JPH11220215A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

Info

Publication number
JPH11220215A
JPH11220215A JP2236798A JP2236798A JPH11220215A JP H11220215 A JPH11220215 A JP H11220215A JP 2236798 A JP2236798 A JP 2236798A JP 2236798 A JP2236798 A JP 2236798A JP H11220215 A JPH11220215 A JP H11220215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
length
semiconductor laser
stripe groove
recesses
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2236798A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Abe
博明 阿部
Shinji Mitsuya
真司 三ッ谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2236798A priority Critical patent/JPH11220215A/ja
Publication of JPH11220215A publication Critical patent/JPH11220215A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子を有し、安定した単一モード発振が
得られ、製造が容易で製造歩留まりが高い半導体レーザ
を提供する。 【解決手段】 この半導体レーザは、半導体基板12上
に、下部クラッド層13と、活性層14と、上部クラッド層
15と、コンタクト層16と、電流通路を成すストライプ溝
19を有する電流ストップ層17と、電極層18とを順次積層
し、底部が上部クラッド層15に至る断面四角形状の複数
の凹部20をそれぞれストライプ溝方向に所定間隔あけて
並設する一方、凹部20の並設列の中央部に凹部が形成さ
れていない領域23を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分布帰還型の半導
体レ−ザに関する。
【0002】
【従来の技術】分布帰還型半導体レーザは、従来の劈開
面反射構造のファブリペロー型レーザと異なり、光導波
路の共振器長方向に回折格子を成す周期的な凹凸部を設
け、これら回折格子によるBragg散乱を利用して光のフ
ィードバックを行うレーザ発振素子(装置)である。発
振波長は、これら回折格子の波長選択性により単一の軸
モードに固定することができる。従って、より高いコヒ
ーレンシィが求められる動的単一モード動作において有
用である。近年では、石英系光ファイバの分散のある波
長域での長距離無中継通信を実現するために、InGa
AsP/InP系の半導体レーザにこの分布帰還型構造
を採用している。
【0003】ところが、この分布帰還型半導体レーザで
は、レーザ自体の両端面の反射を抑えた構造とした場合
には原理的にBragg波長を挟んだ2つの軸モードが同時
発振してしまう。また、端面の反射による影響がある場
合は回折格子の位相と反射端面の位置関係(反射の位相
項)によってその軸モードの特性が大きく変化してい
た。この端面の位相は、現実的には制御できないため、
安定な単一モード特性を有する分布帰還型半導体レーザ
を再現性良く得ることは困難であり、その生産効率は極
度に悪いものであった。
【0004】そこで、この問題を解決するために、光導
波層の共振器方向の中央部付近で回折格子の位相をπ/
2だけずらし、かつ両端の反射率を低く抑える方法が知
られており、このような分布帰還型半導体レーザとし
て、図16に示すような構成のものが開発されている。
図16において、発光層(活性層)兼光導波層1の両端
面2a、2bは、劈開後AR(Anti-Reflection)コー
トが施され、反射率を1%程度にしてある。また、光導
波層1の中央部3に回折格子4の位相不連続部4aを形
成し、このときの位相シフト量Δθがπ/2となるよう
にしている。この回折格子4の位相シフトは、位相マス
クを通して露光する方法、または、電子線リソグラフィ
ー技術によって作製する。このようにして作製した位相
シフト型分布帰還型半導体レーザは、原理的に最低次軸
モードがBragg波長で発振し、次の軸モード(副モー
ド)との抑圧比も非常に大きくすることができる。
【0005】ところで、最近、分布帰還型半導体レーザ
の構成として、例えば図17に示すような、高アスペク
ト比の回折格子を形成したものが考案されている。この
例の分布帰還型半導体レ−ザ110は、半導体基板11
2の下面に下部電極層111が形成され、基板112の
上には、下部クラッド層113と、活性層114と、上
部クラッド層115が順次積層され、上部クラッド層1
15の上面全域にコンタクト層116が形成されてい
る。また、コンタクト層116の上には絶縁層からなる
電流ストップ層117が形成されており、電流ストップ
層117の中央には所定幅寸法のストライプ溝119が
開口されている。また、電流ストップ層117およびス
トライプ溝119内のコンタクト層116の上面には上
部電極層118が形成されている。さらに上面部分に
は、コンタクト層116から上部クラッド層115にか
けて断面四角形状の多数の凹部120がそれぞれ所定間
隔をあけてストライプ溝方向に並設されている。そして
隣接する凹部120、120間には凸部121が形成さ
れることとなり、これら凹部120とこれら凸部121
により、回折格子130が形成されている。また、各凹
部120の底部にも絶縁層が設けられている。
【0006】このような構成の半導体レーザにあって
は、ストライプ溝119の幅寸法内の活性層114にお
いて、上部電極層118と下部電極層111に対して所
