JPH11214888A - テープフィーダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カバーテープの巻取りリールを構成する第１
の板体と第２の板体を長期間しっかり結合でき、また簡
単に分離することができるテープフィーダを提供するこ
と、およびカバーテープの巻付きによる巻取りリールの
軸部の変形を解消し、また巻取られたカバーテープを簡
単に巻取りリールから取りはずして回収できるテープフ
ィーダを提供することを目的とする。 【解決手段】 第１の板体２１の中心軸部２４に突設さ
れたつば部２５を第２の板体２２の中心口の周縁に形成
された切欠孔に進入させ、切欠孔内の受部３０に乗り上
げさせることにより、第１の板体２１と第２の板体２２
を結合して巻取りリール２０とする。中心軸部２４に装
着されたＯリング２７により受部３０はつば部２５に押
しつけられる。また軸部には環状体２３が配設され、環
状体２３にカバーテープ８を巻取る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品実装装置
に備えられるテープフィーダに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電子部品実装装置は、パーツフィーダに
備えられた電子部品を移載ヘッドでピックアップし、基
板に実装するものである。パーツフィーダとしてはテー
プフィーダが多用されている。テープフィーダは、電子
部品収納テープ（以下、単にテープという）を供給リー
ルから導出し、テープのポケットに収納された電子部品
を移載ヘッドにピックアップさせて基板に実装するもの
である。

【０００３】テープのポケット内に収納された電子部品
がポケットから飛び出さないように、テープにはカバー
テープが貼り合わせてあり、移載ヘッドがポケット内の
電子部品をピックアップする直前に、カバーテープをテ
ープから剥ぎ取ってポケット内の電子部品を露呈させる
ようになっている。そしてテープから剥ぎ取られたカバ
ーテープは、巻取りリールに巻取って回収される。

【０００４】図６は従来のテープフィーダの巻取りリー
ルの分解斜視図、図７は同組立状態の正面図である。巻
取りリール１は円板状の第１の板体２と第２の板体３か
ら成っている。第１の板体２の中心部にはドラム型の受
体４が形成されており、受体４の周面にはカギ型の係合
孔５が切欠形成されている。また第２の板体３の中心部
には中心軸部６が形成されており、中心軸部６の周面に
はつば部７が突設されている。図７に示すように、つば
部７を係合孔５に係入して係止部９に係止することによ
り、第１の板体２と第２の板体３は着脱自在に結合され
る。

【０００５】この巻取りリール１はテープフィーダに組
み付けられ、カバーテープを巻取る。図７において、８
は受体４の周面に巻取られたカバーテープである。巻取
られたカバーテープ８は、第１の板体２と第２の板体３
を相対的に回転させ、つば部７を係合孔５から脱出させ
て第１の板体２と第２の板体３を分離したうえで、受体
４から取り除かれる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】第１の板体２と第２の
板体３を結合したり、分離する毎に、つば部７は係合孔
５に係脱する。巻取りリール１は合成樹脂により形成さ
れており、つば部７を係合孔５に繰り返し係脱する間
に、つば部７や係合孔５、係止部９は次第に摩耗し、係
合状態が緩くなる。テープフィーダは、移動テーブル装
置上を高速度で移動しながら電子部品実装装置の移載ヘ
ッドに電子部品を供給するものであり、上記のように係
合状態が緩くなると移動時のがたつきが激しくなり、つ
いには第１の板体２と第２の板体３が分離して、第２の
板体３がテープフィーダから脱落するというトラブルが
発生していた。

【０００７】また電子部品実装中には、カバーテープ８
は巻取りリール１の受体４に巻取られるが、巻取りリー
ル１はその回転力でカバーテープ８を強く引っ張ってテ
ープから強制的に剥ぎ取りながら巻取るため、カバーテ
ープ８はきわめて強く受体４に巻取られ、その巻付き力
（締め付け力）のために受体４は変形する。そして長期
間使用するうちにこの変形は次第に大きくなり、ついに
はこの変形のためにつば部７を係止部９に係脱するのが
困難・不可能になりやすいという問題点があった。

【０００８】またカバーテープ８の巻取りが終了したな
らば、図７において鎖線で示すように、第２の板体３を
第１の板体２から分離したうえで、カバーテープ８を受
体４から取りはずすが、上記のようにカバーテープ８は
受体４にきわめて強く巻取られているため、受体４から
簡単に取りはずせず、オペレータは止むなくカッターで
受体４に巻付いたカバーテープ８を半径方向に切断する
などして取りはずしている実情にあり、このカバーテー
プ８の取りはずしのために多大な手間と時間を要すると
いう問題点があった。

【０００９】したがって本発明は、カバーテープの巻取
りリールを構成する第１の板体と第２の板体をしっかり
結合でき、また簡単・確実に分離することができるテー
プフィーダを提供することを目的とする。またカバーテ
ープの巻付き力による巻取りリールの軸部の変形を解消
し、また巻取られたカバーテープを簡単に巻取りリール
から取りはずして回収できるテープフィーダを提供する
ことを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のテープフィーダ
は、基台と、電子部品収納テープが巻回された供給リー
ルを保持するリールホルダと、供給リールから導出され
た電子部品収納テープを基台の前部へ向ってピッチ送り
するピッチ送り手段と、電子部品収納テープから剥離さ
れたカバーテープを巻取る巻取りリールとを備えたテー
プフィーダであって、前記巻取りリールが、中心軸部を
有する第１の板体と、この中心軸部が嵌入する中心口が
形成された第２の板体とから成り、前記中心軸部につば
部を突設し、また前記中心口の周縁にこのつば部が嵌入
する切欠部を形成するとともにこの切欠部に前記つば部
が乗り上げ自在な受部を形成し、かつ受部に弾接して受
部をつば部に押しつける方向に弾発する弾性材を設け
た。

【００１１】この構成によれば、弾性材の弾発力によ
り、受部をつば部にしっかり押しつけて第１の板体と第
２の板体をしっかり結合できる。また第１の板体と第２
の板体を繰り返し結合・分離させても、つば部や受部が
摩耗することはなく、簡単・確実な結合・分離性をきわ
めて長期間維持できる。

【００１２】また本発明は、前記弾性材を、前記中心軸
部に装着されるＯリングとした。この構成により、弾性
体を巻取りリールの内部に簡単に配設でき、また受部に
弾発力をしっかり付与することができる。

【００１３】また本発明は、基台と、電子部品収納テー
プが巻回された供給リールを保持するリールホルダと、
供給リールから導出された電子部品収納テープを基台の
前部へ向ってピッチ送りするピッチ送り手段と、電子部
品収納テープから剥離されたカバーテープを巻取る巻取
りリールとを備えたテープフィーダであって、前記巻取
りリールが、中心軸部を有する第１の板体と、この中心
軸部が嵌入する中心口が形成された第２の板体とから成
り、かつ前記第１の板体と前記第２の板体の間に前記中
心軸部と前記中心口から成る軸部を包囲する環状体を取
りはずし自在に装嵌し、この環状体にカバーテープを巻
取るようにした。

【００１４】この構成によれば、カバーテープは環状体
に巻付くので、巻取りリールの軸部がカバーテープの締
め付け力のために変形することはない。また第１の板体
と第２の板体を分離したうえで、環状体を取りはずすこ
とにより、カバーテープをきわめて簡単に回収できる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は本発明の一実施の形態のテ
ープフィーダの一部切欠斜視図、図２は同テープフィー
ダの巻取りリールの分解斜視図、図３は同テープフィー
ダの巻取りリールの断面図、図４は同テープフィーダの
巻取りリールの側面図、図５は同テープフィーダの巻取
りリールの中心部分の部分正面図である。

【００１６】まず、図１を参照してテープフィーダの全
体構造を説明する。テープフィーダ１０は、長板状の基
台１１を主体としている。基台１１の後部にはテープを
巻回した供給リールを保持するリールホルダ１４、供給
リール押え用回転アーム１５、リール挟持板１６などが
装着されている。また基台１１の前部には、前部機構１
７が設けられている。前部機構１７は、テープのピッチ
送り手段やカバーテープの剥離手段である剥離爪１８を
含むものである。基台１１の下面には、テープフィーダ
１０を移動テーブル装置上を移動する可動テーブルに固
定するための取付台１８が装着されている。

