JPH11212211A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JPH11212211A
JPH11212211A JP2505698A JP2505698A JPH11212211A JP H11212211 A JPH11212211 A JP H11212211A JP 2505698 A JP2505698 A JP 2505698A JP 2505698 A JP2505698 A JP 2505698A JP H11212211 A JPH11212211 A JP H11212211A
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photosensitive
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紀生 三浦
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】現像処理済みの試料が経時でカブリ上昇したり
することがない熱現像感光材料を提供すること、高感度
でカブリが低く、感光材料の生保存性が良好なレーザー
イメージャー用熱現像感光材料を提供すること、及び高
い硬調性を有し、高感度でカブリが低く、感光材料の生
保存性の良好なイメージセッター出力フィルム用熱現像
感光材料を提供すること。 【解決手段】本発明の熱現像感光材料は支持体上に、有
機銀塩、バインダー、感光性ハロゲン化銀及び下記一般
式1[式中、X 及びX はハロゲン原子を表す。
Yは2価の連結基を表す。Aは水素原子、ハロゲン原子
又はその他の電子吸引性基を表す。mは3以上4以下の
整数を表す。Qはヘテロ環基、アリール基又は脂肪族基
を表す。nは0以上3以下の整数を表す。Qが脂肪族基
の場合は分子全体のハロゲン原子の個数が6以上10未
満である。]で示される化合物の少なくとも1種を含有
することを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像感光材料に関
し、特に画像保存性の劣化を伴うことなく、カブリを低
減し、感度低下、生保存性をも改良された熱現像感光材
料に関する。
【0002】
【従来の技術】熱現像処理法を用いて写真画像を形成す
る熱現像感光材料は、例えば、米国特許第315290
4号、同第3457075号、及びD.モーガン(Morg
an)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理さ
れる銀システム(ThermallyProcessed Silver Systems)
」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリ
アルズ(Imaging Processes and Materials) Neblette
第8版、スタージ(Sturge) 、V.ウォールワース(Wa
lworth) 、A.シェップ(Shepp)編集、第2頁、196
9年)に開示されている。
【0003】このような熱現像感光材料は、還元可能な
銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えば
ハロゲン化銀)、及び還元剤を通常(有機)バインダー
マトリックス中に分散した状態で含有している。
【0004】熱現像感光材料は常温で安定であるが、露
光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に還元
可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の
酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応
は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。
露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色
画像を提供し、これは非露光領域と対称をなし、画像の
形成がなされる。この画像のカブリを制御するカブリ防
止剤が感光材料中に必要により用いられている。
【0005】従来のカブリ防止技術として最も有効な方
法は、カブリ防止剤として水銀化合物を用いる方法であ
った。
【0006】感光材料中にカブリ防止剤として水銀化合
物を使用することについては、例えば米国特許第358
9903号に開示されている。しかし、水銀化合物は環
境的に好ましくなく、非水銀系のカブリ防止剤の開発が
望まれていた。
【0007】非水銀系のカブリ防止剤としては、これま
で各種のポリハロゲン化合物が開示されている(例えば
米国特許第3874946号、同4756999号、同
5340712号、欧州特許第605981A1号、同
622666A1号、同631176A1号、特公昭5
4−165号、特開平7−2781号参照)。
【0008】しかし、これら記載の化合物は、カブリ防
止の効果が低かったり、銀の色調を悪化させるという問
題があった。
【0009】また、カブリ防止効果が高いものは、感度
低下を引き起こすなどの問題があり、改善が必要であっ
た。
【0010】更に感光材料を積層した形で加湿・加温の
強制条件下に経時した後、露光・現像すると、未露光部
におけるカブリが上昇するといった問題があり、これら
の問題のないカブリ防止剤の開発が望まれていた。
【0011】これらを解決する方法として、特開平9-16
0164号、同9-244178号、同9-258367号、同9-265150号、
同9-281640号、同9-319022号の各公報に上記の欠点が改
良されたポリハロゲン化合物が記載されている。
【0012】しかしながら、特に、医療用レーザーイメ
ージャー用の熱現像感光材料、あるいは硬調化剤を含有
し、600〜800nmに発振波長を有する印刷用イメ
ージセッターの出力用の熱現像感光材料にこれらの化合
物を適用した場合、上記の欠点はかなり改善されるもの
の、現像処理済みの試料が経時でカブリ上昇するといっ
た画像の経時保存性が悪いという欠点を有していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、現像処理済みの試料が経時でカブリ上昇したりする
ことがない熱現像感光材料を提供すること、高感度でカ
ブリが低く、感光材料の生保存性が良好なレーザーイメ
ージャー用熱現像感光材料を提供すること、及び高い硬
調性を有し、高感度でカブリが低く、感光材料の生保存
性の良好なイメージセッター出力フィルム用熱現像感光
材料を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったもの
であり、第1の発明は、支持体上に、有機銀塩、バイン
ダー、感光性ハロゲン化銀及び下記一般式1で示される
化合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする熱
現像感光材料である。
【0015】
【化4】
【0016】[式中、X1 及びX2 はハロゲン原子を表
す。Yは2価の連結基を表す。Aは水素原子、ハロゲン
原子又はその他の電子吸引性基を表す。mは3以上4以
下の整数を表す。Qはヘテロ環基、アリール基又は脂肪
族基を表す。nは0以上3以下の整数を表す。Qが脂肪
族基の場合は分子全体のハロゲン原子の個数が6以上1
0未満である。] また第2の発明は、支持体上に、有機銀塩、バインダ
ー、感光性ハロゲン化銀及び下記一般式2で示される化
合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする熱現
像感光材料である。
【0017】
【化5】
【0018】[式中、X1 及びX2 はハロゲン原子を表
す。Aは水素原子、ハロゲン原子又はその他の電子吸引
性基を表す。Qは酸素原子を1つ、窒素原子を2つ以上
3つ以下有する芳香族ヘテロ5員環、フラン環、チオフ
ェン環又はピロール環の各基を表す。但し、Qがチオフ
ェン環の場合、X1 は臭素原子を表す。] また第3の発明は、支持体上に、有機銀塩、バインダ
ー、感光性ハロゲン化銀及び下記一般式3で示される化
合物の少なくとも1種を含有することを特徴とする熱現
像感光材料である。
【0019】
【化6】
【0020】[式中、X1 及びX2 はハロゲン原子を表
す。Aは水素原子、ハロゲン原子又はその他の電子吸引
性基を表す。
【0021】Yは-SO- 、 -CO- 、-N(R11)-SO2-、-N(R
11)-CO- 、 -N(R11)-COO- 、-COCO- 、 -COO-、 -OCO
-、 -OCOO- 、 -SCO-、 -SCOO- 、-C(Z1)(Z2)- 、アル
キレン、アリーレン、2価のヘテロ環又はこれらの任意
の組み合わせで形成される2価の連結基を表す。R11
水素原子又はアルキル基を表す。Z1およびZ2は水素原子
又は電子吸引性基を表す。
【0022】Z1およびZ2は同時に水素原子であることは
ない。
【0023】Qは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を
表す。但し、Yが-SO-の時、QはN以外のヘテロ原子を
少なくとも1つ有する芳香族ヘテロ5員環基およびピリ
ジン環基を表す。] 第1、2及び3の発明の好ましい態様は、熱現像感光材
料がヒドラジン化合物を含有することである。
【0024】また第1、2及び3の発明の他の好ましい
態様は、支持体上に、有機銀塩、バインダー及び感光性
ハロゲン化銀を含有する感光性層を少なくとも1層有す
る熱現像感光材料において、該感光性層が請求項1に記
載の一般式1で示される化合物の少なくとも1種を含有
することであり、また他の好ましい態様は、支持体上
に、有機銀塩、バインダー及び感光性ハロゲン化銀を含
有する感光性層を少なくとも1層有する熱現像感光材料
において、該感光性層が請求項2に記載の一般式2で示
される化合物の少なくとも1種を含有することであり、
更に他の好ましい態様は、支持体上に、有機銀塩、バイ
ンダー及び感光性ハロゲン化銀を含有する感光性層を少
なくとも1層有する熱現像感光材料において、該感光性
層が請求項3に記載の一般式3で示される化合物の少な
くとも1種を含有することである。
【0025】
【発明の実施の形態】まず第1の発明に用いられる一般
式1で示される化合物について詳細に説明する。
【0026】X1 及びX2 で表されるハロゲン原子は、
互いに同一でも異なっていてもよいフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素
原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子であ
る。
【0027】Yは2価の連結基を表すが、具体的には-S
O2-、 -SO- 、 -CO- 、-N(R11)-SO2-、-N(R11)-CO- 、 -
N(R11)-COO- 、-COCO-、 -COO-、 -OCO-、 -OCOO- 、 -
SCO-、 -SCOO- 、-C(Z1)(Z2)- 、アルキレン、アリーレ
ン、2価のヘテロ環又はこれらの任意の組み合わせで形
成される2価の連結基を表す。
【0028】Yとして好ましいのは、-SO2- 、-SO-、-C
O-であり、より好ましいのは-SO2-である。
【0029】nは好ましくは1である。
【0030】R11 は水素原子又はアルキル基を表すが、
好ましくは水素原子である。
【0031】Z1およびZ2は水素原子又は電子吸引性基を
表すが、Z1およびZ2は同時に水素原子であることはな
い。