定周波数の交流駆動電圧が与えられると、活性層114
の発振領域114aでは、凹部20と凸部121とから
なる回折格子130が共振器となって共振(帰還)が発
生し、共振波長λ1の縦単一モードのレーザ光が発生さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この図17のような表
面に高アスペクト比の回折格子を形成した分布帰還型半
導体レーザにおいても、安定な単一モード特性を再現性
良く得るには、前述した位相シフト回折格子を形成すれ
ばよいが、高アスペクト比の回折格子に、再現性良く、
位相シフト領域を形成することは容易ではなく、製造の
困難性や製造歩留まりの低さが問題であった。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、安定した単一モード発振が得られ、製造が容易で製
造歩留まりが高い半導体レーザを提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ
は、半導体基板上に、下部クラッド層と、活性層と、上
部クラッド層と、コンタクト層と、電流通路を成すスト
ライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層とを順次積
層し、底部が前記上部クラッド層に至る断面四角形状の
複数の凹部をそれぞれ前記ストライプ溝方向に所定間隔
あけて並設する一方、該凹部の並設列の中央部領域には
前記凹部を形成せず、かつ複数の凹部が形成されていな
い前記中央部領域の長さL1が次式: L1=π/(2△β) (ここに式中、△βは、前記凹部が並設された領域にお
ける光の伝搬定数をβ1とし、複数の凹部が形成されて
いない前記中央部領域における光の伝搬定数をβ 2とし
たときのβ1とβ2との差の絶対値■β1−β2■を表
す。)で表されることを特徴とするものである。
【0010】本発明は、回折格子の中央部に位相シフト
させた回折格子を設けるのではなく、回折格子の中央部
領域に凹部を設けない、すなわち回折格子を形成しない
構成とすることによって、安定な単一モード発振が得ら
れるようにしたものである。本発明の構成によれば、光
導波路(活性層)における光の伝搬定数が、回折格子が
形成されている領域と、回折格子が形成されていない領
域とで変化し、これによって光導波路を伝搬する光の位
相が調整されるので2つの軸モードが同時発振するのを
防止することができる。光の位相の調整量は、回折格子
が形成されていない領域、すなわち中央部領域の長さに
よって制御することができ、中央部領域の長さL1を上
記の式で表される値に設定することによって、単一モー
ド発振が好ましく得られる。
【0011】このような構成の半導体レーザは、例えば
回折格子を成す凹部を形成する際に、中央部領域にマス
クを形成しておくなどして凹部が形成されないようにす
れば作製することができる。したがって、作製時に精密
な制御を要する位相シフト回折格子を形成する必要がな
いので、製造が比較的容易であり、再現性も良いので、
製造歩留まりが高い。また、回折格子が形成されない中
央部領域の長さL1は上記の式で表される値ちょうどで
なくてもよいが、この中央部領域の長さL1が短すぎる
と位相調整量が小さすぎて単一モード発振が得られず、
また長すぎると結合係数が小さくなり、発振開始電流が
大きくなるので好ましくない。したがって、中央部領域
の長さL1をストライプ溝方向の両平端面間の長さMで
除算した値(L1/M)が0.07〜0.18となる範
囲が好ましい。
【0012】また本発明の半導体レーザは、半導体基板
上に、下部クラッド層と、活性層と、上部クラッド層
と、コンタクト層と、電流通路を成すストライプ溝を有
する電流ストップ層と、電極層とを順次積層し、底部が
前記上部クラッド層に至る断面四角形状の複数の凹部を
それぞれ前記ストライプ溝方向に所定間隔あけて並設す
る一方、該凹部の並設列の中央部領域には前記ストライ
プ溝方向の長さL2が次式: L2=π/(2△β) (ここに式中、△βは、前記凹部が並設された領域にお
ける光の伝搬定数をβ1とし、凹部の並設列の前記中央
部領域における光の伝搬定数をβ2としたときのβ1とβ
2との差の絶対値■β1−β2■を表す。)で表される1
つの凹部を形成したことを特徴とするものである。
【0013】本発明は、回折格子の中央部に位相シフト
させた回折格子を設けるのではなく、回折格子の中央部
領域に長さL2の1つの凹部を設けて、この部分に回折
格子を形成しない構成とすることによって、安定な単一
モード発振が得られるようにしたものである。本発明の
構成によれば、光導波路(活性層)における光の伝搬定
数が、回折格子が形成されている領域と、1つの凹部が
形成されている中央部領域とで変化し、これによって導
波路を伝搬する光の位相が調整されるので2つの軸モー
ドが同時発振するのを防止することができる。光の位相
の調整量は、1つの凹部が形成されている中央部領域の
長さによって制御することができ、中央部領域の長さL
2を上記の式で表される値に設定することによって、単
一モード発振が好ましく得られる。
【0014】このような構成の半導体レーザの作製は、
例えば、レジスト層を形成しこれを露光した後、エッチ
ングを施すことによって回折格子を成す凹部を形成する
際に、中央部領域上のレジスト層が硬化されないように
遮蔽部材を被せるなどして、エッチングによってこの領
域に凹部が形成されるようにすればよい。したがって、
作製時に精密な制御を要する位相シフト回折格子を形成
する必要がないので、製造が比較的容易であり、再現性
も良いので、製造歩留まりが高い。また、1つの凹部が
形成される中央部領域の長さL2は上記の式で表される
値ちょうどでなくてもよいが、この中央部領域の長さL
2が短すぎると位相調整量が小さすぎて単一モード発振
が得られず、また長すぎると結合係数が小さくなり、発
振開始電流が大きくなるので好ましくない。したがっ
て、中央部領域の長さL2をストライプ溝方向の両平端
面間の長さMで除算した値(L2/M)が0.125〜
0.25となる範囲が好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て説明する。図1と図2は本発明に係る分布帰還型半導
