JPH11214728A - タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置 - Google Patents
タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置Info
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- JPH11214728A JPH11214728A JP10015615A JP1561598A JPH11214728A JP H11214728 A JPH11214728 A JP H11214728A JP 10015615 A JP10015615 A JP 10015615A JP 1561598 A JP1561598 A JP 1561598A JP H11214728 A JPH11214728 A JP H11214728A
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Abstract
プロセスのみを用いて結晶質シリコン系光電変換ユニッ
トを含む光電変換装置を形成し、その低コスト化と高性
能化の両立を図る。 【解決手段】 タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置
では、絶縁性表面を有する基板1上に、裏面電極10、
第1と第2の光電変換ユニット11,12、および前面
透明電極2がこの順序で積層され、第1と第2の光電変
換ユニットの各々は300℃以下の下地温度の下でプラ
ズマCVD法により順次堆積された半導体層である第1
導電型層111,121と光電変換層112,122と
逆導電型層113,123を含み、第1ユニットの光電
変換層は結晶質を含むシリコン系薄膜からなり、第2ユ
ニットの光電変換層は非晶質シリコンゲルマニウム薄膜
からなり、第1ユニットの上面1Bは微細な凹凸を含む
テクスチャ構造を有していることを特徴としている。
Description
対して有効なタンデム型薄膜光電変換装置に関し、特
に、タンデム型シリコン系薄膜光電変換装置の低コスト
化と安定化後の光電変換効率の改善とに関するものであ
る。なお、本願明細書において、「結晶質」と「微結
晶」の用語は、部分的に非晶質状態を含むものをも意味
するものとする。
非晶質シリコン系太陽電池があり、これは低コストの光
電変換装置としての有力候補として期待されている。他
方、薄膜光電変換装置の低コスト化と高性能化を両立さ
せるために、安価な基板上に低温プロセスで形成される
良質の結晶質シリコンを含む多結晶シリコン薄膜や微結
晶シリコン薄膜などを用いた光電変換装置の開発も精力
的に行なわれている。
ができる300℃以下の低温プロセスのみによって優れ
た光電変換効率を有する結晶質シリコン系薄膜光電変換
装置を形成し得る方法が近年脚光を浴びており、たとえ
ば、微結晶シリコンのpin接合を含む光電変換装置が
Appl. Phys. Lett., vol.65, 1994, p.860に記載されて
いる。この光電変換装置は、簡便にプラズマCVD法で
順次積層されたp型半導体層、光電変換層としてのi型
半導体層、およびn型半導体層を含み、これらの半導体
層のすべてが微結晶シリコンであることを特徴としてい
る。
される結晶質シリコン系薄膜光電変換装置において、基
板や下地層が実質的に平面であっても微細な凹凸を含む
テクスチャ構造の上面を有するシリコン系薄膜を形成す
ることができ、そのシリコン系薄膜に入射した光がその
テクスチャ構造によって外部に逃げにくくなるというい
わゆる光閉じ込め効果が得られる旨が、たとえばJpn.
J. Appl. Phys., vol.36, 1997, L569 において述べら
れている。
たは結晶質シリコン系薄膜のいずれを利用しても、それ
単独では未だ十分な光電変換効率が得られず、さらなる
改善のために種々の試みが行なわれている。それらの試
みの1つとして、光吸収特性の異なる複数の光電変換ユ
ニットを2段以上積層したタンデム型構造がある。タン
デム型構造の利点としては、(1)幅広い波長領域にわ
たる光を複数の光電変換ユニットに分担して吸収させる
ことができ、広い波長範囲の光の有効利用が図れるこ
と、(2)高い開放端電圧が得られること、(3)非晶
質シリコン系材料を用いた場合に見られる光劣化現象に
よる光電変換特性の低下率をある程度抑制できることな
どが挙げられる。
電変換ユニットを積層した2段タンデム型が最も一般的
である。たとえば、光入射側に配置された前方ユニット
として非晶質シリコン光電変換層を含むユニットを用
い、後方ユニットとして非晶質シリコンまたは非晶質シ
リコンゲルマニウムの光電変換層を含むユニットを用い
て、非晶質シリコン系材料のみで構成されるタンデム型
光電変換装置が数多く実施されている。しかし、このよ
うな非晶質材料のみを用いた2段タンデム型光電変換装
置は前方と後方の両光電変換ユニットともに光劣化を生
じるので、厚い非晶質光電変換層を含む単独セルほどで
はないにしても、タンデム型でも光劣化率を十分に抑制
できないという問題が残っている。
可能な光の波長域が狭く、たとえば後方ユニットに非晶
質シリコンゲルマニウム光電変換層を含むユニットを用
