の移動の自由度を増すようにさ
れている。
【0034】シャフト52の両端はベアリング51を介
してロータケース56に結合されている。またロータケ
ース56の内周面には、スプライン歯溝が形成され、上
記移動体(ロータディスク)53の外周に形成されたス
プライン歯と係合し、移動体(ロータディスク)53と
モータケース56はスプライン構造57で結合されてい
る。
【0035】さらに、ステータディスク1と移動体(ロ
ータディスク)53の組が複数積層された一方の端部
(図8,図9の右側の端部)には、ロータケース56の
側壁と端部(図8,図9における一番右側)の移動体
(ロータディスク)53の間には、予圧手段としてのバ
ネ54が配設され、移動体53を押圧している。また、
ステータ1と移動体53の組が複数積層された他方の端
部(図8、図9おいては左側の端部)の移動体53はロ
ータケース56の側壁に当接している。なお、この端部
にも図6に示すように予圧手段としてのバネを設けても
よい。
【0036】各移動体(ロータディスク)53はロータ
ケース56とスプライン構造57による結合であり、各
ステータディスク1の振動体3はシャフト52とスプラ
イン構造55による結合であるから、ステータディスク
1と移動体(ロータディスク)53が複数積層された積
層体はシャフト52の軸方向に移動可能であり、かつ予
圧手段のバネ54よって一端部の移動体(ロータディス
ク)53が一方向に押圧されることになるから、各移動
体(ロータディスク)53は各ステータディスク1の振
動体3の露出した外周部の駆動力伝達部位31に押圧さ
れることになる。
【0037】この実施形態においても、各ステータディ
スク1のA相電極にA相用電源から電圧を印加し、B相
電極にB相用電源から電圧を印加し、前述したように振
動体3に進行波を発生させれば、各移動体(ロータディ
スク)53は一方向に回転することになり、ロータケー
ス56はシャフト52に対して相対的に回転することに
なる。
【0038】なお、各振動体3とシャフト52の結合
は、モータ軸方向に移動可能で周方向には移動できない
ような、スプライン結合以外の突部と溝結合等の軸方向
に相対移動可能で周方向には相対移動ができない結合で
あればよい。また、各移動体(ロータディスク)53と
他の部材(上記例ではロータケース56)との結合も、
モータ軸方向には相対移動が可能で周方向には相対移動
ができないような構造の結合であればよく、上述したス
プライン結合、溝と該溝に係合する突部、さらには、移
動体(ロータディスク)53の外周部を振動体3の外周
部よりも径方向に突出させ、この突出部に周方向に等間
隔に穴を設け、この穴と遊嵌する杆で各移動体(ロータ
ディスク)53を連結し、この杆を互いに連結して、ロ
ータ、すなわちシャフト52に対して相対回転する部材
とすればよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は、ステータディスクを構成する
振動体の両面に振動体の外径より外径の小さい圧電素子
を接着し、振動体の露出した外周部を移動体と圧接する
駆動力伝達部位としたから、1枚の圧電素子の体積が減
少し、振動体に伝達する振動エネルギーは小さくなる。
しかし、振動体の両面に圧電素子を接着するから、振動
体が発生する振動エネルギーは従来の片面のみに圧電素
子が接着されている場合と比較し増大することになり、
該ステータディスクを用いることで高出力トルクの超音
波モータを構成することができる。
【0040】またステータディスクの振動体が両面駆動
であるため、ステータディスクの振動体を移動体(ロー
タディスク)で両側から挟む構造をとることができるの
で、このステータディスクと移動体(ロータディスク)
とを交互に積層して多層の両面駆動超音波モータを構成
することができる。そのため、両面駆動超音波モータの
作成が容易となる。しかも、各移動体(ロータディス
ク)及びステータディスクをモータ軸方向のみ移動可能
な構造とすることにより、各移動体(ロータディスク)
を各ステータディスクに押圧するための予圧手段を1か
所に集中して設けることができ、両面駆動超音波モータ
をコンパクトに作ることができる。
【0041】さらに、シャフトとステータディスクは軸
方向に移動自在で回転方向には拘束された構成となって
いるから、シャフトに軸方向加重を受けても振動体と移
動体間に働く予圧が変化することはなく、安定した移動
体の移動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に用いる圧電素子の説明図で
ある。
【図2】本発明の両面駆動超音波モータに用いるステー
タディスクの第1の形態の説明図である。
【図3】本発明の両面駆動超音波モータに用いるステー
タディスクの第2の形態の説明図である。
【図4】本発明の両面駆動超音波モータに用いるステー
タディスクの第3の形態の説明図である。
【図5】本発明のステータディスクの圧電素子に対する
電圧印加のための配線図である。
【図6】本発明の両面駆動超音波モータの一実施形態の
断面図である。
【図7】本発明の両面駆動超音波モータの第2の実施形
態の断面図である。
【図8】本発明の両面駆動超音波モータの第3の実施形
態の断面図である。
【図9】同第3の実施形態の立体的に表した図である。
【図10】従来の片面駆動超音波モータの振動開始状態
を説明する説明図である。
【図11】従来の両面駆動超音波モータの振動開始状態
を説明する説明図である。
【図12】本発明の両面駆動超音波モータの振動開始状