体レーザ(以下、単に半導体レーザということもある)
の第1の実施形態を示すもので、図1は半導体レーザの
斜視図、図2は図1の2−2線に沿う矢視断面図であ
る。図1と図2に示す分布帰還型半導体レ−ザAは、半
導体基板12の下面に下部電極層11を形成し、基板1
2上に、下部クラッド層13と、活性層14と、上部ク
ラッド層15とコンタクト層16と、電流ストップ層1
7と上部電極層18を順次積層してなる積層体30の上
面部分に、ストライプ溝19、および凹部20と凸部2
1とからなる回折格子が形成されて概略構成されてい
る。
【0016】半導体基板12は、本例ではn型InPか
らなる。下部クラッド層13および上部クラッド層15
は、導電性を持ち、例えばInP等の半導体からなる。
下部クラッド層13および上部クラッド層15は、一方
がp型半導体層なら、他方がn型半導体層である。本例
では下部クラッド層13はn型InPからなり、上部ク
ラッド層15はp型のInPから構成されている。活性
層14はレーザ動作を起こす媒体であり、本例ではIn
GaAsPからなる。コンタクト層16は、上部電極層
18と半導体層である上部クラッド層15との接触抵抗
を減少させるためのものであり、上部クラッド層15の
上面全域に形成されている。本例において、このコンタ
クト層16はInGaAsもしくはInGaAsPから
なり、その下方の上部クラッド層15の半導体のn型、
p型に対応してn型あるいはp型となる。
【0017】コンタクト層16の上には絶縁材料からな
る電流ストップ層17が形成されており、電流ストップ
層17の中央には所定幅寸法のストライプ溝19が開口
されている。また、電流ストップ層17およびストライ
プ溝19の上面には上部電極層18が形成されている。
電流ストップ層17は、Au等の導電性材料からなる上
部電極層18に加えられた電流を、ストライプ溝19を
通してコンタクト層16に流す役割を持ち、例えば、S
iO2等の絶縁材料からなる。下部電極層11は、Au
等の導電性材料からなっている。また積層体30のスト
ライプ溝方向の両端面は平坦に形成されており、かつこ
れら両平端面上には反射防止膜(図示略)が設けられて
いる。
【0018】積層体30の上面部分には、図2に示すよ
うに底部が上部クラッド層15に至る断面四角形状の多
数の凹部20がそれぞれ所定間隔をあけてストライプ溝
方向に並設されている。隣接する凹部20、20間には
凸部21が形成されることとなり、これら凹部20とこ
れら凸部21により、回折格子が形成されている。これ
ら複数の凹部20のそれぞれの深さは、最大1μmであ
る。これら凹部の数は、積層体30のストライプ溝方向
の長さが大略250〜400μmであり、ピッチ(ある
凹部を含めてこの凹部から隣の凹部までの間隔)が0.
2〜0.3μmとした場合、830〜2000の範囲の
数となる。本例では、これら回折格子はストライプ溝1
9の両側に2列平行に形成されている。なお、これら回
折格子がストライプ溝19の一側に1列のみ形成されて
いてもよい。また、各凹部20の底部にも、電流ストッ
プ層17形成時と同時に形成された絶縁層22が設けら
れている。
【0019】また、ストライプ溝19を挟んで左側と右
側の各回折格子にあっては、それらのストライプ溝方向
の中央部領域23は、凹部20が形成されていない領域
となっている。このような凹部20が形成されていない
中央部領域23を設けることによって、活性層14を導
波する光の伝搬定数が回折格子が有る部分と無い部分と
で変化し、これにより光の位相が調整される。そして、
回折格子が無い部分の長さ、すなわち中央部領域23の
ストライプ溝方向の長さL1を調整することにより、位
相調整量を制御することが可能である。単一モード発振
を実現するための位相調整量はπ/2+2nπ(n=
0,1,2,3,4…)であり、したがって本例では、
中央部領域23の長さL1は、下記数式(I)で表され
る長さに好ましく設定される。 L1=π/(2△β) … (I) (ここに式中、△βは、前記凹部が並設された領域にお
ける光の伝搬定数をβ1とし、複数の凹部が形成されて
いない前記中央部領域における光の伝搬定数をβ 2とし
たときのβ1とβ2との差の絶対値■β1−β2■を表
す。)
【0020】また凹部が形成されていない中央部領域2
3の長さL1は、積層体30のストライプ溝方向の両平
端面の長さをMとしたとき、この中央部領域23の長さ
1をこの両平端面間の長さMで除算した値が0.07
ないし0.18となる範囲が好ましい。積層体30の長
さMに対して、凹部が形成されない中央部領域23の長
さL1が長すぎると、結合係数が小さくなり発振開始電
流が大きくなるので好ましくなく、短すぎると位相差が
小さいために単一モード発振が得られない。
【0021】次に図1と図2に示す構造の分布帰還型半
導体レーザAの製造方法の一例について説明する。ま
ず、図3Aに示すようなn型InPからなる半導体基板
12上に、n型InPからなる1μm厚の下部クラッド
層13と、InGaAsPからなる0.2μm厚の活性
層14と、P型InPからなる0.7μm厚の上部クラ
ッド層15と、P型InGaAsからなる0.2μm厚
のコンタクト層16とを積層した素基板を製造する。こ
の素基板は、MOCVD(有機金属気相成長)装置を用
いるなどしたエピタキシャル結晶成長技術により半導体
基板12上に各層を成膜することにより製造できる。次
に、スパッタなどの成膜法により素基板の上面に図3B
に示すように、スピンコータなどの塗布装置を用いてレ
ジスト32を塗布した後にクリーンオーブンなどの加熱
装置を用いてプリベークしてレジスト32を硬化させ
る。
【0022】次に、図3Cに示すようにマスク33を介
してレジスト32の表面の回折格子形成領域以外の部分
を露光する。このときレジスト32表面の、ストライプ
溝19に相当する部分や、回折格子が形成されない中央
部領域23に相当する部分を含む回折格子形成されない
部分が露光されるようにマスク33を形成する。次に、
2光束干渉露光法によりレジスト32の回折格子を形成
