JPH0673323A - 筆記用具用水性インキ組成物 - Google Patents

筆記用具用水性インキ組成物

Info

Publication number
JPH0673323A
JPH0673323A JP23022492A JP23022492A JPH0673323A JP H0673323 A JPH0673323 A JP H0673323A JP 23022492 A JP23022492 A JP 23022492A JP 23022492 A JP23022492 A JP 23022492A JP H0673323 A JPH0673323 A JP H0673323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ink composition
resin
pigment
sugar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23022492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3108541B2 (ja
Inventor
Akinori Sunano
明徳 砂野
Satoru Arata
悟 安良田
Kazumasa Kawabata
一誠 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIKUNI COLOR WORKS
Mikuni Color Ltd
Original Assignee
MIKUNI COLOR WORKS
Mikuni Color Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIKUNI COLOR WORKS, Mikuni Color Ltd filed Critical MIKUNI COLOR WORKS
Priority to JP23022492A priority Critical patent/JP3108541B2/ja
Publication of JPH0673323A publication Critical patent/JPH0673323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3108541B2 publication Critical patent/JP3108541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペン先の乾燥を防止し、紙質の差異による呈
色の度合に変化が生じず、安定性にすぐれた筆記用具用
水性インキ組成物を提供すること。 【構成】 顔料、樹脂、糖および水を含有してなる水性
インキ組成物であって、前記樹脂が、最低造膜温度が40
℃以上のアクリル系樹脂またはスチレン- アクリル系樹
脂の水中油型エマルジョンであり、前記糖がショ糖およ
び/またはマルチトールを主成分とする糖であり、バイ
ンダーとして水溶性樹脂が配合されたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筆記用具用水性インキ
組成物に関する。さらに詳しくは、たとえばマーキング
ペン、機械筆記用筆記用具、ボールペンなどに好適に使
用しうる筆記用具用水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、書類などに記録、筆記するために
用いられるマーキングペン、ボールペンなどには、ペン
先の乾燥を防止するために、一般にたとえば多価アルコ
ール、ホルムアミド、グリセリン、尿素などの添加剤が
配合されたインキが用いられている。
【0003】しかしながら、かかる添加剤を用いたばあ
いには、確かにペン先の乾燥を防止することができると
はいうものの、書類の紙質によってはインキの滲みや浸
透が生じたり、用紙の紙質の差異によって呈色の濃度差
が生じ、描線にむらが生じた不均一な濃度のシャープで
ない描線となるばかりか、形成された筆記描線の乾燥が
大幅に遅くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みてペン先の乾燥を防止し、紙質
