JPH11210200A - 建築用ボード及びその製造方法 - Google Patents

建築用ボード及びその製造方法

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JPH11210200A
JPH11210200A JP10016583A JP1658398A JPH11210200A JP H11210200 A JPH11210200 A JP H11210200A JP 10016583 A JP10016583 A JP 10016583A JP 1658398 A JP1658398 A JP 1658398A JP H11210200 A JPH11210200 A JP H11210200A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでしかも商品価値を高めること。 【解決手段】 基層と基層の表面に施された化粧層とを
備えた建築用ボード及びその製造方法。化粧層は、スラ
リー状の硬化性組成物の混練物の上に、像が形成された
片面を有する保護シートが該片面が密着して配置された
状態で、混練物を固化せしめた固化体からなる。化粧層
の表面には保護シートの片面に形成された像が転写せし
められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基層、基層の表面
に配置された化粧層とを備え、化粧層の表面には像が転
写により形成されている建築用ボード及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の内装あるいは外装の様式として
は、近時、表面に化粧層を備えた建築用ボードを下地の
表面に装着することが提案されている。このような建築
用ボードは、一般に、矩形板状である基層と、この基層
の表面に施された化粧層とから構成され、概略、次のよ
うにして製造される。すなわち、所定方向に移動させら
れる基層と同期してかつこの基層の表面に対し一定の間
隔をおいて移動しうるよう保護シートが連続的に送給さ
れる。そして保護シートの片面に、スラリー状にせしめ
られた硬化性組成物の混練物が付着せしめられることに
より、基層、基層上に配置された混練物、及び混練物上
に配置された保護シートからなる積層体が形成される。
【0003】上述したとおりにして形成された積層体
は、適宜の方法、例えば所要環境に所要時間放置するこ
とによって混練物が固化せしめられ、建築用ボードにせ
しめられる。このような建築用ボードにおいて、混練物
の固化体は化粧層を構成する。保護シートは混練物が固
化した後に除去することもできるが、化粧層の保護層と
して建築用ボードを実際に使用するまで化粧層上に積層
せしめておくのが好ましい。なおこのような製造方法
は、本出願人により出願された特願平9−45005号
明細書に開示されているので、これ以上の詳細な説明は
省略する。上記の如く製造された建築用ボードを各々の
側縁を隣接せしめて下地に沿って並列に配置することに
より、表面が化粧層に覆われた壁が従来の左官工事に較
べて著しく容易に形成される。
【0004】建築用ボードを使用する場合、下地上に側
面を隣接せしめて並列に配置した建築用ボードの境界す
なわち目地がそのまま露呈されると、望ましくない外観
を呈する。したがって、目地を適宜に化粧することが必
要である。そこで、表面に適宜の化粧層を施した目地化
粧部材を、並列に配置された建築用ボードの目地に沿っ
てかつ建築用ボードの隣接側縁部の表面に跨がって延在
するように、建築用ボードの隣接側縁部に接着する方法
が提案されている(例えば、本出願人による特願平9−
254089号明細書参照)。建築用ボードは、保護シ
ートを剥離した状態で釘あるいは接着により下地上に固
定される。その後、目地化粧部材が施されて隣接する建
築用ボード間の目地が化粧される。目地化粧部材は、例
えば一定の幅と長方形の横断面形状を有する薄いシート
状の本体を有し、本体の片面には接着層が配設されてい
る。目地化粧部材を建築用ボードの隣接側縁部上に接着
せしめる前の状態においては、接着層の表面は剥離自在
なカバーフィルムによって被覆されている。上述したと
おりの目地化粧部材は、カバーフィルムを剥離して接着
層の表面を露呈せしめ、接着層を建築用ボードの目地に
沿ってかつ建築用ボードの隣接側縁部の表面に跨がって
押圧せしめ、上記表面に接着させられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き目地の化粧
作業を遂行するに際しては、目地化粧部材を、下地に固
定された建築用ボード間の目地に沿ってかつ建築用ボー
ドの隣接側縁部の表面に跨がって直線状に正確に貼着し
なければならない。この貼着作業を容易かつ正確に遂行
するためには、建築用ボードの隣接側縁部の表面に、目
地化粧部材を貼着するときの位置決め用の直線を予め描
いておくことが望まれる。しかしながら上記の如く、建
築用ボードは、基層、基層の表面に施された混練物、混
練物の上に配置された保護シートからなる3層の積層体
(3層構造)として製造され、混練物を固化せしめて化
粧層を生成した状態においても、上記の如き積層体は維
持されているので、製造過程において化粧層の表面に直
線を描くことはできなかった。このため上記の如き目地
の化粧作業は熟練を要する職人作業となり、その結果、
施工時間が長くなり、施工費用が高くなる、との問題を
有していた。
【0006】この問題を解決するため、建築用ボードの
使用に際し、化粧層の表面から保護シートを除去(剥
離)した後に、人手により側縁部における化粧層の表面
に直線を描くことも考えられる。しかしながらこの方法
は、人手による作業工程が増加する、直線を描く作業そ
のものが比較的面倒である、等の問題を有しており、し
たがって依然として上記問題は解決されておらず、改善
が望まれているところであった。
【0007】化粧層の表面に上記の如き直線を描くこと
は、目地の化粧作業を容易かつ確実に遂行するための重
要な要件である。他方、更に広い概念でいえば、化粧層
の表面に像、例えば、模様、図形、絵、写真、文字、記
号、線等を、所望のとおりに正確に形成することは、内
装あるいは外装としての商品価値を高めるためにも望ま
しいことである。本発明者等の研究によれば、上記の如
き構成を有する建築用ボードを建築物に実際に適用した
場合、化粧層の表面に模様、図形、絵、写真、文字、記
号、線等の所望の像を形成すると、内装あるいは外装と
しての商品価値を相当増大せしめることができる、こと
が判明した。しかしながら上記したとおりの理由によ
り、製造過程において化粧層の表面に所望する模様等の
像を形成することはできない、というのが実情であっ
た。
【0008】本出願人による上記特願平9−45005
号明細書には、顔料を含有する硬化性組成物の混練物を
固化せしめて形成される化粧層の表面に顔料を不均一に
分散せしめることによって、化粧層の表面に意匠的に優
れた濃淡模様を現出せしめてなる、建築用ボード及びそ
の製造方法が開示されている。この発明は、内装あるい
は外装としての商品価値を高める上で有用なものである
が、模様、図形、絵等の所望する像を、化粧層の表面に
所望のとおりに正確に形成することができるものではな
い。
【0009】そこで化粧層の表面から保護シートを剥離
した後に、化粧層の表面に所望する模様等の像を形成す
ることも考えられる。しかしながらこの方法は、不可能
ではないにしても実用上は著しく困難であり、製造コス
ト及び製造時間を大幅に増大させることになる。
【0010】本発明は上記事実に基づいてなされたもの
であり、その目的は、比較的低コストでありながら高い
商品価値を有する、新規な建築用ボードを提供すること
である。
【0011】本発明の他の目的は、目地の化粧作業を容
易かつ確実に遂行することができる、新規な建築用ボー
ドを提供することである。
【0012】本発明の更に他の目的は、高い商品価値を
有する建築用ボードを、比較的低コストでしかも自動的
に、容易かつ安定して製造することができる、新規な建
築用ボードの製造方法を提供することである。
【0013】本発明の更に他の目的は、化粧層の表面に
所望のとおりの像が形成された建築用ボードを、比較的
低コストでしかも自動的に、容易かつ安定して製造する
ことができる、新規な建築用ボードの製造方法を提供す
ることである。
【0014】本発明の更に他の目的は、目地の化粧作業
を容易かつ確実に遂行することができる建築用ボード
を、比較的低コストでしかも自動的に、容易かつ安定し
て製造することができる、新規な建築用ボードの製造方
法を提供することである。
【0015】本発明のその他の目的及び特徴は、本発明
に従って構成された建築用ボードの製造方法の実施形態
について添付図面を参照して詳細に説明する後の記載か
ら明らかになるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の一局面によれ
ば、基層と該基層の表面に施された化粧層とを備え、該
化粧層は、スラリー状にせしめられた硬化性組成物の混
練物の上に、所定の像が形成された片面を有する保護シ
ートが、該片面が密着して配置された状態で、該混練物
を固化せしめて生成された固化体からなり、該化粧層の
表面には、該保護シートの該片面に形成された像が転写
せしめられている、ことを特徴とする建築用ボード、が
提供される。
【0017】上記発明に係る建築用ボードよれば、化粧
層の表面に所定の像が、密着された保護シートからの転
写により形成されているので、保護シートを除去するの
みで、直ちにこれを建築物の内装あるいは外装として使
用することができる。その結果、比較的低コストでその
商品価値を高めることができる。
【0018】転写せしめられた像を側縁部に沿って延在
する、目地化粧部材を貼着するときの位置決め用の直線
として形成した場合には、建築用ボード間の目地の化粧
作業を容易かつ確実にせしめることができる。その結
果、施工時間を短縮し、施工費用を低減させることがで
きる。
【0019】本発明の他の局面によれば、基層と該基層
の表面に施された化粧層とを備えた建築用ボードを製造
する方法において、所定方向に移動させられる該基層と
同期してかつ該基層の該表面に対し一定の間隔をおいて
移動しうるよう連続的に送給される保護シートの、該基
層の該表面に対向する片面の所要部位に所定の像を形成
した後、該像が形成された該所要部位を含む該片面にス
ラリー状にせしめられた硬化性組成物の混練物を付着さ
せることにより、該基層、該基層上に配置された該混練
物、及び該混練物上に配置された該保護シートとからな
る積層体を形成し、次いで該混練物を固化せしめ、該保
護シートの該片面に形成された像が表面に転写せしめら