【0032】電子吸引性基として好ましいのは、ハメッ
トの置換基定数σp 値が0.01以上の置換基であり、
より好ましくは0.1以上の置換基である。
【0033】ハメットの置換基定数に関しては、Journa
l of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207-12
16等を参考にすることができる。
【0034】電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン
原子(フッ素原子(σp 値:0.06)、塩素原子(σ
p 値:0.23)、臭素原子(σp 値:0.23)、ヨ
ウ素原子(σp 値:0.18))、トリハロメチル基
(トリブロモメチル(σp 値:0.29)、トリクロロ
メチル(σp 値:0.33)、トリフルオロメチル(σ
p 値:0.54))、シアノ基(σp 値:0.66)、
ニトロ基(σp 値:0.78)、脂肪族・アリールもし
くは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル
(σp 値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複
素環アシル基(例えば、アセチル(σp 値:0.5
0)、ベンゾイル(σp 値:0.43))、エチニル基
(σp 値:0.09)、脂肪族・アリールもしくは複
素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル
(σp 値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp
値:0.45))、カルバモイル基(σp 値:0.3
6)、スルファモイル基(σp 値:0.57)などが挙
げられる。
【0035】Z1およびZ2として好ましいのは、ハロゲン
原子、シアノ基又はニトロ基であり、ハロゲン原子の中
でも、好ましいのは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子で
あり、更に好ましいのは塩素原子、臭素原子であり、特
に好ましいのは臭素原子である。
【0036】Aは水素原子、ハロゲン原子又はその他の
電子吸引性基を表し、Aで表される電子吸引性基として
好ましいのは、ハメットの置換基定数σp 値が0.01
以上の置換基であり、より好ましいのはσp 値が0.1
以上の置換基である。
【0037】電子吸引性基としては、例えばハロゲン原
子(フッ素原子(σp 値:0.06)、塩素原子(σp
値:0.23)、臭素原子(σp 値:0.23)、ヨウ
素原子(σp 値:0.18))、トリハロメチル基(ト
リブロモメチル(σp 値:0.29)、トリクロロメチ
ル(σp 値:0.33)、トリフルオロメチル(σp
値:0.54))、シアノ基(σp 値:0.66)、ニ
トロ基(σp 値:0.78)、脂肪族・アリールもしく
は複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σ
p 値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環
アシル基(例えば、アセチル(σp 値:0.50)、ベ
ンゾイル(σp 値:0.43))、エチニル基(σp
値:0.09)、脂肪族・アリールもしくは複素環オキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp
値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp 値:0.
45))、カルバモイル基(σp 値:0.36)、スル
ファモイル基(σp 値:0.57)などが挙げられる。
【0038】Aは、好ましいのは電子吸引性基であり、
より好ましいのはハロゲン原子、脂肪族・アリール若し
くは複素環スルホニル基、脂肪族・アリール若しくは複
素環アシル基、脂肪族・アリール若しくは複素環オキシ
カルボニル基であり、特に好ましいのはハロゲン原子で
ある。ハロゲン原子の中でも、好ましいのは塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましいのは塩素原
子、臭素原子であり、特に好ましいのは、臭素原子であ
る。
【0039】Qは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を
表すが、Qで表される脂肪族基は、直鎖、分岐又は環状
のアルキル基(好ましいのは炭素数1〜30、より好ま
しいのは炭素数1〜20、更に好ましいのは炭素数1〜
12であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピ
ル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、シ
クロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙
げられる。)、アルケニル基(好ましいのは炭素数2〜
30、より好ましいのは炭素数2〜20、更に好ましい
のは炭素数2〜12であり、例えばビニル、アリル、2
−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アル
キニル基(好ましいのは炭素数2〜30、より好ましい
のは炭素数2〜20、更に好ましいのは炭素数2〜12
であり、例えばプロパルギル、3−ペンテニル等が挙げ
られる。)であり、置換基を有していてもよい。置換基
としては例えばカルボキシ基、アシル基、アシルアミノ
基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、オキシカルボニルアミノ基又はウレイド基など
がある。Qで表される脂肪族基として好ましいのはアル
キル基であり、より好ましいのは鎖状アルキル基であ
る。
【0040】Qで表される芳香族基としては、好ましい
のは炭素数6〜30の単環または二環のアリール基(例
えばフェニル、ナフチル等)であり、より好ましいのは
炭素数6〜20のフェニル基、更に好ましいのは6〜1
2のフェニル基である。アリール基は置換基を有しても
よく、置換基としては、例えばカルボキシ基、アシル
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、オキシカルボニルアミノ基又
はウレイド基などがある。
【0041】Qで表されるヘテロ環基は、N、O又はS
原子の少なくとも一つを含む3ないし10員の飽和若し
くは不飽和のヘテロ環であり、これらは単環であっても
よいし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。ヘテロ
環基として好ましいのは、5ないし6員の芳香族ヘテロ
環基であり、より好ましいのは窒素原子を含む5ないし
6員の芳香族ヘテロ環基であり、更に好ましいのは窒素
原子を1ないし2原子含む5ないし6員の芳香族ヘテロ
環基である。
【0042】ヘテロ環の具体例としては、例えばピロリ
ジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフ
ェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、
ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリ
アジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジ
ン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズ
イミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾー
ル、インドレニンであり、より好ましいのはトリアジ
ン、キノリン、チアジアゾール、ベンズチアゾール、オ
キサジアゾールであり、特に好ましいのは、ピリジン、
キノリン、チアジアゾール、オキサジアゾールである。
Qとして好ましいのは芳香族含窒素ヘテロ環基である。
【0043】mは3以上4以下の整数を表すが、好まし
くはmは3である。
【0044】Qが脂肪族基の場合は分子全体のハロゲン
原子の個数は6以上10未満であるが、好ましいのは6
である。
【0045】なお、一般式(1)において、Yが-SO-の
時には、QはN以外のヘテロ原子を少なくとも1つ有す
る芳香族ヘテロ5員環基およびピリジン環基を表す。
【0046】次に、第2の発明に用いられる一般式2で
示される化合物について詳述する。式中、X1 、X2
びAは一般式1に記載のものと同義である。
【0047】Qは酸素原子を1つ、窒素原子を2つ以上
3つ以下有する芳香族ヘテロ5員環、フラン環、チオフ
ェン環及びピロール環を表すが、酸素原子を1つ、窒素
原子を2つ以上3つ以下有する芳香族ヘテロ5員環の具
体例としては、オキサジアゾール、オキサトリアゾール
が挙げられ、好ましいのはオキサジアゾールである。
【0048】Qで表される環のうち好ましいものはオキ
サジアゾールである。
【0049】なお一般式2において、Qがチオフェン環
の場合、X1 は臭素原子である。
【0050】次に第3の発明に用いられる一般式3で示
される化合物について詳述する。
【0051】式中、X1 、X2 、及びAは一般式1に記
載のものと同義である。
【0052】Yは-SO- 、 -CO- 、-N(R11)-SO2-、-N(R
11)-CO- 、 -N(R11)-COO- 、-COCO- 、 -COO-、 -OCO
-、 -OCOO- 、 -SCO-、 -SCOO- 、-C(Z1)(Z2)- 、アル
キレン、アリーレン、2価のヘテロ環又はこれらの任意
の組み合わせで形成される2価の連結基を表す。R11
水素原子又はアルキル基を表すが、好ましくは水素原子
である。Z1およびZ2は水素原子又は電子吸引性基を表す
が、Z1およびZ2は同時に水素原子であることはない。
【0053】電子吸引性基として好ましいのは、ハメッ
トの置換基定数σp 値が0.01以上の置換基であり、
より好ましいのは0.1以上の置換基である。ハメット
の置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemi
stry,1973,Vol.16,No.11,1207-1216等を参考にすること
ができる。
【0054】電子吸引性基としては、例えばハロゲン原
子(フッ素原子(σp 値:0.06)、塩素原子(σp
値:0.23)、臭素原子(σp 値:0.23)、ヨウ
素原子(σp 値:0.18))、トリハロメチル基(ト
リブロモメチル(σp 値:0.29)、トリクロロメチ
ル(σp 値:0.33)、トリフルオロメチル(σp
値:0.54))、シアノ基(σp 値:0.66)、ニ
トロ基(σp 値:0.78)、脂肪族・アリールもしく
は複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σ
p 値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環
アシル基(例えば、アセチル(σp 値:0.50)、ベ
ンゾイル(σp 値:0.43))、エチニル基(σp
値:0.09)、脂肪族・アリールもしくは複素環オキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp
値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp 値:0.