【００１７】基台１１の上面には、カバーテープの巻取
りリール２０などが配設されている。巻取りリール２０
は、基台１１の前端部近くのピックアップ位置におい
て、テープのポケットに収納された電子部品を露呈させ
るために、剥離爪１８によりテープから折り返し剥離さ
れたカバーテープを巻取るものである。カバーテープを
剥離したことにより露呈したポケット内の電子部品は、
移載ヘッドのノズルに真空吸着してピックアップされ、
基板に実装される。１９は駆動レバーであって、その先
端部にはローラ１９ａが装着されている。ローラ１９ａ
を電子部品実装装置側の押圧手段が押圧することによ
り、巻取りリール２０は強くピッチ回転し、この強い回
転力によりカバーテープは剥離爪１８から強制的に折り
返し剥離され、巻取りリール２０の軸部に強く巻取られ
る。

【００１８】次に、巻取りリール２０について説明す
る。図２において、巻取りリール２０は、円板状の第１
の板体２１と第２の板体２２を主体としており、両者の
間に金属製の強固な環状体２３をはさんで分離自在に結
合される。また第１の板体２１と第２の板体２２の周縁
は、指先で保持しやすいように波形になっている。

【００１９】第１の板体２１の内面側の中心部には略短
円筒形の中心軸部２４が形成されている。中心軸部２４
の外面にはつば部２５が複数個（本例では２個）突設さ
れている。また第１の板体２１のつば部２５と回転方向
において９０°もしくは略９０°の位置には、板状のリ
ブ２６が複数個（本例では２個）突設されている。中心
軸部２４には弾性材としてＯリング２７が装着されてい
る。

【００２０】第２の板体２２の中心部には中心口２８が
形成されている。中心口２８の周縁には切欠部２９が形
成されている。切欠部２９はつば部２５に対応する位置
に２箇所切欠形成されている。切欠部２９の内部の周壁
部３１には、受部３０が段落をもって部分的に形成され
ている（図３、図５も参照）。３２はカバーテープ８の
端部を挿入して係着するためのスリット、３３は基台１
１に取り付けるためのフレームである。

【００２１】この巻取りリール２０は上記のような構成
より成り、次に第１の板体２１と第２の板体２２を結合
して巻取りリール２０を組立てる方法を説明する。第１
の板体２１に第２の板体２２を対面させ、中心軸部２４
を中心孔２８に挿入する。このとき、切欠部２９につば
部２５を進入させる。図５はこのときの状態を示してい
る。図５において、次に第１の板体２１と第２の板体２
２を矢印ａ方向に相対的にわずかに回転させる。すると
つば部２５は矢印ｂ方向に相対的に移動して段差のある
受部３０に乗り上げ、第１の板体２１と第２の板体２２
は結合される。

【００２２】図３は、以上のようにして組立てられた巻
取りリール２０の断面を示している。環状体２３は、中
心軸部２４と中心口２８から成る軸部を包囲するように
装嵌されている。またＯリング２７は受部３０と第１の
板体２１の内面に挟まれて圧縮され、受部３０に弾接し
て受部３０をつば部２５に強く押しつける方向に弾発し
ている。したがって受部３０とつば部２５はしっかり面
接合し、第１の板体２１と第２の板体２２はしっかり結
合される。また第１の板体２１と第２の板体２２を矢印
ａ方向（図５）と反対方向にわずかに回転させれば、つ
ば部２５は受部３０から脱落して切欠部２９から抜け出
し、第１の板体２１と第２の板体２２は分離する。また
図４において、リブ２６の先端面は組立て状態において
第２の板体２２の内面に当接し、第１の板体２１と第２
の板体２２の間隔を一定に確保する。