する領域を露光する。このとき、回折格子が形成されな
い領域ではレジスト32が既に感光されて硬化している
ため、まだレジスト32が露光されていない部分にのみ
2光束干渉法による露光が行われる。この後、このレジ
スト32を現像し、加熱装置でポストベークして水分を
飛ばすことで図4Dに示すような波形レジスト32’が
得られる。さらに、前記波型レジスト32’の上に真空
斜方蒸着法などの成膜法でNiCr膜、Ni膜などの厚
さ30nmの金属膜48を斜方蒸着する。この斜方蒸着
により金属膜48は、図4Eに示すように間欠的に波型
レジスト32’の各凸部の片面側、および回折格子が形
成されない領域の全面にそれぞれ形成される。
【0023】続いて図5Fに示すように、この金属膜4
8をマスクとして、金属膜48に覆われていないレジス
ト32の一部を酸素ガスによる反応性イオンエッチング
(ドライエッチング)により除去する。続いて図5Gに
示すように、塩素またはメタン系ガスによる反応性イオ
ンエッチング(ドライエッチング)を行い、InGaA
sもしくはInGaAsPからなるコンタクト層16を
金属膜48とレジスト層32のエッチング残留部分をマ
スクとしてエッチングして、コンタクト層16に凹部4
9を多数形成し、凹部49、49…に隣接する凸部5
0、50…を形成する。この反応性イオンエッチング
(ドライエッチング)によれば、ガス圧、エッチング装
置の高周波パワーの制御条件などでエッチングレートが
変化し、また面内のエッチングレートの分布もあるの
で、凹部49の深さは少しばらつくが、サイドエッチン
グはほとんど生じないので、凹部49、49…の穴幅の
大きさを厳密に形成できる。
【0024】次に、図6Hに示すように、前記凸部5
0、50…をマスクとして塩酸と酢酸の混合酸(HC
l:CH3COOH=1:4のもの、あるいは、HC
l:CH3COOH:H2O=1:4:0.5のものな
ど)を用いたウェットエッチングにより上部クラッド層
15をエッチングし、上部クラッド層15に凹部52、
52…を形成する。このウェットエッチングにおいて前
記混合酸は上部クラッド層15を構成するInPをエッ
チングすることは容易にできるが、その下にあるInG
aAsPの活性層14をエッチングする速度は極めて遅
いので、このエッチングは活性層14で止まり、凹部5
2、52…の深さは均一になる。
【0025】次に、図6Iに示すように、レジスト32
の残留部分をアセトン等の有機溶剤で除去すると、凸部
53、53…およびそれらに隣接して存在する凹部5
2、52…が得られる。次いで、図6Jに示すように、
スパッタなどの成膜手段でSiO2からなる厚さ150
0〜2000オングストロームの絶縁層56を、凸部5
3上、および回折格子が形成されない領域のコンタクト
層16上に成膜する。これにより、凹部20の底部に絶
縁層22が形成されるとともに、凹凸領域の中央部分に
凹部20が形成されていない平坦な面が形成される。
【0026】続いて、図7に示すように、ストライプ溝
19を形成するため、この溝形状に合わせた穴57aを
中央部に有するレジスト57を絶縁層56の上面に形成
し、加熱装置でプリベークし、露光し現像する。そし
て、バッファードフッ酸(森田化学工業社製、商品名
1:10バッファードフッ酸)でエッチングして絶縁層
56の上記穴部分を除去することにより、図1に示した
ストライプ溝19を形成するとともに、その溝の両側に
位置する絶縁膜56が電流ストップ層17となる。その
後、有機溶剤、例えばアセトンなどによりレジスト57
を除去する。
【0027】さらに、基板12の底面を機械研磨と化学
研磨して基板12の厚さを調節し、Auを主体とした下
部電極層11を形成する。そして、レジスト57を除去
した絶縁層56からなる電流ストップ層17上に真空蒸
着によりAuを主体とした上部電極層18を形成する。
その後、ストライプ溝19の長手方向の両端部分を切断
することにより、図1および図2に示した半導体レーザ
Aが得られる。
【0028】このような構成の半導体レーザAにあって
は、ストライプ溝19の幅寸法内の活性層14におい
て、上部電極層18と下部電極層11に対して所定周波
数の交流駆動電圧が与えられると、活性層14の発振領
域14aでは、凹部20と凸部21とからなる回折格子
が共振器となって共振(帰還)が発生し、共振波長λ1
の縦単一モードのレーザ光が発生される。またこの構成
の半導体レーザAは、クラッド層をInPから形成し、
活性層をInGaAsPから形成しているので、基本的
には発振波長が赤外波長帯となる。そして本例の半導体
レーザAは、中央部領域23に回折格子を形成せず平坦
面としたことにより、活性層14をストライプ溝長さ方
向に伝搬する光の位相を調整できるので、2つの軸モー
ドが同時発振するのを防止することができる。また中央
部分領域23は、上述のように、素基板の上面にレジス
ト層32を形成した後、2光束干渉露光法により凹部2
0を形成する前に、予め露光しておけば、この領域に回
折格子が形成されないので、作製が容易である。したが
って、再現性良く半導体レーザを製造することができ、
製造歩留まりが高い。
【0029】図8と図9は本発明に係る分布帰還型半導
体レーザの第2の実施形態を示すもので、図8は半導体
レーザの斜視図、図9は図8の9−9線に沿う矢視断面
図である。図8と図9に示す分布帰還型半導体レ−ザB
が、上記第1の実施形態の分布帰還型半導体レ−ザAと
大きく異なる点は、上記の分布帰還型半導体レ−ザAに
おいては回折格子の凹部を形成しなかった中央部領域2
3に、本例では1つの中央凹部63を設けた点である。
本例において、上記第1の実施形態の分布帰還型半導体
レ−ザAと同じ構成要素には同一の符号を付して、その
説明を省略することがある。
【0030】本例において、ストライプ溝19を挟んで
左側と右側の各回折格子にあっては、それらのストライ
プ溝方向の中央部領域には、回折格子を成す凹部20が
形成されず、1つの中央凹部63が形成されている。こ
の中央凹部63の形状は、平面形状がほぼ矩形状で、深
さが凹部20の深さにほぼ等しい形状あればよく、本例
では、ストライプ溝方向の長さL2およびこれに直交す
