JPH11219682A - 放電ランプ用陰極 - Google Patents
放電ランプ用陰極Info
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- JPH11219682A JPH11219682A JP3230598A JP3230598A JPH11219682A JP H11219682 A JPH11219682 A JP H11219682A JP 3230598 A JP3230598 A JP 3230598A JP 3230598 A JP3230598 A JP 3230598A JP H11219682 A JPH11219682 A JP H11219682A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ショートアーク型放電ランプにおいて、長時
間の点灯動作後もアーク放電の安定性を維持するための
構造を有する放電ランプ用陰極を提供すること。 【解決手段】 陰極の先端から内部にかけて形成された
円筒状空洞内部に電子放射性物質粉末と高融点金属粉末
の混合物を充填しており、前記電子放射性物質粉末と高
融点金属粉末の混合物はタングステン（Ｗ）による還元
温度の高い順に複数層構造である放電ランプ用陰極とす
る。
間の点灯動作後もアーク放電の安定性を維持するための
構造を有する放電ランプ用陰極を提供すること。 【解決手段】 陰極の先端から内部にかけて形成された
円筒状空洞内部に電子放射性物質粉末と高融点金属粉末
の混合物を充填しており、前記電子放射性物質粉末と高
融点金属粉末の混合物はタングステン（Ｗ）による還元
温度の高い順に複数層構造である放電ランプ用陰極とす
る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、光化学産業分野、
半導体デバイスの製造分野などで使用されるショートア
ーク型放電ランプの陰極に関する。
半導体デバイスの製造分野などで使用されるショートア
ーク型放電ランプの陰極に関する。
【０００２】
【従来の技術】ショートアーク型放電ランプは、図1に
示すように、石英ガラス製の発光管１の中に陽極２と陰
極３が対向配置されており、前記陽極２と陰極３はそれ
ぞれ気密封止部分４を通り電流供給用金属ベース５につ
ながっている。発光管１内には水銀、キセノン、アルゴ
ンなどが必要に応じて適宜封入されており、陽極２と陰
極３の間に生じるアーク放電によって発光する。
示すように、石英ガラス製の発光管１の中に陽極２と陰
極３が対向配置されており、前記陽極２と陰極３はそれ
ぞれ気密封止部分４を通り電流供給用金属ベース５につ
ながっている。発光管１内には水銀、キセノン、アルゴ
ンなどが必要に応じて適宜封入されており、陽極２と陰
極３の間に生じるアーク放電によって発光する。
【０００３】図１に放電ランプの概略図を示すが、ショ
ートアーク型放電ランプにおいて、陰極３には、一般に
は、純タングステンの中に電子放出をさせやすくする電
子放射性物質として数％のＴｈＯ2（酸化トリウム）を
含有したトリエーテッドタングステンが用いられる。こ
のトリエーテッドタングステンの電極は、放電ランプ製
作後の新品のときは、アーク放電部分である陰極先端３
１近傍に、ＴｈＯ2がＷ（タングステン）により還元さ
れたＴｈ（トリウム）が十分に存在しているため、この
陰極先端３１からアーク放電される。
ートアーク型放電ランプにおいて、陰極３には、一般に
は、純タングステンの中に電子放出をさせやすくする電
子放射性物質として数％のＴｈＯ2（酸化トリウム）を
含有したトリエーテッドタングステンが用いられる。こ
のトリエーテッドタングステンの電極は、放電ランプ製
作後の新品のときは、アーク放電部分である陰極先端３
１近傍に、ＴｈＯ2がＷ（タングステン）により還元さ
れたＴｈ（トリウム）が十分に存在しているため、この
陰極先端３１からアーク放電される。
【０００４】しかし、陰極先端３１はアーク放電によっ
て２５００℃程度の高温下に曝されるので、ランプ点灯
動作後数十時間ないし数１００時間経過すると、そのよ
うな高温に曝された陰極先端部分のＷの再結晶化が進
み、ついには結晶構造が変化してしまい、図２のように
陰極の先端の円錐状に加工された部分のＴｈＯ2の高濃
度部分３２から陰極先端３１への電子放射性物質（Ｔｈ
Ｏ2）の拡散供給が不十分となり、陰極先端３１のＴｈ
