JPH11217882A - 高気密住宅用構造材とその製造方法および高気密化建築工法 - Google Patents

高気密住宅用構造材とその製造方法および高気密化建築工法

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JPH11217882A
JPH11217882A JP5327198A JP5327198A JPH11217882A JP H11217882 A JPH11217882 A JP H11217882A JP 5327198 A JP5327198 A JP 5327198A JP 5327198 A JP5327198 A JP 5327198A JP H11217882 A JPH11217882 A JP H11217882A
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panel
structural
frame
structural material
house
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JP5327198A
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Tetsuyuki Hattori
哲幸 服部
Kenji Nishimura
研治 西村
Yoshikazu Matsuda
芳和 松田
Yasuhiro Asano
康博 浅野
Shinji Okuda
伸二 奥田
Masaharu Takada
正春 高田
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Ibiden Co Ltd
Sunstar Engineering Inc
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Ibiden Co Ltd
Sunstar Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネル構造材を軸組構造体に取付けるにあた
って両者間の気密性を簡単に確保することができて、結
果として家屋・建物全体の高気密化を達成することので
きる高気密住宅用部材とその製造方法および高気密建築
工法を提供することにある。 【解決手段】 各パネル構造材20の軸組構造体側部
分、あるいは軸組構造体の各パネル構造材20側部分
に、パッキング材30を予め取り付けておき、各パネル
構造材20を軸組構造体側に取り付けたとき、両者の間
の気密をパッキング材30によって保持するようにした
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅用構造材とそ
の製造方法、家屋の建築工法に関し、特に在来軸組工法
に適用することのできる高気密住宅用構造材とその製造
方法および高気密化建築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本の家屋を建築する際に多く採用され
てきている軸組工法は、柱や梁等の長尺構造材を多数組
合わせて軸組構造体とし、この軸組構造体に壁や屋根等
を形成するものであるが、気密性に難のあるものであ
る。気密性に難がある家屋は、空気の移動に伴う熱の移
動が激しく、熱効率的にも住みにくいものとなるだけで
なく、エネルギーの浪費を伴うものである。
【0003】一方、住宅そのものについても、所謂「省
エネ」タイプのものが要求されてきている。つまり、冷
房や暖房を少ないエネルギーで効率良く行えるようにし
て、電気や化石燃料の消費を少なくすることのできる家
屋が要求されてきているのである。
【0004】「省エネ家屋」とするには、代表的には、
次の2つの方法がある。第1の方法は、断熱材あるいは
断熱構造を採用して、家屋自体に対する熱の移動を少な
くすることであり、第2の方法は、蓄熱体でもある空気
の移動を必要最小限に抑えることである。第1の方法に
ついては、本願出願人も、軸組構造体に対して取り付け
るようにした断熱材パネルや断熱床パネル等のパネル構
造材として、多くの提案をしてきている。
【0005】ところが、第2の方法については、問題が
ある。何故なら、家屋の軸組構造体を形成するための柱
や梁等の長尺構造材は、自然の木材を加工して形成する
ものであり、それ自体にゆがみや凹凸があるからであ
り、またこれらの長尺構造材によって軸組みされた軸組
構造体それ自体も、施工の仕方や現場条件によって完全
なものとして形成されることが少なく、このような軸組
構造体に対してパネル構造材を取付けたときには、どう
してもこれらの間に隙間ができるからである。
【0006】そこで、本願発明者は、断熱材として形成
してあるパネル構造材を軸組構造体に対して取り付ける
際等に、完成後の家屋の高気密化を確保できるように施
工するにはどうしたらよいか、について種々検討を重ね
てきた結果、本発明を完成したのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとす
る課題は、完成後の家屋・建物の高気密化を達成するこ
とである。
【0008】すなわち、まず請求項1乃至4に係る発明
の目的とするところは、パネル構造材を軸組構造体に取
り付けるにあたって両者間の気密性を簡単に確保するこ
とができて、結果として家屋・建物全体の高気密化を達
成することのできる高気密住宅用構造材を提供すること
にある。
【0009】請求項5に係る発明の目的とするところ
は、前記パネル構造材におけるパッキング材と断熱材と
の間での結露の発生を防止することにある。
【0010】さらに、請求項6乃至8に係る発明の目的
とするところは、パネル構造材を軸組構造体に取り付け
るにあたって、両者間の気密性を簡単に確保することが
できて、結果として家屋・建物全体の高気密化を達成す
ることができる高気密住宅用構造材を簡単に、かつ迅速
に製作することができる製造方法を提供することにあ
る。
【0011】また、請求項9に係る発明の目的とすると
ころは、パネル構造材を軸組構造体に取り付けるにあた
って両者間の気密性を簡単に確保することができて、結
果として家屋・建物全体の高気密化を達成することので
きる高気密化建築工法を提供することにある。
【0012】さらに、請求項10に係る発明の目的とす
るところは、床パネルを軸組構造体に取り付けるにあた
って、これらの床パネル間、及び床パネルと軸組構造体
との間の気密性を高めることができて、結果として家屋
・建物全体の高気密化を達成することのできる高気密化