る方向の幅が深さ方向に一定で、その幅および深さが回
折格子を成す凹部20の幅および深さと同じに形成され
ている。また、この中央凹部63の底部にも、電流スト
ップ層17形成時と同時に形成された絶縁層22が設け
られている。また中央凹部63とこれに近接する凹部2
0との間の凸状の部分61の、ストライプ溝方向の長さ
は、回折格子を成す凸部21と同じ寸法に形成されてい
る。
【0031】このような中央凹部63を設けることによ
って、活性層14を導波する光の伝搬定数が、回折格子
が有る部分と、無い部分すなわち中央凹部63が形成さ
れている部分とで変化し、これにより光の位相が調整さ
れる。そして、回折格子が無い部分の長さ、すなわち中
央凹部63のストライプ溝方向の長さL2を調整するこ
とにより、位相調整量を制御することが可能である。単
一モード発振を実現するための位相調整量はπ/2+2
nπ(n=0,1,2,3,4…)であり、したがって
本例では、中央凹部63の長さL2は、下記数式(II)
で表される長さに好ましく設定される。 L2=π/(2△β) … (II) (ここに式中、△βは、前記凹部が並設された領域にお
ける光の伝搬定数をβ1とし、複数の凹部が形成されて
いない前記中央部領域における光の伝搬定数をβ 2とし
たときのβ1とβ2との差の絶対値■β1−β2■を表
す。)
【0032】また中央凹部63の長さL2は、積層体3
0のストライプ溝方向の両平端面の長さをMとしたと
き、この中央凹部63の長さL2をこの両平端面間の長
さMで除算した値が0.125ないし0.25となる範
囲が好ましい。積層体30の長さMに対して、中央凹部
63の長さL2が長すぎると、結合係数が小さくなり発
振開始電流が大きくなるので好ましくなく、短すぎると
位相差が小さいために単一モード発振が得られない。
【0033】次に図8と図9に示す構造の分布帰還型半
導体レーザBの製造方法の一例について説明する。本例
において、分布帰還型半導体レーザAの製造方法の説明
における構成要素と同じ構成要素には同一の符号を付し
てその説明を省略することがある。まず、上記分布帰還
型半導体レーザAの製造方法と同様にして半導体基板1
2上に、下部クラッド層13と、活性層14と、上部ク
ラッド層15と、コンタクト層16とを積層した素基板
を製造し(図10A)、この素基板の上面にレジスト3
2を塗布した後、このレジスト32を硬化させる(図1
0B)。
【0034】次に、レジスト32を露光する。図10C
は上面にレジスト32が塗布、硬化された素基板を上方
から見た平面図であるが、この図に示すように、レジス
ト32の表面の回折格子が形成される領域と中央凹部6
3が形成される領域とを除いた部分をマスク(図示せ
ず)を介して露光する。図中、斜線は露光される領域を
示し、破線は後に回折格子を成す凹部20および中央凹
部63が形成される位置を示す。次に、2光束干渉露光
法によりレジスト32の回折格子を形成する領域を露光
する。このとき、中央凹部63が形成される領域を、例
えばCrマスク等の遮蔽部材64で覆い、この領域が露
光されないようにする。これにより、回折格子が形成さ
れない領域ではレジスト32が既に感光されて硬化して
いるため、露光後、レジスト32を現像し、加熱装置で
ポストベークして水分を飛ばすことで図11Dに示すよ
うな波形レジスト32’が得られる。さらに、前記波型
レジスト32’の上に真空斜方蒸着法などの成膜法でN
iCr膜、Ni膜などの厚さ30nmの金属膜48を斜
方蒸着する。この斜方蒸着により金属膜48は、図11
Eに示すように間欠的に波型レジスト32’の各凸部の
片面側にそれぞれ形成される。またこのときも、中央凹
部23が形成される領域を遮蔽部材64で覆ったままと
し、したがってこの領域においては遮蔽部材64上に金
属膜48が形成される。
【0035】続いて図12Fに示すように、遮蔽部材6
4を取り除き、金属膜48をマスクとして、金属膜48
に覆われていないレジスト32の一部を酸素ガスによる
反応性イオンエッチング(ドライエッチング)により除
去する。続いて図12Gに示すように、塩素またはメタ
ン系ガスによる反応性イオンエッチング(ドライエッチ
ング)を行い、InGaAsもしくはInGaAsPか
らなるコンタクト層16を金属膜48とレジスト層32
のエッチング残留部分をマスクとしてエッチングして、
コンタクト層16に凹部49を多数形成し、凹部49、
49…に隣接する凸部50、50…を形成するととも
に、中央凹部の形成位置に1つの凹部63aを形成す
る。この反応性イオンエッチング(ドライエッチング)
によれば、ガス圧、エッチング装置の高周波パワーの制
御条件などでエッチングレートが変化し、また面内のエ
ッチングレートの分布もあるので、凹部49の深さは少
しばらつくが、サイドエッチングはほとんど生じないの
で、凹部49、49…の穴幅の大きさを厳密に形成でき
る。
【0036】次に、図13Hに示すように、前記凸部5
0、50…をマスクとして塩酸と酢酸の混合酸(HC
l:CH3COOH=1:4のもの、あるいは、HC
l:CH3COOH:H2O=1:4:0.5のものな
ど)を用いたウェットエッチングにより上部クラッド層
15をエッチングし、上部クラッド層15に凹部52、
52…を形成するとともに、中央凹部形成位置に1つの
凹部63bを形成する。。このウェットエッチングにお
いて前記混合酸は上部クラッド層15を構成するInP
をエッチングすることは容易にできるが、その下にある
InGaAsPの活性層14をエッチングする速度は極
めて遅いので、このエッチングは活性層14で止まり、
凹部52、52…および1つの凹部63bの深さは均一
になる。
【0037】次に、図13Iに示すように、レジスト3
2の残留部分をアセトン等の有機溶剤で除去すると、凸
部53、53…と、それらに隣接して存在する凹部5
2、52…および1つの凹部63bが得られる。次い
で、図13Jに示すように、スパッタなどの成膜手段で
SiO2からなる厚さ1500〜2000オングストロ
ームの絶縁層56を、凸部53上、凹部52上、および
1つの凹部63b上に成膜する。これにより、凹部20
および中央凹部63の底部に絶縁層22が形成される。
