JPH11214906A - 誘電体共振器および誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体共振器および誘電体フィルタ

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JPH11214906A
JPH11214906A JP1304298A JP1304298A JPH11214906A JP H11214906 A JPH11214906 A JP H11214906A JP 1304298 A JP1304298 A JP 1304298A JP 1304298 A JP1304298 A JP 1304298A JP H11214906 A JPH11214906 A JP H11214906A
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JP
Japan
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dielectric
case
dielectric block
joining
plate
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JP1304298A
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Hideyuki Takahashi
秀幸 高橋
Moriaki Ueno
守章 上野
Kenji Shimizu
賢児 清水
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性の箱形ケース内に誘電体ブロックを収
容してなる誘電体共振器においては、箱形ケースを流れ
る電流の経路に、箱体ケースを構成する部材と部材との
接合辺が直交すると電気抵抗の増大、特性の悪化の原因
となるので、これを解決することを目的とする。 【解決手段】 箱形ケース2を金属板を折り曲げて形成
するとともに、この金属板が折り曲げられた際に隣接す
る面と面とが接続されてなる接合辺5a,5bの延びる
方向が、箱形ケースを流れる電流の方向に沿うように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルラ基地局用の送
信信号・受信信号切換器(Duplexer)などの電子機器に
使用して好適な誘電体共振器および誘電体フィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】図13は本発明者等が先に提案した誘電
体フィルタの一例を示したものである。この誘電体フィ
ルタは、枠体81と、底板82と、蓋部83とからなる
箱形ケース内に、円柱状の誘電体ブロック86が3個収
容されて概略構成されている。
【0003】枠体81は、導電性材料などからなり、四
方を囲む側壁87と、2組の対向する仕切壁88,88
とを有しており、枠体内部には3つの区画室91,9
2,93が形成されている。3つの区画室91,92,
93には、それぞれ誘電体ブロック86が収容されてお
り、また、対向する仕切壁88,88の間には窓部89
が設けられ、これによって3つの誘電体ブロック86は
電磁気的に結合されている。底板82は、銀メッキが被
着された平板状のもので、枠体81の下面を塞ぐよう
に、枠体81にネジ止めされている。誘電体ブロック8
6は、誘電体材料からなり、その上面および下面には、
それぞれ導電性材料からなる上端電極86aおよび下端
電極86bが形成されており、下端電極86bは底板8
2に半田付けされている。誘電体ブロック86の高さ
は、枠体81の深さよりも若干高く形成されている。蓋
部83は、金属材料からなる蓋体83aと板バネ84と
これらの間に配される枠状のスペーサ85とからなって
おり、これらは枠体81の上面を塞ぐように、下から板
バネ84、スペーサ85、蓋体83aの順に積層され、
ネジ止めされている。また蓋体83aには板バネ84と
誘電体ブロック86の上端電極86aとを確実に当接さ
せるための押さえネジ90が設けられている。
【0004】また一端側の区画室91には、この誘電体
フィルタ86に信号を入力するための手段として入力コ
ネクタ94およびヘリカル共振器95が設けられてお
り、他端側の区画室93には誘電体フィルタ86からの
信号を外部へ出力するための手段として出力コネクタ9
6およびヘリカル共振器97が設けられている。さらに
枠体81の側壁87には厚さ方向に延びる溝99が設け
られており、ここに周波数調整板98を挿入し、周波数
調整板98を枠体81内に突出させることによって誘電
体ブロック86の共振周波数を調整できるようになって
いる。
【0005】このような構成の誘電体フィルタにあって
は、入力コネクタ94から入力された信号がヘリカル共
振器95に入力され、予め選択された所望の周波数で共
振される。この共振により発生する磁気エネルギーはこ
のヘリカル共振器95と隣合う誘電体ブロック86と磁
気結合する。そしてこの誘電体ブロック86と隣合う誘
電体ブロック86とが磁気結合し、さらにこの誘電体ブ
ロック86と隣合う誘電体ブロック86とが磁気結合
し、この誘電体ブロック86と出力側のヘリカル共振器
97とが磁気結合しているので、全体として、例えば所
望の信号のみを通過させる誘電体フィルタを構成してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本明細書で
は誘電体ブロック86を導電性の箱形ケースに収容した
構成のものを誘電体共振器と称する。したがって図13
に示した例の誘電体フィルタは、誘電体共振器を3つ連
設してなる3段の誘電体フィルタである。そして図13
の例において誘電体共振器に流れる電流は、誘電体ブロ
ック86、誘電体ブロック86の上端電極86a、蓋部
83、枠体81、底板82、誘電体ブロック86の下端
電極86bの順序に循環する。しかしながら、この電流