建築工法を提供することにある。
【0013】そして、請求項11に係る発明の目的とす
るところは、柱等の長尺構造材を軸組みするに際して、
これらの長尺構造材間にできがちな隙間を完全に埋める
ようにして気密性を高めることができ、結果として家屋
・建物全体の高気密化を達成することのできる高気密化
建築工法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記課題
を解決するために、まず請求項1に係る発明の採った構
成は、後述する実施の形態の説明中において使用する符
号を付して説明すると、「軸組構造材10を組み合わせ
て構成した軸組構造体に対して、壁パネル21、野地パ
ネル22、床パネル23、あるいは必要に応じて使用さ
れる妻パネル24等のパネル構造材20を取り付けて家
屋を形成する住宅構造に用いられる前記パネル構造材ま
たは前記軸組構造材において、前記パネル構造材20
の、前記軸組構造材10に向けられる部分、または、前
記軸組構造材10の、前記パネル構造材20に向けられ
る部分に、前記パネル構造材20を前記軸組構造体に取
り付けたときに前記パネル構造材20と前記軸組構造体
との間の気密を保持するパッキング材30があらかじめ
設けられていることを特徴とする、高気密住宅用構造
材」である。また請求項2に係る発明の採った構成は、
「前記パッキング材は、発泡性ウレタン系樹脂からなる
ことを特徴とする、請求項1に記載の高気密住宅用構造
材」であり、請求項3に係る発明の採った構成は、「前
記パッキング材の発泡性ウレタン系樹脂は、湿気硬化性
ポリウレタン組成物であってその硬化直後の圧縮応力が
2kg/cm2 以下のものであることを特徴とする、請求項
1又は請求項2に記載の高気密住宅用構造材」であり、
請求項4に係る発明の採った構成は、「前記パネル構造
材のパッキング材は、そのパネル構造材の枠材の側面に
沿って設けられる箇所ではそのパネル構造材の面材の長
さの全体に亘って設けられていることを特徴とする、請
求項1から請求項3までの何れかに記載の高気密住宅用
構造材」である。
【0015】すなわち、これら請求項1乃至4に係る高
気密住宅用構造材は、図1及び図2に示すように、柱1
2や桁または胴差13等の軸組用長尺構造材10を軸組
みして形成しておいた軸組構造体に対して、壁パネル2
1、野地パネル22、床パネル23あるいは妻パネル2
4等のパネル構造材20を気密的に取り付けるようにし
たものであり、そのために、例えば図1に示したよう
に、各パネル構造材20の、軸組構造体に向く面(軸組
構造体側の面)にパッキング材30を予め設けておくよ
うにしたものである。
【0016】そして、壁パネル21等のパネル構造材2
0を軸組構造体に取付ければ、図2に示したように、桁
または胴差13や柱12と当該壁パネル21等との間の
隙間は、各パッキング材30によって塞がれることにな
って、この高気密住宅用構造材を適用して形成した家屋
内は、高気密状態になされることになるのである。何故
なら、パッキング材30は、長尺構造材10とパネル構
造材20との間に介在させられることにより、長尺構造
材10やパネル構造材20の凹凸に応じて変形し、長尺
構造材10とパネル構造材20との間の隙間を、十分に
埋めてしまうからである。
【0017】この場合、パッキング材30は、軸組みさ
れた軸組構造体の、各パネル構造材20に対応する部分
に貼付するようにして実施してもよいが、その場合には
現場施工となるので、場合によっては好ましくない。こ
れに対して、各パネル構造材20は工場等で予め所定形
状のものとして形成されるものであり、軸組構造体に対
する当接面あるいは固定面も予め形成されるものである
から、その当接面等にパッキング材30を予め貼付等の
手段によって取り付けておけば、パッキング材30の現
場施工を行わなくて済み、施工性の向上を図ることがで
きる。
【0018】例えば、パネル構造材20として壁パネル
21を採用して考慮してみると、この壁パネル21は、
図1及び図2に示したように、柱12や桁または胴差1
3等によって形成される開口部内に挿入される枠材21
aと、この枠材21a間に充填または収納されている断
熱材21bとを有しているものであり、これらを外側に
位置する面材21cによって支持したものである。この
外側面材21cは、枠材21aおよび断熱材21bの側
面よりも壁パネル21の延在方向外方に突出するもので
あるから、この外側面材21cの内面に、図1に示した
ように、パッキング材30を貼付等の手段によって設け
ればよいのである。
【0019】壁、野地、床、妻等の各パネル構造材20
の断熱材には発泡樹脂断熱材(ウレタン、ポリスチレ
ン、フェノール等)が用いられるが、断熱性・通気性の
点で、ウレタン発泡材が好ましい。また、パッキング材
30には発泡性ウレタン樹脂、特に湿気硬化性ポリウレ
タン組成物が好ましく、その場合に、硬化直後の圧縮応
力が2kg/cm2 以下のものを用いれば、パネル構造材2
0を軸組構造体に取り付ける際に容易にパッキング材3
0を押し潰すことができて、取付作業を容易にかつ確実
に行うことができる。そして、パネル構造材20のパッ
キング材30を枠材21aの側面に沿って設ける場合に
は、好ましくは図12に示すように、パネル構造材の外
側面材21cの枠材延在方向の長さの全体に亘って設け
るようにする。このようにすれば、図1に示すように桁
または胴差13や根太がけ14等の横架材間に柱12が
軸組みされている箇所にパネル構造材20を取り付ける
場合に、それらの横架材と柱12との間の隙間もそのパ
ネル構造材20のパッキング材30で塞がれることにな
って、さらなる高気密化が達成されることになる。
【0020】さらに上記課題を解決するために、請求項
5に係る発明の採った構成は、「前記パネル構造材のパ
ッキング材は、そのパネル構造材の断熱材または枠材の
側面に対して隙間なく沿うように設けられていることを
特徴とする、請求項1から請求項4までの何れかに記載
の高気密住宅用構造材」である。
【0021】かかる構成により、パッキング材30が断
熱材21bや枠材21aの側面に対して隙間なく沿うの
で、パネル構造材におけるパッキング材と断熱材との間
での結露の発生が防止される。
【0022】また、上記課題を解決するために、請求項
6に係る発明の採った構成は、「軸組構造材を組み合わ
せて構成した軸組構造体に対して壁パネル、野地パネ
ル、床パネル、あるいは必要に応じて使用される妻パネ
ル等のパネル構造材を取り付けて家屋を形成する住宅構
造に用いられる前記パネル構造材または前記軸組構造材
に対して、前記パネル構造材の、前記軸組構造材に向け