態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ステータディスク 2,2a,2b 圧電素子 3,3´,3” 振動体 4a A相電源 4b B相電源 21 圧電素子の一方の側に設けられた分割された電極 22 圧電素子の他方の側に設けられた電極 31 駆動力伝達部位 32 スリット 40,53 移動体(ロータディスク) 41,42,55,57 スプライン構造 43,54 バネ(予圧手段) 44,52 シャフト 45,56 ロータケース 46,51 ベアリング

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状の弾性体で構成され圧電素子が付
    着された振動体と、該振動体の駆動力伝達部位を予圧機
    構によって圧接挟持する2個の移動体とを有する両面駆
    動超音波モータにおいて、 前記2個の移動体は連結され、前記振動体は、その中心
    部付近で軸方向に移動自在かつ回転方向に拘束されてシ
    ャフトに支持されていることを特徴とする両面駆動超音
    波モータ。
  2. 【請求項2】 前記移動体は前記シャフト軸方向に移動
    自在で該シャフトの回りの回転方向には拘束されて互い
    に連結され、前記予圧手段は1箇所に設けられ該1箇所
    の予圧手段によって全ての移動体を振動体の駆動力伝達
    部位に圧接接触させている請求項1記載の両面駆動超音
    波モータ。
  3. 【請求項3】 前記振動体と前記2個の移動体は組にな
    って複数設けられ、全移動体は互いに連結されている請
    求項1記載の両面駆動超音波モータ。
  4. 【請求項4】 円盤状の弾性体で構成され圧電素子が付
    着された振動体と、該振動体の駆動力伝達部位に予圧手
    段によって圧接される移動体とを備えた両面駆動超音波
    モータにおいて、 前記振動体と前記移動体が交互に配置され、前記各振動
    体は、その中心部付近で軸方向に移動自在かつ回転方向
    に拘束されるようにシャフトに支持され、前記各移動体
    は前記シャフト軸方向に移動自在で該シャフトの回りの
    回転方向には拘束されて互いに連結され、前記予圧手段
    は1箇所若しくは2箇所に設けられ該予圧手段によって
    全ての移動体を振動体の駆動力伝達部位に圧接接触させ
    ていることを特徴とする両面駆動超音波モータ。
  5. 【請求項5】 前記振動体の前記シャフトへの支持構造
    は、スプライン結合である請求項1乃至4記載の内1項
    記載の両面駆動超音波モータ。
  6. 【請求項6】 前記スプライン結合は、円周方向にスプ
    ライン歯を均等に間引きし振動の自由度を高めた請求項
    5記載の両面駆動超音波モータ。
  7. 【請求項7】 前記振動体の前記シャフトへの支持構造
    は、一方に設けられた溝と他方に設けられた前記溝と係
    合する突部により構成されている請求項1乃至4記載の
    内1項記載の両面駆動超音波モータ。
  8. 【請求項8】 前記移動体を連結する構造は、各移動体
    と各移動体を取り囲む部材とでスプライン結合されてい
    る請求項1乃至7記載の内1項記載の両面駆動超音波モ
    ータ。
  9. 【請求項9】 前記移動体を連結する構造は、各移動体
    と各移動体を取り囲む部材とにおいて、一方に設けられ
    た溝と他方に設けられた前記溝と係合する突部により構
    成されている請求項1乃至7記載の内1項記載の両面駆
    動超音波モータ。
  10. 【請求項10】 前記予圧手段はばねで構成されている
    請求項1乃至9記載の内1項記載の両面駆動超音波モー
    タ。
JP10321416A 1997-10-27 1998-10-27 両面駆動超音波モータ Expired - Fee Related JP2981471B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10321416A JP2981471B2 (ja) 1997-10-27 1998-10-27 両面駆動超音波モータ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-309497 1997-10-27
JP30949797 1997-10-27
JP10321416A JP2981471B2 (ja) 1997-10-27 1998-10-27 両面駆動超音波モータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11220894A true JPH11220894A (ja) 1999-08-10
JP2981471B2 JP2981471B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=26565980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10321416A Expired - Fee Related JP2981471B2 (ja) 1997-10-27 1998-10-27 両面駆動超音波モータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2981471B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003047267A (ja) * 2001-08-01 2003-02-14 Toyama Shigeki トルクが向上された積層サンドイッチ型超音波モータ