の経路上には、箱形ケースを構成する部材と部材との接
合辺であって電流の流れる方向に直交するもの、すなわ
ち蓋部83の板ばね84と枠体81との接合辺、および
底板82と枠体81との接合辺があるため、電気抵抗が
増大し、誘電体共振器の特性に悪影響を及ぼすという問
題があった。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、誘電体共振器における電流の経路に、箱体ケースを
構成する部材と部材との接合辺が直交することに起因す
る電気抵抗の増大、特性の悪化を低減できるようにした
誘電体共振器およびこれを用いた誘電体フィルタを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体共振器
は、金属板を折り曲げて形成されてなる導電性の箱形ケ
ースと、該ケースの内部に収容された柱状の誘電体ブロ
ックとを有し、該誘電体ブロック上面の上端電極と前記
ケースの天板とが電気的に接続されるとともに、前記誘
電体ブロック下面の下端電極と前記ケースの底板とが電
気的に接続され、前記ケースにおいて、前記金属板が折
り曲げられた際に隣接する面と面とが接続されてなる接
合辺の延びる方向が、前記誘電体ブロックの上端電極、
前記ケース、前記誘電体ブロックの下端電極を循環する
電流の流れる方向に沿っていることを特徴とするもので
ある。金属板は例えばアルミニウム(Al)板、銅板、
もしくは鋼や鉄合金板に銀メッキや銅メッキを施した導
電性材料からなり、箱形ケースを所定の位置で切断して
展開した形状に形成される。本発明によれば、金属板を
折り曲げて箱形ケースを形成し、かつ金属板を折り曲げ
た際に面と面とが接合される接合辺の延びる方向が電流
の流れる方向に沿うように設計することによって、電流
の流れと接合辺とが直交することに起因する電気抵抗の
増加を低減することができる。従って誘電体共振器の特
性を向上させることができる。
【0009】また、本発明の誘電体共振器は、少なくと
も2つの割ケースを接合してなる導電性の箱形ケース
と、該ケースの内部に収容された柱状の誘電体ブロック
とを有し、該誘電体ブロック上面の上端電極と前記ケー
スの天板とが電気的に接続されるとともに、前記誘電体
ブロック下面の下端電極と前記ケースの底板とが電気的
に接続され、前記割ケース同士が接合されてなる接合辺
の延びる方向が、前記誘電体ブロックの上端電極、前記
ケース、前記誘電体ブロックの下端電極を循環する電流
の流れる方向に沿っていることを特徴とするものであ
る。割ケースは箱形ケースを所定の切断面で切断した形
状に形成され、絞り成形やプレス成形によって、また形
状によっては金属板を折り曲げて作製することができ
る。本発明によれば、割ケースを接合して箱形ケースを
形成し、かつ割ケース同士が接合される接合辺の延びる
方向が電流の流れる方向に沿うように設計することによ
って、電流の流れと接合辺とが直交することに起因する
電気抵抗の増加を低減することができる。従って誘電体
共振器の特性を向上させることができる。
【0010】また本発明は、誘電体共振器において、前
記箱形ケースの天板および底板の少なくとも一方に孔を
設け、この孔の縁部と前記誘電体ブロックの上端電極の
縁部又は下端電極の縁部とを接合したものである。本発
明によれば、誘電体共振器を組立てる際に誘電体ブロッ
クを位置決めするのが容易であり、かつ誘電体ブロック
と箱形ケースの材料との熱膨張差が吸収されるので温度
衝撃に対する強度を向上させることができる。
【0011】さらに本発明は、これらの誘電体共振器を
複数個連設して誘電体フィルタを構成したものである。
誘電体フィルタは、複数個の誘電体共振器の側壁に窓部
を設け、これらを台板上に、それぞれの窓部が連通する
ように密着して連設することによって得られる。本発明
によれば、電気抵抗が低減された誘電体共振器を用いる
ので、Q値が向上し、IL、RL、キレといった特性に
優れた誘電体フィルタが実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1ないし図3は本発明の誘電体共振器の第1の実施例
を示したもので、図1は誘電体共振器1の斜視図、図2
は図1中の2−2線に沿う断面図、図3は箱形ケース2
に組み立てられる前の金属板2a,2bである。この誘
電体共振器1は、金属板2a,2bを箱形に組み立てて
なる箱形ケース2(以下、単にケース2ということもあ
る)内に誘電体ブロック4を固定して概略構成されてい
る。
【0013】金属板2a,2bはアルミニウム(Al)
板、銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀メッキや銅メッキ
を施した導電性材料からなり、四角柱状のケース2の天
板6をその対角線で4つに切断し、これに続いて側壁8
の4つの角の辺を切断して展開し、さらに底板7をその
対角線で2つに切断した形状のものである。またケース
2の天板6および底板7の中央には、それぞれ孔3が設
けられている。これらの孔3の内径は、誘電体ブロック
4の外径よりも若干小さく設定されている。そして、こ
の金属板2a,2bを、底板7の周囲を形成する4つの
辺7a、および天板の周囲を形成する4つの辺6aに相
当する位置(図中、破線で示す)でそれぞれ折り曲げ、
隣接する面と面を半田付けなどの接合手段で接合して、
金属板2aからなる中空のパーツと金属板2bからなる
中空のパーツを得、これら2つのパーツの端面どうしを
突き合わせ接合することによってケース2が組立てられ
ている。このケース2において金属板どうしを接合して
なる接合辺は、天板6の対角線上の4つの接合辺5a
と、側壁8の角の4つの接合辺5bと、底板7の対角線
上の接合辺5cとなる。
【0014】誘電体ブロック4は、BaO−TiO2
Nd23系(比誘電率:εr=90)などの誘電材料か
らなるセラミック製のもので、円柱状に形成されてい
る。また誘電体ブロック4の上面および下面には、それ