の差異による呈色の濃度差が発生するのを解消し、形成
された描線の滲みがなく、シャープに描線を形成しうる
水性インキ組成物をうるべく鋭意研究を重ねた結果、意
外なことに、特定の樹脂エマルジョンと、特定の糖とを
併用したばあいには、前記物性を有する水性インキ組成
物がえられることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、顔
料、樹脂、糖および水を含有してなる水性インキ組成物
であって、前記樹脂が、最低造膜温度が40℃以上のアク
リル系樹脂またはスチレン- アクリル系樹脂の水中油型
エマルジョンであり、前記糖がショ糖および/またはマ
ルチトールを主成分とする糖であり、バインダーとして
水溶性樹脂が配合されたことを特徴とする筆記用具用水
性インキ組成物に関する。
【0006】
【作用および実施例】本発明の筆記用具用水性インキ組
成物は、前記したように、顔料、樹脂、糖および水を含
有したものであり、前記樹脂が、最低造膜温度が40℃以
上のアクリル系樹脂またはスチレン- アクリル系樹脂の
水中油型エマルジョンであり、前記糖がショ糖および/
またはマルチトールを主成分とする糖であり、バインダ
ーとして水溶性樹脂が配合されたことを特徴とするもの
である。
【0007】前記顔料としては、各種有機顔料および無
機顔料があげられ、該顔料の種類についてはとくに限定
がない。
【0008】前記有機顔料としては、たとえばアセト酢
酸アリリード誘導体、β- ナフトール誘導体などから導
かれるモノアゾ顔料、β- オキシナフトエ酸染料などの
モノアゾ染料をレーキ化したレーキ顔料、ジスアゾ顔
料、縮合ジスアゾ顔料、イソインドリン誘導体、ナフタ
リンまたはペリレンテトラカルボン酸の誘導体、アント
ラキノン顔料、チオインジゴ誘導体、アゾメチン誘導
体、キナクリドン、ジオキサジン、ピラゾロキナゾロ
ン、フタロシアニン顔料、トリアリールメタン染料など
の塩基性染料をレーキ化したレーキ顔料などがあげら
れ、かかる有機顔料の具体例としては、たとえばピグメ
ント・イエロー1(C.I. 11680)、ピグメント・イエロ
ー3(C.I. 11710)、ピグメント・イエロー42(C.I. 7
7492)、ピグメント・イエロー74(C.I. 11741)、ピグ
メント・イエロー83(C.I. 21108)、ピグメント・イエ
ロー106 、ピグメント・イエロー108 (C.I. 68240)、
ピグメント・イエロー117 、ピグメント・イエロー126
、ピグメント・イエロー139 、ピグメント・イエロー1
85 、ピグメント・オレンジ5(C.I. 12075)、ピグメ
ント・オレンジ67、ピグメント・レッド3(C.I. 1212
0)、ピグメント・レッド48:1(C.I. 15865:1)、
ピグメント・レッド48:4(C.I. 15865:4)、ピグメ
ント・レッド101 (C.I. 77491)、ピグメント・レッド
112 (C.I. 12370)、ピグメント・レッド123 (C.I. 7
1145)、ピグメント・レッド169 (C.I. 45160:2)、
ピグメント・バイオレット23(C.I. 51319)、ピグメン
ト・バイオレット27(C.I. 42555:3)、ピグメント・
ブルー1(C.I. 42595:2)、ピグメント・ブルー15:
1(C.I. 74160)、ピグメント・ブルー15:3(C.I. 7
4160)、ピグメント・ブルー61(C.I. 42765:1)、ピ
グメント・グリーン7(C.I. 74260)、ピグメント・グ
リーン36(C.I. 74265)などがあげられる。これらの有
機顔料のなかでは、ピグメント・レッド112 、ピグメン
ト・バイオレット23、ピグメント・ブルー15:1、ピグ
メント・ブルー15:3、ピグメント・グリーン7が好ま
しい。
【0009】前記無機顔料の代表例としては、たとえば
酸化鉄、フェリシアン化鉄、硫黄含有珪酸ナトリウムア
ルミニウム、二酸化チタン、カーボンブラックなどがあ
げられ、かかる無機顔料の具体例としては、たとえばピ
グメント・イエロー42(C.I.77492)、ピグメント・ホ
ワイト6(C.I. 77891)、ピグメント・ブルー27(C.I.
77510)、ピグメント・ブルー29(C.I. 77007)、ピグ
メント・ブラック7(C.I. 77266)などがあげられる。
【0010】前記顔料の平均粒子径は、通常0.01〜数10
μm、好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05
〜0.3 μm程度であり、この程度の平均粒子径のばあい
には、凝集もなく、均一にインキ組成物中に分散させる
ことができる。なお、顔料の平均粒子径を前記範囲に調
整する方法としては、たとえばビーズミル、ロールミ
ル、アジテータミルなどの公知の混合摩砕機を用いて顔
料を微砕化したのち、遠心分離またはフィルター瀘過な
どの方法により粗大粒子を除去する方法などがあげられ
る。また、本発明においては、すでに平均粒子径が前記
範囲に調整された顔料の分散液を用いてもよい。
【0011】前記顔料は、通常単独でまたは2種以上を
混合して用いられるが、かかる顔料の配合量は、水性イ
ンキ組成物中に1〜15重量%、なかんづく3〜10重量%
含有されるように調整されることが好ましい。かかる顔
料の配合量が前記範囲よりも少ないばあいには、着色性
に劣るようになり、また前記範囲をこえるばあいには、
粘度が上昇し、えられる水性インキ組成物の安定性が低
下する傾向がある。
【0012】本発明においては、樹脂として最低造膜温
度が40℃以上のアクリル系樹脂またはスチレン- アクリ
ル系樹脂の水中油型エマルジョンが用いられる点に1つ
の大きな特徴がある。
【0013】前記樹脂の最低造膜温度が40℃よりも低い
ばあいには、えられる水性インキ組成物によって形成さ
れる描線が用紙の種類によっては滲んだり、濃度差が生
じるようになり、またペン先などが乾燥したときには、
再筆記が不可能となる。なお、該樹脂の最低造膜温度
は、好ましくは50℃以上である。
【0014】前記水中油型エマルジョンは、たとえば樹
脂を構成する(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレ
ンと(メタ)アクリル酸エステルの混合物、必要により
(メタ)アクリル酸、界面活性剤および水を混合するこ
とによって形成される。ここで水中油型エマルジョンと
は、分散相が油((メタ)アクリル酸エステルまたはス
チレンと(メタ)アクリル酸エステルとの混合物、必要
により(メタ)アクリル酸、および界面活性剤)であ
り、連続相が水であるばあいをいう。水中油型エマルジ
ョンの形成過程において、(メタ)アクリル酸エステル
またはスチレンと(メタ)アクリル酸エステルの混合
物、必要により(メタ)アクリル酸と、界面活性剤との
混合割合は、通常重量比で10:0.1 〜5:1とするのが
よい。界面活性剤の使用量が前記範囲に満たないばあい
には、エマルジョンがえられがたくなり、また前記範囲
をこえるばあいには、えられる水性インキ組成物の耐水
性が低下したり、浸透性がわるくなる傾向がある。
【0015】また、前記分散相用の成分と、水との混合
割合は、水中油性エマルジョンの形成に重大な影響を及
ぼすため、慎重に決定されるべきであり、通常前記分散
相用の成分 100部(重量部、以下同様)に対して水60〜
400 部、なかんづく100 〜200 部となるように調整する
ことが好ましい。水の割合が前記範囲をこえるばあいに
は、えられる水中油型エマルジョンの固形分濃度が小さ
くなって実用性が低下する傾向があり、また前記範囲よ
りも少ないばあいには、樹脂粒子が大きくなりすぎるな
ど、適した性質を有する水中油型エマルジョンがえられ
がたくなる傾向がある。
【0016】前記界面活性剤の種類にはとくに限定がな
い。かかる界面活性剤の具体例としては、たとえばドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェ
ートのアンモニウム塩などのアニオン系界面活性剤;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルアミド、これらのアセチル化物など
のノニオン系界面活性剤などがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0017】なお、前記水中油型エマルジョンは、たと
えば低剪断力の撹拌機やパイプラインミキサーなどの一
般的な攪拌装置を用いた乳化重合法などの公知の方法に
より製造することができる。
【0018】本発明においては、樹脂として最低造膜温
度が40℃以上のアクリル系樹脂またはスチレン- アクリ
ル系樹脂の水中油型エマルジョンが用いられるが、かか
る水中油型エマルジョンの配合量は、水性インキ組成物
中に樹脂固形分が0.5 〜25重量%、なかんづく1〜5重
量%含有されるように調整されることが好ましい。かか
る樹脂固形分量が前記範囲をこえるばあいには、えられ
る水性インキ組成物の保存安定性が低下するようにな
り、また前記範囲よりも少ないばあいには、滲みの改善
や用紙による発色差の解消効果が充分でなくなる傾向が
ある。
【0019】本発明においては、このように樹脂として
