JPH11214911A - ヘリカルトップアンテナの接続方法、および、同接続構造 - Google Patents

ヘリカルトップアンテナの接続方法、および、同接続構造

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JPH11214911A
JPH11214911A JP1588198A JP1588198A JPH11214911A JP H11214911 A JPH11214911 A JP H11214911A JP 1588198 A JP1588198 A JP 1588198A JP 1588198 A JP1588198 A JP 1588198A JP H11214911 A JPH11214911 A JP H11214911A
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antenna
helical
linear
linear antenna
electrical length
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JP1588198A
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Kazuhiko Nakase
一彦 仲瀬
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Sansei Denki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯無線電話機の高周波回路に対して、ヘリ
カルトップ形のアンテナを収納・伸長可能に接続する技
術を改良して、接触導通不良に関するトラブルを無く
し、アンテナの機械的強度を損わず、耐久性および静電
耐圧に優れ、かつ高利得、高感度が得られる。簡単で、
しかも作動が安定で低コストの接続方法および同装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 λ/2ヘリカルアンテナ7bとλ/2線
条アンテナ7aとより成る複合アンテナ7を構成し、上
記λ/2線条アンテナをケース1に対して摺動可能に支
持し、該λ/2線条アンテナに対してλ/4励振器10
を接触・導通させることなく対向させて両者の間に結合
静電容量cを形成させ、かつ、収納状態(B)図におい
てλ/2線条アンテナ7aの下端を、電気的長さλ/4
の導電部材(例えばコイル)21を介してアースする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルトップ方
式のアンナテを無線機のケースに対して伸縮摺動可能に
支承する際、該ヘリカルトップ方式のアンテナを機械的
に支持するとともに、電気的に接続する技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】小形の移動通信機、特に、携帯無線電話
機においては、携帯に便利なようにアンテナが伸縮する
ことが望まれ、さらに、収縮状態においても、着呼の検
知が可能であることを必要とする。すなわち、収納状態
においては、正常な使用状態ほどの感度は無くても良い
が、或る程度の感度を維持していることが要望される。
こうした要請を満たすものとして内蔵アンテナを設ける
技術が公知であるが、該内蔵アンテナと伸縮式アンテナ
とを切り換えるスイッチ手段を設けなければならないこ
とや、内蔵アンテナから放射される高周波が他の実装品
に影響を及ぼさないようにする手段を併設しなければな
らないことや、携帯無線電話機を握った手によって内蔵
アンテナの受信電波を遮らないようにする工夫が必要で
あることの為に、内蔵アンテナの使用は種々の制約を受
ける。
【0003】内蔵アンテナを用いることなく、伸縮式の
アンテナが、収納時にも着呼を検知するための技術とし
て、ヘリカルアンテナと線条アンテナとを直列に接続し
て導通させてなるヘリカルトップ方式のアンテナを用い
ることが公知である。ヘリカルトップアンテナを適用す
れば、収納姿勢においてもヘリカルアンテナ部分を携帯
無線電話機のケース外に突出させておくことにより、着
呼検知が可能である。そして、線条アンテナ部分をケー
ス外へ伸長させることにより、安定した通話が得られる
ようになる。ヘリカルトップ方式のアンテナを携帯無線
電話機のケースに対して伸縮摺動可能に支承するととも
に、該アンテナを携帯無線電話機の高周波回路に対して
電気的に接続するための最近の技術として、特開平6−
196912号公報に開示されたアンテナ、および、米
国特許No5.204.687号(Apr.20.19
93)が公知である。本発明において、導通とは、電気
の導体同士が接触することによってオーム抵抗が少なく
なる、直流的な結合を言う。また電気的接続という時は
上記の導通のみでなく、電磁感応により高周波的に結合
されることも含めた広い意味である。すなわち、(電気
的接続)=(直流的導通)+(高周波的結合)である。
【0004】次に、図5および図6を順次に参照しつ
つ、上記の公知技術を説明する。図5は特開平6−19
6912号に開示された公知のアンテナを示し、(A)
は線条アンテナ部分の大半をケース外に引き出して伸長
させた状態を模式的に描いた垂直断面図、(B)は線条
アンテナ部分をケース内に押し込んで収納してヘリカル
アンテナ部分のみをケース外に突出せしめた状態を模式
的に描いた垂直断面図である。1は携帯式無線電話機の
ケース、2はヘリカルトップ形の複合アンテナである。
上記複合アンテナ2は、電気的長さ1/4波長の線条ア
ンテナ2aの上端に電気的長さ1/4波長のヘリカルア
ンテナ2bを機械的に接続するとともに電気的に導通さ
せてなり、前記のケース1に貫通固着されたスリーブ状
の導通端子3に挿通されている。電気的長さ1/4波長
とは、1/4波長で共振する意であって、以下λ/4と
略記する。後述するλ/2も同様に、1/2波長で共振
する意である。
【0005】上記複合アンテナ2が図5(A)のように
上方へ引き出された伸長姿勢は、通話に使用される正常
使用状態であって、この時、該複合アンテナ2の基端部
を回路基板4に導通させるため、前記λ/4線条アンテ
ナ2aの下端部に、前記スリーブ状導通端子3と密に嵌
合する下方導通部2cが形成されている。また、図5
(B)のように下方へ押し込まれた収納姿勢は携帯時に
使用される状態であって、λ/4ヘリカルアンテナ部分
2bがケース1外に突出しているので着呼検知が可能で
ある。この状態で複合アンテナ2を回路基板4に導通さ
せるため、λ/4線条アンテナ2aの上端部に、前記ス
リーブ状導通端子3と密に嵌合する上方導通部2dが形
成されている。そして、上記の収納姿勢においてλ/4
線条アンテナ2aの下端部を接地する(詳しくは、回路
基板4のアース回路に導通させる)アース接片5が設け
られている。
【0006】前記の米国特許に係るヘリカルトップアン
テナの接続構造は、外見的には上述した図5のアンテナ
に類似しているが、電気的導通状態は基本的に異なる。
図6は米国特許No5,204,687に係るヘリカル
トップ形アンテナの接続構造を示し、(A)は複合アン
テナの線条アンテナ部分を上方に引き出した状態を模式
的に描いてあり、図5に示した公知例の(A)に対応す
る垂直断面図であり、(B)は線条アンテナ部分をケー
ス内に収納した状態を模式的に描いてあり、図5に示し
た公知例の収納状態を描いた(B)に対応する、一部を
破断した垂直断面図である。この図6の構成を、前掲の
図5と対照・比較して差異を考察すると、線条アンテナ
6aとヘリカルアンテナ6cとが電気絶縁体6eを介し
て機械的に接続されており、電気的には導通していな
い。上記電気絶縁体6eの一部は線条アンテナ6aを包
んでいる。複合アンテナ6が図6(A)のように伸長し
たとき、線条アンテナ6aを回路基板4に導通させるた
め、該線条アンテナ6aの下端部に大径の線条アンテナ
導通部6bを形成して、スリーブ状導通端子3と密に嵌
合するようにした構造は前掲の図5におけると類似の構
造である。複合アンテナ6が図6(B)のように収縮し
たとき、ヘリカルアンテナ6cを基板4に導通させるた
め、ヘリカルアンテナ導通部6dが該ヘリカルアンテナ
6cに固着,導通されていて、このヘリカルアンテナ導