れた該化粧層を形成する、ことを特徴とする建築用ボー
ドの製造方法、が提供される。
【0020】上記発明によれば、保護シートの片面上の
所要部位には、混練物が付着される前に所定の像が形成
される。したがって、像形成材料が油性又は水性のイン
キ、塗料、墨等であれば、それらが乾燥しないうちに像
の上にスラリー状の混練物が付着されるので、保護シー
トの片面上に形成された像は混練物の表面に直ちに転写
せしめられる。その結果、混練物が固化せしめられて生
成された化粧層の表面には、該像が転写された状態で形
成されることになる。他方、像形成材料が鉛筆の芯等の
粉体であっても、この像の上に付着される混練物はスラ
リー状である故に、像は混練物の表面に直ちに転写せし
められる。その結果、混練物が固化せしめられて生成さ
れた化粧層の表面には、該像が転写された状態で形成さ
れることになる。以上の説明から明らかなように、上記
方法によれば、高い商品価値を有する建築用ボードを、
比較的低コストでしかも自動的に、容易かつ安定して製
造することができる。上記方法によればまた、化粧層の
表面に所望のとおりの像が形成された建築用ボードを、
比較的低コストでしかも自動的に、容易かつ安定して製
造することができる。
【0021】転写せしめられた像を側縁部に沿って延在
する、目地化粧部材を貼着するときの位置決め用の直線
として形成した場合には、建築用ボード間の目地の化粧
作業を容易かつ確実にせしめることができる。その結
果、施工時間を短縮し、施工費用を低減させることがで
きる。
【0022】像の形成を筆記具を保護シートの片面に接
触させることにより遂行した場合には、所望の位置に容
易に像である直線を描くことができる。筆記具を複数個
使用すれば複数の線を描くことができ、また筆記具を保
護シートの移動方向に直交する方向に適宜のタイミング
で往復移動させれば、波状の線を描くことができる。更
にはまた、筆記具を適宜のタイミングで間欠的に保護シ
ートの片面に接触させれば、点線あるいは相互に適宜の
間隔をおいた直線を描くことができる。更にはまた、上
記の如き筆記具の使用形態を適宜に組合せることによ
り、各種の線模様を描くことができる。
【0023】像の形成を像形成材料を保護シートの片面
に噴射することにより遂行した場合には、保護シートの
片面に対して非接触で像を形成できるので、筆記具を使
用する形態に較べ、摩耗等の問題が生じなくなる。また
精密な像を形成したい場合には、これを容易に可能とす
ることができる。
【0024】像の形成を保護シートの片面に印刷を施す
ことにより遂行した場合には、模様、図形、絵、写真、
文字、記号、線等、様々な形態の像を幅広く選定して形
成することが可能となるので、建築用ボードの商品価値
を一層向上せしめることが可能となる。保護シートの片
面への印刷は、それ自体は周知の圧胴、版胴等の組合せ
で、容易かつ安定して自動的に遂行することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の好適実施形態について更に詳細に説明する。
【0026】図1には、本発明に従って構成された建築
用ボードの製造方法の好適実施形態が簡略に示されてい
る。矩形板状でよい基層2が積層域4を通して、図1に
おいて右から左に向けて実質上水平に所定速度で搬送さ
れる。積層域4は上下方向に所定間隔をおいて配設され
た一対の主ローラ6及び8間に規定されている。主ロー
ラ6は時計方向に、また他の主ローラ8は反時計方向
に、それぞれ所定速度で回転駆動せしめられる。主ロー
ラ6及び8の上流側には搬送方向に間隔をおいて複数個
の搬送ローラ10が配設され、主ローラ6及び8の下流
側にも同様に搬送方向に間隔をおいて複数個の搬送ロー
ラ10が配設されている。これらの搬送ローラ10は反
時計方向に所定速度で回転駆動せしめられる。複数個の
基層2は、図1に図示する如く搬送方向に隣接する基層
2の後端縁と前端縁とを相互に接触乃至近接せしめられ
て、搬送ローラ10上を移動せしめられて主ローラ6及
び8間に導入され、そして主ローラ6及び8間から導出
されて搬送ローラ10上を移動せしめられる。
【0027】上記積層域4には、更に、スラリー状にせ
しめられた硬化性組成物の混練物12と保護シート14
とが供給されて基層2に積層せしめられる。保護シート
14は巻出しローラ16にコイル状に巻き付けられた連
続帯状であり、ローラ18を介して主ローラ6に送給さ
れ、主ローラ6の周面に沿って略反転移動せしめられて
積層域4に供給される。ローラ18は保護シート14に
テンションを与えるよう位置付けられ、時計方向に所定
速度で回転駆動せしめられる。保護シート14は図1に
おいて左側斜め上方から主ローラ6に送給されるが、図
1において主ローラ6の右側には、主ローラ6に対して
所定間隔をおいて副ローラ20が配設されている。この
副ローラ20は従動ローラであって、図1の反時計方向
に連れ回りせしめられる。
【0028】主ローラ6と副ローラ20とのニップ部位
の上方には、混練物供給装置の排出ダクト22が配置さ
れている。排出ダクト22からはスラリー状にせしめら
れた混練物12が適宜に排出され、主ローラ6と副ロー
ラ20とのニップ部位の上流側に適量の混練物が存在す
るようにせしめられる。混練物12は保護シート14の
片面上に付着せしめられて、主ローラ6と副ローラ20
との間を通過し、そして主ローラ6及び8間に規定され
ている積層域4において、保護シート14と共に基層2
の上面(表面)に積層される。このようにして、積層域
4において基層2の上面に混練物12と保護シート14
が順次に積層されて積層体が形成され、この積層体が積
層域4から搬出される。図1から容易に理解されるよう
に、保護シート14の、混練物12が付着される片面
は、混練物12が付着されない他面が主ローラ6の周面
の一部に巻き掛けられることにより、基層2の上面に対
向するよう反転せしめられる。基層2上に積層される混
練物12の厚さは主ローラ6及び8間の間隔によって規
定される。即ち、基層2上に積層される混練物12の厚
さは、主ローラ6及び8間の間隔から基層2の厚さ及び
保護シート14の厚さを差し引いた値に設定される。基
層2上の積層された混練物12及び保護シート14は、
積層域4の下流に配設されている切断域(図示していな
い)において、隣接する基層2間において幅方向に切断
される。かくして、基層2、混練物12及び保護シート
14が順次に積層された矩形板状の積層体が次々と形成
される。
【0029】なお、搬送ローラ10の各々、主ローラ6
及び8、ローラ18は、それぞれ図示しない駆動源、具
体的には電動モータにより同じ周速で回転されるので、
保護シート14は、所定方向に移動させられる基層2と
同期してかつ基層2の表面に対し一定の間隔をおいて移
動しうるよう連続的に送給される。巻出しローラ16
は、コイル状に巻き付けられた保護シート14の巻出し
速度が上記各ローラの周速に整合するよう、その図示し
ない駆動源である電動モータの速度が制御される。
【0030】上記ローラ18に対し、保護シート14を
挟んで対向する位置には、保護シート14の片面に像を
形成するための像形成装置30が配設されている。図2
をも参照して、像形成装置30は、ローラ18の軸線方
向に間隔をおいて配置された一対の筆記具、この実施形
態ではフェルトペン32を含んでいる。それ自体は周知
のものでよいフェルトペン32の各々は、一対のアーム
34の一端に設けられた保持具36に離脱自在に保持さ
れている。アーム34の各々の他端は、共通の軸38に
固定されている。軸38は図示しない軸受に回動自在に
支持されている。保護シート14の片面に対向するよう
位置付けられた、アーム34の各々の一側部は、共通の
軸40に固定された一対のカム42に対し、コイルばね
43により常時付勢されている。軸40を図示しない駆
動源、例えばステッピング・モータにより所望の角度だ
け回動制御することにより、カム42の各々を回動制御
することができる。カム42の各々の回動により、フェ
ルトペン32の各々は、アーム34及び保持具36の各
々を介して、各々のペン先が、保護シート14の片面に
向かい又は離れる方向に移動せしめられる。これによ
り、フェルトペン32の各々は、使用時には、そのペン
先が適宜の圧力をもって保護シート14の片面に接触せ
しめられ、また不使用時には、そのペン先が保護シート
14の片面から離隔せしめられる。
【0031】フェルトペン32の各々のペン先は、保護
シート14を挟んでローラ18の周面の一部に対向する
よう位置付けられているので、使用時におけるフェルト
ペン32の各々のペン先の圧力は、ローラ18の周面の
一部によりしっかりと受けられる。その結果、移動する
保護シート14の片面には、フェルトペン32の各々に
より直線Lが描かれる。ローラ18の周面は、アルミ合
金等の金属、合成ゴム、合成樹脂等により適宜形成する
ことができる。フェルトペン32の各々は、各々のペン
先が、保護シート14の片面の対応する側縁部に近接し
た部位に当接されるよう配置されているので、上記直線
Lは、保護シート14の片面の側縁部の各々に沿って延
在するよう、それらの下流側に連続して形成される。
【0032】保護シート14が上記の如く、基層2の表
面に沿って移動しうるよう連続して送給されている状態
において、フェルトペン32の各々のペン先が適宜の圧
力をもって保護シート14の片面に接触せしめられる
と、図2に示されているように、2本の直線Lが保護シ
ート14の片面の側縁部の各々に沿って連続して描かれ
る。なおフェルトペン32の各々のペン先には、像形成
材料である油性のインキが含浸させられている。保護シ
ート14の、直線Lが描かれた側縁部の各々が少なくと
も積層域4に到達すると、直線Lが描かれた上記側縁部
の各々を含む片面全域にスラリー状の混練物12が付着
せしめられ、基層2、基層2上に配置された混練物1
2、及び混練物12上に配置された保護シート14とか
らなる積層体が順次に形成される。保護シート14の片
面は混練物12上に密着された状態で配置せしめられ
る。保護シート14の片面に直線Lが描かれてから積層
域4に到達するまでの時間は僅かであるので、直線Lを
形成する油性のインキが乾燥しないうちに直線Lの上に
スラリー状の混練物12が付着されることになる。その
結果、保護シート14の片面上に形成された直線Lは、
密着せしめられている混練物12の表面に直ちに転写せ
しめられる。
【0033】上記した如く、基層2上の積層された混練
物12及び保護シート14は、積層域4の下流に配設さ
れている図示しない切断域において、隣接する基層2間
において幅方向に切断される。以上のようにして、基層
2、混練物12及び保護シート14が順次に積層された
矩形板状の積層体が次々と形成される。積層体は所要環
境(例えば常温、常湿環境でよい)に所要時間放置さ
れ、これによって混練物12が固化せしめられ、かくし
て図3に示すとおりの建築用ボード44にせしめられ
る。建築用ボード44において、混練物12の固化体
は、保護シート14の片面に形成された直線Lが表面に
転写せしめられた化粧層46を構成する。直線Lは、建
築用ボード44の両側縁部に沿って延在するよう描か
れ、後述する目地化粧部材48を貼着するときの位置決
め用の線(ガイドライン)として利用される。先に述べ
た如く、保護シート14は混練物12が固化した後に除
去することもできるが、化粧層46の保護層として建築
用ボード44を実際に使用するまで化粧層46上に積層
せしめておくのが好都合である。化粧層46の表面に所
定の直線Lが、密着された保護シート14からの転写に
より形成されているので、保護シート14を除去するの
みで、直線Lが化粧層46の表面における両側縁部に沿
って延在するよう描かれた建築用ボード44が得られ
る。
【0034】以上のようにして製造された建築用ボード
44は次のようにして使用される。図4を参照して、建
築用ボード44の各々は、対応する側縁を隣接せしめて
木材からなる下地47に沿って並列に配置される。建築
用ボード44の各々の隣接側縁部の表面には、目地化粧
部材48を貼着するときの位置決め用の直線Lが上記の
如くして予め描かれているので、目地の化粧作業を遂行
するに際しては、目地化粧部材48を、下地47に固定
された建築用ボード44間の目地に沿ってかつ建築用ボ
ード44の隣接側縁部の表面に跨がって、容易かつ正確
に遂行することができる。すなわち上記直線Lの各々
は、目地化粧部材48を貼着するためのガイドラインと
なり、目地化粧部材48はガイドラインに沿って貼着す
ればよい。その結果、施工時間を短縮し、施工費用を低
減させることができる。
【0035】上記実施形態において筆記具としてフェル
トペン32が使用されているが、もちろんこれに限られ
るものではなく、マジックマーカー(商標名)、ボール
ペン等の各種のペン、鉛筆、筆等、それ自体は周知のも
のを適宜に使用することができる。像形成材料として
は、上記油性のインキの他、水性のインキ、墨、塗料、
鉛筆の芯の如き粉体を固めたものであってもよい。
【0036】上記実施形態において、像形成装置30の
フェルトペン32を保護シート14の片面に接触させる
ことにより直線を描く場合には、フェルトペン32の位
置を適宜に設定することにより、保護シート14の片面
における幅方向(図1の表裏方向)の所望の位置に直線
を容易に描くことができる。フェルトペン32を3本以
上使用すれば3本以上の直線を描くことができ、またフ
ェルトペン32を保護シート14の移動方向に直交する
方向(幅方向)に適宜のタイミングで往復移動させれ
ば、図示しない波状の線を描くことができる。更にはま
た、フェルトペン32を適宜のタイミングで間欠的に保
護シート14の片面に接触させれば、点線あるいは相互
に適宜の間隔をおいた直線を描くことができる。更には
また、上記の如きフェルトペン32の使用形態を適宜に
組合せることにより、各種の線模様を描くことができ
る。更にはまた、像形成装置30を保護シート14の移
動方向に間隔をおいて複数個設けることにより、更に複
雑かつ精緻な線模様を形成することも可能である。
【0037】上記実施形態においては、直線Lの形成を
フェルトペン32の如き筆記具を利用して遂行している
が、これに代えて、それ自体は周知のものでよい噴射手
段(図示していない)を利用して遂行することも考えら
れる。直線Lの形成を像形成材料、例えば印刷用のイン
キを保護シート14の片面に適宜のノズルから噴射する
ことにより遂行した場合には、保護シート14の片面に
対して非接触で直線Lを描くことができるので、フェル
トペン32等の筆記具を使用する形態に較べ、摩耗等の
問題が生じなくなる。またノズルの形状を適宜設定する
ことにより、線の幅等を容易に変えることができる。
【0038】建築用ボード44における上記基層2は、
建築物における下地材として広く一般に使用されている
適宜の材料、例えば石膏ボード、珪酸カルシウムボー
ド、石綿セメント珪酸カルシウムボード、木質合板、鋼
板、木毛セメントボード、中空セメントボード、発泡セ
メントボード、コンクリートボード、モルタルボード等
から形成することができる。特に、石膏ボード、珪酸カ
ルシウムボード、石綿セメント珪酸カルシウムボード、
木質合板の如き通気性ボードから基層2を形成するのが
好適である。このような通気性ボードは市販されている
形態をそのままで基層2として使用することができる。
図3に示す建築用ボード44においては、市販されてい
る石膏ボードからなる基層2が示されており、この基層
2は原料の半水石膏に少量の無機細骨材等と水を混練成
形して形成された芯44aとこの芯44aの表裏両面並
びに両側面(図3において左側面及び右側面)を被覆し
ている厚紙44bとから構成されている。芯44aの上
端面及び下端面は厚紙44aで被覆されることなく露呈
せしめられている。
【0039】固化されることにより化粧層46を形成す
るスラリー状の混練物12は、硬化性組成物と水とを混
練することによって形成することができる。混練物12
の形成に使用される硬化性組成物は、適宜の方法によっ
て固化される無機系硬化性組成物であるのが好都合であ
る。好適に用いられる無機系硬化性組成物としては、水
酸化カルシウム、硫酸カルシウム及び酸化マグネシウム
等の硬化性化合物に適宜の添加材を添加したもの、特
に、左官用消石灰、漆喰、ドロマイトプラスターの如き
水酸化カルシウムを主成分とする硬化性組成物、殊に、
水酸化カルシウムに水性エマルジョンを添加したもの、
を挙げることができる。更に、必要に応じて、短繊維、
無機細骨材、微粒子、増粘剤、流動化剤、消泡剤等を添
加することができる。なお図3に示す建築用ボード44
における硬化性組成物としては漆喰が使用されている。
【0040】保護シート14としては通気度が不均一な
多孔性シートが好適であり、その好適例としては、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂
からなる、不織布、織布等の繊維シート、密度ムラを有
する耐水紙、熱融着等の方法により通気度ムラを生じさ
せた微多孔性樹脂シートを挙げることができる。このう
ち不織布の好適例としては、旭・デュポンフラッシュパ
ン・プロダクツ株式会社製「タイベック1059B」
(商品名)を挙げることができる。また微多孔性樹脂シ
ートの好適例としては、NFシート:株式会社トクヤマ
製「NFシートNG」(商品名)を挙げることができ
る。なお図3に示す建築用ボード44における保護シー
ト14としては微多孔性樹脂シートが使用されている。
【0041】次に図5及び図6を参照して、本発明に従
って構成された建築用ボードの製造方法の他の好適実施
形態を説明する。なお図5及び図6において、図1〜図
4と同一部分は同一符号で示し、説明は省略する。図5
及び図6に示す実施形態が図1〜図4に示す実施形態と
相違するところは、像形成装置30(図示せず)、した
がってフェルトペン32の配置が図1の位置から図5に
示す位置に変更されたことであり、その他の基本的構成
は略同一である。なお図5において番号49は一対のピ
ンチローラを示している。一対のピンチローラ49は、
保護シート14にテンションを与えて皺を取り除く目的
で、保護シート14の両側にシートの移動方向に向かっ
てハの字状に設置されており、保護シート14との摩擦
によって矢印で示す方向に回転せしめられる。
【0042】像形成装置30したがってフェルトペン3
2の各々は、主ローラ6の周面の、副ローラ20とのニ
ップ部位より若干下流側に配置されている。図6から明
らかなように、保護シート14の幅は、基層2の幅と略
同じであるが、主ローラ6の軸方向長さは保護シート1
4の幅より大きく形成され、副ローラ20の軸方向長さ
は保護シート14の幅より小さく形成されている。副ロ
ーラ20は、保護シート14の幅方向の中央に配置され
ているので、副ローラ20の軸方向両端と、保護シート
14の対応する側縁との間には、一定の間隔が形成され
ている。混練物供給装置の排出ダクト22の幅(図5の
表裏方向の長さ)は、副ローラ20の軸方向長さより若
干短めに形成されている。
【0043】このため、排出ダクト22から主ローラ6
と副ローラ20とのニップ部位の上流側に排出された混
練物12は、主ローラ6と副ローラ20とのニップ部位
を通過して絞られた直後において、保護シート14への
付着範囲がその幅方向に若干広げられても、副ローラ2
0の軸方向両端から外側に飛び出さない程度の幅をもっ
て、保護シート14の片面に付着せしめられる。主ロー
ラ6と副ローラ20とのニップ部位を通過した保護シー
ト14の片面が、主ローラ6の外周面に沿って移動し
て、基層2の上面に対し所定の間隔をおいて合流する積
層域4は、図5に示すように、主ローラ6の軸方向から
見て楔状をなして絞りこまれるように形成されている。
しかも保護シート14の片面に付着せしめられた混練物
12の幅よりも保護シート14及び基層2の幅は大きい
ので、保護シート14の片面に付着した混練物12の一
部は、上記積層域4の上流側において滞留せしめられ
(図5参照)、次いで主ローラ6と基層2の上面との間
で絞られることにより形成される積層域4において、基
層2の幅方向両側に押し出される(図6参照)。その結
果、混練物12は、保護シート14の片面及び基層2の
上面の各々の全域に略均等な厚さをもって積層せしめら
れる。
【0044】上記説明から明らかなように、主ローラ6
と副ローラ20とのニップ部位の下流側と積層域4の上
流側における混練物12の滞留域との間における、保護
シート14の片面の両側縁部には、混練物12が全く付
着されないで移動する裸の領域が存在する。上記フェル
トペン32の各々は、このような裸の領域に配置されて
いる。保護シート14が上記の如く、連続して送給され
ている状態において、フェルトペン32の各々のペン先
が適宜の圧力をもって保護シート14の片面に接触せし
められると、図6に示されているように、2本の直線L
が保護シート14の片面の側縁部の各々に沿って連続し
て描かれる。保護シート14の、直線Lが描かれた側縁
部の各々が積層域4に到達すると、直線Lが描かれた側
縁部の各々を含む片面全域にスラリー状の混練物12が
付着せしめられ、基層2、基層2上に配置された混練物
12、及び混練物12上に配置された保護シート14と
からなる積層体が順次に形成される。保護シート14の
片面は混練物12上に密着された状態で配置せしめられ
る。保護シート14の片面に直線Lが描かれてから積層
