JPH11210118A - 外壁構造 - Google Patents

外壁構造

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JPH11210118A
JPH11210118A JP1253898A JP1253898A JPH11210118A JP H11210118 A JPH11210118 A JP H11210118A JP 1253898 A JP1253898 A JP 1253898A JP 1253898 A JP1253898 A JP 1253898A JP H11210118 A JPH11210118 A JP H11210118A
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JP
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inorganic plate
inorganic
wall
corner member
wall structure
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JP1253898A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Komatsubara
勝之 小松原
Seiji Takebe
青児 武部
Kiyoshi Mimura
清 三村
Hitoshi Nishino
均 西野
Akihisa Azuma
明久 東
Eiji Araki
栄二 荒木
Kazunori Tsutsumi
一徳 堤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiken Trade and Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コーナー部を有する外壁構造において、目地
部における塗膜のヒビ割れを防止し、防水性に優れ、継
ぎ目の目立たない美麗な大壁が得られる外壁構造を提供
することにある。 【解決手段】 外壁下地10に設けた厚さ2mm以上の
弾性防水層20上に、突き合わせた無機板30およびコ
ーナー部材40の目地部42を位置決めする。この目地
部42の近傍を外壁下地10に釘31で固定する。そし
て、目地部42上に位置する切り欠き部41に弾性充填
材43を充填する。ついで、無機板30およびコーナー
部材40の表面に塗膜32を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防水性に優れた外壁
構造、特に、そのコーナー部における外壁構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、本出願人は、防水性に優れ、継ぎ目の目立たない大
壁が得られる外壁構造を研究している。例えば、図7に
示すように、表裏層の比重が0.9以上で、中層の比重
が表裏層より低く、板全体の平均比重が0.6〜0.9
である三層構造の無機板1を、相互に突き合わせて外壁
下地2に固定して得られる外壁構造において、外壁下地
2に設けた厚さ2mm以上の弾性防水層3上に、突き合
わせた無機板1,1の目地部4を位置決めし、この目地
部4近傍を前記外壁下地2に150mm間隔で釘5を打
ち付けて固定した後、無機板1の表面に塗膜6を形成し
たものである。
【0003】この外壁構造によれば、釘打ち性に優れた
無機板1の端面近傍を外壁下地2に直接釘着しているの
で、無機板1の伸縮をほぼ無視できる。また、壁下地2
が動いても、目地部4は壁下地2とともに変位するの
で、隙間の発生を防止できる。この結果、無機板1に塗
料を直接塗布して形成した塗膜6、特に、目地部4を被
覆する部分の塗膜6にヒビ割れが生ずるおそれもない。
このため、この外壁構造を出隅や入隅等のコーナー部に
も適用することが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平坦な
無機板の端面と平面略L字形コーナー部材の端面とを単
