JPH11209666A - 水系インクの製造方法 - Google Patents

水系インクの製造方法

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JPH11209666A
JPH11209666A JP1230498A JP1230498A JPH11209666A JP H11209666 A JPH11209666 A JP H11209666A JP 1230498 A JP1230498 A JP 1230498A JP 1230498 A JP1230498 A JP 1230498A JP H11209666 A JPH11209666 A JP H11209666A
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JP
Japan
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fine particles
water
polyalkylene glycol
dispersion
ink
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JP1230498A
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English (en)
Inventor
Shigemi Wakabayashi
繁美 若林
Masukame Ishii
万寿亀 石井
Shoichi Suzuki
祥一 鈴木
Yoshiaki Tsujii
善明 辻井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温環境下においてもゲル化することのない
水系インクを製造する方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の水系インクの製造方法は、色
材、分散剤、実質的に水不溶性の微粒子、及び水性媒体
を混合・分散させる工程を有し、上記混合・分散に先立
ち又はそれと同時に、上記微粒子の表面にポリアルキレ
ングリコールを吸着させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水系インクの製造方
法に関し、更に詳しくは高温環境下においてもゲル化す
ることのない水系インクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】水系イ
ンクに微粒子を配合することに関する従来の技術として
は、例えば特開平8−319442号公報に記載のもの
等が知られている。
【0003】上記公報には、被記録部材上でのインクの
にじみが小さく、かつ鮮明な画像を形成し得るインクジ
ェット用インク組成物を提供することを目的としてアニ
オン性界面活性剤によって分散された染顔料および実質
的に無色の微粒子を少なくとも含むインクジェット用イ
ンク組成物が開示されている。しかし該公報に記載のイ
ンク組成物は、被記録部材上でのインクのにじみが小さ
く且つ鮮明な画像を形成することが可能であるものの、
高温環境下、例えば60℃以上の高温環境下において保
存すると、インクのゲル化を生じるという問題があっ
た。また、該公報には、実質的に無色の微粒子を用いる
ことが記載されているのみであり、微粒子の表面吸着処
理については何ら記載されていない。更に、インクジェ
ット用インク以外に、ボールペン等の筆記具全般にも使
用でき、且つ高印字濃度を実現し、高温環境下における
保存安定性に優れる水系インクを製造する方法は未だ開
発されていない。
【0004】従って、本発明の目的は、高温環境下にお
いてもゲル化することのない水系インクを製造する方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、インクに配合される微粒子に特定の表面処理を
施すことにより、上記目的を達成し得ることを知見し
た。
【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、色材、分散剤、実質的に水不溶性の微粒子、及び水
性媒体を混合・分散させる工程を有する水系インクの製
造方法において、上記混合・分散に先立ち又はそれと同
時に、上記微粒子の表面にポリアルキレングリコールを
吸着させることを特徴とする水系インクの製造方法を提
供することにより上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記従来技術の項で述べた通り、
