JPH11217397A - ペプチドチオールエステルの製造方法 - Google Patents

ペプチドチオールエステルの製造方法

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JPH11217397A
JPH11217397A JP10270531A JP27053198A JPH11217397A JP H11217397 A JPH11217397 A JP H11217397A JP 10270531 A JP10270531 A JP 10270531A JP 27053198 A JP27053198 A JP 27053198A JP H11217397 A JPH11217397 A JP H11217397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 9−フルオレニルメトキシカルボニル化アミ
ノ酸(Fmoc化アミノ酸)を用いるペプチドチオール
エステルの製造方法を提供すること。 【解決手段】 ペプチド合成のためのチオールエステル
法において、チオールエステル結合を介して樹脂に固定
されたアミノ酸のアミノ末端に保護基として結合させた
Fmoc基を、特定のFmoc基除去試薬を用いて除去
した後、Fmoc化アミノ酸を付加させ、次いでFmo
c基を除去し、Fmoc化アミノ酸を付加する反応を繰
り返してFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を
得、これよりFmoc基を除去して樹脂から取り出す
か、樹脂から取り出した後Fmoc基を除去することに
よって、任意の配列でアミノ酸を縮合することを特徴と
するペプチドチオールエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペプチドチオール
エステルの製造方法に関する。さらに詳しくは、9−フ
ルオレニルメトキシカルボニル化アミノ酸(Fmoc化
アミノ酸)を用いるペプチドチオールエステルの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アミノ酸を縮合してペプチド
を合成することが試みられて来た。ペプチドの合成法と
しては、液相法および固相法があるが、液相法は、溶液
反応であることから、アミノ酸を付加して伸張する毎に
逐一反応溶液から中間体を抽出し、精製し、確認を行い
つつ合成を進めるものであって、目的とするペプチドを
合成するまでに多大の時間と労力を必要とするという問
題がある。また、固相法は、アミノ末端を保護したアミ
ノ酸を固定した樹脂に、アミノ末端の保護基を除去しつ
つ、活性化したアミノ酸誘導体を順次縮合させるという
単純な操作により、ペプチド鎖を伸張するものであっ
て、液相法に較べて極めて効率がよく、また簡単なペプ
チド合成法である。
【0003】固相法のうち、t−ブトキシカルボニル
(以下、Bocという。)化アミノ酸を用いる方法は、
Boc化アミノ酸を樹脂に固定した後、アミノ末端の保
護基であるBoc基を除去しつつ、活性化したBoc化
アミノ酸を縮合するものであって、Boc基を除去する
際に、トリフルオロ酢酸、塩化メチレンなどのハロゲン
含有化合物を多量に使用し、また最終的に樹脂からペプ
チドを取り出す際に、無水フッ化水素などの強酸を使用
するものである。また、Boc化アミノ酸を用いてペプ
チドチオールエステルを合成することは容易であった。
しかし、上記したように、Boc化アミノ酸を用いる方
法は、ハロゲン化合物や強酸を使用することから、環境
保全上や安全上の問題があった。
【0004】一方、固相法のうち、9−フルオレニルメ
トキシカルボニル(以下、Fmocという。)化アミノ
酸を用いる方法は、Fmoc基(アミノ末端の保護基)
をピペリジンなどのアミン化合物で除去しつつ、Fmo
c化アミノ酸を縮合していくものであって、ペプチド鎖
の伸張反応の際にハロゲン含有化合物を必要としないこ
と、ペプチドの樹脂からの取り出しの際に強酸処理を必
要としないことなどから、現在ペプチド合成の手法とし
て広く使用されている。しかるに、このFmoc化アミ
ノ酸を用いる方法は、ペプチドチオールエステルを合成
する場合、環境保全上や安全上、優れた方法であるが、
ペプチドチオールエステルがアミンに対して高い反応性
を有することから、チオールエステル結合が分解されて
ペプチド鎖を伸張させることができないという根本的な
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、比較的容易かつ環境保全上や安全上の問題を低減さ
せてペプチドチオールエステルを製造する方法を提供す
ることにある。このようなペプチドチオールエステルの
製造方法は、長鎖ペプチド、環状ペプチドなどのペプチ
ドの合成反応において極めて有用な方法であると共に、
ペプチドを原料とする種々の医薬品の開発においても広
く使用することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究した結果、チオールエステル結
合を介して樹脂に固定されたアミノ酸のアミノ末端に、
保護基として結合させたFmoc基は、特定のFmoc
基除去試薬を用いることによって、チオールエステル結
合の分解を伴うことなく除去することができ、ペプチド
鎖を伸張することができることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、化学式(1)
【化14】H-A1-B-S-X (1) (式中、A1およびBはアミノ酸残基である。またXは
硫黄原子と結合してチオールエステルを構成する成分で
ある。)で表されるペプチドチオールエステルの製造方
法であって、下記の(1)〜(4)の工程からなること
を特徴とするペプチドチオールエステルの製造方法が提
供される。 (1)9−フルオレニルメトキシカルボニル化アミノ酸
誘導体(Fmoc化アミノ酸誘導体)と樹脂とを反応さ
せることによって、化学式(2)
【化15】Fmoc-B-S-X-樹脂 (2) (式中、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル基である。またBおよびXは上記と同じである。そし
て樹脂は合成樹脂である。)で表されるFmoc化アミ
ノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工程。 (2)工程(1)で得られたFmoc化アミノ酸チオー
ルエステル樹脂とFmoc基除去試薬とを反応させるこ
とによって、化学式(3)
【化16】H-B-S-X-樹脂 (3) (式中、B、Xおよび樹脂は上記と同じである。)で表
されるアミノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工
程。 (3)工程(2)で得られたアミノ酸チオールエステル
樹脂とFmoc化アミノ酸とを反応させることによっ
て、化学式(4)