Ｏ2濃度が低下してアーク放電起点がＴｈＯ2の高濃度部
分３２に移動し、アーク放電は全体として太くなってし
まうという不具合が生じる。
て２５００℃程度の高温下に曝されるので、ランプ点灯
動作後数十時間ないし数１００時間経過すると、そのよ
うな高温に曝された陰極先端部分のＷの再結晶化が進
み、ついには結晶構造が変化してしまい、図２のように
陰極の先端の円錐状に加工された部分のＴｈＯ2の高濃
度部分３２から陰極先端３１への電子放射性物質（Ｔｈ
Ｏ2）の拡散供給が不十分となり、陰極先端３１のＴｈ
Ｏ2濃度が低下してアーク放電起点がＴｈＯ2の高濃度部
分３２に移動し、アーク放電は全体として太くなってし
まうという不具合が生じる。
【０００５】あるいは、点灯動作中にＴｈＯ2を陰極先
端に順次供給するために、陰極にトリエーテッドタング
ステンではなく、純タングステンを使用し陰極先端から
陰極内部にかけて空洞内部を穴加工して、その空洞内部
にＴｈＯ2とＷの混合粉末を充填したものが使用される
ことがある。この場合も、ＴｈＯ2が陰極先端に順次陰
極内部の前記混合体充填部分からＷで還元されたＴｈが
粒界に沿って拡散して補充されるので安定放電が得られ
るが、しかし点灯動作時間の経過と共に放電途中で陰極
先端の表層部のＴｈが枯渇してアーク放電がちらつくよ
うになり、図５に示すように点灯後アーク放電が不安定
になる。
端に順次供給するために、陰極にトリエーテッドタング
ステンではなく、純タングステンを使用し陰極先端から
陰極内部にかけて空洞内部を穴加工して、その空洞内部
にＴｈＯ2とＷの混合粉末を充填したものが使用される
ことがある。この場合も、ＴｈＯ2が陰極先端に順次陰
極内部の前記混合体充填部分からＷで還元されたＴｈが
粒界に沿って拡散して補充されるので安定放電が得られ
るが、しかし点灯動作時間の経過と共に放電途中で陰極
先端の表層部のＴｈが枯渇してアーク放電がちらつくよ
うになり、図５に示すように点灯後アーク放電が不安定
になる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、ショートアーク型放電ランプにおいて、長時間の点
灯動作後もアーク放電の安定性を維持するための構造を
有する放電ランプ用陰極を提供することにある。
は、ショートアーク型放電ランプにおいて、長時間の点
灯動作後もアーク放電の安定性を維持するための構造を
有する放電ランプ用陰極を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１の発明は、先端から内部にかけて形成され
た円筒状空洞内部に電子放射性物質粉末と高融点金属粉
末の混合物からなる電子放射性物質層が充填された放電
ランプ用陰極において、前記電子放射性物質層が複数層
構造であり、陰極先端からその内部にかけてＷによる還
元温度の高い電子放射性物質を含む層からＷによる還元
温度の低い電子放射性物質を含む層の順に充填してなる
放電ランプ用陰極とするというものである。
に、請求項１の発明は、先端から内部にかけて形成され
た円筒状空洞内部に電子放射性物質粉末と高融点金属粉
末の混合物からなる電子放射性物質層が充填された放電
ランプ用陰極において、前記電子放射性物質層が複数層
構造であり、陰極先端からその内部にかけてＷによる還
元温度の高い電子放射性物質を含む層からＷによる還元
温度の低い電子放射性物質を含む層の順に充填してなる
放電ランプ用陰極とするというものである。
【０００８】そして、請求項２の発明は、請求項１に記
載の放電ランプ用陰極において、電子放射性物質層を二
層構造としたときに、先端の一層目はＴｈＯ2と高融点
金属粉末の混合物層であって陰極先端において露出して
おり、その内部の後方の二層目をＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、Ｃ
ｅＯ2のいずれか、あるいはそれらの混合物からなる希
土類酸化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混
合物層か、又は、ＢａＯを主成分とするアルカリ土類酸
化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層
とした放電ランプ用陰極とするものである。
載の放電ランプ用陰極において、電子放射性物質層を二
層構造としたときに、先端の一層目はＴｈＯ2と高融点