ぞれ導電性ペーストを塗布して焼き付けたり、メッキを
施すなどして上端電極4aおよび下端電極4bが形成さ
れている。そして誘電体ブロック4の上端電極4aの縁
部が、ケース2の天板6の内面であって孔3の周縁部に
半田付けされ、これらは電気的に接続されている。また
誘電体ブロック4の下端電極4bの縁部が、ケース2の
底板7の内面であって孔3の縁部に半田付けされ、これ
らは電気的に接続されている。
【0015】本実施例の誘電体共振器1は、例えば次の
ようにして製造することができる。まず、図3に示す形
状の金属板2a,2bを用意し、それぞれを底板7の周
囲の4つの辺7aの位置で折り曲げた後、隣合う側壁8
どうし、および天板6の隣合う面どうしを接合する。こ
れにより側方が開口した三角柱状のパーツが2つ得られ
る。次に2つのパーツの開口部の端面と、各パーツの内
面上であって孔3の縁部上にクリーム半田を塗布する。
続いて一方のパーツ内に誘電体ブロック4を配した後、
2つのパーツの開口部端面どうしを突き合わせる。この
とき孔3の縁部と誘電体ブロック4の上端電極および下
端電極の縁部とがそれぞれ接触するように位置合わせす
る。そしてこの状態で加熱炉に通すと、クリーム半田が
溶けて、2角パーツが接合されてケース2が形成される
とともに、ケース2内に誘電体ブロック4が固定され、
誘電体共振器1が得られる。なお、上記の製造方法にお
いては、2つのパーツの接合を、クリーム半田を用い、
誘電体ブロック4とケース2との接合と同時に行った
が、誘電体ブロック4とケース2とをクリーム半田を用
いて接合した後、ケース2をなす2つのパーツの接合部
を半田付けしてもよい。
【0016】本実施例の誘電体共振器1において、誘電
体共振器1内の電流が流れる経路は、誘電体ブロック
4、上端電極4a、ケース2の天板6、側壁8、底板
7、下端電極4b、誘電体ブロック4の順序であり、こ
の順序に電流が循環する。そして、本実施例の誘電体共
振器1のケース2にあっては、金属板2a同士が接合さ
れてなる接合辺5a、5b、5cはいずれも電流が流れ
る方向に沿っており、電流の流れに直交する接合辺はな
い。したがって、誘電体共振器1内を流れる電流に対す
る接合辺の影響は小さく、接合辺に起因する電気抵抗の
増加は低減され、Q値が向上し、誘電体共振器の特性が
向上する。ここで、誘電体ブロック4の上端電極4aお
よび下端電極4bにおける電流の流れは、ほとんどが表
面に沿って流れ、周波数が高くなるほど表面を流れ易く
なることが知られている(表皮効果)。例えば周波数1
GHzの場合、電流は表面の厚さ2μm程度の部分を流
れる。したがって本実施例のように、ケース2の天板6
および底板7に孔3が設けられ、誘電体ブロック4の上
端電極4aおよび下端電極4bの縁部のみがケース2と
接合される構成としても、電流の流れに悪影響はない。
【0017】本実施例の誘電体共振器1にあっては、ケ
ース2の天板6および底板7の中央に孔3が設けられて
いるので、誘電体共振器1の製造時には、孔3上に誘電
体ブロック4を配置することによって誘電体ブロック4
をケース2の中央に配することができ、位置決めが容易
である。また天板6および底板7の孔3上に配置された
誘電体ブロック4は、上端電極4aおよび下端電極4b
の縁部でのみケース2と接合されているので、温度衝撃
に対し、誘電体ブロック4を構成する材料とケース2を
構成する材料との熱膨張率差を吸収して、誘電体ブロッ
ク4とケース2との接合部分に変形や剥離が生じて電気
的接続が悪くなるのを防止することができる。さらに、
天板6および底板7に孔3が設けられているので、誘電
体ブロッ4とケース2の天板6および底板7とを半田付
けする場合は、接合部分のガスが抜けて、均一な厚さに
半田付けすることができ、誘電体共振器1の特性上好ま
しい。
【0018】図4および図5は本発明の誘電体共振器の
第2の実施例を示したもので、図4は誘電体共振器11
の斜視図、図5は箱形ケース12に組み立てられる前の
天板16(図5A)および金属板12a(図5B)であ
る。この誘電体共振器11は、箱形ケース12(以下、
単にケース12ということもある)内の中央に誘電体ブ
ロック(図示略)を固定して概略構成されている。本実
施例が上記第1の実施例と大きく異なる点は、箱形ケー
ス12が金属板12aを折り曲げて形成される箱体12
bと天板16とで構成されている点である。本実施例に
おいて、誘電体ブロックは上記第1の実施例と同様の構
成であり、その説明を省略する。
【0019】金属板12aはアルミニウム(Al)板、
銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀メッキや銅メッキを施
した導電性材料からなり、上部が開口した四角柱状の箱
体12bを、側壁18の4つの角の辺で切断して展開し
た形状のものである。また箱体12bの底板17の中央
には孔13が設けられている。そして、この金属板12
aを、底板17の周囲を形成する4つの辺17a(図
中、破線で示す)で折り曲げ、隣接する面と面とを半田
付けなどの接合手段で接合して、上部が開口した箱体1
2bが組立てられている。天板16は、アルミニウム
(Al)板、銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀メッキや
銅メッキを施した導電性材料からなる矩形の板状のもの
で、中央には孔13が設けられている。天板16および
底板17の孔13の内径は、誘電体ブロックの外径より
も若干小さく設定されている。そして箱体12bの上部
の開口を塞ぐように天板16が配され、これらの接合部
が半田付けされて、ケース12が形成されている。この
ケース12において金属板12aおよび天板16の隣接
する面と面とが接合されてなる接合辺は、天板16の周
囲の4つの接合辺15aと側壁8の4つの角の接合辺1
5bとなる。
【0020】本実施例の誘電体共振器11は、例えば次
のようにして製造することができる。まず、図5に示す
形状の金属板12aおよび天板16を用意する。そして
金属板12aを底板17の周囲の4つの辺17aの位置
で折り曲げた後、側壁18の4つの角を半田付けして接
合辺15bを形成し、上部が開口した箱体12bを得
る。次いで、この箱体12bの内面上の孔13の縁部に
クリーム半田を塗布し、この上に誘電体ブロックを載置
する。そして、この状態で加熱炉に通すことによって、
クリーム半田が溶けて誘電体ブロックの下端電極と底板
17とが半田付け固定される。この後、誘電体ブロック
の上端電極の縁部および箱体12bの開口部上面をなす
端面上にクリーム半田を塗布し、この上に天板16を載
置する。そして、天板16の孔13の縁部と上端電極の
縁部との接触を保った状態で加熱炉に通す。これによっ
てクリーム半田が溶けて、箱体12bと天板16、およ
び誘電体ブロックの上端電極と天板16とが半田付け固
定され、誘電体共振器11が得られる。なお上記の製造
方法においては、箱体12bと天板16との接合を、ク
リーム半田を用い、誘電体ブロックの上端電極と天板1
6との接合と同時に行ったが、誘電体ブロックの上端電
極と天板16とをクリーム半田を用いて接合した後、箱
体12bと天板16とを半田付けしてもよい。また、上
記の製造方法においては、誘電体ブロックの下端電極を
箱体12bに固定した後、上端電極を天板16と接合さ
せたが、この手順に限らず、先に上端電極と天板16と
を固定し、この後に箱体12bの底板17と下端電極と
を接合させても構わない。
【0021】本実施例の誘電体共振器11において、誘
電体共振器11内の電流が流れる経路は、誘電体ブロッ
ク、上端電極、ケース12の天板16、側壁18、底板
17、下端電極、誘電体ブロックの順序であり、この順
序に電流が循環する。そして、本実施例の誘電体共振器
11のケース12にあっては、金属板12a同士が接合
されてなる接合辺15bは電流が流れる方向に沿ってお
り、電流の流れに直交する接合辺は金属板12aと天板
16とを接合してなる4つの接合辺15aだけである。
したがって、誘電体共振器11内を流れる電流に対する
接合辺の影響は小さく、接合辺に起因する電気抵抗の増
加は低減され、Q値が向上し、誘電体共振器の特性が向
上する。また、上記実施例1と同様に、本実施例におい
てもケース12の天板16および底板17に孔13を設
けても、表皮効果により電流の流れに悪影響はない。
【0022】また本実施例の誘電体共振器11において
も、ケース12の天板16および底板17の中央に孔1
3を設けたことにより、誘電体共振器11の製造時に誘
電体ブロックの位置決めが容易になる、温度衝撃に対し
て強い、誘電体ブロックとケース12の天板16および
底板17とをそれぞれ半田付けする場合に、均一な厚さ
に半田付けすることができ、誘電体共振器の特性上好ま
しいという作用効果が得られる。
【0023】図6および7は本発明の誘電体共振器の第
3,4の実施例を示したものである。これらの実施例が
上記第1,2の実施例と大きく異なる点は、箱形ケース
22,32が、それぞれ2つの割ケース22a,22
b、32a,32bを接合して形成されている点であ
る。図6,7は接合される前の割ケース22a,22
b、32a,32bを、これらの接合部に若干の隙間を
設けて示したものである。本実施例の誘電体共振器2
1,31は、割ケース22a,22b、32a,32b
を接合してなる箱形ケース22,32(以下、単にケー
ス22,32ということもある)内に誘電体ブロック
(図示略)を固定して概略構成されている。本実施例に
おいて、誘電体ブロックは上記第1の実施例と同様の構
成であり、その説明を省略する。
【0024】図6に示す第3の実施例において、割ケー
ス22a,22bは、いずれもアルミニウム(Al)
板、銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀メッキや銅メッキ
を施した導電性材料からなり、四角柱状のケース22
を、側壁28に平行な面で2等分した形状のものであ
る。またケース22の天板26および底板27の中央に
は、それぞれ孔23が設けられている。これらの孔23
の内径は、誘電体ブロックの外径よりも若干小さく設定
されている。そして、これらの割ケース22a,22b
の端面24同士を付き合わせ、半田付けなどの接合手段
で接合してケース22が組立てられている。このケース
22において、2つの割ケース22a,22bが接合さ
れてなる接合辺は、天板26の対向する1組の辺の中点
を結ぶ接合辺25aと、一組の対向する側壁28それぞ
れにおいて天板26の1辺の中点と底板27の1辺の中
点とを結ぶ接合辺25bと、底板27の対向する1組の
辺の中点を結ぶ接合辺25cとなる。
【0025】図7に示す第4の実施例において、割ケー
ス32a,32bは、いずれもアルミニウム(Al)
板、銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀メッキや銅メッキ
を施した導電性材料からなり、四角柱状のケース32
を、天板36の対角線と、これに平行な底板37の対角
線とを含む面で2分割した形状のものである。またケー
ス32の天板36および底板37の中央には、それぞれ
孔33が設けられている。これらの孔33の内径は、誘
電体ブロックの外径よりも若干小さく設定されている。
そして、これらの割ケース32a,32bの端面34同
士を付き合わせ、半田付けなどの接合手段で接合してケ
ース32が組立てられている。このケース32におい
て、2つの割ケース32a,32bが接合されてなる接
合辺は、天板36の対角線上の接合辺35aと、側壁3
8の4つの角のうち一組の対向する角の接合辺35b
と、底板37の対角線上の接合辺35cとなる。
【0026】これらの実施例の誘電体共振器21(3
1)は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、割ケース22a,22b(32a,32b)を絞
り成形にて成形する。次に割ケース22a,22b(3