【化17】Fmoc-A1-B-S-X-樹脂 (4) (式中、Fmoc、A1、B、Xおよび樹脂は上記と同
じである。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエ
ステル樹脂を生成させる工程。 (4)工程(3)で得られたFmoc化ペプチドチオー
ルエステル樹脂と脱離試薬とを反応させて、化学式
(5)
【化18】Fmoc-A1-B-S-X (5) (式中、Fmoc、A1、BおよびXは上記と同じであ
る。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル
を生成させ、続いてFmoc基除去試薬と反応させる
か、または工程(3)で得られたFmoc化ペプチドチ
オールエステル樹脂とFmoc基除去試薬とを反応さ
せ、続いて脱離試薬と反応させることによって、化学式
(1)
【化19】H-A1-B-S-X (1) (式中、A1、BおよびXは上記と同じである。)で表
されるペプチドチオールエステルを生成させる工程。
【0008】また、本発明によれば、化学式(6)
【化20】 H-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (6) (式中、An、An-1、A2、A1およびBはアミノ酸残基
である。またXは硫黄原子と結合してチオールエステル
を構成する成分である。そしてnは正整数である。)で
表されるペプチドチオールエステルの製造方法であっ
て、下記の(1)〜(4)の工程からなることを特徴と
するペプチドチオールエステルの製造方法が提供され
る。 (1)9−フルオレニルメトキシカルボニル化アミノ酸
誘導体(Fmoc化アミノ酸誘導体)と樹脂とを反応さ
せることによって、化学式(2)
【化21】Fmoc-B-S-X-樹脂 (2) (式中、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル基である。またBおよびXは上記と同じである。そし
て樹脂は合成樹脂である。)で表されるFmoc化アミ
ノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工程。 (2)工程(1)で得られたFmoc化アミノ酸チオー
ルエステル樹脂とFmoc基除去試薬とを反応させるこ
とによって、化学式(3)
【化22】H-B-S-X-樹脂 (3) (式中、B、Xおよび樹脂は上記と同じである。)で表
されるアミノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工
程。 (3)工程(2)で得られたアミノ酸チオールエステル
樹脂とFmoc化アミノ酸とを反応させることによっ
て、化学式(4)
【化23】Fmoc-A1-B-S-X-樹脂 (4) (式中、Fmoc、A1、B、Xおよび樹脂は上記と同
じである。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエ
ステル樹脂を生成させ、該Fmoc化ペプチドチオール
エステル樹脂について、工程(2)〜工程(3)に準じ
て、Fmoc基を除去した後、さらにFmoc化アミノ
酸を付加する操作を(n−1)回繰り返すことによっ
て、化学式(7)
【化24】 Fmoc-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X-樹脂 (7) (式中、Fmoc、An、An-1、A2、A1、B、Xおよ
び樹脂上記と同様である。またnは正整数である。)で
表されるFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を生
成させる工程。 (4)工程(3)で得られたFmoc化ペプチドチオー
ルエステル樹脂と脱離試薬とを反応させて、化学式
(8)
【化25】 Fmoc-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (8) (式中、Fmoc、An、An-1、A2、A1、B、Xおよ
びnは上記と同じである。)で表されるFmoc化ペプ
チドチオールエステルを生成させ、続いてFmoc基除
去試薬と反応させるか、または工程(3)で得られたF
moc化ペプチドチオールエステル樹脂とFmoc基除
去試薬とを反応させ、続いて脱離試薬と反応させること
によって、化学式(6)
【化26】 H-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (6) (式中、An、An-1、A2、A1、B、Xおよびnは上記
と同じである。)で表されるペプチドチオールエステル
を生成させる工程。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。 [工程(1)]工程(1)は、9−フルオレニルメトキシ
カルボニル化アミノ酸誘導体(Fmoc化アミノ酸誘導
体)と樹脂とを反応させることによって、化学式(2)
【化27】Fmoc-B-S-X-樹脂 (2) (式中、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニ
ル基であり、Bはアミノ酸残基である。またXは硫黄原
子と結合してチオールエステルを構成する成分である。
そして樹脂は合成樹脂である。)で表されるFmoc化
アミノ酸チオールエステル樹脂を生成させるものであ
る。
【0010】9−フルオレニルメトキシカルボニル化ア
ミノ酸誘導体(Fmoc化アミノ酸誘導体)と樹脂との
反応は、チオールエステル結合を介して、Fmoc化ア
ミノ酸を樹脂に固定することができるものであれば、特
に限定されるものではない。たとえば、次の化学式
(9)および化学式(10)などで表される反応であ
る。
【化28】 Fmoc-NH-CHR1-CO-S-CR23-CH2-CO-OH + NH2-樹脂 → Fmoc-NH-CHR1-CO-S-CR23-CH2-CO-NH-樹脂 (9) (式中、Fmocおよび樹脂は前記と同じである。また
1、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、アル
キル基またはアリール基から選ばれる基である。)
【化29】
【0011】また、化学式(11)で表される反応でも
よい。
【化30】 Fmoc-NH-CHR-CO-OH + HS-樹脂 → Fmoc-NH-CHR-CO-S-樹脂 (11) (式中、Fmoc、Rおよび樹脂は前記と同じであ
る。)
【0012】上記したFmoc化アミノ酸誘導体と樹脂
との反応は、特に限定するものではなく、公知の反応条
件で行うことができる。通常、1−メチル−2−ピロリ
ジノン(1−メチル−2−ピロリドン)などの溶媒中で
10〜30℃で5〜60分間の反応条件でおこなうこと
ができる。
【0013】Fmoc化アミノ酸誘導体を構成するアミ
ノ酸は、特に限定されるものではなく、所望とするペプ
チドチオールエステルのアミノ酸配列に基づいて、公知
のアミノ酸から任意に選択して使用することができる。
表1に、天然アミノ酸の例を示す。以下、本明細書にお
いては、アミノ酸化合物またはそのアミノ酸残基を、対
応するアミノ酸の記号で表す。なお、L型の光学活性を
有するアミノ酸は、L−の記号を付して表す。
【0014】
【表1】
【0015】樹脂は、Fmoc化アミノ酸誘導体を樹脂
に固定できるものであれば、特に限定されるものではな
い。通常、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂
などの合成樹脂にチオール基、アミノ基、ハロゲンなど
を導入したものである。
【0016】[工程(2)]工程(2)は、工程(1)で
得られたFmoc化アミノ酸チオールエステル樹脂とF
moc基除去試薬とを反応させることによって、化学式
(3)
【化31】H-B-S-X-樹脂 (3) (式中、B、Xおよび樹脂は前記と同じである。)で表
されるアミノ酸チオールエステル樹脂を生成させるもの
である。
【0017】Fmoc化アミノ酸チオールエステル樹脂
からFmoc基を除去する反応においては、特定のFm
oc基除去試薬を使用することが肝要である。Fmoc
基除去試薬は、1−メチルピロリジンまたはヘキサメチ
レンイミンで代表される塩基性化合物である。このよう
な塩基性化合物は、単独または混合して使用することが
できるし、また1−メチル−2−ピロリジノン(1−メ
チル−2−ピロリドン)、ジメチルスルホキシドなどの
溶媒に溶解して使用することができるし、他の化合物と
混合して使用することもできる。さらに、このFmoc
基除去試薬は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまた
は2,4−ジニトロフェノールで代表される酸性試薬を
混合して使用することもできる。
【0018】[工程(3)]工程(3)は、工程(2)で
得られたアミノ酸チオールエステル樹脂とFmoc化ア
ミノ酸とを反応させることによって、化学式(4)
【化32】Fmoc-A1-B-S-X-樹脂 (4) (式中、A1およびBはアミノ酸残基である。またFm
oc、Xおよび樹脂は前記と同じである。)で表される
Fmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を生成させる
ものである。
【0019】また、工程(3)で得られたFmoc化ペ
プチドチオールエステル樹脂について、工程(2)〜工
程(3)に準じて、Fmoc基を除去した後、さらにF
moc化アミノ酸を付加する操作を(n−1)回繰り返
すことによって、化学式(7)
【化33】 Fmoc-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X-樹脂 (7) (式中、An、An-1、A2、A1、およびBはアミノ酸残
基である。またFmoc、Xおよび樹脂は前記と同様で
ある。またnは正整数である。)で表されるFmoc化
ペプチドチオールエステル樹脂を生成させるものであ
る。
【0020】上記したように、Fmoc基を除去した
後、さらにFmoc化アミノ酸を付加する操作を繰り返
すことによって、Fmoc化ペプチドチオールエステル
樹脂のチオールエステル結合を分解することなく、アミ
ノ酸を順次結合してペプチド鎖を伸張することができ
る。縮合するアミノ酸は、所望とするペプチドチオエス
テルのアミノ酸配列に基づいて、公知のアミノ酸から選
択して使用することができる。
【0021】[工程(4)]工程(4)は、工程(3)で
得られたFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂と脱
離試薬とを反応させることによって、化学式(5)
【化34】Fmoc-A1-B-S-X (5) (式中、Fmoc、A1、BおよびXは前記と同じであ
る。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル
を、Fmoc化ペプチドチオールエステル樹脂から取り
出し、続いて、得られたFmoc化ペプチドチオールエ
ステルと上記のFmoc基除去試薬とを反応させること
によって、化学式(1)
【化35】H-A1-B-S-X (1) (式中、A1、BおよびXは上記と同じである。)で表
されるペプチドチオールエステルが製造されるものであ
る。
【0022】また、工程(4)は、工程(3)で得られ
たFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂と上記のF
moc基除去試薬とを反応させ、続いて脱離試薬と反応
させることによって、化学式(1)
【化36】H-A1-B-S-X (1) (式中、A1、BおよびXは上記と同じである。)で表
されるペプチドチオールエステルが製造されるものであ
ってもよい。
【0023】さらに、工程(4)は、工程(3)におい
て、Fmoc化アミノ酸を付加する操作を繰り返して得
られたFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂と、脱
離試薬とを反応させることによって、化学式(8)
【化37】 Fmoc-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (8) (式中、Fmoc、An、An-1、A2、A1、B、Xおよ
びnは前記と同じである。)で表されるFmoc化ペプ
チドチオールエステルを、Fmoc化ペプチドチオール
エステル樹脂から取り出し、続いて、得られたFmoc
化ペプチドチオールエステルと上記のFmoc基除去試
薬とを反応させることによって、化学式(6)
【化38】 H-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (6) (式中、An、An-1、A2、A1、B、Xおよびnは前記
と同じである。)で表されるペプチドチオールエステル
が製造されるものである。
【0024】また、工程(4)は、工程(3)におい
て、Fmoc化アミノ酸を付加する操作を繰り返して得
られたFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂と、上
記のFmoc基除去試薬とを反応させ、続いて脱離試薬
と反応させることによって、化学式(6)
【化39】 H-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (6) (式中、An、An-1、A2、A1、B、Xおよびnは前記
と同じである。)で表されるペプチドチオールエステル
が製造されるものであってもよい。
【0025】脱離試薬としては、トリフルオロ酢酸など
の弱酸を使用することができる。トリフルオロ酢酸は、
所望によって、性能に影響を与えない範囲内で、エタン
ジチオール、フェノール、水、チオアニソールなどを混
合して使用することができる。また、チオール化合物を
Fmoc化ペプチドチオールエステルの取り出しに使用
することもできる。
【0026】上記した工程(1)〜工程(4)を行うこ
とによって、環境汚染物質の使用を抑え、また合成操作
上の危険を軽減してペプチドチオールエステルを合成す
ることができる。チオールエステル樹脂に縮合されるア
ミノ酸の種類および縮合数は、所望とするペプチドのア
ミノ酸配列に対応するものであって、縮合数は、通常2
〜50である。また、工程(1)〜工程(4)の反応
を、市販の自動ペプチド合成機を使用して行わせること
によって、容易にペプチドチオールエステルを合成する
こともできる。市販の自動ペプチド合成機としては、た
とえばアドバンスドケムテック社製マルチペプチドシン
セサイザーACTシリーズ、アプライドバイオシステム
ズ社製ペプチドシンセサイザー433型などを挙げるこ
とができる。反応後のペプチドチオールエステルは、通
常欠陥ペプチドなどを含むので純度が低い。このため、
最終的にHPLC(高速液体クロマトグラフィー)など
を用いて精製することによって、高純度のFmoc化ペ
プチドチオールエステルまたはペプチドチオールエステ
ルを得ることができる。
【0027】本発明の方法で製造されたペプチドチオー
ルエステルから、公知の化学反応によって、長鎖のペプ
チドを製造することができる。また、環状ペプチドは、
ペプチドチオールエステル樹脂またはペプチドチオール
エステルに、活性エステル構成成分を単独で反応させる
か、または銀イオンを共存させて活性エステル構成成分
を反応させることによって容易に合成することができ
る。活性エステル構成成分としては、たとえばチオフェ
ノールなどを挙げることができる。また、本発明の方法
で得られたペプチドチオールエステルを出発原料とし
て、さらにアミノ酸を高度に縮合したペプチドを製造す
ることもできる。
【0028】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。なお、
本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0029】(実施例1)Fmoc化グリシン(株式会
社ペプチド研究所製)とβ−メルカプトプロピオン酸
(株式会社ナカライテスク製)とから合成したFmoc
−Gly−S−CH2CH2−CO−OHを樹脂(渡辺化
学工業株式会社製)に反応させて、Fmoc−Gly−
S−CH2CH2−CO−NH−樹脂を調製した。得られ
たFmoc−Gly−S−CH2CH2−CO−NH−樹
脂を出発原料とした。グリシン含有量は、0.36mm
ol/g樹脂であった。
【0030】得られたFmoc−Gly−S−CH2
2−CO−NH−樹脂100mgを、ジメチルホルム
アミド1mlを用いて1分間洗浄し、さらに同様にして
4回洗浄した後、次に示す(操作1)〜(操作4)を繰
り返して、ペプチド鎖の伸長操作を行った。Fmoc化
アミノ酸は、L−Val、L−Lys(Boc)、L−V
al、L−Thr(But)、L−Phe、L−Thr(B
t)およびL−Asp(OBut)の各Fmoc化物を順
次用いた。ここで、Bocはt−ブトキシカルボニル基
を表し、Butはt−ブチル基を表し、OButはt−ブ
チルエステル基を表し、いずれもアミノ酸残基の側鎖の
保護基である。
【0031】(操作1)上記したFmoc−Gly−S
−CH2CH2−CO−NH−樹脂に、表2に示されるF
moc基除去試薬溶液(A)1mlを加えて、撹拌しな
がら25℃で2分間反応させた後、さらにFmoc基除
去試薬溶液(A)1mlを加えて25℃で25分間反応
させて、Fmoc基を除去してH−Gly−S−CH2
CH2−CO−NH−樹脂を調製する。
【0032】
【表2】
【0033】(操作2)(操作1)で得られたH−Gl
y−S−CH2CH2−CO−NH−樹脂を、ジメチルホ
ルムアミド(以下、DMFという。)1mlを用いて2
5℃で1分間洗浄する。さらに、1−メチル−2−ピロ
リジノン(1−メチル−2−ピロリドン:以下、NMP
という。)1mlを用いて25℃で1分間洗浄する操作
を5回繰り返す。
【0034】(操作3)(操作2)で得られたH−Gl
y−S−CH2CH2−CO−NH−樹脂に、Fmoc化
アミノ酸0.3mmolと1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール0.3mmolを含むNMP溶液(A)0.75
mlと、ジイソプロピルカルボジイミド0.3mmol
を含むNMP溶液(B)0.25mlを加えて、25℃
で50分間撹拌して反応させる。得られた樹脂をNMP
1mlを用いて1分間洗浄する操作を3回繰り返し、さ
らに、NMP溶液(A)0.75mlとNMP溶液
(B)0.25mlを加えて、25℃で50分間反応さ
せて、アミノ酸を1個付加したFmoc化ペプチドチオ
ールエステル樹脂を調製する。
【0035】(操作4)(操作3)で得られたFmoc
化ペプチドチオールエステル樹脂を、NMP1mlを用
いて25℃で1分間洗浄する操作を5回繰り返す。さら
に、DMF1mlを用いて25℃で1分間洗浄する操作
を5回繰り返して洗浄する。
【0036】(操作1)〜(操作4)を繰り返して、ペ
プチド鎖を伸長させて、次の化学式(12)
【化40】 Fmoc-L-Asp(OBut)-L-Thr(But)-L-Phe -L-Thr(But)-L-Val-L-Lys(Boc)-L-Val-Gly-S -CH2CH2-CO-NH-樹脂 (12) で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を
調製した。
【0037】Fmoc化ペプチドチオールエステルは、
上記したFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂か
ら、次のようにして調製した。すなわち、Fmoc化ペ
プチドチオールエステル樹脂を、トリフルオロ酢酸8
2.5%、エタンジチオール2.5%、フェノール5
%、水5%、チオアニソール5%の混合溶液4mlを用
いて室温で3時間処理して、側鎖の保護基を除去すると
同時に、Fmoc化ペプチドチオールエステルを樹脂か
ら取り出し、冷ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。
得られた沈殿物を、水とアセトニトリルの混合溶液に溶
解させたのち濾別し、濾液を凍結乾燥して粉末状の粗F
moc化ペプチドチオールエステルを得た。
【0038】粗Fmoc化ペプチドチオールエステル
を、逆相HPLC(株式会社ナカライテスク製 Cos
mosil 5C18AR)を用いて精製して、次の化
学式(13)
【化41】 Fmoc-L-Asp-L-Thr-L-Phe-L-Thr-L-Val-L-Lys -L-Val-Gly-S-CH2CH2-CO-NH2 (13) で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル4.0
mgを得た。得られたFmoc化ペプチドチオールエス
テルの物性値は次のとおりであった。質量分析の結果、
[M+H]+は、1175.1(m/z)(計算値:1
175.4)であった。また、アミノ酸分析の結果、A
sp:1.14、Thr:1.78、Phe:1.2
4、Val:1.84、Lys:0.99、Gly:
1.00であった。
【0039】(実施例2)Fmoc化グリシン(株式会
社ペプチド研究所製)とHS−C(CH3)2CH2−CO
−OH(自家製)とから合成したFmoc−Gly−S
−C(CH32CH2−CO−OHを樹脂(渡辺化学工
業株式会社製)に反応させて、Fmoc−Gly−S−
C(CH32CH2−CO−NH−樹脂を調製した。得
られたFmoc−Gly−S−C(CH32CH2−C
O−NH−樹脂を出発原料とした。グリシン含有量は、
0.36mmol/g樹脂であった。
【0040】得られたFmoc−Gly−S−C(CH
32CH2−CO−NH−樹脂100mgを、DMF1
mlを用いて1分間洗浄し、さらに同様にして4回洗浄
した後、次に示す(操作1)〜(操作4)を繰り返し
て、ペプチド鎖の伸長操作を行った。Fmoc化アミノ
酸は、L−Phe、L−Lys(Boc)、L−Va
l、L−Thr(But)、L−Phe、L−Thr
(But)、L−Asp(OBut)、L−Asp(OB
t)およびL−Asp(OBut)の各Fmoc化物を
順次用いた。ここで、Bocはt−ブトキシカルボニル
基を表し、Butはt−ブチル基を表し、OButはt−
ブチルエステル基を表し、いずれもアミノ酸残基の側鎖
の保護基である。
【0041】(操作1)上記したFmoc−Gly−S
−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂に、表3に示
されるFmoc基除去試薬溶液(B)1mlを加えて、
撹拌しながら25℃で2分間反応させた後、さらにFm
oc基除去試薬溶液(B)1mlを加えて25℃で25
分間反応させて、Fmoc基を除去してH−Gly−S
−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂を調製する。
【0042】
【表3】
【0043】(操作2)(操作1)で得られたH−Gl
y−S−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂を、D
MF1mlを用いて25℃で1分間洗浄する。さらに、
NMP1mlを用いて25℃で1分間洗浄する操作を5
回繰り返す。
【0044】(操作3)(操作2)で得られたH−Gl
y−S−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂に、F
moc化アミノ酸0.3mmolと1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール0.3mmolを含むNMP溶液(A)
0.75mlと、ジイソプロピルカルボジイミド0.3
mmolを含むNMP溶液(B)0.25mlを加え
て、25℃で50分間撹拌して反応させる。得られた樹
脂をNMP1mlを用いて1分間洗浄する操作を3回繰
り返し、さらに、NMP溶液(A)0.75mlとNM
P溶液(B)0.25mlを加えて、25℃で50分間
反応させて、アミノ酸を1個付加したFmoc化ペプチ
ドチオールエステル樹脂を調製する。
【0045】(操作4)(操作3)で得られたFmoc
化ペプチドチオールエステル樹脂を、NMP1mlを用
いて25℃で1分間洗浄する操作を5回繰り返す。さら
に、DMF1mlを用いて25℃で1分間洗浄する操作
を5回繰り返して洗浄する。
【0046】(操作1)〜(操作4)を繰り返して、ペ
プチド鎖を伸長させて、次の化学式(14)
【化42】 Fmoc-L-Asp(OBut)-L-Asp(OBut)-L-Asp(OBut)-L -Thr(But)-L-Phe-L-Thr(But)-L-Val-L-Lys(Boc) -L-Phe-Gly-S-C(CH3)2CH2-CO-NH-樹脂 (14) で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を
調製した。
【0047】Fmoc化ペプチドチオールエステルは、
上記したFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂か
ら、次のようにして得た。すなわち、Fmoc化ペプチ
ドチオエステル樹脂を、トリフルオロ酢酸82.5%、
エタンジチオール2.5%、フェノール5%、水5%、
チオアニソール5%の混合溶液2mlを用いて室温で3
時間処理して、側鎖の保護基を除去すると同時に、Fm
oc化ペプチドチオールエステルを樹脂から取り出し、
冷ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。得られた沈殿
物を、水とアセトニトリルの混合溶液に溶解させたのち
濾別して濾液を凍結乾燥し、粉末状の粗Fmoc化ペプ
チドチオールエステルを得た。
【0048】粗Fmoc化ポリペプチドチオールエステ
ルを、逆相HPLC(株式会社ナカライテスク製 Co
smosil 5C18AR)を用いて精製して、次の
化学式(15)
【化43】 Fmoc-L-Asp-L-Asp-L-Asp-L-Thr-L-Phe-L-Thr- L-Val-L-Lys-L-Phe-Gly-S-C(CH3)2CH2-CO-NH2 (15) で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル6.0
mgを得た。得られたFmoc化ペプチドチオールエス
テルの物性値は次のとおりであった。質量分析の結果、
[M+H]+は、1482.1(m/z)(計算値:1
481.6)であった。また、アミノ酸分析の結果、A
sp:2.67、Thr:1.53、Phe:1.8
1、Val:0.76、Lys:0.85、Gly:
1.00であった。
【0049】(実施例3)Fmoc化グリシン(株式会
社ペプチド研究所製)とHS−C(CH32CH2−C
O−OH(自家製)から合成したFmoc−Gly−S
−C(CH32CH2−CO−OHを樹脂(渡辺化学工
業株式会社製)に反応させて、Fmoc−Gly−S−
C(CH32CH2−CO−NH−樹脂200mgを調
製し、これを出発原料とした。グリシン含有量は0.2
0mmol/g樹脂であった。
【0050】得られたFmoc−Gly−S−C(CH
32CH2−CO−NH−樹脂200mgをNMP4m
lを用いて室温にて1分間洗浄し、さらに同様にして3
回洗浄した後、次に示す(操作1)〜(操作4)を繰り
返して、ペプチド鎖の伸長操作を行った。この伸張操作
は、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystem
s)社製のペプチド合成機(モデル433)を用いて行
った。Fmoc化アミノ酸は、Val、Lys、Va
l、Thr(But)、Phe、Thr(But)、As
p(OBut)、Asp(OBut)、Asp(OB
t)、Asn(Trt)、Tyr(But)、Lys、
Thr(But)、Tyr(But)、Glu(OB
t)、Val、Lys、Gly、Thr(But)、V
al、Cys(Acm)、Asp(OBut)、Pr
o、Thr(But)の各Fmoc化物を順次用いた。
ここで、Butはt−ブチル基を表し、OBtはt−ブチ
ルエステル基を表し、Trtはトリチル基を表し、Ac
mはアセトアミドメチル基を表し、いずれもアミノ酸残
基の側鎖の保護基である。
【0051】(操作1)上記したFmoc−Gly−S
−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂に、表2に示
されるFmoc基除去試薬溶液(A)4mlを加えて、
撹拌しながら25℃で2.9分間反応させた後、さらに
Fmoc基除去試薬溶液(A)4mlを加えて25℃で
18分間反応させて、Fmoc基を除去してH−Gly
−S−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂を調製す
る。
【0052】(操作2)(操作1)で得られたH−Gl
y−S−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂を、N
MP4mlを用いて室温にて1分間洗浄し、さらに、N
MP4mlを用いて25℃で1分間洗浄する操作を6回
繰り返す。
【0053】(操作3)(操作2)で得られたH−Gl
y−S−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂に、次
の溶液を加えて25℃で10分間撹拌して反応させる。
すなわち、Fmoc化アミノ酸1mmolを、1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール(以下、HOBtという。)
0.9mmolと2−(1H−ベンゾトリアゾール−1
−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム六
フッ化リン塩(2-(1H-benzotriazole-1-yl)-1,1,3,3-te
tramethyluronium hexafluorophosphate)(以下、HB
TUという。)0.9mmolを含むDMF溶液2ml
に溶解し、その溶液にさらにジソプロピルエチルアミン
(以下、DIEAという。)2mmolを含むNMP溶
液1mlを加えてFmoc化アミノ酸を活性化させた
後、この溶液を、(操作2)で得られたH−Gly−S
−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂に加えて反応
させる。得られた樹脂をNMP4mlを用いて1分間洗
浄する操作を6回繰り返し、さらに無水酢酸0.5mo
l、DIEA0.125mol、HOBt0.015m
olを含むNMP溶液を5ml加えて5.5分間撹拌
し、未反応のアミノ基をアセチル化し、アミノ酸を1個
付加したFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を調
製する。
【0054】(操作4)(操作3)で得られたFmoc
化ペプチドチオールエステル樹脂を、NMP4ml用い
て25℃で1分間洗浄する操作を5回繰り返して洗浄す
る。
【0055】(操作1)〜(操作4)を繰り返して、ペ
プチド鎖を伸長させた後、得られたFmoc化ペプチド
チオールエステル樹脂から、上記の(操作1)と同様に
してFmoc基を除去して、次の化学式(16)
【化44】 Thr−Pro−Asp−Cys(Acm)−Val−Thr−Gly− Lys−Val−Glu−Tyr−Thr−Lys−Tyr−Asn−Asp −Asp−Asp−Thr−Phe−Thr−Val−Lys−Val− Gly−S−C(CH32CH2−CO−NH−樹脂 (16) で表されるペプチドチオールエステル樹脂(350m
g)を調製した。
【0056】上記したペプチドチオールエステル樹脂か
ら、ペプチドチオールエステルを次のようにして得た。
すなわち、ペプチドチオールエステル樹脂を、トリフル
オロ酢酸82.5%、エタンジチオール2.5%、フェ
ノール5%、水5%、チオアニソール5%の混合溶液を
用いて室温で3時間処理して、側鎖の保護基を除去する
と同時に、ペプチドチオールエステルを樹脂から取り出
し、冷ジエチルエーテルを加えて沈殿させた。得られた
沈殿物を、水とアセトニトリルの混合溶媒に溶解させた
のち、濾別して濾液を凍結乾燥し、粉末状の粗ペプチド
チオールエステルを得た。
【0057】粗ペプチドチオールエステルを、逆相HP
LC(株式会社ナカライテスク製Cosmosil 5
C18AR)を用いて精製して、次の化学式(17)
【化45】 Thr−Pro−Asp−Cys(Acm)−Val−Thr−Gly− Lys−Val−Glu−Tyr−Thr−Lys−Tyr−Asn−Asp −Asp−Asp−Thr−Phe−Thr−Val−Lys−Val− Gly−S−C(CH32CH2−CO−NH2 (17) で表されるペプチドチオールエステルを、出発物質であ
る樹脂中のグリシン含有量に対して22%の収率で得
た。得られたペプチドチオールエステルの物性値は次の
通りであった。質量分析の結果、[M+H]+ は298
2.25(m/z)(計算値:2982.35)であっ
た。また、アミノ酸分析値の結果は,Asp:4.9
2、Thr:4.57、Glu:1.16、Gly:
2.06、Val:4.12、Tyr:2.22、Ph
e:(1),Lys:2.91、Pro:0.78、1
/2Cys:非検出であった。
【0058】(実施例4)4−メチルベンズヒドリルア
ミン樹脂(以下、MBHA樹脂という。)の塩酸塩(ア
ミノ基含有量0.5mmol/g樹脂)(株式会社ペプ
チド研究所製)4.95gを、DIEA5%のNMP溶
液40ml中で撹拌しながら1分間中和し洗浄した。こ
の操作をさらに2回繰り返し、MBHA樹脂とした。こ
の樹脂をNMP40mlで1分間洗浄し、洗浄操作をさ
らに2回繰り返した。次いで、NMP14mlに溶かし
たt−ブトキシカルボニル化β−アラニンベンゾトリア
ゾールエステル(以下、Boc−β−Ala−OBtと
いう。)(自家製)4.5mmolを樹脂に加えて、
2.5時間撹拌下で反応させた。この反応液にDIEA
2.5mmolを添加し、さらに20時間反応を続け
た。得られた樹脂をNMP40mlで1分間撹拌下で洗
浄し、その操作をさらに4回繰り返した。無水酢酸20
%およびDIEA10%のNMP40mlで樹脂を10
分間処理し、未反応のアミノ基をアセチル化し、Boc
−β−Ala−MBHA樹脂を得た。
【0059】この樹脂をNMP40mlで1分間洗浄す
る操作を5回繰り返し、さらに塩化メチレン40mlで
1分間洗浄する操作を3回繰り返したのち、トリフルオ
ロ酢酸50%の塩化メチレン溶液60mlで5分処理し
た。トリフルオロ酢酸の塩化メチレン溶液を除去した
後、新たにトリフルオロ酢酸50%の塩化メチレン溶液
60mlを加え20分処理した。得られたH−β−Al
a−MBHA樹脂トリフルオロ酢酸塩を、NMP40m
lで1分間洗浄する操作を3回、NMP40mlで0.
5分洗浄する操作を1回行ったのち、DIEA5%のN
MP溶液40mlで1分間中和する操作を3回繰り返し
た。
【0060】得られたH−β−Ala−MBHA樹脂を
NMP40mlで1分間洗浄する操作を3回繰り返した
のち、この樹脂をS−トリチル化メルカプトプロピオン
酸ベンゾトリアゾールエステル(Trt−S−CH2
2−CO−OBt)(自家製)5.0mmolを溶解
したNMP15mlに混合し、16時間室温で処理し
た。得られたTrt−S−CH2CH2−CO−β−Al
a−MBHA樹脂を、NMP40mlで1分間洗浄する
操作を5回繰り返したのち、無水酢酸20%およびDI
EA10%のNMP溶液20mlで10分間処理し、未
反応のメルカプト基をアセチル化した。NMP40ml
で1分洗浄する操作を5回繰り返しTrt−S−CH2
CH2−CO−β−Ala−MBHA樹脂5.68gを
得た。β−Alaの含有量は、0.40mmol/g樹
脂であった。
【0061】得られたTrt−S−CH2CH2−CO−
β−Ala−MBHA樹脂1.00gを、5%の1,2
−エタンジチオールを含むトリフルオロ酢酸溶液10m
lを用いて5分間処理した後、トリフルオロ酢酸溶液を
除去した。さらに、処理時間を10分間、20分間、3
0分間として同様の処理を順次行った。得られたHS−
CH2CH2−CO−β−Ala−MBHA樹脂を塩化メ
チレン10mlで1分間洗浄する操作を3回、NMP1
0mlで0.5分間、1度洗浄したのち、5%のDIE
Aを含むNMP溶液10mlで1分間洗浄する操作を3
回繰り返した。さらにNMP10mlで1分間洗浄した
のち、Fmoc化グリシンベンゾトリアゾールエステル
(Fmoc−Gly−OBt)2.0mmolをNMP
8mlに溶解させ、室温下14時間反応させた。樹脂を
NMP10mlで1分間洗浄する操作を5回繰り返し、
Fmoc−Gly−S−CH2CH2−CO−β−Ala
−MBHA樹脂1.12gを得た。グリシンの含有量
は、0.30mmol/gであった。
【0062】得られたFmoc−Gly−S−CH2
2−CO−β−Ala−MBHA樹脂をNMP40m
lを用いて室温にて1分間洗浄し、さらに同様にして3
回洗浄した後、次に示す(操作1)〜(操作4)を繰り
返して、ペフチド鎖の伸長操作を行った。この伸張操作
は、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystem
s)社製のペプチド合成機(モデル433)を用いて行
った。Fmoc化アミノ酸は、Phe、Gly、Ph
e、Proの各Fmoc化物を順次用いた。
【0063】(操作1)上記したFmoc−Gly−S
−CH2CH2−CO−β−Ala−MBHA樹脂に、表
2に示されるFmoc基除去試薬溶液(A)4mlを加
えて、撹拌しながら25℃で2.9分間反応させた後、
さらにFmoc基除去試薬溶液(A)4mlを加えて2
5℃で18分間反応させて、Fmoc基を除去してH−
Gly−S−CH2CH2−CO−β−Ala−MBHA
樹脂を調製する。
【0064】(操作2)(操作1)で得られたH−Gl
y−S−CH2CH2−CO−β−Ala−MBHA樹脂
を、NMP4mlを用いて室温にて1分間洗浄し、さら
にNMP4mlを用いて25℃で1分間洗浄する操作を
6回繰り返す。
【0065】(操作3)(操作2)で得られたH−Gl
y−S−CH2CH2−CO−β−Ala−MBHA樹脂
に、次の溶液を加えて25℃で10分間撹拌して反応さ
せる。すなわち、Fmoc化アミノ酸1mmolを、H
OBt0.9mmolとHBTU0.9mmolを含む
2mlのDMF溶液に溶解し、その溶液にさらにDIE
A2mmolを含むNMP溶液1mlを加えてFmoc
化アミノ酸を活性化した後、この溶液を、(操作2)で
得られたH−Gly−S−CH2CH2−CO−β−Al
a−MBHA樹脂に加えて反応させる。得られた樹脂を
NMP4mlを用いて1分間洗浄する操作を6回繰り返
し、さらに無水酢酸0.5mol、DIEA0.125
mol、HOBt0.015molを含むNMP溶液を
5ml加えて5.5分間撹拌し、未反応のアミノ基をア
セチル化したのち、アミノ酸を1個付加したFmoc化
ペプチドチオールエステル樹脂を調製する。
【0066】(操作4)(操作3)で得られたFmoc
化ペプチドチオールエステル樹脂を、NMP4ml用い
て25℃で1分間洗浄する操作を5回繰り返して洗浄す
る。
【0067】(操作1)〜(操作4)を繰り返して、ペ
プチド鎖を伸長させた後、得られたFmoc化ペプチド
チオールエステル樹脂から、上記の(操作1)と同様に
してFmoc基を除去して、次の化学式(18)
【化46】 Pro−Phe−Gly−Phe−Gly−S−CH2CH2−CO−β− Ala−MBHA樹脂 (18) で表されるペプチドチオールエステル樹脂を調製した。
【0068】上記したペプチドチオールエステル樹脂か
ら、環状ペプチドを次のようにして得た。すなわち、ペ
プチドチオールエステル樹脂5.0mgを、チオフェノ
ール5%のNMP溶液0.1mlに室温あるいは加温下
懸濁させ、12時間から48時間撹拌した。得られた粗
環状ペプチドを、逆相HPLC(株式会社ナカライテス
ク製Cosmosil 5C18AR)を用いて精製し
て、次の化学式(19)
【化47】 cyclo−(Pro−Phe−Gly−Phe−Gly) (19) で表される環状ペプチドを、出発物質である樹脂中のグ
リシン含有量を基準にして8.6%の収率で得た。
【0069】得られた環状ペプチドの物性値は次の通り
であった。質量分析の結果、[M+H]+は506.4
(m/z)(計算値:506.2)であった。また、ア
ミノ酸分析値の結果は、Gly:2、Pro:1.0
4、Phe:2.04であった。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本発明のペプチドチオールエステルの製造方法によ
れば、チオールエステル結合を介して樹脂に固定された
アミノ酸のアミノ末端に保護基として結合させたFmo
c基を、特定のFmoc基除去試薬を用いて除去した
後、Fmoc化アミノ酸を付加させ、次いでFmoc基
を除去し、Fmoc化アミノ酸を付加する反応を繰り返
してFmoc化ペプチドチオールエステル樹脂を得、こ
れよりFmoc基を除去して樹脂から取り出すか、樹脂
から取り出した後Fmoc基を除去することによって、
任意のアミノ酸配列を有し、かつ任意のペプチド結合数
を有したペプチドチオールエステルを高精度かつ高純度
で容易に製造することができ、さらに環境汚染を軽減
し、安全に製造することができるという効果を奏する。
また、本発明によって製造したペプチドチオールエステ
ルまたは中間体として得られるFmoc化ペプチドチオ
ールエステルを原料とすることによって、長鎖ペプチ
ド、環状ペプチドなどが極めて容易に合成できることか
ら、これらのペプチドを原料とする種々の医薬品の開発
が容易となるという効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(1) 【化1】H-A1-B-S-X (1) (式中、A1およびBはアミノ酸残基である。またXは
    硫黄原子と結合してチオールエステルを構成する成分で
    ある。)で表されるペプチドチオールエステルの製造方
    法であって、下記の(1)〜(4)の工程からなること
    を特徴とするペプチドチオールエステルの製造方法。 (1)9−フルオレニルメトキシカルボニル化アミノ酸
    誘導体(Fmoc化アミノ酸誘導体)と樹脂とを反応さ