いたタンデム型の場合においても、その光電変換可能な
光は約1000nmよりも短い波長領域の光に限定され
てしまう。長波長領域における光感度を増大させるため
には、非晶質シリコンゲルマニウム膜中のゲルマニウム
含有量を増大させる必要があるが、その場合には、膜の
光電特性が著しく低下して光電変換装置に適用し得る品
質のものは得られず、かつ資源が乏しくて高価なゲルマ
ニウムを大量に要することになって光電変換装置のコス
トが高くなってしまう。
コン光電変換層を含むユニットを用いて、後方ユニット
として結晶質シリコン系光電変換層を含むユニットを用
いた2段タンデム型光電変換装置も多く実施されてい
る。この場合は、後方ユニット中の結晶質シリコン系材
料の光安定性が非常に高く、かつ約1100nmの長波
長付近まで光感度を有することから、上述の非晶質シリ
コン系材料のみで構成されるタンデム型光電変換装置と
比べれば高い光電変換効率が得られることが期待され
る。
含むユニットが高い光電流を生じるのに対して、非晶質
シリコン光電変換層を含むユニットの光感度が低くて、
両者を直列接続したときに発生する電流のバランスを図
るためには非晶質シリコン膜の厚さをかなり大きくする
ことが必要となる。しかし、一般に非晶質シリコン系光
電変換層を含むユニットにおいては、その膜厚が増大す
るにつれて光劣化率も増大することが知られており、こ
のように非晶質と結晶質の2つの光電変換ユニットを組
合せた2段タンデム型光電変換装置においても、安定化
後の光電変換効率は期待されるほどには高くならない。
たタンデム型光電変換装置においては、光の広い波長範
囲をより細かく分割して各ユニットに分担して吸収させ
ることができ、設計の自由度も大きくなって、より高性
能化が期待できる。また、3段以上のタンデム型では高
い開放端電圧が得られるとともに、全段に非晶質シリコ
ン系光電変換ユニットを用いた場合の光劣化率は、設計
パラメータによっては2段タンデム型よりもさらに抑制
することができる。
れた前方ユニットとして非晶質シリコンまたは非晶質シ
リコンカーバイドの層を含む光電変換ユニットを用い、
中間ユニットとして非晶質シリコンまたは非晶質シリコ
ンゲルマニウムの層を含む光電変換ユニットを用い、そ
して後方ユニットとして非晶質シリコンゲルマニウムの
層を含む光電変換ユニットを用いることによって、非晶
質シリコン系材料のみで構成される3段タンデム型光電
変換装置が比較的多く実施されている。たとえば、IEEE
1st World Conf. on Photovoltaic Energy Conversio
n, p.405 (1994)やApplied Physics Letters, vol.7
0, p.2975 (1997)などにおいて、このような3段タン
デム型光電変換装置が試みられている。
ン系光電変換層を含むユニットを用い、これと非晶質シ
リコン系光電変換層を含む複数のユニットとを組合せて
3段以上のタンデム型構造にした光電変換装置が、特開
平1−289173に開示されている。この場合も、前
述の2段タンデム型の場合と同様に、後方端ユニットの
結晶質シリコン系材料の光安定性が非常に高く、かつ約
1100nmの長波長付近まで光感度を有することか
ら、理論的には非晶質シリコン材料のみで構成されるタ
ンデム型光電変換装置に比べれば高い変換効率が期待さ
れる。
コン系薄膜光電変換装置のうちで、非晶質シリコン材料
のみで構成されるタンデム型光電変換装置においては、
すべての非晶質光電変換ユニットにおいて依然として光
劣化が生じるために、全体としての光劣化率があまり抑
制できないという問題がある。また、非晶質のタンデム
型でも、光電変換可能な光は、約1000nmより短い
波長領域の光に限定される。さらに、光閉じ込め効果を
得るためには凹凸表面テクスチャ構造を有する基板や裏
面電極の上に光電変換ユニットを形成することが考えら
れるが、平らな下地上に形成される非晶質シリコン系薄
膜自身は微細な凹凸表面テクスチャ構造を生じる性質が
ないので、その光閉じ込め効果には限界がある。さらに
また、3段以上のタンデム型では、中間ユニットに非晶
質シリコンゲルマニウムを用いる場合にはゲルマニウム
含有量が比較的少なくて済むが、後方端ユニットにシリ
コンゲルマニウムを用いる場合には多くのゲルマニウム
含有量を必要とし、コストと半導体膜の光電特性とを両
立させることが困難である。
ユニットとして結晶質シリコン系光電変換層を含むユニ
ットを用いたタンデム型光電変換装置では、結晶質シリ
コン系薄膜の形成プロセスにレーザアニール法や熱アニ
ール法などの高温プロセスを必要としており、製造工程
が複雑でコストが高くなる。従来技術においてはまた、
基板、裏面電極または結晶質シリコン系薄膜によって光
電変換ユニットの表面が微細な凹凸を含むテクスチャ構
造に制御されていないので光閉じ込め効果が低く、光電
変換効率を高めるためには各ユニットに含まれる光電変
換層の厚さを大きくする必要がある。さらに、結晶質光
電変換ユニットを含む組合せのタンデム型構造は以前か
ら提案されてはいるものの、実際に上述のようなプロセ
スで作製されたタンデム型光電変換装置において高い光
電変換効率が得られたという例は、未だかつて報告され
ていない。