最低造膜温度が40℃以上のアクリル系樹脂またはスチレ
ン- アクリル系樹脂の水中油型エマルジョンが用いられ
るので、紙質の差による滲みの発生や発色差を解消する
ことができる。
【0020】また、前記水中油型エマルジョンと、ショ
糖および/またはマルチトールを主成分とする糖とが併
用されているので、該水中油型エマルジョンによる紙質
の差異に基づく呈色の濃度差(発色差)の低減効果を発
現しつつ、ペン先などの乾燥が防止されるのである。
【0021】本発明においては、糖としてショ糖および
/またはマルチトールを主成分とする糖が用いられ、か
かる糖におけるショ糖および/またはマルチトールの含
有量は、あまりにも少ないばあいには、えられる水性イ
ンキ組成物の耐乾燥性が充分でなくなる傾向があるの
で、50重量%以上、なかんづく60重量%以上であること
が好ましい。
【0022】なお、前記糖には、ショ糖およびマルチト
ールのほかに、たとえばマルトース、ソルビット、マル
トトリイトール、オリゴ糖などを用いることができる。
【0023】前記糖の配合量は、水性インキ組成物中に
3〜30重量%、なかんづく5〜20重量%含有されるよう
に調整されることが好ましい。かかる糖の配合量が前記
範囲よりも少ないばあいには、ペン先などでの耐乾燥性
が低下するようになり、また前記範囲をこえるばあいに
は、えられる水性インキ組成物の粘度が高くなりすぎて
筆記用具に適さなくなる傾向がある。
【0024】また、本発明においては、バインダーとし
て水溶性樹脂が用いられる。
【0025】前記水溶性樹脂は、前記糖とともに使用す
ることにより、ペン先などが乾燥する条件下にあっても
追随する水性インキ組成物によって再溶解し、皮膜など
が形成されるのを室温下において阻止する性質を有する
ものである。
【0026】前記水溶性樹脂としては、アミンまたはそ
の他の塩基を溶解させた水溶液に可溶のものが、形成さ
れた筆記描線の耐水性および耐摩擦性の点から好まし
い。
【0027】前記水溶性樹脂の代表例としては、たとえ
ばアクリル系樹脂などがあげられ、かかるアクリル系樹
脂の具体例としては、たとえばスチレン−アクリル酸共
重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重
合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチ
レン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重
合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル共重合体およびこれらの塩な
どがあげられる。
【0028】前記水溶性樹脂の重量平均分子量は、あま
りにも大きいばあいには、えられる水性インキ組成物の
粘度が高くなり、筆記に適さなくなる傾向があり、また
あまりにも小さいばあいには、描線を描くときに皮膜が
形成されがたくなる傾向があるので、3000〜30000 、な
かんづく5000〜15000 であることが好ましい。
【0029】前記水溶性樹脂の配合量は、えられる水性
インキ組成物の造膜温度が、通常該水性インキ組成物が
用いられる雰囲気中で造膜するようにするために、室温
以下、好ましくは30℃以下、さらに好ましくは25℃以
下、とくに好ましくは0℃以下となるように調整され
る。このように、えられる水性インキ組成物に、好まし
くは30℃以下、さらに好ましくは25℃以下、とくに好ま
しくは0℃以下の造膜温度を付与しうる水溶性樹脂の配
合量は、該水溶性樹脂の種類によって異なるので一概に
は決定することができないが、通常顔料と水中油型エマ
ルジョンに含まれる樹脂固形分の合計量100 部に対し
て、好ましくは0.5 部以上、さらに好ましくは3部以
上、とくに好ましくは10部以上程度である。なお、前記
水溶性樹脂の配合量があまりにも多いばあいには、えら
れる水性インキ組成物の造膜温度の低下効果があまり向
上することがなく、かえってえられる水性インキ組成物
の粘度がいちじるしく向上するようになるので、200 部
以下、なかんづく100 部以下であることが望ましい。
【0030】前記水溶性樹脂は、あらかじめ水中に溶解
させたのちに用いてもよく、また顔料、水中油型エマル
ジョン、糖および水に配合して用いてもよい。
【0031】なお、水溶性樹脂を水中に溶解させるに際
しては、たとえば2−アミノイソブタノール、トリエタ
ノールアミン、モルホリン、アンモニア水、プロピレン
グリコール、イソプロパノールなどを助剤として用いて
もよい。
【0032】本発明においては、バインダーとして水溶
性樹脂が用いられており、かかる水溶性樹脂が分散剤と
しての役割を果たすばあいには、他に樹脂を配合しなく
てもよい。
【0033】本発明の水性インキ組成物の残部は、主と
して水であり、顔料、樹脂および糖が所定濃度で含有さ
れるように水の配合量を調整すればよい。
【0034】前記顔料、水中油型エマルジョン、糖、水
溶性樹脂および水を混合することにより、本発明の水性
インキ組成物がえられるが、該水性インキ組成物にたと