2a,32b)の内面上であって孔23(33)の縁
部、および割ケース22a,22b(32a,32b)
の端面24(34)上にクリーム半田を塗布する。続い
て一方の割ケース22a(32a)内に誘電体ブロック
を配した後、この一方の割ケース22a(32a)と他
方の割ケース22b(32b)の端面24(34)どう
しを突き合わせる。このとき孔23(33)の縁部と誘
電体ブロックの上端電極および下端電極の縁部とが接触
するように位置合わせする。そしてこの状態で加熱炉に
通すと、クリーム半田が溶けて、割ケース22a,22
b(32a,32b)が接合されてケース22(32)
が形成されるとともに、ケース22(32)内に誘電体
ブロックが固定され、誘電体共振器21(31)が得ら
れる。なお、上記の製造方法においては、割ケース22
a,22b(32a,32b)の接合を、クリーム半田
を用い、誘電体ブロックとケース22(32)との接合
と同時に行ったが、誘電体ブロックとケース22(3
2)とをクリーム半田を用いて接合した後、割ケース箱
体22a,22b(32a,32b)の接合部を半田付
けしてもよい。
【0027】本実施例において、誘電体共振器21,3
1内の電流が流れる経路は、誘電体ブロック、上端電
極、ケース22,32の天板26,36、側壁28,3
8、底板27,37、下端電極、誘電体ブロックの順序
であり、この順序に電流が循環する。そして、本実施例
の誘電体共振器21,31のケース22,32にあって
は、割ケース22a,22b、32a,32b同士が接
合されてなる接合辺25a,25b,25c、35a,
35b,35cはいずれも電流が流れる方向に沿ってお
り、電流の流れに直交する接合辺はない。したがって、
誘電体共振器21,31内を流れる電流に対する接合辺
の影響は小さく、接合辺に起因する電気抵抗の増加は低
減され、Q値が向上し、誘電体共振器の特性が向上す
る。また、上記第1の実施例と同様に、本実施例におい
てもケース22,32の天板26,36および底板2
7,37に孔23,33を設けても、表皮効果により電
流の流れに悪影響はない。
【0028】また本実施例においても、上記第1の実施
例と同様に、ケース22,32の天板26,36および
底板27,37の中央に孔23,33を設けたことによ
り、誘電体共振器21,31の製造時に誘電体ブロック
の位置決めが容易になる、温度衝撃に対して強い、誘電
体ブロックとケース22,32の天板26,36および
底板27,37とをそれぞれ半田付けする場合に、均一
な厚さに半田付けすることができ、誘電体共振器の特性
上好ましいなどの作用効果が得られる。
【0029】図8は本発明の誘電体共振器の第5の実施
例を示したものである。本実施例は、箱形ケース42
を、3つの割ケース42a,42b,42cを接合して
形成したものである。図8は接合される前の割ケース4
2a,42b,42cを、これらの接合部に若干の隙間
を設けて示したものである。本実施例の誘電体共振器4
1は、割ケース42a,42b,42cを接合してなる
箱形ケース42(以下、単にケース42ということもあ
る)内に誘電体ブロック(図示略)を固定して概略構成
されている。本実施例において、誘電体ブロックは上記
第1の実施例と同様の構成であり、その説明を省略す
る。
【0030】割ケース42a,42b,42cは、いず
れもアルミニウム(Al)板、銅板、もしくは鋼や鉄合
金板に銀メッキや銅メッキを施した導電性材料からな
り、四角柱状のケース42を、天板46の中心と底板4
7の中心とを結ぶ中心線と、側壁48の4つの角のうち
第1の角の辺とを含む面、この面と直交し側壁48の第
2の角の辺を含む面、および天板46の中心と底板47
の中心とを結ぶ中心線と、この中心線に平行で第3の角
と第4の角の間の側壁を2等分する線とを含む面で3分
割した形状のものである。またケース42の天板46お
よび底板47の中央には、それぞれ孔43が設けられて
いる。これらの孔43の内径は、誘電体ブロックの外径
よりも若干小さく設定されている。
【0031】そして、これらの割ケース42a,42
b,42cの端面44同士を付き合わせて半田付けなど
の接合手段で接合してケース42が組立てられている。
このケース42において、3つの割ケース42a,42
b,42cが接合されてなる接合辺は、天板46上にY
字状に形成された3本の接合辺45aと、側壁48の第
1の角の辺、第2の角の辺、および第3の角と第4の角
の間の側壁を2等分する線の3本の接合辺45bと、底
板47上にY字状に形成された3本の接合辺45cとな
る。
【0032】本実施例の誘電体共振器41は、例えば次
のようにして製造することができる。まず、割ケース4
2a,42b,42cを絞り成形、またはプレス成形に
て成形する。次に3つの割ケース42a,42b,42
cのうちの2つ、例えば割ケース42a,42bの端面
44同士を突き合わせた状態で、これらの接合部を半田
付けして接合体42dを得る。次いでこの接合体42d
の内面上であって2つの孔43の縁部と、残りの割ケー
ス42cの内面上であって2つの孔43の縁部と、残り
の割ケース42cの端面44上または接合体42dの未
接合の端面44上にクリーム半田を塗布する。続いて接
合体42d内に誘電体ブロックを配した後、この接合体
42の未接合の端面44と、残りの割ケース42cの端
面44とを突き合わせる。このとき孔43の縁部と誘電
体ブロックの上端電極および下端電極の縁部とが接触す
るように位置合わせする。そしてこの状態で加熱炉に通
すと、クリーム半田が溶けて、接合体42dと残りの割
ケース42cとが接合されてケース42が形成されると
ともに、ケース42内に誘電体ブロックが固定され、誘
電体共振器41が得られる。なお、上記の製造方法にお
いては、接合体42dと残りの割ケース42cとの接合
を、クリーム半田を用い、誘電体ブロックとケース42
との接合と同時に行ったが、誘電体ブロックとケース4
2とをクリーム半田を用いて接合した後、接合体42d
と残りの割ケース42cとの接合部を半田付けしてもよ
い。
【0033】本実施例において、誘電体共振器41内の
電流が流れる経路は、誘電体ブロック、上端電極、ケー
ス42の天板46、側壁48、底板47、下端電極、誘
電体ブロックの順序であり、この順序に電流が循環す
る。そして、本実施例の誘電体共振器41のケース42
にあっては、割ケース42a,42b,42c同士が接
合されてなる接合辺45a,45b,45cはいずれも
電流が流れる方向に沿っており、電流の流れに直交する
接合辺はない。したがって、誘電体共振器41内を流れ
る電流に対する接合辺の影響は小さく、接合辺に起因す
る電気抵抗の増加は低減され、Q値が向上し、誘電体共
振器の特性が向上する。また、上記実施例1と同様に、
本実施例においてもケース42の天板46および底板4
7に孔43を設けても、表皮効果により電流の流れに悪
影響はない。
【0034】また本実施例においても、上記実施例1と
同様に、ケース42の天板46および底板47の中央に
孔43を設けたことにより、誘電体共振器41の製造時
に誘電体ブロックの位置決めが容易になる、温度衝撃に
対して強い、誘電体ブロックとケース42の天板46お
よび底板47とをそれぞれ半田付けする場合に、均一な
厚さに半田付けすることができ、誘電体共振器の特性上
好ましいなどの作用効果が得られる。
【0035】図9および10は本発明の誘電体共振器の
第6,7の実施例を示したものである。これらの実施例
は箱形ケース52,62を、それぞれ4つの割ケース5
2a,52b,52c,52d、62a,62b,62
c,62dを接合して形成したものである。図9,10
は接合される前の割ケース52a,52b,52c,5
2d、62a,62b,62c,62dを、これらの接
合部に若干の隙間を設けて示したものである。本実施例
の誘電体共振器51,61は、割ケース52a,52
b,52c,52d、62a,62b,62c,62d
を接合してなる箱形ケース52,62(以下、単にケー
スということもある)内に誘電体ブロック(図示略)を
固定して概略構成されている。本実施例において、誘電
体ブロックは上記第1の実施例と同様の構成であり、そ
の説明を省略する。
【0036】図9に示す第6の実施例において、割ケー
ス52a,52b,52c,52dは、いずれもアルミ
ニウム(Al)板、銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀メ
ッキや銅メッキを施した導電性材料からなり、四角柱状
のケース52を、側壁58に平行でかつ互いに直交する
2つの面で4等分した形状のものである。またケース5
2の天板56および底板57の中央には、それぞれ孔5
3が設けられている。これらの孔53の内径は、誘電体
の外径よりも若干小さく設定されている。そして、これ
らの割ケース52a,52b,52c,52dの端面5
4同士を付き合わせ、半田付けなどの接合手段で接合し
てケース52が組立てられている。このケース52にお
いて、4つの割ケース52a,52b,52c,52d
が接合されてなる接合辺は、天板56の対向する辺の中
点をそれぞれ結ぶ接合辺55aと、各側壁58おいて天
板56の1辺の中点と底板57の1辺の中点とを結ぶ接
合辺55bと、底板57の対向する辺の中点をそれぞれ
結ぶ接合辺55cとなる。
【0037】図10に示す第7の実施例において、割ケ
ース62a,62b,62c,62dは、いずれもアル
ミニウム(Al)板、銅板、もしくは鋼や鉄合金板に銀
メッキや銅メッキを施した導電性材料からなり、四角柱
状のケース62を、天板66の対角線と、これに平行な
底板67の対角線とをそれぞれ含む2つの面で4分割し
た形状のものである。またケース62の天板66および
底板67の中央には、それぞれ孔63が設けられてい
る。これらの孔63の内径は、誘電体の外径よりも若干
小さく設定されている。そして、これらの割ケース62
a,62b,62c,62dの端面64同士を付き合わ
せ、半田付けなどの接合手段で接合してケース62が組
立てられている。このケース62において、4つの割ケ
ース62a,62b,62c,62dが接合されてなる
接合辺は、天板66の対角線上の接合辺65aと、側壁
68の4つの角上の接合辺65bと、底板67の対角線
上の接合辺65cとなる。
【0038】これらの実施例の誘電体共振器51(6
1)は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、割ケース52a,52b,52c,52d(62
a,62b,62c,62d)を絞り成形またはプレス
成形にて成形する。あるいは第7の実施例の割ケース6
2a,62b,62c,62dは金属板を折り曲げて成
形することもできる。次に4つの割ケース52a,52
b,52c,52d(62a,62b,62c,62
d)のうちの3つ、例えば割ケース52a,52b,5
2c(62a,62b,62c)の端面54(64)同
士を突き合わせ、これらの接合部を半田付けして接合体
52e(62e)を得る。次いでこの接合体52e(6
2e)の内面上であって孔53(63)の縁部と、残り
の割ケース52d(62d)の内面上であって孔53
(63)の縁部と、残りの割ケース52d(62d)の
端面54(64)上または接合体52e(62e)の未
接合の端面54(64)上とにクリーム半田を塗布す
る。続いて接合体52e(62e)内に誘電体ブロック
を配した後、この接合体52e(62e)の未接合の端
面54(64)と、残りの割ケース52d(62d)の
端面54(64)とを突き合わせる。このとき孔53
(63)の縁部と誘電体ブロックの上端電極および下端
電極の縁部とが接触するように位置合わせする。そして
この状態で加熱炉に通すと、クリーム半田が溶けて、接
合体52e(62e)と残りの割ケース52d(62
d)とが接合されてケース52(62)が形成されると
ともに、ケース52(62)内に誘電体ブロックが固定
され、誘電体共振器51(61)が得られる。なお、上