金属粉末の混合物層であって陰極先端において露出して
おり、その内部の後方の二層目をＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、Ｃ
ｅＯ2のいずれか、あるいはそれらの混合物からなる希
土類酸化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混
合物層か、又は、ＢａＯを主成分とするアルカリ土類酸
化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層
とした放電ランプ用陰極とするものである。
【０００９】また、請求項３の発明は、請求項１に記載
の放電ランプ用陰極において、電子放射性物質層を三層
構造としたときに、先端の一層目はＴｈＯ2と高融点金
属粉末の混合物層であって陰極先端において露出してお
り、その内部の後方の二層目はＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、Ｃｅ
Ｏ2のいずれか、あるいはそれらの混合物からなる希土
類酸化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合
物層であり、その内部の後方の三層目をＢａＯを主成分
とするアルカリ土類酸化物系電子放射性物質粉末と高融
点金属粉末の混合物層である放電ランプ用陰極とするも
のである。
の放電ランプ用陰極において、電子放射性物質層を三層
構造としたときに、先端の一層目はＴｈＯ2と高融点金
属粉末の混合物層であって陰極先端において露出してお
り、その内部の後方の二層目はＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、Ｃｅ
Ｏ2のいずれか、あるいはそれらの混合物からなる希土
類酸化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合
物層であり、その内部の後方の三層目をＢａＯを主成分
とするアルカリ土類酸化物系電子放射性物質粉末と高融
点金属粉末の混合物層である放電ランプ用陰極とするも
のである。
【００１０】また、請求項４の発明は、請求項１に記載
の放電ランプ用陰極において、電子放射性物質粉末と高
融点金属粉末の混合物が焼結体である放電ランプ用陰極
とするものである。
の放電ランプ用陰極において、電子放射性物質粉末と高
融点金属粉末の混合物が焼結体である放電ランプ用陰極
とするものである。
【００１１】さらに、請求項５の発明は、請求項２また
は請求項３に記載の放電ランプ用陰極において、高融点
金属粉末がＷであって、混合物層が焼結体からなる放電
ランプ用陰極とするものである。
は請求項３に記載の放電ランプ用陰極において、高融点
金属粉末がＷであって、混合物層が焼結体からなる放電
ランプ用陰極とするものである。
【００１２】本発明は、点灯動作時に放電ランプ内の陰
極の軸方向における温度分布に着目してなされた。図７
は陰極先端角（図３で示した角度θ°）が４０°（破
線）、６０°（実線）となっている１５００Ｗショート
アーク型放電ランプの陰極軸方向における温度分布であ
る。図７から分かるように、陰極先端では約２６００〜
２８００℃もの高温になっているが、陰極先端から６〜
８ｍｍのところでは、約１５００〜１６００℃にまで温
度が下がっていることがわかる。
極の軸方向における温度分布に着目してなされた。図７
は陰極先端角（図３で示した角度θ°）が４０°（破
線）、６０°（実線）となっている１５００Ｗショート
アーク型放電ランプの陰極軸方向における温度分布であ
る。図７から分かるように、陰極先端では約２６００〜
２８００℃もの高温になっているが、陰極先端から６〜
８ｍｍのところでは、約１５００〜１６００℃にまで温
度が下がっていることがわかる。
【００１３】すなわち、この陰極軸方向における温度分
布に合わせて、Ｗによって還元される温度の高い電子放
射性物質から同還元される温度の低い電子放射性物質の
順に、陰極先端から陰極内部にかけて層状に配置すれ
ば、点灯動作中に陰極先端の電子放射性物質が枯渇しな
いようにすることができるのではないかという発想のも
とに本発明を完成した。
布に合わせて、Ｗによって還元される温度の高い電子放
射性物質から同還元される温度の低い電子放射性物質の
順に、陰極先端から陰極内部にかけて層状に配置すれ
ば、点灯動作中に陰極先端の電子放射性物質が枯渇しな
いようにすることができるのではないかという発想のも
とに本発明を完成した。
【００１４】
【作用】形成された円筒状空洞内部に配置した電子放射
性物質を多層構造にし、その先端層から還元温度の高い
電子放射性物質から還元温度の低い電子放射性物質を順
に位置させることによって点灯動作時に電子放射性物質
の陰極先端の表層部への供給がスムーズに継続的に行わ
れるので安定したアーク放電が得られる。
性物質を多層構造にし、その先端層から還元温度の高い
電子放射性物質から還元温度の低い電子放射性物質を順
に位置させることによって点灯動作時に電子放射性物質
の陰極先端の表層部への供給がスムーズに継続的に行わ
れるので安定したアーク放電が得られる。
【００１５】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態として、
本発明の陰極について説明する。図３および図４に本発
明の陰極の断面図を示す。陰極３は焼結によって柱状に
製作した純タングステン製の基体の先端領域を円錐状に
切削加工し、また最先端部を平坦に加工した。そして、
陰極３の最先端の平坦部から陰極内部にかけて略前記平
坦部の幅と同じ径の３３の穴加工をする。
本発明の陰極について説明する。図３および図４に本発
明の陰極の断面図を示す。陰極３は焼結によって柱状に
製作した純タングステン製の基体の先端領域を円錐状に
切削加工し、また最先端部を平坦に加工した。そして、
陰極３の最先端の平坦部から陰極内部にかけて略前記平
坦部の幅と同じ径の３３の穴加工をする。
【００１６】別途、前記円筒状空洞３３に充填する、電
子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合粉末を加圧し
て製作した柱状体を準備する。電子放射性物質粉末と高
融点金属粉末の混合粉末からなる柱状体は、具体的には
ＴｈＯ2等の所定の電子放射性物質粉末を溶媒と共に混
ぜた後に焼成し粉砕して得られた電子放射性物質粉末
と、高融点金属粉末としての純タングステンの粉末とを
混合して型（不図示）に入れて加圧後に型から外すこと
で製作する。
子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合粉末を加圧し
て製作した柱状体を準備する。電子放射性物質粉末と高
融点金属粉末の混合粉末からなる柱状体は、具体的には
ＴｈＯ2等の所定の電子放射性物質粉末を溶媒と共に混
ぜた後に焼成し粉砕して得られた電子放射性物質粉末
と、高融点金属粉末としての純タングステンの粉末とを
混合して型（不図示）に入れて加圧後に型から外すこと
で製作する。
【００１７】そして、製作した前記柱状体を陰極３の先
端の円筒状空洞３３に挿入し、陰極３と共に焼結するこ
とによって柱状の電子放射性物質層となし、陰極３の円
筒状空洞３３内に焼き嵌められる。あるいは、電子放射
性物質粉末と純タングステンの粉末の混合粉末を陰極の
円筒状空洞に入れて、円筒状空洞の上から加圧部材（不
図示）で加圧することによって円筒状空洞に詰めて固め
ても柱状の電子放射性物質層とすることができる。
端の円筒状空洞３３に挿入し、陰極３と共に焼結するこ
とによって柱状の電子放射性物質層となし、陰極３の円
筒状空洞３３内に焼き嵌められる。あるいは、電子放射
性物質粉末と純タングステンの粉末の混合粉末を陰極の
円筒状空洞に入れて、円筒状空洞の上から加圧部材（不
図示）で加圧することによって円筒状空洞に詰めて固め
ても柱状の電子放射性物質層とすることができる。
【００１８】なお、上記では、電子放射性物質層を電子
放射性物質粉末と高融点金属粉末とを混合した混合粉末
を型に入れて加圧し、陰極の円筒状空洞に入れて焼結し
たり、該混合粉末を該円筒状空洞に詰めて加圧して固め
る例を挙げたが、電子放射性物質粉末と高融点金属粉末
とを混合して柱状体に焼結して後、該円筒状空洞に入れ
て焼き嵌めてもよい。
放射性物質粉末と高融点金属粉末とを混合した混合粉末
を型に入れて加圧し、陰極の円筒状空洞に入れて焼結し
たり、該混合粉末を該円筒状空洞に詰めて加圧して固め
る例を挙げたが、電子放射性物質粉末と高融点金属粉末
とを混合して柱状体に焼結して後、該円筒状空洞に入れ
て焼き嵌めてもよい。
【００１９】このように、図３あるいは図４のように陰
極先端から陰極内部に向かって円筒状空洞３３を設け
て、その円筒状空洞に柱状体に成形した複数種の電子放
射性物質を充填して放電ランプ用陰極を構成した。図３