この後、上記半導体レーザAと同様にして、ストライプ
溝19、下部電極層11、および上部電極層18をそれ
ぞれ形成し、ストライプ溝19の長手方向の両端部分を
切断することにより、図8および図9に示した半導体レ
ーザBが得られる。
【0038】このような構成の半導体レーザBにあって
は、ストライプ溝19の幅寸法内の活性層14におい
て、上部電極層18と下部電極層11に対して所定周波
数の交流駆動電圧が与えられると、活性層14の発振領
域14aでは、凹部20と凸部21とからなる回折格子
が共振器となって共振(帰還)が発生し、共振波長λ1
の縦単一モードのレーザ光が発生される。またこの構成
の半導体レーザAは、クラッド層をInPから形成し、
活性層をInGaAsPから形成しているので、基本的
には発振波長が赤外波長帯となる。そして本例の半導体
レーザBは、回折格子の中央部分に1つの中央凹部63
を設け、この部分に回折格子を形成しない構成としたこ
とにより、活性層14をストライプ溝19長さ方向に伝
搬する光の位相を調整できるので、2つの軸モードが同
時発振するのを防止することができる。また中央凹部6
3は、上述のように、素基板の上面にレジスト層32を
形成した後、2光束干渉露光法により凹部20を形成す
る際、およびレジスト層32のマスクとなる金属膜48
を蒸着する際に、この領域を遮蔽部材64で覆っておけ
ば、この領域に1つの中央凹部63を形成することがで
きるので、作製が容易である。したがって、再現性良く
半導体レーザを製造することができ、製造歩留まりが高
い。
【0039】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して本発明の効果
を明らかにする。 (実施例1)図8および図9に示す構成の半導体レーザ
Bを、上記の製造方法に従って作製した。半導体レーザ
Bの両平端面には酸化アルミニウムからなる反射防止膜
を形成した。また両平端面間の長さMは400μmと
し、ストライプ溝19の幅は2.5μmとした。回折格
子はストライプ溝19を挟んで両側にそれぞれ形成し、
回折格子を成す凹部20の深さは0.6μmとし、ピッ
チは0.24μmとした。そして回折格子の中央部分に
設けた中央凹部63のストライプ溝方向の長さL2は、
50μm(L2/M=0.125)とした。得られた半
導体レーザBの発振スペクトルを図14に示す。この図
に示されるように、単一モード発振が得られ、シグナル
のピークの光出力とノイズレベルの光出力との比を表す
副モード抑圧比は40dBであった。この副モード抑圧
比は30dB以上が望ましく、40dB以上であれば十
分であるとされており、本実施例では十分な値が得られ
た。
【0040】(実施例2,3)上記実施例1において、
中央凹部63のストライプ溝方向の長さL2を、75μ
m(L2/M=0.188)、100μm(L2/M=
0.25)とした他は同様にしてそれぞれ半導体レーザ
を作製した。 いずれの半導体レーザも、単一
モード発振が得られ、副モード抑圧比は40dB以上で
あった。
【0041】(実施例4)図1および図2に示す構成の
半導体レーザAを、上述の製造方法に従って作製した。
すなわち、上記実施例1において、回折格子の中央部分
に、中央凹部63に代えて、回折格子が設けられていな
い平坦な中央部領域23を設けた他は同様にして半導体
レーザを作製した。この中央部領域23のストライプ溝
方向の長さL1は、28μm(L1/M=0.07)とし
た。得られた半導体レーザAは単一モード発振が得ら
れ、副モード抑圧比は40dBと十分な値が得られた。
【0042】(実施例5,6)上記実施例4において、
回折格子が設けられていない中央部領域23のストライ
プ溝方向の長さL1を、50μm(L1=0.125)、
72μm(L1/M=0.18)とした他は同様にして
それぞれ半導体レーザを作製した。いずれの半導体レー
ザも、単一モード発振が得られ、副モード抑圧比は40
dB以上であった。
【0043】(比較例1)図17に示す従来の半導体レ
ーザ110を作製した。すなわち、上記実施例1におい
て、回折格子の中央部分に中央凹部63を設けず、スト
ライプ溝長さ方向に凹部120を等間隔で形成した他は
同様にして半導体レーザ110を作製した。得られた半
導体レーザの発振スペクトルを図15に示す。この図で
は2つのピークが観察され、単一モード発振が得られず
ストップバンドが形成されていることが認められる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体レー
ザは、半導体基板上に、下部クラッド層と、活性層と、
上部クラッド層と、コンタクト層と、電流通路を成すス
トライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層とを順次
積層し、底部が前記上部クラッド層に至る断面四角形状
の複数の凹部をそれぞれ前記ストライプ溝方向に所定間
隔あけて並設する一方、該凹部の並設列の中央部領域に
は前記凹部をせず、所定の長さの凹部が形成されていな
い中央部領域を設けたものである。本発明は、回折格子
の中央部領域に凹部を形成せず、回折格子を形成しない
領域を設けたことにより、光導波路(活性層)における
光の伝搬定数が、回折格子が形成されている領域と、回
折格子が形成されていない領域とで変化し、これによっ
て光導波路を伝搬する光の位相が調整されるので、2つ
の軸モードが同時発振するのを防止して単一モード発振
を安定して得ることができる。また中央部領域の長さL
1をL1=π/(2△β)で表される値に設定すれば、光
が光導波路の回折格子が形成されていない領域を伝搬す
る間に、π/2だけ位相のずれを生じるので、単一モー
ド発振が好ましく得られる。さらに本発明の半導体レー
ザは、作製時に精密な制御を要する位相シフト回折格子
を形成する必要がないので、製造が比較的容易であり、
再現性も良いので、製造歩留まりが高い。
【0045】また、回折格子が形成されない中央部領域
の長さL1は上記の式で表される値ちょうどでなくても
よいが、この中央部領域の長さL1が短すぎると位相調
整量が小さすぎて単一モード発振が得られず、また長す
