JPH1121306A - メタクリル系樹脂の製造方法 - Google Patents
メタクリル系樹脂の製造方法Info
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- JPH1121306A JPH1121306A JP17457197A JP17457197A JPH1121306A JP H1121306 A JPH1121306 A JP H1121306A JP 17457197 A JP17457197 A JP 17457197A JP 17457197 A JP17457197 A JP 17457197A JP H1121306 A JPH1121306 A JP H1121306A
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- Japan
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- coo
- polymerization
- represented
- methyl methacrylate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リビング重合は阻害せず、ラジカル重合の併
発を防ぐ。 【解決手段】 式(1)の化合物、式(2)の重合開始
剤、及び式(3)または式(4)の触媒を用い、酸素共
存下でメタクリル酸メチル系単量体(混合物)をリビン
グ重合する。 【化1】 【化2】 (Me2N)3S+R8 (3) Bu4N+R9 (4)
発を防ぐ。 【解決手段】 式(1)の化合物、式(2)の重合開始
剤、及び式(3)または式(4)の触媒を用い、酸素共
存下でメタクリル酸メチル系単量体(混合物)をリビン
グ重合する。 【化1】 【化2】 (Me2N)3S+R8 (3) Bu4N+R9 (4)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱分解性に優れた
メタクリル系樹脂の製造方法に関する。
メタクリル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メタクリル樹脂に耐熱分解性を付
与する方法としてはアクリル酸メチルやアクリル酸エチ
ル等のアクリル酸エステルを共重合する方法などが行わ
れている。しかし、この様なアクリル酸エステルを共重
合させると耐熱性が低下する点が問題である。
与する方法としてはアクリル酸メチルやアクリル酸エチ
ル等のアクリル酸エステルを共重合する方法などが行わ
れている。しかし、この様なアクリル酸エステルを共重
合させると耐熱性が低下する点が問題である。
【0003】また、ラジカル重合で合成したメタクリル
樹脂はポリマー鎖末端に炭素−炭素間の二重結合を持つ
ものを含むので、この二重結合を減少させることを目的
として連鎖移動剤や、開始剤を選択して末端構造を熱分
解しにくい構造(例えば不飽和結合を有しないアルキル
末端を有する構造)に制御する方法が考えられる。その
例として直鎖アルキルメルカプタンとターシャリブチル
パーオキシエステルを組み合わせた方法(特公昭57−
51849号公報)や、カルボン酸2−メルカプトエチ
ルエステルを用いた方法(特公平2−22087号公
報)が知られている。
樹脂はポリマー鎖末端に炭素−炭素間の二重結合を持つ
ものを含むので、この二重結合を減少させることを目的
として連鎖移動剤や、開始剤を選択して末端構造を熱分
解しにくい構造(例えば不飽和結合を有しないアルキル
末端を有する構造)に制御する方法が考えられる。その
例として直鎖アルキルメルカプタンとターシャリブチル
パーオキシエステルを組み合わせた方法(特公昭57−
51849号公報)や、カルボン酸2−メルカプトエチ
ルエステルを用いた方法(特公平2−22087号公
報)が知られている。
【0004】しかし、これらの方法では炭素−炭素間の
二重結合の生成を完全に抑制することはできず、メタク