特開平8−319442号公報には、水系インクに微粒
子を含有させることにより、にじみ防止や画像の鮮明さ
を向上させることは記載されているが、微粒子とポリア
ルキレングリコールとを組み合わせてインクに含有させ
るとインクの保存安定性が向上することについては、何
ら記載されておらず、このことは本発明者らが初めて知
見したことである。そして、本発明者らは更に検討した
ところ、水系インクの製造工程において微粒子にポリア
ルキレングリコールを吸着させると、インクの安定性、
特に高温環境下での安定性が向上することについても知
見した。
【0008】実質的に水不溶性の微粒子にポリアルキレ
ングリコールを吸着させる処理工程を有する本発明の水
系インクの製造方法ついて詳述すると、該微粒子の表面
にポリアルキレングリコールを吸着させる処理工程(以
下、この処理工程を「表面吸着処理」という)は、
(1)色材、分散剤、実質的に水不溶性の微粒子、及び
水性媒体の混合・分散に先立って行う場合及び(2)該
混合・分散と同時に行う場合がある。
【0009】上記(1)の場合、即ち上記表面吸着処理
を上記混合・分散に先立って行う場合には、上記微粒子
及び上記ポリアルキレングリコールを後述するような量
を用いて混合・分散させ、該微粒子の表面に該ポリアル
キレングリコールが吸着した吸着液を得、次いで該吸着
液、上記色材、上記分散剤及び上記水性媒体を混合・分
散させて色材分散液を得、更に該色材分散液を水で所定
濃度に希釈して水系インクを得る。
【0010】この場合において、上記微粒子及び上記ポ
リアルキレングリコールを混合・分散させて吸着液を得
る際、即ち、表面吸着処理を行う際には、色材分散液と
したときの該微粒子の濃度が、粒子分散安定性の点で、
2〜20重量%、また色材分散液としたときの該ポリア
ルキレングリコールの濃度が、吸着量と未吸着量のバラ
ンスの点で、2〜20重量%となる量で混合・分散させ
ることが好ましい。
【0011】上記表面吸着処理に用いられる装置として
は、例えば、ダイノーミル、グレンミル、スーパーミ
ル、スパイクミル、パールミルのようなサンドミル等の
分散機等が挙げられる。混合・分散の条件は、吸着量の
制御の点で、回転数が500〜1500rpm、特に8
00〜1250rpm、また時間が1〜5hr、特に2
〜3hr、また温度が15〜70℃、特に30〜60℃
であることが好ましい。更に、混合・分散の条件とし
て、処理液の均一化の点で、サンドミル等の分散機に印
加する単位重量当たりの積算動力を1〜5kWh/kg
とすることが好ましく、1.5〜2.5kWh/kgと
することが更に好ましい。
【0012】更に、上記分散機を用いる表面吸着処理の
後に又はそれに先立ち、超音波処理装置を用いる表面吸
着処理を行うことができる。この際、超音波処理の条件
は、処理の効率の点で、100〜1000Wの出力及び
5〜30kHzの周波数とすることが好ましい。また、
上記分散機を用いる表面吸着処理に代えて、該超音波処
理を用いる表面吸着処理を行ってもよい。
【0013】次に、上記表面吸着処理により得られた吸
着液に、上記色材2〜10重量%、上記分散剤0.4〜
10重量%及び上記水性媒体(残部)を添加し、混合・
分散させて色材分散液を得ることが好ましい(色材分散
液の重量に基づく。以下、この色材分散液を得る処理工
程を「色材分散処理」という)。該色材分散液における
各成分の更に好ましい濃度は、重量%、上記色材2〜
3.5重量%、上記分散剤0.3〜35重量%及び上記
水性媒体78〜89重量%である(色材分散液の重量に
基づく)。
【0014】上記色材分散処理に用いられる装置として
は、ディゾルバー、ディスパ、ホモミキサー等の撹拌機
や、上記表面吸着処理に用いられる分散機と同様のもの
が挙げられる。混合・分散の条件は、色材と微粒子との
均一混合の点で、回転数が500〜2000rpm、特
に800〜1250rpm、また時間が0.5〜5h
r、特に2〜3hr、また温度が15〜70℃、特に3
0〜50℃であることが好ましい。更に、混合・分散の
条件として、分散処理液の均一化の点で、サンドミル等
の分散機に印加する単位重量当たりの積算動力を1〜5
kWh/kgとすることが好ましく、1.5〜2.5k
Wh/kgとすることが更に好ましい。
【0015】更に、上記表面吸着処理における場合と同
様に、上記分散機を用いる色材分散処理の後に又はそれ
に先立ち、超音波処理装置を用いる色材分散処理を行う
ことができる。また、上記分散機を用いる色材分散処理
に代えて、該超音波処理を用いる色材分散処理を行って
もよい。この際、超音波処理の条件は、上記表面吸着処
理における場合と同様である。
【0016】最後に、上記色材分散液を所定の濃度に水
で希釈することにより、水系インクが得られる。
【0017】一方、上記(2)の場合、即ち上記表面吸
着処理を上記混合・分散と同時に行う場合には、上記色
材、上記分散剤、上記微粒子、上記水性媒体、及び上記
ポリアルキレングリコールを同時に混合・分散させると
共に、該微粒子の表面に該ポリアルキレングリコールが
吸着した色材分散液を得、この色材分散液を水で所定の
濃度に希釈することにより、水系インクを得ることがで
きる。
【0018】上記混合・分散を行う際、上記色材2〜1
0重量%、上記分散剤0.4〜10重量%、上記微粒子
2〜20重量%、上記ポリアルキレングリコール2〜2
0重量%及び上記水性媒体(残部)を用いることが好ま
しい(色材分散液の重量に基づく)。
【0019】また、上記混合・分散を行う際に用いられ
る装置及びその混合・分散の条件、並びに上記分散機を
用いる表面吸着処理の後に又はそれに先立ち、超音波処
理装置を用いる表面吸着処理の条件は、上記(1)の場
合と同様である。
【0020】最後に、上記色材分散液を所定の濃度に水
で希釈することにより、水系インクが得られる。
【0021】本発明の製造方法においては、上記(1)
及び(2)の何れの場合においても、上述の工程を経て
得られたインクを更に遠心分離機で遠心分離(例えば、
2500G、20分間)することもできる。斯かる遠心
分離によって好ましくは2μm以上、更に好ましくは1
μm以上の粒子が除去され、目詰まりのないインクが得
られるので好ましい。また、上記遠心分離に代えて、メ
ンブレンフィルター等を用いて濾過することもでき、斯
かる濾過により、上記遠心分離と同様の効果を得ること
ができる。
【0022】斯くして得られる水系インクにおける好ま
しい組成は下記の通りである。 上記色材:1〜5重量%、上記分散剤:0.2〜5重量
%、上記微粒子:1〜10重量%、上記ポリアルキレン
グリコール:1〜10重量%、上記水性媒体(望ましく
は水):残部。
【0023】次に、本発明の製造方法によって製造され
る水系インクに用いられる各種成分について説明する。
【0024】上記実質的に水不溶性の微粒子としては、
印字品質、高解像度の点で、水系インク中の一次粒子の
平均粒径が5〜600nmである微粒子を用いることが
好ましい。尚、この平均粒径は、(株)セントラル科学
貿易のCPS Disc Centrifuge(商品
名)によって測定することができる。
【0025】上記微粒子を構成する材料としては、イン
クの印字濃度の向上の点で、例えば、ポリマー微粒子、
有機化合物又は無機化合物から選ばれる単独又は二種以
上の組合せが好ましく用いられる。
【0026】上記ポリマー微粒子としては、水や水溶性
有機溶剤によって膨潤しないか或いは膨潤したとしても
膨潤後の粒径が膨潤前の粒径に対して1〜1.2倍であ
るようなポリマーを用いることが好ましい。斯かるポリ
マーとしては、例えば、ベンゾグアナミン、ベンゾグア
ナミン・メラミンのようなメラミン系樹脂およびメタク
リレート系樹脂や、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂およ
びポリアミド系樹脂等が挙げられ、中でもメラミン樹脂
が好ましい。
【0027】上記ポリマー微粒子の粒径は100〜30
0nm、特に150〜250nmであることが好まし
い。
【0028】上記有機化合物としては、実質的に水不溶
性の紫外線吸収剤や実質的に水不溶性の酸化防止剤が用
いられる。
【0029】上記有機化合物からなる微粒子の粒径は1
00〜600nm、特に200〜500nmであること
が好ましい。
【0030】上記無機化合物からなる微粒子としては、
例えば、酸化珪素、酸化チタン及び酸化アルミニウム等
が挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも一種、
特にコロイダルシリカ等の酸化珪素が好ましく用いられ
る。ここで、上記微粒子としては、親水性および疎水性
いずれの表面を有するものでも用いることができるが、
配合のし易さの点で、親水性の表面を有するものがより
好ましい。
【0031】上記無機化合物からなる微粒子の粒径は1
0〜50nm、特に15〜30nmであることが好まし
い。
【0032】上記ポリアルキレングリコールは、上記微
粒子の表面に吸着されるものである。該ポリアルキレン
グリコールとしては、上記色材の分散安定性に優れる
点、特にインクジェット記録用インクとして用いる場合
のインクの間欠吐出性が向上する点で、重量平均分子量
が好ましくは2000〜20000、更に好ましくは3
000〜10000、一層好ましくは3500〜500
0のポリアルキレングリコールが用いられる。
【0033】上記ポリアルキレングリコールとして好ま
しいものは、水に対する溶解性及びインクジェット記録
用インクとして用いる場合の間欠吐出性の一層の向上、
並びにインクの記録紙への浸透性の向上と裏抜け(記録
紙への裏側へのインクのしみ出し)防止とのバランスを
図る点で、ポリエチレングリコール又はポリプロピレン
グリコールを用いることが好ましく、特にポリエチレン
グリコールを用いることが一層好ましい。ポリエチレン
グリコールとポリプロピレングリコールを併用する場
合、その重量比は10/0〜8/2である。
【0034】本発明の製造方法により、上記ポリアルキ
レングリコールが吸着した微粒子は、必ずしも明らかで
はないが、本来粒子の表面の電荷層の厚みが増加し、凝
集力と反発力のバランスが保たれ熱安定性が安定化して
いると推察される。
【0035】上記色材としては、特に制限されるもので
はないが、各種顔料、分散染料、油溶性染料等を挙げる
ことはできる。本明細書において、「顔料」とは、水及
び有機溶媒に不溶ないし難溶のものをいい、「分散染
料」とは、水に不溶または難溶であって、コロイドに近
い水分散状態で溶解している染料をいい、「油溶性染
料」とは、水溶性がなく、鉱油、油脂などに可溶の染料
をいう(化学大辞典、共立出版株式会社編)。
【0036】上記顔料としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ア
ントラキノン顔料、カーボンブラック系顔料を用いるこ
とが好ましい。
【0037】上記顔料の平均一次粒径は、耐擦過性、長
期保存安定性、環境安定性及び調製段階での濾過性の点
から10〜150nmであることが好ましい。特に、上
記顔料としてカーボンブラックを用いる場合には、カー
ボンに特有なストラクチャ構造の点から、その一次粒子
の平均粒径が10〜100nmであることが好ましく、
10〜80nmであることが更に好ましく、10〜60
nmであることが一層好ましい。
【0038】特に、上記カーボンブラックは、そのBE
T比表面積が20〜500m2 /gであることが好まし
く、50〜500m2 /gであることが更に好ましい。
【0039】上記分散剤としては、インク中における上
記色材の分散性を向上させ得る公知の分散剤が用いられ
る。
【0040】特に、多核芳香族化合物を含む芳香族化合
物類をスルホン化して得られたスルホン化物をホルマリ
ン縮合した後、中和して得られた高分子分散剤を用いる
と、定着性を高めることが従来困難であったプラスチッ
クシート等の非浸透性被記録部材に印字した場合にも、
上記色材が微粒子化し、極めて高い定着性を発現するこ
とができ、耐擦過性の高い印字像を得ることができるの
で好ましい。
【0041】上記多核芳香族化合物の例としては、イ)
アントラセン、フェナンスレン、ピレン、アセナフテ
ン、インデン、フルオランセン、クリセン、ベンゾフル
オランセン、ベンゾピレン、ペリレン及びベンゾペリレ
ン並びにそれらのモノ、ジ又はトリアルキル置換体や、
モノ又はジアルキルナフタレン等の、二個またはそれ以
上の芳香族環または複素環が二個またはそれ以上の炭素
原子を共有して縮合環を形成している化合物およびその
誘導体、ならびにロ)フルオレン、ジフェニル及びジベ
ンゾフラン等の、二個またはそれ以上の芳香族環または
複素環が直接結合またはアルキレン基を介して結合して
いる化合物およびその誘導体が挙げられる。
【0042】このような高分子分散剤としては、花王
(株)製のデモールC(商品名)等の市販品を用いるこ
ともできる。また、上記高分子分散剤は、その重量平均
分子量が2000〜50000であることが好ましい。
【0043】上記水性媒体は、液媒体として用いられる
ものであり、その例としては水(望ましくは精製水)又
は水溶性溶剤等が挙げられる。上記水溶性溶剤として
は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール
及びジエチレングリコール等のグリコール類;ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチルカルビトール
等の多価アルコールのエーテル類;アセテート類;チオ
ジグリコール等を使用することができる。
【0044】本発明に係る上記水系インクには、上記各
成分に加えて必要に応じて以下の成分が更に含有されて
いてもよい。斯かる成分としては、例えば、2−ピロリ
ジノン、グリセリン、アルキルグリシン(例えば、メチ
ルグリシン)等の湿潤剤ないし保湿剤、アルキルスルホ
コハク酸塩等のアニオン界面活性剤、その他の界面活性
剤(ノニオン、カチオン、両性イオン界面活性剤)、2
−アミノエタノール等のpH調整剤、シリコーン系化合
物等の消泡剤、クロロメチルフェノール系化合物等の防
黴剤、EDTA等のキレート剤、亜硫酸塩等の酸素吸収
剤等が挙げられる。これらの成分は、本発明に係る上記
水系インク中に好ましくは1〜5重量%(特に2〜3重
量%)配合される。
【0045】本発明の製造方法により得られた上記水系
インクは、インクジェット記録用インクとして有用であ
り、この場合、インクジェット記録方式を用いたプリン
ターであれば、如何なるプリンターにおいても用いるこ
とができるが、特にプリンターヘッドに配設された発熱
抵抗素子のヒーター等による熱エネルギーを用いて記録
を行う熱ジェット記録方式のプリンターに適している。
また、本発明の製造方法により得られた上記水系インク
は、上述の通りインクジェット記録用インクとして特に
有用であるが、例えば、一般の万年筆、ボールペン、サ
インペン等の筆記具用のインクとしても使用可能であ
る。例えば、上記水系インクをインクジェット記録用イ
ンクとして用いる場合には、該水系インクをそのまま用
いてもよく、或いは必要に応じて該水系インクに各種添
加剤を添加したものを用いてもよい。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明の水系インクの製
造方法の有効性を例証する。しかしながら、本発明の範
囲は斯かる実施例に制限されるものではない。尚、以下
の例中、特に断らない限り、「部」は「重量部」を意味
する。
【0047】〔実施例1〕表1に示す微粒子10部及び
重量平均分子量4000のポリエチレングリコール10
部をDCPミル(日本アイリッヒ製)を用いて混合・分
散(温度:60℃、時間:2hr、回転数:1000r
pm)させ、該微粒子の表面に該ポリエチレングリコー
ルが吸着した吸着液を得た。次いで、上記吸着液に下記
の成分を下記に示す配合比で精製水と混合し、ディゾル
バー(高速/高剪断力ディゾルバー、シンマルエンター
プライゼス製)を用いて攪拌し(温度:35℃、時間:
30分、回転数:2000rpm)、予備分散液を調製
した。 ・カーボンブラック 4部 〔BET比表面積:90m2 /g、一次粒子の平均粒径:28nm〕 ・多核芳香族化合物スルホン酸塩のホルマリン縮合物 2.5部 〔花王(株)製のデモールC(商品名)、重量平均分子量:5000〕 ・ジエチレングリコール 1.5部 ・2−ピロリジノン 10部 ・ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム 0.1部 ・2−アミノエタノール 1.2部 次いで、上記予備分散液を下記の分散条件により分散し
た。 ・ミル:ダイノミル ・ビーズ:イットリア安定化ジルコニアビーズ(0.5
mmφ) ・分散時間:2hr/kg(予備分散液1kgあたり2
時間の分散) ・分散温度:40℃±5℃ 分散により得られた色材分散液を再び上記ディゾルバー
へ戻し、攪拌した後、再び上記ダイノミルで分散させる
循環操作法を用いて、色材分散液を調製した。次いで、
上記微粒子の濃度が表1に示す値になるように精製水を
上記色材分散液に加え、ディゾルバーを用いて該色材分
散液を攪拌・希釈した。更に、1.2ミクロンのフィル
タで濾過して、水系インクを調製した。
【0048】〔実施例2〕下記の成分を下記に示す配合
比で精製水と混合し、ディゾルバー(高速/高剪断力デ
ィゾルバー、シンマルエンタープライゼス製)を用いて
攪拌し(温度:30℃、時間:30分、回転数:600
0rpm)、予備分散液を調製した。 ・微粒子(表1に示す) 10部 ・ポリエチレングリコール 10部 (重量平均分子量:4000) ・カーボンブラック 4部 〔BET比表面積:90m2 /g、一次粒子の平均粒径:28nm〕 ・多核芳香族化合物スルホン酸塩のホルマリン縮合物 2.5部 〔花王(株)製のデモールC(商品名)、重量平均分子量:5000〕 ・ジエチレングリコール 1.5部 ・2−ピロリジノン 10部 ・ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム 0.1部 ・2−アミノエタノール 1.2部 次いで、上記予備分散液を下記の分散条件により分散し