ぎると結合係数が小さくなり、発振開始電流が大きくな
るので好ましくない。したがって、中央部領域の長さL
1をストライプ溝方向の両平端面間の長さMで除算した
値(L1/M)が0.07〜0.18となる範囲が好ま
しい。
【0046】また本発明の半導体レーザは、半導体基板
上に、下部クラッド層と、活性層と、上部クラッド層
と、コンタクト層と、電流通路を成すストライプ溝を有
する電流ストップ層と、電極層とを順次積層し、底部が
前記上部クラッド層に至る断面四角形状の複数の凹部を
それぞれ前記ストライプ溝方向に所定間隔あけて並設す
る一方、該凹部の並設列の中央部領域に所定の長さの1
つの凹部を設けたものである。本発明は、回折格子の中
央部領域に1つの凹部を設けて、この部分に回折格子を
形成しない構成としたことにより、光導波路(活性層)
における光の伝搬定数が、回折格子が形成されている領
域と、1つの凹部が形成されている中央部領域とで変化
し、これによって導波路を伝搬する光の位相が調整され
るので2つの軸モードが同時発振するのを防止して、単
一モード発振を安定して得ることができる。また1つの
凹部の長さL2をL2=π/(2△β)で表される値に設
定すれば、光が光導波路の回折格子が形成されていない
領域(1つの凹部が形成されている領域)を伝搬する間
に、π/2だけ位相のずれを生じるので、単一モード発
振が好ましく得られる。さらに本発明の半導体レーザ
は、作製時に精密な制御を要する位相シフト回折格子を
形成する必要がないので、製造が比較的容易であり、再
現性も良いので、製造歩留まりが高い。
【0047】また、1つの凹部が形成される中央部領域
の長さL2は上記の式で表される値ちょうどでなくても
よいが、この中央部領域の長さL2が短すぎると位相調
整量が小さすぎて単一モード発振が得られず、また長す
ぎると結合係数が小さくなり、発振開始電流が大きくな
るので好ましくない。したがって、中央部領域の長さL
2をストライプ溝方向の両平端面間の長さMで除算した
値(L2/M)が0.125〜0.25となる範囲が好
ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体レーザの第1の実施形態を示
す斜視図である。
【図2】 図1の半導体レーザの2−2線に沿う矢視断
面図である。
【図3】 図1および2に示した半導体レーザの製造方
法を工程順をおって示すプロセスフロー図である。
【図4】 同プロセスフロー図の続きである。
【図5】 同プロセスフロー図の続きである。
【図6】 同プロセスフロー図の続きである。
【図7】 図1および2に示した半導体レーザの製造方
法を示すためのもので、図6(J)に示した絶縁層上に
レジスト膜を形成した状態を示す斜視図である。
【図8】 本発明の半導体レーザの第2の実施形態を示
す斜視図である。
【図9】 図8の半導体レーザの9−9線に沿う矢視断
面図である。
【図10】 図8および9に示した半導体レーザの製造
方法を工程順をおって示すプロセスフロー図である。
【図11】 同プロセスフロー図の続きである。
【図12】 同プロセスフロー図の続きである。
【図13】 同プロセスフロー図の続きである。
【図14】 実施例1で得られた半導体レーザの発振ス
ペクトルである。
【図15】 比較例1で得られた半導体レーザの発振ス
ペクトルである。
【図16】 従来の半導体レーザの回折格子の一部を示
す構成図である。
【図17】 従来の半導体レーザの一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
11…下部電極層、12…半導体基板、13…下部クラ
ッド層、14…活性層、15…上部クラッド層、16…
コンタクト層、17…電流ストップ層、18…上部電極
層、19…ストライプ溝、20…凹部、21…凸部、2
2…絶縁層、23…中央部領域、63…中央凹部(中央
部領域の1つの凹部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、下部クラッド層と、活
    性層と、上部クラッド層と、コンタクト層と、電流通路
    を成すストライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層
    とを順次積層し、底部が前記上部クラッド層に至る断面
    四角形状の複数の凹部をそれぞれ前記ストライプ溝方向
    に所定間隔あけて並設する一方、該凹部の並設列の中央
    部領域には前記凹部を形成せず、かつ複数の凹部が形成
    されていない前記中央部領域の長さL1が次式: L1=π/(2△β) (ここに式中、△βは、前記凹部が並設された領域にお
    ける光の伝搬定数をβ1とし、複数の凹部が形成されて
    いない前記中央部領域における光の伝搬定数をβ 2とし
    たときのβ1とβ2との差の絶対値■β1−β2■を表
    す。)で表されることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板と、前記下部クラッド層
    と、前記活性層と、前記上部クラッド層と、前記コンタ
    クト層と、電流通路を成すストライプ溝を有する前記電
    流ストップ層と、前記電極層とを順次積層してなる積層
    体における前記ストライプ溝方向の両平端面間の長さを
    Mとしたとき、複数の凹部が形成されていない前記中央
    部領域の長さL1を前記両平端面間の長さMで除算した
    値が0.07ないし0.18であることを特徴とする請
    求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に、下部クラッド層と、活
    性層と、上部クラッド層と、コンタクト層と、電流通路
    を成すストライプ溝を有する電流ストップ層と、電極層
    とを順次積層し、底部が前記上部クラッド層に至る断面
    四角形状の複数の凹部をそれぞれ前記ストライプ溝方向
    に所定間隔あけて並設する一方、該凹部の並設列の中央
    部領域には前記ストライプ溝方向の長さL2が次式: L2=π/(2△β) (ここに式中、△βは、前記凹部が並設された領域にお