通部6dがスリーブ状導通端子3と密に嵌合するように
なっている。この図6(B)の状態で、線条アンテナ6
aはスリーブ状導通端子3に導通していないので、該線
条アンテナ6aを接地する手段(図5のアース接片5に
対応する部材)設けられていない。
【0007】ヘリカルトップ方式の複合アンテナを摺動
可能に支持した構造によって、内蔵アンテナを用いるこ
となく、収納姿勢において着呼の検知を可能ならしめる
とともに、伸長姿勢において良好な受信感度を得るとい
う基本的な技術は公知公用である。しかし乍ら、このヘ
リカルトップ方式の複合アンテナを、どのようにして機
械的に支持し、どのようにして電気的に接続するかによ
って、その特性が変化する。従って、これに携帯式無線
電話機に適用しようとすると、携帯式無線電話機として
要求される種々の特性を、いかにして最大限に満たすか
と技術的な改良,工夫の焦点に浮かび上がってくる。要
請される特性の主なものとしては、 イ.伸長姿勢と収納姿勢との中間的状態においてもアン
テナとして機能すること。 ロ.アンテナの収納・伸長に伴って、電気接点に導通不
良を発生しないこと。 ハ.機械的強度が充分で耐久性に優れていること。 ニ.収納・伸長作動が円滑に行なわれ、操作フィーリン
グが良いこと。 ホ.防水性を有し、アンテナの摺動部からケース内へ雨
水が浸入しないこと。 ヘ.静電耐圧性に優れていること。 ト.なるべく高い利得が得られること。 チ.製造コストが安価であること。 が挙げられる。これらの全項目を完全に満たすことは、
現実の問題として恐らく不可能に近いほど困難であろう
と考えられるが、携帯無線電話機のアンテナ関係の技術
者は、可能な限り多くの項目について、少しでもより完
全に近い特性を得ようとして試験,研究を重ねている。
先に従来技術として述べた二つの公知発明は、それぞれ
の長所を有しているが、また、それぞれの短所も有して
いる。
【0008】携帯無線電話機の総合開発に当たる技術者
は、各方式の長短を理解した上で、開発しようといてい
る携帯無線電話機の仕様や使用条件に適した方式を選択
することになる。従って、アンテナ関係の開発技術者と
しては、未だ万全ではなくても、前記二つの公知発明に
比して長所を異にする方式を創作すれば、それだけでも
携帯無線電話機産業の発達に寄与し得る。もちろん、よ
り多くの要請項目について、より完全に近い特性を得る
ように努力することが、社会的要請に応えるための、ア
ンテナ技術者として責務である。先に述べた公知の二つ
の発明は、それぞれ技術的進歩の先駆的な創作として高
い価値を有するものであるが、更に改善の余地を探求す
るため、前記イ〜チの各項目について上記2発明の特性
を考察すると次のごとくである。
【0009】イ.中間状態のアンテナ性能について、 図5に示した特開平6−196912号公報に開示され
た発明(以下、図5の発明と略称する)も、米国特許N
o5,204,687号(以下、図6の発明と略称す
る)も、それぞれ、伸長時(A)図と収納時(B)図と
において、スリーブ状導通端子3と電気的に導通する構
造であり、伸長・収納の中間状態では導通が遮断される
(詳しくは、図5の発明では導通が極めて不安定とな
り、図6の発明では全く絶縁される)。このため、伸長
・収納の中間状態ではアンテナとして機能し得ない。 ロ.導通不良の虞れについて、 図5の発明も、図6の発明も、(A)図の伸長状態と
(B)図の収納状態との導通切り換えが、スリーブ状導
通端子3に対する機械的な接触による導通に依存してい
るので、発錆や異物噛み込みによる導通不良の絶無を期
し難い。 ハ.機械的強度について、 図6の発明に係る複合アンテナ6は、ヘリカルアンテナ
導通部6dと線条アンテナ6aとを電気絶縁体6eを介
して機械的に接続しているので機械的強度が充分ではな
く、特に、曲げ外力を受けたとき折損し易い。また、図
5の発明においては、伸長・収納の中間状態において、
スリーブ状導通端子3と線条アンテナ2aとの嵌合に大
きい遊隙を生じてガタつくので、取扱いが余程慎重では
ないと損傷を被り易い。 ニ.操作フィーリングについて、 図5の発明においては、伸長・収納の中間状態において
先に述べたようにガタつくので操作フィーリングが良く
ない。図6の発明においても、スリーブ状導通端子3と
線条アンテナ導通部6bとを確実に導通させ、スリーブ
状導通端子3とヘリカルアンテナ導通部6dとを確実に
導通させようとすると、該部の嵌合を密にしなければな
らないので、操作フィーリングがスムーズでなくなる。
また、導通を確実ならしめるためスリーブ状導通端子3
に強いバネ片を付設すると、構造が複雑になって、製造
コストを増加させるとか、バネのヘタリという問題を生
じるとかいった新たな問題を派生する。 ホ.防水性について、 図5の発明は、伸長姿勢(A図)と収納姿勢(B)図と
の中間状態で、スリーブ状導通端子3と線条アンテナ2
aとの間隙からの浸水を遮るものが無く、防水性は皆無
である。図6の発明においては、複合アンテナ2の伸長
・収納操作に際して引き出し・押し込みの摺動を可能な
らしめるため、スリーブ状導通端子3との間に適度のク
リアランスを必要とし、外部の水(例えば雨滴など)が
浸入することは防止できない。 ヘ.静電耐圧性について、 図6の発明は電気絶縁体6eが設けられているので、ス
リーブ状導通端子3を絶縁物で覆うことによって静電耐
圧をとることができるが、構造上工夫が必要である。 ト.利得について、 ヘリカルアンテナの電気的長さがλ/4であり、線条ア
ンテナの電気的長さもλ/4であるから、機械的な形状
を小形に構成できる利点は有るが、利得を上げることに
ついては限界がある。
【0010】そこで、上述の事情に鑑みて、(イ)伸長
姿勢と中間姿勢との中間状態においてアンテナとして機
能し、(ロ)電気接点の導通不良というトラブルを発生
する虞れが無く、(ハ)機械的強度が大で耐久性に優
れ、(ニ)伸長・収納作動が円滑で操作フィーリングが
良く、(ホ)防水構造をとるに適しており、(ヘ)静電
耐圧性に優れ、(ト)高利得が得られる、簡単で低コス
トの、ヘリカルトップアンテナ接続方法として(図7参
照)、電気的長さが約1/2波長である線条アンテナの
片方の端に、電気的長さ約1/2のヘリカルアンテナを
接続し、機械的に直接接触させるとともに電気的に導通
せしめてヘリカルトップ形の複合アンテナ素子を形成
し、上記ヘリカルアンテナをケース外に位置せしめて、
線条アンテナをケースの壁に貫通せしめて摺動可能に支
承し、前記の線条アンテナを高周波回路に対して機械的
に直接接触させることなく、電気的にも導通させずに対
向せしめて、静電容量を介して電磁的に結合し、かつ、
上記線条アンテナが高周波回路に対して容量結合されて
いる個所から、「線条アンテナにヘリカルアンテナが接
続された片方」の反対方向を見たとき、インピーダンス
がアンテナ側のインピーダンスよりも格段に高くなる手
段を設けることが有効である。
【0011】上記のヘリカルトップアンテナの接続方法
を実施する場合に推奨される態様として、前記の複合ア
ンテナ素子をケース内へ押し込む方向に摺動させると
き、前記線条アンテナが高周波回路に対して容量結合さ
れている個所よりも「ヘリカルアンテナに接続されてい
ない方の側」を、導電性の管もしくは導電性の環の中に
浸入させるとともに、上記の管もしくは環を接地して、
上記のヘリカルアンテナに接続されていない方の側のイ
ンピーダンスをアンテナ側のインピーダンスよりも格段
に高くなるように増加そせることにより、該部を回路的
に切り離して、高周波回路への影響を防止することが望
ましい。上記の接続方法は、本発明者が創作し、本出願
人によって別途出願中の発明(特開平8−237016
号)であって、以下、先願の発明という。
【0012】上記先願の発明方法を実施するための、先
願に係るヘリカルトップアンテナの接続構造は、無線機
の高周波回路を収納したケースにヘリカルトップ方式の
アンテナを取り付けて、該アンテナを機械的に支持する
とともに、該アンテナを高周波回路に対して電気的に接
続する構造において、電気的長さが約1/2波長である
線条アンテナの片方の端に、電気的長さ約1/2のヘリ
カルアンテナが接続されてヘリカルトップ形の複合アン
テナ素子が形成されており、上記ヘリカルアンテナをケ
ース外に位置せしめて、線条アンテナがケースの壁を貫
通して摺動可能に支承されており、前記の線条アンテナ