リル系樹脂の耐熱分解性の向上は不十分である。
二重結合の生成を完全に抑制することはできず、メタク
リル系樹脂の耐熱分解性の向上は不十分である。
【0005】一方、リビング重合法では不均化停止など
の自己停止反応が起こらないため炭素−炭素間の二重結
合が生成しない。また、この重合方法では開始剤末端の
構造は開始剤の構造及び連鎖移動剤の構造により制御さ
れる。リビング重合の連鎖移動反応を用いたメタクリル
樹脂の製造法としては、18<pKa<25の範囲のp
Kaを持つ炭素酸を連鎖移動剤として用いてグループト
ランスファー重合する方法が知られている(特開昭61
−133212号公報)。
の自己停止反応が起こらないため炭素−炭素間の二重結
合が生成しない。また、この重合方法では開始剤末端の
構造は開始剤の構造及び連鎖移動剤の構造により制御さ
れる。リビング重合の連鎖移動反応を用いたメタクリル
樹脂の製造法としては、18<pKa<25の範囲のp
Kaを持つ炭素酸を連鎖移動剤として用いてグループト
ランスファー重合する方法が知られている(特開昭61
−133212号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法では、
ポリマー鎖末端の構造を制御できるが、ラジカル重合の
併発を防ぐことはできない。そのため、リビング重合は
阻害せず、ラジカル重合の併発を防ぐ方法が望まれてい
る。本発明の目的はかかる方法を提供することにあり、
これによってメタクリル樹脂が本来所有する耐熱性やそ
の他の物性を損なうことなく耐熱分解性を改善したメタ
クリル系樹脂を提供することにある。
ポリマー鎖末端の構造を制御できるが、ラジカル重合の
併発を防ぐことはできない。そのため、リビング重合は
阻害せず、ラジカル重合の併発を防ぐ方法が望まれてい
る。本発明の目的はかかる方法を提供することにあり、
これによってメタクリル樹脂が本来所有する耐熱性やそ
の他の物性を損なうことなく耐熱分解性を改善したメタ
クリル系樹脂を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、式
(1)で示される化合物を用い、かつ重合開始剤として
式(2)で示される化合物から選ばれる一種を用い、更
に触媒として式(3)及び式(4)で示される化合物か
ら選ばれる一種を用い、酸素共存下でメタクリル酸メチ
ル単独またはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体
混合物をリビング重合するメタクリル系樹脂の製造方法
にある。
(1)で示される化合物を用い、かつ重合開始剤として
式(2)で示される化合物から選ばれる一種を用い、更
に触媒として式(3)及び式(4)で示される化合物か
ら選ばれる一種を用い、酸素共存下でメタクリル酸メチ
ル単独またはメタクリル酸メチルを主成分とする単量体
混合物をリビング重合するメタクリル系樹脂の製造方法
にある。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】 (Me2N)3S+R8 (3) Bu4N+R9 (4) 但し式(1)において、R1はメチル基またはメトキシ
基を、nは0または1を、R2は水素原子または炭素数
20以下のアルキル基を示す。式(2)において、R3
は水素原子、シアノ基またはCH2COOC2H5を、
R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数3以下のアルキル基を、R7は水素原子または炭素
数3以下のアルキル基、CH2CH2OSiMe3または
SiMe3 を示す。式(3)において、R8はHF2 -ま
たはSiMe3 -を示す。式(4)において、R9はF-、
m-ClC6H4COO-、CH3COO-、HF2 -、H(m-
ClC6H4COO)2 -またはH(CH3COO)2 -を示
す。尚、Meはメチル基である。
基を、nは0または1を、R2は水素原子または炭素数