に突き合わせて外壁を形成すると、平坦な無機板には巾
方向の引張力が作用するだけでなく、板厚方向のせん断
力や曲げモーメントが作用する。このため、突き合わせ
た平坦な無機板とコーナー部材とで形成される目地部に
複雑な合力が作用する。この結果、突き合わせた端面間
に形成される目地部に応力が集中し、この目地部を被覆
する部分の塗膜にヒビ割れが生じるおそれがあり、防水
性に乏しい。また、単なる突き合わせ施工では壁下地に
不陸があると、隣り合う無機板およびコーナー部材の継
ぎ目に段差が発生する。このため、塗装しても不陸が目
立つので、コーナー部を有し、かつ、継ぎ目の目立たな
い美麗な大壁を形成できないという問題点がある。
【0005】本発明は、前記問題点に鑑み、コーナー部
を有する外壁構造において、目地部における塗膜のヒビ
割れを防止し、防水性に優れ、継ぎ目の目立たない美麗
な大壁が得られる外壁構造を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる外壁構造
は、前記目的を達成するため、端面を相互に突き合わせ
た無機板およびコーナー部材を外壁下地に固定して得ら
れる外壁構造において、前記外壁下地に設けた厚さ2m
m以上の弾性防水層上に、突き合わせた無機板およびコ
ーナー部材の目地部を位置決めし、この目地部近傍を前
記外壁下地に釘着するとともに、前記目地部に沿って設
けた切り欠き溝に弾性充填材を充填し、前記無機板およ
びコーナー部材の表面に塗膜を形成した構成としてあ
る。
【0007】また、前記無機板およびコーナー部材は、
鉱物質繊維を主体とし、かつ、有機質結合剤で結合した
表裏層と、無機発泡体を主体とし、かつ、有機質結合剤
で結合した比重が表裏層より低い中層とを積層一体化
し、全体の平均比重を0.6〜0.9とした三層構造で
あってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる一実施形態
を図1ないし図6の添付図面に従って説明する。本実施
形態にかかる外壁構造は、図1に示すように、壁下地1
0に、防水テープ20を介し、無機板30およびコーナ
ー部材40を釘31で固定したものである。
【0009】前記壁下地10は、柱11の外側角部に通
気受材12,13,14および15を組み付けたもので
ある。なお、前述の通気受材12ないし15はすべてを
常に使用する必要はなく、必要に応じて適宜選択でき
る。
【0010】防水テープ20は、端面を突き合わせた無
機板30およびコーナー部材40を壁下地10に固定す
る場合に、無機板30およびコーナー部材40の目地部
42から壁内部に雨水等の侵入を防止するためのもので
ある。したがって、壁下地10に不陸があった場合で
も、その不陸に沿いやすい密着性の良いものが好まし
い。このため、例えば、図2(a)に示すように、防水
テープ20としては、EPDM(エチレンプロピレンジ
モノマー),ウレタン等の有機発泡体21の片面に粘着
テープ22を貼着一体化したものを用いることが考えら
れる。これによれば、壁下地10の不陸に沿いやすく、
密着性が良いため、水密性が向上する。さらに、前記発
泡体21の表面をスチレンブタジエンスチレン等のゴム
系の薄膜処理を施すと、無機板30の裏面およびコーナ
ー部材40の裏面と、防水テープ20との界面における
密着性が向上する。特に、無機板30およびコーナー部
材40の裏面に細かい凹凸があり、平面性が悪い場合で
あっても、水密性を維持できる。
【0011】また、防水テープ20の厚さは、壁下地1
0の不陸、無機板30,コーナー部材40の凹凸等を考
えると、無負荷状態で厚さ2mm以上必要であり、3m
m以上が望ましい。従来より、外壁構造の防水処理に用
いられている、例えば、厚さ0.5mmの両面ブチルテ
ープは材質的に柔らかさが不十分である。このため、壁
下地10に不陸がある場合に、前記両面ブチルテープを
本願の壁下地10と無機板30との間に挟み込んでも、
水密性を確保できないだけでなく、不陸を十分に解消で
きず、無機板30およびコーナー部材40を突き合わせ
て形成した目地部42を塗膜32で美麗に被覆できなか
った。