が高周波回路に対して機械的に直接接触されることな
く、電気的にも導通されずに対向していて、静電容量を
介して電磁的に結合され、かつ、上記線条アンテナが高
周波回路に対して容量結合されている個所から、「線条
アンテナにヘリカルアンテナが接続された片方」の反対
方向を見たとき、インピーダンスがアンテナ側のインピ
ーダンスよりも格段に高くなる手段が設けられている。
【0013】図7は先願の発明に係るヘリカルトップア
ンテナの接続方法を実施するために構成した接続構造の
1実施例を示し、(A)は複合アンテナをケース外に引
き出して通常の通話状態とした伸長姿勢における模式的
な断面図、(B)は上記複合アンテナの線条アンテナ部
分をケース内に押し込んで、ヘリカルアンテナ部分をケ
ース外に突出させた収納姿勢における模式的な断面図で
ある。1はケースであって、その中に高周波回路を形成
した回路基板4が設置されている。7はヘリカルトップ
形の複合アンテナ素子であって、電気的長さλ/2の線
条アンテナ7aの片方の端に、電気的長さλ/2のヘリ
カルアンテナ7bが固着,導通されている。本図7
(A)は、携帯無線電話機の通常の操作状態を描いてあ
る。同図(B)は携行状態であるから、上下,左右の姿
勢は定まらない。しかし、説明の便宜上、(A)図の姿
勢および(B)図に示した姿勢における上方を「上」と
呼び、図の下方を「下」と呼ぶことにする。従って、前
記λ/2ヘリカルアンテナ7bは、λ/2線条アンテナ
7aの上端に固着,導通されていることになる。
【0014】上記線条アンテナ7aを上下方向の摺動自
在に支承する合成樹脂製のガイドスリーブ8が、前記ケ
ース1の頂壁を貫通して固着されるとともに、該ガイド
スリーブ8の中に防水用のOリングが取り付けられてい
る。前記複合アンテナ素子7の線条アンテナ7aが上記
Oリングと密に嵌合して挿通されており、これによって
防水機能が果たされ、かつ、複合アンテナ素子7の上下
摺動に適度の摩擦抵抗が与えられて操作フィーリングが
良くなるとともに、伸長状態の複合アンテナ素子7がそ
の位置を保持し、意識的に押し込まない限り通常の取扱
いによっては収縮する虞れが無い。前記の複合アンテナ
素子7は上下に移動するが、その上下動ストロークの全
域にわたってλ/2線条アンテナ7aと対向するように
位置せしめて、かつ、該線条アンテナと接触して導通し
ないように離間させて、λ/4で共振する励振器10が
設置されている。本実施例のλ/4励振器10は、当該
携帯無線電話機の高周波回路が設けられている回路基板
4の上にジグザグ形に形成されている。図8は上掲の図
7に示した実施例について、該図7に描かれた部分の周
辺を含めて模式的に描いた斜視図である。ただし、図面
を簡潔ならしめるため適宜の省略図法を用いて描いてあ
る。図8に示した12は無線機本体を構成している高周
波ユニットであって、シールドケース14で覆われて隠
れている高周波回路が、回路基板4上に形成されてい
る。上記回路基板4の片面に、前記高周波ユニット12
の地板12bが成層されているが、この地板12bは回
路基板4の全面を覆っていない。地板12bが設けられ
ていない区域に、前記のλ/4励振器10が、ジグザグ
形の導通パターンとして形成されている。そして、上記
λ/4励振器10の開放端10aが、λ/2線条アンテ
ナ7aに対向・離間して静電結合容量cが形成されてい
る。
【0015】上記の結合静電容量cを介して、複合アン
テナ素子7は、伸長状態(図7(A)参照)においても
収納状態(図7(B)参照)においても、またこれらの
中間の状態においても、高周波ユニット12に対して電
磁誘導的に接続されて、アンテナとして機能し、特に、
伸長状態(図7(A)参照)においては最大利得とな
る。さらに、前記複合アンテナ素子7は、λ/4励振器
10に対して直流的には導通することなく絶縁されてい
るので、基本的構造上、静電耐圧が確保されている。前
記の結合静電容量cの値は、設計計算によって所望のご
とく設定することもでき、実験的に測定したり、増減調
節することもできる。この値を臨界結合状態に調整する
と優れたアンテナ特性が得られ、特に、複合アンテナ素
子7を図7(B)に示した収納状態にしたときも、伸長
状態(A図)に近い利得が得られる。図7(A),
(B)に示されているように、ガイドスリーブ8と同心
に揃えて、その下方に金属管11が設置されていて、
(B)図に示した収納姿勢になるとき複合アンテナ素子
7の線条アンテナ7aが該金属管11に接触・導通しな
いように収納される。収納されたλ/2線条アンテナ7
aが金属管11に接触して導通しないよう、本実施例に
おいては該金属管11内に電気絶縁性材料で形成された
絶縁管12が嵌着されている。
【0016】以上に説明した先願の発明によると、 イ)複合アンテナが高周波回路に対して容量結合されて
いるので、該複合アンテナが伸長・収納の中間状態であ
っても容量結合が維持されて、アンテナとしての機能を
果たし、 ロ)上記のごとく容量結合されていて電気的に導通・絶
縁を切り換える接点部分を有していないので、接触不完
全に因る導通不良というトラブルを発生する虞れが無
く、 ハ)複合アンテナを金属材料で一体的に構成することが
でき、複数個の金属部材を絶縁材料で結合する構造を採
らないので機械的強度が大きく、耐久性に優れ、 ニ)前記のように複合アンテナが高周波回路に対して容
量結合されており、金属性部材が強く摩擦しながら摺動
する導通部を設ける必要が無いので、該複合アンテナの
伸長・収納作動が円滑であり、操作のフィーリングが良
いため商品価値が高く、 ホ)複合アンテナと、ケースに固定された接点部材との
接触・導通をとる必要が無いので、例えばOリングなど
の防水部材を装着することが制約を受けず、防水構造を
とるに適しており、 ヘ)前述のごとく、複合アンテナが高周波回路に対して
容量結合されていて直流的には絶縁されていないので静
電耐圧性に優れ、 ト)λ/2ヘリカルアンテナとλ/2線条アンテナとが
直列に接続されているので、アンテナ伸長時,収納時と
もに1/2波長で動作する。これにより利得を規格最大
にすることができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、図7を参
照して以上に説明した先願の発明を出願した後、その製
造,供給を進めつつ、更に実用的効果拡大のための試験
研究を推進したところ、ユーザーから好評を得て所期の
効果を奏し得たことが確認されるとともに、なお一層の
改良の余地があることを発見した。すなわち、図7
(B)の収納状態においてλ/2ヘリカルアンテナ7b
を高利得で有効に作動させるため、λ/2線条アンテナ
7aの上端部付近(詳しくは、励振器10に対向してい
る箇所)から下方を見たときのインピーダンスを極度に
大きくするため、この先願発明は該線条アンテナ7aを
金属管11の中へ、接触させることなく挿入するように
構成されている。この場合、前記λ/2線条アンテナ7
aを金属管11に接触,導通させては所期の目的(収納
時の高利得送受信)が達成されないので、本図7の実施
例においては金属管11と絶縁管12とを2重管状に配
置して、該絶縁管12の中に線条アンテナ7aを挿入す
るように構成されている。上述のように金属管11と絶
縁管12とを2重管状に配列するという構造は複雑であ
るから、為し得べくんば金属管11を省略して、なおか
つ先願の発明に係る効果を維持することが望まれる。こ
うした問題点について「たかが1本の金属管…」と軽視
することはできず、携帯無線電話機の改良傾向が、より
小さくより軽くを狙って1ミリメートルの寸法短縮,1
グラムの重量軽減を争っている現実を惟なければならな
い。1個の携帯無線電話機をグラム単位で軽量化するに
は、それぞれの構成機器類(例えばアンテナ,ボタンス
イッチ,回路基板,など)は、ミリグラム単位の軽減に
努力しなければならなくなっている。本発明は上述の事
情に鑑みて為されたものであって、先に述べた先願の発
明をさらに改良して、その特有の効果であるところの
(先に詳述したイ〜ト項)、 イ)伸長・収納の中間状態におけるアンテナ機能維持、 ロ)接触不完全に因る導通不良トラブルの解消、 ハ)機械的強度,耐久性の保持、 ニ)良好な操作フィーリング、 ホ)防水適性、 ヘ)静電耐圧性、 ト)伸長時も収納時もλ/2で共振して高利得、 を損うことなく、しかも、アンテナ収納時において線条
アンテナを挿入する金属管を設ける必要の無い、ヘリカ
ルトップアンテナの接続方法、および、同接続構造を提
供し、併せて、収納時におけるアンテナ機能の安定性を
向上させることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記の目的(先願発明の
効果を損わず金属管を省略し、かつ、アンテナ機能を安
定させる)を達成するために創作した本発明は、 a.先願の発明における広義の基本的原理はこれを踏襲
し、 b.先願の発明における具体的な方法、および具体的な
構造の一部(ただし、極めて重要な部分)を改良した。
すなわち、(図7(B)参照)λ/2ヘリカルアンテナ
7bの下方にλ/2線条アンテナ7aを機械的かつ電気
的に接続して複合アンテナ素子7を構成すること、およ
び、上記λ/2線条アンテナ7aをケース1に対して上
下方向の摺動自在に支承すること、並びに、上記λ/2
線条アンテナを、高周波回路に対して、結合静電容量c
を介して容量結合すること、は踏襲する。先願の発明に
おいては、収納状態(図7(B))においてλ/2ヘリ
カルアンテナ7bを良好に作動させるため、λ/2線条
アンテナ7bの上端付近から下方を見たときのインピー
ダンスを非常に大きくすることが必要であり、上記のイ
ンピーダンス増大の手段として、該λ/2線条アンテナ
を金属管11の中に挿入した。本発明においては上記の
インピーダンスを増大させるための手段として(その1
実施形態に対応する図4(A)参照)、収納状態のλ/
2線条アンテナ7aの下端を、電気的長さλ/4の導電
部材(例えばλ/4パターン23)を介して接地する。
これにより、アンテナ上の電圧分布は同図(B)のよう
になり、λ/2線条アンテナ7aの上端部から下方を見
たとき、電圧最大・電流ゼロ、すなわちインピーダンス
無限大となり、該λ/2線条アンテナ7aを金属管の中
へ挿入することなく、これを高周波回路25から電気的
に切り離して、λ/2ヘリカルアンテナ7bを有効に作
動せしめることができる。
【0019】以上に説明した原理に基づいて、請求項1
に係る発明方法の構成は、無線機の高周波回路を収納し
たケースにヘリカルトップ方式のアンテナを取り付け
て、該アンテナを機械的に支持するとともに、該アンテ
ナを高周波回路に対して電気的に接続する方法におい
て、電気的長さが約1/2波長である線条アンテナの片
方の端に、電気的長さ約1/2波長のヘリカルアンテナ
を接続し、機械的に直流接触させるとともに電気的に導
通せしめてヘリカルトップ形の複合アンテナ素子を形成
し、上記ヘリカルアンテナをケース外に位置せしめて、
線条アンテナをケースの壁に貫通せしめて摺動可能に支
承し、前記の線条アンテナを高周波回路に対して機械的
に直接接触せしめることなく、電気的にも導通させずに
対向せしめて、静電容量を介して電磁的に結合し、か
つ、前記複合アンテナ素子の線条アンテナをケース内へ
収納する方向に摺動せしめてストロークエンドに達した
状態で、前記線条アンテナの他方の端付近を、電気的長
さ約1/4波長の導電体を介して接地することを特徴と
する。以上に説明した請求項1の発明方法によると、ヘ
リカルトップ形の複合アンテナ素子を構成しているλ/
2ヘリカルアンテナをケース外に突出せしめてλ/2線
条アンテナをケース内に収納したとき、該λ/2線条ア
ンテナの下端が電気的長さλ/4の導電性部材を介して
接地される。このため、前記λ/2線条アンテナの上端
部から下方を見たとき、該線条アンテナ自体の電気的長
さλ/2と、これに直列に接続された導電性部材の、電
気的長さλ/4とが合計された、3λ/4の電気的長さ
の導体を介して接地される。この接地条件だけでは所期
の目的を達成するために充分な構成ではないが、該λ/
2線条アンテナの上端部付近が高周波回路に対して静電
容量結合されるとともに、該λ/2線条アンテナの上端
にλ/2ヘリカルアンテナが接続されているという構成
との相互作用によって、この収納状態におけるλ/2ヘ
リカルアンテナが最大利得でアンテナ機能を果たす。し
かも、その作動状態が該λ/2線条アンテナを金属管も
しくは金属管内に挿入した場合(これは先願の発明に係
る構成である)に比して安定である。上述のごとくλ/
2線条アンテナの下端部を、λ/4の導電性部材を経由
しないで、直接的に接地しても、該λ/2線条アンテナ
の上端部から下方を見たときのインピーダンスが著しく
増大するが、このように直接接地すると該λ/2線条ア
ンテナの上端部が高周波回路に対して容量結合しなくな
る。こうした現象から明らかなように、収納状態におけ
るλ/2線条アンテナの下端部を「電気的長さλ/4の
導電性部材」を介して接地するという構成は、本発明の
目的を達成するために欠くことのできない事項であり、
本請求項1の発明は上記「電気的長さλ/4の導電性部
材を介して接地する」という構成の創作により、初めて
前述の効果を奏したものである。前述した請求項1の発
明方法においては、ヘリカルトップアンテナの線条アン
テナ部分を摺動可能に支持するので、先願の発明におけ
ると同様に防水構造を採るに適しており、かつ、操作フ
ィーリングが良くて取扱い易いために商品価値が高く、
ヘリカルアンテナと線条アンテナとを機械的に直接接触
せしめて連結するので先願の発明におけると同様に機械
的強度が大で、外力を受けても折損しにくくて耐久性に
優れ、線条アンテナが高周波回路に対して容量結合され
るので、先願の発明におけると同様に、接触不完全に因
る導通不良や、ゴミの噛み込みによるトラブルを生じる
虞れが無く、その上、伸長状態と収納状態との中間的状
態においてもアンテナとして機能することができ、か
つ、静電耐圧性に優れ、線条アンテナもヘリカルアンテ
ナも、電気的長さがλ/2であるから、先願の発明にお
けると同様に、伸長時にはλで共振するヘリカルトップ
形複合アンテナとして、また収納時にはλ/2で共振す
るヘリカルアンテナとして、高利得でアンテナ機能を果
たす。以上を総合して、先願の発明に係る効果を損うこ
となく、先願の発明における金属管を省略することがで
き、かつ、収納時において先願の発明よりも安定したア
ンテナ機能が得られる。
【0020】請求項2に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記線条アンテ
ナの他方の端付近を、電気的長さ約1/4波長のコイル
を介して接地することを特徴とする。以上に説明した請
求項2の発明方法によると、請求項1の発明における
「電気的長さ約1/4波長の導電体」をコイル形状に構
成するので、任意形式のコイル(例えばソレノイドコイ
ル,スパイダーコイルなど)を適宜に選定して、該1/
4波長の導電体の機械的外形寸法をλ/4よりも著しく
短縮することができ、もしくは著しく薄形に構成するこ
とができるので、携帯式無線電話機のケース内部の狭隘
な空間に収納することができ、携帯式無線電話機ケース
の形状,寸法をコンパクトならしめ得る。
【0021】請求項3に係る発明方法の構成は、前記請
求項1の発明方法の構成要件に加えて、基板上に、電気
的長さ約1/4波長の非直線形状の導通パターンを構成
し、上記導通パターンを介して、前記線条アンテナの他
方の端付近を接地することを特徴とする。以上に説明し
た請求項3の発明方法によると、非直線形状のλ/4導
通パターンの機械的外形寸法はλ/4よりも短い。その
上、基板上に構成された導通パターンの厚さ寸法は、基
板の厚さを含めてもミリメートル単位に薄くすることが
できるので、携帯式無線電話機ケース内の狭隘なスペー
スに収納することができ、該携帯式無線電話機全体をコ
ンパクトならしめ得る。さらに、基板上に構成される導
通パターンは大量生産に適し、多数の導通パターンを均
一な品質で、しかも高精度に、安価に構成することがで
き、外力を受けても電気的長さが変わるような変形を生
じにくく、耐久性、および信頼性に優れている。
【0022】請求項4に係る発明方法の構成は、前記請
求項1〜3の発明方法の構成要件に加えて、給電線とア
ンテナとを整合せしめるとともに結合せしめる機能を有
し、かつ、それ自体は放射作用を目的としない、電気的
長さ1/4波長の励振機を構成し、上記励振器の片方の
端を高周波回路の出力端に接続するとともに、該励振器
の他方の端を前記線条アンテナに対向,離間せしめて静
電容量結合せしめることを特徴とする。以上に説明した
請求項4の発明方法によると、高周波回路の出力端に接
続されたλ/4励振器の開放端がλ/2線条アンテナに
対して容量結合されるので、該励振器がλ/4で共振し
て、伸長状態においては「λ/2ヘリカルアンテナとλ
/2線条アンテナとより成るヘリカルトップ形の複合ア
ンテナ素子をして、高利得,かつ広帯域性をもって同調
作動させるとともに、収納状態においてはλ/2ヘリカ
ルアンテナをして、高利得,かつ広帯域性をもって同調
作動させて、請求項1の発明方法による効果を助長す
る。
【0023】請求項5に係る発明方法の構成は、前記請
求項4の発明方法の構成要件に加えて、前記励振器の他
方の端と線条アンテナとが対向している箇所付近の形
状,寸法、および、上記両者の間に存在する誘電体の材
質を調節して、前記の静電容量結合を臨界結合状態なら
しめることを特徴とする。以上に説明した請求項5の発
明方法によると、前記の静電容量結合を臨界結合状態な
らしめることによってアンテナ利得が最も高い状態とな
り、かつ、広い同調帯域が得られる。この効果をして実
益あらしめるためには、工業生産における再現性を必要
とするが、本請求項5を適用して「励振器と線条アンテ
ナとの対向部分」の静電容量値を調整すると、該部の形
状,寸法と誘電率とを一定ならしめるように製造工程を
管理して同一品質(同一静電容量値)の再現性が確保さ
れる。その上、アンテナを伸長,収納するために摺動さ
せても、上記の静電容量値は変化せず、臨界結合状態が
維持され、伸長姿勢においても収納姿勢においても良好
なアンテナ特性が得られる。
【0024】請求項6に係る発明構造の構成は、無線機
の高周波回路を収納したケースにヘリカルトップ方式の
アンテナを取り付けて、該アンテナを機械的に支持する
とともに、該アンテナを高周波回路に対して電気的に接
続する構造において、電気的長さが約1/2波長である
線条アンテナの片方の端に、電気的長さ約1/2のヘリ
カルアンテナが接続されてヘリカルトップ形の複合アン
テナ素子が形成されており、上記ヘリカルアンテナをケ
ース外に位置せしめて、線条アンテナがケースの壁を貫
通して摺動可能に支承されており、前記の線条アンテナ
が高周波回路に対して機械的に直接接触されることな
く、電気的にも導通されずに対向していて、静電容量を
介して電磁的に結合され、かつ、前記線条アンテナの片
方の端付近が高周波回路に容量結合された状態で該線条
アンテナの他方の端付近に接触導通する電気的な接点部
材と、上記電気的な接点部材とアースとの間に介装接続
された、電気的長さ約1/4波長の導電性の部材と、を
具備していることを特徴とする。以上に説明した請求項
6の発明構造によると、ヘリカルアンテナと線条アンテ
ナとが機械的・電気的に接続されて成るヘリカルトップ
形の複合アンテナ素子が収納位置となったとき、ヘリカ
ルアンテナがケース外に突出するとともに、λ/2線条
アンテナの下端がλ/4導電部材を介してアースされ
る。この状態で線条アンテナの上端部付近である容量結
合箇所から下方を見ると、該線条アンテナ自体の電気的
長さλ/2と、λ/4導電部材とが直列に接続されて成
るところの電気的長さ3λ/4を経て接地されるので、
上記容量結合箇所から下方を見たときのインピーダンス
は、先願発明におけるが如き金属管の設置を要せずして
非常に大きくなる。これにより、λ/2線条アンテナが
高周波回路から電気的に切り離され、該高周波回路に対
してλ/2ヘリカルアンテナが容量結合されて高周波の
送受信が高利得で、かつ安定した状態で行なわれる。し
かも、本請求項6の構造においては、ヘリカルアンテナ
と線条アンテナとが電気絶縁性の部材を介在せしめるこ
となく直接に接触せしめられて接続されているのて、先
願の発明におけると同様に機械的に丈夫であり、曲げ外
力を受けても接続部で容易に折損する虞れが無く、耐久
性、信頼性に優れている。その上、線条アンテナ部分が
ケースの壁を貫通して摺動可能に支持される構造である
から、この貫通箇所に防水部材を併設することが容易で
あり、かつ摺動操作フィーリングが良い。
【0025】さらに、前記線条アンテナが高周波回路に
対して直流的に接触導通することなく容量結合されてい
るので、先願発明におけると同様に静電耐圧性に優れて
おり、先願発明におけると同様に、接触不完全に因る導
通不良のトラブルを生じる虞れが無い。しかも、伸長・
収納操作の途中においても前記の容量結合が維持される
ので、先願の発明におけると同様に、伸長・収納操作の
途中の状態においてもアンテナとしての機能が保たれ
る。そして、前記ヘリカルトップアンテナがλ/2ヘリ
カルアンテナとλ/2線条アンテナとによって構成され
ているので、伸長姿勢においてはλで共振し、収納姿勢
ではλ/2で共振して、高利得で、同調周波数帯域が広
く、かつ作動が安定している。以上に説明した請求項6
に係る作用効果が総合されて、先願の発明の効果を損う
ことなく、先願の発明における金属管を省略することが
でき、かつ安定したアンテナ機能を得ることが可能とな
る。
【0026】請求項7に係る発明構造の構成は、前記請
求項6の発明構造の構成要件に加えて、前記の電気的な
接点部材とアースとの間に、電気的長さ約1/4波長の
コイルが接続されていることを特徴とする。以上に説明
した請求項7の発明構造によると、電気的長さ1/4波
長のコイルの機械的な外形寸法は1/4波長よりも短い
ので、携帯式無線電話機をコンパクトに構成することが
できる。その上、コイルを工業的に大量生産する場合
に、その形状,寸法を規制すれば、その電気的性能が均
一に管理され、製品品質の均一性維持が容易である。
【0027】請求項8に係る発明構造の構成は、前記請
求項6の発明構造の構成要件に加えて、基板上に、電気
的長さ約1/4波長のジグザグ形導通パターンが形成さ
れるとともに、上記ジグザグ形導通パターンの片方の端
が前記接点部材に、他方の端がアースに、それぞれ接続
導通されていることを特徴とする。以上に説明した請求
項8の発明構造によると、線条アンテナの下端をアース
に落とすためのλ/4導通部材がジグザグ形の導通パタ
ーンで構成されるので、該導通パターンの外形寸法が、
基板を含めても小形かつ薄形に構成され、携帯式無線電
話機をコンパクトに構成することができる。その上、基
板上の導通パターンより成る導通部材は工業的大量生産
に適し、高精度の導通部材を、均一な品質で、安価に構
成することができ、しかも、導通パターンは基板に密着
して該基板によって保護され補強されているので、通常
の取扱で外力を受けても、電気的長さが変わるような変
形を生じる虞れが無く、作動信頼性が高い。
【0028】請求項9に係る発明構造の構成は、前記請
求項6〜8の発明構造の構成要件に加えて、電気的長さ
約1/4波長の励振器が設けられていて、上記励振器の
片方の端が高周波回路の出力端に接続導通されるととも
に、該励振器の他方の端が線条アンテナに対向・離間し
て静電容量を形成していることを特徴とする。以上に説
明した請求項9の発明構造によると、λ/2ヘリカルア
ンテナとλ/2線条アンテナとよりなる複合アンテナ素
子が、高周波回路に対してλ/4励振器を介して静電容
量結合されるので、該複合アンテナが伸長姿勢において
も収納姿勢においても、高周波回路に対して良好な状態
で整合され、高利得かつ広帯域性のアンテナ機能を果た
す。
【0029】請求項10に係る発明構造の構成は、前記
請求項9の発明構造の構成要件に加えて、前記の静電容
量が、複合アンテナ素子と励振器とを臨界結合せしめる
容量値になっていることを特徴とする。以上に説明した
請求項10の発明構造によると、複合アンテナ素子が、
最大限の高利得でアンテナ機能を果たし、しかも同調周
波数帯域が広く、携帯式無線電話機用のアンテナ装置と
して好適である。
【0030】請求項11に係る発明構造の構成は、前記
請求項6〜10の発明構造の構成要件に加えて、前記ケ
ース内に固定的に設置されるとともに、線条アンテナに
外嵌する電気絶縁性の案内管が設けられ、かつ、前記の
電気的な接点部材が上記案内管に装着されていて、前記
線条アンテナがケース内に収納される方向に摺動する
際、該線条アンテナの前記他方の端部が案内管内周面に
より案内されて、前記接点部材を接触する位置に誘導さ
れるようになっていることを特徴とする。以上に説明し
た請求項11の発明構造によると、複合アンテナ素子の
線条アンテナ部分がケース内へ押し込まれて収納される
際、該線条アンテナの下端が案内管によって機械的に誘
導されて確実に接点部材に接触して電気的に導通され、
λ/4導電性部材を介してアースされるので、収納時に
おけるλ/2ヘリカルアンテナの機能が確実に発揮され
る。上記の案内管は電気絶縁性材料で構成されているの
で、複合アンテナ素子の電気的な作用に対して別段の影
響を及ぼす虞れが無い。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るヘリカルト
ップアンテナの接続方法を実施するために構成したヘリ
カルトップアンテナ接続構造の1実施形態を示し、
(A)は伸長状態を描いた断面図,(B)は収納状態を
描いた断面図である。図2は、上掲の図1に示したヘリ
カルトップアンテナ接続構造の1実施形態を示す模式的
な斜視図である。本発明は、先に述べたように先願の発
明の改良発明であって、本発明に係る図1(A),
(B)はそれぞれ先願発明を描いた図7(A),(B)
に対応しており、本発明に係る図2は先願の発明を描い
た図8に対応している。次に、図1と図7とを比較対照
しつつ、図1が図7に比して異なる点、すなわち、本発
明を適用して改良した事項を抽出して説明すると、先願
の発明(図7)において欠くことの出来なかった金属管
11は、これを設けていない。本発明(図1)における
案内管24は、先願発明(図7)における絶縁管12に
類似する構成部材であるが、本発明における案内管24
は、それ自体は別段の電気的機能を果たさず、線条アン
テナ7aの下降動を案内するための機械的な役目を持っ
ている部材であって、該案内管24の下端部に電気接片
20が装着されている。線条アンテナ7aがストローク
エンドまで下降動すると、その下端部が上記電気接片2
0に接触して導通するようになっている。上記電気接片
20とアースとの間に、電気的長さλ/4の導電性部材
(本実施形態においては電気的長さλ/4のコイル2
1)が介装接続されている。
【0032】図3は、本発明に係るヘリカルトップアン
テナの接続構造における2例の実施形態を示す模式的な
部分断面詳細図であって、(A)はλ/4導電体として
コイルを用いた場合を、(B)同じく基板上の導通パタ
ーンを用いた場合を、それぞれ描いてある。(図3
(A)参照)λ/2線条アンテナ7aの下端に、接点部
7cが形成されるとともに、案内管24の下端部の内側
に電気接片20が装着されている。上記電気接片20
は、電気的長さλ/4のコイル21を介してアースされ
ている。これにより、λ/2線条アンテナ7aがストロ
ークエンドまで下降して収納されたとき、その下端が電
気的長さλ/2の導電体であるλ/4コイル21を介し
て接地される。この実施形態におけるコイルは、各種形
式のコイルの中で適宜形式のものを選定して用いること
ができる。図3(B)の実施形態においては、小形基板
22上に非直線形状(本例ではジグザグ形)のλ/4パ
ターン23が形成され、このλ/4パターン23がλ/
4導体として用いられている。コイル形状もしくはジグ
ザグ形状の導電部材は、その機械的な外形寸法が、電気
的長さよりも短いので、携帯式無線電話機のケースをコ
ンパクトならしめることができる。
【0033】再度、図1(本発明)を図7(先願発明)
と比較対照して考察すると、伸長状態を表した(A)図
においては、金属管11を具備しているかいないかの違
いは有るが、λ/2線条アンテナ7aが上昇して金属管
11から離間しているので、該金属管11の有無は電気
的な機能に影響を及ぼさない。従って、(A)図に表さ
れている伸長状態では本発明(図1)の構造は先願発明
(図7)の構造と同様にアンテナとして機能する。図1
(B)に示した本発明の収納状態において、λ/2ヘリ
カルアンテナ7bがケース1の上方に突出し、λ/2線
条アンテナ7aはケース1内に収納されるとともに、そ
の下端部はλ/4導体(コイル)21を介してアースさ
れている。図4は、前揚の図1に示した実施形態のヘリ
カルトップアンテナ接続構造が収納状態である場合の作
動を説明するために示したもので、(A)は模式的に描
いた正面断面図、(B)は前記実施形態において波長λ
の電波に同調したときの電圧分布を表した図表である。
λ/2線条アンテナ7aはλ/2で共振し、λ/4コイ
ル21はλ/4で共振するので、上記λ/2線条アンテ
ナ7aがλ/4励振器に対して静電容量結合されている
箇所(符号c)から下方の部分は3λ/4で共振する。
このため、上記の静電容量結合箇所(符号c)において
電圧値最大、電流値最小(ほとんどゼロ)となる。すな
わち、上記の箇所(符号c)から下方を見たときのイン
ピーダンスがほとんど無限大となる。静電容量結合箇所
(c)から下方のインピーダンスがほとんど無限大とな
るので、λ/2線条アンテナ7aは高周波回路25か
ら、事実上、電気的に切り離された状態となる。その結
果、λ/2ヘリカルアンテナ7bが、λ/4励振器10
を介して高周波回路25に静電容量結合された状態とな
り、上記ヘリカルアンテナ7bはλ/2で共振して高利
得でアンテナ機能を果たし、しかも広帯域で同調する。
【0034】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、ヘリカルトップ形の複合アンテナ素子を構
成しているλ/2ヘリカルアンテナをケース外に突出せ
しめてλ/2線条アンテナをケース内に収納したとき、
該λ/2線条アンテナの下端が電気的長さλ/4の導電
性部材を介して接地される。このため、前記λ/2線条
アンテナの上端部から下方を見たとき、該線条アンテナ
自体の電気的長さλ/2と、これに直列に接続された、
導電性部材の電気的長さλ/4とが合計された、3λ/
4の電気的長さの導体を介して接地される。この接地条
件だけでは所期の目的を達成するために充分な構成では
ないが、該λ/2線条アンテナの上端部付近が高周波回
路に対して静電容量結合されるとともに、該λ/2線条
アンテナの上端にλ/2ヘリカルアンテナが接続されて
いるという構成との相互作用によって、この収納状態に
おけるλ/2ヘリカルアンテナが最大利得でアンテナ機
能を果たす。しかも、その作動状態が該λ/2線条アン
テナを金属管もしくは金属環内に挿入した場合(これは
先願の発明に係る構成である)に比して安定である。上
述のごとくλ/2線条アンテナの下端部を、λ/4の導
電性部材を経由しないで、直接的に接地しても、該λ/
2線条アンテナの上端部から下方を見たときのインピー
ダンスが著しく増大するが、このように直接接地すると
該λ/2線条アンテナの上端部が高周波回路に対して容
量結合しなくなる。こうした現象から明らかなように、
収納状態におけるλ/2線条アンテナの下端部を「電気
的長さλ/4の導電性部材」を介して接地するという構
成は、本発明の目的を達成するために欠くことのできな
い事項であり、本請求項1の発明は上記「電気的長さλ
/4の導電性部材を介して接地する」という構成の創作
により、初めて前述の効果を奏したものである。前述し
た請求項1の発明方法においては、ヘリカルトップアン
テナの線条アンテナ部分を摺動可能に支持するので、先
願の発明におけると同様に防水構造を採るに適してお
り、かつ、操作フィーリングが良くて取扱い易いために
商品価値が高く、ヘリカルアンテナと線条アンテナとを
機械的に直接接触せしめて連結するので先願の発明にお
けると同様に機械的強度が大で、外力を受けても折損に
しくくて耐久性に優れ、線条アンテナが高周波回路に対
して容量結合されるので、先願の発明におけると同様
に、接触不完全に因る導通不良や、ゴミの噛み込みによ
るトラブルを生じる虞れが無く、その上、伸長状態と収
納状態との中間的状態においてもアンテナとして機能す
ることができ、かつ、静電耐圧性に優れ、線条アンテナ
もヘリカルアンテナも、電気的長さがλ/2であるか
ら、先願の発明におけると同様に、伸長時にはλで共振
するヘリカルトップ形複合アンテナとして、また収納時
にはλ/2で共振するヘリカルアンテナとして、高利得
でアンテナ機能を果たす。以上を総合して、先願の発明
に係る効果を損うことなく、先願の発明における金属管
を省略することができ、かつ、収納時において先願の発
明よりも安定したアンテナ機能が得られる。
【0035】請求項2の発明方法によると、請求項1の