られる部分、または、前記軸組構造材の、前記パネル構
造材に向けられる部分に、前記パネル構造材を前記軸組
構造体に取り付けたときに前記パネル構造材と前記軸組
構造体との間の気密を保持する発泡性ウレタン系樹脂の
パッキング材を設けるに際し、前記発泡性ウレタン系樹
脂の原料と発泡ガスとを高圧にて混合せしめ、前記パネ
ル構造材または前記軸組構造材を吐出ガンに対して位置
決めし、前記吐出ガンを前記パネル構造材または前記軸
組構造材に対して相対的に移動させることにより、前記
パネル構造材または前記軸組構造材の予め設定した部位
に前記吐出ガンにて前記発泡性ウレタン系樹脂の原料と
発泡ガスとの混合物を塗布し、その混合物を硬化させて
前記パッキング材を形成することを特徴とする、高気密
住宅用構造材の製造方法」である。
【0023】そして請求項7に係る発明の採った構成
は、「前記吐出ガンを1軸または2軸の移動機構により
移動させるとともに、前記吐出ガンの吐出ノズルに対し
前記移動方向に所定間隔を空けてその吐出ガンに固設し
た第1の検出手段によりその第1の検出手段の近傍での
前記パネル構造材の枠材または断熱材の有無を検知し、
前記吐出ガンへの前記発泡性ウレタン系樹脂の原料と発
泡ガスとの混合物の供給路に介挿した弁を前記第1の検
出手段からの信号に基づいて開閉作動させることで、前
記吐出ガンにより前記混合物を前記面材に、前記枠材お
よび断熱材の長さの全体に亘って塗布することを特徴と
する、請求項6に記載の高気密住宅用構造材の製造方
法」であり、請求項8に係る発明の採った構成は、「前
記吐出ガンを1軸または2軸のリニアガイドに沿って移
動させるとともに、前記吐出ガンの吐出ノズルに対し前
記移動方向に所定間隔を空けてその吐出ガンに固設した
第2の検出手段によりその第2の検出手段の近傍での前
記パネル構造材の面材の有無を検知し、前記吐出ガンへ
の前記発泡性ウレタン系樹脂の原料と発泡ガスとの混合
物の供給路に介挿した弁を前記第2の検出手段からの信
号に基づいて開閉作動させることで、前記吐出ガンによ
り前記混合物を前記面材に、その面材の長さの全体に亘
って塗布することを特徴とする、請求項6または請求項
7に記載の高気密住宅用構造材の製造方法」である。
【0024】すなわち、これら請求項6乃至8に係る高
気密住宅用構造材の製造方法は、図11に示すように、
例えばペール缶40からポンプ41で供給する発泡性ウ
レタン系樹脂の原料と、例えばボンベ42から供給する
発泡ガスとしての例えばN2(窒素)ガスとを高圧にて
例えばミキサー43で混合せしめ、その一方でパネル構
造材20または軸組構造材10を例えば作業台44上の
所定位置に載置して吐出ガン45に対して位置決めし、
吐出ガン45をパネル構造材20または軸組構造材10
に対して相対的に移動させることにより、パネル構造材
20または軸組構造材10の予め設定した部位に吐出ガ
ン45にて発泡性ウレタン系樹脂の原料と発泡ガスとの
混合物を塗布し、その混合物を硬化させてパッキング材
30を形成するものである。
【0025】これにより、パネル構造材20や軸組構造
材10の予め設定した部位に自動的にパッキング材30
が設けられるので、高気密住宅用構造材を簡単に、かつ
迅速に製作することができる。
【0026】この場合に、図11に示すように、吐出ガ
ン45を例えば1軸の移動機構46により直線移動させ
るとともに、吐出ガン45の吐出ノズル45aに対し吐
出ガン45の移動方向に所定間隔を空けてその吐出ガン
45に第1の検出手段として例えば図示しない第1のレ
ーザー式距離センサーを固設しておき、その第1の距離
センサーでその近傍でのパネル構造材20の枠材21a
または断熱材21bの有無を検知し、吐出ガン45への
上記発泡性ウレタン系樹脂の原料と発泡ガスとの混合物
の供給路に介挿した弁47を上記第1の距離センサーか
らの信号に基づいて例えば図示しない通常のプログラマ
ブルシーケンサーで開閉作動させることで、吐出ガン4
5により上記混合物をパネル構造材20の面材21c
に、枠材21aおよび断熱材21bの長さの全体に亘っ
て塗布するようにしても良く、このようにすれば、図1
2中上下方向へ延在するパッキング材30のように、枠
材21aおよび断熱材21bの長さの全体に亘ってパッ
キング材30を容易に設けることができる。なお、上記
第1の距離センサーを固設する所定間隔は、距離センサ
ーが枠材21aまたは断熱材21bを検知して弁47が
開かれてから実際に吐出ノズル45aから混合物が吐出
され始めるまでのパネル構造材20の移動距離に対応さ
せておく。
【0027】また、吐出ガン45を例えば1軸の移動機
構46により直線移動させるとともに、吐出ガン45の
吐出ノズル45aに対し吐出ガン45の移動方向に所定
間隔を空けてその吐出ガン45に第2の検出手段として
例えば図示しない第2のレーザー式距離センサーを固設
しておき、その第2の距離センサーでその近傍でのパネ
ル構造材20の面材21cの有無を検知し、吐出ガン4
5への上記発泡性ウレタン系樹脂の原料と発泡ガスとの
混合物の供給路に介挿した弁47を上記第2の距離セン
サーからの信号に基づいて例えば図示しない通常のプロ
グラマブルシーケンサーで開閉作動させることで、吐出
ガン45により上記混合物をパネル構造材20の面材2
1cに、その面材21cの長さの全体に亘って塗布する
ようにしても良く、このようにすれば、図12中左右方
向へ延在するパッキング材30のように、面材21cの
長さの全体に亘ってパッキング材30を容易に設けるこ
とができる。なお、上記第1の距離センサーを固設する
所定間隔は、距離センサーが面材21cを検知して弁4
7が開かれてから実際に吐出ノズル45aから混合物が
吐出され始めるまでのパネル構造材20の移動距離に対
応させておく。
【0028】さらに上記課題を解決するために、請求項
9に係る発明の採った構成は、「家屋を構成する軸組構
造体に対して、壁パネル21、野地パネル22、床パネ
ル23、あるいは必要に応じて使用される妻パネル24
等のパネル構造材20を取り付けて、家屋を形成する建
築工法において、前記各パネル構造材20の軸組構造体
側部分、あるいは前記軸組構造体の各パネル構造材側部
分に、パッキング材30をあらかじめ取り付けておき、
前記各パネル構造材20を前記軸組構造体に取り付けた
とき、前記パネル構造材20と前記軸組構造体との間の
気密を前記パッキング材30によって保持するようにし
たことを特徴とする、家屋における高気密化建築工法」
である。
【0029】すなわち、この請求項9に係る高気密化建
築工法は、先に述べた請求項1〜5に係る高気密住宅用