えば凝集物などが含まれているばあいには、ペン先など
で目詰まりを生じることがあるので、たとえば遠心分
離、フィルターなどを用いて濾過により除去しておくこ
とが望ましい。
【0035】なお、本発明においては、本発明の目的が
阻害されない範囲内で、たとえば尿素、各種グリコール
類、グリセリン、アルカノールアミン類などの保湿・遅
乾性成分を水性インキ組成物に配合することができる。
【0036】つぎに本発明の筆記用具用水性インキ組成
物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明
はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0037】実施例1および比較例1〜2 顔料としてカーボンブラック分散液(御国色素(株)
製、HI・ミクロンKブラック#7360、カーボンブラック
の含有量:約15重量%、水溶性樹脂としてスチレン−ア
クリル酸共重合体(重量平均分子量:約10000)を約3重
量%含有、カーボンブラックの平均粒子径:0.1 μ
m)、糖としてマルチトール、水中油型エマルジョンと
してスチレン- アクリル樹脂の水中油型エマルジョン
(日本ゼオン(株)製、SAE1014 、樹脂固形分:40重量
%、最低造膜温度:80℃)および水を表1に示す配合割
合で混合し、アジテーターミルを用いて分散させて水性
インキ組成物をえた。
【0038】えられた水性インキ組成物の造膜温度を以
下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0039】(水性インキ組成物の造膜温度)えられた
水性インキ組成物23g/m2 程度をガラス板上にのせ、
乾燥させて皮膜が生じるときの温度を求める。
【0040】つぎに、えられた水性インキ組成物をプラ
スチックサインペン(先端径0.3 mm)内に充填し、
(イ)筆記描線のOD(光学的濃度)値、(ロ)筆記描線
の滲み、(ハ)耐乾性および(ニ)耐磨耗性を、また水
性インキ組成物を用いて(ホ)保存安定性を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表1に併記する。
【0041】(イ)筆記描線のOD値 プラスチックサインペンを用いてPPC 用紙、はがき、便
箋およびレポート用紙に筆記描線を描き、マクベス濃度
計RD-918(サカタインクス(株)製)を用いてOD値を求
める。
【0042】(ロ)筆記描線の滲み 前記(イ)で描かれた筆記描線の滲み具合を目視にて観
察し、以下の評価基準にしたがって評価する。
【0043】(評価基準) A:PPC 用紙、はがき、便箋およびレポート用紙のいず
れにおいても滲みが認められない。
【0044】B:PPC 用紙、はがき、便箋およびレポー
ト用紙のいずれかにおいて滲みが認められる。
【0045】C:PPC 用紙、はがき、便箋およびレポー
ト用紙のいずれにおいても滲みが認められる。
【0046】(ハ)耐乾性 プラスチックサインペンのキャップをはずし、筆記不能
となるまでの時間を測定する。
【0047】(ニ)耐磨耗性 プラスチックサインペンを用いてアート紙(コーティン
グ紙)およびレポート用紙に描線を形成し、室温中で放
置し、完全に乾燥させのち、乾いた紙で描線上を擦り、
描線の剥離などを調べ、以下の評価基準にしたがって評
価する。
【0048】(評価基準) A:アート紙およびレポート用紙のいずれにも変化がな
い。
【0049】B:アート紙上でやや剥離が認められ、レ
ポート用紙上ではほとんど変化がない。
【0050】C:アート紙上ではやや剥離が認められる
が、レポート用紙上では周囲に汚れが広がる。
【0051】D:アート紙上では完全に剥離が認めら
れ、レポート用紙上では周囲に汚れが広がる。
【0052】(ホ)保存安定性 水性インキ組成物をガラス製試験管内に入れて密栓をし
たのち、温度50℃、相対温度65%の恒温恒湿室中に3カ
月間放置したのち、水性インキ組成物の粘度およびpHの
変化の有無を調べ、以下の評価基準にしたがって評価す
る。
【0053】(評価基準) A:水性インキ組成物の粘度およびpHのいずれにおいて
も変化が認められない。
【0054】B:水性インキ組成物の粘度またはpHのい
ずれかに変化が認められる。
【0055】C:水性インキ組成物の粘度およびpHのい
ずれにも変化が認められる。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示された結果から、実施例1でえら
れた水性インキ組成物のように、スチレン- アクリル樹
脂の水中油型エマルジョンとマルチトールとを併用した
ばあいには、用紙の差異にもとづく発色の差異がないの
みならず、滲みがほとんどなく、ペン先などでの耐乾性
および保存安定性が同時にすぐれた水性インキ組成物が
えられることがわかる。
【0058】これに対して、スチレン−アクリル系樹脂
の水中油型エマルジョンを配合しないばあいには(比較
例1)、用紙の差異にもとづく発色の差異が認められ、
発色のレベルが低く滲みが生じるようになり、また糖