は第一の電子放射性物質層３４および第二の電子放射性
物質層３５の二層からなる電子放射性物質層を備え、図
４は第一の電子放射性物質層３４および第二の電子放射
性物質層３５、第三の電子放射性物質層３６の三層から
なる電子放射性物質層を備えている状態を示す。
極先端から陰極内部に向かって円筒状空洞３３を設け
て、その円筒状空洞に柱状体に成形した複数種の電子放
射性物質を充填して放電ランプ用陰極を構成した。図３
は第一の電子放射性物質層３４および第二の電子放射性
物質層３５の二層からなる電子放射性物質層を備え、図
４は第一の電子放射性物質層３４および第二の電子放射
性物質層３５、第三の電子放射性物質層３６の三層から
なる電子放射性物質層を備えている状態を示す。
【００２０】
【実施例】次に具体的実施例を説明する。本発明の陰極
を使用してショートアーク型放電ランプを作製した。ラ
ンプの仕様は次の通りである。 陰極胴部直径 ：６．０ｍｍ、陰極先端直径：０．８ｍ
ｍ 陰極先端角：６０° 電子放射性物質層の構成：二層構造。 第一の電子放射性物質層：Ｗ−２ｗｔ％ＴｈＯ2の焼結
体層であり、寸法は直径０．８ｍｍで長さ５．０ｍｍで
ある。 第二の電子放射性物質層：Ｗに対して５ｗｔ％の量でＢ
ａＣＯ3１．８モル、ＳｒＣＯ3０．２モル、ＣａＣＯ3
１．０モル、ＷＯ3１．０モルを混合してから焼結した
層であり、寸法は直径０．８ｍｍで長さ４．０ｍｍであ
る。 封入ガス ：Ａｒ １〜２気圧 水銀量 ：５〜１０μｌ 電流値 ：約７０Ａ 定格電圧 ：２５Ｖ
を使用してショートアーク型放電ランプを作製した。ラ
ンプの仕様は次の通りである。 陰極胴部直径 ：６．０ｍｍ、陰極先端直径：０．８ｍ
ｍ 陰極先端角：６０° 電子放射性物質層の構成：二層構造。 第一の電子放射性物質層：Ｗ−２ｗｔ％ＴｈＯ2の焼結
体層であり、寸法は直径０．８ｍｍで長さ５．０ｍｍで
ある。 第二の電子放射性物質層：Ｗに対して５ｗｔ％の量でＢ
ａＣＯ3１．８モル、ＳｒＣＯ3０．２モル、ＣａＣＯ3
１．０モル、ＷＯ3１．０モルを混合してから焼結した
層であり、寸法は直径０．８ｍｍで長さ４．０ｍｍであ
る。 封入ガス ：Ａｒ １〜２気圧 水銀量 ：５〜１０μｌ 電流値 ：約７０Ａ 定格電圧 ：２５Ｖ
【００２１】上記の仕様のショートアーク放電ランプを
点灯動作したところ、図６に示すように、製品保証寿命
の点灯動作時間である１５００時間以上まで安定なアー
ク放電を維持することを確認した。
点灯動作したところ、図６に示すように、製品保証寿命
の点灯動作時間である１５００時間以上まで安定なアー
ク放電を維持することを確認した。
【００２２】その他の実施例を説明する。ランプの仕様
は次の通りである。 陰極胴部直径 ：６．０ｍｍ、陰極先端直径：０．８ｍ
ｍ 陰極先端角：６０° 電子放射性物質層の構成：三層構造。 第一の電子放射性物質層：Ｗ−２ｗｔ％ＴｈＯ2の焼結
体層であり、寸法は直径０．８ｍｍで長さ２．０ｍｍで
ある。 第二の電子放射性物質層：Ｗ−５ｗｔ％Ｌａ2Ｏ3層であ
り、寸法は直径０．８ｍｍで長さ４．０ｍｍである。 第三の電子放射性物質層：Ｗに対して５ｗｔ％の量でＢ
ａＣＯ3１．８モル、ＳｒＣＯ3０．２モル、ＣａＣＯ3
１．０モル、ＷＯ3１．０モルを混合し焼結した層であ
り、寸法は直径０．８ｍｍで長さ２．０ｍｍである。 封入ガス ：Ａｒ １〜２気圧 水銀量 ：５〜１０μｌ 電流値 ：約７０Ａ 定格電圧 ：２５Ｖ
は次の通りである。 陰極胴部直径 ：６．０ｍｍ、陰極先端直径：０．８ｍ
ｍ 陰極先端角：６０° 電子放射性物質層の構成：三層構造。 第一の電子放射性物質層：Ｗ−２ｗｔ％ＴｈＯ2の焼結
体層であり、寸法は直径０．８ｍｍで長さ２．０ｍｍで
ある。 第二の電子放射性物質層：Ｗ−５ｗｔ％Ｌａ2Ｏ3層であ
り、寸法は直径０．８ｍｍで長さ４．０ｍｍである。 第三の電子放射性物質層：Ｗに対して５ｗｔ％の量でＢ
ａＣＯ3１．８モル、ＳｒＣＯ3０．２モル、ＣａＣＯ3
１．０モル、ＷＯ3１．０モルを混合し焼結した層であ
り、寸法は直径０．８ｍｍで長さ２．０ｍｍである。 封入ガス ：Ａｒ １〜２気圧 水銀量 ：５〜１０μｌ 電流値 ：約７０Ａ 定格電圧 ：２５Ｖ
【００２３】上記の仕様のショートアーク放電ランプを
点灯動作したところ、電子放射性物質層が二層の場合と
略同じように、製品保証寿命の点灯動作時間である１５
００時間以上まで安定なアーク放電を維持することが確
認された。
点灯動作したところ、電子放射性物質層が二層の場合と
略同じように、製品保証寿命の点灯動作時間である１５
００時間以上まで安定なアーク放電を維持することが確
認された。
【００２４】上述のように、電子放射性物質層が二層の
場合は、各電子放射性物質の還元温度域の高い順に、先
端の一層目がＴｈＯ2粉末と高融点金属粉末の混合物層
であって陰極先端において露出しており、その内部の後
方の二層目がＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、ＣｅＯ2のいずれか、
あるいはそれらの混合物からなる希土類酸化物系電子放
射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層か、又は、Ｂ
ａＯを主成分とするアルカリ土類酸化物系電子放射性物
質粉末と高融点金属粉末の混合物層であるのがよい。
場合は、各電子放射性物質の還元温度域の高い順に、先
端の一層目がＴｈＯ2粉末と高融点金属粉末の混合物層
であって陰極先端において露出しており、その内部の後
方の二層目がＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、ＣｅＯ2のいずれか、
あるいはそれらの混合物からなる希土類酸化物系電子放
射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層か、又は、Ｂ
ａＯを主成分とするアルカリ土類酸化物系電子放射性物
質粉末と高融点金属粉末の混合物層であるのがよい。
【００２５】また、電子放射性物質層が三層の場合は、
各電子放射性物質の還元温度域の高い順に、先端の一層
目がＴｈＯ2粉末と高融点金属粉末の混合物層であって
陰極先端において露出しており、その内部の後方の二層
目がＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、ＣｅＯ2のいずれか、あるいは
それらの混合物からなる希土類酸化物系電子放射性物質
粉末と高融点金属粉末の混合物層であり、その内部の後
方の三層目がＢａＯを主成分とするアルカリ土類酸化物
系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層であ
るのがよい。
各電子放射性物質の還元温度域の高い順に、先端の一層
目がＴｈＯ2粉末と高融点金属粉末の混合物層であって
陰極先端において露出しており、その内部の後方の二層
目がＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、ＣｅＯ2のいずれか、あるいは
それらの混合物からなる希土類酸化物系電子放射性物質
粉末と高融点金属粉末の混合物層であり、その内部の後
方の三層目がＢａＯを主成分とするアルカリ土類酸化物
系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層であ
るのがよい。
【００２６】なお、本実施例では電子放射性物質層を電
子放射性物質粉末と共に構成する高融点金属粉末として
は、加工性が好適なことからタングステンを採用して説
明したが、その他にもモリブデン、タンタル、ニオブな
どが使用可能である。
子放射性物質粉末と共に構成する高融点金属粉末として
は、加工性が好適なことからタングステンを採用して説
明したが、その他にもモリブデン、タンタル、ニオブな
どが使用可能である。
【００２７】
【発明の効果】本発明の放電ランプ用陰極においては、
点灯動作中に充分な量の電子放射性物質が陰極先端の表
層部に存在し、点灯動作中に電子放射性物質が適宜過不
足なく陰極内部から陰極先端の表層部に供給されるの
で、放電ランプは長時間の点灯動作後もアーク放電の安
定性を維持することが可能となった。
点灯動作中に充分な量の電子放射性物質が陰極先端の表
層部に存在し、点灯動作中に電子放射性物質が適宜過不
足なく陰極内部から陰極先端の表層部に供給されるの
で、放電ランプは長時間の点灯動作後もアーク放電の安
定性を維持することが可能となった。
【図１】本発明の適用される放電ランプの概略を示す断
面図である。
面図である。
【図２】従来の陰極先端の概略図である。
【図３】本発明の陰極の一実施例の断面図である。
【図４】本発明の陰極の一実施例の断面図である。
【図５】アークの不安定な状況を示す図である。
【図６】本発明の陰極使用によりアーク放電が安定した
状況を示す図である。
状況を示す図である。
【図７】点灯動作時の陰極の軸方向における温度分布を
示す図である。
示す図である。
１ 発光管 ２ 陽極 ３ 陰極 ３１ 陰極先端 ３２ 酸化トリウム（ＴｈＯ２）の高濃度部分 ３３ 円筒状空洞 ３４ 第一の電子放射性物質層 ３５ 第二の電子放射性物質層 ３６ 第三の電子放射性物質層 ４ 気密封止部分 ５ 電流供給用金属ベース
Claims (5)
- 【請求項１】 先端から内部にかけて形成された円筒状
空洞内部に電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合
物からなる電子放射性物質層が充填された放電ランプ用
陰極において、 前記電子放射性物質層が複数層構造であり、陰極先端か
らその内部にかけてＷによる還元温度の高い電子放射性
物質を含む層からＷによる還元温度の低い電子放射性物
質を含む層の順に充填してなることを特徴とする放電ラ
ンプ用陰極。 - 【請求項２】 前記電子放射性物質層は二層構造であ
り、先端の一層目がＴｈＯ2と高融点金属粉末の混合物
層であって陰極先端において露出しており、その内部の
後方の二層目がＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、ＣｅＯ2のいずれ
か、あるいはそれらの混合物からなる希土類酸化物系電
子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層か、又
は、ＢａＯを主成分とするアルカリ土類酸化物系電子放
射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層であることを
特徴とする請求項１に記載の放電ランプ用陰極。 - 【請求項３】 前記電子放射性物質層は三層構造であ
り、先端の一層目がＴｈＯ2と高融点金属粉末の混合物
層であって陰極先端において露出しており、その内部の
後方の二層目がＬａ2Ｏ3、Ｙ2Ｏ3、ＣｅＯ2のいずれ
か、あるいはそれらの混合物からなる希土類酸化物系電
子放射性物質粉末と高融点金属粉末の混合物層であり、
その内部の後方の三層目がＢａＯを主成分とするアルカ
リ土類酸化物系電子放射性物質粉末と高融点金属粉末の
混合物層であることを特徴とする請求項１に記載の放電
ランプ用陰極。 - 【請求項４】前記電子放射性物質粉末と高融点金属粉末
の混合物が焼結体であることを特徴とする請求項１に記
載の放電ランプ用陰極。 - 【請求項５】前記高融点金属粉末がＷであって、前記混
合物層が焼結体からなることを特徴とする請求項２また
は請求項３に記載の放電ランプ用陰極。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3230598A JPH11219682A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 放電ランプ用陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3230598A JPH11219682A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 放電ランプ用陰極 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11219682A true JPH11219682A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12355248
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3230598A Pending JPH11219682A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 放電ランプ用陰極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11219682A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-01-30 JP JP3230598A patent/JPH11219682A/ja active Pending
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