記の製造方法においては、接合体52e(62e)と残
りの割ケース52d(62d)との接合を、クリーム半
田を用い、誘電体ブロックとケース(52)62との接
合と同時に行ったが、誘電体ブロックとケース(52)
62とをクリーム半田を用いて接合した後、接合体52
e(62e)と残りの割ケース52d(62d)との接
合部を半田付けしてもよい。
【0039】本実施例において、誘電体共振器51,6
1内の電流が流れる経路は、誘電体ブロック、上端電
極、ケース52,62の天板56,66、側壁58,6
8、底板57,67、下端電極、誘電体ブロックの順序
であり、この順序に電流が循環する。そして、本実施例
の誘電体共振器51,61のケース52,62にあって
は、割ケース同士が接合されてなる接合辺55a,55
b,55c、65a,65b,65cはいずれも電流が
流れる方向に沿っており、電流の流れに直交する接合辺
はない。したがって、誘電体共振器51,61内を流れ
る電流に対する接合辺の影響は小さく、接合辺に起因す
る電気抵抗の増加は低減され、Q値が向上し、誘電体共
振器の特性が向上する。また、上記実施例1と同様に、
本実施例においてもケース52,62の天板56,66
および底板57,67に孔53,63を設けても、表皮
効果により電流の流れに悪影響はない。
【0040】さらに、本実施例においても、上記実施例
1と同様に、ケース52,62の天板56,66および
底板57,67の中央に孔53,63を設けたことによ
り、誘電体共振器51,61の製造時に誘電体ブロック
の位置決めが容易になる、温度衝撃に対して強い、誘電
体ブロックとケース52,62の天板56,66および
底板57,67とをそれぞれ半田付けする場合に、均一
な厚さに半田付けすることができ、誘電体共振器の特性
上好ましいなどの作用効果が得られる。
【0041】次に、本発明にかかる誘電体フィルタの実
施形態について説明する。図11および図12は誘電体
フィルタの実施例を示すもので、図11は誘電体フィル
タの斜視図、図12は図11中12−12線に沿う断面
図である。本実施例の誘電体フィルタ71は、台板75
上に、上記第1の実施例の誘電体共振器1を4個、互い
の側壁8どうしが密着するように連設してなる4段の誘
電体フィルタである。誘電体共振器1の互いに密着する
側壁8には窓部76が設けられ、これによって隣合う誘
電体共振器1,1内部が連通し、両者の誘電体ブロック
4,4が電磁気的に結合する。また台板75は鋼板や樹
脂板などからなる板状のもので、誘電体共振器1の底板
7を4つ一列に並べた形状よりも、幅、長さとも若干大
きく形成されている。また一端に配された誘電体共振器
1には、入力端子101および結合ループ102を備え
た入力手段が設けられ、他端に配された誘電体共振器1
には、出力端子103および結合ループ104を備えた
出力手段が設けられている。結合ループ102,104
の一端は入力端子101および出力端子103の中心導
体(図示略)にそれぞれ半田付け接合されており、他端
はケース2の内壁に半田付け接合されている。また、必
要に応じて、ヘリカル共振器や、誘電体共振器1の共振
周波数を調整するための周波数調整手段、例えば誘電体
ブロック4近傍に突出する周波数調整板などを適宜設け
てもよい。
【0042】本実施例の誘電体フィルタ71は、例えば
次のようにして製造することができる。まず、上記の手
順で誘電体共振器1を複数個作製する。次に、誘電体共
振器1の、連設したときに密着しあう側壁8を切断して
窓部76を形成する。あるいは、誘電体共振器1を作製
する際に、予め側壁に窓部76を形成しておいてもよ
い。また、両端に配される誘電体共振器1には、入力端
子101、結合ループ102、出力端子103、および
結合ループ104などを必要に応じて設ける。次いで、
台板75上に4個の誘電体共振器1を窓部76が連通す
るように密着させて一列に並べ、台板75と誘電体共振
器1の底板7とを半田付け固定する。さらに、隣合う誘
電体共振器1どうしを半田付け固定して誘電体フィルタ
71が得られる。
【0043】このような構成の誘電体フィルタ71にあ
っては、用いられる誘電体共振器1が、電気抵抗が低減
されQ値が向上したものであるので、IL、RL、キレ
などの特性に優れた誘電体フィルタが得られる。また、
本実施例の誘電体フィルタ71によれば、複数の誘電体
共振器を連設するに当たり、完成された誘電体共振器1
を用い、これを台板75上に並べて固定したので、複数
個の誘電体共振器1のうちのいずれかに作動不良などの
問題が生じても、問題が生じた誘電体共振器1のみを新
しい誘電体共振器1に交換したり、各誘電体共振器1毎
に調整を行うことも可能である。したがって、製造歩留
まりを向上させ、コストを削減することができる。また
第1の実施例の誘電体共振器1に代えて、第2〜7の実
施例の誘電体共振器11,21,31,41,51,6
1を用いても、同様にして多段の誘電体フィルタを構成
することができる。
【0044】なお、上記実施例において誘電体ブロック
の形状は円柱状としたが、これに限定されることなく、
例えば底面形状が四角形や多角形でもよく、柱状であれ
ばよい。また上記実施例では箱形ケースの天板および底
板の両方に孔を設けたが、天板および底板のいずれか一
方にのみ孔を設ける構成としてもよい。さらに誘電体ブ
ロックの上端電極と箱形ケースの天板、および下端電極
と箱形ケースの底板とは半田付けによって固定したが、
これに限定されることなく、それぞれが電気的に接続さ
れていればよく、例えば導電性ペーストなど適宜の固定
手段を用いることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明の誘電体共振
器は、誘電体ブロックが収容される箱形ケースを金属板
を折り曲げて形成するとともに、この金属板が折り曲げ
られた際に隣接する面と面とが接続されてなる接合辺の
延びる方向が、箱形ケースを流れる電流の方向に沿うよ
うに構成したものである。したがって、電流の流れと接