(マルチトール)を用いないばあいには(比較例2)、
耐乾性がきわめてわるくなることがわかる。
【0059】実施例2および比較例3 顔料としてフタロシアニンブルー分散液(御国色素
(株)製、HI・ミクロンKブルー#6227、フタロシアニ
ンブルーの含有量:約20重量%、水溶性樹脂としてスチ
レン−アクリル酸共重合体(重量平均分子量:約10000)
を約4重量%含有、平均粒子径:0.15μm)、糖として
ショ糖、水中油型エマルジョンとしてアクリル樹脂の水
中油型エマルジョン(サイデン化学(株)製、サイビノ
ールSK-200、樹脂固形分:49.5重量%、最低造膜温度:
80℃以上)(実施例2)またはアクリル樹脂の水中油型
エマルジョン(ヘキスト合成(株)製、モビニールDM-7
58、樹脂固形分:約60重量%、最低造膜温度:0℃以
下)(比較例3)および水を表2に示す配合割合で混合
し、アジテーターミルを用いて分散させて水性インキ組
成物をえた。
【0060】えられた水性インキ組成物の物性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表2に併記する。
【0061】
【表2】
【0062】表2に示された実施例2および比較例3の
結果を対比して明らかなように、水中油型エマルジョン
に用いられる樹脂成分として、最低造膜温度が40℃より
も低いものを用いたばあいには、滲みが生じ、耐乾性に
劣ることがわかる。
【0063】実施例3および比較例4 顔料としてアントラキノンレッド18部、界面活性剤とし
てリボノクスNC-200(ライオン(株)製、商品名)6
部、防腐剤としてベストサイド200 K(大日本インキ化
学工業(株)製、商品名)0.5 部、pH調整剤として2−
アミノイソブタノール0.5 部および水70部をダイノミル
で分散し、遠心分離機にて粗大粒子を除去して顔料の含
有量が14.0重量%の顔料分散液をえた。
【0064】つぎに、えられた顔料分散液水溶性樹脂と
して水性アクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)
製、ウォーターゾルS-745、樹脂固形分:40.0重量
%)、水中油型エマルジョンとしてアクリル樹脂の水中
油型エマルジョン(サイデン化学(株)製、サイビノー
ルSK-200、樹脂固形分:49.5重量%、最低造膜温度:80
℃以上)、糖としてショ糖および水を表3に示す配合割
合で混合し、アジテーターミルを用いて分散させて水性
インキ組成物をえたのち、メンブレンフィルター(孔
径:1.0 μm)を用いて濾過して液中の粗大粒子を除去
して筆記用具用水性インキ組成物をえた。
【0065】えられた水性インキ組成物を実施例1と同
様にして調べた。その結果を表3に併記する。
【0066】
【表3】
【0067】表3に示された結果から、実施例3でえら
れた水性インキ組成物は、筆記後の描線がしっかりと固
着し、擦れても剥がれたり、周囲が汚れることがないの
に対し、水溶性樹脂が用いられていない比較例4でえら
れた水性インキ組成物は、筆記後の描線の固着がみられ
ず、アート紙上では痕跡を残して剥離し、レポート用紙
上では、周囲に擦れた汚れが広がり、筆記用具には不適
であることがわかる。
【0068】
【発明の効果】本発明の筆記用具用水性インキ組成物
は、用紙の種類によって呈色の度合いがほとんど変化す
ることがなく、保存安定性にすぐれ、しかもペン先など
の耐乾性にもすぐれたものである。
【0069】したがって、本発明の筆記用具用水性イン
キ組成物は、たとえば各種繊維束が使用されたマーキン
グペン、細杆体型やボールポイント型のマーキングペ
ン、機械筆記用筆記用具をはじめ、記録計用、印刷用、
スタンプ用などの水性インキ組成物として好適に使用し
うるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、樹脂、糖および水を含有してなる
    水性インキ組成物であって、前記樹脂が、最低造膜温度
    が40℃以上のアクリル系樹脂またはスチレン- アクリル
    系樹脂の水中油型エマルジョンであり、前記糖がショ糖
    および/またはマルチトールを主成分とする糖であり、
    バインダーとして水溶性樹脂が配合されたことを特徴と
    する筆記用具用水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 最低造膜温度が30℃以下である請求項1
    記載の筆記用具用水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 水溶性樹脂が重量平均分子量が3000〜30
    000 のアクリル系樹脂である請求項1または2記載の筆
    記用具用水性インキ組成物。