KR100961096B1 (ko) 2008-11-03 2010-06-07 전자부품연구원 양면 회전형 초음파 모터 및 진동자
JP2012231598A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Canon Inc 振動波モータ
JP2017108617A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108618A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108616A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108619A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
CN106992708A (zh) * 2017-05-24 2017-07-28 宁波大学 一种具有双面齿金属塑料复合型定子的超声电机
CN110601590A (zh) * 2019-11-05 2019-12-20 山东理工大学 贴片式驻波型双面齿超声电机定子
CN110729919A (zh) * 2019-10-29 2020-01-24 山东理工大学 同轴反向旋转的驻波型双面交错齿超声电机定子

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003047267A (ja) * 2001-08-01 2003-02-14 Toyama Shigeki トルクが向上された積層サンドイッチ型超音波モータ
KR100961096B1 (ko) 2008-11-03 2010-06-07 전자부품연구원 양면 회전형 초음파 모터 및 진동자
JP2012231598A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Canon Inc 振動波モータ
JP2017108617A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108618A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108616A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
JP2017108619A (ja) * 2015-11-27 2017-06-15 キヤノン株式会社 超音波モータ、駆動制御システム、光学機器および振動子
CN106992708A (zh) * 2017-05-24 2017-07-28 宁波大学 一种具有双面齿金属塑料复合型定子的超声电机
CN110729919A (zh) * 2019-10-29 2020-01-24 山东理工大学 同轴反向旋转的驻波型双面交错齿超声电机定子
CN110729919B (zh) * 2019-10-29 2024-01-26 山东理工大学 同轴反向旋转的驻波型双面交错齿超声电机定子
CN110601590A (zh) * 2019-11-05 2019-12-20 山东理工大学 贴片式驻波型双面齿超声电机定子
CN110601590B (zh) * 2019-11-05 2024-01-26 山东理工大学 贴片式驻波型双面齿超声电机定子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2981471B2 (ja) 1999-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3059031B2 (ja) 振動波駆動装置及び振動波駆動装置を備えた装置
KR101108455B1 (ko) 초음파 모터
JP2981471B2 (ja) 両面駆動超音波モータ
JPH07308082A (ja) 圧電式回転モーター
JP2007520185A (ja) 圧電駆動ユニット、及び、そのような駆動ユニットの特に回転駆動運動を生成する方法
JP4261894B2 (ja) 振動型駆動装置
JPS6389074A (ja) 表面波モ−タ
JP2004048932A (ja) 振動波駆動装置
JP2532425B2 (ja) 超音波モ−タ
KR100961096B1 (ko) 양면 회전형 초음파 모터 및 진동자
JP2729827B2 (ja) 超音波モータ
JP2994023B2 (ja) 超音波モータ
JPH06189569A (ja) 超音波モータ
JPH0332377A (ja) 超音波モータ
JP2724731B2 (ja) 超音波モータ
JP4650221B2 (ja) 多自由度超音波モータ
JPS6248276A (ja) 圧電モ−タ
JP2549309B2 (ja) 超音波モータ
JP2996494B2 (ja) 振動型モータ装置
JP4731737B2 (ja) 振動波モータ
JP2537874B2 (ja) 超音波モ−タ
JPH02266877A (ja) 超音波モータ
JPS62196080A (ja) 超音波モ−タ
JPH04101680A (ja) 圧電モータ
JP2585574B2 (ja) リング状圧電体振動子を使用する超音波駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990831

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees