JPH11209583A - 積層板用エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板

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JPH11209583A
JPH11209583A JP1182998A JP1182998A JPH11209583A JP H11209583 A JPH11209583 A JP H11209583A JP 1182998 A JP1182998 A JP 1182998A JP 1182998 A JP1182998 A JP 1182998A JP H11209583 A JPH11209583 A JP H11209583A
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epoxy resin
resin composition
proton
laminate
substituents
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JP1182998A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Go
義幸 郷
Sumiya Miyake
澄也 三宅
Hiroshi Nagata
永田  寛
Akiko Okubo
明子 大久保
Minoru Kobayashi
稔 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱成形時には速やかに硬化して高品質の成
形品を与え、また、良好な成形性を有すると共に、常温
付近においては長期にわたって安定に保存することが可
能な、積層板用エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用い
たプリプレグおよび積層板を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、ポリアミン
(B)、及び硬化促進効果を有し一般式[1]で表され
るオニウムボレート(C)を、有機溶剤中に均一に溶解
する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化可能な積層
板用エポキシ樹脂組成物に関するものである。さらに詳
しくは、成形時に加熱したときに速やかに硬化し、良好
な成形性及び高品質の成形品を与えることができ、かつ
常温付近においては長期にわたって安定に保存すること
が可能な、特にプリント配線板用として有用な樹脂組成
物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エポキシ樹脂多層プリント配線板
は、加工設備の自動化や省エネルギ−、生産性のさらな
る向上のため、短時間の加熱成形により所期の性能を発
現することが求められている。ワニスに多量に触媒を添
加することにより、短時間の加熱成形を可能にすること
も出来るが、加熱成形時の硬化性は向上する反面、成形
時の溶融粘度の上昇が著しくなり、回路パターンへの樹
脂の埋め込み性等の成形性の面で制御が困難となる。ま
た、触媒量を増加させることにより、室温付近での保存
中に樹脂の硬化反応が進行してしまい、特性が低下す
る。このように高温での速硬化性と成形性、常温保存性
を両立させることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、積層板用エ
ポキシ樹脂組成物のこのような問題点を解決すべく、鋭
意検討を進めた結果なされたもので、加熱成形時には速
やかに硬化して高品質の成形品を与え、また、良好な成
形性を有すると共に、常温付近においては長期にわたっ
て安定に保存することが可能な、積層板用エポキシ樹脂
組成物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、エポキシ
樹脂(A)、ポリアミン(B)、及び硬化促進効果を有
し一般式[1]で表されるオニウムボレート(C)を必
須成分とした積層板用エポキシ樹脂組成物である。さら
には、この樹脂組成物を用いたプリプレグ、および積層
板である。
【0005】
【化1】 式中、Xは複素環式含窒素化合物を表す。また、Z
1は、置換基Y1,Y2を有する有機基である。Y1,Y2
は、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出して
なる基であり、同一分子内の置換基Y1,Y2がホウ素原
子と結合してキレート構造を形成するものである。ま
た、Z2は、置換基Y3,Y4を有する有機基である。
3,Y4は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放
出してなる基であり、同一分子内の置換基Y3,Y4がホ
ウ素原子と結合してキレート構造を形成するものであ
る。Z1,Z2は互いに同一でも異なっていてもよく、Y
1,Y2,Y3,Y4も互いに同一でも異なっていてもよ
い。
【0006】
【発明の実施の形態】前述のように、エポキシ樹脂積層
板の加熱成形時間を短縮するため、硬化促進効果を有す
る触媒を添加することは、一般に行なわれているが、硬
化速度が向上する反面、成形時の溶融粘度の上昇が著し
くなり、回路パターンへの樹脂の埋め込み性等の成形性
の面で制御が困難となる。また、室温付近での保存中に
樹脂の硬化反応が進行してしまい、樹脂組成物やプリプ
レグが常温においても長期間保存できないという欠点が
生じる。
【0007】本発明においてはこのような問題を解決す
るため、硬化促進効果を有する触媒について鋭意検討し
た結果、一般式[1]で表されるオニウムボレート
(C)を用いることにより、加熱成形時間の短縮と、樹
脂組成物やプリプレグの長期保存の両立を可能にした。
特に、プリプレグの使用状態であるBステージ状態にお
いて、成形性や常温保存性を犠牲にすることなしに、成
形温度では最終硬化にいたる硬化速度が速く、硬化性、
成形性、保存安定性を高度かつ同時に満たす、潜伏性触
媒を技術骨子とするものである。
【0008】本発明において使用するエポキシ樹脂
(A)としては、従来より電気絶縁用途に使用されてき
た、エポキシ基を2個以上有する任意のものを使用でき
る。その例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、グリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を持ったエ
ポキシ樹脂、ナフタレン骨格を持ったエポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン骨格を持ったエポキシ樹脂、リモネ
ン骨格を持ったエポキシ樹脂、あるいは、3官能、4官
能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸
のポリグリシジルエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物のポリグリシジルエステル等の多官能のエポキシ樹
脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹
脂等が挙げられる。更には、難燃性を付与するために、
上述のエポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹
脂、あるいは上述のエポキシ樹脂とテトラブロモビスフ
ェノールA、ビスフェノールAとの共縮合物、上述のエ
ポキシ樹脂にテトラブロモビスフェノールA、ビスフェ
ノールAをブレンドしたもの、前述のエポキシ樹脂にジ
グリシジルエーテルテトラブロモビスフェノールAをブ
レンドしたもの等も使用することができる。
【0009】また、ポリアミン(B)はエポキシ樹脂の
硬化剤として作用するもので、具体的には、4,4'-ジア
ミノジフェニルメタン、4,4'-ジジアミノジフェニルス
ルホン、メタフェニレンジアミン、4,4'-ジアミノ-3,3'
-ジジエチル-5,5'-ジ4,4'-ジジメチルジフェニルメタ
ン、3,3'-ジジメトキシ-4,4'-ジジアミノジフェニル、
3,3'-ジジメチル-4,4'-ジ-4,4'-ジジアミノジフェニ
ル、2,2'-ジジクロロ-4,4'-ジジアミノ-5,5'-ジジメト
キシジメチル、2,2',5,5'-テトラクロロ-4,4'-ジジアミ
ノジフェニル、4,4'-ジメチレンビス(2−クロロアニ
リン)、2,2',3,3'-テトラクロロ-4,4'-ジジアミノジフ
ェニルメタン、4,4'-ジジアミノジフェニルエ−テル、
4,4'-ジジアミノベンズアニリド、3,3'-ジジヒドロキシ
-4,4'-ジジアミノビフェニル、9,9'-ジビス(4-アミノ
フェニル)フルオレン、9,9'-ジビス(4-アミノフェニ
ル)アントラセン、エチレンジアミン、ジエチルアミノ
プロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロン
ジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)
メタン等が例示される。
【0010】また、ポリアミンとしてグアニジン誘導体
を併用すると、保存安定性・硬化性などの特性向上に有
効であり、そのようなグアニジン誘導体の例としては、
ジシアンジアミド、ジシアンジアミドアニリンアダク
ト、ジシアンジアミド芳香族アミン付加物、1-オルソト
リルジグアニド、α-2,5-ジメチルグアニド、α,ω-ジ
フェニルジグアニジド、α,α'-ビスグアニルグアニジ
ノジフェニルエ−テル、p-クロロフェニルジグアニ
ド、α,α'-ヘキサメチレンビス[ω-(p-クロロフェ
ノ−ル)]ジグアニド、フェニルジグアニドオキサレ−
ト、1置換あるいは2置換のアルキル変性フェニルジグ
アニド、アセチルグアニジン、ジエチルシアノアセチル
グアニジン等が例示される。
【0011】潜伏性の硬化促進触媒となるオニウムボレ
ート(C)は、前記のような一般式[1]で表される。
式中、Xは複素環式含窒素化合物を表し、プロトンが付
加してオニウムカチオン[HX]+を形成する。このよ
うな化合物Xの例としては、例えば、ジアザビシクロア
ルケン類、イミダゾール類、イミダゾリジン類、オキサ
ゾール類、ピロール類、チアゾール類、ピリジン類、ピ
ラジン類、モルホリン類、ピリダジン類、ピリミジン
類、ピラゾール類、キノキサリン類、キナゾリン類、フ
タロジン類、キノリン類、プリン類、インダゾール類、
インドール類、インドラジン類、フェナジン類、フェナ
ルシン類、フェノチアジン類、ピロリン類、インドリン
類、ピペリジン類、ピペラジン類、ピロリジン類等の化
合物を挙げることができる。
【0012】上記の複素環式含窒素化合物の中で、ジア
ザビシクロアルケン類やイミダゾール類が特に好適であ
り、具体的な例としては、ジアザビシクロアルケンの例
