JP2001226458A - 積層板用エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板 - Google Patents

積層板用エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板

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JP2001226458A
JP2001226458A JP2000041769A JP2000041769A JP2001226458A JP 2001226458 A JP2001226458 A JP 2001226458A JP 2000041769 A JP2000041769 A JP 2000041769A JP 2000041769 A JP2000041769 A JP 2000041769A JP 2001226458 A JP2001226458 A JP 2001226458A
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JP2000041769A
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Minoru Kobayashi
稔 小林
Takeshi Endo
剛 遠藤
Fumio Mita
文雄 三田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱成形時には速やかに硬化して高品質の成
形品を与え、また、良好な成形性を有すると共に、常温
付近においては長期にわたって安定保存することが可能
な、積層板用エポキシ樹脂組成物、ならびにこれを用い
たプリプレグおよび積層板を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂(A)、ポリアミン
(B)、および一般式(1)で表される構造の硬化促進
剤(C)を必須成分とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化可能な積層
板用エポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、成形
時に加熱したときに速やかに硬化し、良好な成形性及び
高品質の成形品を与えることができ、かつ常温付近にお
いては長期にわたって安定に保存することが可能な、特
にプリント配線板用として有用な樹脂組成物、並びにこ
れを用いたプリプレグおよび積層板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エポキシ樹脂多層プリント配線板
は、加工設備の自動化や省エネルギ−、生産性のさらな
る向上のため、短時間の加熱成形により所期の性能を発
現することが求められている。ワニスに多量に触媒を添
加することにより、短時間の加熱成形を可能にすること
も出来るが、加熱成型時の硬化性が向上する反面、成形
時の溶融粘度の上昇が著しくなり、回路パターンへの樹
脂の埋め込み性等の、成形性の面で制御が困難となる。
また、触媒量を増加させることにより、室温付近での保
存中に樹脂の硬化反応が進行してしまい、特性が低下す
る。このように高温での速硬化性と成形性、常温保存性
を両立させることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、積層板用エ
ポキシ樹脂組成物のこのような問題点を解決すべく、鋭
意検討を進めた結果なされたもので、加熱成形時には速
やかに硬化して高品質の成形品を与え、また良好な成形
性を有すると共に、常温付近においては長期にわたって
安定に保存することが可能な、積層板用エポキシ樹脂組
成物、並びにこれを用いたプリプレグおよび積層板を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、エポキシ
樹脂(A)、ポリアミン(B)、及び一般式(1)で表
される構造の硬化促進剤(C)を必須成分とした、積層
板用エポキシ樹脂組成物である。またさらには、この樹
脂組成物を用いたプリプレグ、および積層板である。
【0005】
【化2】
【0006】式中、R1〜R3は、アルキル基、置換また
は無置換(以下、置換・無置換と記す)アリール基、お
よび置換・無置換アラルキル基からなる群から選ばれた
少なくとも1種を表し、それらは互いに同一であっても
異なっていても良い。R4〜R5は、水素、ハロゲン、置
換・無置換アルキル基、置換・無置換アリール基、置換
・無置換アラルキル基、置換・無置換アシル基、置換・
無置換アリーロイル基、およびシアノ基からなる群から
選ばれた少なくとも1種を表し、それらは互いに同一で
あっても異なっていても良い。Xは13族のルイス酸性
を有する元素であり、Lは水素原子、置換・無置換アル
キル基、置換・無置換アリール基、置換・無置換アラル
キル基、置換・無置換アルコキシ基、置換・無置換アリ
ーロキシ基、置換・無置換アシロキシ基、および置換・
無置換アリーロイロキシ基からなる群から選ばれた少な
くとも1種を表し、それらは互いに同一であっても異な
っていても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】前述のように、エポキシ樹脂積層
板の加熱成形時間を短縮するため、硬化促進効果を有す
る触媒を添加することは、一般に行なわれているが、硬
化速度が向上する反面、成形時の溶融粘度の上昇が著し
くなり、回路パターンへの樹脂の埋め込み性等の成形性
の面で制御が困難となる。また、室温付近での保存中に
樹脂の硬化反応が進行してしまい、樹脂組成物やプリプ
レグが常温においても長期間保存できないという欠点が
生じる。
【0008】本発明においてはこのような問題を解決す
るため、硬化促進効果を有する触媒について鋭意検討し
た結果、一般式(1)で表される構造の硬化促進剤
(C)を用いることにより、加熱成形時間の短縮と、樹
脂組成物やプリプレグの長期保存の両立を可能にした。
特に、プリプレグの使用状態であるBステージ状態にお
いて、成形性や常温保存性を犠牲にすることなしに、成
形温度では最終硬化にいたる硬化速度が速く、硬化性、
成形性、保存安定性を高度かつ同時に満たす、潜伏性触
媒を技術骨子とするものである。
【0009】本発明において使用するエポキシ樹脂
(A)としては、従来より電気絶縁用途に使用されてき
た、エポキシ基を2個以上有する任意のものを使用でき
る。その例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、グリシ
ジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を持ったエ
ポキシ樹脂、ナフタレン骨格を持ったエポキシ樹脂、ジ
シクロペンタジエン骨格を持ったエポキシ樹脂、リモネ
ン骨格を持ったエポキシ樹脂、あるいは、3官能、4官
能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸
のポリグリシジルエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物のポリグリシジルエステル等の多官能のエポキシ樹
脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹
脂等が挙げられる。
【0010】更には、難燃性を付与するために、上述の
エポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹脂、あ
るいは上述のエポキシ樹脂とテトラブロモビスフェノー
ルA、ビスフェノールAとの共縮合物、上述のエポキシ
樹脂にテトラブロモビスフェノールA、ビスフェノール
Aをブレンドしたもの、前述のエポキシ樹脂にジグリシ
ジルエーテルテトラブロモビスフェノールAをブレンド
したもの等も使用することができる。
【0011】また、ポリアミン(B)は、エポキシ樹脂
の硬化剤として作用するもので、当業者において公知の
ものはすべて用いることができるが、特に、エチレンジ
アミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2〜C20の直鎖脂
肪族ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレ
ンジアミン、o−キシレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプ
ロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジア
ミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フ
ェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシ
リレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,1−ビ
ス(4−アミノフェニル)シクロヘキサンなど例示され
るが、特にこれらに限定されるものではない。耐熱性や
価格、供給安定性、汎用性などの点から、含芳香族ジア
ミンが好ましく、さらに具体的には、 4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、 p−フェニレンジアミンなど
が好ましい。
【0012】さらに、ポリアミンとしてグアニジン誘導
体を併用すると、保存安定性、硬化性などの特性向上に
有効である。そのようなグアニジン誘導体の例として
は、ジシアンジアミド、ジシアンジアミドアニリンアダ
クト、ジシアンジアミド芳香族アミン付加物、1-オルソ
トリルジグアニド、α-2,5-ジメチルグアニド、α,ω-
ジフェニルジグアニジド、α,α'-ビスグアニルグアニ
ジノジフェニルエ−テル、p-クロロフェニルジグアニ
ド、α,α'-ヘキサメチレンビス[ω-(p-クロロフェ
ノ−ル)]ジグアニド、フェニルジグアニドオキサレ−
ト、1置換あるいは2置換のアルキル変性フェニルジグ
アニド、アセチルグアニジン、ジエチルシアノアセチル
グアニジン等が例示される。
【0013】硬化促進剤(C)は、前記のように一般式
(1)で表される。一般式(1)において、置換基R1
〜R3は、アルキル、置換・無置換アリール、および置
換・無置換アラルキルからなる群から選ばれた少なくと
も1種であり、具体的には、メチル、エチル、ブチルな
どのアルキル基、フェニル、ナフチル、トリル、アニシ
ルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基が例
示される。
【0014】置換基R4〜R5は、水素、ハロゲン、置換
・無置換アルキル基、置換・無置換アリール基、置換・
無置換アラルキル基、置換・無置換アシル基、置換・無
置換アリーロイル基、およびシアノ基からなる群から選
ばれた少なくとも1種であり、具体的には、水素、シア
ノ基の他、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲ
ン、メチル、エチル、ブチル、などのアルキル基、ある
いは対応するパーフルオロアルキル基、フェニル、ナフ
チル、トリル、アニシル、ニトロフェニル、シアノフェ
ニルなどの置換・無置換アリール基、ペンタフルオロフ
ェニルなどの対応するパーフルオロアリール基、ベンジ
ルなどのアラルキル基、ホルミル、アセチル、プロピオ
ニル、ベンゾイル、ナフトイル、トルオイル、アニソイ
ル、シアノベンゾイル、ニトロベンゾイルなどのアシル
基、アリーロイル基などが例示される。
【0015】また、Xは13族のルイス酸性を示す元素
であり、周期表によれば、ホウ素、アルミニウム、ガリ
ウム、インジウム、およびタリウム原子であるが、特に
ホウ素、およびアルミニウム原子が望ましい。しかし、
有機ボラン類や有機アルミニウム類は、会合しやすい性
質を持つことが知られている。例えば、ボラン類は二量
体のジボランに、アルミニウム類は複核クラスター状に
会合する。このことは、本発明における触媒の安定性を
低下させる原因となっていた。
【0016】そこで本発明においては、会合度を減らす
ために、Lに嵩高い置換基または二座配位子を導入し、
触媒の安定性を向上させた。具体的には、Lとして、フ
ェニル基、トリル基、メシチル基、ペンタフルオロフェ
ニル基、ベンゾイル基、ナフチル基、ナフトイル基、フ
ェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジ-t-ブ
チルフェノキシ基、ノルマルプロピル基、イソプロピル
基、または相互に結合し環状構造となっている、カテコ
ール基、アセチルアセトネート基、2,2,6,6-テトラメチ
ル-3,5-ヘプタンジオネート基、3-ヒドロキシ-2-メチル
-4H-ピラノ-4-エート基、9-ビシクロ[3, 3, 1]ノニル基
などが例示される。
【0017】本発明における硬化促進剤(C)は、常温
では触媒活性が抑制されるが、成形時の高温では急激に
触媒活性を発現するため、エポキシ樹脂組成物の常温保
存性と速硬化性の両立が可能となる。また、一般式
(1)で表される硬化促進剤(C)と共に、従来よりエ
ポキシ樹脂積層板用に硬化促進剤として用いられてい
る、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダ
ゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-メチル
イミダゾ−ル・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダ
ゾール・トリメリット酸付加物等のイミダゾール類等を
併用することも可能である。イミダゾール類と組み合わ
せ、エポキシ樹脂組成物への添加量を変えることによ
り、樹脂組成物の硬化速度を容易に調節することが可能
となり、成形性の面でも有利である。また、その他当業
者に公知の硬化促進剤を併用することも勿論可能であ
る。
【0018】硬化促進剤(C)のエポキシ樹脂に対する
配合量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.0
1〜10重量部とするのが望ましい。配合量が10重量
部より多くなると、成形時の粘度上昇が速くなり、成形
性が低下する。また、樹脂組成物を溶媒に溶解したワニ
スの保存性も低下し、速硬化性と成形性・ワニス保存性
の両立が困難になる。さらには、添加量の増加に伴う物
性低下の影響も無視できなくなる。一方、硬化促進剤の
配合量が0.01重量部より少なくなると、満足な速硬
化性が得られなくなる。
【0019】エポキシ樹脂組成物を基材に塗布して、プ
リプレグあるいは積層板を調製するためには、樹脂組成
物を反応性希釈剤あるいは溶剤に溶解して、ワニスとし
て用いるのが一般的である。反応性希釈剤としては、n
-ブチルグリシジルエ−テル、アリルグリシジルエ−テ
ル、スチレンオキサイト、フェニルグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルエーテ
ル、ジグリシジルアニリン、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエー
テル等を用いることができる。また、溶剤としては、ア
セトン、メチルエチルケチン、トルエン、キシレン、エ
チレングリコールモノエチルエーテル及びそのアセテー
ト化合物、プロピレングリコールモノエチルエーテル及
びそのアセテート化物、ジメチルホルムアミド、メタノ
ール、エタノール等が挙げられる。
【0020】また、塗布方法によっては、チクソトロピ
ー性を付与するために、無機充填材を配合することも可
能である。使用できる無機充填材としては、例えば、酸
化アルミニウム、水和シリカアルミナ、酸化アンチモ
ン、チタン酸バリウム、コロイダルシリカ、炭酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、マイカ、シリカ、シリコンカー
バイド、タルク、酸化チタン、石英、酸化ジルコニウ
ム、珪酸ジルコニウム、窒化ボロン、炭素、グラファイ
ト等の微粒子粉末が例示される。
【0021】また、銅などの金属箔や無機充填剤との密
着性の向上のため、カップリング剤の添加も可能であ
る。カップリング剤としては、シランカップリング剤、
チタネート系カップリング剤、アルミキレート系カップ
リング剤等が使用可能であり、例えば、クロロプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ-グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、N-β-(アミノエチ
ル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリイ
ソステアロイルチタネート、イソプロピルトリメタクリ
ルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフィロフ
ォスフェート)チタネート、イソプロピルイソステアロ
イルジ(4-アミノベンゾイル)チタネート等が例示され
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもの
ではない。ここでは、多層プリント配線板を調製し、特
性評価のため、加熱成形時の成形性、得られた積層板の
樹脂のガラス転移温度、吸湿半田耐熱性、およびプリプ
レグの保存安定性の評価を行った。それぞれの評価方法
は、下記の通りとした。
【0023】1.成形性 加熱成形後の多層プリント配線板の、外層銅箔をエッチ
ング処理により除去した後、露出した硬化プリプレグ層
から見える内層回路パターンへの、樹脂の埋め込み状態
を比較評価した。
【0024】2.ガラス転移温度 加熱成形後の多層プリント配線板から、硬化したプリプ
レグ層のみを切り取り、自動粘弾性測定装置RHEOV
IBRON DDV−3−EP(オリエンテック(株)
製)を用いて、周波数11Hz、昇温速度5℃/分、引
張りモードで測定した。動的粘弾性曲線におけるtan
δピーク温度を、ガラス転移温度とした。
【0025】3.吸湿半田耐熱性 得られた多層プリント回路板を、125℃、2.3気
圧、1時間の条件にて、PCT(プレッシャークッカー
テスト)吸湿処理を行ない、更に、260℃の半田槽に
2分間浮かべた時の、膨れ発生の有無を観察した。
【0026】4.プリプレグの保存性 塗布乾燥して得られたプリプレグを、40℃で7日間保
存し、保存後の流動性を比較評価した。
【0027】(実施例1〜5)まず、基材厚0.18m
m、銅箔厚35μmのガラスエポキシ両面銅張積層板を
表面研磨し、ソフトエッチングして防錆処理膜を除いた
後、エッチングにより回路を形成させた。これに一般的
に黒処理と呼ばれる酸化処理を施し、回路表面を粗化し
て、内層回路板を調製した。次に、表1に示すような組
成比で各成分を配合して、エポキシ樹脂組成物ワニスを
調製し、これを定法により、厚さ180μmのガラス布
に含浸させ、乾燥処理してプリプレグを得た。なお、実
施例1〜5で用いた5種類の硬化促進剤の化学構造式
は、式(2)〜式(6)に示した通りである。
【0028】このプリプレグを、内層回路板の両面にそ
れぞれ1枚ずつ重ね合わせ、さらにその両側に、厚さ1
8μmの銅箔を1枚ずつ重ねて、真空圧プレスにて加熱
成形し、多層プリント配線板を得た。加熱成形は室温か
ら始めて、材料の昇温スピードは8℃/分とした。材料
の最高到達温度は170℃で、昇温冷却を含めて成形に
要した時間は60分間であった。この時の成形性、得ら
れた積層板の樹脂のガラス転移温度、吸湿半田耐熱性、
およびプリプレグの保存性の評価結果を、表1にまとめ
て示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】(比較例1〜5)まず、実施例と同様にし
て、回路表面を粗化した内層回路板を調製した。次に、
表2に示すような組成比で各成分を配合して、エポキシ
樹脂組成物ワニスを調製し、実施例と同様に含浸、乾燥
処理して、比較例のプリプレグを得た。さらに、実施例
と同様にして多層プリント配線板を調製し、特性を評価
した。評価結果は、表2にまとめて示した。
【0036】
【表2】
【0037】各実施例における硬化後の樹脂のガラス転
移温度は、いずれも150℃以上であり、比較例に比べ
て高い値を示した。また、成形性、吸湿半田耐熱性、4
0℃7日保存後のプリプレグの流動性も全て良好な結果
であった。これに対して、比較例においては、全般に実
施例に比べてガラス転移温度が低く、比較例1,2,5
では、吸湿半田耐熱性は良好であったが、成形時に内層
回路パターンに樹脂の充填不良が生じ、ボイドが発生し
た。一方、比較例3〜4では、成形性は良好であった
が、吸湿半田試験で膨れが発生した。40℃7日保存後
のプリプレグの流動性は、いずれも著しく低下し、比較
例1〜5はいずれも満足できるものではなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の積層板用エポキシ樹脂組成物
は、硬化性に優れ、短い積層成形時間でも十分に硬化可
能であり、常温における保存安定性、さらには成形性に
も優れ、積層板あるいはプリント配線の製造に好適に用
いることができる。特に、速硬化性に優れているので、
従来1回のプレスで150分以上かかっていた加熱成形
時間を、60分程度まで短縮することが可能となり、製
造コストが大幅に削減され、品質管理,在庫管理に費や
す工数も大幅に削減されるようになる。また、成形性、
ワニスの保存性、その他の物性は、従来の品質を維持す
ることができ、高温での速硬化性と成形性、ワニスの常
温保存性の両立に対して極めて有効である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA05 AA07 AD23 AE01 AE02 AF19 AF28 AG03 AL12 4F100 AB17B AG00A AK31A AK53A BA01 BA02 CA02A DH01A GB43 4J036 AA01 DA05 DC02 DC06 DC10 DC26 DC41 FA03 FA04 FA05 FA13 GA23 JA05 JA08 JA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、ポリアミン
    (B)、および一般式(1)で表される構造の硬化促進
    剤(C)を必須成分とする積層板用エポキシ樹脂組成
    物。 【化1】 式中、R1〜R3は、アルキル基、置換または無置換(以
    下、置換・無置換と記す)アリール基、および置換・無
    置換アラルキル基からなる群から選ばれた少なくとも1
    種を表し、それらは互いに同一であっても異なっていて
    も良い。R4〜R5は、水素、ハロゲン、置換・無置換ア
    ルキル基、置換・無置換アリール基、置換・無置換アラ
    ルキル基、置換・無置換アシル基、置換・無置換アリー
    ロイル基、およびシアノ基からなる群から選ばれた少な
    くとも1種を表し、それらは互いに同一であっても異な
    っていても良い。Xは13族のルイス酸性を有する元素
    であり、Lは水素原子、置換・無置換アルキル基、置換
    ・無置換アリール基、置換・無置換アラルキル基、置換
    ・無置換アルコキシ基、置換・無置換アリーロキシ基、
    置換・無置換アシロキシ基、および置換・無置換アリー
    ロイロキシ基からなる群から選ばれた少なくとも1種を
    表し、それらは互いに同一であっても異なっていても良
    い。
  2. 【請求項2】 一般式(1)中の置換基Lが、フェニル
    基、トリル基、メシチル基、ペンタフルオロフェニル
    基、ベンゾイル基、ナフチル基、ナフトイル基、フェノ
    キシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジ-t-ブチル
    フェノキシ基、ノルマルプロピル基、およびイソプロピ
    ル基からなる群より選ばれた1種であることを特徴とす
    る、請求項1記載の積層板用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中の置換基Lが、分子内二
    座配位性置換基の、カテコール基、アセチルアセトネー
    ト基、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート
    基、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラノ-4-エート基、お
    よび9-ビシクロ[3, 3, 1]ノニル基からなる群より選ば
    れた1種であることを特徴とする、請求項1記載の積層
    板用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の積層板
    用エポキシ樹脂組成物と基材とで、基本的に構成される
    ことを特徴とするプリプレグ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の積層板
    用エポキシ樹脂組成物と基材とで、基本的に構成される
    ことを特徴とする積層板。
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