JP23022492A 1992-08-28 1992-08-28 筆記用具用水性インキ組成物 Expired - Fee Related JP3108541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23022492A JP3108541B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 筆記用具用水性インキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23022492A JP3108541B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 筆記用具用水性インキ組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0673323A true JPH0673323A (ja) 1994-03-15
JP3108541B2 JP3108541B2 (ja) 2000-11-13

Family

ID=16904499

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23022492A Expired - Fee Related JP3108541B2 (ja) 1992-08-28 1992-08-28 筆記用具用水性インキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3108541B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711182A (ja) * 1993-06-22 1995-01-13 Citizen Watch Co Ltd 記録液
JPH0812916A (ja) * 1994-06-27 1996-01-16 Pentel Kk ボールペン用水性白色顔料インキ
WO1997035935A1 (fr) * 1996-03-27 1997-10-02 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Encre a base d'eau possedant un reflet metallique pour stylo a bille et encre a base de pigment aqueux
WO1999028398A1 (fr) * 1997-12-01 1999-06-10 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Encre a base aqueuse pour stylo-bille
WO2004106445A1 (ja) * 2003-05-27 2004-12-09 Sakura Color Products Corporation 水性インキ組成物
JP2008506807A (ja) * 2004-07-13 2008-03-06 オムヤ・デベロツプメント・アー・ゲー 乾燥品、水性懸濁液または分散液であり、無機物質および結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02214785A (ja) * 1989-02-14 1990-08-27 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性インキ
JPH0476074A (ja) * 1990-07-17 1992-03-10 Mikuni Shikiso Kk ホワイトボード用水性インキ
JPH06212106A (ja) * 1992-05-20 1994-08-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02214785A (ja) * 1989-02-14 1990-08-27 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性インキ
JPH0476074A (ja) * 1990-07-17 1992-03-10 Mikuni Shikiso Kk ホワイトボード用水性インキ
JPH06212106A (ja) * 1992-05-20 1994-08-02 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711182A (ja) * 1993-06-22 1995-01-13 Citizen Watch Co Ltd 記録液
JPH0812916A (ja) * 1994-06-27 1996-01-16 Pentel Kk ボールペン用水性白色顔料インキ
WO1997035935A1 (fr) * 1996-03-27 1997-10-02 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Encre a base d'eau possedant un reflet metallique pour stylo a bille et encre a base de pigment aqueux