【0012】また、図2(b)に示すように、塩化ビニ
ール樹脂製の押し出し成形品であるレインストッパーを
防水テープ20に使用してもよい。この防水テープ20
は、壁下地10に取り付けるテープ本体23に、その中
央方向に対向するように傾いた少なくとも一対の弾性起
立部24を突設したものである。この防水テープ20を
用いると、壁下地10の不陸に沿って弾性起立部24が
倒れ込み、密着性が良くなるため、水密性が向上する。
弾性起立部24の起立高さ(見かけの厚み)は、少なく
とも2mm以上必要であり、3mm以上が望ましい。2
mm未満であると、壁下地10に不陸がある場合に、所
望の水密性を確保できないからである。
【0013】防水テープ20の取付は、タッカー、粘着
剤等で行うことが可能であるが、現場における施工性の
見地より、防水テープ20の片面にブチルゴム等の粘着
剤を予め塗布し、セパレーターを取り付けておく方法が
好ましい。
【0014】なお、目地部の裏面を完全にシールして
も、無機板30およびコーナー部材40の木口および表
面より吸水した水分が裏面から染み出し、壁面に水漏れ
が発生する可能性がある。このため、無機板30および
コーナー部分40の表面および木口に、アクリル系エマ
ルジョン、エポキシ系シーラー等の非透水膜を形成して
おくことが望ましい。また、本実施形態によれば、無機
板30およびコーナー部材40の端面を相互に突き合わ
せただけの状態で固定しても、隙間の発生はほとんどな
い。このため、突き合わせた端部の上面に塗料を直接塗
布しても、目地部42がほとんど見えず、継ぎ目の目立
たない大壁を形成できる。
【0015】前記無機板30は、特に、単層構造のもの
に限定する必要はなく、2層,3層構造であってもよ
い。例えば、3層構造のものとしては、鉱物質繊維30
〜70重量%、有機繊維15〜25重量%、結合剤25
〜35重量%を成分組成とするスラリーを湿式抄造して
得た湿潤マットからなる上下層部間に、無機発泡体50
〜70重量%,有機繊維5〜15重量%,結合剤25〜
35重量%からなる混合物で中層部を形成し、加熱圧締
して全体比重0.60〜0.90としたものが挙げられ
る。
【0016】上下層部を形成する鉱物質繊維は、所望の
曲げ強さを得るとともに、吸水時の厚さ膨張率、吸湿膨
張率を抑制するために添加されるものである。例えば、
ロックウール,スラグウール,ミネラルウール,ガラス
繊維などを挙げることができ、これらは単独で、あるい
は、2種以上組み合わせて使用できる。そして、上下層
部における鉱物質繊維の組成比は30〜70重量%とす
るのが好ましい。30重量%未満であると、曲げ強度が
低く、ビス打込時に表面が破壊されやすいからである。
また、70重量%を越えると抄造時の濾水が悪化し、良
好な湿潤マットが得られず、さらに、後述する有機繊
維,結合剤の添加量が相対的に低くなり、表面硬度およ
びネジ止め性能を高くできないからである。
【0017】上下層部を形成する有機繊維は、曲げ強さ
を向上させるために添加されるものであり、単繊維の強
度が大きく、湿潤時における強度の低下が小さい天然繊
維,合成繊維が好ましい。天然繊維として、例えば、亜
麻,大麻,ジュート等の靭皮繊維の他、サイザル麻,マ
ニラ麻,ニュージーランド麻等の葉繊維が挙げられ、合
成繊維としては、ポリエステル,ナイロン,アクリル繊
維等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは、
2種以上組み合わせて使用できる。特に、合成繊維は価
格が高いので、天然繊維と併用することが好ましい。ま
た、天然繊維,合成繊維は、布その他に使用したリサイ
クル品でもよい。そして、上下層部における有機繊維の
組成比は15〜25重量%とするのが好ましい。15重
量%未満であると、鉱物質繊維の割合が相対的に増加す
るが、鉱物質繊維は脆いので、強度が増大しないからで
ある。また、25重量%を越えると、湿潤マットの含有
水分量が高くなり、熱圧時にパンクし易くなるからであ
る。
【0018】上下層部を形成する結合剤は、前記鉱物質
繊維および有機繊維を連結一体化するためのものであ