明の目的は、安価な基板が使用可能な低温プロセスのみ
を用いて結晶質シリコン系光電変換ユニットを含むタン
デム型光電変換装置を形成し、タンデム型シリコン系薄
膜光電変換装置の低コスト化と高性能化の両立を図るこ
とにある。
シリコン系薄膜光電変換装置では、絶縁性表面を有する
基板上において、金属薄膜を含む裏面電極、第1光電変
換ユニット、第2光電変換ユニット、および透明導電性
酸化膜を含む前面電極がこの順序で積層されており、第
1と第2の光電変換ユニットの各々は300℃以下の下
地温度の下でプラズマCVD法により順次に堆積された
半導体層である1導電型層と光電変換層と逆導電型層を
含み、第1光電変換ユニットの光電変換層は結晶質を含
むシリコン系薄膜からなり、第2光電変換ユニットの光
電変換層は非晶質シリコンゲルマニウム薄膜からなり、
そして、第1光電変換ユニットの上面は微細な凹凸を含
むテクスチャ構造を有することを特徴としている。
テクスチャ構造を有することがより好ましく、その場合
には、第1光電変換層の上面における凹凸の平均間隔は
裏面電極の上面における凹凸の平均間隔の2/3以下に
され得る。
の間には第3光電変換ユニットを付加的に挿入してもよ
く、この第3光電変換ユニットも300℃以下の下地温
度の下でプラズマCVD法により順次に堆積された半導
体層である1導電型層と光電変換層と逆導電型層を含
み、その光電変換層は非晶質シリコン薄膜または非晶質
シリコンカーバイド薄膜からなることが好ましい。
従来技術における課題を解決すべく検討を重ねた結果、
平らな下地上に堆積されても上面が微細な凹凸を含む表
面テクスチャ構造を形成し得る性質を有する結晶質シリ
コン系薄膜を含む光電変換ユニットを後方端ユニットと
して形成し、この上に形成された非晶質シリコンゲルマ
ニウム層を含む光電変換ユニットにおいて光閉じ込め効
果の向上による優れた光電変換特性を示すことを見出し
たのである。
ム型シリコン系薄膜光電変換装置が、その製造過程に従
って、以下において説明される。
基板としては、表面が絶縁処理されたステンレス等の金
属、有機フィルム、または低融点の安価なガラスなどが
用いられ得る。
(B)のうちの1以上を含み、たとえば蒸着法やスパッ
タ法によって形成され得る。 (A) Ti、Cr、Al、Ag、Au、CuおよびP
tから選択された少なくとも1以上の金属またはこれら
の合金からなる金属薄膜。 (B) ITO、SnO2 およびZnOから選択された
少なくとも1以上の酸化物からなる透明導電性薄膜。
か、または数百nmから数μm程度の間隔の微細な凹凸
を含む表面テクスチャ構造を有している。このような裏
面電極の上面におけるテクスチャ構造は、たとえば表面
が微細な凹凸を有するように加工された基板上に裏面電
極を堆積するか、または裏面電極に含まれる少なくとも
1つの層が自然に微細な凹凸表面を生じる堆積条件で形
成されることによって得ることができる。
換ユニットが積層されてタンデム型にされる。これらの
光電変換ユニットの各々に含まれるすべての半導体層
が、300℃以下の下地温度の条件の下にプラズマCV
D法によって堆積される。プラズマCVD法としては、
一般に広く知られている平行平板型のRFプラズマCV
Dを用い得る他、周波数が150MHz以下のRF帯か
らVHF帯までの高周波電源を利用するプラズマCVD
を用いてもよい。
トに含まれる1導電型層が堆積される。この1導電型層
としては、たとえば導電型決定不純物原子であるリンが
ドープされたn型シリコン系薄膜、またはボロンがドー
プされたp型シリコン系薄膜などが用いられ得る。しか
し、この1導電型層についてのこれらの条件は限定的な
ものではなく、不純物原子としては、たとえばn型層に
おいては窒素等でもよく、また材料としては非晶質シリ
コンまたは非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコン
ゲルマニウム等の合金材料の他に、多結晶もしくは部分
的に非晶質を含む微結晶のシリコンまたはその合金材料
を用いることもできる。なお、望まれる場合には、堆積
されたこのような1導電型層にパルスレーザ光を照射す
ることにより、その結晶化分率や導電型決定不純物原子
によるキャリア濃度を制御することもできる。
は、光電変換層として、結晶質を含むシリコン系薄膜光
電変換層が堆積される。この結晶質を含むシリコン系薄
膜光電変換層としては、ノンドープの真性半導体の多結
晶シリコン薄膜や体積結晶化分率が80%以上の多結晶
シリコン膜、または微量の不純物を含む弱p型もしくは
弱n型で光電変換機能を十分に備えているシリコン系薄
膜材料が用いられ得る。しかし、この光電変換層はこれ
らに限定されず、シリコンカーバイドやシリコンゲルマ
ニウム等の合金材料を用いて形成されてもよい。
0μmの範囲内にあり、これは結晶質シリコン系薄膜光
電変換層として必要かつ十分な膜厚である。また、この
結晶質光電変換層は300℃以下の低温で形成されるの
で、結晶粒界や粒内における欠陥を終端または不活性化
させる水素原子を多く含み、その水素含有量は2〜30
原子%の範囲内にある。さらに、結晶質シリコン系薄膜
光電変換層に含まれる結晶粒の多くは下地層から上方に
柱状に延びて成長しており、その膜面に平行に(11
0)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折における
(220)回折ピークに対する(111)回折ピークの
強度比は0.2以下である。
上には、第1導電型層とは逆タイプの逆導電型層として
のシリコン系薄膜が堆積される。この逆導電型層として
は、たとえば導電型決定不純物原子であるボロンがドー
プされたp型シリコン系薄膜、またはリンがドープされ
たn型シリコン系薄膜などが用いられ得る。しかし、こ
の逆導電型層についてのこれらの条件は限定的なもので
はなく、不純物原子としてはたとえばp型層においては
アルミニウム等でもよく、また材料としては非晶質シリ
コンまたは非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコン
ゲルマニウム等の合金材料の他に、多結晶もしくは部分
的に非晶質を含む微結晶のシリコンまたはその合金材料
を用いることもできる。
ある場合でも、その上に堆積される第1光電変換ユニッ
トの上面には、そのユニットの厚さよりも約1桁ほど小
さな間隔の微細な凹凸を含む表面テクスチャ構造が形成
される。また、裏面電極の上面が凹凸テクスチャ構造を
有する場合、第1光電変換ユニットの上面のテクスチャ
構造における微細な凹凸の平均間隔は、裏面電極のそれ
と比べて約3分の2以下に小さくなる。これは、第1光
電変換ユニットに含まれる結晶質光電変換層がその堆積
時に自然に凹凸テクスチャ構造を生じることによるもの
であり、これによって、第1光電変換ユニットの上面
が、広範囲の波長領域の入射光を散乱させるのに一層適
した微細な表面凹凸テクスチャ構造になり、タンデム型
光電変換装置全体としての光閉じ込め効果も大きくな
る。
後には、場合によってはその逆導電型層上に、ITO、
SnO2 およびZnOから選択された1以上の層を含み
かつ10〜200nmの範囲内の厚さを有する透明導電
性酸化膜が形成されてもよい。
換ユニットに含まれる第1導電型層と光電変換層と逆導
電型層が、第1光電変換ユニットの場合と同様に順次に
堆積される。しかし、第2光電変換ユニットに含まれる
光電変換層は、実質的に真性半導体の非晶質シリコンゲ
ルマニウム薄膜に限定される。この非晶質シリコンゲル
マニウム(a−Si1-X GeX )薄膜のゲルマニウム含
有量は1〜30原子%(x=0.01〜0.3)の範囲
内にあり、その光学的エネルギバンドギャップEopt は
1.52〜1.74eVの範囲内にあることが好まし
い。ここで、光学的バンドギャップEopt は、ガラス基
板上に直接堆積された半導体膜を被測定試料として、そ
の光吸収係数αの光エネルギhν依存性に基づくPau
cの式(αhν)1/2 ∝hν−Eopt を用いて求められ
たものである。
おいてゲルマニウム含有量が少ない場合には実質的に非
晶質シリコン膜と変わらず、そのバンドギャップが広く
て長波長領域における光感度が不足するために大きな膜
厚が必要となり、この第2の光電変換ユニットの光劣化
率が増大してしまう。また、光閉じ込め効果の観点から
しても、光電変換層のバンドギャップが狭くて長波長の
光に対する感度が高いほどその閉じ込め効果が大きくな
る。
換ユニットの上面との間、すなわち積層された2つの光
電変換ユニット全体に閉じ込められる光は半導体層に吸
収されにくい近赤外領域の長波長の光が大部分である。
したがって、従来のように結晶質シリコン系光電変換層
を含むユニットとゲルマニウムを含まない非晶質シリコ
ン光電変換層を含むユニットとの組合せでは、光閉じ込
め効果による光吸収量と光電流の向上は結晶質シリコン
系光電変換層を含むユニットにおいては顕著であるが、
近赤外領域における光感度が低い非晶質シリコン光電変
換層を含むユニットにおける光吸収量にはあまり変化が
ない。しかし、この非晶質シリコン光電変換層を含むユ
ニットの代わりに非晶質シリコンゲルマニウム光電変換
層を含むユニットを組合せた場合には、タンデム型光電
変換装置全体として閉じ込められる長波長の光に対する
感度があるので、このような長波長の光に対する光吸収
量も増大する。
晶質シリコンゲルマニウム光電変換層におけるゲルマニ
ウム含有量が多い場合には、先に述べたように膜のコス
トと光電特性を両立させることが困難となるので好まし
くない。本発明によるタンデム型光電変換装置において
は第1ユニットとして長波長領域の光感度が高い結晶質
シリコン系光電変換層を含むユニットが用いられるの
で、第2ユニットに含まれる光電変換層の長波長光感度
は適度であればよい。したがって、第2光電変換ユニッ
トに含まれる非晶質シリコンゲルマニウム光電変換層は
上述のような範囲のゲルマニウム含有量と光学的バンド
ギャップを有することが好ましく、その厚さは100〜
450nmの範囲内に設定される。
合は以上のような第1と第2の光電変換ユニットを形成
することによって光電変換ユニットの積層が終了する
が、光電変換装置が3段タンデム型にされる場合には、
さらに以下のような第3の光電変換ユニットが積層され
る。
後には、第1光電変換ユニットが形成された後の場合と
同様に、場合によっては第2導電型ユニット上にIT
O、SnO2 またはZnOから選択された1以上の層を
含みかつ10〜200nmの範囲内の厚さを有する透明
導電性酸化膜が形成されてもよい。
光電変換ユニットにおいても、第1導電型層と光電変換
層と逆導電型層が順次に堆積される。これらの第1導電
型層と逆導電型層は第1と第2の光電変換ユニットの場
合と同様に形成されるが、第3ユニットの光電変換層と
しては実質的に真性半導体の非晶質シリコンまたは10
原子%以下の炭素を含む非晶質シリコンカーバイドの層
が堆積される。この第3ユニットに含まれる非晶質光電
変換層は50〜150nmの範囲内の比較的薄い厚さを
有していればよく、その薄さに起因して、第3光電変換
ユニットの光劣化率が相当程度に抑制され得る。
においても、光電変換ユニットの積層が終了した後に、
ITO、SnO2 、ZnOから選択された1以上の層を
含む透明導電性酸化膜が前面電極として形成される。さ
らにこの前面電極上のグリッド電極として、Al、A
g、Au、CuおよびPtから選択された少なくとも1
以上の金属またはこれらの合金の層を含む櫛型状の金属
電極がスパッタ法または蒸着法により形成されて光電変
換装置が完成する。このようなタンデム型シリコン系薄
膜光電変換装置において、光電変換されるべき光は透明
導電性酸化膜の前面電極側から照射される。
よるタンデム型シリコン系薄膜光電変換装置としての太
陽電池が、比較例による太陽電池とともに説明される。
れているような2段タンデム型太陽電池が、実施例1と
して作製された。なお、本願の各図においては、図面の
明瞭化と簡略化のために寸法関係は適宜に変更されてお
り、各層の厚さや凹凸などにおける寸法関係は必ずしも
実際の関係を反映してはいない。
は、ガラス基板1上に裏面電極10が形成された。裏面
電極10は、100℃の下地温度の条件の下で順次に堆
積された厚さ20nmのTi層101、厚さ300nm
のAg層102、および厚さ100nmのZnO層10
3を含んでいる。裏面電極10上には、多結晶シリコン
薄膜光電変換層112を含む第1ユニット11と、非晶
質シリコンゲルマニウム光電変換層122を含む第2ユ
ニット12がこの順序で積層された。これらの光電変換
ユニット11,12においては、それぞれに対応するp
型層111,121、ノンドープの光電変換層112,
122、およびn型層113,123が、プラズマCV
D法によって形成された。また、前面電極2としては厚
さ80nmの透明導電性ITO膜と、その上の電流取出
し用の櫛型Ag電極3が形成された。
多結晶シリコン光電変換層112は250℃の下地温度
の下でRFプラズマCVD法によって堆積され、その膜
厚は3.5μmにされた。この結晶質光電変換層112
において、2次イオン質量分析法によって求められた水
素含有量は4.0原子%であり、X線回折における(2
20)回折ピークに対する(111)回折ピークの強度
比は0.09であった。
非晶質シリコンゲルマニウム光電変換層122は220
℃の下地温度の下でRFプラズマCVD法によって堆積
され、その膜厚は180nmにされた。この非晶質光電
変換層122において、2次イオン質量分析法によって
求められたゲルマニウム含有量はその膜全体の平均で2
0原子%であり、光学的バンドギャップEopt は1.6
0eVであった。
基板1の上表面は凹凸表面に加工されておらず、裏面電
極10の上表面1Aも、微細な凹凸を含む表面テクスチ
ャ構造を有しておらず、実質的に平坦である。しかし、
このような裏面電極10の平坦な上面1Aを下地として
第1ユニット11が堆積されるが、結晶質光電変換層1
12がその上表面に微細な凹凸を含むテクスチャ構造を
生じるので、第2ユニット11の上面1Bも微細な凹凸
を含むテクスチャ構造を示す。このような第2ユニット
11の上面の凹凸テクスチャ構造を表面粗さ計で測定し
たところ、凹部の間隔の過半数が0.22〜0.5μm
の範囲内に分布し、その平均間隔は0.32μmであっ
た。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が1.29V、短絡電流密度が13.3mA
/cm2 、曲線因子が72.0%、そして変換効率が1
2.3%であった。また、この実施例1の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は10.7%であった。
図2に示されるような2段タンデム型太陽電池が比較例
1として作製された。この比較例1の太陽電池において
は、第1ユニット21に含まれる光電変換層212とし
て非晶質シリコンゲルマニウム層が形成され、それに伴
ってその第1ユニット21の上面2Bが実質的に平坦で
あり、さらに第2ユニット22と第1ユニット21とで
発生する光電流のバランスをとるために第2ユニット2
2に含まれる光電変換層222の厚さが160nmに変
更されていることのみにおいて実施例1と異なってい
る。すなわち、その他の層201〜203,211,2
13,221,223は、実施例1における層101〜
103,111,113,121,123にそれぞれ対
応する同じ堆積条件の下に形成された。
るノンドープの非晶質シリコンゲルマニウム層212は
220℃の下地温度の下でRFプラズマCVD法によっ
て堆積され、その膜厚は200nmにされた。この光電
変換層212において、2次イオン質量分析法によって
求められたゲルマニウム含有量はその膜全体の平均で4
0原子%であり、光学的バンドギャップEopt は1.4
5eVであった。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が1.42V、短絡電流密度が9.82mA
/cm2 、曲線因子が68.4%、そして変換効率が
9.5%であった。また、この比較例1の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は7.8%であった。
に、比較例1では第1ユニット21の長波長における光
感度を向上させることを目的としてゲルマニウム含有量
の多いノンドープの非晶質シリコンゲルマニウム光電変
換層212を用いているが、それにもかかわらず実施例
1における多結晶シリコン光電変換層112の長波長光
感度には及ばず、しかも、第1ユニット21の上面2B
が凹凸表面テクスチャ構造を有していないので光閉じ込
め効果も低く、したがって実施例1と比較例1の2段タ
ンデム型太陽電池における短絡電流密度の値に大きな差
が現われている。
例1とに類似して、図3に示されているような2段タン
デム型太陽電池が比較例2として作製された。この比較
例2の太陽電池においては、裏面電極30に含まれるA
g膜302が250℃の下地温度の下で自然に凹凸表面
テクスチャ構造を生じるように形成され、それに伴って
裏面電極30の上面3A、第1ユニット31の上面3
B、および前方ユニット32の上面が凹凸表面テクスチ
ャ構造を有していることのみにおいて比較例1と異なっ
ている。すなわち、その他の層301,303,311
〜313,321〜323は、比較例1における層20
1,203,211〜213,221〜223にそれぞ
れ対応する同じ堆積条件の下に形成された。
面電極30の上面3Aにおける凹凸形状を表面粗さ計で
測定したところ、凹部の間隔の過半数が0.24〜0.
35μmの範囲内に分布し、その平均間隔は0.28μ
mであった。また、裏面電極30のそのような凹凸表面
3A上に形成された第1ユニット31の上面3Bと第2
ユニット32の上面もほぼ同じ凹凸形状を有していた。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が1.37V、短絡電流密度が12.6mA
/cm2 、曲線因子が69.8%、そして変換効率が1
2.18%であった。また、この比較例2の太陽電池に
おいて、同じ入射光4を550時間照射した後における
安定化後の変換効率は9.7%であった。
て実施例1と同様に凹凸表面テクスチャ構造による光閉
じ込め効果が得られることから、初期の光電変換効率で
は実施例1に近い値が得られている。これは、多結晶シ
リコン光電変換層112を含む第1ユニット11よりも
非晶質シリコンゲルマニウム光電変換層312を含む第
1ユニット31における方が得られる光電流が低いけれ
ども開放端電圧が高いことによるものであり、その影響
が2段タンデム型太陽電池全体の特性としても現われて
いるものである。しかし、比較例2においても、やはり
比較例1と同様に第1ユニット31の光劣化の影響によ
る変換効率の低下が大きく、安定化後の変換効率では実
施例1に比べて歴然たる差が現われている。
例2に類似して、図4に示されているような2段タンデ
ム型太陽電池が実施例2として作製された。この実施例
2の太陽電池においては、比較例2の場合と同様に裏面
電極40に含まれるAg膜402が自然に凹凸表面テク
スチャ構造を生じる条件で形成されたことを除けば、実
施例1と同じ製造条件の下で作製された。すなわち、実
施例2の層401〜403は比較例2の層301〜30
3にそれぞれ対応する同じ堆積条件の下に形成され、実
施例2の層411〜413,421〜423は実施例1
の層111〜113,121〜123にそれぞれ対応す
る同じ堆積条件の下に形成された。
おける凹凸形状を表面粗さ計で測定したところ、比較例
2の場合と同様に、凹部の間隔の過半数は0.24〜
0.35μmの範囲内に分布し、その平均間隔は0.2
8μmであった。しかし、第1ユニット41の上面4B
における凹凸形状は実施例1や比較例2の場合と比べれ
ばやや複雑であり、表面粗さ計で測定した結果では凹部
の間隔の過半数が0.05〜0.35μmの範囲内に分
布し、その平均間隔は0.16μmであった。これは、
第1ユニット41に含まれる多結晶シリコン光電変換層
412が下地とは独立に新たな凹凸表面テクスチャ構造
を生じながら成長することに起因している。すなわち、
第1ユニット41の上面4Bにおいては裏面電極40の
上面4Aにおける凹凸形状に加えて多結晶光電変換層4
12が生じた新たな凹凸が重畳されるので、第1ユニッ
ト41の上面4Bにおいては微細な凹凸のサイズの分布
範囲が広い複雑なテクスチャ構造になるのである。その
結果、実施例2においては、実施例1や比較例2に比べ
てさらに光閉じ込め効果を向上させることができる。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が1.26V、短絡電流密度が14.0mA
/cm2 、曲線因子が73.1%、そして変換効率が1
3.0%であった。また、この実施例2の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は11.3%であった。すなわち、実
施例2の太陽電池では、実施例1よりも高い光閉じ込め
効果が得られて短絡電流密度がさらに向上し、初期変換
効率と安定化後の変換効率ともに高い値が得られた。
ンデム型太陽電池に類似して、図5に示されているよう
な3段タンデム型太陽電池が実施例3として作製され
た。この実施例3の太陽電池は、第2光電変換ユニット
12と前面電極2との間に、さらに第3の光電変換ユニ
ット13が形成されていることのみにおいて実施例1の
太陽電池と異なっている。この第3光電変換ユニット1
3に含まれるn型層131とp型層133は、それぞれ
第1および第2の光電変換ユニット11,12に含まれ
るn型層111,121およびp型層113,123と
同様に形成された。しかし、第3光電変換ユニット13
に含まれる光電変換層132としては、200℃の下地
温度の下でRFプラズマCVD法によってノンドープの
非晶質シリコン層132が堆積され、その膜厚は90n
mにされた。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が2.22V、短絡電流密度が8.81mA
/cm2 、曲線因子が72.6%、そして変換効率が1
3.7%であった。また、この実施例3の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は13.0%であった。
ンデム型太陽電池に類似して、図6に示されているよう
な3段タンデム型太陽電池が比較例3として作製され
た。この比較例3の太陽電池は、第2光電変換ユニット
22と前面電極2との間に、第3の光電変換ユニット2
3が形成されていることのみにおいて比較例1の太陽電
池と異なっている。また、この比較例3における第3光
電変換ユニット28に含まれる層231〜233は、非
晶質シリコン光電変換層232の厚さが80nmにされ
たことを除けば、図5の実施例3の層131〜133に
それぞれ対応する同様の堆積条件の下で形成された。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が2.36V、短絡電流密度が6.48mA
/cm2 、曲線因子が70.5%、そして変換効率が1
0.8%であった。また、この比較例3の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は9.3%であった。
ンデム型太陽電池に類似して、図7に示されているよう
な3段タンデム型太陽電池が比較例4として作製され
た。この比較例4の太陽電池は、第2光電変換ユニット
32と前面電極2との間に、第3の光電変換ユニット3
3がさらに形成されていることのみにおいて図3の比較
例2による太陽電池と異なっている。この比較例4にお
ける第3光電変換ユニット33に含まれる層331〜3
33は、図6の比較例3における層231〜233にそ
れぞれ対応する同じ堆積条件で形成された。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が2.32V、短絡電流密度が8.29mA
/cm2 、曲線因子が71.7%、そして変換効率が1
3.8%であった。また、この比較例4の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は11.8%であった。
ンデム型太陽電池に類似して、図8に示されているよう
な3段タンデム型太陽電池が実施例4として作製され
た。この実施例4の太陽電池は、第2光電変換ユニット
42と前面電極2との間に、第3の光電変換ユニット4
3がさらに形成されていることのみにおいて図4の実施
例2による太陽電池と異なっている。この実施例4にお
ける第3光電変換ユニット43に含まれる層431〜4
33は、図5の実施例3における層131〜133にそ
れぞれ対応する同じ堆積条件で形成された。
太陽電池に入射光4としてAM1.5の光を100mW
/cm2 の光量で照射したときの出力特性においては、
開放端電圧が2.18V、短絡電流密度が9.26mA
/cm2 、曲線因子が73.3%、そして変換効率が1
4.8%であった。また、この実施例4の太陽電池にお
いて、同じ入射光4を550時間照射した後における安
定化後の変換効率は13.6%であった。
シリコン系薄膜光電変換層を含む第1光電変換ユニット
と非晶質シリコンゲルマニウム光電変換層を含む第2光
電変換ユニットを適切に組合せることによって、安定化
後においても極めて高い変換効率を有するタンデム型光
電変換装置を得ることができ、タンデム型シリコン系薄
膜光電変換装置の低コスト化と高性能化の両立に貢献す
ることができる。
ン系薄膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
ン系薄膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
ン系薄膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
ン系薄膜光電変換装置を示す模式的な断面図である。
膜 103、203、303、403:透明導電性酸化膜 111、121、131、211、221、231、3
11、321、331、411、421、431:n型
層 112、412:ノンドープの多結晶シリコン薄膜光電
変換層 122、212、222、312、322、422:ノ
ンドープの非晶質シリコンゲルマニウム光電変換層 132、232、332、432:ノンドープの非晶質
シリコン光電変換層 113、123、133、213、223、233、3
13、323、333、413、423、433:p型
層 1A、2A、3A、4A:裏面電極の上表面 1B、2B、3B、4B:第1光電変換ユニットの上表
面
Claims (5)
- 【請求項1】 絶縁性表面を有する基板上において、金
属薄膜を含む裏面電極、第1光電変換ユニット、第2光
電変換ユニット、および透明導電性酸化膜を含む前面電
極がこの順序で積層され、 前記第1と第2の光電変換ユニットの各々は300℃以
下の下地温度の下でプラズマCVD法により順次に堆積
された半導体層である1導電型層と光電変換層と逆導電
型層を含み、 前記第1光電変換ユニットの光電変換層は結晶質を含む
シリコン系薄膜からなり、 前記第2光電変換ユニットの光電変換層は非晶質シリコ
ンゲルマニウム薄膜からなり、 前記第1光電変換ユニットの上面は微細な凹凸を含むテ
クスチャ構造を有することを特徴とするタンデム型シリ
コン系薄膜光電変換装置。 - 【請求項2】 前記裏面電極の上面も微細な凹凸を含む
テクスチャ構造を有し、前記第1光電変換層の上面にお
ける前記凹凸の平均間隔は前記裏面電極の上面における
前記凹凸の平均間隔の2/3以下であることを特徴とす
る請求項1に記載のタンデム型シリコン系薄膜光電変換
装置。 - 【請求項3】 前記第2光電変換ユニットと前記前面電
極との間に第3光電変換ユニットが付加的に挿入されて
おり、 この第3光電変換ユニットも300℃以下の下地温度の
下でプラズマCVD法により順次に堆積された半導体層
である1導電型層と光電変換層と逆導電型層を含み、 前記第3光電変換ユニットの光電変換層は非晶質シリコ
ン薄膜または非晶質シリコンカーバイド薄膜からなるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のタンデム型シ
リコン系薄膜光電変換装置。 - 【請求項4】 前記第1光電変換ユニットに含まれる前
記シリコン系薄膜光電変換層は、80%以上の体積結晶
化分率と、2〜30原子%の範囲内の水素含有量と、
0.5〜20μmの範囲内の厚さと、その膜面に平行な
(110)の優先結晶配向面を有し、そのX線回折にお
ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
クの強度比が0.2以下であることを特徴とする請求項
1から3のいずれかの項に記載のタンデム型シリコン系
薄膜光電変換装置。 - 【請求項5】 前記第2光電変換ユニットに含まれる前
記非晶質シリコンゲルマニウム薄膜光電変換層におい
て、ゲルマニウムは1〜30原子%の範囲内で含まれて
おり、エネルギバンドギャップは1.52〜1.74e
Vの範囲内にあることを特徴とする請求項1から4のい
ずれかの項に記載のタンデム型シリコン系薄膜光電変換
装置。
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JPH11214728A true JPH11214728A (ja) | 1999-08-06 |
JP3762086B2 JP3762086B2 (ja) | 2006-03-29 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002222975A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-09 | Kyocera Corp | 薄膜結晶質Si太陽電池およびその製造方法 |
US6459034B2 (en) | 2000-06-01 | 2002-10-01 | Sharp Kabushiki Kaisha | Multi-junction solar cell |
JP2002299661A (ja) * | 2001-03-30 | 2002-10-11 | Kyocera Corp | 薄膜結晶質Si太陽電池 |
US6750394B2 (en) | 2001-01-12 | 2004-06-15 | Sharp Kabushiki Kaisha | Thin-film solar cell and its manufacturing method |
US6825408B2 (en) | 2001-08-24 | 2004-11-30 | Sharp Kabushiki Kaisha | Stacked photoelectric conversion device |
CN109196678A (zh) * | 2016-05-09 | 2019-01-11 | 株式会社钟化 | 层叠型光电转换装置和其制造方法 |
-
1998
- 1998-01-28 JP JP01561598A patent/JP3762086B2/ja not_active Expired - Fee Related
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