JPH11214756A - 熱電素子およびその製造方法 - Google Patents

熱電素子およびその製造方法

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JPH11214756A
JPH11214756A JP10015482A JP1548298A JPH11214756A JP H11214756 A JPH11214756 A JP H11214756A JP 10015482 A JP10015482 A JP 10015482A JP 1548298 A JP1548298 A JP 1548298A JP H11214756 A JPH11214756 A JP H11214756A
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JP
Japan
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thermoelectric
type
block
semiconductors
columnar
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JP10015482A
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English (en)
Inventor
Shigeru Watanabe
渡辺  滋
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腕時計のような携帯用電子機器の内部などの
狭く限られた領域に装着可能で、かつ熱電特性にも優れ
た熱電素子を提供する。 【解決手段】 1列に配列した複数のp型柱状熱電半導
体10とn型柱状熱電半導体20と、隣り合った柱状熱
電半導体の間隙には可とう性絶縁体30と、隣り合った
柱状熱電半導体の端部を接続する電極膜40からなる。
p型とn型熱電半導体ブロックに溝加工を施して互いに
嵌合し、空隙に可とう性絶縁体30を形成し、一体化し
たブロックの上下面を除去した後、溝に対して垂直方向
に切断して素子シート50を形成し、素子シート50に
含まれるp型柱状熱電半導体10とn型柱状熱電半導体
20の端部を交互に接続する電極膜40を形成する。狭
い領域にも適合して装着ができ、特性的にも優れた熱電
素子が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電対を多数内部
に備えた熱電素子に関し、とくに限られた狭い領域に装
着できる熱電素子の構造とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電対はその両端に温度差を与えること
により電圧を発生し、反対に電極に電圧を与えると温度
差を生じる性質を持ち、この熱・電気変換特性を利用し
ようして作られているのが熱電素子である。
【0003】たとえば熱電素子は熱を電気エネルギーに
変換できる方法として発電素子に、あるいは電気エネル
ギーで対象物を冷やしたりする冷却素子に応用される。
【0004】ところで熱電素子は構造やその動作が簡単
なため、他の熱/電気変換システムに比べて微小化に有
利なところから発電素子としては腕時計などの携帯用電
子機器内部での発電、また冷却素子としてはICなどの
局所的な冷却などへの応用が広がっている。
【0005】熱電素子として発電あるいは冷却に使われ
ている半導体材料の中でもっとも一般的なのはビスマス
(Bi)とテルル(Te)を主成分にしたいわゆるBi
Te合金である。この材料は室温近辺で現在もっとも性
能がよいため各所で多用されてい。
【0006】BiTe系の熱電材料は一般的にBi、T
e、あるいは必要に応じてSb(アンチモン)、Se
(セレン)などの元素を溶融して合金化させ、ブロック
状の材料を作る。そして、そのブロックを加工して熱電
素子に利用するわけであるが、BiTe系合金は大きな
欠点として機械的強度が弱く非常にもろいということが
あり、細い柱などを作ると単独では作業が難しい。
【0007】そのため限られたスペースへ配置、装着可
能な微小な熱電素子を作製するためにいくつかの検討が
なされている。たとえば特開昭53−31985号公報