り、例えば、ポリビニルアルコール樹脂,フェノール樹
脂,アクリル樹脂等の合成樹脂やスターチ等が挙げら
れ、これらは単独で、あるいは、2種以上組み合わせて
使用できる。ただし、スターチは少量で曲げ強さを高め
ることができるが、それ単独では湿潤時に接着力が低下
するので、フェノール樹脂,アクリル樹脂等を併用する
ことが好ましい。
【0019】中層部を形成する無機発泡体は圧縮強度を
維持しつつ、軽量化するためのものであり、例えば、パ
ーライト,シラス発泡体,シリカフラワー,ガラス発泡
体等があり、これらは単独で、あるいは、2種以上組み
合わせて使用できる。そして、中層部における無機発泡
体の組成比は50〜70重量%とするのが好ましい。5
0重量%未満であると、中層部を形成するために添加さ
れる有機繊維,結合剤の割合が相対的に増加するので、
強度は向上するが、釘の保持力が低下するとともに、比
重低下の効果が得られないからである。また、70重量
%を超えると、有機繊維あるいは結合剤の割合が低下
し、全体強度を向上させることが困難となるからであ
る。
【0020】中層部を形成する有機繊維は、前記無機発
泡体同士を連結し、強度の向上を図るために添加するも
のである。中層部を形成する有機繊維としては、上下層
部を形成する有機繊維の他、例えば、パルプ,熱融着繊
維が挙げられる。そして、中層部における有機繊維の組
成比は、5〜15重量%とするのが好ましい。5重量%
未満の添加量では、無機発泡体が主として結合剤によっ
てのみ連結されてしまうため、脆く破壊され易いからで
あり、15重量%を越えると、寸法変化が大となるから
である。
【0021】中層部を形成する結合剤は、前記無機発泡
体および有機繊維を連結するために添加するものであ
り、結合剤の材質,添加量は前述の上下層部を形成する
ものと同様であるので、説明を省略する。しかし、必ず
しも同一の材質のものを同一量だけ添加する必要はな
く、異なる材質のものを適量使用できる。また、結合剤
として熱融着性繊維を使用しても、その効果は大きい。
【0022】次に、無機板の製造方法について説明す
る。例えば、鉱物質繊維,有機繊維および結合剤を水中
に懸濁せしめ、水性スラリーを得た後、これを湿式抄造
して下層部および上層部となる湿潤無機マットを得る。
【0023】一方、無機発泡体,有機繊維および結合剤
を、例えば、固形分100に対して水30の割合の噴霧
下で、混合して中層部用混合物を得る。そして、この混
合物を湿式抄造して得た下層部となる前記湿潤無機マッ
トの表面に、均一に散布,堆積して中層部を形成し、そ
の上に上層部となる前記湿潤無機マットを積層して積層
体を得る。
【0024】ついで、前記積層体をプレスで加熱,圧締
すると、中層部の空気が押し出されて一定の密度に達し
た後、上下層部の密度が増大する。さらに、加熱,圧締
すると、中層部の無機発泡体の一部が上下層部に喰い込
み、無機発泡体の薄肉部が破壊されて中層部の密度が増
大すると同時に、上下層部の比重が増大する。なお、加
熱,圧締は、全体比重が0.60〜0.90となるまで
行う。全体比重が0.60未満であると、木ネジ保持力
等が低下するからであり、0.90を越えると、重く、
かつ、堅くなるので、切断,運搬等の作業性が低下して
しまうからである。
【0025】なお、生産性の見地より、連続プレスで乾
燥を完了することは得策でなく、一体化した後に、別
途、乾燥機で乾燥する方が好ましい。また、前述の製造
方法では乾式と湿式とを組み合わせた製造方法について
説明したが、すべて湿式で製造してもよく、任意の抄造
方法を選択できる。
【0026】コーナー部材40は、図3に示すように、
前記無機板30と同一材質の板材からなり、所定寸法に
切断した後、面取りした端面を突き合わせて略L字形状
に形成したものである。さらに、コーナー部材40の外
側面縁部に切り欠き部41を形成してある。この切り欠
き部41は、深さが5mm前後、巾が10mm前後であ
ることが好ましい。深さや巾が小さすぎると、後述する
弾性充填材43を充填しても、充填材43が十分に伸縮
できず、塗膜にヒビ割れが生じるおそれがあるからであ