    せることによって、化学式(2) 【化2】Fmoc-B-S-X-樹脂 (2) (式中、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニ
    ル基である。またBおよびXは上記と同じである。そし
    て樹脂は合成樹脂である。)で表されるFmoc化アミ
    ノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工程。 (2)工程(1)で得られたFmoc化アミノ酸チオー
    ルエステル樹脂とFmoc基除去試薬とを反応させるこ
    とによって、化学式(3) 【化3】H-B-S-X-樹脂 (3) (式中、B、Xおよび樹脂は上記と同じである。)で表
    されるアミノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工
    程。 (3)工程(2)で得られたアミノ酸チオールエステル
    樹脂とFmoc化アミノ酸とを反応させることによっ
    て、化学式(4) 【化4】Fmoc-A1-B-S-X-樹脂 (4) (式中、Fmoc、A1、B、Xおよび樹脂は上記と同
    じである。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエ
    ステル樹脂を生成させる工程。 (4)工程(3)で得られたFmoc化ペプチドチオー
    ルエステル樹脂と脱離試薬とを反応させて、化学式
    (5) 【化5】Fmoc-A1-B-S-X (5) (式中、Fmoc、A1、BおよびXは上記と同じであ
    る。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエステル
    を生成させ、続いてFmoc基除去試薬と反応させる
    か、または工程(3)で得られたFmoc化ペプチドチ
    オールエステル樹脂とFmoc基除去試薬とを反応さ
    せ、続いて脱離試薬と反応させることによって、化学式
    (1) 【化6】H-A1-B-S-X (1) (式中、A1、BおよびXは上記と同じである。)で表
    されるペプチドチオールエステルを生成させる工程。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のFmoc基除去試薬が、
    1−メチルピロリジンまたはヘキサメチレンイミンから
    選ばれる1種以上を含むものであることを特徴とする請
    求項1記載のペプチドチオールエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のFmoc基除去試薬が、
    1−メチルピロリジンまたはヘキサメチレンイミンから
    選ばれる1種以上と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
    との混合物であることを特徴とする請求項1記載のペプ
    チドチオールエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 化学式(6) 【化7】 H-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (6) (式中、An、An-1、A2、A1およびBはアミノ酸残基
    である。またXは硫黄原子と結合してチオールエステル
    を構成する成分である。そしてnは正整数である。)で
    表されるペプチドチオールエステルの製造方法であっ
    て、下記の(1)〜(4)の工程からなることを特徴と
    するペプチドチオールエステルの製造方法。 (1)9−フルオレニルメトキシカルボニル化アミノ酸
    誘導体(Fmoc化アミノ酸誘導体)と樹脂とを反応さ
    せることによって、化学式(2) 【化8】Fmoc-B-S-X-樹脂 (2) (式中、Fmocは9−フルオレニルメトキシカルボニ
    ル基である。またBおよびXは上記と同じである。そし
    て樹脂は合成樹脂である。)で表されるFmoc化アミ
    ノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工程。 (2)工程(1)で得られたFmoc化アミノ酸チオー
    ルエステル樹脂とFmoc基除去試薬とを反応させるこ
    とによって、化学式(3) 【化9】H-B-S-X-樹脂 (3) (式中、B、Xおよび樹脂は上記と同じである。)で表
    されるアミノ酸チオールエステル樹脂を生成させる工
    程。 (3)工程(2)で得られたアミノ酸チオールエステル
    樹脂とFmoc化アミノ酸とを反応させることによっ
    て、化学式(4) 【化10】Fmoc-A1-B-S-X-樹脂 (4) (式中、Fmoc、A1、B、Xおよび樹脂は上記と同
    じである。)で表されるFmoc化ペプチドチオールエ
    ステル樹脂を生成させ、該Fmoc化ペプチドチオール
    エステル樹脂について、工程(2)〜工程(3)に準じ
    て、Fmoc基を除去した後、さらにFmoc化アミノ
    酸を付加する操作を(n−1)回繰り返すことによっ
    て、化学式(7) 【化11】 Fmoc-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X-樹脂 (7) (式中、Fmoc、An、An-1、A2、A1、B、X、樹
    脂およびnは上記と同じである。)で表されるFmoc
    化ペプチドチオールエステル樹脂を生成させる工程。 (4)工程(3)で得られたFmoc化ペプチドチオー
    ルエステル樹脂と脱離試薬とを反応させて、化学式
    (8) 【化12】 Fmoc-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (8) (式中、Fmoc、An、An-1、A2、A1、B、Xおよ
    びnは上記と同じである。)で表されるFmoc化ペプ
    チドチオールエステルを生成させ、続いてFmoc基除
    去試薬と反応させるか、または工程(3)で得られたF
    moc化ペプチドチオールエステル樹脂とFmoc基除
    去試薬とを反応させ、続いて脱離試薬と反応させること
    によって、化学式(6) 【化13】 H-An-An-1-・・・-A2-A1-B-S-X (6) (式中、An、An-1、A2、A1、B、Xおよびnは上記
    と同じである。)で表されるペプチドチオールエステル
    を生成させる工程。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のFmoc基除去試薬が、
    1−メチルピロリジンまたはヘキサメチレンイミンから
    選ばれる1種以上を含むものであることを特徴とする請
    求項4記載のペプチドチオールエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のFmoc基除去試薬が、
    1−メチルピロリジンまたはヘキサメチレンイミンから
    選ばれる1種以上と1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
    との混合物であることを特徴とする請求項4記載のペプ
    チドチオールエステルの製造方法。
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