45))、カルバモイル基(σp 値:0.36)、スル
ファモイル基(σp 値:0.57)などが挙げられる。
【0055】Z1およびZ2として好ましいのは、ハロゲン
原子、シアノ基、ニトロ基である。ハロゲン原子の中で
も、好ましいのは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であ
り、更に好ましいのは塩素原子、臭素原子であり、特に
好ましいのは、臭素原子である。
【0056】Yとして好ましいのは-SO- 、 -CO- 、-N
(R11)-SO2-、-N(R11)-CO- 、-C(Z1)(Z2)- であり、より
好ましいのは-SO-、-C(Z1)(Z2)- である。
【0057】nは好ましいのは1である。
【0058】Qは脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表
す。但し、Yが-SO-の時、QはN以外のヘテロ原子を少
なくとも1つを有する芳香族ヘテロ5員環基およびピリ
ジン環を表す。これらの環はさらに他の環と縮合してい
てもよい。
【0059】N以外のヘテロ原子を少なくとも1つ有す
る芳香族ヘテロ5員環基の具体例としては、チアゾー
ル、オキサゾール、チオフェン、フラン、ピロール、チ
アジアゾール、オキサジアゾール、チアトリアゾール、
オキサトリアゾールが挙げられるが、Qとして好ましい
のは、チアジアゾール環、ピリジン環、キノリン環であ
る。
【0060】以下に、一般式1、一般式2および一般式
3で示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0061】
【化7】
【0062】
【化8】
【0063】
【化9】
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】第1〜3の発明に用いられる一般式1〜3
で示される化合物は、例えば特開昭54−165号、特
開平6−340611号、同7−2781号、同7−5
621号、特公昭7−119953号、米国特許第53
69000号、同5374514号、同5460938
号、5464737号、欧州特許第605981号、同
631176号等に記載の方法に準じて合成できる。
【0067】以下に、一般式1〜3で示される化合物の
合成について具体例を示す。 (合成例1) 例示化合物1ー1の合成 2,4,6−トリス−カルボキシメチルチオ−1,3,
4−トリアジンの合成 2,4,6−トリメルカプト−1,3,4−トリアジン
23.0g(0.13モル)、クロロ酢酸54.0g
(0.44モル)、及びエタノール300mlを室温で
攪拌しているところへ、水酸化ナトリウム17.66g
(0.44モル)/水30mlの水溶液を滴下した。2
0分攪拌後、50℃に加熱し、更に水酸化ナトリウム1
7.6g(0.44モル)/水30mlの水溶液をゆっ
くり滴下した。50℃で3時間攪拌した後、室温まで冷
却し、反応液が均一になるまで水を加え、更に塩酸を加
え中和した。得られた結晶を濾取し、メタノールで再結
晶することにより、2,4,6−トリス−カルボキシメ
チルチオ−1,3,4−トリアジンを35.4g(0.
10モル)得た。収率76%
【0068】2,4,6−トリス−トリブロモスルホニ
ル−トリアジンの合成(例示化合物1−1)の合成 水酸化ナトリウム49.1g(1.23モル)/水1リ
ットルを0〜5℃で攪拌しているところへ、臭素31.
1ミリリットルをゆっくり滴下した。更に、上記反応で
得られた2,4,6−トリス−カルボキシメチルチオ−
1,3,4−トリアジン8.2g(0.023モル)、
炭酸水素ナトリウム7.2g(0.0857モル)及び
水150ミリリットルの水溶液を内温が10℃を越えな
いようにゆっくり滴下した。滴下終了後、室温に上げ一
夜放置した。析出固体を濾取し、水で洗浄した後、エタ
ノールで再結晶することにより白色固体の例示化合物1
−1を11.3g(0.011モル)得た。収率48%
【0069】(合成例2) 例示化合物2ー7の合成 2−カルボキシメチルチオフランの合成 2−メルカプトフラン20.0g(0.20モル)、ク
ロロ酢酸27.0g(0.22モル)及びエタノール3
00mlを室温で攪拌しているところへ、水酸化ナトリ
ウム8.8g(0.22モル)/水15mlの水溶液を
滴下した。20分攪拌後、50℃に加熱し、更に水酸化
ナトリウム8.8g(0.22モル)/水15mlの水
溶液をゆっくり滴下した。50℃で3時間攪拌した後、
室温まで冷却し、反応液が均一になるまで水を加え、更
に塩酸を加え中和した。
【0070】得られた結晶を濾取し、メタノールで再結
晶することにより、2−カルボキシメチルチオフランを
23.5g(0.148モル)得た。 収率74%
【0071】2−トリブロモメチルスルホニルフラン
(例示化合物2−7)の合成 水酸化ナトリウム49.1g(1.23モル)/水1リ
ットルを0〜5℃で攪拌しているところへ、臭素31.
1ミリリットルをゆっくり滴下した。更に、上記反応で
得られた2−カルボキシメチルチオフラン11.2g
(0.0706モル)、炭酸水素ナトリウム7.2g
(0.0857モル)及び水150ミリリットルの水溶
液を内温が10℃を越えないようにゆっくり滴下した。
滴下終了後、室温に上げ一夜放置した。
【0072】析出固体を濾取し、水で洗浄した後、エタ
ノールで再結晶することにより白色固体の例示化合物2
−7を11.5g(0.0312モル)得た。収率44
【0073】(合成例3) 例示化合物3ー1の合成 2−カルボキシメチルチオ−5−メチル−1,3,4−
チアジアゾールの合成 2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾ
ール26.4g(0.20モル)、クロロ酢酸27.0
g(0.22モル)及びエタノール300mlを室温で
攪拌しているところへ、水酸化ナトリウム8.8g
(0.22モル)/水15mlの水溶液を滴下した。2
0分攪拌後、50℃に加熱し、更に水酸化ナトリウム
8.8g(0.22モル)/水15mlの水溶液をゆっ
くり滴下した。50℃で3時間攪拌した後、室温まで冷
却し、反応液が均一になるまで水を加え、更に塩酸を加
え中和した。
【0074】得られた結晶を濾取し、メタノールで再結
晶することにより、2−カルボキシメチルチオ−5−メ
チル−1,3,4−チアジアゾールを28.7g(0.
150モル)得た。 収率75%
【0075】2−トリブロモメチルスルホ−5−メチル
−1,3,4−チアジアゾール(例示化合物3−1)の
合成 水酸化ナトリウム49.1g(1.23モル)/水1リ
ットルを0〜5℃で攪拌しているところへ、臭素31.