る。また、逆に、これらが大きすぎると、弾性充填材4
3の経年変化による痩せにより、凹みが生じるからであ
る。
【0027】弾性充填材43は、硬化しても弾性を有す
るものであり、ウレタン系、アクリル系、シリコン系等
の弾性パテ、あるいは、一般の外壁の目地処理に使用さ
れるコーキング材であってもよい。
【0028】そして、前記無機板30およびコーナー部
材40の表面には、塗膜32が形成されている。この塗
膜32は化粧性,防水性を高めるためのものであり、一
般の外装用塗料を使用できるが、塗膜自体が伸びやすい
弾性系塗料を用いることが好ましい。一般の塗料として
は、例えば、アクリルリシン,弾性リシン,複層弾性塗
料,弾性スタッコ等を、既存の方法、例えば、吹付塗
装,ローラー塗装で塗布すればよい。
【0029】次に、外壁下地10に無機板30およびコ
ーナー部材40を施工する方法としては、壁下地10の
通気受材12および13,14,15にそれぞれ設けた
防水テープ20上に、突き合わせた無機板30およびコ
ーナー部材40の目地部42を位置決めした後、釘31
で固定する。このとき、所望の防水性を確保するために
は、目地部42近傍に釘31を打ち付けることが好まし
い。具体的には、端面から少なくとも5mmないし30
mmの位置、好ましくは10mm以上離れた位置に打ち
付けることが好ましい。5mm未満であると、無機板3
0の縁部に欠けや割れが発生しやすいからである。ま
た、30mmを越えると、板端部が防水テープ20に十
分に密着できなくなり、水密性が悪化するからである。
さらに、釘31を打ち付ける間隔は50mm以上、15
0mm以下であることが好ましい。50mm未満である
と、作業に手間がかかる割に水密性の向上がないからで
あり、150mmを越えると、板端部が防水テープ20
に十分に密着できなくなり、水密性が悪化するからであ
る。
【0030】なお、柱11間にスクリーン状に架け渡し
た防水防風シート33は、外部からの雨水等の侵入を防
止できるとともに、壁内の湿気を外部に放出できるもの
である。
【0031】なお、前述の実施形態では、コーナー部材
40に設けた切り欠き部41を介して弾性充填材40を
充填する場合について説明したが、必ずしもこれに限ら
ず、無機板30およびコーナー部材40に設けた切り欠
き部、あるいは、無機板30だけに設けた切り欠き部に
弾性充填材43を充填してもよい。
【0032】
【実施例】実験I. (実施例1,2)図4(a)に示すように、厚さ12m
mの無機板を突き合わせた目地部に深さ4mm、巾8m
mの断面逆三角形の切り欠き溝を形成し、ポリウレタン
系弾性パテ(オートンアドハー3500(オート化学
製))を充填した後、塗料を塗布したものをサンプルと
した。塗料としてソフトリシン(エスケー化研製)ある
いは弾性トップレスリシン(恒和化学製)を塗布したも
のを、それぞれ実施例1あるいは実施例2のサンプルと
した。
【0033】実験に用いた前記無機板は、火山性ガラス
質のものである。すなわち、鉱物質繊維と有機質結合剤
とからなる比重約0.95の表裏層と、火山性ガラス発
泡体、有機質結合剤、無機粉体からなる比重約0.5の
中層とを積層一体化し、全体比重が約0.7の三層構造
を有するものである。
【0034】前記無機板の製造方法としては、鉱物質繊
維としてロックウール50重量%、有機繊維としてパル
プ20重量%、結合剤として粉末フェノール20重量
%、および、スターチ10重量%を清水中に投入,撹拌
して濃度2%の水性スラリーを得、これを長網式抄造機
に導いて抄造し、厚さ5mmの下層部,上層部となる湿
潤無機質マットを得た。
【0035】一方、無機発泡体としてパーライト65重
量%、有機繊維としてパルプ5重量%および熱融着繊維
5重量%、結合剤としてアクリル樹脂15重量%および
スターチ10重量%を、これら固型分100に対して水
30の割合の噴霧下で混合し、中層部用混合物を得た。
【0036】そして、下層部となる湿潤無機質マット上
に前記中層部用混合物を厚さ25mmとなるように均一
に散布,堆積し、その上に上層部となる湿潤無機マット
を配し、全体厚さ35mmの積層体を得た。ついで、こ