構造材である軸組構造材10やパネル構造材20を使用
することで、それらの構造材の先に述べた作用効果と同
様の作用効果がもたらされるものである。
【0030】また上記課題を解決するために、請求項1
0に係る発明の採った構成は、「家屋の軸組構造体を構
成する土台11、桁、あるいは胴差13等の長尺構造材
10に床パネル23を取り付けて、家屋の床を形成する
建築工法において、長尺構造材10と床パネル23との
間にパッキング材30を介在させるとともに、必要に応
じて床パネル23同士の境界部分を、気密テープ31に
よって目張りするようにしたことを特徴とする、家屋に
おける高気密化建築工法」というものである。
【0031】すなわち、この請求項10に係る高気密化
建築工法は、家屋内と外部との境界となるものとしての
床パネル23に着目したものであり、家屋の高気密化
を、床パネル23を中心に解決したものである。
【0032】床パネル23は、図3に示すように、規格
化されたものを多数並べて、1軒の家屋の床を形成する
ものであるから、当然各床パネル23間にも隙間が形成
されることになる。このため、この請求項10の高気密
化建築工法では、図5または図6に示すように、軸組構
造体側に対する高気密化をパッキング材30によって図
ると同時に、必要に応じて、各床パネル23間の高気密
化を気密テープ31によって図るようにしたものなので
ある。
【0033】以上のように、この請求項10の高気密化
建築工法は、各床パネル23に着目して家屋の高気密化
を図るものであるから、上述したパッキング材30や気
密テープ31の配置方法については、種々な態様が考え
られるのであるが、その基本的な考え方は、各床パネル
23の周縁や端面等に、パッキング材30や気密テープ
31を配置することである。例えば、床パネル23の端
縁を支えるための根太がけ14が使用される場合には、
この根太がけ14と土台11との間に、図5または図7
の(ロ)に示すように、パッキング材30を介在させて
もよいし、図7の(イ)に示すように介在させなくても
よい。その代わり、この図7の(イ)の場合では、土台
11と根太がけ14との境界上面に、その目張りのため
のパッキング材30または気密テープ31を貼付または
配置する必要はある。
【0034】また、各床パネル23の境界部分は、これ
をパッキング材30または気密テープ31によって目張
りする必要がある。この目張りは、境界部分に対して行
うのであるから、図5及び図7の(イ),(ロ)に示し
たように、境界部分上に気密テープ31を貼付するのが
最も簡単で施工性もよいのであるが、図7の(ハ)に示
したように、各床パネル23の側面にパッキング材30
を配置・固定して、気密テープ31を使用しないように
実施してもよい。
【0035】さらに、上記課題を解決するために、請求
項11に係る発明の採った構成は、「柱12、土台1
1、桁、あるいは胴差13等の長尺構造材10を軸組し
て、家屋の軸組構造体を構成する建築工法において、軸
組される各長尺構造材10の仕口端面に、パッキング材
30を予め取り付けておき、当該長尺構造材10を他の
長尺構造材に軸組したとき、両者の間の気密をパッキン
グ材30によって保持するようにしたことを特徴とする
家屋における高気密化建築工法」である。
【0036】すなわち、この請求項11に係る高気密化
建築工法は、軸組構造体を構成する各長尺構造材10間
の高気密化を図るものであり、これにより、家屋全体の
高気密化を達成するようにしたものである。
【0037】そのために、この請求項11の高気密化建
築工法では、図10に示すように、各長尺構造材10の
他の長尺構造材10に突き合わせられる面、すなわち仕
口端面に、種々な形状のパッキング材30を配置したり
予め貼付したりしておき、これを介して、各長尺構造材
10の軸組みを行うようにしたものである。各長尺構造
材10間にパッキング材30が介在することになる結
果、各長尺構造材10間の気密性が維持されることにな
るのである。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各請
求項に係る発明について、図面に示した実施の形態に基
づいて説明するが、この実施形態は各請求項に係る発明
を実質的に含むものであるから、以下はこの実施形態を
中心にした説明を行うこととする。
【0039】図1には、長尺の軸組構造材10としての
土台11、柱12、及び桁または胴差13等を使用して
形成した軸組構造体の部分斜視図が示してあり、この軸
組構造体に対しては、必要に応じて使用される、壁パネ
ル21、野地パネル22、床パネル23及び妻パネル2
4等のパネル構造材20が取付けられて、図2に示すよ
うな家屋が形成されるのである。
【0040】なお、この実施形態の軸組構造体では、野
地パネル22を傾斜状態で取り付けなければならないか
ら、図1に示したように、所定の長尺構造材10上に母
屋スペーサ22aを固定しておき、この母屋スペーサ2
2a上に野地パネル22を傾斜状態で支持するようにし
ている。そして、軒桁・横木及びパネルの継ぎ目に当た
る母屋にとりつけられた母屋スペーサ22a上に、後述
するパッキング材30を固定するようにしている。
【0041】以上のような軸組構造体を構成する前の長
尺構造材10については、図10に示すような高気密化
建築工法が採用されるが、この高気密化建築工法は請求
項11に係るものである。図10に示したものは、長尺
構造材10を代表とするものとしての柱12であるが、
このような柱12は、例えば土台11に形成したホゾ穴
内に嵌合されるホゾ12aを有していることが一般であ
り、このホゾ12aの周囲に配置されることになる板状
のパッキング材30を、図10の(イ)に示すように、
当該柱12の仕口端面に予め貼付または形成しておくの
である。
【0042】このような板状のパッキング材30を仕口
端面に取付けた柱12を土台11及び梁13に立設すれ
ば、このパッキング材30によって当該柱12と土台1
1及び梁13との間の隙間は存在しないことになり、こ
の部分に関する高気密化は達成されるのである。このパ
ッキング材30は、図10の(イ)に示したように板状
のものとして構成して実施してもよいが、図10の
(ロ)に示したように構成して実施してもよい。すなわ
ち、図10の(ロ)に示したパッキング材30は、柱1
2の仕口端面周囲に発泡材収納溝を形成しておき、この
溝内に発泡性コーキング剤等を充填してこれをパッキン
グ材30としたものである。
【0043】以上のことから、このパッキング材30に
は、残留歪みが小さくて潰れに対して復元性があり、耐
久性にも優れていることが好ましく、特に板状体とした
ときには、裏面に接着剤が塗布できる性状のものがよ
い。従って、このパッキング材30の材料としては、天
然ゴムやネオプレンンゴム等のゴム材料、あるいはポリ
ウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ール等の合成樹脂材料を採用するのが適している。そし
て、これらの材料の潰れに対する復元性を高めるため
に、発泡性のものとすることがより好ましいものであ
る。すなわち、パッキング材30には、発泡性ウレタン
樹脂が特に適しており、後述する吐出ガンを用いて自動
的にパッキング材30を形成する場合には、特に湿気硬
化性ポリウレタン組成物が好ましい。
【0044】このパッキング材30の大きさ・形状につ
いては、特に図10の(イ)に示したような板状のもの
とする場合には、厚さは2mm〜5mm程度で、家屋の
内外に対する方向についての幅が30mm〜60mm程
度であることが好ましい。上記の範囲を上下に越える
と、施工性が低下するだけでなく、実質的な家屋の高気
密化に対処しきれなくなるからである。図10の(ロ)
に示すようなパッキング材30とするには、前述したよ
うに、柱12等の端部に形成した溝内にプレカット工場
にて発泡気密材を直接塗布すればよい。この処理は柱と
土台・梁の他に梁桁の接合仕口についても同様に行うこ
とができる。そしてパッキング材30の硬さは、樹脂原
料と発泡ガスとの混合物を硬化させた直後の圧縮応力が
2kg/cm2以下となるものが、施行性上好ましい。な
お、この圧縮応力は、厚さ3mmの板状パッキング材3
0を厚さ1mmまで潰す時の押圧力に基づくものであ
る。
【0045】さて、以上のような高気密化がなされた各
長尺構造材10によって構成された軸組構造体に対し、
壁パネル21等のパネル構造材20を取り付けるのであ
る。例えば、壁パネル21については、図1に示したよ
うに、柱12や桁または胴差13等によって形成される
開口部内に挿入される枠部21aと、この枠部21a内
に充填または収納されている断熱材21bとを有してい
るものであり、これらを外側面材21cによって支持し
てある。この外側面材21cは、構造用合板等からな
り、枠部21aから外周に突出するものであるから、図
1に示すように、この外側面材21cの内面にパッキン
グ材30を貼付や後述する塗布等の手段によって設けて
ある。
【0046】そして、パネル構造材20である床パネル
23については、図3〜図7に示したような高気密化建
築工法が採用してあるのであり、これが請求項10に係
る高気密化建築工法である。
【0047】図3は、多数の床パネル23を土台11間
に配置した平面図が示してあり、各床パネル23は、図
5〜図7に示したように、土台11の内面に固定される
根太がけ14や火打16上に載置・固定されるものであ
る。従って、各床パネル23は、図4に示したように、
各土台11や根太がけ14が形成する上面上に位置する
ことになるものである。
【0048】図5に示した実施形態では、土台11の内
側面にパッキング材30を介して根太がけ14を取り付
けるとともに、この根太がけ14上にもパッキング材3
0を取付けたものであり、この根太がけ14と大引15
との上面に床パネル23を配置・固定したものである。
そして、各床パネル23の境界部分は気密テープ31に
よって目張りしたものである。図6に示した実施形態で
は、土台11上にパッキング材30を貼付して、このパ
ッキング材30と大引15上に床パネル23を配置・固
定し、各床パネル23間を気密テープ31によって目張
りしてある。
【0049】ここで使用している気密テープ31は、前
述のパッキング材30とは異って、各床パネル23間を
目張りするものであるから、パッキング材30程の厚さ
は必要ないものであり、合成樹脂シート等によって形成
した気密性を確保できる文字通りテープ状のものであれ
ばよい。勿論、この気密テープ31を粘着テープとする
ことにより、その目張りの施工性を高めることができる
ものである。
【0050】また、図7には、この請求項11の高気密
化建築工法のさらに別の実施形態が示してあるが、図7
の(イ)においては、土台11の内面に根太がけ14を
直接取付けて、これら土台11と根太がけ14との境界
部上面にパッキング材30を配置するか、または気密テ
ープ31による目張りを行ったものである。そして、各
床パネル23の境界部分については、その下側に位置す
る大引15上にパッキング材30を配置したものであ
る。
【0051】これに対して、図7の(ロ)及び(ハ)の
実施形態では、図5に示した根太がけ14と土台11間
の目張りを省略して施工したものである。この場合、パ
ッキング材30をあらかじめ工場等で根太がけ14にと
りつけておくことにより、施工性を向上させることがで
きる。
【0052】さて、以上のような請求項10に係る高気
密化建築工法について、その実際上の効果を測定してみ
たところ、次のようになった。この実験は、図8に示し
たような概略構成を有する実験棟を形成して行ったので
あるが、この実験棟は、図9の左欄に示すような床平面
を有したものである。そして、この実験棟の基本仕様は
次の通りであり、壁・天井を気密シートで完全に覆っ
て、床においてのみの高気密化効果を測定した。 延べ床面積 7.45m2 (2.25坪) (2730mm × 2730mm) 階 高 2400mm 材 料 土 台:米松一等(105×105) 梁 :米松一等(105×105) 小屋組:米松一等(105×105) 柱 :EW (105×105)
【0053】図9の右欄は、実験したときの各土台11
の近傍の断面を概略的に示したものであり、(イ)は本
発明の高気密化建築工法を適用しない通常施工を行った
場合を示し、(ロ)は図7の(ロ)に示したような施工
を行った場合を、また(ハ)は図5に示したような施工
を行った場合をそれぞれ示している。
【0054】以上の図8、及び図9の(イ)〜(ハ)に
示した形態の実験棟について、図8に示したように送風
機を設置して、この送風機による室内の減圧状態から、
各形態における総隙間相当面積を求めてみたところ、次
の通りとなった。 図9の(イ) 161.5cm2 図9の(ロ) 39.8cm2 図9の(ハ) 6.5cm2 なお、図8及び図9の実験棟について、床面上にも気密
シートを貼って完全に密室にしたときの総隙間相当面積
は6.5cm2 であった。
【0055】以上の結果から、請求項10に係る高気密
化建築工法を採用した場合には、適用しなかった場合に
比較して、約4.65倍(すなわち(161.5−6.