    ける光の伝搬定数をβ1とし、凹部の並設列の前記中央
    部領域における光の伝搬定数をβ2としたときのβ1とβ
    2との差の絶対値■β1−β2■を表す。)で表される1
    つの凹部を形成したことを特徴とする半導体レーザ。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板と、前記下部クラッド層
    と、前記活性層と、前記上部クラッド層と、前記コンタ
    クト層と、電流通路を成すストライプ溝を有する前記電
    流ストップ層と、前記電極層とを順次積層してなる積層
    体における前記ストライプ溝方向の両平端面間の長さを
    Mとしたとき、凹部の並設列の前記中央部領域の長さL
    2を前記両平端面間の長さMで除算した値が0.125
    ないし0.25であることを特徴とする請求項3記載の
    半導体レーザ。
JP2236798A 1998-02-03 1998-02-03 半導体レーザ Withdrawn JPH11220215A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2236798A JPH11220215A (ja) 1998-02-03 1998-02-03 半導体レーザ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2236798A JPH11220215A (ja) 1998-02-03 1998-02-03 半導体レーザ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11220215A true JPH11220215A (ja) 1999-08-10

Family

ID=12080672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2236798A Withdrawn JPH11220215A (ja) 1998-02-03 1998-02-03 半導体レーザ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11220215A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010278278A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体装置
CN103986063A (zh) * 2014-05-15 2014-08-13 华中科技大学 一种基于带通滤波结构的单纵模半导体激光器
JP2016197658A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 住友電気工業株式会社 量子カスケード半導体レーザ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010278278A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光半導体装置
CN103986063A (zh) * 2014-05-15 2014-08-13 华中科技大学 一种基于带通滤波结构的单纵模半导体激光器
JP2016197658A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 住友電気工業株式会社 量子カスケード半導体レーザ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4998258A (en) Semiconductor laser device
JP3643486B2 (ja) 光機能素子及び光通信システム
JP2619057B2 (ja) 半導体レーザの製造方法
JPS58155788A (ja) 半導体レ−ザ−
US6577660B1 (en) Distributed feedback type semiconductor laser device having gradually-changed coupling coefficient
US5392311A (en) Laser element
JP3682367B2 (ja) 分布帰還型半導体レーザ
US5111467A (en) Hybrid rugate filter assembly for temperature stabilized emission of grating coupled surface emitting lasers
JPH0969664A (ja) リッジ導波路型分布帰還半導体レーザ装置及びその製造方法
US5109386A (en) Rugate filter on grating coupled surface emitting laser array
JP4008180B2 (ja) 分布帰還リッジ型半導体レーザ
US6084901A (en) Semiconductor laser device
JP2553217B2 (ja) レーザ素子及びその製造方法
JPH11220215A (ja) 半導体レーザ
JP2700312B2 (ja) 分布帰還型半導体レーザ装置
JP2953449B2 (ja) 光半導体素子及びその製造方法
JP3434654B2 (ja) 分布帰還型半導体レーザの製造方法
US4849985A (en) Distributed feedback semiconductor laser device
JP2001111169A (ja) 半導体レーザ素子
JP3602305B2 (ja) 半導体レーザ
JPH10178238A (ja) 半導体レーザの製造方法
JPH02196202A (ja) 位相シフト型回折格子の形成方法
JPH0642583B2 (ja) 半導体レーザ装置
JP2882462B2 (ja) 半導体装置の端面形成方法
JPH05136521A (ja) 半導体レーザ

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405