発明における「電気的長さ約1/4波長の導電体」をコ
イル形状に構成するので、任意形式のコイル(例えばソ
レノイドコイル,スパイダーコイルなど)を適宜に選定
して該1/4波長の導電体の機械的外形寸法をλ/4よ
りも著しく短縮することができ、もしくは著しく薄形に
構成することができるので、携帯式無線電話機のケース
内部の狭隘な空間に収納することができ、携帯式無線電
話機ケースの形状,寸法をコンパクトならしめ得る。
【0036】請求項3の発明方法によると、非直線形状
のλ/4導通パターンの機械的外形寸法はλ/4よりも
短い。その上、基板上に構成された導通パターンの厚さ
寸法は、基板の厚さを含めてもミリメートル単位に薄く
することができるので、携帯式無線電話機ケース内の狭
隘なスペースに収納することができ、該携帯式無線電話
機全体をコンパクトならしめ得る。さらに、基板上に構
成される導通パターンは大量生産に適し、多数の導通パ
ターンを均一な品質で、しかも高精度に、安価に構成す
ることができ、外力を受けても電気的長さが変わるよう
な変形を生じにくく、耐久性および信頼性に優れてい
る。
【0037】請求項4の発明方法によると、高周波回路
の出力端に接続されたλ/4励振器の開放端がλ/2線
条アンテナに対して容量結合されるので、該励振器がλ
/4で共振して、伸長状態においては「λ/2ヘリカル
アンテナとλ/2線条アンテナとより成るヘリカルトッ
プ形の複合アンテナ素子として、高利得,かつ広帯域性
をもって同調作動させるとともに、収納状態においては
λ/2ヘリカルアンテナをして、高利得,かつ広帯域性
をもって同調作動させて、請求項1の発明方法による効
果を助長する。
【0038】請求項5の発明方法によると、前記の静電
容量結合を臨界結合状態ならしめることによってアンテ
ナ利得が最も高い状態となり、かつ、広い同調帯域が得
られる。この効果をして実益あらしめるためには、工業
生産における再現性を必要とするが、本請求項5を適用
して「励振器と線条アンテナとの対向部分」の静電容量
値を調整すると、該部の形状,寸法と誘電率とを一定な
らしめるように製造工程を管理して同一品質(同一静電
容量値)の再現性が確保される。その上、アンテナを伸
長,収納するために摺動させても、上記の静電容量値は
変化せず、臨界結合状態が維持され、伸長姿勢において
も収納姿勢においても良好なアンテナ特性が得られる。
【0039】請求項6の発明構造によると、ヘリカルア
ンテナと線条アンテナとが機械的・電気的に接続されて
成るヘリカルトップ形の複合アンテナ素子が収納位置と
なったとき、ヘリカルアンテナがケース外に突出すると
ともに、λ/2線条アンテナの下端がλ/4導電部材を
介してアースされる。この状態で線条アンテナの上端部
付近である容量結合箇所から下方を見ると、該線条アン
テナ自体の電気的長さλ/2と、λ/4導電部材とが直
列に接続されて成るところの電気的長さ3λ/4を経て
接地されるので、上記容量結合箇所から下方を見たとき
のインピーダンスは、先願発明におけるが如き金属管の
設置を要せずして非常に大きくなる。これにより、λ/
2線条アンテナが高周波回路から電気的に切り離され、
該高周波回路に対してλ/2ヘリカルアンテナが容量結
合されて高周波の送受信が高利得で、かつ安定して状態
で行なわれる。しかも、本請求項6の構造においては、
ヘリカルアンテナと線条アンテナとが電気絶縁性の部材
を介在せしめることなく直接に接触せしめられて接続さ
れていてるので、先願の発明におけると同様に機械的に
丈夫であり、曲げ外力を受けても接続部で容易に折損す
る虞れが無く、耐久性,信頼性に優れている。その上、
線条アンテナ部分がケースの壁を貫通して摺動可能に支
持される構造であるから、この貫通箇所に防水部材を併
設することが容易であり、かつ摺動操作フィーリングが
良い。
【0040】さらに、前記線条アンテナが高周波回路に
対して直流的に接触導通することなく容量結合されてい
るので、先願発明におけると同様に静電耐圧性に優れて
おり、先願発明におけると同様に、接触不完全に因る導
通不良のトラブルを生じる虞れが無い。しかも、伸長・
収納操作の途中においても前記の容量結合が維持される
ので、先願の発明におけると同様に、伸長・収納操作の
途中の状態においてもアンテナとしての機能が果たされ
る。そして、前記ヘリカルトップアンテナがλ/2ヘリ
カルアンテナとλ/2線条アンテナとによって構成され
ているので、伸長姿勢においてはλで共振し、収納姿勢
ではλ/2で共振して、高利得で、同調周波数帯域が広
く、かつ作動が安定している。以上に説明した請求項6
に係る作用効果が総合されて、先願の発明の効果を損う
ことなく、先願の発明における金属管を省略することが
でき、かつ、安定したアンテナ機能を得ることが可能と
なる。
【0041】請求項7の発明構造によると、電気的長さ
1/4波長のコイルの機械的な外形寸法は1/4波長よ
りも短いので、携帯式無線電話機をコンパクトに構成す
ることができる。その上、コイルを工業的に大量生産す
る場合に、その形状,寸法を規制すれば、その電気的性
能が均一に管理され製品品質の均一性維持が容易であ
る。
【0042】請求項8の発明構造によると、線条アンテ
ナの下端をアースに落とすためのλ/4導通部材がジグ
ザグ形の導通パターンで構成されるので、該導通パター
ンの外形寸法が基板を含めても小形かつ薄形に構成さ
れ、携帯式無線電話機をコンパクトに構成することがで
きる。そのうえ、基板上の導通パターンより成る導通部
材は工業的大量生産に適し、高精度の導通部材を、均一
な品質で、安価に構成することができ、しかも、導通パ
ターンは基板に密着して該基板によって保護され補強さ
れているので、通常の取扱で外力を受けても、電気的長
さが変わるような変形を生じる虞れが無く、作動信頼性
が高い。
【0043】請求項9の発明構造によると、λ/2ヘリ
カルアンテナとλ/2線条アンテナとよりなる複合アン
テナ素子が、高周波回路に対してλ/4励振器を介して
静電容量結合されるので、該複合アンテナが伸長姿勢に
おいても収納姿勢においても、高周波回路に対して良好
な状態で整合され、高利得かつ広帯域性のアンテナ機能
を果たす。
【0044】請求項10の発明構造によると、複合アン
テナ素子が最大限の高利得でアンテナ機能を果たし、し
かも同調周波数帯域が広く、携帯式無線電話機用のアン
テナ装置として好適である。
【0045】請求項11の発明構造によると、複合アン
テナ素子の線条アンテナ部分がケース内へ押し込まれて
収納される際、該線条アンテナの下端が案内管によって
機械的に誘導されて確実に接点部材に接触して電気的に
導通され、λ/4導電性部材を介してアースされるの
で、収納時におけるλ/2ヘリカルアンテナの機能が確
実に発揮される。上記の案内管は電気絶縁性材料で構成
されているので、複合アンテナ素子の電気的な作用に対
して別段の影響を及ぼす虞れが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘリカルトップアンテナの接続方
法を実施するために構成したヘリカルトップアンテナ接
続構造の1実施形態を示し、(A)は伸長状態を描いた
断面図、(B)は収納状態を描いた断面図である。
【図2】上掲の図1に示したヘリカルトップアンテナ接
続構造の1実施形態を示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明に係るヘリカルトップアンテナ接続構造
における2例の実施形態を示す模式的な部分断面詳細図
であって、(A)はλ/4導電体としてコイルを用いた
場合を、(B)は同じく基板上の導通パターンを用いた
場合を、それぞれ描いてある。
【図4】前掲の図1に示した実施形態のヘリカルトップ
アンテナ接続構造が収納状態である場合の作動を説明す
るために示したもので、(A)は模式的に描いた正面断
面図、(B)は前記実施形態において波長λの電波に同
調したときの電圧分布を表した図表である。
【図5】特開平6−196912号に開示された公知の
アンテナを示し、(A)は線条アンテナ部分の大半をケ
ース外に引き出して伸長させた状態を模式的に描いた垂
直断面図、(B)は線条アンテナ部分をケース内に押し
込んで収納してヘリカルアンテナ部分のみをケース外に
突出せしめた状態を模式的に描いた垂直断面図である。
【図6】米国特許No5,204,687に係るヘリカ