合辺とが直交することに起因する電気抵抗の増加を低減
することができ、誘電体共振器の特性を向上させること
ができる。
【0046】また、本発明の誘電体共振器は、誘電体ブ
ロックが収容される箱形ケースを割ケース接合して形成
し、かつ割ケース同士が接合される接合辺の延びる方向
が、箱形ケースを流れる電流の方向に沿うように構成し
たものである。したがって、電流の流れと接合辺とが直
交することに起因する電気抵抗の増加を低減することが
でき、誘電体共振器の特性を向上させることができる。
【0047】さらに、前記箱形ケースの天板および底板
の少なくとも一方に孔を設け、この孔の縁部と前記誘電
体ブロックの上端電極の縁部又は下端電極の縁部とを接
合する構成とすれば、誘電体共振器を組立てる際に誘電
体ブロックを位置決めするのが容易であり、かつ誘電体
ブロックと箱形ケースの材料との熱膨張差が吸収される
ので温度衝撃に対する強度を向上させることができる。
また本発明の誘電体フィルタは、上記の誘電体共振器を
複数個連設してなるものである。したがって、上述した
ように電気抵抗が低減された誘電体共振器を用いるの
で、Q値が向上し、IL、RL、キレといった特性に優
れた誘電体フィルタが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の誘電体共振器の第1の実施例を示す
斜視図である。
【図2】 図1中2−2線に沿う断面図である。
【図3】 第1の実施例において、箱形ケースに組み立
てられる前の金属板の形状を示したものである。
【図4】 本発明の誘電体共振器の第2の実施例を示す
斜視図である。
【図5】 第2の実施例において、図5Aは箱形ケース
に組み立てられる前の金属板の形状を示したもので、図
5Bは箱形ケースに組み立てられる前の天板を示したも
のである。
【図6】 本発明の誘電体共振器の第3の実施例を示し
た説明図である。
【図7】 本発明の誘電体共振器の第4の実施例を示し
た説明図である。
【図8】 本発明の誘電体共振器の第5の実施例を示し
た説明図である。
【図9】 本発明の誘電体共振器の第6の実施例を示し
た説明図である。
【図10】 本発明の誘電体共振器の第7の実施例を示
した説明図である。
【図11】 本発明の誘電体フィルタの実施例を示した
斜視図である。
【図12】 本発明の誘電体フィルタの実施例を示した
断面図である。
【図13】 先に提案した誘電体フィルタを例示した分
解斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41,51,61…誘電体ブロ
ック、 2,12,22,32,42,52,62…箱形ケー
ス、 2a,12a…金属板、 22a,22b,32a,32b,42a,42b,4
2c,52a,52b, 52c,52d,62a,6
2b,62c,62d…割ケース、 3,13,23,33,43,53,63…孔 4…誘電体ブロック、4a…上端電極、4b…下端電
極、 5a,5b,15a,15b,25a,25b,25
c,35a,35b,35c,45a,45b,45
c,55a,55b,55c,65a,65b, 65
c…接合辺 6,16,26,36,46,56,66…天板、 7,17,27,37,47,57,67…底板、71
…誘電体フィルタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板を折り曲げて形成されてなる導電
    性の箱形ケースと、該ケースの内部に収容された柱状の
    誘電体ブロックとを有し、該誘電体ブロック上面の上端
    電極と前記ケースの天板とが電気的に接続されるととも
    に、前記誘電体ブロック下面の下端電極と前記ケースの
    底板とが電気的に接続され、前記ケースにおいて、前記
    金属板が折り曲げられた際に隣接する面と面とが接合さ
    れてなる接合辺の延びる方向が、前記誘電体ブロックの
    上端電極、前記ケース、前記誘電体ブロックの下端電極
    を循環する電流の流れる方向に沿っていることを特徴と
    する誘電体共振器。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つの割ケースを接合してな
    る導電性の箱形ケースと、該ケースの内部に収容された
    柱状の誘電体ブロックとを有し、該誘電体ブロック上面
    の上端電極と前記ケースの天板とが電気的に接続される
    とともに、前記誘電体ブロック下面の下端電極と前記ケ
    ースの底板とが電気的に接続され、前記割ケース同士が
    接合されてなる接合辺の延びる方向が、前記誘電体ブロ
    ックの上端電極、前記ケース、前記誘電体ブロックの下
    端電極を循環する電流の流れる方向に沿っていることを
    特徴とする誘電体共振器。
  3. 【請求項3】 前記ケースの天板および底板の少なくと
    も一方に孔が設けられ、該孔の縁部と前記誘電体ブロッ
    クの上端電極の縁部又は下端電極の縁部とが接合された
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体共振
    器。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の誘電体共振器
    が複数個連設されてなることを特徴とする誘電体フィル
    タ。
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JP (1) JPH11214906A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024058558A1 (ko) * 2022-09-16 2024-03-21 주식회사 케이엠더블유 통신기기용 필터 및 그 제조방법

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