20以下のアルキル基を示す。式(2)において、R3
は水素原子、シアノ基またはCH2COOC2H5を、
R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数3以下のアルキル基を、R7は水素原子または炭素
数3以下のアルキル基、CH2CH2OSiMe3または
SiMe3 を示す。式(3)において、R8はHF2 -ま
たはSiMe3 -を示す。式(4)において、R9はF-、
m-ClC6H4COO-、CH3COO-、HF2 -、H(m-
ClC6H4COO)2 -またはH(CH3COO)2 -を示
す。尚、Meはメチル基である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる式(1)の化
合物としては、ベンジルシアニド(n:0、R2:H)、
α−プロピオニトリル(n:0、R2:CH3)、2−フェ
ニルブチロニトリル(n:0、R2:C2H5)、4-メチル
ベンジルシアニド(R1:CH3 、R2:H)、3-メチルベン
ジルシアニド、2-メチルベンジルシアニド、4−メト
キシベンジルシアニド(R1:OCH3 、R2:H)、3−メト
キシベンジルシアニド、2−メトキシベンジルシアニド
等が挙げられるが、α−プロピオニトリルが好ましい。
合物としては、ベンジルシアニド(n:0、R2:H)、
α−プロピオニトリル(n:0、R2:CH3)、2−フェ
ニルブチロニトリル(n:0、R2:C2H5)、4-メチル
ベンジルシアニド(R1:CH3 、R2:H)、3-メチルベン
ジルシアニド、2-メチルベンジルシアニド、4−メト
キシベンジルシアニド(R1:OCH3 、R2:H)、3−メト
キシベンジルシアニド、2−メトキシベンジルシアニド
等が挙げられるが、α−プロピオニトリルが好ましい。
【0012】式(1)の化合物の量は開始剤1モルに対
して0.1〜20モルが好ましく、さらに好ましくは1
〜10モル等量である。式(1)の化合物の量が多すぎ
る場合は、得られるポリマーに低分子量体が混在して機
械的物性が低下するので好ましくない。少なすぎる場合
は得られたポリマーの耐熱分解性が低下するので好まし
くない。
して0.1〜20モルが好ましく、さらに好ましくは1
〜10モル等量である。式(1)の化合物の量が多すぎ
る場合は、得られるポリマーに低分子量体が混在して機
械的物性が低下するので好ましくない。少なすぎる場合
は得られたポリマーの耐熱分解性が低下するので好まし
くない。
【0013】本発明で用いられる重合開始剤としては一
般式(2)の化合物が挙げられる。また触媒としては式
(3)または式(4)の化合物が挙げられる。重合開始
剤と触媒はいずれの組合せでも用いることができるが、
式(5)の重合開始剤と式(3)の触媒の組合せが最も
好ましい。
般式(2)の化合物が挙げられる。また触媒としては式
(3)または式(4)の化合物が挙げられる。重合開始
剤と触媒はいずれの組合せでも用いることができるが、
式(5)の重合開始剤と式(3)の触媒の組合せが最も
好ましい。
【0014】
【化5】
【0015】開始剤の量は単量体に対して1モル%以下
であることが好ましくは、0.3モル%以下であること
がより好ましい。開始剤の濃度が高すぎる場合には得ら
れる重合体の分子量が低下し機械的物性が低下する。触
媒の量は触媒の種類によって異なるが式(3)で示され
る化合物の場合は開始剤に対して1〜50モル%、一般
式(4)で示される化合物の場合は開始剤に対して0.
1〜15モル%であることが好ましい。触媒の濃度が高
すぎても低すぎても重合が進行しなかったり副反応物が
生成して重合体の物性が低下するので好ましくない。
であることが好ましくは、0.3モル%以下であること
がより好ましい。開始剤の濃度が高すぎる場合には得ら
れる重合体の分子量が低下し機械的物性が低下する。触
媒の量は触媒の種類によって異なるが式(3)で示され
る化合物の場合は開始剤に対して1〜50モル%、一般
式(4)で示される化合物の場合は開始剤に対して0.