ルトップ形アンテナの接続構造を示し、(A)は複合ア
ンテナの線条アンテナ部分を上方に引き出した状態を模
式的に描いてあり、図5に示した公知例の(A)図に対
応する垂直断面図であり、(B)は線条アンテナ部分を
ケース内に収納した状態を模式的に描いてあり、図5に
示した公知例の収納状態を描いた(B)に対応する、一
部を破断した垂直断面図である。
【図7】先願の発明に係るヘリカルトップアンテナの接
続方法を実施するために構成した接続構造の1実施例を
示し、(A)は複合アンテナをケース外に引き出して通
常の通話状態とした伸長姿勢における模式的な断面図、
(B)は上記複合アンテナの線条アンテナ部分をケース
内に押し込んで、ヘリカルアンテナ部分をケース外に突
出させた収納姿勢における模式的な断面図である。
【図8】上掲の図7に示した実施例について、該図7に
描かれた部分の周辺を含めて模式的に描いた斜視図であ
る。ただし、図面を簡潔ならしめるため適宜に省略図法
を用いて描いてある。
【符号の説明】
1…ケース、2…複合アンテナ、2a…λ/4線条アン
テナ、2b…λ/4ヘリカルアンテナ、2c…下方導電
部、2d…上方導通部、3…スリーブ状導通端子、4…
回路基板、5…アース接片、6…複合アンテナ、6a…
線条アンテナ、6b…線条アンテナ導通部、6c…λ/
4ヘリカルアンテナ、6d…ヘリカルアンテナ導電部、
6e…電気絶縁体、7…複合アンテナ素子、7a…λ/
2線条アンテナ、7b…λ/2ヘリカルアンテナ、8…
ガイドスリーブ、9…Oリング、10…λ/4励振器、
11…金属管、12…絶縁管、20…電気接片、21…
λ/4コイル、22…小形基板、23…λ/4パター
ン、24…案内管、25…高周波回路。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線機の高周波回路を収納したケースに
    ヘリカルトップ方式のアンテナを取り付けて、該アンテ
    ナを機械的に支持するとともに、該アンテナを高周波回
    路に対して電気的に接続する方法において、 電気的長さが約1/2波長である線条アンテナの片方の
    端に、電気的長さ約1/2波長のヘリカルアンテナを接
    続し、機械的に直接接触させるとともに電気的に導通せ
    しめてヘリカルトップ形の複合アンテナ素子を形成し、 上記ヘリカルアンテナをケース外に位置せしめて、線条
    アンテナをケースの壁に貫通せしめて摺動可能に支承
    し、 前記の線条アンテナを高周波回路に対して機械的に直接
    接触せしめることなく、電気的にも導通させずに対向せ
    しめて、静電容量を介して電磁的に結合し、 かつ、前記複合アンテナ素子の線条アンテナをケース内
    へ収納する方向に摺動せしめてストロークエンドに達し
    た状態で、前記線条アンテナの他方の端付近を、電気的
    長さ約1/4波長の導電体を介して接地することを特徴
    とする、ヘリカルトップアンテナの接続方法。
  2. 【請求項2】 前記線条アンテナの他方の端付近を、電
    気的長さ約1/4波長のコイルを介して接地することを
    特徴とする、請求項1に記載したヘリカルトップアンテ
    ナの接続方法。
  3. 【請求項3】 基板上に、電気的長さ約1/4波長の非
    直線形状の導通パターンを構成し、上記の導通パターン
    を介して、前記線条アンテナの他方の端付近を接地する
    ことを特徴とする、請求項1に記載したヘリカルトップ
    アンテナの接続方法。
  4. 【請求項4】 給電線とアンテナとを整合せしめるとと
    もに結合せしめる機能を有し、かつ、それ自体は放射作
    用を目的としない、電気的長さ約1/4波長の励振器を
    構成し、 上記励振器の片方の端を高周波回路の出力端に接続する
    とともに、該励振器の他方の端を前記線条アンテナに対
    向,離間せしめて静電容量結合せしめることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項3の何れかに記載したヘリカ
    ルトップアンテナの接続方法。
  5. 【請求項5】 前記励振器の他方の端と線条アンテナと
    が対向している箇所付近の形状,寸法、および、上記両
    者の間に存在する誘電体の材質を調節して、前記の静電
    容量結合を臨界結合状態ならしめることを特徴とする、
    請求項4に記載したヘリカルトップアンテナの接続方
    法。
  6. 【請求項6】 無線機の高周波回路を収納したケースに
    ヘリカルトップ方式のアンテナを取り付けて、該アンテ
    ナを機械的に支持するとともに、該アンテナを高周波回
    路に対して電気的に接続する構造において、 電気的長さが約1/2波長である線条アンテナの片方の
    端に、電気的長さ約1/2のヘリカルアンテナが接続さ
    れてヘリカルトップ形の複合アンテナ素子が形成されて
    おり、 上記ヘリカルアンテナをケース外に位置せしめて、線条
    アンテナがケースの壁を貫通して摺動可能に支承されて
    おり、 前記の線条アンテナが高周波回路に対して機械的に直接
    接触されることなく、電気的にも導通されずに対向して
    いて、静電容量を介して電磁的に結合され、 かつ、前記線条アンテナの片方の端付近が高周波回路に
    容量結合された状態で該線条アンテナの他方の端付近に
    接触導通する電気的な接点部材と、 上記電気的な接点部材をアースとの間に介装接続され
    た、電気的長さ約1/4波長の導電性の部材と、を具備
    していることを特徴とする、ヘリカルトップアンテナの
    接続構造。
  7. 【請求項7】 前記の電気的な接点部材とアースとの間
    に、電気的長さ約1/4波長のコイルが接続導通されて
    いることを特徴とする、請求口6に記載したヘレカルト
    ップアンテナの接続構造。
  8. 【請求項8】 基板上に、電気的長さ約1/4波長のジ
    グザグ形導通パターンが形成されるとともに、上記ジグ
    ザグ形導通パターンの片方の端が前記接点部材に、他方
    の端がアースに、それぞれ接続導通されていることを特
    徴とする、請求項6に記載したヘリカルトップアンテナ
    の接続構造。
  9. 【請求項9】 電気的長さ約1/4波長の励振器が設け
    られていて、上記励振器の片方の端が高周波回路の出力
    端に接続導通されるとともに、該励振器の他方の端が線
    条アンテナに対向・離間して静電容量を形成しているこ
    とを特徴とする、請求項6ないし請求項8の何れかに記
    載したヘリカルトップアンテナの接続構造。
  10. 【請求項10】 前記の静電容量が、複合アンテナ素子
    と励振器とを臨界結合せしめる容量値になっていること
    を特徴とする、請求項9に記載したヘリカルトップアン
    テナの接続構造。
  11. 【請求項11】 前記ケース内に固定的に設置されると
    ともに、線条アンテナに外嵌する電気絶縁性の案内管が
    設けられ、 かつ、前記の電気的な接点部材が上記案内管に装着され
    ていて、 前記線条アンテナがケース内に収納される方向に摺動す
    る際、該線条アンテナの前記他方の端部が案内管内周面
    により案内されて、前記接点部材と接触する位置に誘導
    されるようになっていることを特徴とする、請求項6な
    いし請求項10の何れかに記載したヘリカルアンテナの
    接続構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001144523A (ja) * 1999-10-08 2001-05-25 Nokia Mobile Phones Ltd アンテナアセンブリおよびその製造方法
CN102800997A (zh) * 2012-07-23 2012-11-28 杨瑞典 一种可架设于卫星天线上的组合天线
JP2012257008A (ja) * 2011-06-08 2012-12-27 Nec Saitama Ltd 防水型携帯無線機のアンテナ構造、及びこれを備えた防水型携帯無線機。

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