【００２３】上記のようにして組立てられた巻取りリー
ル２０を有するテープフィーダ１０を用いて、電子部品
の実装が行われる。実装中には、巻取りリール２０は回
転し、環状体２３にカバーテープ８を巻取る（図３）。
カバーテープ８は巻取りリール２０の強い回転力により
環状体２３に強く巻取られ、環状体２３には締め付け力
が強く作用するが、環状体２３は金属により強固に作ら
れているので、この締め付け力に十分に対抗することが
でき、したがって周壁部３１や中心軸部２４などから成
る巻取りリール２０の軸部には締め付け力は実質的に作
用せず、周壁部３１や中心軸部２４が締め付け力により
変形することはない。そしてカバーテープ８を巻取った
ならば、第１の板体２１と第２の板体２２を分離したう
えで、カバーテープ８が巻付いた環状体２３を取りはず
し、更に環状体２３からこれに巻付いたカバーテープ８
を取りはずす。なおカバーテープ８は環状体２３から取
りはずさずに、環状体２３と一緒にそのまま廃棄しても
よい。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、弾性材の弾発力によ
り、受部をつば部に押しつけて第１の板体と第２の板体
をしっかり結合できる。また第１の板体と第２の板体を
繰り返し結合・分離させても、つば部や受部が摩耗する
ことはなく、第１の板体と第２の板体の良好な結合・分
離性をきわめて長期間維持できる。

【００２５】また弾性材としてＯリングを用いることに
より、弾性体を巻取りリールの内部に簡単に配設でき、
またばらつきのない押しつけ力を受部に付与することが
でき、またＯリングを容易に取りはずし交換することが
できる。

【００２６】またカバーテープは環状体に巻付くので、
巻取りリールの軸部がカバーテープの締め付け力のため
に変形することはなく、また第１の板体と第２の板体を
分離したうえで、環状体を取りはずすことにより、カバ
ーテープをきわめて簡単に回収できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態のテープフィーダの一部
切欠斜視図

【図２】本発明の一実施の形態のテープフィーダの巻取
りリールの分解斜視図

【図３】本発明の一実施の形態のテープフィーダの巻取
りリールの断面図

【図４】本発明の一実施の形態のテープフィーダの巻取
りリールの側面図

【図５】本発明の一実施の形態のテープフィーダの巻取
りリールの中心部分の部分正面図

【図６】従来のテープフィーダの巻取りリールの分解斜
視図

【図７】従来の組立状態の正面図

【符号の説明】

８ カバーテープ １０ テープフィーダ １１ 基台 １４ リールホルダ １７ 前部機構 １８ 剥離爪 ２０ 巻取りリール ２１ 第１の板体 ２２ 第２の板体 ２３ 環状体 ２４ 中心軸部 ２５ つば部 ２６ リブ ２７ Ｏリング ２８ 中心孔 ２９ 切欠部 ３０ 受部 ３１ 周壁部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基台と、電子部品収納テープが巻回された
   供給リールを保持するリールホルダと、供給リールから
   導出された電子部品収納テープを基台の前部へ向ってピ
   ッチ送りするピッチ送り手段と、電子部品収納テープか
   ら剥離されたカバーテープを巻取る巻取りリールとを備
   えたテープフィーダであって、前記巻取りリールが、中
   心軸部を有する第１の板体と、この中心軸部が嵌入する
   中心口が形成された第２の板体とから成り、前記中心軸
   部につば部を突設し、また前記中心口の周縁にこのつば
   部が嵌入する切欠部を形成するとともにこの切欠部に前
   記つば部が乗り上げ自在な受部を形成し、かつ受部に弾
   接して受部をつば部に押しつける方向に弾発する弾性材
   を設けたことを特徴とするテープフィーダ。
2. 【請求項２】前記弾性材が、前記中心軸部に装着される
   Ｏリングであることを特徴とする請求項１記載のテープ
   フィーダ。
3. 【請求項３】基台と、電子部品収納テープが巻回された
   供給リールを保持するリールホルダと、供給リールから
   導出された電子部品収納テープを基台の前部へ向ってピ
   ッチ送りするピッチ送り手段と、電子部品収納テープか
   ら剥離されたカバーテープを巻取る巻取りリールとを備
   えたテープフィーダであって、前記巻取りリールが、中
   心軸部を有する第１の板体と、この中心軸部が嵌入する
   中心口が形成された第２の板体とから成り、かつ前記第
   １の板体と前記第２の板体の間に前記中心軸部と前記中
   心口から成る軸部を包囲する環状体を取りはずし自在に
   装嵌し、この環状体にカバーテープを巻取るようにした
   ことを特徴とするテープフィーダ。