にその一つの作製方法が記載されている。図10にはこ
の公報に開示されている熱電素子の平面構造を示す。ま
た、公報には開示されてはいないが、参考として推測さ
れる断面図を図11に示す。
【0008】この熱電素子は、薄いフィルム90の上に
ストライプ状のp型熱電半導体薄膜91とn型熱電半導
体薄膜92が交互に配置されている。それぞれ隣り合っ
た異種の熱電半導体膜は電極膜40により接続され熱電
対を形成しており、さらに全てが直列化されている。
【0009】この熱電素子の製造は以下のように行う。
まず幅2mm程度のフィルム90に配線用の電極膜40
を形成しパターン化しておく。つづいてBiSbTe系
の材料を蒸着しp型熱電半導体薄膜91を形成し、さら
にBiSeTe系の材料を蒸着しn型熱電半導体薄膜9
2を形成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】確かに引用の公報の構
造をとれば、任意の形状に変形させることで、脆い熱電
半導体を用いても限定された領域に装着できる熱電素子
構造を実現することはできる。しかしながら、まず薄膜
状の熱電半導体がベースフィルムの上に乗っているとい
う従来の構造は、体積の割には熱電素子全体の抵抗値が
大きくなってしまい効率が悪い。
【0011】発電または冷却に熱電素子を用いる場合、
性能を決定するのは一般的に得られる電力値である。た
とえば、熱電素子で腕時計を動かす場合、充電も含めて
10μWは最低限必要である。従来の熱電素子の場合、
フィルムを40μm厚、熱電半導体の1本の幅を50μ
m、厚さを10μm、長さを2mmとすると温度差1℃
で5000対が必要となる。
【0012】しかしながら、フィルムの部分も熱電半導
体となれば、つまり熱電半導体の厚さが50μmになれ
ば抵抗値は1/5に低下でき、わずか1000対で必要
な電力は得られることになる。
【0013】また、真空蒸着法などによって形成した熱
電半導体膜は、一般的な溶融法で形成したブロック材料
に比べて熱電性能が劣るのは普通である。溶融法により
製造したBiTe系の熱電半導体は通常使われているも
ので起電圧(ゼーベック係数)は200μV/℃であ
る。しかし、蒸着法により製造した薄膜熱電半導体では
比抵抗を溶融品とほぼ同じくらいに調整すると、起電圧
は大きくとも150μV/℃である。
【0014】これは電力に換算すると電圧は2乗で効い
てくるため、蒸着法で形成した熱電半導体は溶融法で形
成したもののせいぜい50%の電力しか得られないこと
になる。このように従来の熱電素子では、材料特性的に
も充分でないことがわかり、熱電素子として必要な電力
を得るには、前記の対数よりさらに増やさなければなら
ない。このように従来の熱電素子では、確かに狭い領域
に装着できる形状にはなるが、本来必要である熱電特性
が劣ってしまうという欠点があった。
【0015】[発明の目的]そこで本発明の目的は、上
記の問題点を解決し、限定された狭い領域に装着できる
構造をもち、かつ熱電特性が優れた熱電素子とその製造
方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の熱電素子は、1列に配列した複数のp型柱状
熱電半導体とn型柱状熱電半導体と、隣り合った柱状熱
電半導体の間隙には可とう性絶縁体と、隣り合った柱状
熱電半導体の端部を接続し複数の熱電半導体を連続させ
る電極膜からなり、複数の柱状熱電半導体は少なくとも
その一部が屈曲した配列であることを特徴とする。
【0017】また本発明の熱電素子の製造方法において
は、p型熱電半導体ブロックとn型熱電半導体ブロック
に溝加工を施し、p型溝入ブロックとn型溝入ブロック
を形成する工程と、p型溝入ブロックとn型溝入ブロッ
クを溝加工面で互いに嵌合する工程と、嵌合部の空隙に
可とう性絶縁体を形成し一体化する工程と、一体化した
ブロックの上下面を除去する工程と、溝に対して垂直方
向に切断し所定の厚さの素子シートを形成する工程と、
素子シートに含まれるp型柱状熱電半導体とn型柱状熱
電半導体の端部を交互に接続する電極膜を形成する工程
からなることを特徴とする。
【0018】あるいは本発明の熱電素子の製造方法にお
いては、p型熱電半導体ブロックとn型熱電半導体ブロ
ックに溝加工を施し、p型溝入ブロックとn型溝入ブロ
ックを形成する工程と、p型溝入ブロックとn型溝入ブ