た。 ・ミル:ダイノミル ・ビーズ:イットリア安定化ジルコニアビーズ(0.5
mmφ) ・分散時間:2hr/kg(予備分散液1kgあたり2
時間の分散) ・分散温度:40℃±5℃ 分散により得られた色材分散液を再び上記ディゾルバー
へ戻し、攪拌した後、再び上記ダイノミルで分散させる
循環操作法を用いて、色材分散液を調製した。次いで、
上記微粒子の濃度が表1に示す値になるように精製水を
上記色材分散液に加え、ディゾルバーを用いて該色材分
散液を攪拌・希釈した。更に、1.2ミクロンのフィル
タで濾過して、水系インクを調製した。
【0049】〔比較例〕ポリエチレングリコールを用い
ない以外は実施例1と同様にして水系インクを調製し
た。ここで使用する微粒子の種類、粒径及び配合量を表
1に示す。
【0050】〔性能評価〕実施例および比較例で得られ
たインクの性能を評価するため、下記の方法で保存安定
性を測定した。その結果を表1に示す。
【0051】<保存安定性>60℃下において、5日間
放置した後のインクを用い、E型粘度計(TOKIME
C製)を用いて計測を行い、保存前粘度との差によりゲ
ル化の指針として保存安定性を評価した。 ◎:粘度差1mPa・s以内 ○:粘度差1mPa・sを超えて、3mPa・s以内 ×:粘度差3mPa・sを超える
【0052】
【表1】
【0053】表1に示す結果から明らかな通り、本発明
の製造方法により得られた水系インク(実施例1及び
2)は、比較例で得られたインクに比して高温環境下に
おいてもゲル化することがない保存安定性に優れたもの
であることが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、高温環境下においても
ゲル化することのない水系インクが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻井 善明 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材、分散剤、実質的に水不溶性の微粒
    子、及び水性媒体を混合・分散させる工程を有する水系
    インクの製造方法において、 上記混合・分散に先立ち又はそれと同時に、上記微粒子
    の表面にポリアルキレングリコールを吸着させることを
    特徴とする水系インクの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記微粒子及び上記ポリアルキレングリ
    コールを混合・分散させ、該微粒子の表面に該ポリアル
    キレングリコールが吸着した吸着液を得、次いで該吸着
    液に、上記色材、上記分散剤及び上記水性媒体を混合・
    分散させて色材分散液を得、更に該色材分散液を水で所
    定濃度に希釈する、請求項1記載の水系インクの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記色材、上記分散剤、上記微粒子、上
    記水性媒体、及び上記ポリアルキレングリコールを同時
    に混合・分散させ、該微粒子の表面に該ポリアルキレン
    グリコールが吸着した色材分散液を得、更に該色材分散
    液を水で所定濃度に希釈する、請求項1記載の水系イン
    クの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記微粒子が、酸化珪素、酸化チタン及
    び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種の微粒
    子である、請求項1〜3の何れかに記載の水系インクの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ポリアルキレングリコールが、重量
    平均分子量2000〜20000のポリエチレングリコ
    ールである、請求項1〜4の何れかに記載の水系インク
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004003092A1 (ja) * 2002-06-27 2004-01-08 Riso Kagaku Corporation 非水系インク組成物及びその製造方法

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