5)÷(39.8−6.5)=4.65)の高気密化が
達成されたことが分かる。
【0056】最後に、パッキング材30を吐出ガンによ
る塗布によって構造材に設ける、請求項7〜9に係る方
法を説明すると、この方法では、例えば図11に示す塗
布装置を用いる。この塗布装置は、先に説明したよう
に、ペール缶40からポンプ41で供給する発泡性ウレ
タン系樹脂の原料と、ボンベ42から供給する発泡ガス
としてのN2 (窒素)ガスとを高圧にて例えばミキサー
43で混合せしめ、その一方でパネル構造材20を例え
ば作業台44上の所定位置に載置して吐出ガン45に対
して位置決めし、吐出ガン45をパネル構造材20に対
して移動させることにより、パネル構造材20の予め設
定した部位に吐出ガン45にて発泡性ウレタン系樹脂の
原料と発泡ガスとの混合物を塗布し、その混合物を硬化
させてパッキング材30を形成するものである。なお、
図中符号48は、上記混合物を高圧にするためのガス導
入シリンダを示し、また符号49は、上記混合物を一定
流量で吐出ガン45に供給するための定流量シリンダを
示している。
【0057】そしてこの塗布装置においては、吐出ガン
45を1軸の移動機構46により直線移動させるととも
に、吐出ガン45の吐出ノズル45aに対し吐出ガン4
5の移動方向に所定間隔を空けてその吐出ガン45に図
示しない第1のレーザー式距離センサーを固設してお
き、その第1の距離センサーでその近傍でのパネル構造
材20の枠材21aまたは断熱材21bの有無を検知
し、吐出ガン45への上記発泡性ウレタン系樹脂の原料
と発泡ガスとの混合物の供給路に介挿した弁47を上記
第1の距離センサーからの信号に基づいて図示しない通
常のプログラマブルシーケンサーで開閉作動させること
で、吐出ガン45により上記混合物をパネル構造材20
の面材21cに、枠材21aおよび断熱材21bの長さ
の全体に亘って塗布する。従って、図12中上下方向へ
延在するパッキング材30のように、枠材21aおよび
断熱材21bの長さの全体に亘ってパッキング材30を
容易に設けることができる。なお、上記第1の距離セン
サーを固設する所定間隔は、距離センサーが枠材21a
または断熱材21bを検知して弁47が開かれてから実
際に吐出ノズル45aから混合物が吐出され始めるまで
のパネル構造材20の移動距離に対応させておく。
【0058】さらにこの塗布装置においては、吐出ガン
45の吐出ノズル45aに対し吐出ガン45の移動方向
に所定間隔を空けてその吐出ガン45に図示しない第2
のレーザー式距離センサーを固設しておき、その第2の
距離センサーでその近傍でのパネル構造材20の面材2
1cの有無を検知し、上記弁47を上記第2の距離セン
サーからの信号に基づいて上記プログラマブルシーケン
サーで開閉作動させることで、吐出ガン45により上記
混合物をパネル構造材20の面材21cに、その面材2
1cの長さの全体に亘って塗布する。従って、図12中
左右方向へ延在するパッキング材30のように、面材2
1cの長さの全体に亘ってパッキング材30を容易に設
けることもできる。なお、上記第2の距離センサーを固
設する所定間隔は、距離センサーが面材21cを検知し
て弁47が開かれてから実際に吐出ノズル45aから混
合物が吐出され始めるまでのパネル構造材20の移動距
離に対応させておく。そして、第1の距離センサーと第
2の距離センサーとは、予め上記プログラマブルシーケ
ンサーに記憶させてある上記混合物の塗布順序(例えば
図12において枠材21aまたは断熱材21bに対し左
側、上側、右側、下側の順にする)に従って使い分け
る。
【0059】これにより、パネル構造材20の予め設定
した部位に自動的にパッキング材30が設けられるの
で、高気密住宅用構造材を簡単に、かつ迅速に製作する
ことができる。
【0060】そして、図12に示すように、パッキング
材30が断熱材21bや枠材21aの側面に対して隙間
なく沿っていれば、パネル構造材におけるパッキング材
と断熱材との間での結露の発生が防止され、また、図1
2中左右方向へ延在するパッキング材30のように、枠
材21aの側面にパッキング材30について面材21c
の長さの全体に亘ってそのパッキング材30を設けれ
ば、図1に示すように桁または胴差13や根太がけ14
等の横架材間に柱12が軸組みされている箇所にパネル
構造材20を取り付ける場合に、それらの横架材と柱1
2との間の隙間もそのパネル構造材20のパッキング材
30で塞がれることになって、さらなる高気密化が達成
されることになる。
【0061】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲
に記載の発明の範囲内で種々に変更し得るものであるこ
とはいうまでもない。例えば塗布装置における移動機構
は吐出ガンを2次元的に移動させ得る2軸のものでも良
く、また吐出ガンを固定してパネル構造材や軸組構造材
の方を移動させるものでも良い。そして第1,第2の検
出手段はマイクロスイッチ等、距離センサー以外のもの
でも良い。
【0062】
【発明の効果】以上、詳述した通り、請求項1乃至4の
発明によれば、家屋を構成する軸組構造体に対して、壁
パネル21、野地パネル22、床パネル23、あるいは
必要に応じて使用される妻パネル24等のパネル構造材
を取り付けて、家屋を形成する建築工法において、各パ
ネル構造材20の軸組構造体側部分、あるいは軸組構造
体の各パネル構造材20側部分に、パッキング材30を
予め取り付けておき、各パネル構造材20を軸組構造体
側に取り付けたとき、両者の間の気密を前記パッキング
材30によって保持するようにしたことにその構成上の
特徴があり、これにより、パネル構造材を軸組構造体に
取り付けるにあたって両者間の気密性を簡単に確保する
ことができて、結果として家屋・建物全体の高気密化を
達成することのできる高気密住宅用部材を提供すること
ができるのである。
【0063】さらに、請求項5の発明によれば、前記パ
ネル構造材におけるパッキングと断熱材部間での結露の
発生を防止する高気密住宅用部材を提供することができ
るのである。
【0064】さらに、請求項6乃至8の発明によれば、
パネル構造材を軸組構造体に取り付けるにあたって両者
間の気密性を簡単に確保することができて、結果として
家屋・建物全体の高気密化を達成することのできる高気
密住宅用構造材を簡単にかつ迅速に製作することができ
る製造方法を提供することができるのである。
【0065】そして、請求項9の発明によれば、家屋を
構成する軸組構造体に対して、壁パネル21、野地パネ
ル22、床パネル23、あるいは必要に応じて使用され
る妻パネル24等のパネル構造材20を取り付けて、家
屋を形成する建築工法において、前記各パネル構造材2
0の軸組構造体側部分、あるいは前記軸組構造体の各パ
ネル構造材側部分に、パッキング材30をあらかじめ取
り付けておき、前記各パネル構造材20を前記軸組構造
体に取り付けたとき、前記パネル構造材20と前記軸組
構造体との間の気密を前記パッキング材30によって保
持するようにしたことにその構成上の特徴があり、これ
により各パネル構造材を軸組構造体に取り付けるにあた
って、各パネル構造材と軸組構造体との間の気密性を高
めることができて、結果として家屋・建物全体の高気密
化を達成することのできる高気密化建築工法を提供する
ことができるのである。
【0066】また請求項10の発明によれば、家屋の軸
組構造体を構成する土台11、桁、あるいは胴差13等
の長尺構造材10に床パネル23を取り付けて、家屋の
床を形成する建築工法において、長尺構造材10と床パ
ネル23との間にパッキング材30を介在させるととも
に、必要に応じて各床パネル22の境界部分を、気密テ
ープ31によって目張りするようにしたことにその構成
上の特徴があり、これにより床パネルを軸組構造体に取
り付けるにあたって、これらの床パネル間、及び床パネ
ルと軸組構造体との間の気密性を高めることができて、
結果として家屋・建物全体の高気密化を達成することの
できる高気密化建築工法を提供することができるのであ
る。
【0067】さらに、請求項11の高気密化建築工法に
よれば、柱12、土台11、桁、あるいは胴差13等の
長尺構造材10を軸組して、家屋の軸組構造体を構成す
る建築工法において、軸組される各長尺構造材10の仕
口端面に、パッキング材30を予め取り付けておき、当
該長尺構造材10を他の長尺構造材に軸組したとき、両
者の間の気密をパッキング材30によって保持するよう
にしたことにその特徴があり、これにより、柱等の長尺
構造材を軸組みするに際して、これらの長尺構造材間に
できがちな隙間を完全に埋めるようにして気密性を高め
ることができ、結果として家屋・建物全体の高気密化を
達成することのできる高気密化建築工法を提供すること
ができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高気密化建築工法を適用しようと
している軸組構造体の部分斜視図である。
【図2】図1の軸組構造体に各パネル構造材を固定した
状態を示す断面図である
【図3】図2に示した家屋の床面形状を示す平面図であ
る。
【図4】図3に示した床面を有する軸組構造体の正面図
である。
【図5】図3中の1−1線に沿って見た部分拡大断面図
である。
【図6】図3中の1−1線に沿って見た他の実施形態の
部分拡大断面図である。
【図7】図3中の1−1線に沿って見たさらに他の実施
形態の部分拡大断面図であって、(イ)は土台と根太と
の間にパッキング材を介在させない場合を示し、(ロ)
及び(ハ)は介在させた場合をそれぞれ示すものであ
る。
【図8】請求項10に係る高気密化建築工法を適用した
場合の効果を確かめるための実験棟の断面図である。
【図9】図8の実験棟の床形状と施工状況を示す平面図
及び部分拡大断面図である。
【図10】請求項11に係る発明を適用したときの例を
示すもので、(イ)は板状のパッキング材を使用した柱
の斜視図、(ロ)は発泡性樹脂によって構成したパッキ
ング材を有した柱の斜視図である。
【図11】請求項6〜8に係る発明を適用した塗布装置
の構成を示す説明図である。
【図12】図11に示す塗布装置でパッキング材を設け
たパネル構造材をその枠材および断熱材が見えるように
裏側から見た場合の平面図である。
【符号の説明】
10 軸組構造材 11 土台 12 柱 13 桁または胴差 14 根太がけ 15 大引 16 火打 20 パネル構造材 21 壁パネル 22 野地パネル 23 床パネル 24 妻パネル 30 パッキング材 31 気密テープ 45 吐出ガン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 芳和 岐阜県大垣市青柳町300番地 イビデン株 式会社青柳工場内 (72)発明者 浅野 康博 岐阜県大垣市青柳町300番地 イビデン株 式会社青柳工場内 (72)発明者 奥田 伸二 大阪府高槻市明田町7番1号 サンスター 技研株式会社内 (72)発明者 高田 正春 大阪府高槻市明田町7番1号 サンスター 技研株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸組構造材を組み合わせて構成した軸組
    構造体に対して壁パネル、野地パネル、床パネル、ある
    いは必要に応じて使用される妻パネル等のパネル構造材
    を取り付けて家屋を形成する住宅構造に用いられる前記
    パネル構造材または前記軸組構造材において、 前記パネル構造材の、前記軸組構造材に向けられる部
    分、または、前記軸組構造材の、前記パネル構造材に向
    けられる部分に、前記パネル構造材を前記軸組構造体に
    取り付けたときに前記パネル構造材と前記軸組構造体と
    の間の気密を保持するパッキング材があらかじめ設けら
    れていることを特徴とする、高気密住宅用構造材。
  2. 【請求項2】 前記パッキング材は、発泡性ウレタン系
    樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の高気
    密住宅用構造材。
  3. 【請求項3】 前記パッキング材の発泡性ウレタン系樹
    脂は、湿気硬化性ポリウレタン組成物であってその硬化
    直後の圧縮応力が2kg/cm2 以下のものであることを特
    徴とする、請求項1又は請求項2に記載の高気密住宅用
    構造材。
  4. 【請求項4】 前記パネル構造材のパッキング材は、そ
    のパネル構造材の枠材の側面に沿って設けられる箇所で
    はそのパネル構造材の面材の長さの全体に亘って設けら
    れていることを特徴とする、請求項1から請求項3まで
    の何れかに記載の高気密住宅用構造材。
  5. 【請求項5】 前記パネル構造材のパッキング材は、そ
    のパネル構造材の断熱材または枠材の側面に対して隙間
    なく沿うように設けられていることを特徴とする、請求
    項1から請求項4までの何れかに記載の高気密住宅用構
    造材。
  6. 【請求項6】 軸組構造材を組み合わせて構成した軸組
    構造体に対して壁パネル、野地パネル、床パネル、ある
    いは必要に応じて使用される妻パネル等のパネル構造材
    を取り付けて家屋を形成する住宅構造に用いられる前記
    パネル構造材または前記軸組構造材に対して、 前記パネル構造材の、前記軸組構造材に向けられる部
    分、または、前記軸組構造材の、前記パネル構造材に向
    けられる部分に、前記パネル構造材を前記軸組構造体に
    取り付けたときに前記パネル構造材と前記軸組構造体と
    の間の気密を保持する発泡性ウレタン系樹脂のパッキン
    グ材を設けるに際し、 前記発泡性ウレタン系樹脂の原料と発泡ガスとを高圧に
    て混合せしめ、前記パネル構造材または前記軸組構造材
    を吐出ガンに対して位置決めし、前記吐出ガンを前記パ
    ネル構造材または前記軸組構造材に対して相対的に移動
    させることにより、前記パネル構造材または前記軸組構
    造材の予め設定した部位に前記吐出ガンにて前記発泡性
    ウレタン系樹脂の原料と発泡ガスとの混合物を塗布し、
    その混合物を硬化させて前記パッキング材を形成するこ
    とを特徴とする、高気密住宅用構造材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記吐出ガンを1軸または2軸の移動機
    構により移動させるとともに、前記吐出ガンの吐出ノズ
    ルに対し前記移動方向に所定間隔を空けてその吐出ガン
    に固設した第1の検出手段によりその第1の検出手段の
    近傍での前記パネル構造材の枠材または断熱材の有無を
    検知し、前記吐出ガンへの前記発泡性ウレタン系樹脂の
    原料と発泡ガスとの混合物の供給路に介挿した弁を前記
    第1の検出手段からの信号に基づいて開閉作動させるこ
    とで、前記吐出ガンにより前記混合物を前記面材に、前
    記枠材および断熱材の長さの全体に亘って塗布すること
    を特徴とする、請求項6に記載の高気密住宅用構造材の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記吐出ガンを1軸または2軸のリニア
    ガイドに沿って移動させるとともに、前記吐出ガンの吐
    出ノズルに対し前記移動方向に所定間隔を空けてその吐
    出ガンに固設した第2の検出手段によりその第2の検出
    手段の近傍での前記パネル構造材の面材の有無を検知
    し、前記吐出ガンへの前記発泡性ウレタン系樹脂の原料
    と発泡ガスとの混合物の供給路に介挿した弁を前記第2
    の検出手段からの信号に基づいて開閉作動させること
    で、前記吐出ガンにより前記混合物を前記面材に、その
    面材の長さの全体に亘って塗布することを特徴とする、
    請求項6または請求項7に記載の高気密住宅用構造材の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 家屋を構成する軸組構造体に対して、壁
    パネル、野地パネル、床パネル、あるいは必要に応じて
    使用される妻パネル等のパネル構造材を取り付けて、家
    屋を形成する建築工法において、 前記各パネル構造材の軸組構造体側部分、あるいは前記
    軸組構造材の各パネル構造材側部分に、パッキング材を
    あらかじめ取り付けておき、 前記各パネル構造材を前記軸組構造体に取り付けたと
    き、前記パネル構造材と前記軸組構造体との間の気密を
    前記パッキング材によって保持するようにしたことを特
    徴とする、家屋における高気密化建築工法。
  10. 【請求項10】 家屋の軸組構造体を構成する土台、
    桁、あるいは胴差等の長尺構造材に床パネルを取り付け
    て、家屋の床を形成する建築工法において、 前記長尺構造材と前記床パネルとの間にパッキング材を
    介在させるとともに、必要に応じて前記床パネル同士の
    境界部分を、気密テープによって目張りするようにした
    ことを特徴とする、家屋における高気密化建築工法。
  11. 【請求項11】 柱、土台、桁、あるいは胴差等の長尺
    構造材を軸組して、家屋の軸組構造体を構成する建築工
    法において、 軸組される前記長尺構造材の仕口端面にパッキング材を
    あらかじめ取り付けておき、前記長尺構造材同士を軸組
    したとき、それらの長尺構造材の間の気密を前記パッキ
    ング材によって保持するようにしたことを特徴とする、
    家屋における高気密化建築工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110725422A (zh) * 2019-10-24 2020-01-24 深圳中技绿建科技有限公司 预制混凝土防水构造

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