域4に到達するまでの時間は図1及び図2に示す実施形
態よりも短いので、直線Lを形成する油性のインキが殆
ど乾燥しないうちに直線Lの上にスラリー状の混練物が
付着されることになる。その結果、保護シート14の片
面上に形成された直線Lは、密着せしめられている混練
物12の表面に一層迅速に転写せしめられる。図5及び
図6に示す実施形態は、図1〜図4に示す実施形態と実
質上同一の作用効果を奏することができることは容易に
理解されるであろう。
【0045】上記実施形態において、保護シート14の
片面への像の形成は筆記具を利用することにより遂行さ
れているが、像の形成を印刷により遂行することも容易
に可能である。本発明に係る製造方法において、印刷の
方法としては、凸版(活版)印刷、平版印刷、凹版印
刷、インキジェット方式等が好適に使用可能である。イ
ンキジェット方式を除いては、いずれの印刷においても
ローラ類が利用されることが好ましい。次に図7を参照
して、本発明に従って構成された建築用ボードの製造方
法の更に他の好適実施形態を説明する。なお図7におい
て、図1〜図4と同一部分は同一符号で示し、説明は省
略する。図7に示す実施形態が図1〜図4に示す実施形
態と相違するところは、像形成装置がオフセット印刷装
置50から構成されていることであり、その他の基本的
構成は略同一である。
【0046】平版印刷の典型例であってそれ自体は周知
のものでよいオフセット印刷装置50は、圧胴52、圧
胴52に圧接されるゴム胴54、ゴム胴54に圧接され
る版胴55、版胴55に関連して配設されたインキ装置
56及び湿し装置58を備えている。インキ装置56は
インキ槽内のインキをローラを介して版胴55に供給す
る。湿し装置58は水槽内の水をローラを介して版胴5
5に供給する。版胴55には、所望する像(所定の
像)、例えば、模様、図形、絵、写真、文字、記号、線
等が版として形成されている。保護シート14は圧胴5
2とゴム胴54との間を通過せしめられるよう配設され
る。
【0047】オフセット印刷装置50が作動すると、圧
胴52、ゴム胴54及び版胴55も回転せしめられる。
そして先に述べた如く保護シート14が、基層2の表面
に沿って移動しうるよう連続して送給されると、版胴5
5に形成された所定の像は、ゴム胴54を介して保護シ
ート14の片面に印刷せしめられる。保護シート14の
片面への印刷は、このようにして容易かつ安定して自動
的に遂行することができる。保護シート14の、像が印
刷された領域が積層域4に到達すると、像が印刷された
領域を含む片面全域にスラリー状の混練物12が付着せ
しめられ、基層2、基層2上に配置された混練物12、
及び混練物12上に配置された保護シート14とからな
る積層体が順次に形成される。保護シート14の片面は
混練物12上に密着された状態で配置せしめられる。そ
の結果、上記した如く、保護シート14の片面上に印刷
された像は、密着せしめられている混練物12の表面に
直ちに転写せしめられる。
【0048】上記の如く像の形成を保護シート14の片
面に印刷を施すことにより遂行した場合には、模様、図
形、絵、写真、文字、記号、線等、様々な形態の像を幅
広く選定して形成することが可能となるので、建築用ボ
ード44の商品価値を一層向上せしめることが可能とな
る。
【0049】次に図8を参照して、本発明に従って構成
された建築用ボードの製造方法の更に他の好適実施形態
を説明する。なお図8において、図1〜図4と同一部分
は同一符号で示し、説明は省略する。図8に示す実施形
態が図1〜図4に示す実施形態と相違するところは、像
形成装置がグラビア印刷装置60から構成されているこ
とであり、その他の基本的構成は略同一である。
【0050】凹版印刷の典型例であってそれ自体は周知
のものでよいグラビア印刷装置60は、圧胴62、圧胴
62に圧接される版胴64、版胴64にインキ槽66内
のインキを供給するローラ65、版胴64の外周面のイ
ンキをかき落とすためのドクター68を含んでいる。版
胴64には、所望する像(所定の像)、例えば、模様、
図形、絵、写真、文字、記号、線等が版として形成され
ている。保護シート14は圧胴62と版胴64との間を
通過せしめられるよう配設される。
【0051】グラビア印刷装置60が作動すると、圧胴
62及び版胴64も回転せしめられる。そして先に述べ
た如く保護シート14が、基層2の表面に沿って移動し
うるよう連続して送給されると、版胴64に形成された
所定の像は保護シート14の片面に印刷せしめられる。
保護シート14の片面への印刷は、このようにして容易
かつ安定して自動的に遂行することができる。保護シー
ト14の、像が印刷された領域が積層域4に到達する
と、像が印刷された領域を含む片面全域にスラリー状の
混練物12が付着せしめられ、基層2、基層2上に配置
された混練物12、及び混練物12上に配置された保護
シート14とからなる積層体が順次に形成される。保護
シート14の片面は混練物12上に密着された状態で配
置せしめられる。その結果、上記した如く、保護シート
14の片面上に印刷された像は、密着せしめられている
混練物12の表面に直ちに転写せしめられる。図8にお
いて、版胴64を凸版とし、ドクター68を除去すれ
ば、凸版印刷の典型例である輪転式の像形成装置とな
る。なお印刷の形態をインキジェット方式とした場合に
は、保護シート14の片面に対して非接触で像を形成で