の積層体を温度200℃、圧力10kg/cm2の連続プレス
で加圧して厚さ12mmの板状体とし、これを温度20
0℃の乾燥炉内で15分間乾燥し、さらに、適当な長さ
に切断して得た無機板を用いた。
【0037】(実施例3,4)図4(b)に示すよう
に、目地部に深さ4mm、巾8mmの断面方形の切り欠
き溝を形成した点を除き、他は前述の実施例1,2と同
様に処理して得たものをそれぞれ実施例3,4のサンプ
ルとした。
【0038】(比較例1,2)図4(c)に示すよう
に、突き合わせた無機板の目地部に切り欠き溝を設けな
い点を除き、他は実施例1,2と同様に処理して得たも
のをそれぞれ比較例1,2のサンプルとした。
【0039】以上のサンプルに対し、目地部を被覆する
塗膜にヒビ割れが生じるまで無機板を巾方向に引っ張
り、ヒビ割れが生じたときの無機板端面間の距離を測定
した。特に、実施例3,4については、板厚方向のせん
断力を負荷した場合に目地部を被覆する部分の塗膜にヒ
ビ割れが生じたときのずれを測定した。以上の測定結果
を図5に示す。
【0040】図5から明らかなように、実施例1,3
は、比較例1よりも約2.5倍あるいは3倍の隙間が生
じるまではヒビ割れは発生しなかった。また、実施例
2,4は、比較例2よりも約3.5倍あるいは5倍の隙
間が生じるまではヒビ割れは発生しなかった。このこと
から、実施例の方が、無機板を単に突き合わせた比較例
よりもヒビ割れが生じにくいことがわかった。
【0041】実験II. (実施例5,6)巾100mm、長さ100mm、厚さ
12mmの無機板を、図6(a)に示すような門型に配
置した。そして、水平な無機板の両端縁部に設けた深さ
4mm、巾8mmの断面方形の切り欠き部にパテを充填
した後、上面に塗料(ソフトリシン(エスケー化研
製))を塗布して塗膜を形成した。なお、比較的硬いパ
テ(オートンアドハー3500(オート化学製))を充
填した場合を実施例5のサンプルとし、比較的柔らかい
パテ(ダイケンネオウレタンコーキング(大建工業
製))を充填した場合を実施例6のサンプルとした。
【0042】(比較例3)断面方形の切り欠き部を設け
ない点を除き、他は前述の実施例5,6と同様に処理し
たものをサンプルとした。
【0043】そして、水平な無機板の上面に面荷重を負
荷し、塗膜にヒビ割れが生じたときの水平な無機板のず
れを測定した。実施例5,6のずれがそれぞれ4mm、
6.5mmであったのに対し、比較例3のずれは2.5
mmであった。このことから、実施例5,6の方が比較
例3よりも塗膜にヒビ割れが生じにくいことが判った。
【0044】以上の実験結果から明らかなように、端面
を突き合わせた無機板の目地部に設けた切り欠き溝に弾
性充填材を充填すれば、塗膜にヒビ割れが生じにくいこ
とが判明した。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる外壁構造によれば、目地部に複雑な合力が作用
しても、弾性充填材が弾性変形するので、無機板および
コーナー部材の変形を吸収,緩和する。このため、塗膜
の伸縮が緩和され、目地部を被覆する部分の塗膜にヒビ
割れが生ずるのを防止でき、防水性に優れた外壁構造が
得られる。また、壁下地に不陸があっても、弾性充填材
が継ぎ目の段差を吸収,緩和するので、突き合わせた無
機板およびコーナー部材の目地部に塗料を直接塗布して
も、継ぎ目が目立たない大壁が得られる。
【0046】請求項2によれば、鉱物質繊維を主体と
し、有機質結合剤で結合した比重0.9の表裏層に釘打
ちすることにより、釘頭が繊維内に埋没しても、割れ,
欠けが発生しにくいだけでなく、釘頭が貫通することも
ない。このため、釘を打ち付けた後、釘頭を処理するこ
となく直接塗装を行うことができるので、作業性に優れ
た美麗な外壁構造が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかるコーナー部を有する外壁構
造の一実施形態を示す横断面図である。
【図2】 図1で使用する防水テープを示し、図2
(a)は一例を示す正面図、図2(b)は他の変形例を
示す正面図である。
【図3】 図1で示した外壁構造のコーナー部材を示す
平面図である。
【図4】 本発明にかかる実施例を示し、図4(a)は
実施例1の平面図、図4(b)は実施例2の平面図、図
4(c)は比較例1の平面図である。
【図5】 図4で示したサンプルに対して行った実験の
測定結果を示す図表である。
【図6】 本発明にかかる他の実施例を示し、図6
(a)は実施例5,6の斜視図、図6(b)は実施例
5,6の部分拡大正面図、図6(c)は比較例3の部分
拡大正面図である。
【図7】 従来例にかかる外壁構造を示し、図7(a)
は部分縦断面図、図7(b)は部分平面図である。
【符号の説明】
10…外壁下地、11…柱、12,13,14,15…
通気受材、20…防水テープ、30…無機板、31…
釘、32…塗膜、40…コーナー部材、41…切り欠き
部、42…目地部、43…弾性充填材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E04B 2/56 621 E04B 2/56 621H 622 622C 622H 644 644B 644D E04C 2/04 E04C 2/04 E E04F 13/02 E04F 13/02 J 13/08 101 13/08 101Q (72)発明者 西野 均 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 (72)発明者 東 明久 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 (72)発明者 荒木 栄二 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内 (72)発明者 堤 一徳 富山県東砺波郡井波町井波1番地の1 大 建工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面を相互に突き合わせた無機板および
    コーナー部材を外壁下地に固定して得られる外壁構造に
    おいて、 前記外壁下地に設けた厚さ2mm以上の弾性防水層上
    に、突き合わせた無機板およびコーナー部材の目地部を
    位置決めし、この目地部近傍を前記外壁下地に釘着する
    とともに、前記目地部に沿って設けた切り欠き溝に弾性
    充填材を充填し、前記無機板およびコーナー部材の表面
    に塗膜を形成したことを特徴とする外壁構造。
  2. 【請求項2】 前記無機板およびコーナー部材が、鉱物
    質繊維を主体とし、かつ、有機質結合剤で結合した表裏
    層と、無機発泡体を主体とし、かつ、有機質結合剤で結
    合した比重が表裏層より低い中層とを積層一体化し、全
    体の平均比重を0.6〜0.9とした三層構造であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の外壁構造。
JP1253898A 1998-01-26 1998-01-26 外壁構造 Pending JPH11210118A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6526715B2 (en) 1999-12-24 2003-03-04 Nichiha Co., Ltd. External wall construction
KR100582000B1 (ko) * 2005-10-14 2006-05-22 주식회사 다인그룹엔지니어링건축사사무소 건축물의 외부 차수벽 구조

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6526715B2 (en) 1999-12-24 2003-03-04 Nichiha Co., Ltd. External wall construction
KR100582000B1 (ko) * 2005-10-14 2006-05-22 주식회사 다인그룹엔지니어링건축사사무소 건축물의 외부 차수벽 구조

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