1ミリリットルをゆっくり滴下した。更に、上記反応で
得られた2−カルボキシメチルチオ−5−メチル−1,
3,4−チアジアゾール13.5g(0.0706モ
ル)、炭酸水素ナトリウム7.2g(0.0857モ
ル)及び水150ミリリットルの水溶液を内温が5℃を
越えないようにゆっくり滴下した。滴下終了後、室温に
上げ一夜放置した。
【0076】析出固体を濾取し、水で洗浄した後、エタ
ノールで再結晶することにより白色固体の例示化合物3
−1を13.2g(0.0332モル)得た。収率47
【0077】一般式1〜3で示される化合物の添加量
は、特に制限はないが、10-4モル〜1モル/Agモル
の範囲が好ましく、特に10-3モル〜0.3モル/Ag
モルの範囲がより好ましい。
【0078】一般式1〜3で示される化合物の添加場所
は、感光材料の層構成によって変化でき、以下に種々の
態様を説明する。
【0079】代表的な態様としては、支持体上に少なく
とも1層の感光性層とこれに隣接する層を有する熱現像
感光材料において、感光性層に感光性ハロゲン化銀、
有機銀塩、バインダーを含有し、更に一般式1〜3で示
される化合物の少なくとも1種を含有する態様、感光
性層に感光性ハロゲン化銀、有機銀塩、バインダーを含
有し、隣接層に一般式1〜3で示される化合物の少なく
とも1種を含有する態様、感光性層に感光性ハロゲン
化銀、バインダーを含有し、更に一般式1〜3で示され
る化合物の少なくとも1種を含有し、隣接層に有機銀塩
を含有する態様、感光性層に感光性ハロゲン化銀、バ
インダーを含有し、隣接層に有機銀塩を含有し、更に一
般式1〜3で示される化合物の少なくとも1種を含有す
る態様が挙げられる。本発明において好ましいのは、
の態様である。
【0080】一般式1〜3で示される化合物の添加方法
は限定されないが、例えば有機溶剤に溶かして添加する
ことが好ましい。
【0081】本発明における感光性ハロゲン化銀のハロ
ゲン化銀粒子は光センサーとして機能するものである。
画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を
得るために平均粒子サイズが小さい方が好ましく、好ま
しい平均粒子サイズは0.20μm以下であり、より好
ましいのは0.03μm〜0.15μm、特に0.03
μm〜0.11μmが好ましい。ここでいう平均粒子サ
イズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のい
わゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の
長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒
状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子
の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0082】またハロゲン化銀粒子は単分散粒子である
ことが好ましい。ここでいう単分散粒子とは、下記式で
求められる単分散度が40%以下の粒子をいい、より好
ましくは30%以下、特に好ましくは0.1%以上20
%以下となる粒子である。
【0083】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100
【0084】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における
〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用した
T.Tani,J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0085】前述の単分散粒子の平均粒径は0.1μm
以下が好ましく、より好ましくは0.01μm〜0.1
μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。
【0086】またもう一つの好ましいハロゲン化銀粒子
の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、
粒子の投影面積の平方根を粒径rμmとし、垂直方向の
厚みをhμmとした場合のアスペクト比(=r/h)が
3以上のものをいう。その中でも好ましいのはアスペク
ト比が3以上50以下のものである。
【0087】平板粒子の粒径は平均粒径0.1μm以下
であることが好ましく、さらに0.01μm〜0.08
μmがより好ましい。これらは米国特許第5,264,
337号、第5,314,798号、第5,320,9
58号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を
得ることができる。本発明において、これらの平板状粒
子を用いた場合には、更に画像の鮮鋭性も向上する。
【0088】ハロゲン化銀の組成は特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳
剤は、P.Glafkides著Chimie et
Physique Photographique(P
aul Montel社刊、1967年)、G.F.D
uffin著 Photographic Emuls
ion Chemistry(The Focal P
ress刊、1966年)、V.L.Zelikman
et al著Making and Coating
Photographic Emulsion(Th
e Focal Press刊、1964年)等に記載
された方法を用いて調製することができる。
【0089】即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の
いずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を
反応させて形成するには、片側混合法、同時混合法、そ
れらの組合せ等のいずれを用いてもよい。
【0090】このハロゲン化銀はいかなる方法で画像形
成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元
可能な銀源に近接するように配置する。
【0091】又、ハロゲン化銀は有機銀塩とハロゲンイ
オンとの反応による有機銀塩中の銀の一部又は全部をハ
ロゲン化銀に変換することによって調製してもよいし、
ハロゲン化銀を予め調製しておき、これを有機銀塩を調
製するための溶液に添加してもよく、又はこれらの方法
の組み合わせも可能であるが、後者が好ましい。
【0092】一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して
0.75〜30重量%の量で含有することが好ましい。
【0093】本発明に用いられるハロゲン化銀には、元
素周期律表の遷移金属に属するVIB、VIIB、VI
II、IB族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含
有することが好ましい。上記の金属としては、Cr、W
(以上VIB族):Re(VIIB族):Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt(以上VI
II族):Cu、Au(以上IB族)が好ましく、中で
も印刷製版用感光材料に使用される場合はRh、Re、
Ru、Ir、Osから選ばれることが好ましい。
【0094】これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に
導入できる。本発明においては、遷移金属錯体は、下記
一般式で示される6配位錯体が好ましい。
【0095】一般式 [ML 式中、Mは元素周期表のVIB族、VIIB族、VII
I族、IB族の元素から選ばれる遷移金属、Lは架橋配
位子、mは0、−1、−2又は−3を表す。
【0096】Lで表される配位子の具体例としては、ハ
ロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シ
アン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナ
ート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、
ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくは
アコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配
位子が存在する場合には、配位子の一つ又は二つを占め
ることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なってい
てもよい。
【0097】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)又は
オスミウム(Os)である。
【0098】以下に遷移金属配位錯体の具体例を示す。
【0099】1:[RhCl3− 2:[RuCl3− 3:[ReCl3− 4:[RuBr3− 5:[OsCl3− 6:[CrCl4− 7:[Ru(NO)Cl2− 8:[RuBr(HO)]2− 9:[Ru(NO)(HO)Cl 10:[RhCl(HO)]2− 11:[Re(NO)Cl2− 12:[Re(NO)CN2− 13:[Re(NO)ClCN2− 14:[Rh(NO)Cl 15:[Rh(NO)(HO)Cl 16:[Ru(NO)CN2− 17:[Fe(CN)3− 18:[Rh(NS)Cl2− 19:[Os(NO)Cl2− 20:[Cr(NO)Cl2− 21:[Re(NO)Cl 22:[Os(NS)Cl(TeCN)]2− 23:[Ru(NS)Cl2− 24:[Re(NS)Cl(SeCN)]2− 25:[Os(NS)Cl(SCN)2− 26:[Ir(NO)Cl2−
【0100】これらの金属のイオン又は錯体イオンは一
種類で用いてもよいし、同種の金属及び異種の金属を二
種以上併用してもよい。
【0101】これらの金属のイオン又は錯体イオンの含
有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1
×10−9〜1×10−2モルが適当であり、好ましく
は1×10−8〜1×10−4モルである。
【0102】これらの金属のイオン又は錯体イオンを提
供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハ
ロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロ
ゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、
化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核
形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、
更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最
も好ましくは核形成の段階で添加する。
【0103】添加に際しては、数回に渡って分割して添
加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させる
こともできるし、特開昭63−29603号、特開平2
−306236号、同3−167545号、同4−76
534号、同6−110146号、同5−273683
号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有
させることもできる。好ましくは粒子内部に分布を持た
せることができる。
【0104】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶
性ハライド溶液中に添加して置く方法、或いは銀塩溶液
とハライド溶液が同時に混合されるとき第三の水溶液と
して添加し、三液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を
調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶
液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製
時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある
別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等があ
る。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合
物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶
性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に
添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もし
くは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶
液を反応容器に投入することもできる。
【0105】本発明に用いられる有機銀塩は還元可能な
銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及
びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(炭素数10〜30が
好ましく、より好ましいのは炭素数15〜25であ
る。)の脂肪族カルボン酸及び含窒素複素環が好まし
い。配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総
安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用であ
る。好適な銀塩の例は、Research Discl
osure第17029及び29963に記載されてお
り、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、
シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラ
ウリン酸等の塩);銀のカルボキシアルキルチオ尿素塩
(例えば、1−(3−カルボキシプロピル)チオ尿素、
1−(3−カルボキシプロピル)−3,3−ジメチルチ
オ尿素等);アルデヒドとヒドロキシ置換芳香族カルボ
ン酸とのポリマー反応生成物の銀錯体(例えば、アルデ
ヒド類(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチル
アルデヒド等)、ヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチ
ル酸、安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,
5−チオジサリチル酸)、チオエン類の銀塩又は錯体
(例えば、3−(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロ
キシメチル−4−(チアゾリン−2−チオエン、及び3
−カルボキシメチル−4−チアゾリン−2−チオエ
ン)、イミダゾール、ピラゾール、ウラゾール、1,
2,4−チアゾール及び1H−テトラゾール、3−アミ
ノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリアゾール及び
ベンゾトリアゾールから選択される窒素酸と銀との錯体
また塩;サッカリン、5−クロロサリチルアルドキシム
等の銀塩;及びメルカプチド類の銀塩。好ましい銀源は
ベヘン酸銀である。
【0106】有機銀塩の添加量は、銀量として3g/m
2 以下で含有せしめることが好ましく、より好ましくは
2g/m2 以下である。
【0107】有機銀塩は、水溶性銀化合物と銀と錯形成
する化合物を混合することにより得られるが、正混合
法、逆混合法、同時混合法、特開平9−127643号
に記載されているようなコントロールドダブルジェット
法等が好ましく用いられる。
【0108】本発明においては、有機銀塩は平均粒径が
1μm以下でありかつ単分散であることが好ましい。有
機銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、
棒状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の
体積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は
好ましくは0.01μm〜0.8μm、特に0.05μ
m〜0.5μmが好ましい。また単分散とは、ハロゲン
化銀粒子の場合と同義であり、好ましい単分散度は1%
〜30%である。本発明においては、有機銀塩が平均粒
径1μm以下の単分散粒子であることがより好ましく、
この範囲にすることにより濃度の高い画像が得られる。
【0109】本発明において、所定の光学透過濃度にす
るためには、ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は、銀量
に換算して1m当たり0.3g以上1.5g以下であ
ることが好ましい。この範囲にすることにより硬調な画
像が得られる。
【0110】本発明の熱現像感光材料には還元剤を内蔵
させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国特許
第3,770,448号、同第3,773,512号、
同第3,593,863号、及びResearch D
isclosure第17029及び29963に記載
されており、次のものがある。
【0111】アミノヒドロキシシクロアルケノン化合物
(例えば、2−ヒドロキシピペリジノ−2−シクロヘキ
セノン);還元剤の前駆体としてアミノリダクトン類
(reductones)エステル(例えば、ピペリジ
ノヘキソースリダクトンモノアセテート);N−ヒドロ
キシ尿素誘導体(例えば、N−p−メチルフェニル−N
−ヒドロキシ尿素);アルデヒド又はケトンのヒドラゾ
ン類(例えば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラ
ゾン);ホスファーアミドフェノール類;ホスファーア
ミドアニリン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、
ヒドロキノン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピ
ルヒドロキノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニ
ル)メチルスルホン);スルフヒドロキサム酸類(例え
ば、ベンゼンスルフヒドロキサム酸);スルホンアミド
アニリン類(例えば、4−(N−メタンスルホンアミ
ド)アニリン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類
(例えば、2−メチル−5−(1−フェニル−5−テト
ラゾリルチオ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサ
リン類(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキ
サリン);アミドオキシン類;アジン類(例えば、脂肪
族カルボン酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸
の組み合わせ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシ
ルアミンの組み合わせ、リダクトン及び/又はヒドラジ
ン;ヒドロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェ
ノール類の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導
体;ビス−β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベン
ゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホン
アミドフェノール還元剤;2−フェニルインダン−1,
3−ジオン等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類
(例えば、2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエト
キシ−1,4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類
(例えば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−メチルフェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m
−トリ)メシトール(mesitol)、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
4,5−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチ
ル)フェノール)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体
及び3−ピラゾリドン類。中でも特に好ましい還元剤は
ヒンダードフェノール類である。
【0112】ヒンダードフェノール類としては下記一般
式(A)で示される化合物が挙げられる。
【0113】
【化12】
【0114】式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、−C、2,4,4−
トリメチルペンチル)を表し、R′及びR″は炭素原子
数1〜5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−
ブチル)を表す。
【0115】一般式(A)で示される化合物の具体例を
以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定さ
れるものではない。
【0116】
【化13】
【0117】
【化14】
【0118】前記一般式(A)で示される化合物を始め
とする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×
10−2〜10モル、特に好ましくは1×10−2
1.5モルである。
【0119】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは、透明又は半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレ
ン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。これ
らは親水性のものでも非親水性のものでもよい。
【0120】本発明においては、感光性層のバインダー
量は、1.5〜6g/mであることが好ましく、さら
に好ましくは1.7〜5g/mである。1.5g/m
未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐え
ない場合がある。
【0121】本発明においては、感光性層側にマット剤
を含有することが好ましく、本発明の寸法の繰り返し精
度を高めるには、ポリマーマット剤又は無機マット剤を
乳剤層側の全バインダーに対し、重量比で0.5〜10
%含有することが好ましい。本発明において用いられる
マット剤の材質は、有機物及び無機物のいずれでもよ
い。例えば、無機物としては、スイス特許第330,1
58号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,99
5号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,18
1号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛
等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。
有機物としては、米国特許第2,322,037号等に
記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特
許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公
昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、
スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン
或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,
257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第
3,022,169号等に記載されたポリカーボネート
の様な有機マット剤を用いることができる。
【0122】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒
径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
【0123】本発明に用いられるマット剤は、平均粒径
が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好
ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイ
ズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好
ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好まし
くは30%以下となるマット剤である。
【0124】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。
【0125】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に係るマット剤は任意の構成層中に含むことがで
きるが、本発明の目的を達成するためには好ましくは感
光性層以外の構成層であり、更に好ましくは支持体から
見て最も外側の層である。
【0126】本発明に係るマット剤の添加方法は、予め
塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、
塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を
噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類のマット
剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0127】本発明においては、熱現像感光材料が特に
600〜800nmに発振波長を有する印刷用イメージ
セッターの出力用の熱現像感光材料である場合、ヒドラ
ジン化合物が感光材料中に含有されることが好ましい。
【0128】本発明に用いられる好ましいヒドラジン化
合物としては、下記一般式[H]で示される化合物であ
る。
【0129】
【化15】 〔式中、Aはそれぞれ置換基を有してもよい脂肪族
基、芳香族基、−G−D基又は複素環基を、B
ブロッキング基を表し、A、Aはともに水素原子、
又は一方が水素原子で他方はアシル基、スルホニル基又
はオキザリル基を表す。Gは−CO−基、−COCO
−基、−CS−基、−C(=NG)−基、−SO
−基、−SO2−基又は−P(O)(G)−基を
表し、Gは単なる結合手、−O−基、−S−基又は−
N(D)−基を表し、Dは脂肪族基、芳香族基、複
素環基又は水素原子を表し、Dは水素原子、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表
す。〕 一般式〔H〕において、Aで表される脂肪族基は、好
ましくは炭素数1〜30のものであり、特に炭素数1〜
20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましく、例
えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オクチル基、
シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げられ、これらは更
に適当な置換基(例えばアリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホキシ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ア
シルアミノ基、ウレイド基等)で置換されていてもよ
い。
【0130】一般式〔H〕において、Aで表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、Aで表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げら
れ、Aとして特に好ましいものはアリール基及び複素
環基であり、Aの芳香族基及び複素環基は置換基を有
していてもよく、特に好ましい基としては、pKa7〜
11の酸性基を有する置換基で、具体的にはスルホンア
ミド基、ヒドロキシル基、メルカプト基等が挙げられ
る。
【0131】一般式〔H〕において、Aで表される−
−D基について説明する。
【0132】Gは、−CO−基、−COCO−基、−
CS−基、−C(=NG)−基、−SO−基、−
SO−基又は−P(O)(G)−基を表し、好
ましいGとしては−CO−基、−COCO−基で、特
に好ましくは−COCO−基が挙げられる。Gは単な
る結合手、−O−基、−S−基又は−N(D)−基を
表し、Dは脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原
子を表し、分子内に複数のDが存在する場合、それら
は同じであっても異なってもよい。
【0133】Dは水素原子、脂肪族基、芳香族基、複
素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ましいD
としては水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ
基、アリール基等が挙げられる。
【0134】又、一般式〔H〕において、Aは耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一つ含むことが
好ましい。耐拡散基としてはカプラー等の不動性写真用
添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラスト
基としては炭素数8以上の写真的に不活性であるアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フ
ェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙
げられる。
【0135】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としてはチオ尿素、チオウレタン基、メルカプト
基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミド
複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0136】一般式〔H〕において、Bはブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G−Dであり、Aにお
ける−G−D基と同義であり、AとBは同じで
も異なっても良い。
【0137】A、Aはともに水素原子、又は一方が
水素原子で他方はアシル基(例えばアセチル基、トリフ
ルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(例えばエトキザリル基等)を
表す。
【0138】次に一般式〔H〕で示される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0139】
【化16】
【0140】
【化17】
【0141】
【化18】
【0142】
【化19】
【0143】
【化20】
【0144】
【化21】
【0145】本発明に用いられるヒドラジン化合物とし
ては、上記以外に以下に示す化合物を用いることもでき
る。
【0146】RESEARCHDISCLOSURE
Item 23516(1983年11月号、P.34
6)およびそこに引用された文献の他、米国特許第4,
080,207号、同4,269,929号、同4,2
76,364号、同4,278,748号、同4,38
5,108号、同4,459,347号、同4,47
8,928号、同4,560,638号、同4,68
6,167号、同4,912,016号、同4,98
8,604号、同4,994,365号、同5,04
1,355号、同5,104,769号、英国特許第
2,011,391B号、欧州特許第217,310
号、同301,799号、同356,898号、特開昭
60−179734号、同61−170733号、同6
1−270744号、同62−178246号、同62
−270948号、同63−29751号、同63−3
2538号、同63−104047号、同63−121
838号、同63−129337号、同63−2237
44号、同63−234244号、同63−23424
5号、同63−234246号、同63−294552
号、同63−306438号、同64−10233号、
特開平1−90439号、同1−100530号、同1
−105941号、同1−105943号、同1−27
6128号、同1−280747号、同1−28354
8号、同1−283549号、同1−285940号、
同2−2541号、同2−77057号、同2−139
538号、同2−196234号、同2−196235
号、同2−198440号、同2−198441号、同
2−198442号、同2−220042号、同2−2
21953号、同2−221954号、同2−2853
42号、同2−285343号、同2−289843
号、同2−302750号、同2−304550号、同
3−37642号、同3−54549号、同3−125
134号、同3−184039号、同3−240036
号、同3−240037号、同3−259240号、同
3−280038号、同3−282536号、同4−5
1143号、同4−56842号、同4−84134
号、同2−230233号、同4−96053号、同4
−216544号、同5−45761号、同5−457
62号、同5−45763号、同5−45764号、同
5−45765号、同6−289524号、同9ー16
0164号等に記載されたものを挙げることができる。
【0147】またこの他にも特公平6−77138号に
記載の(化1)で示される化合物で、具体的には同公報
3頁、4頁に記載の化合物。特公平6−93082号に
記載の一般式(I)で示される化合物で、具体的には同
公報8頁〜18頁に記載の1〜38の化合物。特開平6
−230497号に記載の一般式(4)、一般式(5)
および一般式(6)で示される化合物で、具体的には同
公報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−
10、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−4
2、および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合
物6−7。特開平6−289520号に記載の一般式
(I)および一般式(2)で示される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7)および2−1)。特開平6−313936号に記載
の(化2)および(化3)で示される化合物で、具体的
には同公報6頁〜19頁に記載の化合物。特開平6−3
13951号に記載の(化1)で示される化合物で、具
体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物。特開平7−
5610号に記載の一般式(I)で示される化合物で、
具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化合物I−1〜
I−38。特開平7−77783号に記載の一般式(I
I)で示される化合物で、具体的には同公報10頁〜2
7頁に記載の化合物II−1〜II−102。特開平7
−104426号に記載の一般式(H)および一般式
(Ha)で示される化合物で、具体的には同公報8頁〜
15頁に記載の化合物H−1〜H−44、に記載された
ものを用いることができる。
【0148】ヒドラジン誘導体の添加層は、感光性層及
び/又は感光性層に隣接した構成層である。また添加量
はハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の
程度、還元剤の種類、抑制剤の種類等により最適量は一
様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり10−6モル
〜10−1モル程度、特に10−5モル〜10−2モル
の範囲が好ましい。
【0149】本発明のヒドラジン化合物は、適当な有機
溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、
プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解し
て用いることができる。また、既に良く知られている乳
化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジル
フォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジ
エチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘ
キサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化
分散物を作製して用いることができる。あるいは固体分
散法として知られている方法によって、ヒドラジン化合
物の粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、あるい
は超音波によって分散して用いることもできる。
【0150】本発明ではヒドラジン化合物と併用して、
カブリ防止剤としてインダゾール類(例えばニトロイン
ダゾール)を使用することが好ましい。
【0151】本発明の感光材料には、ヒドラジン化合物
と併用して、アミン誘導体、オニウム塩化合物、ジスル
フィド誘導体、およびヒドロキシアミン誘導体などの造
核促進剤を添加することができる。
【0152】本発明の熱現像感光材料は常温で安定であ
るが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱
することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化
剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通
じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光で感光性ハ
ロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進され
る。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は
黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画
像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の
処理液を供給することなしで進行する。
【0153】本発明の熱現像感光材料は支持体上に少な
くとも一層の感光性層を有しており、支持体の上に感光
性層のみを形成しても良いが、感光性層の上に少なくと
も1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光性
層に通過する光の量又は波長分布を制御するために感光
性層と同じ側又は反対側にフィルター層を形成しても良
いし、感光性層に染料又は顔料を含ませても良い。染料
としては特願平7−11184号の化合物が好ましい。
感光性層は複数層にしても良く、また階調の調節のため
感度を高感層/低感層又は低感層/高感層にしても良
い。各種の添加剤は感光性層、非感光性層、又はその他
の形成層のいずれに添加しても良い。本発明の熱現像感
光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良
い。
【0154】本発明の熱現像感光材料には、色調剤を添
加することが好ましい。好適な色調剤の例はResea
rch Disclosure第17029号に開示さ
れており、次のものがある。
【0155】イミド類(例えば、フタルイミド);環状
イミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン
(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド
類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロ
シアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリ
デン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノ
ン誘導体又はこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3
−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノ
ンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−ク
ロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウム又
は8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナトリ
ウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラジ
ン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水物、
及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸又はo
−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、フタル
酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及びテト
ラクロロフタル酸無水物)から選択される少なくとも1
つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン類、ベン
ズオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンズオキサジ
ン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベンズオキサ
ジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不斉−トリ
アジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリミジ
ン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、3,
6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−
2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好まし
い色調剤としてはフタラゾン又はフタラジンである。
【0156】本発明の熱現像感光材料には、例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
4639414号、同4740455号、同47419
66号、同4751175号、同4835096号に記
載された増感色素を使用できる。本発明に使用される有
用な増感色素は例えばRESEARCH DISCLO
SURE Item 17643IV−A項(1978
年12月p.23)、同 Item 1831X項(1
978年8月p.437)に記載もしくは引用された文
献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特
性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択する
ことができる。例えばA)アルゴンレーザー光源に対し
ては、特開昭60−162247号、特開平2−486
53号、米国特許2,161,331号、西独特許93
6,071号、特願平3−189532号記載のシンプ
ルメロシアニン類、B)ヘリウム−ネオンレーザー光源
に対しては、特開昭50−62425号、同54−18
726号、同59−102229号に示された三核シア
ニン色素類、特願平6−103272号に示されたメロ
シアニン類、C)LED光源及び赤色半導体レーザーに
対しては特公昭48−42172号、同51−9609
号、同55−39818号へ特開昭62−284343
号、特開平2−105135号に記載されたチアカルボ
シアニン類、D)赤外半導体レーザー光源に対しては特
開昭59−191032号、特開昭60−80841号
に記載されたトリカルボシアニン類、特開昭59−19
2242号、特開平3−67242号の一般式(III
a)、一般式(IIIb)に記載された4−キノリン核
を含有するジカルボシアニン類などが有利に選択され
る。さらに赤外レーザー光源の波長が750nm以上、
さらに好ましくは800nm以上でである場合このよう
な波長域のレーザーに対応されるためには、特開平4−
182639、同5−341432、特公平6−523
87、同3−10931、US5,441,866、特
開平7−13295等に記載されている増感色素が好ま
しく用いられる。これらの増感色素は単独に用いてもよ
いが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合
せは、特に強色増感の目的でしばしば用いられる。増感
色素と共に、それ自身分光増感作用をもたない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
【0157】本発明の熱現像感光材料の露光は、Arレ
ーザー(488nm)、He−Neレーザー(633n
m)、赤色半導体レーザー(670nm)、赤外半導体
レーザー(780nm、830nm)などが好ましい。
【0158】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0159】実施例1 (ハロゲン化銀粒子の調製)純水900ml中にゼラチ
ン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度3
5℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む
水溶液370mlと(96/4)のモル比の臭化カリウ
ムと沃化カリウムを含む水溶液をpAg7.7に保ちな
がらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて
添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、N
aOHでpHを5に調整して、平均粒子サイズ0.06
μm、投影直径面積の変動係数8%、{100}面比率
86%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチ
ン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエ
タノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に
調整した。その後に増感色素SD−1、SD−2をハロ
ゲン化銀1モルに対し5×10−5モルづつ添加した。
その後60℃に昇温してチオ硫酸ナトリウムを2mg添
加し100分間熟成した後に38℃に冷却して化学増感
を終了し、ハロゲン化銀粒子を得た。
【0160】(有機脂肪酸銀乳剤の調製)水300ml
中にベヘン酸10.6gを入れ90℃に加熱溶解し、十
分攪拌した状態で1Nの水酸化ナトリウム31.1ml
を添加し、そのままの状態で1時間放置した。その後3
0℃に冷却し、1Nのリン酸7.0mlを添加して十分
攪拌した状態でN−ブロモコハク酸イミド0.01gを
添加した。その後、あらかじめ調製したハロゲン化銀粒
子ベヘン酸に対して銀量として10モル%となるように
40℃に加温した状態で攪拌しながら添加した。さらに
1N硝酸銀水溶液25mlを2分間かけて連続添加し、
そのまま攪拌した状態で1時間放置した。この乳剤に酢
酸エチルに溶解したポリビニルブチラールを添加して十
分攪拌した後に静置し、ベヘン酸銀粒子とハロゲン化銀
粒子を含有する酢酸エチル相と水相に分離した。水相を
除去した後、遠心分離にてベヘン酸銀粒子とハロゲン化
銀粒子を採取した。その後、東ソー(株)社製合成ゼオ
ライトA−3(球状)20gとイソプロピルアルコール
22ccを添加し、1時間放置した後濾過した。更にポ
リビニルブチラール3.4gとイソプロピルアルコール
23ccを添加し35℃にて高速で十分攪拌して分散し
有機脂肪酸銀乳剤の調製を終了した。
【0161】(感光性層組成)感光性層塗布液を下記の
ように調製した。溶媒には、メチルエチルケトン、アセ
トン、メタノールを適宜用いた。 有機脂肪酸銀乳剤 1.75g(銀で)/m ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 1.5 ×10−4mol/m 臭化カルシウム 1.8 ×10−4mol/m 2−(4−クロロベンゾイル) 安息香酸 1.5 ×10−3mol/m 増感色素ー1 4.2 ×10−6mol/m 2−メルカプトベンズイミダゾール 3.2 ×10−3mol/m 一般式1〜3化合物、比較化合物 (表1) 6.0 ×10−4mol/m
【0162】
【化22】
【0163】
【化23】
【0164】(表面保護層組成)表面保護層塗布液を下
記のように調製した。溶媒には、メチルエチルケトン、
アセトン、メタノールを適宜用いた。 セルロースアセテート 4g/m 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−ト リメチルヘキサン 4.8 ×10−3mol/m フタラジン 3.2 ×10−3mol/m 4−メチルフタル酸 1.6 ×10−3mol/m テトラクロロフタル酸 7.9 ×10−4mol/m テトラクロロフタル酸無水物 9.1 ×10−4mol/m 二酸化珪素(粒径2μm) 0.22g/m (バッキング層組成) バッキング層塗布液を下記の如く調製した。 セルロースアセテート 4g/m ハレーション防止染料 染料D−2 0.06g/m 染料D−3 0.018g/m ポリメチルメタクリレート(粒径10μm) 0.02g/m
【0165】
【化24】
【0166】上記のような組成の塗布液を、二軸延伸さ
れた厚さ175μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに塗布し、乾燥して塗布試料を得た。
【0167】「センシトメトリーの評価」上記で作成し
た熱現像感光材料を半切サイズに加工し、830nmの
レーザーダイオードを垂直面より13°傾いたビームで
露光した。その後ヒートドラムを用いて120℃×15
秒熱現像処理した。そしてその時のカブリ値の測定を行
なった。また、感度(カブリより1.0高い濃度を与え
る露光量の比の逆数)を測定した。表1における試料N
o.1の感度を100としたとき、各試料の感度を相対
値で評価した。結果を表1に示す。
【0168】「生保存性の評価」内部が25℃で湿度5
5%に保たれた密閉容器中に3枚塗布試料を入れた後5
0℃で7日間経時した(強制経時)。この中の2枚めの
試料と比較用経時(室温にて遮光容器中に保存)の試料
とをセンシトメトリーの評価に用いたものと同じ処理を
行い、カブリ部分の濃度を測定した。結果を表1に示
す。 (カブリの増加1)=(強制経時のカブリ)−(比較用
経時のカブリ) 「画像保存性の評価」センシトメトリー評価と同様の処
理をした2枚の試料を1枚は25℃、55%で7日間遮
光保存し、もう1枚は25℃、55%で7日間自然光に
晒した後両者のカブリ部分の濃度を測定した。結果を表
1に示す。 (カブリの増加2)=(自然光に晒したときのカブリ)
ー(遮光保存したときのカブリ)
【0169】
【表1】
【0170】表1より本発明の試料は十分な感度があ
り、かつ、カブリが低く、感光材料の生保存安定性およ
び画像保存性も良好であることがわかる。
【0171】実施例2 [下引済み写真用支持体の作製] 〈PET下引済み写真用支持体の作製〉市販の2軸延伸
熱固定済みの厚さ100μmのPETフィルムの両面に
8w/m・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下
記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように
塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に
下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるよう
に塗設し乾燥させて下引層B−1とした。
【0172】 《下引塗布液a−1》 ブチルアクリレート(30重量%) t−ブチルアクリレート(20重量%) スチレン(25重量%) 2−ヒドロキシエチルアクリレート(25重量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0173】 《下引塗布液b−1》 ブチルアクリレート(40重量%) スチレン(20重量%) グリシジルアクリレート(40重量%) の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g (C−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g 水で1リットルに仕上げる。
【0174】引き続き、下引層A−1及び下引層B−1
の上表面に、8w/m・分のコロナ放電を施し、下引
層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜
厚0.1μmになる様に下引層A−2として、下引層B
−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.
8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2と
して塗設した。
【0175】 《下引上層塗布液a−2》 ゼラチン 0.4g/m2 になる重量 (C−1) 0.2g (C−2) 0.2g (C−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g 水で1リットルに仕上げる。
【0176】 《下引上層塗布液b−2》 (C−4) 60g (C−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g (C−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で1リットルに仕上げる。
【0177】
【化25】
【0178】
【化26】
【0179】(乳剤Aの調製)水900ml中にイナー
トゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解し
て温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74
gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭
化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液及び塩化ロジウ
ムを銀1モル当たり1×10−4モルを、pAg7.7
に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分
間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加
しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.0
6μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比
率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラ
チン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシ
エタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5
に調整して、ハロゲン化銀乳剤を得た。特開平9−12
7643号実施例1の方法に従い下記のような方法でベ
ヘン酸銀を作成した。
【0180】ベヘン酸Na溶液の調製 340mlのイソプロパノールにベヘン酸34gを65
℃で溶解した。次に攪拌しながら0.25Nの水酸化ナ
トリウム水溶液をpH8.7になる様に添加した。この
際水酸化ナトリウム水溶液は約400ml必要とした。
次にこのベヘン酸ナトリウム水溶液を減圧濃縮を行いベ
ヘン酸ナトリウムの濃度が重量%で8.9%とした。
【0181】ベヘン酸銀の調製 750mlの蒸留水中に30gのオセインゼラチンを溶
解した溶液に2.94Mの硝酸銀溶液を加え銀電位を4
00mVとした。この中にコントロールドダブルジェッ
ト法を用いて78℃の温度下で前記ベヘン酸ナトリウム
溶液374mlを44.6ml/分のスピードで添加し
同時に2.94Mの硝酸銀水溶液を銀電位が400mV
になる様に添加した。添加時のベヘン酸ナトリウム及び
硝酸銀の使用量はそれぞれ0.092モル、0.101
モルであった。添加終了後さらに30分攪拌し限外濾過
により水溶性塩類を除去した。
【0182】感光性乳剤の調製 このベヘン酸銀分散物に前記ハロゲン化銀乳剤をそれぞ
れ0.01モル加え、更に攪拌しながらポリ酢酸ビニル
の酢酸n−ブチル溶液(1.2wt%)100gを徐々
に添加して分散物のフロックを形成後、水を取り除き、
更に2回の水洗と水の除去を行った後、バインダーとし
てポリビニルブチラール(平均分子量3000)の2.