1〜15モル%であることが好ましい。触媒の濃度が高
すぎても低すぎても重合が進行しなかったり副反応物が
生成して重合体の物性が低下するので好ましくない。
【0016】本発明はメタクリル酸メチル単独又はメタ
クリル酸メチルを主成分とする単量体混合物に適用され
る。単量体混合物中におけるメタクリル酸メチル以外の
単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル等のアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル等のメタクリル酸エス
テル類、アクリロニトリルなどが挙げられる。
クリル酸メチルを主成分とする単量体混合物に適用され
る。単量体混合物中におけるメタクリル酸メチル以外の
単量体としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル等のアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル等のメタクリル酸エス
テル類、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0017】単量体混合物中におけるメタクリル酸メチ
ルの含有量は85重量%以上であることが好ましい。共
重合性成分が多すぎると得られる重合体の耐熱性が低下
する。重合性原料はメタクリル酸メチル単独であること
が最も好ましい。
ルの含有量は85重量%以上であることが好ましい。共
重合性成分が多すぎると得られる重合体の耐熱性が低下
する。重合性原料はメタクリル酸メチル単独であること
が最も好ましい。
【0018】本発明の重合系においては必要に応じて溶
媒を使用することができる。溶媒としてはテトラヒドロ
フラン、トルエンなどが挙げられるが、テトラヒドロフ
ランが最も好ましい。
媒を使用することができる。溶媒としてはテトラヒドロ
フラン、トルエンなどが挙げられるが、テトラヒドロフ
ランが最も好ましい。
【0019】本発明で用いられる重合溶液の酸素濃度は
100ppm以上に設定するのが好ましい。酸素濃度が
低すぎる場合にはラジカル重合物が生成、混入して耐熱
分解性が低下する可能性がある。酸素の供給源として
は、シリカゲルまたはモレキュラーシーブスを通して水
分を10ppm以下に乾燥させた乾燥酸素、乾燥空気、
乾燥アルゴン/酸素混合気体が挙げられるが、乾燥空気
または乾燥アルゴン/酸素混合気体を用いることが好ま
しく、乾燥空気を用いることが最も好ましい。溶媒や単
量体(混合物)中に酸素を溶解させることによって重合
溶液中の溶存酸素を調製することができる。例えば溶媒
や単量体(混合物)1ml中に乾燥空気を0.5ml/
min以上でバプリングすることによって、重合溶液中
の酸素濃度を100ppm以上にすることができる。
100ppm以上に設定するのが好ましい。酸素濃度が
低すぎる場合にはラジカル重合物が生成、混入して耐熱
分解性が低下する可能性がある。酸素の供給源として
は、シリカゲルまたはモレキュラーシーブスを通して水
分を10ppm以下に乾燥させた乾燥酸素、乾燥空気、
乾燥アルゴン/酸素混合気体が挙げられるが、乾燥空気
または乾燥アルゴン/酸素混合気体を用いることが好ま
しく、乾燥空気を用いることが最も好ましい。溶媒や単
量体(混合物)中に酸素を溶解させることによって重合
溶液中の溶存酸素を調製することができる。例えば溶媒
や単量体(混合物)1ml中に乾燥空気を0.5ml/
min以上でバプリングすることによって、重合溶液中
の酸素濃度を100ppm以上にすることができる。
【0020】重合溶液中の溶存酸素は、メタノール:水
=1:1に測定を行う溶媒、またはモノマーを混合し、
酒石酸ナトリウムカリウム存在下でメチレンブルーを指
示薬として硫酸第一鉄アンモニウム溶液で滴定すること
により定量される。
=1:1に測定を行う溶媒、またはモノマーを混合し、
酒石酸ナトリウムカリウム存在下でメチレンブルーを指
示薬として硫酸第一鉄アンモニウム溶液で滴定すること
により定量される。
【0021】溶媒を使用する場合、単量体濃度は特に限
定されないが、好ましくは5体積%以上、最も好ましく
は20体積%以上である。低すぎると重合速度が遅くな
り工業的に生産効率が低下する。
定されないが、好ましくは5体積%以上、最も好ましく
は20体積%以上である。低すぎると重合速度が遅くな