としては、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、1,
5-ジアザビシクロ[4.4.0]-5-デセン、1,8-ジアザビシ
クロ[5.4.0]-7-ウンデセン等が挙げられ、またイミダ
ゾール類の例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチ
ルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4
-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾー
ル、1-ベンジルイミダゾール、2-クロロイミダゾール、
2-シアノイミダゾール等を挙げることができる。
【0013】ボレート基側の有機基Z1は、置換基Y1
2を有する有機基であり、Y1,Y2は1価のプロトン
供与性置換基がプロトンを放出してなる基である。ま
た、有機基Z2は、置換基Y3,Y4を有する有機基であ
り、Y3,Y4は1価のプロトン供与性置換基がプロトン
を放出してなる基である。これらから構成される有機基
1−Z1−Y2、およびY3−Z2−Y4は、2価以上のプ
ロトン供与体がプロトンを2個放出してなる基であり、
同一分子内の置換基Y1,Y2およびY3,Y4は、ホウ素
原子と結合してキレート構造を形成する。Z1,Z2は互
いに同一でも異なっていてもよく、Y1,Y2,Y3,Y4
は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0014】このような置換基Y1−Z1−Y2およびY3
−Z2−Y4を与える、プロトン供与体HY1−Z1−Y2
H,HY3−Z2−Y4Hとしては、カルボン酸やフェノ
ール化合物、または多価アルコール類が含まれる。これ
らのプロトン供与体の中でも特に、分子内にカルボキシ
ル基を少なくとも2個有する芳香族カルボン酸か、分子
内にカルボキシル基を少なくとも1個と水酸基を少なく
とも1個有する芳香族カルボン酸か、または分子内に少
なくとも2個の水酸基を有しカルボキシル基を有さない
フェノール化合物が好ましく、また、2個の置換基Y1
およびY2、またはY3およびY4は、有機基Z1またはZ
2に対してそれぞれ互いに隣接していることがさらに好
ましい。
【0015】このような置換基Y1−Z1−Y2およびY3
−Z2−Y4を与える、プロトン供与体HY1−Z1−Y2
H,HY3−Z2−Y4Hの具体的な例としては、分子内
にカルボキシル基を少なくとも2個有する芳香族カルボ
ン酸の例では、例えば、o-フタル酸、1,8-ナフタル
酸、2,3-ピリジンカルボン酸、トリメリト酸、ピロメリ
ト酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸などが挙げ
られる。また、分子内にカルボキシル基を少なくとも1
個と水酸基を少なくとも1個有する芳香族カルボン酸の
例としては、サリチル酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ
酸、2-ヒドロキシビフェニル-3-カルボン酸、4-ヒドロ
キシビフェニル-3-カルボン酸、2,2'-ビフェノール-4-
カルボン酸などがあり、分子内に少なくとも2個の水酸
基を有し、カルボキシル基を有さないフェノール化合物
の例としては、カテコール、レゾルシノール、2,3-ジヒ
ドロキシナフタレン、2,2'-ビフェノール等を挙げるこ
とができる。上記の化合物は一例であって、勿論これら
に限定されるものではない。
【0016】本発明におけるオニウムボレート(C)
は、エポキシ樹脂の硬化促進剤として作用するが、活性
種であるオニウムカチオンとボレートアニオンが、互い
にイオン対を形成して保護されているために、常温では
触媒活性が抑制されるが、成形時の温度においては、イ
オン対はアニオンとカチオンに解離して急激に触媒活性
を発現するため、エポキシ樹脂組成物の常温保存性と速
硬化性の両立が可能となる。また、これらのオニウムボ
レートを組み合わせ、あるいは、エポキシ樹脂組成物へ
の添加量を変えることにより、樹脂組成物の硬化速度を
容易に調整することが可能になり、成形性の面において
も有利である。
【0017】また、オニウムボレートに、従来よりエポ
キシ樹脂積層板用に硬化促進剤として用いられている、
2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾー
ル、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミ
ダゾ−ル・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾー
ル・トリメリット酸付加物等のイミダゾール類や、その
他当業者に公知の硬化促進剤を併用することももちろん
可能である。
【0018】オニウムボレート(C)のエポキシ樹脂に
対する配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、
0.01〜10重量部であることが望ましい。オニウム
ボレートの配合量が10重量部より多くなると、成形時
の粘度上昇が速くなり、成形性が低下する。また、樹脂
組成物を溶媒に溶解したワニスの保存性も低下し、速硬
化性と成形性・ワニス保存性の両立が困難になる。さら
には、添加量の増加に伴う物性低下の影響も無視できな
くなる。一方、オニウムボレートの配合量が0.01重
量部より少なくなると満足な速硬化性が得られなくな
る。
【0019】エポキシ樹脂組成物を基材に塗布して、プ
リプレグあるいは積層板を調製するためには、樹脂組成
物を反応性希釈剤あるいは溶剤に溶解して、ワニスとし
て用いるのが一般的である。反応性希釈剤としては、n
-ブチルグリシジルエ−テル、アリルグリシジルエ−テ
ル、スチレンオキサイト、フェニルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルエーテ
ル、ジグリシジルアニリン、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエー
テル等を用いることが出来る。また、溶剤としては、ア
セトン、メチルエチルケチン、トルエン、キシレン、エ
チレングリコールモノエチルエーテル及びそのアセテー
ト化合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル及
びそのアセテート化物、ジメチルホルムアミド、メタノ
ール、エタノール等が挙げられる。
【0020】また、塗布方法によっては、チクソトロピ
ー性を付与するために、無機充填材を配合することも可
能である。例えば、酸化アルミニウム、水和シリカアル
ミナ、酸化アンチモン、チタン酸バリウム、コロイダル
シリカ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、シ
リカ、シリコンカーバイド、タルク、酸化チタン、石
英、酸化ジルコニウム、珪酸ジルコニウム、窒化ボロ
ン、炭素、グラファイト等の微粒子粉末が例示される。
【0021】また、銅などの金属箔との密着性あるいは
無機充填剤との密着性の向上のため、カップリング剤の
添加も可能である。カップリング剤としては、シランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミキ
レート系カップリング剤等が使用可能であり、例えば、
クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロ
シラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N-β
-(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリメタクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオ
クチルフィロフォスフェート)チタネート、イソプロピ
ルイソステアロイルジ(4-アミノベンゾイル)チタネー
ト等が例示される。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもの
ではない。
【0023】(実施例1〜6、及び比較例1〜6)多層
プリント配線板を調製し、特性評価のため、加熱成形時
の成形性、得られた積層板の樹脂のガラス転移温度、吸
湿半田耐熱性、およびプリプレグの保存安定性の評価を
行った。それぞれの評価方法は、下記の通りとした。
【0024】1.ガラス転移温度 加熱成形後の多層プリント配線板から、硬化したプリプ
レグ層のみを切り取り、自動粘弾性測定装置RHEOV
IBRON DDV−3−EP(オリエンテック(株)
製)を用いて、周波数11Hz、昇温速度5℃/分、引
張りモードで測定した。動的粘弾性曲線におけるtan
δピーク温度をガラス転移温度とした。
【0025】2.成形性 加熱成形後の多層プリント配線板の、外層銅箔をエッチ
ング処理により除去した後、露出したプリプレグ層から
見える内層回路のパターンへの、樹脂の埋め込み性を比
較評価した。
【0026】3.吸湿半田耐熱性 得られた多層プリント回路板を、125℃、2.3気
圧、1時間の条件にて、PCT(プレッシャークッカー
テスト)吸湿処理を行ない、更に、260℃の半田槽に
2分間浮かべたときの、膨れ発生の有無を観察した。
【0027】4.プリプレグの保存性 塗布乾燥直後のプリプレグを、40℃で7日間保存し、
保存後の流動性を比較評価した。
【0028】(実施例1〜6)まず、基材厚0.18m
m、銅箔厚35μmのガラスエポキシ両面銅張積層板を
表面研磨し、ソフトエッチングして防錆処理膜を除いた
後、エッチングにより回路を形成させた。これに一般的
に黒処理と呼ばれる酸化処理を施し、回路表面を粗化し
て、内層回路板を調製した。次に、表1に示すような組
成比で各成分を配合して、エポキシ樹脂組成物ワニスを
調製し、これを定法により、厚さ180μmのガラス布
に含浸させ、乾燥処理してプリプレグを得た。なお、実
施例1〜6で用いた6種類の硬化促進剤(オニウムボレ
ート)の化学構造式を化[2]〜化[7]に示した。
【0029】このプリプレグを、内層回路板の両面にそ
れぞれ1枚ずつ重ね合わせ、さらにその両側に、厚さ1
8μmの銅箔を1枚ずつ重ねて、真空圧プレスにて加熱
成形し、多層プリント配線板を得た。加熱成形は室温か
ら始めて、材料の昇温スピードは8℃/分とした。材料
の最高到達温度は170℃で、昇温冷却を含めて成形に
要した時間は60分間であった。この時の成形性、得ら
れた積層板の樹脂のガラス転移温度、吸湿半田耐熱性、
およびプリプレグの保存性の評価結果を、表1にまとめ
て示した。
【0030】
【表1】
【0031】(比較例1〜6)まず、実施例と同様にし
て、回路表面を粗化した内層回路板を調製した。次に、
表2に示すような組成比で各成分を配合して、エポキシ
樹脂組成物ワニスを調製し、実施例と同様に含浸、乾燥
処理して、比較例のプリプレグを得た。さらに、実施例
と同様にして多層プリント配線板を調製し、特性を評価
した。評価結果は表2にまとめて示した。
【0032】
【表2】
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】各実施例における硬化後の樹脂のガラス転
移温度は、いずれも150℃以上であり、比較例に比べ
て高い値を示した。また、成形性、吸湿半田耐熱性、4
0℃7日保存後のプリプレグの流動性も、全て良好な結
果であった。これに対して、比較例においては、全般に
実施例に比べてガラス転移温度が低く、比較例1〜2で
は吸湿半田耐熱性は良好であったが、成形時に内層回路
パターンに樹脂の充填不良が生じ、ボイドが発生した。
一方、比較例5〜6では成形性は良好であったが、吸湿
半田試験で膨れが発生し、比較例3〜4では成形性,吸
湿半田耐熱性ともに不良を生じた。また、比較例1〜6
は全て、40℃7日保存後の流動性が著しく低下し、比
較例はいずれも満足できるものではなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物
は、硬化性に優れ、短い積層成形時間でも十分に硬化可
能であり、常温における保存安定性、さらには成形性に
も優れ、積層板あるいはプリント配線の製造に好適に用
いることができる。特に、速硬化性に優れているので、
従来1回のプレスで150分以上かかっていた加熱成形
時間を、60分程度まで短縮することが可能となり、製
造コストが大幅に削減され、品質管理,在庫管理に費や
す工数も大幅に削減されるようになる。また、成形性、
ワニスの保存性、その他の物性は、従来の品質を維持す
ることができ、高温での速硬化性と成形性、ワニスの常
温保存性の両立に対して極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/24 CFC C08J 5/24 CFC (72)発明者 大久保 明子 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 小林 稔 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、ポリアミン
    (B)、及び一般式[1]で表されるオニウムボレート
    (C)を必須成分とする積層板用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 式中、Xは複素環式含窒素化合物を表す。また、Z
    1は、置換基Y1,Y2を有する有機基である。Y1,Y2
    は、1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放出して
    なる基であり、同一分子内の置換基Y1,Y2がホウ素原
    子と結合してキレート構造を形成するものである。ま
    た、Z2は、置換基Y3,Y4を有する有機基である。
    3,Y4は1価のプロトン供与性置換基がプロトンを放
    出してなる基であり、同一分子内の置換基Y3,Y4がホ
    ウ素原子と結合してキレート構造を形成するものであ
    る。Z1,Z2は互いに同一でも異なっていてもよく、Y
    1,Y2,Y3,Y4も互いに同一でも異なっていてもよ
    い。
  2. 【請求項2】 一般式[1]で表されるオニウムボレー
    ト(C)の、置換基Y1−Z1−Y2及びY3−Z2−Y4
    表されるプロトン供与体がプロトンを2個放出してなる
    基がそれぞれ、分子内にカルボキシル基を少なくとも2
    個有する芳香族カルボン酸、分子内にカルボキシル基を
    少なくとも1個と水酸基を少なくとも1個有する芳香族
    カルボン酸、および、分子内に少なくとも2個の水酸基
    を有しカルボキシル基を有さないフェノール化合物から
    選ばれた1種が、プロトンを放出してなる基であること
    を特徴とする請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 一般式[1]で表されるオニウムボレー
    ト(C)の、Xで表される複素環式含窒素化合物が、ジ
    アザビシクロアルケン類の中から選ばれた1種であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 一般式[1]で表されるオニウムボレー
    ト(C)の、Xで表される複素環式含窒素化合物が、イ
    ミダゾール類の中から選ばれた1種であることを特徴と
    する、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板
    用エポキシ樹脂組成物と基材とで、基本的に構成される
    ことを特徴とするプリプレグ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の積層板
    用エポキシ樹脂組成物と基材とで、基本的に構成される
    ことを特徴とする積層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7166724B2 (en) * 2000-05-30 2007-01-23 Merck Patent Gmbh Ionic liquids

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