ロックを溝加工面で互いに嵌合する工程と、嵌合部の空
隙に可とう性絶縁体を形成し一体化する工程と、一体化
したブロックの上下面を除去しp型板状熱電半導体とn
型板状熱電半導体を形成する工程と、p型板状熱電半導
体とn型板状熱電半導体の端部を交互に接続する電極膜
を形成する工程と、板状熱電半導体に対し垂直方向に所
定の厚さに切断する工程とからなることを特徴とする。
【0019】[作用]本発明の熱電素子は、多数の柱状
の熱電半導体が可とう性の絶縁体により固着され、1列
に配列しており、全体でシート状となっているため、た
とえば腕時計内部のムーブメントとケースとの間にでき
た隙間のような、非常に狭い領域にも挿入することがで
きる。また、可とう性絶縁体の部分で変形が可能である
ため、装着するべき狭い領域が複雑に曲がっていても対
応可能である。
【0020】さらに、熱電素子に含まれる熱電半導体
は、熱電半導体ブロックから加工したものであり、熱電
特性の優れたものも利用でき、また柱の太さは加工条件
により様々に変えられるため、使用目的に合わせてたと
えば大きな電流を得るために断面積を大きくすることも
可能である。
【0021】また、本発明の熱電素子は熱電半導体と狭
持される可とう性樹脂のみでシート状になるため、従来
のように、保持用の別のシートが不要となり、スペース
効率がよい。
【0022】このように本発明の熱電素子は、狭い領域
への装着が可能な構造をしているにも関わらず、熱電特
性も優れた素子である。
【0023】
【発明の実施の形態】図面を用いて最適な実施の形態に
おける熱電素子およびその製造方法について説明する。
はじめに図1および図2を用いて本発明の熱電素子の構
造について説明する。図1は本発明の熱電素子の斜視図
であり、図2は本発明の熱電素子の端部付近の断面図で
ある。
【0024】図1に示すように、熱電素子にはBiTe
Sbの焼結体からなるp型柱状熱電半導体10、BiT
eの焼結体からなるn型柱状熱電半導体20と、可とう
性絶縁体30と、電極膜40とを備えている。
【0025】p型柱状熱電半導体10とn型柱状熱電半
導体20とは、交互に1列に並んでおり、すべての柱状
熱電半導体の間隙は可とう性絶縁体30を充填する。可
とう性絶縁体30は変形可能なエポキシ系の樹脂からな
っており、その両側にあるp型柱状熱電半導体10とn
型柱状熱電半導体20を分離しないように接着し、フィ
ルム状の全体形状を保つ役目をしている。また後述する
が、可とう性という物理的性質から全体に柔軟性を持た
せている。
【0026】電極膜40は柱状の熱電半導体の端部に位
置しており、隣り合ったp型柱状熱電半導体10とn型
柱状熱電半導体20を電気的に接続する役割をなしてい
る。そこで、電極膜40はおよそ100nmの膜厚のN
i(ニッケル)膜と、およそ900nmの膜厚Cu
(銅)膜とからなっている。
【0027】電極膜40にて接続されたp型柱状熱電半
導体10とn型柱状熱電半導体20は、隣同士の2本で
いわゆる熱電対を形成し、つまりはこの熱電素子には多
数の熱電対が連続して含まれていることになる。
【0028】本発明の熱電素子は長さ100mm、幅2
mm、厚さ50μmであり、幅50μmの柱状熱電半導
体を全体で約1330本とそれと同数の幅25μmの可
とう性絶縁体30を含み、665対の連続した熱電対を
形成している。
【0029】以上の様な本発明の熱電素子は、その柱状
熱電半導体の長さ方向に温度差を与えれば両端の電極膜
40部分において起電力が得られる。用いている材料の
1対当たりの起電力が、0.4mV/℃であることか
ら、熱電素子の起電力はこの大きさで266mV/℃も
の大きな値が得られる。つまり、この素子が6枚あれば
わずか1℃の温度差で、乾電池ほどの電圧が得られる。
【0030】さらにこの熱電素子は変形可能と言う特徴
がある。その場合の形状を示したのが図2である。図2
に見られるように可とう性絶縁体30の部分が変形する
ことで、本発明の熱電素子は柔軟性を持ち、使用する場
所の領域に適合した形状にもなる。
【0031】本発明ではこの熱電素子を腕時計のケース
の内部に沿って円状に配置した。つまり熱電素子を円周
100mm、直径約32mmの円に変形させた。熱電素
子でできた円の内周と外周の差は314μmであり、素
子内には1330箇所の可とう性絶縁体30部が存在す