5wt%の酢酸ブチルとイソプロピルアルコールの1:
2混合溶液60gを攪拌しながら加えた後、こうして得
られたゲル状のベヘン酸及びハロゲン化銀の混合物にバ
インダーとしてポリビニルブチラール(平均分子量40
00)及びイソプロピルアルコールを加え分散した。
【0183】支持体上に以下の各層を順次形成し、試料
を作成した。尚、乾燥は各々75℃、5分間で行った。
【0184】バック面側塗布:以下の組成の液を湿潤厚
さ80μmになるように塗布した。
【0185】 ポリビニルブチラール(10%イソプロパノール溶液) 150ml 染料−B 70mg 染料−C 70mg
【0186】
【化27】
【0187】感光性層面側塗布 感光性層:以下の組成の液を塗布銀量が2.0g/
、バインダーとしてのポリビニルブチラールを3.
2g/mになる様に塗布した。
【0188】 乳剤A 銀量として3g/m になる量 増感色素−1(0.1%DMF溶液) 2mg 一般式1〜3化合物、比較化合物 (表2)(2%アセトン溶液)3ml フタラゾン(4.5%DMF溶液) 8ml 現像剤−1(10%アセトン溶液) 13ml 硬調化剤H(1%メタノール/DMF=4:1溶液) 2ml
【0189】
【化28】
【0190】表面保護層:以下の組成の液を湿潤厚さ1
00μmになる様に各感光性層上に塗布した。
【0191】 アセトン 175ml 2−プロパノール 40ml メタノール 15ml セルロースアセテート 8.0g フタラジン 1.0g 4−メチルフタル酸 0.72g テトラクロロフタル酸 0.22g テトラクロロフタル酸無水物 0.5g 平均粒径4μmの単分散シリカ バインダーに対して1%(W/W)
【0192】「センシトメトリーの評価」上記で作成し
た熱現像感光材料を633nmにピークを持つ干渉フィ
ルターを介入し、発光時間10−3秒のキセノンフラッ
シュ光で露光した。その後ヒートドラムを用いて115
℃、15秒熱現像処理した。濃度3.0を与える露光量
の逆数を感度とし、試料No.11の感度を100とし
た相対感度で示した。また特性曲線で濃度0.1と1.
5の点を結ぶ直線の傾きを脚のきれをあらわす階調(γ
0115)として示した。結果を表2に示す。
【0193】「生保存性の評価」内部が25℃で湿度5
5%に保たれた密閉容器中に3枚塗布試料を入れた後5
0℃で7日間経時した(強制経時)。この中の2枚めの
試料と比較用経時(室温にて遮光容器中に保存)の試料
とをセンシトメトリーの評価に用いたものと同じ処理を
行い、カブリ部分の濃度を測定した。結果を表2に示
す。 (カブリの増加1)=(強制経時のカブリ)−(比較用
経時のカブリ) 「画像保存性の評価」センシトメトリー評価と同様の処
理をした2枚の試料を1枚は25℃、55%で7日間遮
光保存し、もう1枚は25℃、55%で7日間自然光に
晒した後両者のカブリ部分の濃度を測定した。結果を表
2に示す。 (カブリの増加2)=(自然光に晒したときのカブリ)
ー(遮光保存したときのカブリ)
【0194】
【表2】
【0195】表2より本発明の試料は十分な感度があ
り、ガンマが高く良好な硬調性を有し、かつ、カブリが
低く、感光材料の生保存安定性および画像保存性も良好
であることがわかる。
【0196】
【発明の効果】本発明によれば、現像処理済みの試料が
経時でカブリ上昇したりすることがない熱現像感光材料
を提供すること、高感度でカブリが低く、感光材料の生
保存性が良好なレーザーイメージャー用熱現像感光材料
を提供すること、及び高い硬調性を有し、高感度でカブ
リが低く、感光材料の生保存性の良好なイメージセッタ
ー出力フィルム用熱現像感光材料を提供することができ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、有機銀塩、バインダー、感光
    性ハロゲン化銀及び下記一般式1で示される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像感光材
    料。 【化1】 [式中、X1 及びX2 はハロゲン原子を表す。Yは2価
    の連結基を表す。Aは水素原子、ハロゲン原子又はその
    他の電子吸引性基を表す。mは3以上4以下の整数を表
    す。Qはヘテロ環基、アリール基又は脂肪族基を表す。
    nは0以上3以下の整数を表す。Qが脂肪族基の場合は
    分子全体のハロゲン原子の個数が6以上10未満であ
    る。]
  2. 【請求項2】支持体上に、有機銀塩、バインダー、感光
    性ハロゲン化銀及び下記一般式2で示される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像感光材
    料。 【化2】 [式中、X1 及びX2 はハロゲン原子を表す。Aは水素
    原子、ハロゲン原子又はその他の電子吸引性基を表す。
    Qは酸素原子を1つ、窒素原子を2つ以上3つ以下有す
    る芳香族ヘテロ5員環、フラン環、チオフェン環又はピ
    ロール環の各基を表す。但し、Qがチオフェン環の場
    合、X1 は臭素原子を表す。]
  3. 【請求項3】支持体上に、有機銀塩、バインダー、感光
    性ハロゲン化銀及び下記一般式3で示される化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とする熱現像感光材
    料。 【化3】 [式中、X1 及びX2 はハロゲン原子を表す。Aは水素
    原子、ハロゲン原子又はその他の電子吸引性基を表す。
    Yは-SO- 、 -CO- 、-N(R11)-SO2-、-N(R11)-CO- 、 -
    N(R11)-COO- 、-COCO- 、 -COO-、 -OCO-、 -OCOO- 、
    -SCO-、 -SCOO- 、-C(Z1)(Z2)- 、アルキレン、アリー
    レン、2価のヘテロ環又はこれらの任意の組み合わせで
    形成される2価の連結基を表す。R11 は水素原子又はア
    ルキル基を表す。Z1およびZ2は水素原子又は電子吸引性
    基を表す。Z1およびZ2は同時に水素原子であることはな
    い。Qは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表す。但
    し、Yが-SO-の時、QはN以外のヘテロ原子を少なくと
    も1つ有する芳香族ヘテロ5員環基およびピリジン環基
    を表す。]
  4. 【請求項4】ヒドラジン化合物を含有することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の熱現像感光材料。
  5. 【請求項5】支持体上に、有機銀塩、バインダー及び感
    光性ハロゲン化銀を含有する感光性層を少なくとも1層
    有する熱現像感光材料において、該感光性層が請求項1
    に記載の一般式1で示される化合物の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  6. 【請求項6】支持体上に、有機銀塩、バインダー及び感
    光性ハロゲン化銀を含有する感光性層を少なくとも1層
    有する熱現像感光材料において、該感光性層が請求項2
    に記載の一般式2で示される化合物の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  7. 【請求項7】支持体上に、有機銀塩、バインダー及び感
    光性ハロゲン化銀を含有する感光性層を少なくとも1層
    有する熱現像感光材料において、該感光性層が請求項3
    に記載の一般式3で示される化合物の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする熱現像感光材料。
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