り工業的に生産効率が低下する。
【0022】重合温度は自由に設定できるが−80℃〜
150℃の範囲が好ましく、0℃〜130℃の範囲がよ
り好ましい。重合温度が低すぎると重合速度が遅くな
り、工業的に生産効率が低下し、高すぎると重合率が向
上しない。
150℃の範囲が好ましく、0℃〜130℃の範囲がよ
り好ましい。重合温度が低すぎると重合速度が遅くな
り、工業的に生産効率が低下し、高すぎると重合率が向
上しない。
【0023】本発明で製造されるメタクリル系樹脂のゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)法
により測定した数平均分子量Mnは10000以上であ
ることが好ましく、30000以上であることがより好
ましい。Mnが小さすぎる場合には得られる樹脂の機械
的物性が低下する。
ル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)法
により測定した数平均分子量Mnは10000以上であ
ることが好ましく、30000以上であることがより好
ましい。Mnが小さすぎる場合には得られる樹脂の機械
的物性が低下する。
【0024】
【実施例】以下実施例及び比較例により本発明を更に詳
しく説明する。実施例及び比較例における評価方法は以
下の通りである。 1)数平均分子量Mnはゲルパーミエーションクロマト
グラフィを用いて測定した。 2)末端二重結合量は400MHzNMR(日本電子、
GSX−400)を用いて重水素化ジメチルスルホキシ
ドを溶媒として100℃で1HNMRを用いて測定し、
次式を用いて計算した。 末端二重結合量(モル%)=(3/2)×Mn×(Y/
X) 但し、Mn:数平均分子量、X:メトキシ基の積分値,
Y:末端二重結合の積分値である。 3)5%重量減少温度は凍結粉砕して粉体状にしたポリ
マーを90℃で15時間真空乾燥し、示差熱重量測定(T
GA)(島津製作所、TGA-50)を用いてN2下(20
ml/min)、昇温速度10℃/minで測定した。
しく説明する。実施例及び比較例における評価方法は以
下の通りである。 1)数平均分子量Mnはゲルパーミエーションクロマト
グラフィを用いて測定した。 2)末端二重結合量は400MHzNMR(日本電子、
GSX−400)を用いて重水素化ジメチルスルホキシ
ドを溶媒として100℃で1HNMRを用いて測定し、
次式を用いて計算した。 末端二重結合量(モル%)=(3/2)×Mn×(Y/
X) 但し、Mn:数平均分子量、X:メトキシ基の積分値,
Y:末端二重結合の積分値である。 3)5%重量減少温度は凍結粉砕して粉体状にしたポリ
マーを90℃で15時間真空乾燥し、示差熱重量測定(T
GA)(島津製作所、TGA-50)を用いてN2下(20
ml/min)、昇温速度10℃/minで測定した。
【0025】またメタクリル酸エステル及びテトラヒド
ロフラン等は以下の方法で精製等して用いた。 メタクリル酸エステルの精製及び酸素溶解:市販品を
モレキュラーシーブ4Aで水分を除去した後、得られた
モノマーを使用直前にCaH2上で減圧蒸留して得られ
た単量体1mlに対して乾燥空気を1ml/minでバ
ブリングして溶存酸素量を120ppmとした。
ロフラン等は以下の方法で精製等して用いた。 メタクリル酸エステルの精製及び酸素溶解:市販品を
モレキュラーシーブ4Aで水分を除去した後、得られた
モノマーを使用直前にCaH2上で減圧蒸留して得られ
た単量体1mlに対して乾燥空気を1ml/minでバ
ブリングして溶存酸素量を120ppmとした。
【0026】テトラヒドロフランの精製及び酸素溶
解:市販品を、NaK合金で水分を除去し、使用直前に
蒸留して得られたテトラヒドロフラン1mlに対して乾
燥空気を1ml/minでバブリングして溶存酸素量を
120ppmとした。 メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール、
α−プロピオニトリルの精製:市販品をCaH2で使用
直前に減圧蒸留して用いた。 トリスジメチルアンモニウムスルファートリメチルシ
リルジフルオライド:市販品を市販の脱水アセトニトリ
ルにN2ボックス中で溶解させた。
解:市販品を、NaK合金で水分を除去し、使用直前に
蒸留して得られたテトラヒドロフラン1mlに対して乾
燥空気を1ml/minでバブリングして溶存酸素量を
120ppmとした。 メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール、
α−プロピオニトリルの精製:市販品をCaH2で使用
直前に減圧蒸留して用いた。 トリスジメチルアンモニウムスルファートリメチルシ
リルジフルオライド:市販品を市販の脱水アセトニトリ
ルにN2ボックス中で溶解させた。
【0027】(実施例1)4つ口フラスコに三方コック
を取り付け、アルゴン置換後、テトラヒドロフラン(溶
存酸素量120ppm)40mlを入れた後、撹拌しな
がらメタクリル酸メチル(溶存酸素量120ppm)3
00mmol、α−プロピオニトリル0.34mmo
l、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール
0.17mmol、トリスジメチルアンモニウムスルフ
ァートリメチルシリルジフルオライド0.0068mm
olを順次添加すると61℃まで発熱した。その後、撹
拌を続け、発熱がおさまり系の温度が室温に戻ったとこ
ろでトリスジメチルアンモニウムスルファートリメチル
シリルジフルオライドを0.07mmol添加し、5分
後メタノール5mlを添加し、重合を停止した。メタノ
ールで再沈して100℃で真空乾燥しガスクロマトグラ
フィーで残存溶媒、残存モノマーの除去を確認した。得
られたポリマーは式(6)の構造末端を含むポリメタク
リル酸メチルが65重量%、炭素−炭素不飽和結合を含
まないポリメタクリル酸メチルが35重量%であった。
評価結果を表1に示した。
を取り付け、アルゴン置換後、テトラヒドロフラン(溶
存酸素量120ppm)40mlを入れた後、撹拌しな
がらメタクリル酸メチル(溶存酸素量120ppm)3
00mmol、α−プロピオニトリル0.34mmo
l、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール
0.17mmol、トリスジメチルアンモニウムスルフ
ァートリメチルシリルジフルオライド0.0068mm
olを順次添加すると61℃まで発熱した。その後、撹
拌を続け、発熱がおさまり系の温度が室温に戻ったとこ
ろでトリスジメチルアンモニウムスルファートリメチル
シリルジフルオライドを0.07mmol添加し、5分
後メタノール5mlを添加し、重合を停止した。メタノ
ールで再沈して100℃で真空乾燥しガスクロマトグラ
フィーで残存溶媒、残存モノマーの除去を確認した。得
られたポリマーは式(6)の構造末端を含むポリメタク
リル酸メチルが65重量%、炭素−炭素不飽和結合を含
まないポリメタクリル酸メチルが35重量%であった。
評価結果を表1に示した。
【0028】
【化6】
【0029】(実施例2)4つ口フラスコに三方コック
を取り付け、アルゴン置換後、テトラヒドロフラン(溶
存酸素量120ppm)40mlを入れた後、撹拌して
いるテトラヒドロフランに対してα−プロピオニトリル
0.25mmolとメチルトリメチルシリルジメチルケ
テンアセタール0.25mmolを滴下して、触媒であ
るトリスジメチルアミノスルファートリメチルシリルジ
フルオライド0.01mmolの存在下で反応させた。
撹拌している前記溶液中にメタクリル酸メチル(溶存酸
素量120ppm)300mmolを添加すると63℃
まで発熱した。その後、撹拌を続け、発熱がおさまり系
の温度が室温に戻ったところでトリスジメチルアンモニ
ウムスルファートリメチルシリルジフルオライドを0.
1mmol添加し、5分後メタノール5mlを添加して
重合を停止した。得られた重合溶液をメタノールで再沈
して100℃で真空乾燥し、ガスクロマトグラフィーで
残存溶媒、残存モノマーの除去を確認した。
を取り付け、アルゴン置換後、テトラヒドロフラン(溶
存酸素量120ppm)40mlを入れた後、撹拌して
いるテトラヒドロフランに対してα−プロピオニトリル
0.25mmolとメチルトリメチルシリルジメチルケ
テンアセタール0.25mmolを滴下して、触媒であ
るトリスジメチルアミノスルファートリメチルシリルジ
フルオライド0.01mmolの存在下で反応させた。
撹拌している前記溶液中にメタクリル酸メチル(溶存酸
素量120ppm)300mmolを添加すると63℃
まで発熱した。その後、撹拌を続け、発熱がおさまり系
の温度が室温に戻ったところでトリスジメチルアンモニ
ウムスルファートリメチルシリルジフルオライドを0.
1mmol添加し、5分後メタノール5mlを添加して
重合を停止した。得られた重合溶液をメタノールで再沈
して100℃で真空乾燥し、ガスクロマトグラフィーで
残存溶媒、残存モノマーの除去を確認した。
【0030】得られたポリマーは式(6)の構造末端を
含むポリメタクリル酸メチルが52重量%、炭素-炭素
不飽和結合を含まないポリメタクリル酸メチルが48重
量%であった。評価結果を表1に示した。
含むポリメタクリル酸メチルが52重量%、炭素-炭素
不飽和結合を含まないポリメタクリル酸メチルが48重
量%であった。評価結果を表1に示した。
【0031】(比較例1)メタクリル酸メチル98.5
g、アクリル酸メチル1.5g、アゾビスイソブチロニ
トリル0.1g、n−オクチルメルカプタン0.2gを
水1887.7gに1.2%のポリメタクリル酸ナトリ
ウム水溶液11.9gとリン酸ナトリウム0.4gを溶
解した水溶液中に撹拌しながら添加した。80℃で5時
間、100℃で1時間重合を行い洗浄、脱水、乾燥して
粒状ポリマーを得た。評価結果を表1に示した。
g、アクリル酸メチル1.5g、アゾビスイソブチロニ
トリル0.1g、n−オクチルメルカプタン0.2gを
水1887.7gに1.2%のポリメタクリル酸ナトリ
ウム水溶液11.9gとリン酸ナトリウム0.4gを溶
解した水溶液中に撹拌しながら添加した。80℃で5時
間、100℃で1時間重合を行い洗浄、脱水、乾燥して
粒状ポリマーを得た。評価結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によればメタクリル樹脂が本来所
有する耐熱性や機械的性質等の物性を損なうことなく耐
熱分解性が改善されたメタクリル系樹脂が提供される。
有する耐熱性や機械的性質等の物性を損なうことなく耐
熱分解性が改善されたメタクリル系樹脂が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 式(1)で示される化合物を用い、かつ
重合開始剤として式(2)で示される化合物から選ばれ
る一種を用い、更に触媒として式(3)及び式(4)で
示される化合物から選ばれる一種を用い、酸素共存下で
メタクリル酸メチル単独またはメタクリル酸メチルを主
成分とする単量体混合物をリビング重合するメタクリル
系樹脂の製造方法。 【化1】 【化2】 (Me2N)3S+R8 (3) Bu4N+R9 (4) 但し式(1)において、R1はメチル基またはメトキシ
基を、nは0または1を、R2は水素原子または炭素数
20以下のアルキル基を示す。式(2)において、R3
は水素原子、シアノ基またはCH2COOC2H5を、
R4、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子または炭
素数3以下のアルキル基を、R7は水素原子または炭素
数3以下のアルキル基、CH2CH2OSiMe3または
SiMe3 を示す。式(3)において、R8はHF2 -ま
たはSiMe3 -を示す。式(4)において、R9はF-、
m-ClC6H4COO-、CH3COO-、HF2 -、H(m-
ClC6H4COO)2 -またはH(CH3COO)2 -を示
す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17457197A JPH1121306A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | メタクリル系樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17457197A JPH1121306A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | メタクリル系樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121306A true JPH1121306A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=15980896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17457197A Pending JPH1121306A (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | メタクリル系樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121306A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002162394A (ja) * | 2000-11-27 | 2002-06-07 | Satake Corp | 堆肥熟成度の測定方法 |
US6762259B2 (en) | 2000-10-12 | 2004-07-13 | Mitsui Chemicals, Inc. | Process for the production of living (co)polymers and use of the (co)polymers |
-
1997
- 1997-06-30 JP JP17457197A patent/JPH1121306A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6762259B2 (en) | 2000-10-12 | 2004-07-13 | Mitsui Chemicals, Inc. | Process for the production of living (co)polymers and use of the (co)polymers |
JP2002162394A (ja) * | 2000-11-27 | 2002-06-07 | Satake Corp | 堆肥熟成度の測定方法 |
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