US6099629A (en) * 1996-03-27 2000-08-08 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Water based ink and water based pigment ink having metallic lustrous color for ballpoint pen
WO1999028398A1 (fr) * 1997-12-01 1999-06-10 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Encre a base aqueuse pour stylo-bille
US6261351B1 (en) 1997-12-01 2001-07-17 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Water based ink for ball point pen
WO2004106445A1 (ja) * 2003-05-27 2004-12-09 Sakura Color Products Corporation 水性インキ組成物
US7538148B2 (en) 2003-05-27 2009-05-26 Sakura Color Products Corporation Aqueous ink composition
JP2008506807A (ja) * 2004-07-13 2008-03-06 オムヤ・デベロツプメント・アー・ゲー 乾燥品、水性懸濁液または分散液であり、無機物質および結合剤を含有する自己結合性顔料粒子の製造方法
US9011593B2 (en) 2004-07-13 2015-04-21 Omya International Ag Process for the manufacture of self-binding pigmentary particles, dry or in aqueous suspension or dispersion, containing inorganic matter and binders
US9644100B2 (en) 2004-07-13 2017-05-09 Omya International Ag Process for the manufacture of self-binding pigmentary particles, dry or in aqueous suspension or dispersion, containing inorganic matter and binders

Also Published As

Publication number Publication date
JP3108541B2 (ja) 2000-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU636321B2 (en) Recording liquid and ink-jet recording method making use thereof
JP4722462B2 (ja) 水性顔料インキ組成物
JPS62101672A (ja) 筆記具用水性顔料インキ
JP2002069346A (ja) 高級印刷方法
JP2003313466A (ja) インクジェット用インク
JPH02103274A (ja) 水性インキ組成物
WO2000001778A1 (fr) Encre a deux couleurs et instrument d'ecriture renfermant cette encre
JP2001200185A (ja) 水性エマルジョン型インク組成物
JPH10259337A (ja) 水性インキ用着色樹脂微粒子水性分散液
JP3108541B2 (ja) 筆記用具用水性インキ組成物
JPS6223793B2 (ja)
JP2001081382A (ja) スクラッチインキ組成物及びそれを用いた筆記具
JPS6045667B2 (ja) 記録液
JP2020050725A (ja) 筆記具用水性インキ組成物、及びそれを用いた筆記具。
JP3308414B2 (ja) 水性インキ組成物
JP2002067473A (ja) 印刷方法
JPH11193361A (ja) 水性インキ
JPS6227476A (ja) 記録用インキ
JP2001115070A (ja) 記録液、インクジェット用記録液及びインクジェット記録方法
JPS6072968A (ja) 水性顔料インキ
RU2811538C2 (ru) Неньютоновские чернила для шариковых ручек, содержащие нановолокна целлюлозы
JP2561099B2 (ja) マーキングインキ組成物
JP2004256706A (ja) 水性インキ及びそれを使用した筆記具セット
JP2007031590A (ja) マーキングインキ組成物
JPH0613659B2 (ja) マ−キングインキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees