JPH11217610A - 硬化肉盛羽口 - Google Patents
硬化肉盛羽口Info
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- JPH11217610A JPH11217610A JP3220698A JP3220698A JPH11217610A JP H11217610 A JPH11217610 A JP H11217610A JP 3220698 A JP3220698 A JP 3220698A JP 3220698 A JP3220698 A JP 3220698A JP H11217610 A JPH11217610 A JP H11217610A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温下における耐摩耗性材料を羽口の先部に
溶着させて、より寿命の長い硬化肉盛羽口を提供する。 【解決手段】 高炉用又はキュポラ用の羽口本体11の
先部表面に、金属マトリックスに炭化系粉体セラミック
ス又はホウ化系粉体セラミックスの単体、あるいは炭化
系粉体セラミックス及び/又はホウ化系粉体セラミック
スからなる複合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材13
を溶着させる。
溶着させて、より寿命の長い硬化肉盛羽口を提供する。 【解決手段】 高炉用又はキュポラ用の羽口本体11の
先部表面に、金属マトリックスに炭化系粉体セラミック
ス又はホウ化系粉体セラミックスの単体、あるいは炭化
系粉体セラミックス及び/又はホウ化系粉体セラミック
スからなる複合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材13
を溶着させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉又はキュポラ
に送風用として使用される送風羽口に係り、特に、羽口
先部の耐摩耗性を向上した硬化肉盛羽口に関する。
に送風用として使用される送風羽口に係り、特に、羽口
先部の耐摩耗性を向上した硬化肉盛羽口に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉又はキュポラの送風用として使用さ
れる送風羽口の先部の摩耗対策として従来、Niベース
合金やCoベース合金を銅母材に直接溶着させて使用し
ている。これらのNiベース合金やCoベース合金は、
銅母材に対してTIG溶接又はMIG溶接で直接肉盛を
することによって行われている。そして、このように、
Niベース又はCoベースの材料を肉盛りすることによ
って、銅母材による羽口に比較して格段の効果があるこ
とが知られている。
れる送風羽口の先部の摩耗対策として従来、Niベース
合金やCoベース合金を銅母材に直接溶着させて使用し
ている。これらのNiベース合金やCoベース合金は、
銅母材に対してTIG溶接又はMIG溶接で直接肉盛を
することによって行われている。そして、このように、
Niベース又はCoベースの材料を肉盛りすることによ
って、銅母材による羽口に比較して格段の効果があるこ
とが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の材質においては、高温領域における硬度及びその融点
において限界がある。例えば、Niベース合金を溶着し
た硬化肉盛羽口においては、Niベースが常温ではHv
180の硬度を有しているが、600℃になるとHv1
30程度となって硬度が低下する。また、その融点にお
いてもNiベース合金は1300℃程度である。従っ
て、従来例の硬化肉盛羽口においても、高温度でのアブ
レッシュ摩耗に対し限界があるという問題があった。本
発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、更に高温下
における耐摩耗性材料を羽口の先部に溶着させて、より
寿命の長い硬化肉盛羽口を提供することを目的とする。
の材質においては、高温領域における硬度及びその融点
において限界がある。例えば、Niベース合金を溶着し
た硬化肉盛羽口においては、Niベースが常温ではHv
180の硬度を有しているが、600℃になるとHv1
30程度となって硬度が低下する。また、その融点にお
いてもNiベース合金は1300℃程度である。従っ
て、従来例の硬化肉盛羽口においても、高温度でのアブ
レッシュ摩耗に対し限界があるという問題があった。本
発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、更に高温下
における耐摩耗性材料を羽口の先部に溶着させて、より
寿命の長い硬化肉盛羽口を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の硬化肉盛羽口は、高炉用又はキュポラ用の羽口本
体の先部表面に、金属マトリックスに炭化系粉体セラミ
ックス又はホウ化系粉体セラミックスの単体、あるいは
炭化系粉体セラミックス及び/又はホウ化系粉体セラミ
ックスからなる複合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材
を溶着させている。また、請求項2記載の硬化肉盛羽口
は、請求項1記載の硬化肉盛羽口において、前記羽口本
体の母材の材質が銅であって、前記硬化肉盛材と前記母
材との間に、前記母材及び前記硬化肉盛材の双方に接合
性の良い2〜5mmの中間層を設けている。請求項3記
載の硬化肉盛羽口は、請求項1又は2記載の硬化肉盛羽
口において、前記金属マトリックスは、ステライト系又
はトリバロイ系又はNi系の金属が使用されている。
記載の硬化肉盛羽口は、高炉用又はキュポラ用の羽口本
体の先部表面に、金属マトリックスに炭化系粉体セラミ
ックス又はホウ化系粉体セラミックスの単体、あるいは
炭化系粉体セラミックス及び/又はホウ化系粉体セラミ
ックスからなる複合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材
を溶着させている。また、請求項2記載の硬化肉盛羽口
は、請求項1記載の硬化肉盛羽口において、前記羽口本
体の母材の材質が銅であって、前記硬化肉盛材と前記母
材との間に、前記母材及び前記硬化肉盛材の双方に接合
性の良い2〜5mmの中間層を設けている。請求項3記
載の硬化肉盛羽口は、請求項1又は2記載の硬化肉盛羽
口において、前記金属マトリックスは、ステライト系又
はトリバロイ系又はNi系の金属が使用されている。
【0005】請求項4記載の硬化肉盛羽口は、請求項1
〜3のいずれか1項に記載の硬化肉盛羽口において、前
記複合添加物が以下に示す(1)〜(4)の何れか1を
主体としている。 (1)前記硬化肉盛材に対して、TiCを30〜70重
量%、Cr3 C2 を5〜20重量%の範囲で、しかも、
TiCとCr3 C2 の合計が前記硬化肉盛材の全体の重
量の75重量%を超えない範囲で含有する。 (2)前記硬化肉盛材に対して、TiCを30〜70重
量%、MoBを3〜20重量%の範囲で、しかも、Ti
CとMoBの合計が前記硬化肉盛材の全体の重量の75
重量%を超えない範囲で含有する。 (3)前記硬化肉盛材に対して、WCを5〜20重量
%、MoBを3〜20重量%の範囲で含有する。 (4)前記硬化肉盛材に対して、NbCを30〜70重
量%、Cr3 C2 を5〜20重量%の範囲で、しかも、
NbCとCr3 C2 の合計が前記硬化肉盛材の全体の重
量の75重量%を超えない範囲で含有する。 そして、請求項5記載の硬化肉盛羽口は、請求項1〜4
のいずれか1項に記載の硬化肉盛羽口において、前記複
合添加物を構成するTiC、WC又はNbCに、更にこ
れらに対して3〜15重量%の範囲で、TaC、Zr
C、CrB2 又はZrB2 の何れか1又は2以上を添加
している。なお、以上の硬化肉盛材において、炭化系粉
体セラミックス又はホウ化系粉体セラミックスの配合割
合が多くなると、耐摩耗性は向上するが溶着性が悪くな
り、溶着した硬化肉盛材の剥離が生じる。また、炭化系
粉体セラミックス又はホウ化系粉体セラミックスの配合
割合が少なくなると、金属に近くなって耐摩耗性及び耐
熱性が劣化する。
〜3のいずれか1項に記載の硬化肉盛羽口において、前
記複合添加物が以下に示す(1)〜(4)の何れか1を
主体としている。 (1)前記硬化肉盛材に対して、TiCを30〜70重
量%、Cr3 C2 を5〜20重量%の範囲で、しかも、
TiCとCr3 C2 の合計が前記硬化肉盛材の全体の重
量の75重量%を超えない範囲で含有する。 (2)前記硬化肉盛材に対して、TiCを30〜70重
量%、MoBを3〜20重量%の範囲で、しかも、Ti
CとMoBの合計が前記硬化肉盛材の全体の重量の75
重量%を超えない範囲で含有する。 (3)前記硬化肉盛材に対して、WCを5〜20重量
%、MoBを3〜20重量%の範囲で含有する。 (4)前記硬化肉盛材に対して、NbCを30〜70重
量%、Cr3 C2 を5〜20重量%の範囲で、しかも、
NbCとCr3 C2 の合計が前記硬化肉盛材の全体の重
量の75重量%を超えない範囲で含有する。 そして、請求項5記載の硬化肉盛羽口は、請求項1〜4
のいずれか1項に記載の硬化肉盛羽口において、前記複
合添加物を構成するTiC、WC又はNbCに、更にこ
れらに対して3〜15重量%の範囲で、TaC、Zr
C、CrB2 又はZrB2 の何れか1又は2以上を添加
している。なお、以上の硬化肉盛材において、炭化系粉
体セラミックス又はホウ化系粉体セラミックスの配合割
合が多くなると、耐摩耗性は向上するが溶着性が悪くな
り、溶着した硬化肉盛材の剥離が生じる。また、炭化系
粉体セラミックス又はホウ化系粉体セラミックスの配合
割合が少なくなると、金属に近くなって耐摩耗性及び耐
熱性が劣化する。
【0006】なお、本発明において、高硬度、高融点の
炭化系粉体セラミックス又はホウ化系粉体セラミックス
からなる硬化肉盛材の溶着には、プラズマ粉体溶接機で
肉盛溶接を行うのがより好ましい。ここで、銅母材にN
iベース合金又はCoベース合金の中間層を設けて、そ
の上に、硬化肉盛材をプラズマ粉体溶接機を用いて肉盛
溶接するのが、更に好ましい。本発明によって施工した
肉盛層の高温硬度は600℃でHv 600〜800の数
値を得ることができた。また、ラバーホイル摩耗試験に
おいても、母材に対して従来のNiベース合金を硬化肉
盛した場合には、155×10-3cc/gであったのに
対し、本発明に係る硬化肉盛羽口の場合には、14×1
0-3cc/g〜30×10-3cc/gとなって、極めて
摩耗量を減少させることが可能となった。
炭化系粉体セラミックス又はホウ化系粉体セラミックス
からなる硬化肉盛材の溶着には、プラズマ粉体溶接機で
肉盛溶接を行うのがより好ましい。ここで、銅母材にN
iベース合金又はCoベース合金の中間層を設けて、そ
の上に、硬化肉盛材をプラズマ粉体溶接機を用いて肉盛
溶接するのが、更に好ましい。本発明によって施工した
肉盛層の高温硬度は600℃でHv 600〜800の数
値を得ることができた。また、ラバーホイル摩耗試験に
おいても、母材に対して従来のNiベース合金を硬化肉
盛した場合には、155×10-3cc/gであったのに
対し、本発明に係る硬化肉盛羽口の場合には、14×1
0-3cc/g〜30×10-3cc/gとなって、極めて
摩耗量を減少させることが可能となった。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る硬化肉盛羽口の断面図、図2は羽口本体の母材
に中間層を溶着した状態の羽口の部分断面図、図3は更
にその上に硬化肉盛材を溶着した状態の羽口の部分断面
図である。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る硬化肉盛羽口の断面図、図2は羽口本体の母材
に中間層を溶着した状態の羽口の部分断面図、図3は更
にその上に硬化肉盛材を溶着した状態の羽口の部分断面
図である。
【0008】図1〜図3に示すように、本発明の一実施
の形態に係る硬化肉盛羽口10は、羽口本体11の先部
表面に中間層12が溶着され、更にその上に硬化肉盛材
13が溶着されている。以下、これらについて詳しく説
明する。
の形態に係る硬化肉盛羽口10は、羽口本体11の先部
表面に中間層12が溶着され、更にその上に硬化肉盛材
13が溶着されている。以下、これらについて詳しく説
明する。
【0009】前記羽口本体11は通常の高炉(又はキュ
ポラ炉であってもよい)に使用されている羽口であっ
て、母材14は銅によって構成され、内部には水冷通路
15が設けられている。
ポラ炉であってもよい)に使用されている羽口であっ
て、母材14は銅によって構成され、内部には水冷通路
15が設けられている。
【0010】この羽口本体11の先部から内側先部にか
けてまず、中間層12を溶着する。この中間層12は、
前述のように、母材14及びこの中間層12の上に肉盛
りを行う硬化肉盛材13の双方に接合性が良い材料から
なっている。なお、その熱膨張係数も、母材14と硬化
肉盛材13の中間位置にあるのを使用するのがより好ま
しい。この材料としては、硬化肉盛材13の金属マトリ
ックスの材質によって多少異なるが、純金属を含むNi
系、Cr系又はNi−Cr系の金属が使用される。この
中間層12の溶着は、通常のTIG又はMIG溶接機を
用いて行う。中間層12の厚みは2〜5mm程度とす
る。これは薄すぎると施工が困難となり、厚すぎると材
料が無駄になるからである。
けてまず、中間層12を溶着する。この中間層12は、
前述のように、母材14及びこの中間層12の上に肉盛
りを行う硬化肉盛材13の双方に接合性が良い材料から
なっている。なお、その熱膨張係数も、母材14と硬化
肉盛材13の中間位置にあるのを使用するのがより好ま
しい。この材料としては、硬化肉盛材13の金属マトリ
ックスの材質によって多少異なるが、純金属を含むNi
系、Cr系又はNi−Cr系の金属が使用される。この
中間層12の溶着は、通常のTIG又はMIG溶接機を
用いて行う。中間層12の厚みは2〜5mm程度とす
る。これは薄すぎると施工が困難となり、厚すぎると材
料が無駄になるからである。
【0011】次に、この中間層12の上に、硬化肉盛材
13を溶着する。硬化肉盛材13としては、マトリック
スとなる金属に対して、炭化系粉体セラミックス(例え
ば、TiC、WC、Cr3 C2 、NbC等)、又はホウ
化系粉体セラミックス(例えば、MoB等)の単体、あ
るいは炭化系粉体セラミックス及び/又はホウ化系粉体
セラミックスからなる複合添加物を散在状態で添加した
ものを用いる。複合添加物としては、硬化肉盛材に対
して、TiCを30〜70重量%、Cr3 C2 を5〜2
0重量%の範囲で、しかも、TiCとCr3 C2 の合計
が硬化肉盛材の全体の重量の75重量%を超えない範囲
で含有するもの、硬化肉盛材に対して、TiCを30
〜70重量%、MoBを3〜20重量%の範囲で、しか
も、TiCとMoBの合計が硬化肉盛材の全体の重量の
75重量%を超えない範囲で含有するもの、硬化肉盛
材に対して、WCを5〜20重量%、MoBを3〜20
重量%の範囲で含有するもの、硬化肉盛材に対して、
NbCを30〜70重量%、Cr3 C2 を5〜20重量
%の範囲で、しかも、NbCとCr3 C2の合計が硬化
肉盛材の全体の重量の75重量%を超えない範囲で含有
するものを使用する。ここで、複合添加物の量が多いと
溶着が困難になり、少ないと耐摩耗性が低下するので前
記範囲にしている。なお、マトリックスとなる金属は、
金属マトリックスは、ステライト系又はトリバロイ系又
はNi系の金属が使用されているが、溶着性が良く、し
かも融点が高くて硬い金属であれば、他の金属であって
も使用できる。
13を溶着する。硬化肉盛材13としては、マトリック
スとなる金属に対して、炭化系粉体セラミックス(例え
ば、TiC、WC、Cr3 C2 、NbC等)、又はホウ
化系粉体セラミックス(例えば、MoB等)の単体、あ
るいは炭化系粉体セラミックス及び/又はホウ化系粉体
セラミックスからなる複合添加物を散在状態で添加した
ものを用いる。複合添加物としては、硬化肉盛材に対
して、TiCを30〜70重量%、Cr3 C2 を5〜2
0重量%の範囲で、しかも、TiCとCr3 C2 の合計
が硬化肉盛材の全体の重量の75重量%を超えない範囲
で含有するもの、硬化肉盛材に対して、TiCを30
〜70重量%、MoBを3〜20重量%の範囲で、しか
も、TiCとMoBの合計が硬化肉盛材の全体の重量の
75重量%を超えない範囲で含有するもの、硬化肉盛
材に対して、WCを5〜20重量%、MoBを3〜20
重量%の範囲で含有するもの、硬化肉盛材に対して、
NbCを30〜70重量%、Cr3 C2 を5〜20重量
%の範囲で、しかも、NbCとCr3 C2の合計が硬化
肉盛材の全体の重量の75重量%を超えない範囲で含有
するものを使用する。ここで、複合添加物の量が多いと
溶着が困難になり、少ないと耐摩耗性が低下するので前
記範囲にしている。なお、マトリックスとなる金属は、
金属マトリックスは、ステライト系又はトリバロイ系又
はNi系の金属が使用されているが、溶着性が良く、し
かも融点が高くて硬い金属であれば、他の金属であって
も使用できる。
【0012】ここで、前記複合添加物を構成するTi
C、WC、NbCに、更にこれらに対して3〜15重量
%の範囲で、TaC、ZrC、CrB2 、ZrB2 を添
加するのが好ましく、これによって、更に硬度を向上さ
せることができる。これらの化合物は大量に入れると、
割れやすくなり、少量であると硬度の増大が期待できな
いので、上記範囲とした。この複合添加物は上記構成と
なった粉状物を用意し、これをプラズマ粉体溶接機で溶
着することができる。このプラズマ粉体溶接機は、粉状
の複合添加物をプラズマ気流と共に搬送して溶融加熱す
ると共に中間層の表面も溶かして複合添加物を接合肉盛
りするものである。これによって硬化肉盛材13が形成
されるが、この硬化肉盛材13の厚みは約2〜5mm程
度とするのが好ましい。ここで、従来の硬化肉盛はNi
ベース合金又はCoベース合金を、線状に加工したもの
をTIG溶接あるいはMIG溶接で溶着させているた
め、素材に種々の元素を任意に調整することは困難であ
るが、プラズマ粉体溶接機を用いることによって、任意
の配合割合の材料によって複合添加物を構成できるとい
う利点がある。
C、WC、NbCに、更にこれらに対して3〜15重量
%の範囲で、TaC、ZrC、CrB2 、ZrB2 を添
加するのが好ましく、これによって、更に硬度を向上さ
せることができる。これらの化合物は大量に入れると、
割れやすくなり、少量であると硬度の増大が期待できな
いので、上記範囲とした。この複合添加物は上記構成と
なった粉状物を用意し、これをプラズマ粉体溶接機で溶
着することができる。このプラズマ粉体溶接機は、粉状
の複合添加物をプラズマ気流と共に搬送して溶融加熱す
ると共に中間層の表面も溶かして複合添加物を接合肉盛
りするものである。これによって硬化肉盛材13が形成
されるが、この硬化肉盛材13の厚みは約2〜5mm程
度とするのが好ましい。ここで、従来の硬化肉盛はNi
ベース合金又はCoベース合金を、線状に加工したもの
をTIG溶接あるいはMIG溶接で溶着させているた
め、素材に種々の元素を任意に調整することは困難であ
るが、プラズマ粉体溶接機を用いることによって、任意
の配合割合の材料によって複合添加物を構成できるとい
う利点がある。
【0013】前記実施の形態においては、中間層12を
設けたが、この中間層12は場合によっては省略するこ
とも可能である。この場合、硬化肉盛材13中の金属マ
トリックスの量を多くしておくのが好ましい。また、前
記実施の形態においては、高炉羽口に本発明を適用した
例を示しているが、キュポラ用羽口であっても本発明は
適用できる。
設けたが、この中間層12は場合によっては省略するこ
とも可能である。この場合、硬化肉盛材13中の金属マ
トリックスの量を多くしておくのが好ましい。また、前
記実施の形態においては、高炉羽口に本発明を適用した
例を示しているが、キュポラ用羽口であっても本発明は
適用できる。
【0014】
【発明の効果】請求項1〜5記載の硬化肉盛羽口におい
ては、高炉用又はキュポラ用の羽口本体の先部表面に、
金属マトリックスに炭化系粉体セラミックス又はホウ化
系粉体セラミックスの単体、あるいは炭化系粉体セラミ
ックス及び/又はホウ化系粉体セラミックスからなる複
合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材を溶着させている
ので、高温時の耐摩耗性が向上し、長期の寿命を有する
硬化肉盛羽口を提供できる。また、請求項2記載の硬化
肉盛羽口においては、硬化肉盛材と銅からなる母材との
間に、母材及び硬化肉盛材の双方に接合性の良い2〜5
mmの中間層を設けているので、硬化肉盛材の接合性が
飛躍的に向上し、更には長期の寿命を有する。
ては、高炉用又はキュポラ用の羽口本体の先部表面に、
金属マトリックスに炭化系粉体セラミックス又はホウ化
系粉体セラミックスの単体、あるいは炭化系粉体セラミ
ックス及び/又はホウ化系粉体セラミックスからなる複
合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材を溶着させている
ので、高温時の耐摩耗性が向上し、長期の寿命を有する
硬化肉盛羽口を提供できる。また、請求項2記載の硬化
肉盛羽口においては、硬化肉盛材と銅からなる母材との
間に、母材及び硬化肉盛材の双方に接合性の良い2〜5
mmの中間層を設けているので、硬化肉盛材の接合性が
飛躍的に向上し、更には長期の寿命を有する。
【図1】本発明の一実施の形態に係る硬化肉盛羽口の断
面図である。
面図である。
【図2】羽口の母材に中間層を溶着した状態の羽口の部
分断面図である。
分断面図である。
【図3】更にその上に硬化肉盛材を溶着した状態の羽口
の部分断面図である。
の部分断面図である。
10 硬化肉盛羽口 11 羽口本体 12 中間層 13 硬化肉盛
材 14 母材 15 水冷通路
材 14 母材 15 水冷通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F27B 1/16 F27B 1/16
Claims (5)
- 【請求項1】 高炉用又はキュポラ用の羽口本体の先部
表面に、金属マトリックスに炭化系粉体セラミックス又
はホウ化系粉体セラミックスの単体、あるいは炭化系粉
体セラミックス及び/又はホウ化系粉体セラミックスか
らなる複合添加物を散在状態で含む硬化肉盛材を溶着さ
せることを特徴とする硬化肉盛羽口。 - 【請求項2】 前記羽口本体の母材の材質が銅であっ
て、前記硬化肉盛材と前記母材との間に、前記母材及び
前記硬化肉盛材の双方に接合性の良い2〜5mmの中間
層を設けた請求項1記載の硬化肉盛羽口。 - 【請求項3】 前記金属マトリックスは、ステライト系
又はトリバロイ系又はNi系の金属が使用されている請
求項1又は2記載の硬化肉盛羽口。 - 【請求項4】 前記複合添加物が以下に示す(1)〜
(4)の何れか1を主体とする請求項1〜3のいずれか
1項に記載の硬化肉盛羽口。 (1)前記硬化肉盛材に対して、TiCを30〜70重
量%、Cr3 C2 を5〜20重量%の範囲で、しかも、
TiCとCr3 C2 の合計が前記硬化肉盛材の全体の重
量の75重量%を超えない範囲で含有する。 (2)前記硬化肉盛材に対して、TiCを30〜70重
量%、MoBを3〜20重量%の範囲で、しかも、Ti
CとMoBの合計が前記硬化肉盛材の全体の重量の75
重量%を超えない範囲で含有する。 (3)前記硬化肉盛材に対して、WCを5〜20重量
%、MoBを3〜20重量%の範囲で含有する。 (4)前記硬化肉盛材に対して、NbCを30〜70重
量%、Cr3 C2 を5〜20重量%の範囲で、しかも、
NbCとCr3 C2 の合計が前記硬化肉盛材の全体の重
量の75重量%を超えない範囲で含有する。 - 【請求項5】 前記複合添加物を構成するTiC、WC
又はNbCに、更にこれらに対して3〜15重量%の範
囲で、TaC、ZrC、CrB2 又はZrB2 の何れか
1又は2以上を添加する請求項1〜4のいずれか1項に
記載の硬化肉盛羽口。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3220698A JPH11217610A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 硬化肉盛羽口 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3220698A JPH11217610A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 硬化肉盛羽口 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217610A true JPH11217610A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12352442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3220698A Pending JPH11217610A (ja) | 1998-01-28 | 1998-01-28 | 硬化肉盛羽口 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH11217610A (ja) |
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- 1998-01-28 JP JP3220698A patent/JPH11217610A/ja active Pending
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