るため、1箇所あたりの内外差は0.24μmである。
【0032】可とう性絶縁体30は25μmの幅がある
ため、この程度の変形であれば可とう性絶縁体30は1
%弱の変形ですむこととなり、隣り合った柱状熱電半導
体を安定に保持できる。
【0033】(熱電素子の製造方法:図3〜図9)続い
て図3〜図9を用いて本発明の実施形態における熱電素
子の第1の製造方法を説明する。
【0034】図3に示すように、p型熱電半導体ブロッ
ク11と、n型熱電半導体ブロック21とを用意する。
このp型熱電半導体ブロック11およびn型熱電半導体
ブロック21は、加工後にそれぞれp型柱状熱電半導体
10およびn型柱状熱電半導体20となる半導体ブロッ
クである。この実施形態ではp型熱電半導体ブロック1
1としてp型のBiTeSbの焼結体、n型熱電半導体
ブロック21としてn型のBiTeの焼結体を用いる。
【0035】続いて図4に示す工程においては、p型熱
電半導体ブロック11に複数の溝を形成し、p型溝入ブ
ロック12とする。同じように、n型熱電半導体ブロッ
ク21からn型溝入ブロック22を形成するが、このと
き、p型溝入ブロック12とn型溝入ブロック22と
で、溝のピッチを同一にし、かつ、一方のブロックの溝
幅が他方のブロックの隔壁幅よりも大きくなるようにす
る。
【0036】溝の加工はワイヤーソーによる研磨加工に
より行い、それぞれのブロックには深さ3mm、ピッチ
160μm、幅110μmの溝を形成する。
【0037】図5の工程では、図4に示したp型溝入ブ
ロック12とn型溝入ブロック22で、互いに溝に相手
の隔壁を挿入し合って組み合わせる。組み合わせた2つ
のブロックは嵌合部に可とう性絶縁体30を設けて固着
することで一体化する。
【0038】可とう性絶縁体30に用いる材料としては
低粘度の常温硬化型の可とう性エポキシ樹脂を用いる。
毛管現象により樹脂を溝と隔壁との隙間に充填すること
で、両ブロックを固着するとともに絶縁性も確保でき
る。
【0039】さて、このように図5のように一体化した
ブロックは、その上下面を研削で除去することで個々の
隔壁を分離し、図6に示すように独立したp型板状熱電
半導体13とn型板状熱電半体23となるように仕上げ
る。
【0040】さらに、図7に示すように板状熱電半導体
と垂直方向にブロックを切断することで、さらに分離し
た素子シート50を形成する。この切断加工により、素
子シート50にはp型柱状熱電半導体10とn型柱状熱
電半導体20が含まれることになる。
【0041】ここでの加工はワイヤーソーによって行
う。本例ではピッチ200μm、加工幅100μmで切
断し、それぞれ、50μmの厚さを有した素子シート5
0を形成する。
【0042】最後にp型柱状熱電半導体10とn型柱状
熱電半導体20の端部において、電極膜40を形成して
配線を行う。これは、素子シート50の全面に真空蒸着
法によりNiを100nmとCuを900nm形成し、
フォトリソグラフィーの手法を用いて必要な部分だけに
フォトレジストを形成し、エッチング法で不要なNiと
Cuを除去しパターン化することで行う。
【0043】形成された電極膜40は、図1に示すよう
に、隣り合ったp型柱状熱電半導体10とn型柱状熱電
半導体20を両端部でにおいて交互に接続し、多数の熱
電対を連続することで、本発明の熱電素子は製造でき
る。
【0044】ここでさらに、本発明の熱電素子の第2の
製造方法について説明する。第2の製造方法は組み合わ
せた熱電半導体ブロックをシート状に切り落とす前に電
極膜40を全面に形成しておくという面で第1の製造方
法とは異なる。
【0045】この製造方法においても図3〜図6のp型
熱電半導体ブロック11とn型熱電半導体ブロック21
を用いての溝加工、形成したp型溝入ブロック12とn
型溝入ブロック22の組み合わせと可とう性樹脂30の
注入、組み合わせたブロックの上面と下面の研削除去ま
では上記の製造方法と同じである。
【0046】つづいて、図8に示すように上下の研削除
去した面の両面に真空蒸着法によりNiを100nmと
Cuを900nm形成する。この膜はフォトリソグラフ
ィーとエッチングの手法を用いて、隣り合った2枚のp
型板状熱電半導体13とn型板状熱電半導体23が接続
できるように断続的にパターン化し、電極膜40とす
る。このとき、上面と下面の電極膜40は1ピッチずつ
ずれるように形成する。
【0047】最後に図9に示すように、板状熱電半導体
と垂直方向にブロックを切断することで、さらに分離し
た素子シート50を形成する。ここでの加工はワイヤー
ソーによって行う。この実施形態では、ピッチ200μ
m、加工幅100μmで切断し、それぞれ50μmの厚
さを有した素子シート50を形成する。
【0048】この切断加工により、素子シート50には
p型柱状熱電半導体10とn型柱状熱電半導体20が含
まれ、さらに予め形成してある電極膜40で、隣り合っ
たp型柱状熱電半導体10とn型柱状熱電半導体20を
両端部でにおいて交互に接続し、多数の熱電対を連続し
た熱電素子が製造できる。
【0049】このようにして第1および第2の製造方法
で製造した熱電素子は、可とう性絶縁体30を含んでい
るため、全体として柔軟性を有しており、図2のように
軽く力を加えることで曲線を描いた構造に変形すること
もできる。
【0050】上記の説明において、熱電半導体にはBi
SbTe合金とBiTe合金を用いているが、さらにS
e等を加えたもの、あるいはI(ヨウ素)やBr(臭
素)などをドーピングしたものでもよい。さらには、P
bTe、FeSi2、Ir2Sb3などブロック状の熱
電材料なら他のものもほとんど利用できる。
【0051】可とう性絶縁体30にはエポキシ樹脂を用
いているが、可とう性があればポリイイミド系、シリコ
ン系、ゴム系などの樹脂も用いることができる。また、
常温で可とう性が無くとも、たとえば加熱したときに柔
らかくなり可とう性が生じるような樹脂でもよい。
【0052】電極膜40はNiとCuを用いているが、
当然どちらか片方でもよく、その他Cr、Ti、Fe、
Al、Auなど、金属材料はほぼ利用可能である。
【0053】また、電極膜の形成方法も蒸着法のみでな
く、スパッタリングなどの他の真空薄膜作製方法あるい
は金属ペーストを印刷するなどの方法も利用できる。
【0054】ブロック材料の加工はワイヤーソーを用い
ているが、これは素子をできるだけ微小に作り上げるた
めであり、たとえばダイシングソーなどのその他の切断
方法によって、熱電素子を作ることも可能である。とう
ぜん上下面の研削除去も切断という手法でもよい。
【0055】
【発明の効果】以上の実施の形態から明らかなように、
本発明の熱電素子は、柱状の熱電半導体とその間隙に充
填された可とう性絶縁体から形成されることで、全体が
薄いフィルム状であることから、腕時計の内部などの非
常に狭い空間に装着できる構造となっている。さらに、
可とう性絶縁体により柔軟性のある構造となっているた
め、たとえば腕時計では内部の機械部品の周囲等に効率
よく配置することも可能である。
【0056】そして、製造方法もブロック材料に溝を入
れて組み合わせ、さらに切断する手法をとるため、ワイ
ヤーソー等の加工方法を利用することでブロック材料を
用いるにもかかわらず、数10μm角の非常に細い柱状
熱電半導体が形成でき、これにより製造された熱電素子
自体も非常に小さいものとなり、腕時計などにも装着が
可能となる。
【0057】従来BiTe系の熱電材料は脆いものであ
り、数10μm角で、さらに長さ2mmと微細で長い材
料を規則的に配置するのは困難であったが、本発明の熱
電素子では、製造工程から柱のみで分離することなく可
とう性絶縁体で固着されているため、機械的強度の問題
点を解決している。
【0058】さらに、本発明の熱電素子は上述のように
ブロック材料を加工して柱状熱電半導体とするため、柱
の太さはほとんど任意に調節が可能である。これに比べ
て従来のフィルムに蒸着法等で熱電半導体薄膜を形成す
る熱電素子は、熱電半導体の厚さは大きくとも10μm
であり、そのほかにフィルムの厚さが必要である。
【0059】このようにたとえば同じように50μmの
厚さの熱電素子を製造した場合、従来はその1/5しか
実際は利用できなかったのに比べ、本発明の熱電素子は
厚さすべてが素子として利用できるためスペース効率が
良く、従来の5倍の出力を得ることができる。
【0060】またさらに、熱電半導体材料自体も本発明
においてはブロック材料を用いることで、現在最も特性
の良好な材料を利用することができ、従来の特性の劣る
薄膜を利用した熱電素子に比べると素子特性が優れる。
【0061】本発明の熱電素子をもちいて、腕時計に代
表されるような小さな携帯電子機器に発電素子として装
着することで、余分なスペースをとらずに新しくエネル
ギーを得ることが可能である。また、電子回路の周辺に
おいて、効率よく局所的な冷却することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における熱電素子の構成を
示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における熱電素子の構成を
示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態における熱電素子の製造方
法を示す斜視図である。
【図10】従来技術の熱電素子の構成を示す平面図であ
る。
【図11】従来技術の熱電素子の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 p型柱状熱電半導体 11 p型熱電半導体ブロック 12 p型溝入ブロック 13 p型板状熱電半導体 20 n型柱状熱電半導体 21 n型熱電半導体ブロック 22 n型溝入ブロック 23 n型板状熱電半導体 30 可とう性絶縁体 40 電極膜 50 素子シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1列に配列した複数のp型柱状熱電半導
    体とn型柱状熱電半導体と、 隣り合った柱状熱電半導体の間隙には可とう性絶縁体
    と、 隣り合った柱状熱電半導体の端部を接続し複数の熱電半
    導体を連続させる電極膜とを有することを特徴とする熱
    電素子。
  2. 【請求項2】 1列に配列した複数のp型柱状熱電半導
    体とn型柱状熱電半導体と、 隣り合った柱状熱電半導体の間隙には可とう性絶縁体
    と、 隣り合った柱状熱電半導体の端部を接続し複数の熱電半
    導体を連続させる電極膜とを備え、 複数の柱状熱電半導体は少なくともその一部が屈曲した
    配列であることを特徴とする熱電素子。
  3. 【請求項3】 p型熱電半導体ブロックとn型熱電半導
    体ブロックに溝加工を施し、p型溝入ブロックとn型溝
    入ブロックを形成する工程と、 p型溝入ブロックとn型溝入ブロックを溝加工面で互い
    に嵌合する工程と、 嵌合部の空隙に可とう性絶縁体を形成し一体化する工程
    と、 一体化したブロックの上下面を除去する工程と、 溝に対して垂直方向に切断し所定の厚さの素子シートを
    形成する工程と、 素子シートに含まれるp型柱状熱電半導体とn型柱状熱
    電半導体の端部を交互に接続する電極膜を形成する工程
    とを有することを特徴とする熱電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 p型熱電半導体ブロックとn型熱電半導
    体ブロックに溝加工を施し、p型溝入ブロックとn型溝
    入ブロックを形成する工程と、 p型溝入ブロックとn型溝入ブロックを溝加工面で互い
    に嵌合する工程と、 嵌合部の空隙に可とう性絶縁体を形成し一体化する工程
    と、 一体化したブロックの上下面を除去しp型板状熱電半導
    体とn型板状熱電半導体を形成する工程と、 p型板状熱電半導体とn型板状熱電半導体の端部を交互
    に接続する電極膜を形成する工程と、 板状熱電半導体に対し垂直方向に所定の厚さに切断する
    工程とを有することを特徴とする熱電素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱電素子は、 可とう性の絶縁体において変形させ、屈曲した柱状熱電
    素子の配列にすることを特徴とする請求項3または請求
    項4に記載の熱電素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6736984B2 (en) * 2001-05-17 2004-05-18 Honeywell International Inc. Non-mechanical fabrication of carbon-containing work pieces

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