きるので、筆記具を使用する形態に較べ、摩耗等の問題
が生じなくなる。また精密な像を形成したい場合には、
これを容易に可能とすることができる。
【0052】上記実施形態により説明した本発明に係る
製造方法により製造された建築用ボードによれば、化粧
層の表面に所定の像が、密着された保護シート14から
の転写により形成されているので、保護シート14を除
去するのみで、直ちにこれを建築物の内装あるいは外装
として使用することができる。その結果、比較的低コス
トでその商品価値を高めることができる。
【0053】また上記実施形態により説明した本発明に
係る製造方法によれば、保護シート14の片面上の所要
部位には、混練物12が付着される前に所定の像が形成
される。したがって、像形成材料が油性又は水性のイン
キ、塗料、墨等であれば、それらが乾燥しないうちに像
の上にスラリー状の混練物12が付着されるので、保護
シート14の片面上に形成された像は混練物12の表面
に直ちに転写せしめられる。その結果、混練物12が固
化せしめられて生成された化粧層の表面には、該像が転
写された状態で形成されることになる。他方、像形成材
料が鉛筆の芯等の粉体であっても、この像の上に付着さ
れる混練物12はスラリー状である故に、像は混練物1
2の表面に直ちに転写せしめられる。その結果、混練物
12が固化せしめられて生成された化粧層の表面には、
該像が転写された状態で形成されることになる。
【0054】
【発明の効果】本発明の建築用ボードは、比較的低コス
トでありながら高い商品価値を有する。
【0055】また、本発明の建築用ボードの製造方法に
よれば、高い商品価値を有する建築用ボードを、比較的
低コストでしかも自動的に、容易かつ安定して製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された建築用ボードの製造
方法の好適実施形態を示す簡略図。
【図2】図1を矢印A方向から見た部分概略図。
【図3】図1のB−B矢視断面図。
【図4】図1に示す製造方法により製造された建築用ボ
ードの使用状態の要部を示す斜視図。
【図5】本発明に従って構成された建築用ボードの製造
方法の他の好適実施形態を示す簡略図。
【図6】図5を矢印C方向から見た部分概略図。
【図7】本発明に従って構成された建築用ボードの製造
方法の更に他の好適実施形態を示す簡略図。
【図8】本発明に従って構成された建築用ボードの製造
方法の更に他の好適実施形態を示す簡略図。
【符号の説明】
2 基層 4 積層域 6、8 主ローラ 10 搬送ローラ 12 混練物 14 保護シート 16 巻出しローラ 20 副ローラ 22 排出ダクト 30 像形成装置 32 フェルトペン 44 建築用ボード 46 化粧層 48 目地化粧部材 50 オフセット印刷装置 60 グラビア印刷装置 L 直線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基層と該基層の表面に施された化粧層と
    を備え、該化粧層は、スラリー状にせしめられた硬化性
    組成物の混練物の上に、所定の像が形成された片面を有
    する保護シートが、該片面が密着して配置された状態
    で、該混練物を固化せしめて生成された固化体からな
    り、該化粧層の表面には、該保護シートの該片面に形成
    された像が転写せしめられている、ことを特徴とする建
    築用ボード。
  2. 【請求項2】 転写せしめられた該像は側縁部に沿って
    延在する、目地化粧部材を貼着するときの位置決め用の
    直線である、請求項1記載の建築用ボード。
  3. 【請求項3】 基層と該基層の表面に施された化粧層と
    を備えた建築用ボードを製造する方法において、所定方
    向に移動させられる該基層と同期してかつ該基層の該表
    面に対し一定の間隔をおいて移動しうるよう連続的に送
    給される保護シートの、該基層の該表面に対向する片面
    の所要部位に所定の像を形成した後、該像が形成された
    該所要部位を含む該片面にスラリー状にせしめられた硬
    化性組成物の混練物を付着させることにより、該基層、
    該基層上に配置された該混練物、及び該混練物上に配置
    された該保護シートとからなる積層体を形成し、次いで
    該混練物を固化せしめ、該保護シートの該片面に形成さ
    れた像が表面に転写せしめられた該化粧層を形成する、
    ことを特徴とする建築用ボードの製造方法。
  4. 【請求項4】 転写せしめられた該像は側縁部に沿って
    延在する、目地化粧部材を貼着するときの位置決め用の
    直線である、請求項3記載の建築用ボードの製造方法。
  5. 【請求項5】 該像の形成は筆記具を該保護シートの該
    片面に接触させることにより遂行される、請求項3又は
    請求項4記載の建築用ボードの製造方法。
  6. 【請求項6】 該像の形成は像形成材料を該保護シート
    の該片面に噴射することにより遂行される、請求項3又
    は請求項4記載の建築用ボードの製造方法。
  7. 【請求項7】 該像の形成は該保護シートの該片面に印
    刷を施すことにより遂行される、請求項3又は請求項4
    記載の建築用ボードの製造方法。
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